JP4261223B2 - アミノ酸を構成イオンとする有機イオン性液体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は一般式Iで示される第4級窒素化合物である有機イオン性液体に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
イオン性液体とは融点が100℃程度以下の塩の総称であり、最近、水、有機溶媒に次ぐ第三の溶媒として注目を集めている(例えば、非特許文献1)。イオン性液体はイオン性液体形成に有利なカチオンとアニオンを組合せて合成される。これまで用いられてきたカチオンにはイミダゾリウムカチオン、ピリジニウムカチオン、アルキルアンモニウムカチオンなどがあり、アニオンとしては、BF4 -、PF6 -、トリフレートアニオン(CFSO3 -)、イミドアニオン(TFSI-)、CHCOO-、CF3HCOO-、NO3 -、(CN)2N-などがある。
【0003】
それらイオン性液体の特徴として、液体状態を保つ温度範囲が極めて広いこと、液体でありながら蒸気圧がほぼゼロであるため不揮発性・不燃性であること、イオンのみからなる液体であるため極めて高いイオン伝導度を有すること、種々の無機・有機化合物に対して高い溶解性を有すること、イオンの組み合わせに依存するが水や汎用の有機溶媒と混ざらない液相を提供できることなどが挙げられる。これらの特徴に基づき、イオン性液体は各種合成溶媒、分離・抽出溶媒としての応用はもちろんのこと、バッテリーなどの電解質材料(例えば、特許文献1)としても精力的に研究されている。
【0004】
これらの応用の中でも、各種合成溶媒としての報告は群を抜く。イオン性液体の特徴は、生活環境への拡散を最小限にとどめる上で有用であり、繰り返し利用する上でも優れているため、地球環境に優しい溶媒として、また従来の溶媒の代替材料として適切と考えられてきている。これまでに、Friedel-Crafts反応、Diels-Alder反応、Heck反応、Biginelli反応、Beckmann転移反応などに関して報告がなされている(例えば、特許文献2)。これらはほんの一例に過ぎず、極めて多くの反応に検討が及んでいる。いずれもイオン性液体が反応用の溶媒として繰り返し利用できること、反応によっては従来の溶媒よりも優れた収率や選択性が得られることが明らかとなっている。
【0005】
これら有機合成の中で最も重要な反応の一つは不斉合成である。不斉合成は有機化学分野にとどまらず、生化学、薬理学の分野においても極めて重要な位置を占める。これまで、不斉誘導体としては、光学活性な試薬やキラル触媒が用いられてきたが、キラルイオン性液体の合成もすでに検討されている。Diels-Alder反応にキラルイオン性液体を用いた場合、反応時間の短縮、収率の向上、反応位置の選択性向上など顕著な結果が得られている。しかし、現在までに報告されているキラルイオン性液体にも改善すべき点は多い。
【0006】
従来のイオン性液体の欠点としては、(1)イミダゾリウムカチオンやアンモニウムカチオンのようなカチオン構造にキラル部位を有する系は、合成手順が煩雑で高純度物を得るのは容易ではない;(2)キラルな塩を用いたイオン性液体の合成は従来の系と同様にアニオン交換反応により合成するため出発物質が高価である;(3)キラル部位が2カ所あるため、不斉触媒反応の妨げになる;(4)光学純度が100%でない;融点が室温よりも高い系が多い(熱処理を必要とするためラセミ化や熱変性するなどの欠点がある)などが挙げられる。
【0007】
これまでに天然アミノ酸を出発物質とするキラルイオン性液体の合成を試みた報告はある(例えば、非特許文献2)が、目的物質の合成に多段階の操作を経る必要があること、前駆体の合成時に官能基がカルボキシル基からアルコールに置換されること、イミダゾリウムカチオンの側鎖に嵩高いアミノ酸誘導体が導入されるため、得られた塩の融点が比較的高くなり、イオン性液体とはいえなかった。
【0008】
【特許文献1】
特開2000−110472号公報
【特許文献2】
特開2002−275118号公報
【非特許文献1】
大野弘幸、「有機イオン性液体−蒸発しない極性液体−」、未来材料、2002年、第2巻第9号6〜11頁
【非特許文献2】
Weliang Bao, Zhimiang Wang and Yuxia Li, Journal of Organic Chemistry, 2003, 68(2), 591-593
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、一般式I:
【化2】
[式中、カチオン部AN+は、(R)4N+(ここで、Rは、非置換もしくは置換された低級アルキル基)であるか、または1もしくはそれ以上の窒素原子を環員とする非置換もしくは置換されたヘテロ環の窒素原子にプロトンが1個付加したカチオンであり、アニオン部H2N−Y−C(=O)−O-(ここで、Yは、アミノ酸のアミノ基およびカルボキシ基を除いた構成部分)のアニオンは、D−またはL−アミノ酸アニオンである]で示される第4級窒素化合物である有機イオン性液体を提供する。
