JP4261998B2 - 弾性表面波素子 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば携帯電話等の移動体通信機器や車載用機器、医療用機器等に用いられる弾性表面波素子に関し、詳しくは、反射器の構造に特徴を有する弾性表面波素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
弾性表面波共振器や弾性表面波フィルタ等の弾性表面波装置は、マイクロ波帯を利用する各種無線通信機器や車載用機器、医療用機器等に幅広く用いられており、弾性表面波装置の電気特性や信頼性の改善、或いは、弾性表面波装置を含む電子装置の特性改善や小型化などの目的により、弾性表面波素子上に所定のインダクタンスや抵抗を形成するようにしたものが提案されている。
【0003】
ところが、弾性表面波素子上にインダクタンスや抵抗を形成する場合、弾性表面波素子上にインダクタンスや抵抗を形成するためのスペースを確保しなければならないことから、弾性表面波素子が大型化するという問題があった。
【0004】
そこで上述の問題を解消するために、弾性表面波素子上に形成されている反射器を利用して所定のインダクタンスや抵抗を形成することにより、弾性表面波素子の大型化を防止することが検討されている。
【0005】
反射器を利用して所定のインダクタンスや抵抗を形成した従来の弾性表面波素子としては、反射器を利用してミアンダパターンを形成したもの(例えば、特許文献1、特許文献2参照)や、反射器を利用してスパイラルパターンを形成したもの(例えば、特許文献1参照)が知られている。
【0006】
図8は反射器を利用してミアンダパターンを形成するようにした弾性表面波素子を模式的に示す平面図であり、図9は反射器を利用してスパイラルパターンを形成するようにした弾性表面波素子を模式的に示す平面図である。
【0007】
図8に示す従来例においては、弾性表面波素子100は、圧電基板101上に、一対の櫛歯状電極102a、102bから成るインターデジタルトランスデューサー(IDT)電極102が形成され、その両側に一対の反射器103、104が形成されている。そして、反射器103を構成する複数の反射電極103a、103bなどが相互に接続されてミアンダパターンを平面的に形成しており、その一端が櫛歯状電極102aに、他端が入力パッド電極105に接続されている。同様に反射器104においても、反射器104を構成する複数の反射電極が相互に接続されてミアンダパターンが平面的に形成されており、その一端が櫛歯状電極102bに、他端が出力パッド電極106に接続されている。よって電気的にはIDT電極102の両側に直列にインダクタ及び抵抗を接続させた構成となる。
【0008】
【特許文献1】
特開平2−58915号公報 (図1、図3)
【0009】
【特許文献2】
特開2001−68960号公報 (図1)
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来の弾性表面波素子は以下の問題を有していた。
【0011】
即ち、図8に示す弾性表面波素子においては、圧電基板101の上面にミアンダパターンが平面的に形成されており、かかるミアンダパターンの長さを長くするほどパターンの形成領域は広くなって基板面積が大となることから、弾性表面波素子を小型に構成しようとすれば、あまり大きなインダクタンス及び抵抗を得ることはできない。
【0012】
また一方、図9に示す弾性表面波素子においても、圧電基板101の上面にスパイラルパターンが平面的に形成されており、かかるスパイラルパターンを形成することによって大きなインダクタンスは得られるものの、ミアンダパターンと同様に、パターンの形成領域に応じた基板面積が必要となるため、弾性表面波素子の大型化を招く上に、この技術を実際の製品に適用する場合、スパイラルパターンの中心に金属細線やバンプを接続させるために例えば100μm×100μm程度の比較的大きなパッド電極を形成する必要があり、これによって弾性表面波素子の更なる大型化を招く不都合があった。
【0013】
本発明は上述の課題に鑑み案出されたもので、その目的は、小型で、且つ大きなインダクタンス及び抵抗を形成することができる弾性表面波素子を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明の弾性表面波素子は、圧電基板の一方主面に、複数の電極指を有した一対の櫛歯状電極を、一方の櫛歯状電極の電極指間に他方の櫛歯状電極の電極指が位置するように対向配置させて成るIDT電極と、弾性表面波の伝搬方向に沿って前記IDT電極の両側に配置され、前記電極指と平行に配置された複数個の帯状の反射電極を有する反射器とを配設してなる弾性表面波素子において、前記圧電基板上に、前記反射器を被覆するようにして前記反射電極上に貫通孔を有した絶縁膜を形成させるとともに、該絶縁膜上に、両端部を前記貫通孔内で異なる反射電極の上面に被着させた厚みが前記絶縁膜の厚みよりも厚い配線導体を形成し、該配線導体と前記複数個の反射電極とでコイル状パターンを構成し、前記IDT電極の前記一方の櫛歯状電極が片側の前記コイル状パターンによって入力パッド電極に電気的に接続され、前記IDT電極の前記他方の櫛歯状電極がもう片側の前記コイル状パターンによって出力パッド電極に電気的に接続されたことを特徴とするものである。
