JP2003145757A - インクジェット記録装置および該装置の制御方法 - Google Patents

インクジェット記録装置および該装置の制御方法

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JP2003145757A
JP2003145757A JP2001351608A JP2001351608A JP2003145757A JP 2003145757 A JP2003145757 A JP 2003145757A JP 2001351608 A JP2001351608 A JP 2001351608A JP 2001351608 A JP2001351608 A JP 2001351608A JP 2003145757 A JP2003145757 A JP 2003145757A
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JP2001351608A
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Takahiro Oide
隆宏 大出
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 プリンターのバージョンアップ等で制御回路
の仕様変更が生じてヌルフラグに対応するデータ数とD
MA転送でプリントバッファから読み出すデータ数が異
なる場合、両方のデータ数を合わせるための回路を追加
する必要がある。 【解決手段】 ヌルフラグに対応するデータ数に関する
情報とDMA転送でプリントバッファから読み出すデー
タ数に関する情報を読み出し、両データ数を比較し、比
較結果に応じてヌルフラグに対応するデータ数をDMA
転送でプリントバッファから読み出すデータ数と等しく
なるように変更する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はインクジェット記録
装置と該装置の制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録装置(プリンター)
に代表されるシリアル型のプリンターは被記録媒体の搬
送方向と直行する方向に記録ヘッドを走査させながら印
字を行い、1回の走査を終えた段階で記録ヘッドの幅分
だけ被記録媒体を搬送し、その繰り返しで記録が実行さ
れる。その際、プリンター内部ではホストから送信され
た記録データをプリントバッファに展開した後、記録ヘ
ッドのノズル列に合うように変換を行い、記録ヘッドの
ノズル長に相当するデータが順に記録ヘッドに転送さ
れ、記録ヘッドが移動しながらノズルからインクを吐出
することで画像が形成されている。
【0003】その際、処理速度の向上とプリントバッフ
ァの容量削減を目的として「ヌルスキップ制御」が実施
されている。これは記録ヘッドの走査方向の記録データ
がゼロ(ヌル)であり、かつこのデータがゼロの状態
(ヌル状態)が記録媒体の搬送方向に所定単位だけ連続
する場合、そのデータをプリントバッファにライトしな
いで、その代わりにゼロデータに対応するヌルフラグを
セットすることである。
【0004】図3の(I)はヌルスキップ制御を行わな
い場合のプリントバッファへのイメージデータの格納状
態を示す図である。なお、図においてX方向が記録ヘッ
ドの走査方向であり、Y方向は記録媒体の搬送方向であ
る。図に示す(5)、(6)、(11)、(12)の領域は前
述している記録ヘッドの走査方向ですべての記録データ
がヌルであり、かつヌル状態が記録媒体の搬送方向に所
定単位(例えば8ノズル分)だけ連続している領域であ
る。このようにヌルスキップ制御を行わない場合は、こ
の領域に対応するプリントバッファにはヌルデータが格
納されている。一方、図3の(III)はヌルスキップ制
御を行った場合の(I)に対応するプリントバッファへ
のイメージデータの格納状態を示す図である。
【0005】ヌルスキップ制御においては記録媒体の搬
送方向に所定単位毎にその領域がヌルデータであるか否
かを表すヌルフラグが設けられている。前述した
(5)、(6)、(11)、(12)に対応するヌルフラグに
は「1」をセットすることでヌルデータをプリントバッ
ファに展開することを代用し、プリントバッファにヌル
データを格納することなく次の記録データを詰めて展開
している。このヌルフラグをプリントバッファに対応し
てセットできるようにヌルフラグテーブルが設けられて
いる。
【0006】プリントバッファが設けられているRAM
として、例えばSDRAMが用いられる。このSDRA
Mは1回のDMA転送でノズル列方向に連続したアドレ
スから複数のワードデータを読み出すことができる。そ