【0010】
低級アルキル基のカチオン(R)4N+の例としては、低級アルキルアンモニウムが挙げられ、ヘテロ環のカチオンの例としては、ピロリウム、イミダゾリウム、2H−ピロリウム、ピラゾリウム、ピリジニウム、ピラジニウム、ピリミジウム、ピリダジニウム、インドリジニウム、インドリウム、3H−インドリウム、1H−インダゾリウム、イソインドリウム、プリニウム、4H−キノリジニウム、イソキノリニウム、キノリニウム、フタラジニウム、ナフチリジニウム、キノキサリニウム、キナゾリニウム、シノリニウム、プテリジニウム、4aH−カルバゾリウム、カルバゾリウム、β−カルボリニウム、フェナンスリジニウム、アクリジニウム、ペリミジニウム、フェナンスロリニウム、フェナジニウムを挙げることができるが、好ましくは、イミダゾリウム、ピリジニウム、ピロリジニウムであり、より好ましくは、イミダゾリウムである。
【0011】
アニオンは、D−またはL−のアミノ酸のアニオンであり、好ましくは天然のα−アミノ酸であり、より好ましくは、L−ロイシン、L−フェニルアラニン、L−イソロイシン、グリシン、L−グルタミン酸、L−バリン、L−アスパラギン酸、L−トリプトファン、L−アラニン、L−アルギニン、L−アスパラギン、L−システイン、L−グルタミン、L−ヒスチジン、L−リジン、L−メチオニン、L−プロリン、L−セリン、L−トレオニンまたはL−チロシンから選ばれるアミノ酸のアニオンである。
【0012】
【発明の実施の形態】
この明細書で用いられる低級アルキル基としては、飽和の直鎖または分枝状の、炭素原子1〜12個、好ましくは2〜6個、より好ましくは2〜4個を含む炭化水素残基をいう。例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、s−ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシルなどを挙げることができ、好ましくは、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシルであり、より好ましくは、エチルおよびブチルである。
【0013】
式IのRおよびヘテロ環の置換基としては、炭素原子1〜12、好ましくは、炭素原子1〜6、より好ましくは、炭素原子1〜4の低級アルキル基であり、好ましくは、メチルおよびエチルを挙げることができる。
【0014】
本発明の第4級窒素化合物の一般的製造方法
カチオン部のAN+のハライド、好ましくはブロミド、1重量部を水性溶媒に溶解させ、適当な処理、例えば、陰イオン交換樹脂を通し、ヒドロキシ化合物に変換し、これに、アニオン部H2N−Y−C(=O)−O-となるアミノ酸約1〜1.1重量部、好ましくは、約1.0重量部を添加し、得られた混合溶液を氷冷下攪拌し、溶媒を減圧留去し、残渣から適当な方法によって未反応のアミノ酸を除去し、所望のイオン性液体としての第4級窒素化合物を得る。
【0015】
【実施例】
以下、実施例によってこの発明を具体的に説明するが本発明はこれに限定されるものではない。なお、これらの実施例における1,3−ジアルキルイミダゾリウム水酸化物とアミノ酸の中和反応の進行は、1H−NMR測定および元素分析によって行い確認された。
【0016】
実施例1
1−エチル−3−メチルイミダゾリウムブロミド1.0gに水5mlを加え、均一溶解させたのちこれを陰イオン交換樹脂に通し、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムヒドロキシド水溶液(以下、EMImOH水溶液と記す)を得た。L−ロイシン0.8gを水100mlに加え、均一溶液にしたものに、EMImOH水溶液をゆっくり滴下して、氷冷し、温度を0℃に維持しながら12時間攪拌したのち、減圧乾燥して余分な水を除去した。これにアセトニトリル40mlとメチルアルコール10mlを加え、温度を0℃に維持しながら30分攪拌した。その後、濾過により析出した結晶(過剰に加えた未反応のロイシン)を除去した。濾液を減圧加熱乾燥してアセトニトリルとメチルアルコールを除去し、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムロイシン塩1.0g(収率80%)を得た。本品の1H−NMR測定を行った結果は図1に示したとおりであり、プロトンの化学シフトと積分強度から反応の進行が確認された。元素分析の結果は理論値に一致した。
元素分析(%) C12H23N3О2・4H2О
C 44.66%,H 9.61%,N 12.81%
【0017】
実施例2
