JP3981590B2 - 弾性表面波フィルタ素子、弾性表面波フィルタ素子用ベース基板及び弾性表面波フィルタ素子を備える弾性表面波装置 - Google Patents

弾性表面波フィルタ素子、弾性表面波フィルタ素子用ベース基板及び弾性表面波フィルタ素子を備える弾性表面波装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、弾性表面波フィルタ素子を備えた弾性表面波装置に関し、特に、ラダー型の弾性表面波フィルタ素子を備えた弾性表面波装置に関するものである
【0002】
【従来の技術】
近年、携帯電話機をはじめとした移動体通信端末機が急速に発展してきている。この端末機は、持ち運びの利便さから、特に小型且つ軽量であることが望まれ、端末機の小型軽量化を達成するには、そこに使われる電子部品も小型軽量であることが必須である。このため、端末機の高周波部や中間周波部には、複数の弾性表面波共振子(SAW共振子)が圧電基板上に形成された弾性表面波素子を用いた弾性表面波装置が多用されている。
【0003】
弾性表面波装置に求められる重要な特性としては、挿入損失が低く通過帯域外の減衰量が大きいことがあげられる。挿入損失は、端末機の消費電力に影響し、低損失であるほどバッテリの寿命が延びるためバッテリの容量を削減することができ、小型軽量化に貢献する。また、帯域外の減衰量は、機器に飛び込んでくる外来不要波および機器内で発生する不要波の除去のために、特に重要である。
【0004】
低挿入損失が得られる弾性表面波装置としては、圧電基板上に弾性表面波共振子を複数個形成し、これらを直列及び並列に配置したラダー型の弾性表面波フィルタ素子を含むものが知られている。ラダー型の弾性表面波フィルタ素子では、並列腕共振子の反共振周波数と直列腕共振子の共振周波数とをほぼ一致させた構成とすることにより、この周波数近傍では通過域となり、並列腕共振子の共振周波数が低周波側減衰極となり、直列腕共振子の反共振周波数が高周波側減衰極となる帯域通過フィルタを得ることが出来る。このようなラダー型の弾性表面波フィルタ素子は、例えば特開昭52−19044号公報等に開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このラダー型の弾性表面波フィルタ素子には、以下のような問題がある。前述したように、ラダー型の弾性表面波フィルタ素子においては、並列腕共振子の共振周波数が低周波側減衰極となり、直列腕共振子の反共振周波数が高周波側極となり、この間で帯域通過特性の得られるフィルタ特性を示す。ところが、並列腕共振子の共振周波数より低い周波数、及び直列腕共振子の反共振周波数より高い周波数においては、すべての弾性表面波共振子は単なる容量素子となってしまい、ラダー型回路構成は、単なる容量ネットワークとなる。
【0006】
このため、ラダー型の弾性表面波フィルタ素子を用いれば、通過帯域内では低損失が達成されるものの、帯域外において十分な減衰量が得られないという問題点を生ずる。前述した特開昭52−19044号公報においては、この帯域外減衰量を、直列腕共振子の持つ静電容量Csと並列腕共振子の持つ静電容量Cpとの比、Cs/Cpを規定することで増大せしめることができることが記載されている。しかしながら、この方法で帯域外減衰量を増大させると、同時に帯域内挿入損失が増大するという新たな問題が生じてしまう。
【0007】
ところで、帯域外減衰量は、フィルタとしての通過帯域以外のすべての周波数において高い値が必要なのではなく、ある特定の周波数域において増大させることが重要であることが多い。この特定周波数とは、例えば弾性表面波装置を携帯電話機受信側に使用する場合、この受信周波数の2倍高調波、3倍高調波の近傍周波数などである。
【0008】
一方、従来の弾性表面波装置においては、パッケージ端子と弾性表面波フィルタ素子(チップ)との接続をワイヤーボンドで行うことが多く、この場合ボンディングワイヤー間の電磁的結合により、帯域外減衰量が大きく劣化するという問題があった。
【0009】
したがって、本発明の目的は、ラダー型の弾性表面波フィルタ素子を備える弾性表面波装置であって、帯域内挿入損失が小さく、且つ、帯域外減衰量が十分に大きい弾性表面波装置を提供することである
【0010】
本発明の他の目的は、ラダー型の弾性表面波フィルタ素子を備える弾性表面波装置であって、所望の周波数域における帯域外減衰量が十分に大きい弾性表面波装置を提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明の前記目的は、圧電基板上に設けられた少なくとも1つの直列腕共振子パターン及び複数の並列腕共振子パターンと、前記複数の並列腕共振子パターンにそれぞれ対応して設けられた複数のバンプ電極とを備えるラダー型の弾性表面波フィルタ素子と、前記弾性表面波フィルタ素子が搭載されるベース基板を含む弾性表面波装置であって、前記複数の並列腕共振子パターンのうち、少なくとも2つの並列腕共振子パターンと基準電位との間に、互いに値の異なるインダクタンス成分が付加されているとともに、少なくとも1つの並列腕共振子パターンの並列静電容量と、該並列腕共振子パターンと基準電位との間に付加されたインダクタンス成分によって構成される共振回路の共振周波数が、前記弾性表面波フィルタ素子の通過帯域の中心周波数のほぼ整数倍であり、前記ベース基板が、前記少なくとも2つの並列腕共振子パターンにそれぞれ対応するバンプ電極に接続された複数のグランド引き出しパターンと、前記複数のグランド引き出しパターンに接続された共通グランドパターンとを備え、前記複数のグランド引き出しパターンのうち、少なくとも2つのグランド引き出しパターンによるインダクタンス成分が互いに異なっていることを特徴とする弾性表面波装置によって達成される