して、例えば次のような複数のワード数(2/4/8/
16)の中からワード数を1つ選択できる機能を有して
いる。この選択はレジスタの設定等を行って所望の読み
出しワード数を指定することができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】近年のプリンターは高
画質化や高速化が要求されている。この要求に対応する
ために、現状ではヌルフラグは8ノズル単位で設けられ
ていることが多い。これは1ノズル単位では、ヌルデー
タを格納するプリントバッファを減らす効果は大きい
が、記録ヘッドのノズル数と同数のヌルフラグデータが
必要であり、ノズル数の多い記録ヘッドを有する記録装
置ではヌルスキップの処理に時間がかかる。一方で、例
えばヌルフラグを64ノズル単位とすると、画像データ
は64ラスター以上のヌルデータをもつことが必要とな
り、高速化に対応するための制御であるヌルスキップ制
御が実行される頻度が減少する。
【0008】プリンターの制御回路は予め決められたヌ
ルフラグ1本あたりのデータ数に基づいてデータ処理を
行う。しかし、プリンターのバージョンアップ等で制御
回路の仕様変更が生じてヌルフラグ1本(1つ)あたり
に対応するデータ数(ワード数)とDMA転送でのRA
M(プリントバッファ)から読み出すデータ数(ワード
数)とが異なる場合がある。このため、一度のDMAで
読み出すデータ単位(データ数)とヌルフラグが対応す
るデータ単位(データ数)を合わせる回路を追加する必
要が生じる。その結果、データの処理の速度が向上しな
いという課題や制御回路の修正のため手間がかかるとい
う課題が生じる。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明のインクジェット記録装置は、副走査方向にノ
ズル列を有する記録ヘッドを用いて記録するために記録
データを保存するプリントバッファと前記プリントバッ
ファに保存された記録データを第1のノズル数単位で読
み出すDMA手段とヌルデータを前記プリントバッファ
に格納するかわりにヌルフラグを第2のノズル数単位で
セット可能なヌルフラグテーブルとを有するインクジェ
ット記録装置であって、第1のノズル数単位に関する情
報と第2のノズル数単位に関する情報とを取得するデー
タ単位取得手段と、第1のノズル数単位に関する情報と
第2のノズル数単位に関する情報とを比較する比較手段
と、第2のノズル数単位を変更するノズル数単位変更手
段と、所定のタイミングにおいて、前記比較結果に基づ
いて前記ノズル数単位変更手段で第2のノズル数単位を
前記第1のノズル数単位と等しくさせる制御手段とを有
することを特徴とするインクジェット記録装置である。
【0010】本発明のインクジェット記録装置の制御方
法は、副走査方向にノズル列を有する記録ヘッドを用い
て記録するために記録データを保存するプリントバッフ
ァと前記プリントバッファに保存された記録データを第
1のノズル数単位で読み出すDMA手段と前記プリント
バッファにヌルデータを格納するかわりにヌルフラグを
第2のノズル数単位でセット可能なヌルフラグテーブル
とを有するインクジェット記録装置の制御方法であっ
て、データ単位取得手段によって第1のノズル数単位に
関する情報と第2のノズル数単位に関する情報を取得す
るデータ単位取得工程と、比較手段によって第1のノズ
ル数単位の情報と第2のノズル数単位の情報とを比較す
る比較工程と、ノズル数単位変更手段によって第2のノ
ズル数単位を変更するノズル数単位変更工程とを有し、
所定のタイミングにおいて、データ単位取得工程で両ノ
ズル数単位に関する情報の取得を行い、比較工程で両ノ
ズル数単位に関する情報の比較を行い、比較結果に基づ
き前記ノズル数単位変更工程で第2のノズル数単位を第
1のノズル数単位と等しくなるように変更することを特
徴とするインクジェット記録装置の制御方法である。
【0011】
【発明の実施の形態】
【実施例】図1は本発明の実施形態として適応可能なイ
ンクジェット記録装置の構成を示す図である。この記録
装置はインクジェット記録方式の記録ヘッド1を備えた
インクジェット記録装置(プリンター)である。
【0012】記録ヘッド1は図示下向きにインクを吐出
する姿勢でキャリッジ2に搭載されており、キャリッジ
2の軸受け部2aがガイド軸3に沿って移動しながらイ
ンク液滴を吐出して、記録用紙等の被記録媒体4上に1
走査分の画像を形成していく。
【0013】なお、キャリッジ2のガイド軸3に沿った
往復運動は、キャリッジモータ5の駆動力が伝達された
プーリ6の回転により、タイミングベルト7を介して行
われる。
【0014】記録ヘッド1による1走査分の記録が終了
すると、搬送モーター9が駆動されてプラテン8上に位
置する被記録媒体4がキャリッジ2の移動方向に対して