【0015】
また、本発明の弾性表面波素子は前記コイル状パターンの一端部と他端部とが異なる電位に保持されることを特徴とするものである。
【0016】
更に、本発明の弾性表面波素子は、前記貫通孔が全ての反射電極の両端部に設けられており、前記配線導体によって隣接する反射電極同士を個々に電気的に接続したことを特徴とするものである。
【0018】
更にまた、本発明の弾性表面波素子は、前記絶縁膜の上面と前記貫通孔の内壁面との間に形成される角部の角度θが鈍角であり、且つ、前記絶縁膜の下面と前記貫通孔の内壁面との間に形成される角部の角度θが鋭角であることを特徴とするものである。
【0019】
また更に、本発明の弾性表面波素子は、前記貫通孔が前記反射電極の長さ方向に沿った長孔状であることを特徴とするものである。
【0020】
更にまた、本発明の弾性表面波素子は、前記貫通孔が複数の前記反射電極上に跨って形成されていることを特徴とするものである。
【0021】
また更に、本発明の弾性表面波素子は、前記配線導体が前記絶縁膜と同質の材料から成る保護膜によって被覆されていることを特徴とするものである。
【0022】
更にまた、本発明の弾性表面波素子は、前記コイル状パターンの中心軸線が前記圧電基板の一方主面に対して略直交する方向に配されていることを特徴とするものである。
【0023】
また更に、本発明の弾性表面波素子は、前記コイル状パターンは、平面視した際、反射電極からなる部分と配線導体からなる部分とが一部、重なり合うように配されているとともに、該重なり合う部分において前記コイル状パターン中を電流が同じ向きに流れることを特徴とするものである。
【0024】
更にまた、本発明の弾性表面波素子は、前記反射器を構成する複数個の反射電極のうち、2個の反射電極をその一端側で接続することによりU字状パターンを形成するとともに、該U字状パターン上の配線導体もU字状パターンとし、双方のU字状パターンを電気的に接続することにより前記コイル状パターンを構成するようにしたことを特徴とするものである。
【0025】
また更に、本発明の弾性表面波素子は、前記反射器を構成する複数個の反射電極のうち、隣合う反射電極同士をその一端側で接続することによりU字状パターンを形成するとともに、該U字状パターン上の配線導体を、前記U字状パターンと同じ方向に開口するU字状パターンとして一部を重ね合わせ、双方のU字状パターンをその開口端側で電気的に接続することにより前記コイル状パターンを構成するようにしたことを特徴とするものである。
【0026】
更にまた、本発明の弾性表面波素子は、前記コイル状パターンが複数個並設されており、これらが直列的に接続されていることを特徴とするものである。
【0027】
【作用】
本発明の弾性表面波素子によれば、圧電基板上に、反射器を被覆するようにして前記反射電極上に貫通孔を有した絶縁膜を形成するとともに、該絶縁膜上に、両端部を前記貫通孔内で異なる反射電極の上面に被着させた厚みが前記絶縁膜の厚みよりも厚い配線導体を形成し、該配線導体と前記複数個の反射電極とでコイル状パターンを構成し、前記IDT電極の前記一方の櫛歯状電極が片側の前記コイル状パターンによって入力パッド電極に電気的に接続され、前記IDT電極の前記他方の櫛歯状電極がもう片側の前記コイル状パターンによって出力パッド電極に電気的に接続されるようにしたことから、所定の弾性表面波素子面積でミアンダパターンよりも大きいインダクタンス及び抵抗を有するパターンを得ることができる。また、配線導体の厚みが絶縁膜の厚みよりも厚くされているため、絶縁膜に設けた貫通孔を介して反射電極と配線導体とを接続する際に、貫通孔の端部で接続不良が発生するのを有効に防止することができる。
【0028】
また、本発明の弾性表面波素子によれば、前記コイル状パターンの一端部と他端部とが異なる電位に保持されるので、前記コイル状パターンを所定のインダクタンス及び抵抗を持つ回路部品として機能させることができる。
【0029】
更に、本発明の弾性表面波素子によれば、貫通孔が全ての反射電極の両端部に設けられており、配線導体によって隣接する反射電極同士を個々に電気的に接続するようにしたことから、最大のインダクタンス及び抵抗を持ったコイル状パターンを形成することができる。
【0031】
更にまた、本発明の弾性表面波素子によれば、絶縁膜の上面と貫通孔の内壁面との間に形成される角部の角度θを鈍角とし、且つ、絶縁膜の下面と貫通孔の内壁面との間に形成される角部の角度θを鋭角とすることにより、絶縁膜に設けた貫通孔を介して反射電極と配線導体とを接続する際に、貫通孔の端部で接続不良が発生するのを有効に防止することができる。
【0032】
また更に、本発明の弾性表面波素子によれば、貫通孔の形状を反射電極の長さ方向に沿った長孔状とすることにより、絶縁膜を厚く形成するような場合であっても、エッチングによって貫通孔を確実に形成し、かかる貫通孔を介して反射電極と配線導体とを確実に接続することができる。