【0016】
本発明によれば、少なくとも2つの並列腕共振子パターンと基準電位との間に、互いに値の異なるインダクタンス成分が付加されているから、遮断帯域における任意の周波数帯に少なくとも2つの減衰極を形成することができる。
また、本発明によれば、弾性表面波装置は、さらに、弾性表面波フィルタ素子が搭載されるベース基板を含み、ベース基板が、少なくとも2つの並列腕共振子パターンにそれぞれ対応するバンプ電極に接続された複数のグランド引き出しパターンと、複数のグランド引き出しパターンに接続された共通グランドパターンとを備え、複数のグランド引き出しパターンのうち、少なくとも2つのグランド引き出しパターンによるインダクタンス成分が互いに異なっているから、通常の弾性表面波フィルタ素子を用いた場合であっても、遮断帯域における任意の周波数帯に少なくとも2つの減衰極を形成することができる
さらに、本発明によれば、少なくとも1つの並列腕共振子パターンの並列静電容量と、該並列腕共振子パターンと基準電位との間に付加されたインダクタンス成分によって構成される共振回路の共振周波数が、前記弾性表面波フィルタ素子の通過帯域の中心周波数のほぼ整数倍であるから、2倍高調波や3倍高調波等、特定の周波数帯における減衰量を増大させることができる
【0017】
本発明の好ましい実施態様においては、前記圧電基板上に設けられた配線パターンのうち、少なくとも2つの並列腕共振子パターンとこれらに対応するバンプ電極とを接続する領域の形状が互いに異なっている
本発明の好ましい実施態様によれば、通常のフェイスダウン型のパッケージを用いた場合であっても、遮断帯域における任意の周波数帯に少なくとも2つの減衰極を形成することができる。
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記2つのグランド引き出しパターンが前記ベース基板の表面に形成されており、前記2つのグランド引き出しパターンの平面形状が互いに異なっている
本発明の別の好ましい実施態様においては、前記ベース基板が多層基板であり、前記2つのグランド引き出しパターンの少なくとも一部が前記ベース基板の内部に形成されている
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の好ましい実施態様について詳細に説明する。
【0028】
図1は、本発明の好ましい実施態様にかかる弾性表面波装置1を概略的に示す切り欠き図である。
【0029】
図1に示すように、本実施態様にかかる弾性表面波装置1は、弾性表面波フィルタ素子10と、弾性表面波フィルタ素子10が搭載されたベース基板40と、ベース基板40を覆うカバー50によって構成される。カバー50は、ベース基板40との間に形成される空間を密閉することによって弾性表面波フィルタ素子10を保護する役割を果たす。また、弾性表面波装置1においては、圧電基板30の主面(図示せず)がベース基板40の素子搭載面40aに向き合うように弾性表面波フィルタ素子10が搭載されている。すなわち、ベース基板40及びカバー50からなるパッケージは、いわゆるフェイスダウン型のパッケージを構成している。
【0030】
図2は、弾性表面波フィルタ素子10の一例を示す略平面図である。
【0031】
図2に示す例による弾性表面波フィルタ素子10は、圧電基板30と圧電基板30の主面30aに形成された各種電極パターンからなり、圧電基板30の主面30aに形成された電極パターンは、パッド電極パターン11〜16と、並列腕共振子パターン21及び22と、直列腕共振子パターン23〜26と、これらを接続する配線パターン27とを含んでいる。また、パッド電極パターン11〜16上には、それぞれ対応するバンプ電極31〜36が設けられている。
【0032】
圧電基板30の材料としては、特に限定されるものではないが、36°回転YカットLiTaO、128°回転YカットLiNbO、64°回転YカットLiNbO、XカットLiTaO及びST水晶等を用いることができる。圧電基板30の寸法は特に限定されるものではないが、表面波伝搬方向については0.5〜10mm程度、これと直交する方向については0.5〜10mm程度に設定され、厚さは0.2〜0.4mm程度に設定するのが一般的である。
【0033】
圧電基板30の主面30aに形成される各種電極パターンの材料としては、特に限定されるものではないが、AlやCu等の金属の単体、或いは、AlやCu等を主成分とする合金を用いることができ、中でも、Alを主成分としCuを0.5質量%程度含むAl合金(以下、「Al−0.5質量%Cu」という)を用いることが好ましい。これら電極パターンは、蒸着法やスパッタリング法等の気相成長法によって圧電基板30の主面30aの実質的に全面に上記材料からなる膜を成膜した後、エッチング法により不要な部分を除去することによって形成することができる。これら電極パターンの好ましい膜厚は、主に目的とする中心周波数によって異なるが、欧州の携帯電話システムであるDCS1800の受信側フィルタのように中心周波数が1842.5MHzである場合には、190nm程度に設定することが好ましい。
