JP4261794B2 - インクジェット記録装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はインクジェット記録装置およびその制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット記録装置(プリンター)に代表されるシリアル型のプリンターは被記録媒体の搬送方向と直行する方向に記録ヘッドを走査させながら印字を行い、1回の走査を終えた段階で記録ヘッドの幅分だけ被記録媒体を搬送し、その繰り返しで記録が実行される。その際、プリンター内部ではホストから送信された記録データをプリントバッファに展開した後、記録ヘッドのノズル列に合うように変換を行い、記録ヘッドのノズル長に相当するデータが順に記録ヘッドに転送され、記録ヘッドが移動しながらノズルからインクを吐出することで画像が形成されている。
【0003】
その際、処理速度の向上とプリントバッファの容量削減を目的として「ヌルスキップ制御」が実施されている。これは記録ヘッドの走査方向の記録データがゼロ(ヌル)であり、かつこのデータがゼロの状態(ヌル状態)が被記録媒体の搬送方向に所定単位だけ連続する場合、そのデータをプリントバッファに展開(ライト)しないで、その代わりにゼロデータに対応するヌルフラグをセットすることである。
【0004】
図3の(i)はヌルスキップ制御を使用しない場合のプリントバッファへの記録データの格納状態を示す図である。なおこの図においてX方向が記録ヘッドの走査方向であり、Y方向は記録媒体の搬送方向である。図に示す(5)、(6)、(11)、(12)の領域は前述している記録ヘッドの走査方向ですべての記録データがヌルであり、かつヌル状態が被記録媒体の搬送方向に所定単位(例えば8ノズル分)だけ連続している領域である。このようにヌルスキップ制御を行わない場合は、この領域に対応するプリントバッファにはヌルデータが格納されている。
【0005】
図3の(iii)はヌルスキップ制御を使用した場合の(i)に対応するプリントバッファへの記録データの格納状態を示す図である。
【0006】
被記録媒体の搬送方向に所定単位毎に各領域がヌルデータで占められているか否かを示すヌルフラグテーブルが設けられている。ヌルスキップ制御はこのヌルフラグテーブルの情報を参照して行われる。前述した(5)、(6)、(11)、(12)に対応するヌルフラグがセットされ(値は1がセットされる)、ヌルデータをプリントバッファに展開することを省いている。そして、ヌルフラグがセットされているプリントバッファの読み出しの処理として、ヌルフラグがセットされているプリントバッファの次のアドレスについてダミーの読み出しをおこない、読み出したデータの代わりにヌルデータを記録ヘッドへ転送する。
【0007】
記録データのプリントバッファへのライト(書き込み)する場合やプリントバッファからのリード(読み出し)する場合にもDMA手段が用いられている。そのため、プリンターには複数のDMA手段(DMAチャネル)が設けられているが、使用する際は優先順位に従ってDMAバスを占有する。この優先順位は予め定められた順位によるもの(優先順位方式)、順にDMAチャネルを監視する方式(サイクリック方式)が知られている。
【0008】
DMA手段は上述したプリントバッファに対するライト処理やリード処理以外にも、CPUからのバス占有要求、記録データ加工処理、DRAMのリフレッシュ動作、モーターの制御、ホストとの通信などにDMA機能が用いられている。
【0009】
このため、プリントバッファに対する書き込み処理や読み出し処理をDMA手段で行っている間にDMAバスを占有しているので、他のDMAの処理(DMAの要求)はDMAバスが開放されるまでその実行が待たされることになる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
このヌルスキップ制御を行う場合、ヌルフラグがセットされているプリントバッファについてヌルデータの有無にかかわらず、必ずプリントバッファの記録データをDMA手段で読み出し処理を行っていた。この場合、ヌルフラグがセットされていた場合には、読み出したデータをヌルデータに変換してから記録ヘッドに転送していた。
【0011】