【0033】
更にまた、本発明の弾性表面波素子によれば、前記貫通孔を複数の反射電極上に跨って形成することにより、絶縁膜の厚みが更に大きくなっても、エッチング等によって貫通孔を確実に形成することができ、反射電極と配線導体とを貫通孔を介して確実に接続することができる。
【0034】
また更に、本発明の弾性表面波素子によれば、前記配線導体を絶縁膜と同質の材料から成る保護膜によって被覆しておくことにより、下地に対する保護膜の密着性を良好に維持しつつ、配線導体の上に導電性の異物が付着すること等に起因した特性の劣化や配線導体の損傷を有効に防止することができる。
【0035】
更にまた、本発明の弾性表面波素子は、前記コイル状パターンの中心軸線が前記圧電基板の一方主面に対して略直交する方向に配されているので、前記コイル状パターンの平面形状(前記圧電基板の一方主面と平行な面内における形状)によってコイルの断面積が決定される為、前記絶縁膜の厚みが小さい場合においても、コイルの断面積を大きくすることが可能となり、大きなインダクタンスを有するコイル状パターンを得ることができる。
【0036】
また更に、本発明の弾性表面波素子は、前記コイル状パターンは、平面視した際、反射電極からなる部分と配線導体からなる部分とが一部、重なり合うように配されているとともに、該重なり合う部分において前記コイル状パターン中を電流が同じ向きに流れるようにされているので、反射電極を流れる電流による磁界の向きと配線導体を流れる電流による磁界の向きとが一致して強め合う為、大きなインダクタンスを有するコイル状パターンを得ることができる。
【0037】
更にまた、本発明の弾性表面波素子は、前記反射器を構成する複数個の反射電極のうち、2個の反射電極をその一端側で接続することによりU字状パターンを形成するとともに、該U字状パターン上の配線導体もU字状パターンとし、双方のU字状パターンを電気的に接続することにより前記コイル状パターンを構成するようにしている。よって、前記反射電極と前記配線導体とが大きい領域で前記圧電基板の厚み方向に重なり合ったコイル状パターンとなり、重なり合ったパターン中を流れる電流の向きを一致させることによって、大きいインダクタンスを有するコイル状パターンを形成することができる。
【0038】
また更に、本発明の弾性表面波素子は、前記反射器を構成する複数個の反射電極のうち、隣合う反射電極同士をその一端側で接続することによりU字状パターンを形成するとともに、該U字状パターン上の配線導体を、前記U字状パターンと同じ方向に開口するU字状パターンとして一部を重ね合わせ、双方のU字状パターンをその開口端側で電気的に接続することにより前記コイル状パターンを構成するようにしている。よって、隣り合う2本の反射電極とその上の配線導体とで一つの大きなインダクタンスを有するコイル状パターンが形成されるため、限られた面積の中に最大数の大きなインダクタンスを有するコイル状パターンを形成することができる。
【0039】
更にまた、本発明の弾性表面波素子は、前記コイル状パターンが複数個並設されており、これらが直列的に接続されているため、全体として大きなインダクタンスを有するパターンを形成することができる。
【0040】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図面に基づいて詳細に説明する。
【0041】
(第1実施形態)
図1は本発明の第1実施形態に係る弾性表面波素子を模式的に示す平面図、図2は図1の弾性表面波素子の分解斜視図であり、これらの図に示す弾性表面波素子1は、圧電基板10の上面に、IDT電極21、反射器22、パッド電極23等からなる各種電極20を形成し、パッド電極23上と反射器22上の一部を除く上面を絶縁膜30で被覆し、絶縁膜30上の所定位置に、一部が反射器22に接触するように配線導体40を被着し、その上面を更に保護膜50でパッド電極23を露出させた状態で被覆した構造を有している。
【0042】
前記圧電基板10は、例えば、水晶、タンタル酸リチウム単結晶、ニオブ酸リチウム単結晶、四ホウ酸リチウム単結晶等の圧電性の単結晶、或いはチタン酸鉛、ジルコン酸鉛等の圧電セラミックスから成り、その上面で各種電極20、絶縁膜30等を支持する支持母材として機能するとともに、各種電極20を介して圧電基板10に電力が印加されると、その一主面で所定の弾性表面波を発生させる作用を為す。
【0043】
また、各種電極20は、例えば、アルミニウム、アルミニウムを主成分とする合金等の金属材料から成り、弾性表面波を励振するIDT電極21、弾性表面波の伝搬方向に沿ってIDT電極21の両側に配置される反射器22、IDT電極21に電気的に接続される外部接続用のパッド電極23等によって構成される。
【0044】
前記IDT電極21は、各々が帯状の共通電極と該共通電極に対し直交する方向に延びる複数の電極指とで形成されている一対の櫛歯状電極21a、21bを、その共通電極同士が平行に配置され、且つ両共通電極の対向領域内で櫛歯状電極21a、21bの電極指が弾性表面波の伝搬方向に交互に配置されるようにかみ合わせた状態で対向配置させて構成される。