1−エチル−3−メチルイミダゾリウムブロミド1.0gに水5mlを加え、均一溶解させたのちこれを陰イオン交換樹脂に通し、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムヒドロキシド水溶液(以下、EMImOH水溶液と記す)を得た。L−フェニルアラニン1.0gを水100mlに加え、均一溶液にしたものにEMImOH水溶液をゆっくり滴下して、氷冷し、温度を0℃に維持しながら12時間攪拌したのち、減圧乾燥して余分な水を除去した。これにアセトニトリル40mlとメチルアルコール10mlを加え、温度を0℃に維持しながら30分攪拌した。その後、濾過により析出した結晶(過剰に加えた未反応のフェニルアラニン)を除去した。濾液を減圧加熱乾燥してアセトニトリルとメチルアルコールを除去し、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムフェニルアラニン塩1.2g(収率83%)を得た。本品の1H−NMR測定を行った結果は図2に示したとおりであり、プロトンの化学シフトと積分強度から反応の進行が確認された。
【0018】
実施例3
1−エチル−3−メチルイミダゾリウムブロミド1.0gに水5mlを加え、均一溶解させたのちこれを陰イオン交換樹脂に通し、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムヒドロキシド水溶液(以下、EMImOH水溶液と記す)を得た。L−イソロイシン1.0gを水100mlに加え、均一溶液にしたものにEMImOH水溶液をゆっくり滴下して、氷冷し、温度を0℃に維持しながら12時間攪拌したのち、減圧乾燥して余分な水を除去した。これにアセトニトリル40mlとメチルアルコール10mlを加え、温度を0℃に維持しながら30分攪拌した。その後、濾過により析出した結晶(過剰に加えた未反応のイソロイシン)を除去した。濾液を減圧加熱乾燥してアセトニトリルとメチルアルコールを除去し、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムイソロイシン塩1.0g(収率82%)を得た。本品の1H−NMR測定を行った結果は図3に示したとおりであり、プロトンの化学シフトと積分強度から反応の進行が確認された。
【0019】
実施例4
1−エチル−3−メチルイミダゾリウムブロミド1.0gに水5mlを加え、均一溶解させたのちこれを陰イオン交換樹脂に通し、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムヒドロキシド水溶液(以下、EMImOH水溶液と記す)を得た。グリシン0.5gを水100mlに加え、均一溶液にしたものにEMImOH水溶液をゆっくり滴下して、氷冷し、温度を0℃に維持しながら12時間攪拌したのち、減圧乾燥して余分な水を除去した。これにアセトニトリル40mlとメチルアルコール10mlを加え、温度を0℃に維持しながら30分攪拌した。その後、濾過により析出した結晶(過剰に加えた未反応のグリシン)を除去した。濾液を減圧加熱乾燥してアセトニトリルとメチルアルコールを除去し、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムグリシン塩0.8g(収率82%)を得た。本品の1H−NMR測定を行った結果は図4に示したとおりであり、プロトンの化学シフトと積分強度から反応の進行が確認された。元素分析の結果は理論値通りであった。
元素分析 C8H15N3О2・0.5H2О
C 49.18%,H 8.25%,N 21.17%
【0020】
実施例5
1−エチル−3−メチルイミダゾリウムブロミド1.0gに水5mlを加え、均一溶解させたのちこれを陰イオン交換樹脂に通し、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムヒドロキシド水溶液(以下、EMImOH水溶液と記す)を得た。L−グルタミン酸0.9gを水100mlに加えたものにEMImOH水溶液をゆっくり滴下して、氷冷し、温度を0℃に維持しながら12時間攪拌したのち、減圧乾燥して余分な水を除去した。これにアセトニトリル40mlとメチルアルコール10mlを加え、温度を0℃に維持しながら30分攪拌した。その後、濾過により析出した結晶(過剰に加えた未反応のグルタミン酸)を除去した。濾液を減圧加熱乾燥してアセトニトリルとメチルアルコールを除去し、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムグルタミン酸塩1.1g(収率80%)を得た。本品の1H−NMR測定を行った結果は図5に示したとおりであり、プロトンの化学シフトと積分強度から反応の進行が確認された。
【0021】
実施例6
1−エチル−3−メチルイミダゾリウムブロミド1.0gに水5mlを加え、均一溶解させたのちこれを陰イオン交換樹脂に通し、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムヒドロキシド水溶液(以下、EMImOH水溶液と記す)を得た。L−バリン0.7gを水100mlに加え、均一溶液にしたものにEMImOH水溶液をゆっくり滴下して、氷冷し、温度を0℃に維持しながら12時間攪拌したのち、減圧乾燥して余分な水を除去した。これにアセトニトリル40mlとメチルアルコール10mlを加え、温度を0℃に維持しながら30分攪拌した。その後、濾過により析出した結晶(過剰に加えた未反応のバリン)を除去した。濾液を減圧加熱乾燥してアセトニトリルとメチルアルコールを除去し、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムバリン塩0.9g(収率79%)を得た。本品の1H−NMR測定を行った結果は図6に示したとおりであり、プロトンの化学シフトと積分強度から反応の進行が確認された。