直行する方向に所定量だけ搬送される。次いで再びキャ
リッジ2をガイド軸3に沿って移動させながら次の1走
査分の画像形成を行う。これらの動作を繰り返すことに
より、被記録媒体4の画像が完成する。
【0015】プリンターの右側には記録ヘッド1のイン
ク吐出状態を良好に保つための回復動作を行う回復ユニ
ット10が配設されている。回復ユニット10には記録
ヘッド1をキャップするキャップ11、記録ヘッド1の
インク吐出面を拭うワイパ12、および記録ヘッド1の
インク吐出ノズルからインクを吸引するための吸引ポン
プ(不図示)等が設けられている。
【0016】また、このプリンターはエンコーダスケー
ル13およびエンコーダ14を備えており、キャリッジ
2の移動速度の検出を行い、キャリッジモータ5の駆動
時にそのフィードバック制御を行うように構成されてい
る。またエンコーダスケール13の位置情報をエンコー
ダ14により読み取ることで、記録ヘッド1のインク吐
出タイミング(以後ヒートタイミングと呼ぶ)がとられ
ている。
【0017】この記録ヘッド1はインクジェット記録方
式で複数の記録素子が配列されている。記録素子は駆動
部とノズルから構成されており、駆動部は電気熱変換体
(吐出ヒーター)によりインクに熱をあたえることが可
能になっている。この熱によりインクは膜沸騰し、この
膜沸騰による気泡の成長または収縮によって生じる圧力
変化によって、ノズルからインクが吐出される。
【0018】記録ヘッド1は図11に示すように、シア
ン記録ヘッド1C、マゼンタ記録ヘッド1M、イエロー
記録ヘッド1Yおよびブラック記録ヘッド1Kの4色の
記録ヘッドを有している。各色の記録ヘッド1C、1
M、1Y、1Kは平行に並び、キャリッジ2の移動方向
に配列するようにキャリッジ2に搭載されている。ブラ
ックの記録ヘッドのノズル数はトータル320ノズル
で、1列あたり160ノズルで構成されており、このノ
ズル列を2列有する。同様にシアン、マゼンタ、イエロ
ーの記録ヘッドはそれぞれトータル256のノズルを有
する。1列あたりのノズル数は128であり、シアン、
マゼンタ、イエロー、イエロー、マゼンタ、シアンの順
にノズル列が配置され双方記録を可能としている。これ
らのノズルは被記録媒体の搬送方向に並んでいる。な
お、ブラックの記録ヘッドの解像度は300DPI、シ
アン、マゼンタ、イエローの記録ヘッドの解像度は60
0DPIである。
【0019】図2はプリンターの制御構成を示す図であ
る。図2においてC1〜C7は制御信号を表している。
D1〜D5は記録データの流れを表している。100は
ホストから記録データを受け取るI/Fブロックであ
り、FIFOメモリで構成されている。記録データを受
信すると一旦保持する。
【0020】101は記録動作等の各種制御を行うCP
Uである。102は記録動作の手順等のプログラムを格
納するROMである。103はGA(ゲートアレー)で
あり、CPU101の管理下でシステム全体を制御して
いる。前述した記録データの解析、プリントバッファか
らの記録データの読み出し、記録ヘッド1へ転送等を行
う。後で述べるHV変換手段もGA103に有し、記録
ヘッドのノズル列に合った形式に記録データを変換する
処理も行う。ヌルフラグを保持するヌルフラグのテーブ
ルもGA103に設けてある。
【0021】104はプリンターで使用されている複数
のDMAチャンネルを制御するDMAC(DMAコント
ローラー)であり、例えばDMA要求が重なった場合は
所定の優先順位で調停をおこない、順にDMA要求の処
理をおこなう。
【0022】105はデータを一時的に格納するRAM
であり、プリントバッファやマスクバッファが設けられ
ている。このマスクバッファには記録データを間引くた
めのマスクデータが保存される。このマスクデータは、
複数の走査で記録画像を完成させる記録モードで使用さ
れる。
【0023】なお、本実施例ではRAMとしてSDRA
Mを用い、1回のDMAリード(DMAによる読み出
し)動作で連続アドレスから8ワードのデータをリード
(読み出し)可能である(バーストリード機能)。
【0024】106はSRAMであり、SDRAM10
5内のプリントバッファからDMAリードしてGA10
3内のHV変換手段で変換したデータを格納する転送バ
ッファを有している。この転送バッファは記録ヘッド1
のすべてのノズルに対応するようにカラム形式のデータ
を保存する。
【0025】107は記録ヘッド1を制御する記録ヘッ
ドドライバである。なおその駆動タイミングは前述した
エンコーダ14からの情報から作成され、GA103に
よって制御される。
【0026】次に図2と図3を用いて、プリントバッフ
ァと転送バッファのデータの格納状態についての説明
と、I/Fブロック100から入力された記録データの