【0045】
かかるIDT電極21は、外部から所定の電力が印加されると、圧電基板10の上面に電極指の配列ピッチに対応した所定の弾性表面波、具体的には、電極指の配列ピッチを1/2波長とする弾性表面波を発生する作用を為す。
【0046】
一方、前記反射器22は、IDT電極21の形成領域内で発生する弾性表面波を一対の反射器22a、22bの間に閉じ込めて定在波を良好に発生させるためのものである。帯状の複数の反射電極22cをIDT電極21の電極指とほぼ同じピッチで配列させた形状とされており、IDT電極21の外側に、IDT電極21の電極指の配列ピッチとほぼ同じ間隔だけ離れて配置される。
【0047】
このような一対の反射器22a、22bと、その間に配置されるIDT電極21とで一端子対共振器が構成されている。
【0048】
そして、パッド電極23は、外部との電気的接続をなす金属細線やバンプが接合される部分であり、IDT電極21と電気的に接続されている。
【0049】
以上のような各種電極20は、従来周知の蒸着やスパッタリングによって圧電基板10上に形成した電極膜上にレジストをスピンコートし、ステッパー装置などを用いて露光・現像した後に、RIE装置などを用いてエッチングすることによって形成される。
【0050】
また、前記絶縁膜30は、酸化シリコンや窒化シリコンなどの絶縁性材料もしくはシリコン等の半導電性材料のような無機質材料から成り、パッド電極23及び反射電極22c上の一部を除く圧電基板10の上面に形成される。
【0051】
前記絶縁膜30は、配線導体40と反射電極22cとが反射電極22cの両端部付近以外の場所で接触することによって、所望のインダクタンス及び抵抗が得られなくなることを防止するとともに、電導性異物などによるIDT電極21の短絡や損傷を防ぐためのものであり、反射電極22cと配線導体40との接続部以外の箇所における絶縁性を確保するためには、絶縁膜30の厚みを200Å以上に設定しておくことが好ましい。
【0052】
そして前記絶縁膜30には、図2に示すように、パッド電極23及び反射電極22c上の一部に複数の貫通孔30aが形成されており、反射電極22c上に形成された貫通孔30aを介して、反射電極22cと配線導体40とが電気的に接続され、所定のインダクタンス及び抵抗を有するコイル状パターンが立体的に形成される。
【0053】
ここで、絶縁膜30の上面と貫通孔30aの内壁面との間に形成される角部の角度θを鈍角とし、且つ、絶縁膜30の下面と貫通孔30aの内壁面との間に形成される角部の角度θを鋭角とすることにより、絶縁膜30に形成した貫通孔30aを介して反射電極22cと配線導体40とを接続する際に、貫通孔30aの端部で接続不良が発生するのを防止することができる。このような断面形状の貫通孔30aを得る為には、蒸着やスパッタ等によって形成した絶縁膜30に、エッチングによって貫通孔30aを形成することが望ましい。
【0054】
また、反射電極22cの配列ピッチは弾性表面波の波長の約1/2とされ、弾性表面波の波長は周波数に反比例する為、高い周波数で使用される弾性表面波素子の反射電極22cの配列ピッチは狭くなる。反射電極22cの配列ピッチが小さくなると、反射電極22c上に形成する貫通孔の平面形状も小さくなる。エッチングによって絶縁膜30に貫通孔30aを形成する場合、貫通孔30aの平面形状が小さくなると、厚い絶縁膜30に貫通孔30aを形成するのが困難となる。そこで、貫通孔30aの形状を反射電極の長さ方向に沿った長孔状とすることにより、絶縁膜30の厚みが大きくなっても、エッチングによって確実に貫通孔30aを形成することができ、貫通孔30aを介して反射電極22cと配線導体40とを確実に接続することができる。
【0055】
一方、前記配線導体40はアルミニウムもしくはアルミニウムを主成分とする合金から成り、貫通孔30aを介して反射電極22cと接続されて、所定のインダクタンス及び抵抗を有するコイル状パターンを形成する。ここで、配線導体40の厚みを絶縁膜30の厚みよりも大とすることにより、絶縁膜30に形成された貫通孔30aの端部で接続不良が発生することを防止でき、反射電極22cと配線導体40とを確実に電気的に接続することができる。このような配線導体40は、蒸着やスパッタによる導体膜形成及びエッチングやリフトオフ法によるパターンニングにより形成できる。
【0056】
また、前記保護膜50は、絶縁膜30と同様に酸化シリコンや窒化シリコンなどの絶縁性材料もしくはシリコン等の半導電性材料のような無機質材料から成り、配線導体40を被覆するように、従来周知のスパッタリングや蒸着などによって形成される。
【0057】
かかる保護膜50は、配線導体40に対する導電性異物等の付着によって生じる隣り合う配線導体40同士の電気的接触や、配線導体40の断線などによって、所定のインダクタンス及び抵抗が得られなくなることを防止している。このような保護膜50も絶縁膜30と同様にパッド電極23を露出するように形成されており、保護膜50を形成した後においても、パッド電極23に金属細線やバンプを接続することによって、外部と電気的に接続できるようにされている。尚、前記保護膜50の厚みとしては、導電性異物によるショート防止の観点から、200Å以上とすることが望ましい。