【0034】
並列腕共振子パターン21及び22、並びに、直列腕共振子パターン23〜26は、圧電基板30の材料として36°回転YカットLiTaO、128°回転YカットLiNbO、64°回転YカットLiNbO又はST水晶等を用いた場合には、この結晶のX軸方向が弾性表面波伝播方向となるように配置され、圧電基板30の材料としてXカットLiTaOを用いた場合には、この結晶の112°回転Y軸方向が弾性表面波伝播方向となるように配置される。また、図2に示すように、各並列腕共振子パターン21及び22、並びに、直列腕共振子パターン23〜26は、交差指状電極とその両側に配置された反射器によって構成される。
【0035】
交差指状電極は、各共振子パターン21〜26に要求される共振特性に基づいてその交差幅、電極幅及び電極周期が定められており、反射器は、各共振子パターン21〜26に要求される共振特性に基づいてその電極幅及び電極周期が定められている。弾性表面波フィルタ素子10においては、交差指状電極の電極周期等の設定によって、並列腕共振子パターン21及び22の反共振周波数faと直列腕共振子パターン23〜26の共振周波数frとがほぼ一致した状態となっている。これにより、弾性表面波フィルタ素子10においては、この周波数近傍が通過帯域となり、並列腕共振子パターン21及び22の共振周波数frが低周波側減衰極となり、直列腕共振子パターン23〜26の反共振周波数faが高周波側減衰極となる。
【0036】
パッド電極パターン11〜16は、上述の通り、これらの上にバンプ電極31〜36が設けられるため、主にその機械的強度を高める目的からその膜厚を他の電極パターンの膜厚よりも厚く設定することが好ましい。パッド電極パターン11〜16の膜厚を厚くする方法としては、特に限定されるものではないが、配線パターン27等、他の電極パターンと同じ材料からなる膜の上に、さらに金属からなる膜を設けることが好ましい。例えば、他の電極パターンと同じ材料からなる膜が膜厚=約190nmのAl−0.5質量%Cuからなる場合には、この上に密着層として膜厚=約50nmのCr層を設け、さらにこの上に膜厚=約500nmのAl層を設けることが好ましい。
【0037】
バンプ電極31〜36の材料としては、金属単体または合金等を用いることができ、特に限定されるものではないがAuを用いることが好ましい。
【0038】
図3は、弾性表面波フィルタ素子10が搭載される板状のベース基板40を示す図であり、(a)は素子搭載面40a側から見た略平面図であり、(b)は素子搭載面40a側と対向する実装面40b側から見た略平面図である。
【0039】
ベース基板40は、セラミックや樹脂等からなる絶縁性の基板とその表面に形成された各種電極パターンによって構成され、その製造方法としては特に限定されるものではないが、セラミックや樹脂等からなる大面積の絶縁性基板上に蒸着法やスパッタリング法等の気相成長法あるいはメッキ法等の液相成長法によって導電性の膜を成膜し、エッチング法により不要な部分を除去して各種電極パターンを形成した後、この絶縁性基板をダイシングすることによって複数のベース基板40を取り出すことができる。
【0040】
図3(a)に示すように、ベース基板40の素子搭載面40aには、信号配線パターン41及び42と、グランド引き出しパターン43及び44と、共通グランドパターン45とが形成されている。グランド引き出しパターン43及び44はいずれも共通グランドパターン45に接続されている。また、図3(b)に示すように、ベース基板40の実装面40bには、信号電極パターン46及び47と、グランド電極パターン48及び49とが形成されており、信号電極パターン46及び47は、ベース基板40の側面に設けられた導電体(図示せず)を介して信号配線パターン41及び42にそれぞれ接続され、グランド電極パターン48及び49は、ベース基板40の側面に設けられた導電体(図示せず)を介していずれも共通グランドパターン45に接続されている。
【0041】
このような構成からなるベース基板40に対しては、素子搭載面40aと圧電基板30の主面30aとが向き合うように、素子搭載面40a内の領域40cに弾性表面波フィルタ素子10が搭載される。弾性表面波フィルタ素子10がベース基板40に搭載されると、圧電基板30に設けられたバンプ電極31〜36はそれぞれ図3(a)に示すポイントA〜Fに接し、これにより、パッド電極パターン11はグランド引き出しパターン43に接続され、パッド電極パターン12は信号配線パターン41に接続され、パッド電極パターン15は信号配線パターン42に接続され、パッド電極パターン16はグランド引き出しパターン44に接続される。尚、パッド電極パターン13及び14は、バンプ電極33及び34を介して共通グランドパターン45に接続されるが、これらはいずれの共振子パターンにも接続されていないことから、弾性表面波フィルタ素子10の動作には寄与しない。つまり、バンプ電極33及び34は、ベース基板40に搭載された弾性表面波フィルタ素子10を安定させるためのダミー電極である。このように、弾性表面波フィルタ素子10とベース基板40とはいわゆるバンプ接続されることから、ボンディングワイヤーを用いた従来の弾性表面波装置のように、電磁的結合によって帯域外減衰量が大きく劣化するとことがない。