記録ヘッド1に転送されるデータ形式について説明す
る。
【0027】I/F100で受信された記録データを含
む印字データはGA103を介してDMA処理によりS
DRAM105内のプリントバッファに展開される。
【0028】記録データは図3の(II)で示すようなア
ドレスのプリントバッファに格納される。このアドレス
は記録ヘッド1のノズル列方向に連続する。この記録デ
ータはラスター形式のデータであり方向Xに連続してい
る。なお、Xは主走査方向でありキャリッジが走査する
方向であり、Yは副走査方向で被記録媒体の搬送方向で
ある。また、この被記録媒体の搬送方向とノズル列方向
とは略同方向である。
【0029】各アドレスのデータはプリントバッファか
らDMAリードする際は、リード開始(読み出し開始)
アドレスAを指定すると、SDRAMのバーストリード
機能を用いることにより自動的にアドレスがインクリメ
ントされながら8ワード分(8ノズル単位)のデータと
してアドレスA、A+2、A+4、A+6、A+8、A
+10、A+12、A+14から高速にDMAリードさ
れることになる。
【0030】さらに、記録ヘッド1のノズル列方向にデ
ータをリードする場合はリード開始アドレスをA+16
に設定することで連続アドレスから8ワード分のデータ
がDMAリード可能である。プリントバッファのリード
開始アドレスを更新しながら記録ヘッドの全ノズル分D
MAリードを繰り返すことでデータを収得する。
【0031】また、キャリッジ2の走査方向にリード開
始アドレスを更新する場合はリード開始アドレスをA+
Bに更新し、同様にリードする。ここで「B」はあらか
じめ定められたオフセット値である。なおこれらのリー
ド開始アドレスおよびオフセット値の指定は所定レジス
タに設定値をセットすることにより決定される。
【0032】そして、図3の(I)に示されるような記
録データである場合は、ヌルスキップ制御を用いること
により図3の(III)のようにプリントバッファに格納
されることになる。なおヌルフラグは記録ヘッドの長さ
分必要であり、例えば128ノズルに対して8ノズル単
位のヌルスキップ制御を実施しているため、16のヌル
フラグを有する。この16のヌルフラグを保存するため
のヌルフラグテーブルを有する。また、この図に示した
プリントバッファのアドレス構成から、1ワード分のデ
ータはキャリッジ2の走査方向に各ノズルあたり16ド
ット分のデータがリードされる(読み出される)。
【0033】図3の(IV)はSRAM106に有する転
送バッファに格納される記録データの形式である。な
お、転送バッファに格納されるデータは32bit形式
とする。この図3の(IV)は、図3の(III)に示す形
式でプリントバッファに展開されているデータを記録ヘ
ッド1に転送するために適した形に変換されたものを示
す。この図3の(IV)に示されたデータは図3の(II
I)で示した記録データとヌルフラグのデータに基づい
て変換されている。その結果、転送バッファからリード
した記録データを記録ヘッド1に効率よく転送すること
が可能となる。
【0034】図4はHV変換手段の説明図である。図4
(a)はHV変換手段にデータを書き込む場合の説明図
である。8ワード単位の16ビットのラスターデータが
ライトされる(書き込まれる)。このブロックがライト
ブロック(書き込みブロック)であり、この実施例では
HV変換手段には4つを有する。
【0035】図4(b)はHV変換手段からデータを読
み出す場合の説明図である。記録ヘッドが走査する方向
に配列するラスターデータを記録ヘッドのノズル列方向
に配列するカラムデータに変換するのがHV変換であ
る。このカラムデータをリードするためブロックがリー
ドブロック(読み出しブロック)である。このHV変換
によって、図3(III)で示されるプリントバッファの
所定アドレスに格納された記録データを図3(IV)に示
すように変換される。なお、この図4で示した括弧数字
は図3の(IV)で示されるリードデータの括弧数字に対
応している。
【0036】本ブロックは0から3までカウントするH
Vカウンタと、8ワード×16bit毎にライトをおこ
なう4つライトブロックと、32ワード×1bit毎に
リードをおこなうリードブロックと、リードブロックと
ライトブロックを選択するためのセレクト信号とで構成
されている。
【0037】プリントバッファからDMAリード(DM
A読み出し)を行うたびにHVカウンタの値に応じて所
定のライトブロックにデータをライト(書き込み)をお
こない、HVカウンタをインクリメントする(1加算す
る)。
【0038】HVカウンタの値が3になると4つのライ
トブロックについてデータのライト(書き込み)を完了
し、自動的にリードブロックが有効になり、ライトされ