【0022】
実施例7
1−エチル−3−メチルイミダゾリウムブロミド1.0gに水5mlを加え、均一溶解させたのちこれを陰イオン交換樹脂に通し、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムヒドロキシド水溶液(以下、EMImOH水溶液と記す)を得た。L−アスパラギン酸0.9gを水100mlに加えたものにEMImOH水溶液をゆっくり滴下して、氷冷し、温度を0℃に維持しながら12時間攪拌したのち、減圧乾燥して余分な水を除去した。これにアセトニトリル40mlとメチルアルコール10mlを加え、温度を0℃に維持しながら30分攪拌した。その後、濾過により析出した結晶(過剰に加えた未反応のアスパラギン酸)を除去した。濾液を減圧加熱乾燥してアセトニトリルとメチルアルコールを除去し、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムアスパラギン酸塩1.1g(収率89%)を得た。本品の1H−NMR測定を行った結果は図7に示したとおりであり、プロトンの化学シフトと積分強度から反応の進行が確認された。
【0023】
実施例8
1−エチル−3−メチルイミダゾリウムブロミド1.5gに水10mlを加え、均一溶解させたのちこれを陰イオン交換樹脂に通し、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムヒドロキシド水溶液(以下、EMImOH水溶液と記す)を得た。L−トリプトファン1.8gを水100mlに加えたものにEMImOH水溶液をゆっくり滴下して、氷冷し、温度を0℃に維持しながら12時間攪拌したのち、減圧乾燥して余分な水を除去した。これにアセトニトリル40mlとメチルアルコール10mlを加え、温度を0℃に維持しながら30分攪拌した。その後、濾過により析出した結晶(過剰に加えた未反応のトリプトファン)を除去した。濾液を減圧加熱乾燥してアセトニトリルとメチルアルコールを除去し、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムトリプトファン塩1.0g(収率82%)を得た。本品の1H−NMR測定を行った結果は図8に示したとおりであり、プロトンの化学シフトと積分強度から反応の進行が確認された。
【0024】
実施例9
1−エチル−3−メチルイミダゾリウムブロミド1.0gに水5mlを加え、均一溶解させたのちこれを陰イオン交換樹脂に通し、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムヒドロキシド水溶液(以下、EMImOH水溶液と記す)を得た。L−アラニン0.7gを水100mlに加え、均一溶液にしたものにEMImOH水溶液をゆっくり滴下して、氷冷し、温度を0℃に維持しながら12時間攪拌したのち、減圧乾燥して余分な水を除去した。これにアセトニトリル40mlとメチルアルコール10mlを加え、温度を0℃に維持しながら30分攪拌した。その後、濾過により析出した結晶(過剰に加えた未反応のアラニン)を除去した。濾液を減圧加熱乾燥してアセトニトリルとメチルアルコールを除去し、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムアラニン塩0.9g(収率86%)を得た。本品の1H−NMR測定を行った結果は以下に示したとおりであり、プロトンの化学シフトと積分強度から反応の進行が確認された。元素分析の結果は理論値通りであった。
【化3】
1H−NMR(DMSO, δ/ppm TMS基準): 0.96(d,3H,J=3.5Hz,(h)), 1.35(t,3H,J=7Hz), 2.80(q,1H,10.3), 3.83(s,3H), 4.17(q,2H,J=11.3Hz), 7.72(s,1H), 7.81(s,1H), 9.83(s, 1H)
元素分析 C9H17N3О2・2H2О
C 45.92%,H 8.74%,N 17.40%
【0025】
実施例10
1−エチル−3−メチルイミダゾリウムブロミド1.5gに水10mlを加え、均一溶解させたのちこれを陰イオン交換樹脂に通し、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムヒドロキシド水溶液(以下、EMImOH水溶液と記す)を得た。L−アルギニン1.6gを水100mlに加え、均一溶液にしたものにEMImOH水溶液をゆっくり滴下して、氷冷し、温度を0℃に維持しながら12時間攪拌したのち、減圧乾燥して余分な水を除去した。これを温度を0℃に維持しながら24時間冷却し、その後、濾過により析出した結晶(過剰に加えた未反応のアルギニン)を除去することで1−エチル−3−メチルイミダゾリウムアルギニン塩1.6g(収率74%)を得た。本品の1H−NMR測定を行った結果は以下に示したとおりであり、プロトンの化学シフトと積分強度から反応の進行が確認された。