【0042】
本実施態様においては、図3(a)に示すように、グランド引き出しパターン43とグランド引き出しパターン44の長さが互いに相違している点が重要である。より具体的には、グランド引き出しパターン43のポイントAから共通グランドパターン45までの距離が、グランド引き出しパターン44のポイントFから共通グランドパターン45までの距離よりも長く設定されており、これによって、グランド引き出しパターン43に基づくインダクタンス成分(L1)とグランド引き出しパターン44に基づくインダクタンス成分(L2)とが互いに異なる値とされている。
【0043】
図4は、弾性表面波装置1の等価回路図、すなわち、ベース基板40に搭載された状態における弾性表面波フィルタ素子10の等価回路図である。
【0044】
図4に示すように、弾性表面波フィルタ素子10がベース基板40に搭載されると、信号電極パターン46及び47間には直列腕共振子パターン23〜26が直列に接続されるとともに、接続点N1(直列腕共振子パターン23と直列腕共振子パターン24の接続点)と共通グランドパターン45との間には並列腕共振子パターン21及びグランド引き出しパターン43に基づくインダクタンス成分(L1)が直列接続され、接続点N2(直列腕共振子パターン25と直列腕共振子パターン26の接続点)と共通グランドパターン45との間には並列腕共振子パターン22及びグランド引き出しパターン44に基づくインダクタンス成分(L2)が直列接続されることになる。
【0045】
図4に示すように、弾性表面波フィルタ素子10はラダー型の構成を有しており、上述の通り、並列腕共振子パターン21及び22の反共振周波数faと直列腕共振子パターン23〜26の共振周波数frとがほぼ一致するように設定されていることから、この周波数近傍が通過帯域となる。この場合、グランド引き出しパターン43によるインダクタンス成分(L1)及びグランド引き出しパターン44によるインダクタンス成分(L2)は、弾性表面波フィルタ素子10の通過特性に対して実質的に影響を与えず、このため、挿入損失を増大させることはない。一方、並列腕共振子パターン21及び22の共振周波数frは通過帯域に隣接する低周波側減衰極となり、直列腕共振子パターン23〜26の反共振周波数faは通過帯域に隣接する高周波側減衰極となる。
【0046】
図5は、低周波側減衰極が現れる周波数(fr)よりも低域側及び高周波側減衰極が現れる周波数(fa)よりも高域側における弾性表面波装置1の等価回路図である。
【0047】
図5に示すように、低周波側減衰極が現れる周波数(fr)よりも低域側及び高周波側減衰極が現れる周波数(fa)よりも高域側においては、並列腕共振子パターン21及び22は実質的に並列静電容量Cpとみなすことができ、直列腕共振子パターン23〜26は実質的に直列静電容量Csとみなすことができる。このため、接続点N1と共通グランドパターン45との間には、並列腕共振子パターン21による並列静電容量Cpとグランド引き出しパターン43によるインダクタンス成分(L1)からなるLC共振回路が構成されるとともに、接続点N2と共通グランドパターン45との間には、並列腕共振子パターン22による並列静電容量Cpとグランド引き出しパターン44によるインダクタンス成分(L2)からなるLC共振回路が構成されることになる。
【0048】
この場合、並列腕共振子パターン21による並列静電容量Cpと並列腕共振子パターン22による並列静電容量Cpとは実質的に等しい一方、グランド引き出しパターン43によるインダクタンス成分(L1)とグランド引き出しパターン44によるインダクタンス成分(L2)とは互いに異なっていることから、これら2つのLC共振回路の共振周波数は互いに異なった値となるはずである。そして、これらLC共振回路の共振周波数においては、接続点N1と共通グランドパターン45との間、若しくは、接続点N2と共通グランドパターン45との間が高周波的に短絡されるので、これらLC共振回路の共振周波数は新たな2つの減衰極を構成することになる。
【0049】
ここで、これら2つのLC共振回路の共振周波数は、
【0050】
【数1】
Figure 0003981590
によって決まることから、インダクタンス成分L1及びL2を大きく設定すればするほど共振周波数は低くなり、インダクタンス成分L1及びL2を小さく設定すればするほど共振周波数は高くなる。
【0051】
したがって、グランド引き出しパターン43及び44の長さに基づいてインダクタンス成分L1及びL2の値を適宜設定することにより、遮断帯域の所望の周波数帯に2つの減衰極を形成することが可能となる。このため、例えば、通過帯域の2倍及び3倍の周波数帯に減衰極が現れるよう、インダクタンス成分L1及びL2の値を設定すれば、目的とする主周波数の2倍高調波及び3倍高調波を効果的に除去することが可能となる。
【0052】