このため、DMAバスの占有率が増加し、DMAの要求を出しているのにバスが開放されず、DMA転送の処理に時間がかかるという課題があった。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明のインクジェット記録装置は、複数のノズル列を備えた記録ヘッドを走査させて記録を行うために、ラスターデータを格納するプリントバッファと、前記プリントバッファに格納されるラスターデータが所定ノズル数分ヌルであることを示すヌルフラグを前記プリントバッファの領域に対応してセットするヌルフラグテーブルとを有するインクジェット記録装置であって、ホスト装置から受信したラスターデータを保持する保持手段と、走査方向に所定ドット数分のラスターデータを前記所定ノズル数分書き込むブロックを複数備え、前記ラスターデータをブロック単位で書き込みが行われると書き込み対象のブロックを指定するカウンタの値の更新を行い、前記カウンタの値に基づきラスターデータをカラムデータに変換を行うデータ変換手段と、
前記データ変換手段にて変換されたカラムデータを記録ヘッドのノズルに対応して保持する転送バッファと、前記ホスト装置との通信処理と前記プリントバッファに対する読み出し及び書き込み処理についてDMA転送を行うDMA手段と、前記ヌルフラグテーブルにヌルフラグがセットされているか否かをチェックするヌルフラグチェック手段と、前記記録ヘッドの走査毎に、前記ヌルフラグチェック手段によってヌルフラグのチェックを行わせ、前記ヌルフラグがすべてセットされていない場合には、前記ヌルフラグに基づく前記データ変換手段への転送処理と前記データ変換手段による変換処理と、前記データ変換手段から前記転送バッファへの転送処理とを行う制御手段と、所定のタイミング信号に基づき予め定めたタイミングで前記転送バッファに対する格納処理と前記転送バッファに対する読み出し処理とクリア処理を制御し、かつ記録ヘッドの走査毎に1回の走査で使用するカラムデータの転送を完了した後にクリア処理を行う転送バッファ制御手段とを備え、前記制御手段は、前記ヌルフラグがすべてセットされている場合には、前記ヌルフラグに基づく前記データ変換手段への転送処理と前記データ変換手段による変換処理と、前記データ変換手段から前記転送バッファへの転送処理とを省き、前記転送バッファ制御手段の制御は、前記所定のタイミング信号に基づき前記ノズル列毎に異なるタイミングで行うことを特徴とするインクジェット記録装置
である。
【0014】
【発明の実施の形態】
【実施例】
図1は本発明の実施形態として適応可能なインクジェット記録装置の構成を示す図である。この記録装置はインクジェット記録方式の記録ヘッド1を備えたインクジェット記録装置(プリンター)である。
【0015】
記録ヘッド1は図示下向きにインクを吐出する姿勢でキャリッジ2に搭載されており、キャリッジ2の軸受け部2aがガイド軸3に沿って移動しながらインク液滴を吐出して、記録用紙等の被記録媒体4上に1走査分の画像を形成していく。
【0016】
なお、キャリッジ2のガイド軸3に沿った往復運動は、キャリッジモータ5の駆動力が伝達されたプーリ6の回転により、タイミングベルト7を介して行われる。
【0017】
記録ヘッド1による1走査分の記録が終了すると、搬送モーター9が駆動されてプラテン8上に位置する被記録媒体4がキャリッジ2の移動方向に対して直行する方向に所定量だけ搬送される。次いで再びキャリッジ2をガイド軸3に沿って移動させながら次の1走査分の画像形成を行う。これらの動作を繰り返すことにより、被記録媒体4の画像が完成する。
【0018】
プリンターの右側には記録ヘッド1のインク吐出状態を良好に保つための回復動作を行う回復ユニット10が配設されている。回復ユニット10には記録ヘッド1をキャップするキャップ11、記録ヘッド1のインク吐出面を拭うワイパ12、および記録ヘッド1のインク吐出ノズルからインクを吸引するための吸引ポンプ(不図示)等が設けられている。
【0019】
また、このプリンターはエンコーダスケール13およびエンコーダ14を備えており、キャリッジ2の移動速度の検出を行い、キャリッジモータ5の駆動時にそのフィードバック制御を行うように構成されている。またエンコーダスケール13の位置情報をエンコーダ14により読み取ることで、記録ヘッド1のインク吐出タイミング(以後ヒートタイミングと呼ぶ)がとられている。
【0020】
この記録ヘッド1はインクジェット記録方式で複数の記録素子が配列されている。記録素子は駆動部とノズルから構成されており、駆動部は電気熱変換体(吐出ヒーター)によりインクに熱をあたえることが可能になっている。この熱によりインクは膜沸騰し、この膜沸騰による気泡の成長または収縮によって生じる圧力変化によって、ノズルからインクが吐出される。