たデータがHV変換後に読み出され、転送バッファに格
納される。
【0039】この16bit分のデータが転送バッファ
に格納されると、HVカウンタはゼロクリアされ、再び
本ブロックはライトブロックとなり、プリントバッファ
からDMAリードされたデータがHVカウンタの値に応
じてライトされる。このような処理を各色(各記録ヘッ
ド)に対応したデータについておこなう。
【0040】この結果、SRAM106にある転送バッ
ファの各アドレスには32bitのデータが格納され、
a、a+1、a+2とアドレスをリードすることで、記
録ヘッドのノズル列について同時にヒートされる記録デ
ータを容易に記録ヘッド1に転送できる。
【0041】図5は実際の記録(=ヒート)タイミング
と転送バッファへの記録データ格納タイミングの関係を
示す模式図である。簡単のために1色分のデータについ
て説明する。
【0042】図5はSRAM106内にある転送バッフ
ァへの記録データ格納タイミング、転送バッファから記
録ヘッドへの転送タイミング、記録ヘッドの吐出タイミ
ング(ヒートタイミング)を示した説明図である。
【0043】この図では左から右に時間が経過している
ことを示しており、1度の走査で32カラム分の記録デ
ータに対応して記録ヘッドからインクを吐出する場合を
示している。図5の矢印はタイミング信号を表してお
り、この信号の周波数は記録ヘッドの駆動周波数と等し
い。従って記録ヘッドの駆動周波数が10KHzであれ
ば、このタイミングの周波数も10kHzである。この
タイミング信号の出力回数は、例えば1回の走査記録で
32カラム分記録する場合、65のクロック信号が出力
される。
【0044】矢印の上側の括弧数字は転送バッファへの
格納するタイミングを示している。矢印の下側には記録
ヘッドへの転送タイミングと、吐出(ヒート)タイミン
グを示した括弧数字が示されている。記録ヘッドへの転
送タイミングから1つ遅れたタイミングがヒートタイミ
ングである。なお、括弧数字は図3の(IV)で示したデ
ータの括弧数字と対応している。
【0045】一例として、一番左端の矢印で示したタイ
ミングで(1)に対応するデータが転送バッファの一方
のバンクに格納され、その16タイミング後のタイミン
グ(1T)で記録ヘッドに1カラム目の記録データが転
送される。そしてそのタイミングの1つ後のタイミング
(1H)で吐出(ヒート)される。タイミング(2T)
で記録ヘッドに2カラム目の記録データが転送され、タ
イミング(2H)で吐出(ヒート)される。タイミング
(3T)で記録ヘッドに3カラム目の記録データが転送
され、タイミング(3H)で吐出(ヒート)される。同
様に(4)〜(16)に対応するデータも順に処理され
る。また、もう一方のバンクにはタイミング(17)で
格納される。
【0046】そして、転送バッファ内のデータは、1回
の走査で格納するすべてのデータを記録ヘッドへ転送し
た後、吐出されるタイミングでクリアされる。このタイ
ミングを(1C)とする。
【0047】この処理によって、2つのバンクで構成さ
れている転送バッファは各走査の記録データ(本例では
32カラム分の記録データ)を転送した後にクリアされ
る。なお、ここでは32カラム分の記録データが記録ヘ
ッドで記録される場合を示しているが、2880カラム
分の記録データが記録ヘッドで記録される場合も同様で
あり、最後の32クロックの期間で転送バッファのデー
タがクリアされる。
【0048】このように、転送バッファのデータは主走
査のうち記録ヘッドにデータを転送するとクリアされ、
次の走査記録のデータを格納する準備がなされる。
【0049】以上述べたように、記録ヘッド1の走査方
向に16bit(=16ヒートタイミング)のデータを
一度に処理できることを利用して、記録タイミングの1
6タイミング前のタイミングで転送バッファに記録デー
タを格納している。そして、記録タイミングの1タイミ
ング前で記録データが転送クロック信号に応じてシリア
ル形式で記録ヘッド1に転送され、次のヒートタイミン
グで印字される。
【0050】転送バッファは記録ヘッド1のノズル毎に
対応した領域が割り当てられており、16カラム分デー
タを格納できるバンクを2つ有している。一方のバンク
から記録データが順次記録ヘッド1に転送している間
に、もう一方のバンクにプリントバッファから読み出さ
れたデータが格納(ライト)される。従って、16カラ
ム分のデータを記録ヘッドで記録する間に、次の16カ
ラム分のデータをもう一方のバンクに格納される。そし
て、転送を終了した格納されたバンクは次のデータの格
納をおこなう。このように、2つのバンクから交互に記
録ヘッドへデータが転送される。
【0051】なお、この実施例では1タイミングで16
カラム分のデータを転送バッファに格納することができ