以上説明したように、本実施態様による弾性表面波装置1においては、ベース基板40内のグランド引き出しパターン43とグランド引き出しパターン44の長さが互いに相違しており、これにより、グランド引き出しパターン43に基づくインダクタンス成分(L1)とグランド引き出しパターン44に基づくインダクタンス成分(L2)とが互いに異なっていることから、遮断帯域において2つの減衰極が形成される。このため、帯域内挿入損失を実質的に増大させることなく、帯域外減衰量を十分に増大させることが可能となる。しかも、これら減衰極が現れる周波数帯は、上記インダクタンス成分L1及びL2の値によって定められることから、グランド引き出しパターン43及び44の長さを適宜設定することより、所望の周波数帯に減衰極を形成することが可能となる。
【0053】
また、本実施態様による弾性表面波装置1は、ベース基板40の表面(素子搭載面40a)に形成される電極パターン形状を工夫するだけでよいことから、実質的にコストの増大を伴わないという特徴を有している。
【0054】
尚、上記実施態様においては、ベース基板40の表面(素子搭載面40a)における電極パターン形状(平面形状)によってグランド引き出しパターン43とグランド引き出しパターン44の長さを相違させているが、例えば、ベース基板として多層基板を用い、多層基板内における一方のグランド引き出しパターンと他方のグランド引き出しパターンの引き回し距離に差を設けることによって上記インダクタンス成分L1とL2とを異なる値としても構わない。以下、ベース基板として多層基板を用い、多層基板内におけるグランド引き出しパターンの引き回し距離に差を設けることによって上記インダクタンス成分L1とL2とを異なる値とした実施態様について説明する。
【0055】
図6は、弾性表面波フィルタ素子10が搭載されるベース基板60を示す分解斜視図である。
【0056】
図6に示すように、本実施態様においては、各種電極パターンが設けられた単位基板61〜64が積層され、これによって多層基板であるベース基板60が構成されている。これら単位基板61〜64のうち、最上層の単位基板61の上面61aは素子搭載面を構成し、最下層の単位基板64の底面64bは実装面を構成する。
【0057】
より具体的に説明すると、単位基板61の上面61a(素子搭載面)には、信号配線パターン71及び72と、グランド引き出しパターン73及び74が形成されている。信号配線パターン71の一端71aはポイントBを構成し、信号配線パターン71の他端71bは単位基板61内に設けられたスルーホール電極(図示せず)に接続されている。一方、信号配線パターン72の一端72aはポイントEを構成し、信号配線パターン72の他端72bは単位基板61内に設けられたスルーホール電極(図示せず)に接続されている。また、グランド引き出しパターン73及びグランド引き出しパターン74も、単位基板61内に設けられたスルーホール電極(図示せず)に接続されている。
【0058】
単位基板62の上面62aには、グランド引き出しパターン75及び76が形成されている。グランド引き出しパターン75の一端75aは上記スルーホール電極を介してグランド引き出しパターン73に接続され、グランド引き出しパターン75の他端75bは単位基板62内に設けられたスルーホール電極(図示せず)に接続されている。一方、グランド引き出しパターン76の一端76aは上記スルーホール電極を介してグランド引き出しパターン74に接続され、グランド引き出しパターン76の他端76bは単位基板62内に設けられたスルーホール電極(図示せず)に接続されている。図6に示すように、本実施態様においては、グランド引き出しパターン75とグランド引き出しパターン76の長さが互いに相違している点が重要であり、これによって、グランド引き出しパターン75に基づくインダクタンス成分(L1)とグランド引き出しパターン76に基づくインダクタンス成分(L2)とが互いに異なる値とされている。
【0059】
さらに、単位基板62には、信号配線パターン71の他端71b及び信号配線パターン72の他端72bに接続されたスルーホール電極に対応する部分にそれぞれスルーホール電極(図示せず)が設けられている。
【0060】
単位基板63の上面63aには、信号配線パターン71の他端71b及び信号配線パターン72の他端72bに接続されたスルーホール電極に対応する部分を除くほぼ全面に共通グランドパターン77が形成されている。共通グランドパターン77は、上記スルーホール電極を介してグランド引き出しパターン75の他端75bに接続されるとともに、グランド引き出しパターン76の他端76bに接続されている。さらに、単位基板63には、信号配線パターン71の他端71b及び信号配線パターン72の他端72bに接続されたスルーホール電極に対応する部分にそれぞれスルーホール電極(図示せず)が設けられている。
【0061】
そして、単位基板64の底面64bには、信号電極パターン81及び82と、グランド電極パターン83及び84とが形成されており、信号電極パターン81及び82は、単位基板61〜64に設けられたスルーホール電極を介して信号配線パターン71の他端71b及び信号配線パターン72の他端72bにそれぞれ接続され、グランド電極パターン83及び84は、単位基板64に設けられたスルーホール電極を介していずれも共通グランドパターン77に接続されている。
【0062】
このような構成からなるベース基板60に対しては、単位基板61の上面61a(素子搭載面)と表面30aとが向き合うように、上面61a内の領域60cに弾性表面波フィルタ素子10が搭載される。弾性表面波フィルタ素子10がベース基板60に搭載されると、上記実施態様と同様、圧電基板30に設けられたバンプ電極31〜36はそれぞれ図6(a)に示すポイントA〜Fに接することになる。本実施態様においても、ベース基板60に搭載された状態における弾性表面波フィルタ素子10の等価回路は、図4及び図5に示したとおりである。