【化4】
1H−NMR(DMSO, δ/ppm TMS基準): 1.23(m,2H,J=15Hz,(i)), 1.35(t,3H,J=7Hz), 1.44(m,2H,(h)), 2.79(t,1H,J=6.5.(g)), 2.85(t,2H,J=9Hz,(j)), 3.81(s,3H), 4.16(q,2H,J=11Hz), 7.68(d,1H,J=1Hz), 7.77(d,1H,J=0.75Hz)
【0026】
実施例11
1−エチル−3−メチルイミダゾリウムブロミド1.0gに水5mlを加え、均一溶解させたのちこれを陰イオン交換樹脂に通し、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムヒドロキシド水溶液(以下、EMImOH水溶液と記す)を得た。L−アスパラギン0.8gを水100mlに加え、均一溶液にしたものにEMImOH水溶液をゆっくり滴下して、氷冷し、温度を0℃に維持しながら12時間攪拌したのち、減圧乾燥して余分な水を除去した。これにアセトニトリル40mlとメチルアルコール10mlを加え、温度を0℃に維持しながら30分攪拌した。その後、濾過により析出した結晶(過剰に加えた未反応のアスパラギン)を除去した。濾液を減圧加熱乾燥してアセトニトリルとメチルアルコールを除去し、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムアスパラギン塩1.1g(収率83%)を得た。本品の1H−NMR測定を行った結果は以下に示したとおりであり、プロトンの化学シフトと積分強度から反応の進行が確認された。
【化5】
1H−NMR(DMSO, δ/ppm TMS基準): 1.36(t,3H,J=7.5Hz), 1.93(q,1H,J=11.8Hz,(h)), 2.35(q,1H,J=9.5Hz,(h)), 3.06(q,1H,J=6.3Hz), 3.82(s,3H), 4.16(q,2H,J=10.8), 6.58(s,1H,(i)), 7.70(t,1H,J=2Hz), 7.78(t,1H,J=1.5Hz), 7.99(s,1H,(i)), 9.59(s,1H)
【0027】
実施例12
1−エチル−3−メチルイミダゾリウムブロミド1.0gに水5mlを加え、均一溶解させたのちこれを陰イオン交換樹脂に通し、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムヒドロキシド水溶液(以下、EMImOH水溶液と記す)を得た。窒素雰囲気下でL−システイン0.8gを脱気した水100mlに加えたものに脱気したEMImOH水溶液をゆっくり滴下して、氷冷し、温度を0℃に維持しながら12時間攪拌したのち、減圧乾燥して余分な水を除去した。これにアセトニトリル40mlとメチルアルコール10mlを加え、温度を0℃に維持しながら30分攪拌した。その後、濾過により析出した結晶(過剰に加えた未反応のシステイン)を除去した。濾液を減圧加熱乾燥してアセトニトリルとメチルアルコールを除去し、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムシステイン塩0.9g(収率77%)を得た。本品の1H−NMR測定を行った結果は以下に示したとおりであり、プロトンの化学シフトと積分強度から反応の進行が確認された。
【化6】
1H−NMR(DMSO, δ/ppm TMS基準): 1.36(t,3H,J=7.5Hz), 2.45(d,1H,J=10.3Hz,(h)), 2.67(d,1H,J=8.5Hz,(h)), 2.93(t,1H,J=5.5Hz), 3.82(s,3H), 4.17(q,2H,J=10.8Hz), 7.70(s,1H), 7.78(s,1H), 9.51(s,1H)
【0028】
実施例13
1−エチル−3−メチルイミダゾリウムブロミド1.0gに水5mlを加え、均一溶解させたのちこれを陰イオン交換樹脂に通し、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムヒドロキシド水溶液(以下、EMImOH水溶液と記す)を得た。L−グルタミン0.8gを水100mlに加え、均一溶液にしたものにEMImOH水溶液をゆっくり滴下して、氷冷し、温度を0℃に維持しながら12時間攪拌したのち、減圧乾燥して余分な水を除去した。これにアセトニトリル40mlとメチルアルコール10mlを加え、温度を0℃に維持しながら30分攪拌した。その後、濾過により析出した結晶(過剰に加えた未反応のグルタミン)を除去した。濾液を減圧加熱乾燥してアセトニトリルとメチルアルコールを除去し、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムグルタミン塩0.9g(収率66%)を得た。本品の1H−NMR測定を行った結果は以下に示したとおりであり、プロトンの化学シフトと積分強度から反応の進行が確認された。