【0021】
記録ヘッド1は図8に示すように、シアン記録ヘッド1C、マゼンタ記録ヘッド1M、イエロー記録ヘッド1Yおよびブラック記録ヘッド1Kの4色の記録ヘッドを有している。各色の記録ヘッド1C、1M、1Y、1Kは平行に並び、キャリッジ2の移動方向に配列するようにキャリッジ2に搭載されている。ブラックの記録ヘッドのノズル数はトータル320ノズルで、1列あたり160ノズルで構成されており、このノズル列を2列有する。同様にシアン、マゼンタ、イエローの記録ヘッドはそれぞれトータル256のノズルを有する。1列あたりのノズル数は128であり、シアン、マゼンタ、イエロー、イエロー、マゼンタ、シアンの順にノズル列が配置され双方記録を可能としている。これらのノズルは被記録媒体の搬送方向に並んでいる。なお、ブラックの記録ヘッドの解像度は300DPI、シアン、マゼンタ、イエローの記録ヘッドの解像度は600DPIである。
【0022】
図2はプリンターの制御構成を示す図である。図2においてC1〜C7は制御信号を表している。D1〜D5は記録データの流れを表している。100はホストから記録データを受け取るI/Fブロックであり、FIFOメモリで構成されている。記録データを受信すると一旦保持し、GA103が一旦保持されたデータの中から制御コードを解析し、DMA手段を用いてデータの中から画像データのみをRAM105に設けられたプリントバッファに展開する。この処理を各色に対応したデータについて行う。
【0023】
101は記録動作等の各種制御を行うCPUである。102は記録動作の手順等のプログラムを格納するROMである。103はGAでありCPU101の管理下でシステム全体を制御している。前述した記録データの解析、プリントバッファからの記録データの読み出し、記録ヘッド1へ転送等を行う。後で述べるHV変換ブロックもGA103に有し、記録ヘッドのノズル列に合った形式に記録データを変換する処理も行う。
【0024】
104はプリンターで使用されている複数のDMAチャンネルを制御するDMAC(DMAコントローラー)であり、例えばDMA要求が重なった場合は所定の優先順位で調停をおこない、順にDMA要求の処理をおこなう。
【0025】
105はデータを一時的に格納するRAMであり、プリントバッファやマスクバッファが設けられている。このマスクバッファには記録データを間引くためのマスクデータが保存される。このマスクデータは、複数の走査で記録画像を完成させる記録モードで使用される。
【0026】
なお、本実施例ではRAMとしてSDRAMを用い、1回のDMAリード(DMAによる読み出し)動作で連続アドレスから8ワードのデータをリード(読み出し)可能である(バーストリード機能)。
【0027】
106はSRAMであり、SDRAM105内のプリントバッファからDMAリードしてGA103内のHV変換ブロックで変換したデータを格納する転送バッファを有している。この転送バッファは記録ヘッド1のすべてのノズルに対して独立して1対1に対応するように構成されている。
【0028】
107は記録ヘッド1を制御する記録ヘッドドライバである。なおその駆動タイミングは前述したエンコーダ14からの情報から作成され、GA103によって制御される。
【0029】
次に図2と図3を用いて、プリントバッファと転送バッファのデータの格納状態についての説明と、I/Fブロック100から入力された記録データの記録ヘッド1に転送されるデータ形式について説明する。
【0030】
I/F100で受信された記録データを含む印字データGA103を介してDMA処理によりSDRAM105内のプリントバッファに展開される。その際、記録ヘッド1の各ノズル列についてノズル列方向に連続アドレスとなるような形で格納される。
【0031】
その結果、プリントバッファに展開された記録データは図3の(ii)で示すようなアドレスに配置され、プリントバッファからDMAリードする際は、リード開始(読み出し開始)アドレスAを指定すると、SDRAMのバーストリード機能を用いることにより自動的にアドレスがインクリメントされながら8ワード分のデータがそれぞれアドレスA、A+2、A+4、A+6、A+8、A+12、A+14から高速にDMAリードされることになる。
【0032】
さらに、記録ヘッド1のノズル方向にデータをリードする場合はリード開始アドレスをA+16に設定することで連続アドレスから8ワード分のデータがDMAリード可能である。記録ヘッドの1列あたりの全ノズル数(128ノズル)のプリントバッファのリード開始アドレスを更新しながらDMAリードを繰り返すことでデータを収得する。