【0063】
本実施態様においては、上述の通り、グランド引き出しパターン75とグランド引き出しパターン76の長さが互いに相違し、これによって、グランド引き出しパターン75に基づくインダクタンス成分(L1)とグランド引き出しパターン76に基づくインダクタンス成分(L2)とが互いに異なる値とされている。このため、上記実施態様において用いたベース基板40と同様にして、接続点N1と共通グランドパターン77との間に形成されるLC共振回路の共振周波数と、接続点N2と共通グランドパターン77との間形成されるLC共振回路の共振周波数は互いに異なった値となる。このため、低周波側減衰極が現れる周波数(fr)よりも低域側及び/又は高周波側減衰極が現れる周波数(fa)よりも高域側においては、これらLC共振回路による2つの減衰極が現れることになる。そして、これら2つの減衰極が現れる周波数は、グランド引き出しパターン75及び76の長さによって自由に設定することができる。
【0064】
このように、本実施態様においても、上記実施態様と同様の効果を得ることができるとともに、本実施態様においては、多層基板であるベース基板60内に設けられたグランド引き出しパターン75及び76によってインダクタンス成分L1及びL2を与えていることから、これらインダクタンス値の設定可能範囲が広い。このため、本実施態様においては、上記実施態様に比べて減衰極を形成可能な周波数の範囲が広いという特徴を有している。
【0065】
次に、本発明の好ましいさらに他の実施態様について説明する。本実施態様は、上記実施態様とは異なり、弾性表面波フィルタ素子上の配線パターン形状によって、任意の周波数帯に複数の減衰極を形成するものである。
【0066】
図7は、本発明の好ましいさらに他の実施態様にかかる弾性表面波フィルタ素子90を示す略平面図である。
【0067】
図7に示す例による弾性表面波フィルタ素子90は、図2に示した弾性表面波フィルタ素子10と類似の構成を有しており、配線パターン27のうちパッド電極パターン11と並列腕共振子パターン21とを接続する領域27aと、パッド電極パターン16と並列腕共振子パターン22とを接続する領域27bとが互いに異なる長さに設定されている点において、図2に示した弾性表面波フィルタ素子10と異なる。具体的には、配線パターン27の領域27aが蛇行した平面形状を有している一方で、配線パターン27の領域27bは蛇行しない直線的な平面形状を有しており、これによって、領域27aによるインダクタンス成分(L1)と領域27bによるインダクタンス成分(L2)とが異なる値となるように設定されている。その他については弾性表面波フィルタ素子10と同様であるので、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0068】
図8は、弾性表面波フィルタ素子90が搭載される板状のベース基板100を示す図であり、(a)は素子搭載面100a側から見た略平面図であり、(b)は素子搭載面100a側と対向する実装面100b側から見た略平面図である。ベース基板100は、図3に示したベース基板40と同様、セラミックや樹脂等からなる絶縁性の基板とその表面に形成された各種電極パターンによって構成される。
【0069】
図8(a)に示すように、ベース基板100の素子搭載面100aには、信号配線パターン101及び102と共通グランドパターン105とが形成されている。また、図8(b)に示すように、ベース基板100の実装面100bには、信号電極パターン106及び107と、グランド電極パターン108及び109とが形成されており、信号電極パターン106及び107は、ベース基板100の側面に設けられた導電体(図示せず)を介して信号配線パターン101及び102にそれぞれ接続され、グランド電極パターン108及び109は、ベース基板100の側面に設けられた導電体(図示せず)を介していずれも共通グランドパターン105に接続されている。
【0070】
このような構成からなるベース基板100に対しては、上述したベース基板40と同様、素子搭載面100aと表面30aとが向き合うように、素子搭載面100a内の領域100cに弾性表面波フィルタ素子90が搭載される。弾性表面波フィルタ素子90がベース基板100に搭載されると、圧電基板30に設けられたバンプ電極31〜36はそれぞれ図8(a)に示すポイントA〜Fに接し、これにより、パッド電極パターン11及び16は共通グランドパターン105に接続され、パッド電極パターン12は信号配線パターン101に接続され、パッド電極パターン15は信号配線パターン102に接続される。
【0071】
本実施態様においては、図3に示したベース基板40とは異なり、長さの異なるグランド引き出しパターン43及び44がベース基板100に設けられていないが、弾性表面波フィルタ素子90自体に長さの異なるグランド配線パターン(領域27a及び27b)を設けていることから、上記実施態様と同様の効果を得ることができる。
【0072】