【0058】
また、保護膜50を絶縁膜30と同質の材料とすることにより、絶縁膜30との密着性が向上し、保護膜50の剥離等の発生を防止することができる。但しこの場合、構成元素の比率まで厳密に同一である必要はない。
【0059】
以上のような構成の弾性表面波素子1においては、IDT電極21の一方の櫛歯状電極21aが、反射器22aの複数の反射電極22cと、反射器22a上に形成された複数の配線導体40とによって形成されたコイル状パターンによって、入力パッド電極23aに電気的に接続されている。同様に、IDT電極21の他方の櫛歯状電極21bが、反射器22bの複数の反射電極22cと、反射器22b上に形成された複数の配線導体40とによって形成されたコイル状パターンによって、出力パッド電極23bに電気的に接続されている。よって、電気的にはIDT電極21の両側に直列にインダクタ及び抵抗が接続された構成となっている。
【0060】
ここで、図1に示す本発明の弾性表面波素子と図8に示す従来例の弾性表面波素子とを比較すると、同一の素子面積及び反射器形状(反射電極形状並びに本数)でありながら、従来例のミアンダパターンに対して本発明のコイル状パターンは遙かにパターンの全長が長く、それによってパターンの有するインダクタンス並びに抵抗は大きくなっており、本発明の有効性が確認できる。
【0061】
(第2実施形態)
次に本発明の第2実施形態に係る弾性表面波素子について図3を用いて説明する。尚、本実施形態においては先に述べた第1実施形態と異なる点についてのみ説明し、同様の構成要素については同一の参照符を用いて、重複する説明を省略するものとする。
【0062】
図3に示す第2実施形態の弾性表面波素子が第1実施形態のものと異なる点は、第1実施形態の弾性表面波素子においては絶縁膜30の貫通孔30aを反射電極毎に個別に形成するようにしたのに対し、第2実施形態の弾性表面波素子においては絶縁膜30の貫通孔30bを複数の反射電極22cに跨るようにして共通に形成した点である。
【0063】
かかる共通の貫通30bは反射電極22cの配列方向に長状に形成されており、このような貫通孔30bを採用することにより、絶縁膜30の厚みが比較的厚い場合であっても、貫通30bを比較的容易に形成することができ、反射電極22cと配線導体40とを確実に接続することができる利点がある。
【0064】
(第3実施形態)
次に本発明の第3実施形態に係る弾性表面波素子について図4を用いて説明する。尚、本実施形態においても先に述べた第1実施形態と異なる点についてのみ説明し、同様の構成要素については同一の参照符を用いて、重複する説明を省略するものとする。
【0065】
図4に示す第3実施形態の弾性表面波素子においては、IDT電極21の両側に設けられている反射器22a,22bの反射電極22cのうち最も外側に配されている反射電極同士を接続導体24でもって電気的に接続した点であり、これによってIDT電極21の両側に配されているコイルパターン同士を接続導体24を介して電気的に接続した形となっていた。
【0066】
このため、IDT電極21の一対の櫛歯状電極21aと21bとが、高い抵抗を有するパターン(反射電極22c,配線導体40,接続導体24等)を介して電気的に接続されることとなり、圧電基板の焦電性に起因して一対の櫛歯状電極間に大きな電位差が生じたとしても、これらの電荷を接続導体24等を介して他方の櫛歯状電極側へ逃がすことにより櫛歯状電極間で放電破壊が発生するのを有効に防止することができる利点がある。
【0067】
(第4実施形態)
次に本発明の第4実施形態に係る弾性表面波素子について図5、図6を用いて説明する。図5は本発明の第4実施形態に係る弾性表面波素子を模式的に示す分解斜視図、図6は図5に示した弾性表面波素子において保護膜50を省略した平面図である。尚、本実施形態においても先に述べた第1乃至第3の実施形態と異なる点についてのみ説明し、同様の構成要素については同一の参照符を用いて、重複する説明を省略するものとする。
【0068】
本実施形態に係る弾性表面波素子の特徴的な点は、第一に、コイル状パターンの中心軸線が圧電基板10の一方主面に対して、略直交する方向に配されていることである。
【0069】
一般的に、コイルを流れる電流をi、このときコイルを貫く磁束をΦ、コイルのインダクタンス(自己インダクタンス)をLとすると、Φ=Liと表すことができる。
【0070】
コイルの断面積が大きいほどコイルを貫く磁束も増加する為、コイルの断面積が大きい方がコイルのインダクタンスも大きくなる。前述した第1乃至第3の実施形態に係る弾性表面波素子においては、コイル状パターンの中心軸線が弾性表面波の伝搬方向に略一致した方向となるので、絶縁膜30の厚みが小さい場合にはコイルの断面積が小さくなり、大きなインダクタンスを得るのが困難であった。