【化7】
1H−NMR(DMSO, δ/ppm TMS基準): 1.35(t,3H,J=7Hz), 1.43(m,1H,J=18Hz(h)), 1.66(m,1H,J=13Hz,(h)), 2.01(m,2H,J=23.8Hz,(i)), 2.77(t,1H,J=6.3Hz), 3.82(s,3H), 4.17(q,2H,J=10.8Hz), 6.55(s,1H,(j)), 7.61(s,1H,(j)), 7.71(s,1H), 7.79(s,1H), 9.67(s,1H)
【0029】
実施例14
1−エチル−3−メチルイミダゾリウムブロミド1.0gに水5mlを加え、均一溶解させたのちこれを陰イオン交換樹脂に通し、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムヒドロキシド水溶液(以下、EMImOH水溶液と記す)を得た。L−ヒスチジン1.0gを水100mlに加え、均一溶液にしたものにEMImOH水溶液をゆっくり滴下して、氷冷し、温度を0℃に維持しながら12時間攪拌したのち、減圧乾燥して余分な水を除去した。これにアセトニトリル40mlとメチルアルコール10mlを加え、温度を0℃に維持しながら30分攪拌した。その後、濾過により析出した結晶(過剰に加えた未反応のヒスチジン)を除去した。濾液を減圧加熱乾燥してアセトニトリルとメチルアルコールを除去し、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムヒスチジン塩1.1g(収率78%)を得た。本品の1H−NMR測定を行った結果は以下に示したとおりであり、プロトンの化学シフトと積分強度から反応の進行が確認された。
【化8】
1H−NMR(DMSO, δ/ppm TMS基準): 1.34(t,3H,J=7Hz), 2.36(q,1H,J=11Hz,(h)), 2.82(q,1H,J=9.3Hz,(h)), 2.99(t,1H,J=6Hz), 3.80(s,3H), 4.14(q,2H,J=10.8Hz), 6.58(s,1H,(i)), 7.35(s,1H,(j)), 7.68(s,1H), 7.76(s,1H), 9.53(s,1H)
【0030】
実施例15
1−エチル−3−メチルイミダゾリウムブロミド1.0gに水5mlを加え、均一溶解させたのちこれを陰イオン交換樹脂に通し、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムヒドロキシド水溶液(以下、EMImOH水溶液と記す)を得た。L−リジン0.9gを水100mlに加え、均一溶液にしたものにEMImOH水溶液をゆっくり滴下して、氷冷し、温度を0℃に維持しながら12時間攪拌したのち、減圧乾燥して余分な水を除去した。これにアセトニトリル40mlとメチルアルコール10mlを加え、温度を0℃に維持しながら30分攪拌した。その後、濾過により析出した結晶(過剰に加えた未反応のリジン)を除去した。濾液を減圧加熱乾燥してアセトニトリルとメチルアルコールを除去し、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムリジン塩1.0g(収率78%)を得た。本品の1H−NMR測定を行った結果は以下に示したとおりであり、プロトンの化学シフトと積分強度から反応の進行が確認された。元素分析の結果は理論値通りであった。
【化9】
1H−NMR(DMSO, δ/ppm TMS基準): 1.22(m,5H,J=13.5Hz,(i)(j)(h)), 1.36(t,3H,J=7.5), 1.48(m,1H,J=13Hz,(h)), 2.42(d,2H,J=6.5Hz,(k)), 2.73(t,1H,J=7.0Hz), 3.82(s,3H), 4.17(q,2H,J=11.3Hz), 7.70(t,1H,J=1.5Hz), 7.79(t,1H,J=1.5Hz), 9.67(s,1H)
元素分析 C12H24N4О2・H2О
C 58.36%,H 8.01%,N 13.58%
【0031】
実施例16
1−エチル−3−メチルイミダゾリウムブロミド1.0gに水5mlを加え、均一溶解させたのちこれを陰イオン交換樹脂に通し、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムヒドロキシド水溶液(以下、EMImOH水溶液と記す)を得た。L−メチオニン0.9gを水100mlに加え、均一溶液にしたものにEMImOH水溶液をゆっくり滴下して、氷冷し、温度を0℃に維持しながら12時間攪拌したのち、減圧乾燥して余分な水を除去した。これにアセトニトリル40mlとメチルアルコール10mlを加え、温度を0℃に維持しながら30分攪拌した。その後、濾過により析出した結晶(過剰に加えた未反応のメチオニン)を除去した。濾液を減圧加熱乾燥してアセトニトリルとメチルアルコールを除去し、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムメチオニン塩1.1g(収率78%)を得た。本品の1H−NMR測定を行った結果は以下に示したとおりであり、プロトンの化学シフトと積分強度から反応の進行が確認された。元素分析の結果は理論値通りであった。