【0033】
また、キャリッジ2の走査方向にリード開始アドレスを更新する場合はリード開始アドレスをA+Bに更新し、同様にリードする。ここで「B」はあらかじめ定められたオフセット値である。なおこれらのリード開始アドレスおよびオフセット値の指定は所定レジスタに設定値をセットすることにより決定される。
【0034】
そして、図3の(i)に示されるような記録データである場合は、ヌルスキップ制御を用いることにより図3の(iii)のようにプリントバッファに格納されることになる。なおヌルフラグは記録ヘッドの長さ分必要であり、例えば128ノズルに対して8ノズル単位のヌルスキップ制御を実施しているため、16のフラグが必要となり、このフラグを保存するためのヌルフラグテーブルがある。また、この図に示したプリントバッファのアドレス構成から、1ワード分のデータはキャリッジ2の走査方向に各ノズルあたり16ドット分のデータがリードされる(読み出される)。
【0035】
図3の(iv)はSRAM106に有する転送バッファに格納される記録データの形式である。なおここでSRAM106は32bit形式とする。この図3の(iv)は、図3の(iii)に示す形式でプリントバッファに展開されているデータを記録ヘッド1に転送するために適した形に変換されたものを示す。この図3の(iv)に示されたデータは図3の(iii)で示した記録データとヌルフラグのデータに基づいて変換されている。その結果、所定のヒートタイミングで転送バッファをリードすることで記録データを記録ヘッド1に効率よく転送することが可能となる。
【0036】
図4はHV変換ブロックの説明図である。図4(a)はHV変換ブロックにデータを書き込む場合の説明図である。8ワード単位の16ビットのラスターデータがライトされる(書き込まれる)。このブロックが書き込みブロック(ライトブロック)である。
【0037】
図4(b)はHV変換ブロックからデータを読み出す場合の説明図である。記録ヘッドが走査する方向に配列するラスターデータを記録ヘッドのノズル列方向に配列するカラムデータに変換するのがHV変換である。このカラムデータをリードするためブロックが読み出しブロック(リードブロック)である。このHV変換によって、図3(iii)で示されるプリントバッファの所定アドレスに格納された記録データを図3(iv)に示すように変換される。なお、この図4で示したこで括弧数字は図3の(iv)で示されるリードデータの括弧数字に対応している。
【0038】
本ブロックは0から3までカウント値を保存するHVカウンタと、8ワード毎に書き込み(ライト)をおこなう4つ書き込みブロック(ライトブロック)と、32bit毎にリードをおこなう読みだしブロック(リードブロック)と、書き込みブロックと読みだしブロックを選択するためのセレクト信号と、各書き込みブロックのデータをゼロクリアするためのクリア信号とで構成されている。GA103はHV変換ブロックの所定の領域をゼロクリアするクリア回路を有する。
【0039】
プリントバッファからDMAリード(DMA読み出し)を行うたびにHVカウンタの値に応じて所定の書き込みブロックにデータを書き込み、HVカウンタをインクリメントする(1加算する)。
【0040】
HVカウンタの値が3になると4つの書き込みブロックについてデータのライト(書き込み)を完了し、ライトされたデータがHV変換後に読み出され、転送バッファに格納される。
【0041】
この16bit分のデータが転送バッファに格納されると、HVカウンタはゼロクリアされ、再び本ブロックはライトブロックとなり、プリントバッファからDMAリードされたデータがHVカウンタの値に応じてライトされる。
【0042】
また、クリア信号を入力することにより各書き込みブロックのデータはすべてゼロクリアされる。このような処理を各記録ヘッドに対応したデータについておこなう。
【0043】
この結果、SRAM106にある転送バッファの各アドレスには32bitのデータが格納され、a、a+1、a+2とアドレスをリードすることで、記録ヘッドのノズル列について同時にヒートされる記録データを容易に記録ヘッド1に転送できる。
【0044】
図5は実際の記録(=ヒート)タイミングと転送バッファへの記録データ格納タイミングの関係を示す模式図である。簡単のために1色分のデータについて説明する。
【0045】