るので、16ヒートトリガのうち1回の割合で行えばよ
い。また、転送バッファのクリアも1タイミングで16
カラム分をクリアできるので、例えば(1C)〜(16
C)、(17C)〜(32C)の期間でそれぞれ1回ず
つクリアを行えば、2つのバンクのクリア処理が完了す
る。
【0052】したがって、本実施例においては、4色
(BK、C、M、Y)のインクに対応した記録ヘッドを
それぞれヒートするには、それぞれ同様のタイミング信
号を用意する。
【0053】図6は実施例におけるプリントバッファに
ある記録データのリード(読み出し)処理と転送バッフ
ァへのライト(書き込み)処理の流れを示すフローチャ
ートである。このフローは各記録ヘッドに対応する記録
データについて記録ヘッドが走査する際行われる。
【0054】ステップS601でプリントバッファから
記録データをDMAリードして連続する8ワード分の記
録データを読み出す。ステップS602で、プリントバ
ッファのリード開始アドレスおよびヌルフラグデータを
更新する。ステップS603でリードしようとしている
位置に対応するヌルフラグデータをチェックする。も
し、ヌルフラグがセットされていなければ、ステップS
605へ進む。
【0055】ステップS605では、HVカウンタの値
に応じてHV変換ブロックの所定位置に読み出した記録
データをライトする。
【0056】一方、ステップS603でヌルフラグがセ
ットされていれば、ステップS604で読み出したデー
タをヌルクリアする(ゼロクリアをおこなう)。
【0057】ステップS606でリードカウンタおよび
HVカウンタをインクリメントする。なお、ここでリー
ドカウンタは記録ヘッドのノズル分の記録データをリー
ドするために使用され、8ワード(=8ノズル)分のデ
ータをリードする毎にインクリメントされる。例えば、
シアンの記録ヘッドであれば128ノズルをノズル列毎
に有するので16までカウントされる。HVカウンタは
HV変換ブロックを制御するために用いられるカウンタ
で3までカウントされる。
【0058】ステップS607でHVカウンタの値が3
であるか否かを判断する。もし、HVカウンタの値が3
でなければHV変換ブロックからリードするタイミング
ではないと判断して、ステップS601に戻り処理を続
行する。
【0059】ステップS607でHVカウンタの値が3
であれば、ステップS608でHV変換をおこない、ス
テップS609でHV変換結果をHV変換ブロックから
読み出し、転送バッファに格納していく。
【0060】ステップS610でリードカウンタが16
であるかチェックする。もし32に達していなければ記
録ヘッドの全ノズル分の記録データを転送バッファにラ
イトしていないので、処理を続けるためステップS61
1でHVカウンタをクリアした後、ステップS601へ
戻り、処理を実行する。
【0061】一方、ステップS610でリードカウンタ
が16であれば記録ヘッドのノズル列について全ノズル
に対応した記録データを転送バッファにライトしたので
処理は終了する。
【0062】前述したように、実施例では1回のバッフ
ァリードで16カラム分のデータを格納することができ
るので、16ヒートトリガに1回バッファをリードすれ
ばよい。したがって転送バッファへのデータ格納処理は
各記録ヘッドについて16カラム単位で処理をおこなえ
ばよい。
【0063】上記構成のシステムにおいてステップS6
04でリードしたデータをヌルフラグに応じてクリアす
る構成をハードウェアで実現した一例を図7に示す。
【0064】図7においてG000〜G031は反転ゲ
ートであり、G500〜G531は論理積ゲート群であ
る。8ノズル単位のヌルフラグ(すなわち8ワード単位
のヌルフラグ)を用いて、それぞれのリードデータと論
理積をとることでデータをクリアする。ヌルフラグデー
タがセットされている場合のみ、記録データありを表す
「1」が「0」に反転される。
【0065】このようにヌルフラグに対応するワード数
とDMAでプリントバッファからリード可能なワード
数、データをクリアするワード数が同じ8ワードであれ
ば、ヌルフラグを用いたデータ処理についてシンプルな
回路と条件分岐の少ないソフト制御の組み合わせで実現
できる。
【0066】図9はインクジェット記録装置の初期化の
制御フローを示す。この制御フローは電源オン時(リセ
ット後)の制御回路の初期化ルーチンである。ステップ
S901は制御回路のCPUの初期設定をおこなう。ス
テップS902はゲートアレー(GA103)の初期設
定を行う。
【0067】図8は、64ノズル単位のヌルフラグデー
タを32ノズル単位、16ノズル単位、8ノズル単位の
いずれかに変換する変換回路である。変換回路のいずれ
かを選択することで、かりにDMA手段で読み出すデー