また、本実施態様においては、インダクタンス成分L1及びL2が圧電基板30の表面30a上に設けられた配線パターン27によって与えられるので、上記実施態様と比べてインダクタンス成分L1及びL2の値として小さな値が得られやすい。このため、インダクタンス成分L1及びL2によるLC共振回路の共振周波数をより高周波側に位置させやすくなるので、新たな減衰極を通過帯域よりも高域側に形成したい場合に好適である。
【0073】
尚、本実施態様においては、長さの異なるグランド引き出しパターン43及び44を持たないベース基板100を用いたが、図7に示す弾性表面波フィルタ素子90を図3に示すベース基板40に搭載しても構わない。この場合、インダクタンス成分L1は、配線パターン27の領域27a及びグランド引き出しパターン43の両方によって与えられ、インダクタンス成分L2は、配線パターン27の領域27b及びグランド引き出しパターン44の両方によって与えられることからこれらインダクタンス値の設定可能範囲が広く、したがって、減衰極を形成可能な周波数の範囲を広げることが可能となる。
【0074】
もちろん、図7に示す弾性表面波フィルタ素子90を図6に示すベース基板60に搭載しても構わない。この場合、インダクタンス値の設定可能範囲がさらに広くなることから、減衰極を形成可能な周波数の範囲をいっそう広げることが可能となる。
【0075】
本発明は、以上の実施態様に限定されることなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることはいうまでもない。
【0076】
例えば、上記実施態様においては、2つの並列腕共振子パターン21及び22を備える弾性表面波装置を例に説明したが、本発明は、3以上の並列腕共振子パターンを備える弾性表面波装置にも当然適用することが可能である。この場合、各並列腕共振子パターンに付加されるインダクタンス成分を全て異なる値とすれば、並列腕共振子パターンの数だけ減衰極を形成することができるが、本発明において、各並列腕共振子パターンに付加されるインダクタンス成分を全て異なる値とすることは必須でなく、複数の並列腕共振子パターンのうち、少なくとも2つの並列腕共振子パターンに付加されるインダクタンス成分が互いに異なっていれば足りる。
【0077】
また、上記実施態様においては、ベース基板40(60)内のグランド引き出しパターン43及び44(グランド引き出しパターン75及び76)の長さ、及び/又は、弾性表面波フィルタ素子90内の配線パターン27の長さを互いに異ならせることによって複数の減衰極を任意の周波数帯に形成しているが、弾性表面波装置が搭載されるモジュールや、弾性表面波装置が実装されるプリント基板上におけるグランド配線の長さを互いに相違させることによっても同様の効果を得ることができる。但し、この場合には、弾性表面波フィルタ素子が搭載されるベース基板内において、各グランド引き出しパターンが短絡しないようにこれらを引き回す必要がある。またこの場合、各並列腕共振子パターンに付加されるインダクタンス成分として比較的大きな値が得られることから、これらインダクタンス成分によるLC共振回路の共振周波数をより低周波側に位置させやすくなる。したがって、かかる方法は、減衰極を通過帯域よりも低域側に形成したい場合に好適である。
【0078】
【実施例】
以下、実施例を用いて本発明について更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
【0079】
まず、圧電基板として36°回転YカットLiTaO基板を用意し、スパッタリング法によってその主面にAl−0.5質量%Cuを190nm成膜した後、これをパターニングすることによって図2に示した構造と同じ構造を有する2つの弾性表面波フィルタ素子10−1及び10−2を作製した。ここで、並列腕共振子パターン21及び22については、交差指状電極の交差幅、電極幅及び電極周期をそれぞれ57μm、0.61μm、2.182μmに設定し、反射器の電極幅及び電極周期を0.61μm、1.091μmに設定した。また、直列腕共振子パターン23〜26については、交差指状電極の交差幅、電極幅及び電極周期をそれぞれ29μm、0.58μm、2.078μmに設定し、反射器の電極幅及び電極周期を0.61μm、1.091μmに設定した。
【0080】
次に、図3に示した構造と同じ構造を有するベース基板40及び図8に示した構造と同じ構造を有するベース基板100を作製し、上記弾性表面波フィルタ素子10−1をベース基板40に搭載する一方、上記弾性表面波フィルタ素子10−2をベース基板100に搭載した。ここで、ベース基板40内のグランド引き出しパターン43はインダクタンス値が0.5nHとなるように設定し、グランド引き出しパターン44はインダクタンス値が0.3nHとなるように設定した。
【0081】
最後に、弾性表面波フィルタ素子10−1が搭載されたベース基板40にカバー50を被せることによって実施例による弾性表面波装置を完成させるとともに、弾性表面波フィルタ素子10−2が搭載されたベース基板100にカバー50を被せることによって比較例による弾性表面波装置を完成させた。
【0082】
そして、実施例による弾性表面波装置及び比較例による弾性表面波装置の周波数特性をそれぞれ測定した。測定の結果を図9に示す。
【0083】