図5はSRAM106内にある転送バッファへの記録データ格納タイミング、転送バッファから記録ヘッドへの転送タイミング、記録ヘッドの吐出タイミング(ヒートタイミング)を示した説明図である。
【0046】
この図では左から右に時間が経過していることを示しており、1度の走査で32カラム分の記録データに対応して記録ヘッドからインクを吐出する場合を示している。図5の矢印はタイミング信号を表しており、この信号の周波数は記録ヘッドの駆動周波数と等しい。従って記録ヘッドの駆動周波数が10KHzであれば、このタイミングの周波数も10kHzである。このタイミング信号の出力回数は、例えば1回の走査記録で32カラム分記録する場合、65のクロック信号が出力される。
【0047】
矢印の上側の括弧数字は転送バッファへの格納するタイミングを示している。矢印の下側には記録ヘッドへの転送タイミングと、吐出(ヒート)タイミングを示した括弧数字が示されている。記録ヘッドへの転送タイミングから1つ遅れたタイミングがヒートタイミングである。なお、括弧数字は図3の(iv)で示したデータの括弧数字と対応している。
【0048】
一例として、一番左端の矢印で示したタイミングで(1)に対応するデータが転送バッファの一方のバンクに格納され、その16タイミング後のタイミング(1T)で記録ヘッドに1カラム目の記録データが転送される。そしてそのタイミングの1つ後のタイミング(1H)で吐出(ヒート)される。タイミング(2T)で記録ヘッドに2カラム目の記録データが転送され、タイミング(2H)で吐出(ヒート)される。タイミング(3T)で記録ヘッドに3カラム目の記録データが転送され、タイミング(3H)で吐出(ヒート)される。同様に(4)〜(16)に対応するデータも順に処理される。また、もう一方のバンクにはタイミング(17)で格納される。
【0049】
そして、転送バッファ内のデータは、1回の走査で格納するすべてのデータを記録ヘッドへ転送した後、吐出されるタイミングでクリアされる。このタイミングを(1C)とする。
【0050】
この処理によって、2つのバンクで構成されている転送バッファは各走査の記録データ(本例では32カラム分の記録データ)を転送した後にクリアされる。なお、ここでは32カラム分の記録データが記録ヘッドで記録される場合を示しているが、2880カラム分の記録データが記録ヘッドで記録される場合も同様であり、最後の32クロックの期間で転送バッファのデータがクリアされる。
【0051】
このように、転送バッファのデータは主走査のうち記録ヘッドにデータを転送するとクリアされ、次の走査記録のデータを格納する準備がなされる。
【0052】
以上述べたように、記録ヘッド1の走査方向に16bit(=16ヒートタイミング)のデータを一度に処理できることを利用して、記録タイミングの16タイミング前のタイミングで転送バッファに記録データを格納している。そして、記録タイミングの1タイミング前で記録データが転送クロック信号に応じてシリアル形式で記録ヘッド1に転送され、次のヒートタイミングで印字される。
【0053】
転送バッファは記録ヘッド1のノズル毎に対応した領域が割り当てられており、16カラム分データを格納できるバンクを2つ有している。この2つのバンクから交互に記録ヘッドへデータが転送される。
【0054】
一方のバンクから記録データが順次記録ヘッド1に転送している間に、もう一方のバンクにプリントバッファから読み出されたデータがライトされる。従って、16カラム分のデータを記録ヘッドで記録する間に、次の16カラム分のデータをもう一方のバンクに格納される。
【0055】
なお、この実施例では1タイミングで16カラム分のデータを転送バッファに格納することができるので、16ヒートトリガのうち1回の割合で行えばよい。また、転送バッファのクリアも1タイミングで16カラム分をクリアできるので、例えば(1C)〜(16C)、(17C)〜(32C)の期間でそれぞれ1回ずつクリアを行えば、2つのバンクのクリア処理が完了する。
【0056】
したがって、本実施例においては、4色(BK、C、M、Y)のインクに対応した記録ヘッドをそれぞれヒートするには、それぞれ同様のタイミング信号を用意する。
【0057】
例えば、16ヒートトリガ毎に図5に示す(1)と(3)をBK、(5)と(7)をC、(9)と(11)をM、(13)と(15)をYというように各ノズル列に対して割り当てて、その度毎にデータを転送してもよい。
【0058】
図6は本実施例における記録データの処理の制御を示すフローチャートである。このフローは、走査毎に行われる。
【0059】