タ数(ワード数)とヌルフラグのデータ数(ワード数)
が異なる場合でも、ヌルフラグのデータ数を変更してD
MA手段で読み出すデータ数に合わせることができる。
【0068】図10は変換回路の設定についての制御フ
ローを示す。この処理は図9のステップS902で行わ
れる。
【0069】ステップS1001でプリントバッファに
ヌルデータを格納する代わりに設定(セット)するヌル
フラグのデータ単位の情報を読み出し、プリントバッフ
ァからDMA手段で読み出すデータ単位の情報の読み出
しをおこなう。ステップS1002で読み出した単位情
報が等しいかチェックする。もし、等しければそのまま
終了し、もし異なればステップS1003へ進み、ヌル
フラグ単位をDMA手段で読み出すデータ単位と等しく
なるように変更する。この際、データ単位の情報も変更
する。
【0070】例えば、ヌルフラグのデータ単位の情報が
64ワード(ヌルフラグのテーブルに有するヌルフラグ
の総数4)、DMA手段で読み出すデータ単位の情報が
8ワード(ヌルフラグのテーブルに有するヌルフラグの
総数32)場合には、ヌルフラグのデータ単位が8ワー
ドになるように変換回路の設定をおこなう(この変換回
路の設定は図9のゲートアレーの初期設定で行う)。そ
の結果、ヌルフラグのテーブルに有するヌルフラグの総
数は4から32に変更される。
【0071】このように、ヌルフラグのデータ単位を変
更することで、DMA手段で読み出すデータ単位(ワー
ド数)とヌルフラグのデータ単位(ワード数)を等しく
することができる。これにより制御回路においてGA
(ゲートアレー)の設計変更(バージョンアップ)等が
生じても、DMA手段で読み出すデータ数(ワード数)
にあわせることができ、改めて制御回路の修正をする必
要が無くなる。
【0072】以上、実施例について述べてきたが、この
他にもSDRAMのデータの読み出すワード数について
の設定をCPUの初期設定で行い、SDRAMからDM
A手段が読み出すワード数をヌルフラグのワード数に合
わせる方法もある。
【0073】以上実施例で説明してきたが、DMA転送
やヌルフラグの制御などの処理を行う場合のデータ数や
ビット数などは実施例で述べた値に限定するものではな
い。
【0074】また、転送バッファのデータサイズ、バン
クの数も実施例で述べた値に限定するものではない。ヌ
ルフラグの変換テーブルのデータ単位についても実施例
で述べた値に限定するものではない。
【0075】また、転送バッファから記録データを転送
するタイミングやヒートタイミングについても実施例で
述べた値に限定するものではない。
【0076】また、記録ヘッドはノズル数や解像度など
実施例で述べた値に限定するものではない。記録素子の
駆動部としてピエゾ素子を用いても構わない。
【0077】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、イ
ンクジェット記録装置で制御回路の仕様変更があり、メ
モリ手段に対するデータ処理単位の仕様変更等があって
も、装置の初期化時に制御回路の設定を行うことでヌル
フラグのデータ単位とDMAで読み出すデータ単位とを
等しくすることができる。これにより、制御回路の仕様
変更にも対応できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】インクジェット記録装置の構成を示す図。
【図2】インクジェット記録装置の内部制御構成を示す
図。
【図3】プリントバッファと転送バッファのイメージデ
ータの格納状態を示す図。
【図4】HV変換ブロックを説明する図。
【図5】記録(ヒート)と転送バッファへのデータ格納
タイミングの関係を示す図。
【図6】記録データの転送制御の流れを示すフローチャ
ート。
【図7】ヌルフラグの値に応じてクリアする構成を示す
図。
【図8】ヌルフラグに対応したデータ単位を変換する模
式図。
【図9】インクジェット記録装置の初期化処理のフロー
チャート。
【図10】実施例のフローチャート。
【図11】記録ヘッドのノズル配列を示す図。
【符号の説明】
1 記録ヘッド 2 キャリッジ 2a 軸受け部 3 ガイド軸 4 記録媒体 5 キャリッジモータ 6 プーリ 7 タイミングベルト 8 プラテン 9 搬送モータ 10 回復機器 11 キャップ 12 ワイパ 13 エンコーダスケール 14 エンコーダ 100 I/Fブロック 101 CPU 102 ROM 103 GA 104 DMAC 105 RAM 106 SRAM 107 記録ヘッドドライバ
フロントページの続き Fターム(参考) 2C056 EA04 EB29 EC06 EC28 FA03 FA10 2C057 AF91 AG14 AM02 AM28 AM40 AN01 BA13 2C087 AC07 BC01 BC02 BD10 BD41 BD53 5B021 AA01 BB11 DD00