【化10】
1H−NMR(DMSO, δ/ppm TMS基準): 1.36(t,3H,J=7.5Hz), 1.42(m,1H,J=24.5Hz,(h)), 1.74(m,1H,J=16.5Hz,(h)), 1.94(s,1H), 2.42(t,2H,J=8.5Hz,(i)), 2.82(q,1H,J=5.75Hz), 3.82(s,3H), 4.17(q,2H,J=11.3Hz), 7.71(s,1H), 7.80(s,1H), 9.69(s,1H)
元素分析 C11H21N3О2S・2.2H2О
C 43.87%,H 8.51%,N 13.86%
【0032】
実施例17
1−エチル−3−メチルイミダゾリウムブロミド1.0gに水5mlを加え、均一溶解させたのちこれを陰イオン交換樹脂に通し、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムヒドロキシド水溶液(以下、EMImOH水溶液と記す)を得た。L−プロリン1.0gを水100mlに加え、均一溶液にしたものにEMImOH水溶液をゆっくり滴下して、氷冷し、温度を0℃に維持しながら12時間攪拌したのち、減圧乾燥して余分な水を除去した。これにアセトニトリル40mlとメチルアルコール10mlを加え、温度を0℃に維持しながら30分攪拌した。その後、濾過により析出した結晶(過剰に加えた未反応のプロリン)を除去した。濾液を減圧加熱乾燥してアセトニトリルとメチルアルコールを除去し、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムプロリン塩1.1g(収率83%)を得た。本品の1H−NMR測定を行った結果は以下に示したとおりであり、プロトンの化学シフトと積分強度から反応の進行が確認された。元素分析の結果は理論値通りであった。
【化11】
1H−NMR(DMSO, δ/ppm TMS基準): 1.36(t,3H,J=7.5Hz), 1.42(m,1H,J=17Hz), 1.51(m,1H,J=19Hz), 1.62(broad, 1H), 1.77(m,1H,J=17.8Hz), 2.60(broad,1H), 2,92(m,1H,J=11.3Hz), 3.18(broad,1H), 3.82(s,3H), 4.16(q,2H,J=11.3Hz), 7.70(s,1H), 7.79(s,1H), 9.53(s,1H)
元素分析 C11H19N3О2・2H2О
C 50.16%,H 8.85%,N 15.32%
【0033】
実施例18
1−エチル−3−メチルイミダゾリウムブロミド1.0gに水5mlを加え、均一溶解させたのちこれを陰イオン交換樹脂に通し、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムヒドロキシド水溶液(以下、EMImOH水溶液と記す)を得た。L−セリン0.7gを水100mlに加え、均一溶液にしたものにEMImOH水溶液をゆっくり滴下して、氷冷し、温度を0℃に維持しながら12時間攪拌したのち、減圧乾燥して余分な水を除去した。これにアセトニトリル40mlとメチルアルコール10mlを加え、温度を0℃に維持しながら30分攪拌した。その後、濾過により析出した結晶(過剰に加えた未反応のセリン)を除去した。濾液を減圧加熱乾燥してアセトニトリルとメチルアルコールを除去し、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムセリン塩0.9g(収率79%)を得た。本品の1H−NMR測定を行った結果は以下に示したとおりであり、プロトンの化学シフトと積分強度から反応の進行が確認された。元素分析の結果は理論値通りであった。
【化12】
1H−NMR(DMSO, δ/ppm TMS基準): 1.36(t,3H,J=7Hz), 2.83(t,1H,J=7Hz), 3.23(m,2H,J=15.5Hz,(h)), 3.81(s,3H), 4.16(q,2H,J=11Hz), 7.69(s,1H), 7.78(s,1H), 9.47(s,1H)
元素分析 C8H17N3О3・H2О
C 46.37%,H 8.22%,N 17.71%
【0034】
実施例19
1−エチル−3−メチルイミダゾリウムブロミド1.0gに水5mlを加え、均一溶解させたのちこれを陰イオン交換樹脂に通し、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムヒドロキシド水溶液(以下、EMImOH水溶液と記す)を得た。L−トレオニン0.7gを水100mlに加え、均一溶液にしたものにEMImOH水溶液をゆっくり滴下して、氷冷し、温度を0℃に維持しながら12時間攪拌したのち、減圧乾燥して余分な水を除去した。これにアセトニトリル40mlとメチルアルコール10mlを加え、温度を0℃に維持しながら30分攪拌した。その後、濾過により析出した結晶(過剰に加えた未反応のトレオニン)を除去した。濾液を減圧加熱乾燥してアセトニトリルとメチルアルコールを除去し、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムトレオニン塩1.0g(収率84%)を得た。本品の1H−NMR測定を行った結果は以下に示したとおりであり、プロトンの化学シフトと積分強度から反応の進行が確認された。