図9に示すように、実施例による弾性表面波装置及び比較例による弾性表面波装置とも、通過帯域の中心周波数は1845.5MHzであったが、実施例による弾性表面波装置においては、約3.6GHz近辺及び6.0GHz近辺に減衰極が現れている。これにより、通過帯域から見て高域側の遮断帯域、特に、通過帯域の2倍の周波数帯において充分な減衰量が得られていることが分かる。これに対し、比較例の弾性表面波装置においては、6.0GHz近辺に一つの減衰極が現れているのみであり、通過帯域から見て高域側の遮断帯域、特に、通過帯域の2倍の周波数帯における減衰量が不十分であることが分かる。
【0084】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明においては、ラダー型の弾性表面波フィルタ素子に設けられた複数の並列腕共振子パターンのうち、少なくとも2つの並列腕共振子パターンと基準電位との間に互いに異なるインダクタンス成分を付加していることから、遮断帯域の任意の周波数帯に複数の減衰極を形成することができる。これにより、帯域内挿入損失の増大を抑制しつつ、帯域外減衰量を増大させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好ましい実施態様にかかる弾性表面波装置1を概略的に示す切り欠き図である。
【図2】弾性表面波フィルタ素子10の一例を示す略平面図である。
【図3】弾性表面波フィルタ素子10が搭載される板状のベース基板40を示す図であり、(a)は素子搭載面40a側から見た略平面図、(b)は素子搭載面40a側と対向する実装面40b側から見た略平面図である。
【図4】通過帯域近傍における弾性表面波装置1の等価回路図である。
【図5】低周波側減衰極が現れる周波数(fr)よりも低域側及び高周波側減衰極が現れる周波数(fa)よりも高域側における弾性表面波装置1の等価回路図である。
【図6】弾性表面波フィルタ素子10が搭載されるベース基板60を示す分解斜視図である。
【図7】本発明の好ましいさらに他の実施態様にかかる弾性表面波フィルタ素子90を示す略平面図である。
【図8】弾性表面波フィルタ素子90が搭載される板状のベース基板100を示す図であり、(a)は素子搭載面100a側から見た略平面図、(b)は素子搭載面100a側と対向する実装面100b側から見た略平面図である。
【図9】実施例による弾性表面波装置及び比較例による弾性表面波の周波数特性を示すグラフである。
【符号の説明】
1 弾性表面波装置
10,90 弾性表面波フィルタ素子
11〜16 パッド電極パターン
21,22 並列腕共振子パターン
23〜26 直列腕共振子パターン
27 配線パターン
27a,27b 接続領域
30 圧電基板
30 主面
31〜36 バンプ電極
40,60,100 ベース基板
40a,61a,100a 素子搭載面
40b,64b,100b 実装面
40c,60c,100c 弾性表面波フィルタ素子の搭載領域
41,42,71,72,101,102 信号配線パターン
43,44,73,74,75,76 グランド引き出しパターン
45,77,105 共通グランドパターン
46,47,81,82,106,107 信号電極パターン
48,49,83,84,108,109 グランド電極パターン
50 カバー
61〜64 単位基板
N1,N2 接続点
A〜F ポイント

Claims (4)

  1. 圧電基板上に設けられた少なくとも1つの直列腕共振子パターン及び複数の並列腕共振子パターンと、前記複数の並列腕共振子パターンにそれぞれ対応して設けられた複数のバンプ電極とを備えるラダー型の弾性表面波フィルタ素子と、前記弾性表面波フィルタ素子が搭載されるベース基板を含む弾性表面波装置であって、前記複数の並列腕共振子パターンのうち、少なくとも2つの並列腕共振子パターンと基準電位との間に、互いに値の異なるインダクタンス成分が付加されているとともに、少なくとも1つの並列腕共振子パターンの並列静電容量と、該並列腕共振子パターンと基準電位との間に付加されたインダクタンス成分によって構成される共振回路の共振周波数が、前記弾性表面波フィルタ素子の通過帯域の中心周波数のほぼ整数倍であり、前記ベース基板が、前記少なくとも2つの並列腕共振子パターンにそれぞれ対応するバンプ電極に接続された複数のグランド引き出しパターンと、前記複数のグランド引き出しパターンに接続された共通グランドパターンとを備え、前記複数のグランド引き出しパターンのうち、少なくとも2つのグランド引き出しパターンによるインダクタンス成分が互いに異なっていることを特徴とする弾性表面波装置。
  2. 前記圧電基板上に設けられた配線パターンのうち、少なくとも2つの並列腕共振子パターンとこれらに対応するバンプ電極とを接続する領域の形状が互いに異なることを特徴とする請求項1に記載の弾性表面波装置。
  3. 前記2つのグランド引き出しパターンが前記ベース基板の表面に形成されており、前記2つのグランド引き出しパターンの平面形状が互いに異なることを特徴とする請求項1または2に記載の弾性表面波装置。
  4. 前記ベース基板が多層基板であり、前記2つのグランド引き出しパターンの少なくとも一部が前記ベース基板の内部に形成されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の弾性表面波装置。
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