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 副走査方向にノズル列を有する記録ヘッ
    ドを用いて記録するために記録データを保存するプリン
    トバッファと前記プリントバッファに保存された記録デ
    ータを第1のノズル数単位で読み出すDMA手段とヌル
    データを前記プリントバッファに格納するかわりにヌル
    フラグを第2のノズル数単位でセット可能なヌルフラグ
    テーブルとを有するインクジェット記録装置であって、 前記第1のノズル数単位に関する情報と前記第2のノズ
    ル数単位に関する情報とを取得するデータ単位取得手段
    と、 前記第1のノズル数単位に関する情報と前記第2のノズ
    ル数単位に関する情報とを比較する比較手段と、 前記第2のノズル数単位を変更するノズル数単位変更手
    段と、 所定のタイミングにおいて、前記比較結果に基づいて前
    記ノズル数単位変更手段で前記第2のノズル数単位を前
    記第1のノズル数単位と等しくさせる制御手段とを有す
    ることを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 【請求項2】 前記所定のタイミングは電源オン時であ
    ることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記
    録装置。
  3. 【請求項3】 前記ノズル数単位変更手段は前記第2の
    ノズル数単位を変更する際、前記ヌルフラグテーブルに
    セット可能なヌルフラグの総数を変更することを特徴と
    する請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  4. 【請求項4】 前記プリントバッファから読み出した前
    記記録データに対して所定の変換を行うデータ変換手段
    と前記データ変換手段で変換された前記記録データを記
    録ヘッドへ転送するために格納する転送バッファとを有
    することを特徴とする請求項1に記載のインクジェット
    記録装置。
  5. 【請求項5】 前記転送バッファに格納された前記記録
    データは所定のタイミング信号に基づいて前記記録ヘッ
    ドに転送されることを特徴とする請求項4に記載のイン
    クジェット記録装置。
  6. 【請求項6】 前記記録データが前記記録ヘッドに転送
    された後の所定のタイミングで前記記録データに対応し
    たヒートがなされることを特徴とする請求項5に記載の
    インクジェット記録装置。
  7. 【請求項7】 前記記録ヘッドに対して前記記録データ
    の転送を完了した後の所定のタイミングで前記転送バッ
    ファのデータはクリアされることを特徴とする請求項5
    もしくは6に記載のインクジェット記録装置。
  8. 【請求項8】 前記記録ヘッドはインクを吐出するため
    のエネルギーとして熱エネルギーを発生する電気熱変換
    体を含む複数の記録素子を有することを特徴とする請求
    項1に記載のインクジェット記録装置。
  9. 【請求項9】 副走査方向にノズル列を有する記録ヘッ
    ドを用いて記録するために記録データを保存するプリン
    トバッファと前記プリントバッファに保存された記録デ
    ータを第1のノズル数単位で読み出すDMA手段と前記
    プリントバッファにヌルデータを格納するかわりにヌル
    フラグを第2のノズル数単位でセット可能なヌルフラグ
    テーブルとを有するインクジェット記録装置の制御方法
    であって、 データ単位取得手段によって前記第1のノズル数単位に
    関する情報と前記第2のノズル数単位に関する情報とを
    取得するデータ単位取得工程と、 比較手段によって前記第1のノズル数単位の情報と前記
    第2のノズル数単位の情報とを比較する比較工程と、 ノズル数単位変更手段によって前記第2のノズル数単位
    を変更するノズル数単位変更工程とを有し、 所定のタイミングにおいて、前記データ単位取得工程で
    前記両ノズル数単位に関する情報の取得を行い、前記比
    較工程で前記両ノズル数単位に関する情報の比較を行
    い、前記比較結果に基づき前記ノズル数単位変更工程で
    前記第2のノズル数単位を前記第1のノズル数単位と等
    しくなるよう変更することを特徴とするインクジェット
    記録装置の制御方法。
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