【0071】
しかし本実施形態では、コイル状パターンの中心軸線が圧電基板10の一方主面に対して、略直交する方向とされている為、前記コイル状パターンの平面形状(圧電基板10の一方主面と平行な面内における形状)によってコイルの断面積が決定され、絶縁膜30の厚みが小さい場合においても、コイルの断面積を大きくすることが可能となり、大きなインダクタンスを有するコイル状パターンを得ることができる。
【0072】
第2の特徴的な点は、コイル状パターンにおいて、平面視した際に反射電極22cからなる部分と配線導体40からなる部分とが殆どの領域で重なり合うように配されているとともに、該重なり合う部分において電流がほぼ同じ向きに流れるようにされていることである。ここで、非常に近接配置される配線導体40と反射電極22cとの重なり合う部分において両者を流れる電流の向きが逆転していると、両者を流れる電流によって発生する磁界の向きも逆転して互いに打ち消し合うので、インダクタンスは小さくなってしまう。しかしながら本実施例においては、反射電極22cを流れる電流の向きと配線導体40を流れる電流の向きとが一致し、それぞれの電流によって発生する磁界の向きも一致して強め合う為、大きなインダクタンスを有するコイル状パターンとすることができる。
【0073】
第3の特徴的な点は、隣合う反射電極22c同士をその一端側で接続することによりU字状パターンを形成するとともに、該U字状パターン上の配線導体40を、前記U字状パターンと同じ方向に開口するU字状パターンと成して一部を重ね合わせ、双方のU字状パターンをその開口端側で電気的に接続することにより約2巻きのコイル状パターンを複数個形成し、これらを直列的に接続していることである。このような構成とすることにより、隣り合う2本の反射電極22cとその上の配線導体40とで一つの大きなインダクタンスを有するコイル状パターンが形成される為、限られた面積の中に最大数の大きなインダクタンスを有するコイル状パターンが形成され、該コイル状パターンが直列的に接続されることによって全体として更に大きなインダクタンスを有するパターンを形成することができる。
【0074】
次に、本実施例の有効性を検証するために行った電磁場シミュレーションの結果について示す。幅10μm、長さ100μmの反射電極22cを10μmの間隔を開けて7本配列した反射器について、図7(d)に示す従来例のミアンダパターンを形成した場合と、図7(c)に示す本実施例のコイル状パターンを形成した場合について、それぞれのパターンの両端部の間のインダクタンスを計算した。なお、図7(c)に示す本実施例のコイル状パターンにおいて、配線導体40の両端部と、それぞれと積層方向に対向する反射電極22cの端部とを理想線路(インダクタンス、抵抗ともにゼロである線路)により電気的に接続した。また、反射電極22cと配線導体40との間の積層方向における間隔は0.5μmとした。10kHz〜2GHzにかけて電磁場シミュレーションを行った結果、この周波数範囲においてミアンダパターンのインダクタンスは約0.27nHであったのに対して、本実施例のコイル状パターンのインダクタンスは約0.83nHとなり、ミアンダパターンの3倍以上のインダクタンスが得られた。これにより本実施例の顕著な効果が明確に確認された。
【0075】
尚、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更・改良などが可能である。
【0076】
例えば上述した第1乃至第3の実施形態においては、全ての反射電極22cを直列に接続してコイル状パターンを形成するようにしたが、これに代えて、一部の反射電極22cを接続してコイル状パターンを形成するようにしても構わない。
【0077】
また、上述した第4の実施形態においては、全ての反射電極22cを用いて多数のコイル状パターンを作成し、それらを直列的に接続する構造としたが、一部の反射器を用いて小数のコイル状パターンを形成するようにしても構わない。
【0078】
更に、上述した実施形態においては、隣り合う反射電極22c同士を接続する例を示したが、これに限定されることはなく、隣り合わない反射電極22c同士を接続しても構わない。
【0079】
また更に、上述した実施形態においては、異なる反射電極22cの端部付近同士が接続される構造となっているが、必要に応じて端部付近以外で接続される構造としても構わない。
【0080】
更にまた、上述した実施形態において、反射電極の接続方法及び配線電極の形状は、反射電極の形状、本数、必要なインダクタンスや抵抗に応じて如何様にも変更可能である。
【0081】
更に、上述の実施形態においては、各種電極30及び配線導体40をアルミニウムやアルミニウム合金等の金属によって形成するようにしたが、他の導電性材料を用いて各種電極30及び配線導体40を形成するようにしても構わない。
【0082】
また更に、上述の実施形態においては、本発明を一端子対共振器に適用した例について説明したが、それ以外の弾性表面波素子、例えば、ラダー型フィルタや多重モードフィルタ等の弾性表面波フィルタやデュプレクサ等の弾性表面波装置にも本発明は適用可能である。