【化13】
1H−NMR(DMSO, δ/ppm TMS基準): 0.86(d,3H,J=3Hz,(i)), 1.36(t,3H,J=7Hz), 2.82(d,1H,J=2.5Hz), 3.44(m,1H,J=12Hz,(h)), 3.82(s,3H), 4.17(q,2H,J=10.8Hz), 7.70(s,1H), 7.79(s,1H), 9.52(s,1H)
【0035】
実施例20
1−エチル−3−メチルイミダゾリウムブロミド2.0gに水10mlを加え、均一溶解させたのちこれを陰イオン交換樹脂に通し、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムヒドロキシド水溶液(以下、EMImOH水溶液と記す)を得た。L−チロシン2.2gを水100mlに加えたものにEMImOH水溶液をゆっくり滴下して、氷冷し、温度を0℃に維持しながら12時間攪拌したのち、減圧乾燥して余分な水を除去した。これにアセトニトリル40mlとメチルアルコール10mlを加え、温度を0℃に維持しながら30分攪拌した。その後、濾過により析出した結晶(過剰に加えた未反応のチロシン)を除去した。濾液を減圧加熱乾燥してアセトニトリルとメチルアルコールを除去し、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムチロシン塩2.1g(収率70%)を得た。本品の1H−NMR測定を行った結果は以下に示したとおりであり、プロトンの化学シフトと積分強度から反応の進行が確認された。
【化14】
1H−NMR(DMSO, δ/ppm TMS基準):1.34(t,3H,J=7Hz), 2.11(t,1H,J=11.5Hz), 2.80(m,2H,J=25.7Hz,(h)), 3.78(s,3H), 4.13(q,2H,J=10.8Hz), 6.38(d,2H,J=4.3Hz,(i)), 6.70(d,2H,J=4.3H,(j)), 7.65(s,1H), 7.74(s,1H), 9.48(s,1H)
【0036】
【発明の効果】
本発明は安価で容易に入手できる天然アミノ酸を構成イオンとする第4級窒素化合物である有機イオン性液体を提供するものである。本発明によって、従来は合成が困難であった光学活性な環境を安価かつ容易に入手できる。すなわち、本発明によって、天然アミノ酸などを用いて適切なカチオンと共に塩とすることで、光学純度が100%で、氷点下から200℃を超す広い温度範囲において液体状態を保ち、アミノ酸反応前駆体としての可能性をもつキラルなイオン性液体を提供するものである。このイオン性液体は、通常のイオン性液体と同等の特性をより安価に得ることができ、通常のイオン性液体の応用分野全てに用いることができ、しかもアミノ酸の反応前駆体として各種機能分子の創製に利用できる可能性も併せ持つ。
【図面の簡単な説明】
【図1】 1−エチル−3−メチルイミダゾリウムロイシン塩(実施例1)の1H−NMRチャートである。
【図2】 1−エチル−3−メチルイミダゾリウムフェニルアラニン塩(実施例2)の1H−NMRチャートである。
【図3】 1−エチル−3−メチルイミダゾリウムイソロイシン塩(実施例3)の1H−NMRチャートである。
【図4】 1−エチル−3−メチルイミダゾリウムグリシン塩(実施例4)の1H−NMRチャートである。
【図5】 1−エチル−3−メチルイミダゾリウムグルタミン酸塩(実施例5)の1H−NMRチャートである。
【図6】 1−エチル−3−メチルイミダゾリウムバリン塩(実施例6)の1H−NMRチャートである。
【図7】 1−エチル−3−メチルイミダゾリウムアスパラギン酸塩(実施例7)の1H−NMRチャートである。
【図8】 1−エチル−3−メチルイミダゾリウムトリプトファン塩(実施例8)の1H−NMRチャートである。
Claims (3)
- 一般式Iにおいて、AN + が1−エチル−3−メチルイミダゾリウムである、請求項1の化合物。
- アニオン部が、 L −ロイシン、 L −フェニルアラニン、 L −イソロイシン、グリシン、 L −グルタミン酸、 L −バリン、 L −アスパラギン酸、 L −トリプトファン、 L −アラニン、 L −アルギニン、 L −アスパラギン、 L −システイン、 L −グルタミン、 L −ヒスチジン、 L −リジン、 L −メチオニン、 L −プロリン、 L −セリン、 L −トレオニンおよび L −チロシンからなる群から選択されるα−アミノ酸のアニオンである、請求項1または2の化合物。
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