ステップS601で、1回の走査記録で使用する記録ヘッドのノズル(ここでは128ノズル)に対応するプリントバッファについてすべてのヌルフラグがセットされているか(「1」であるか)チェックする。もしすべてのヌルフラグがセットされている場合は、今回のスキャンで記録する画像データがないので処理を終了する(従って今回のスキャンではDMAリードを行わない)。
【0060】
一方、ヌルフラグがセットされていないプリントバッファがある場合にはステップS602へ進む。ステップS602でプリントバッファから記録データをDMAリードする。(この実施例では連続する8ワード分の記録データを取得する)。
【0061】
ステップS603でヌルフラグがセットされているかチェックする(チェック後ヌルフラグのアドレスを更新する)。もし、ヌルデータがセットされていれば、ステップS605へ進みリードデータをヌルクリア(ゼロクリア)する。一方、ヌルフラグがセットされていなければステップS604へ進みプリントバッファのアドレスを更新する。
【0062】
ステップS606でHVカウンタの値に応じてHV変換ブロックの所定位置にリードした記録データをセットする。ステップS607でリードカウンタおよびHVカウンタを加算する。
【0063】
なお、ここでリードカウンタとは記録ヘッドの全ノズル分の記録データをリードするためのカウンタである。例えば、実施例では8ワード(=8ノズル分)リードする毎に、インクリメントされ16までカウントされる(128ノズル÷8ノズル=16)。また、HVカウンタとは前述したようにHV変換ブロックを制御するために用いられるカウンタで「0」〜「3」までカウントされる。
【0064】
ステップS608でHVカウンタが所定数(=「3」)であるか否かを判断する。所定数であれば、ステップS609でHV変換をおこなう。もし、所定数でなければステップS602に戻り、以後の制御を実行する。
【0065】
なお、ここで前の記録データに対応するヌルフラグデータがセットされていた場合にはプリントバッファリード開始アドレスは更新せず、制御を実行する。
【0066】
ステップS610でHV変換ブロックからデータをリードしてSRAM106内の転送バッファに格納する。ステップS611でリードカウンタが所定数(=「16」)に達しているかチェックする。もし所定数であれば全ノズル分のデータをライトしたので、処理を終了する。
【0067】
もし、全ノズル分の記録データを転送バッファに格納していなければ、ステップS612でHVカウンタをクリアした後、ステップS602で戻る。
【0068】
このように、記録ヘッドの走査する際、走査毎に、すべてのノズルのデータがヌルであるか(走査記録で記録するための記録データを格納しているプリントバッファがすべてヌルであるか)をヌルフラグの設定について調べ、走査記録で使用するプリントバッファに対応するヌルフラグがすべてセットされている場合にはそのプリントバッファ内の記録データについてDMAリードを行わないように制御を行うことで、不要なDMA転送の頻度を減らすことができ、DMAバスの占有率を低減することができる。
【0069】
図8は、ステップS605でおこなうリードしたデータをクリアする構成をハードウェアで実現した一例である。このクリアの処理は図4(a)で示すクリア信号が入力されて行われる。
【0070】
この図においてG000〜G031は反転ゲートであり、G500〜G531は論理積ゲート群である。8ノズル単位のヌルフラグデータをそれぞれ独立の制御信号としてそれぞれのリードデータとの論理積をとることで変換データを作成しており、ヌルフラグデータがセットされている場合のみ、記録データありを表す「1」が「0」に反転される構成である。
【0071】
上記制御を実施することで例えばBKがすべてヌルであれば16ヒートトリガ毎にCに割り当てたタイミング(5)と(7)、Mに割り当てたタイミング(9)と(11)、Yに割り当てたタイミング(13)と(15)でのみデータをリードしていく。BKについては前走査の最終段階で記録ヘッドの各ノズルと独立に1対1で対応している転送バッファはすべてヌルクリアしており、また上記制御において転送バッファのBK領域をアクセスしないため、記録ヘッド1にはヌルデータが格納されていることになる。
【0072】
以上実施例の説明をしてきたが、DMA転送やHV処理などを行う際のデータのビット数やワード数など実施例で述べた値に限定するものではない。
【0073】
また、記録ヘッドはノズル数や解像度など実施例で述べた値に限定するものではない。記録素子の駆動部としてピエゾ素子を用いても構わない。