【0083】
【発明の効果】
本発明の弾性表面波素子によれば、圧電基板上に、反射器を被覆するようにして前記反射電極上に貫通孔を有した絶縁膜を形成するとともに、該絶縁膜上に、両端部を前記貫通孔内で異なる反射電極の上面に被着させた厚みが前記絶縁膜の厚みよりも厚い配線導体を形成し、該配線導体と前記複数個の反射電極とでコイル状パターンを構成し、前記IDT電極の前記一方の櫛歯状電極が片側の前記コイル状パターンによって入力パッド電極に電気的に接続され、前記IDT電極の前記他方の櫛歯状電極がもう片側の前記コイル状パターンによって出力パッド電極に電気的に接続されるようにしたことから、所定の弾性表面波素子面積でミアンダパターンよりも大きいインダクタンス及び抵抗を有するパターンを得ることができる。また、配線導体の厚みが絶縁膜の厚みよりも厚くされているため、絶縁膜に設けた貫通孔を介して反射電極と配線導体とを接続する際に、貫通孔の端部で接続不良が発生するのを有効に防止することができる。
【0084】
また、本発明の弾性表面波素子によれば、前記コイル状パターンの一端部と他端部とが異なる電位に保持されるので、前記コイル状パターンを所定のインダクタンス及び抵抗を持つ回路部品として機能させることができる。
【0085】
更に、本発明の弾性表面波素子によれば、貫通孔が全ての反射電極の両端部に設けられており、配線導体によって隣接する反射電極同士を個々に電気的に接続するようにしたことから、最大のインダクタンス及び抵抗を持ったコイル状パターンを形成することができる。
【0087】
更にまた、本発明の弾性表面波素子によれば、絶縁膜の上面と貫通孔の内壁面との間に形成される角部の角度θを鈍角とし、且つ、絶縁膜の下面と貫通孔の内壁面との間に形成される角部の角度θを鋭角とすることにより、絶縁膜に設けた貫通孔を介して反射電極と配線導体とを接続する際に、貫通孔の端部で接続不良が発生するのを有効に防止することができる。
【0088】
また更に、本発明の弾性表面波素子によれば、貫通孔の形状を反射電極の長さ方向に沿った長孔状とすることにより、絶縁膜を厚く形成するような場合であっても、エッチングによって貫通孔を確実に形成し、かかる貫通孔を介して反射電極と配線導体とを確実に接続することができる。
【0089】
更にまた、本発明の弾性表面波素子によれば、前記貫通孔を複数の反射電極上に跨って形成することにより、絶縁膜の厚みが更に大きくなっても、エッチング等によって貫通孔を確実に形成することができ、反射電極と配線導体とを貫通孔を介して確実に接続することができる。
【0090】
また更に、本発明の弾性表面波素子によれば、前記配線導体を絶縁膜と同質の材料から成る保護膜によって被覆しておくことにより、下地に対する保護膜の密着性を良好に維持しつつ、配線導体の上に導電性の異物が付着すること等に起因した特性の劣化や配線導体の損傷を有効に防止することができる。
【0091】
更にまた、本発明の弾性表面波素子は、前記コイル状パターンの中心軸線が前記圧電基板の一方主面に対して略直交する方向に配されているので、前記絶縁膜の厚みが小さい場合においても大きなインダクタンスを有するコイル状パターンを得ることができる。
【0092】
また更に、本発明の弾性表面波素子は、前記コイル状パターンは、反射電極からなる部分と配線導体からなる部分とが部分的に重なり合うように配されているとともに、該重なり合う部分において前記コイル状パターン中を電流が同じ向きに流れるようにされているので、大きなインダクタンスを有するコイル状パターンを得ることができる。
【0093】
更にまた、本発明の弾性表面波素子は、前記反射器を構成する複数個の反射電極のうち、2個の反射電極をその一端側で接続することによりU字状パターンを形成するとともに、該U字状パターン上の配線導体もU字状パターンとし、双方のU字状パターンを電気的に接続することにより前記コイル状パターンを構成するようにしているので、大きいインダクタンスを有するコイル状パターンを形成することができる。
【0094】
また更に、本発明の弾性表面波素子は、前記反射器を構成する複数個の反射電極のうち、隣合う反射電極同士をその一端側で接続することによりU字状パターンを形成するとともに、該U字状パターン上の配線導体を、前記U字状パターンと同じ方向に開口するU字状パターンとして一部を重ね合わせ、双方のU字状パターンをその開口端側で電気的に接続することにより前記コイル状パターンを構成するようにしているので、限られた面積の中に最大数の大きなインダクタンスを有するコイル状パターンを形成することができる。
【0095】
更にまた、本発明の弾性表面波素子は、前記コイル状パターンが複数個形成されており、それらが直列的に接続されているため、全体として大きなインダクタンスを有するパターンを形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る弾性表面波素子を模式的に示す平面図である。
【図2】図1の弾性表面波素子の分解斜視図である。
【図3】本発明の第2実施形態に係る弾性表面波素子を模式的に示す分解斜視図である。
【図4】本発明の第3実施形態に係る弾性表面波素子を模式的に示す平面図である。
【図5】本発明の第4実施形態に係る弾性表面波素子を模式的に示す分解斜視図である。
【図6】図5に示す弾性表面波素子の保護膜50を省略した状態を示す平面図である。
【図7】本発明の第4実施形態の有効性を確認する為に行った電磁場シミュレーションで用いた構造モデルを示す図である。
【図8】従来の弾性表面波素子を模式的に示す平面図である。
【図9】従来の弾性表面波素子を模式的に示す平面図である。
【符号の説明】
1・・・弾性表面波素子
10・・・圧電基板
21・・・IDT電極
22・・・反射器
22c・・・反射電極
23・・・パッド電極
30・・・絶縁膜
30a,30b・・・貫通穴
40・・・配線導体
50・・・保護膜

Claims (12)

  1. 圧電基板の一方主面に、複数の電極指を有した一対の櫛歯状電極を、一方の櫛歯状電極の電極指間に他方の櫛歯状電極の電極指が位置するように対向配置させて成るIDT電極と、弾性表面波の伝搬方向に沿って前記IDT電極の両側に配置され、前記電極指と平行に配置された複数個の帯状の反射電極を有する反射器とを配設してなる弾性表面波素子において、前記圧電基板上に、前記反射器を被覆するようにして前記反射電極上に貫通孔を有した絶縁膜を形成するとともに、該絶縁膜上に、両端部を前記貫通孔内で異なる反射電極の上面に被着させた厚みが前記絶縁膜の厚みよりも厚い配線導体を形成し、該配線導体と前記複数個の反射電極とでコイル状パターンを構成し、前記IDT電極の前記一方の櫛歯状電極が片側の前記コイル状パターンによって入力パッド電極に電気的に接続され、前記IDT電極の前記他方の櫛歯状電極がもう片側の前記コイル状パターンによって出力パッド電極に電気的に接続されたことを特徴とする弾性表面波素子。
  2. 前記コイル状パターンの一端部と他端部とが異なる電位に保持されることを特徴とする請求項1に記載の弾性表面波素子。
  3. 前記貫通孔が全ての反射電極の両端部に設けられており、前記配線導体によって隣接する反射電極同士を個々に電気的に接続したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の弾性表面波素子。
  4. 前記絶縁膜の上面と前記貫通孔の内壁面との間に形成される角部の角度θが鈍角であり、且つ、前記絶縁膜の下面と前記貫通孔の内壁面との間に形成される角部の角度θが鋭角であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の弾性表面波素子。
  5. 前記貫通孔が前記反射電極の長さ方向に沿った長孔状であることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の弾性表面波素子。
  6. 前記貫通孔が複数の前記反射電極上に跨って形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の弾性表面波素子。
  7. 前記配線導体が前記絶縁膜と同質の材料から成る保護膜によって被覆されていることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の弾性表面波素子。
  8. 前記コイル状パターンの中心軸線が前記圧電基板の一方主面に対して略直交する方向に配されていることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の弾性表面波素子。
  9. 前記コイル状パターンは、平面視した際、反射電極からなる部分と配線導体からなる部分とが一部、重なり合うように配されているとともに、該重なり合う部分において前記コイル状パターン中を電流が同じ向きに流れることを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の弾性表面波素子。
  10. 前記反射器を構成する複数個の反射電極のうち、2個の反射電極をその一端側で接続することによりU字状パターンを形成するとともに、該U字状パターン上の配線導体もU字状パターンとし、双方のU字状パターンを電気的に接続することにより前記コイル状パターンを構成するようにしたことを特徴とする請求項8または請求項9に記載の弾性表面波素子。
  11. 前記反射器を構成する複数個の反射電極のうち、隣合う反射電極同士をその一端側で接続することによりU字状パターンを形成するとともに、該U字状パターン上の配線導体を、前記U字状パターンと同じ方向に開口するU字状パターンとして一部を重ね合わせ、双方のU字状パターンをその開口端側で電気的に接続することにより前記コイル状パターンを構成するようにしたことを特徴とする請求項8または請求項9に記載の弾性表面波素子。
  12. 前記コイル状パターンが複数個並設されており、これらが直列的に接続されていることを特徴とする請求項8乃至請求項11のいずれかに記載の弾性表面波素子。
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