【0074】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、記録ヘッドが走査する時に、プリントバッファにデータがない場合に不要なDMA処理を止めることで、DMAバスの占有率を抑制でき、インクジェット記録装置の記録動作におけるDMA転送の効率が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】記録装置の構成を示す図である。
【図2】記録装置の制御構成を示す図である。
【図3】プリントバッファと転送バッファにおける記録データの格納状態を示す図である。
【図4】HV変換ブロックを説明する模式図である。
【図5】記録(=ヒート)タイミングと転送バッファへの記録データ格納タイミングの説明図である。
【図6】記録データの処理の流れを示すフローチャートである。
【図7】リードデータを参照するヌルフラグデータの値に応じてクリアする構成をハードウェアで実現した一例である。
【図8】記録ヘッドのノズル配列を示す図である。
【符号の説明】
1 記録ヘッド
2 キャリッジ
2a 軸受け部
3 ガイド軸
4 記録媒体
5 キャリッジモータ
6 プーリ
7 タイミングベルト
8 プラテン
9 搬送モータ
10 回復機器
11 キャップ
12 ワイパ
13 エンコーダスケール
14 エンコーダ
100 I/Fブロック
101 CPU
102 ROM
103 GA
104 DMAC
105 RAM
106 SRAM
107 記録ヘッドドライバ
Claims (3)
- 複数のノズル列を備えた記録ヘッドを走査させて記録を行うために、ラスターデータを格納するプリントバッファと、前記プリントバッファに格納されるラスターデータが所定ノズル数分ヌルであることを示すヌルフラグを前記プリントバッファの領域に対応してセットするヌルフラグテーブルとを有するインクジェット記録装置であって、
ホスト装置から受信したラスターデータを保持する保持手段と、
走査方向に所定ドット数分のラスターデータを前記所定ノズル数分書き込むブロックを複数備え、前記ラスターデータをブロック単位で書き込みが行われると書き込み対象のブロックを指定するカウンタの値の更新を行い、前記カウンタの値に基づきラスターデータをカラムデータに変換を行うデータ変換手段と、
前記データ変換手段にて変換されたカラムデータを記録ヘッドのノズルに対応して保持する転送バッファと、
前記ホスト装置との通信処理と前記プリントバッファに対する読み出し及び書き込み処理についてDMA転送を行うDMA手段と、
前記ヌルフラグテーブルにヌルフラグがセットされているか否かをチェックするヌルフラグチェック手段と、
前記記録ヘッドの走査毎に、前記ヌルフラグチェック手段によってヌルフラグのチェックを行わせ、前記ヌルフラグがすべてセットされていない場合には、前記ヌルフラグに基づく前記データ変換手段への転送処理と前記データ変換手段による変換処理と、前記データ変換手段から前記転送バッファへの転送処理とを行う制御手段と、
所定のタイミング信号に基づき予め定めたタイミングで前記転送バッファに対する格納処理と前記転送バッファに対する読み出し処理とクリア処理を制御し、かつ記録ヘッドの走査毎に1回の走査で使用するカラムデータの転送を完了した後にクリア処理を行う転送バッファ制御手段とを備え、
前記制御手段は、前記ヌルフラグがすべてセットされている場合には、前記ヌルフラグに基づく前記データ変換手段への転送処理と前記データ変換手段による変換処理と、前記データ変換手段から前記転送バッファへの転送処理とを省き、
前記転送バッファ制御手段の制御は、前記所定のタイミング信号に基づき前記ノズル列毎に異なるタイミングで行うことを特徴とするインクジェット記録装置。 - 前記転送バッファは、所定のドット数に対応したカラム数のカラムデータを保持する領域を複数備え、前記転送バッファ制御手段は、一方の領域から前記記録ヘッドへ転送を行う間に、他方の領域に格納を行うことを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
- 前記DMA手段は、前記インクジェット記録装置に備えられているモータの制御に用いられることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
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