JP4260288B2 - ダブルデッキエレベータ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、上下方向に配置されている二つのかご室をかご枠に保持したダブルデッキエレベータに係り、特に異なる階床間隔をもった建物に設置するのに適するように、かご室の間隔を着床する乗場の階床間隔に合わせて調整できるようにしたダブルデッキエレベータに関する。
【0002】
【従来の技術】
限られたスペースの昇降路内で輸送能力を高める方策の一つとして、二つのかご室を上下方向に配置したダブルデッキエレベータが知られている。このダブルデッキエレベータの従来の概略構成を、図10を参照して説明する。
【0003】
すなわち、昇降路の上部には、図示しない巻上機によって駆動される駆動シーブ1が設けられており、この駆動シーブ1にメインロープ2が巻装されている。そして、メインロープ2の一端にかご枠3が止着され、メインロープ2の他端にはつり合いおもり4が止着されている。かご枠3には二つのかご室5a、5bが上下方向に配置されて保持されている。また、メインロープ2の重量を補償するための補償ロープ7が昇降路の底部に設けられている補償シーブ8に巻装されており、その一端がかご枠3に止着され、補償ロープ7の他端はつり合いおもり4に止着されている。さらに、かご枠3には、機械室に設けられている図示しない制御盤とかご室5a、5bとの間に制御信号などを伝送するためのテールコード9の一端部が係止され、このテールコード9の他端部は昇降路の中間部分に係止されている。
【0004】
なお、かご室5a、5bは、駆動シーブ1によって巻き上げまたは巻き下げられるメインロープ2によって、かご枠3とともに昇降路内を昇降するが、その際かご枠3は、昇降路に沿って設けられているガイドレール10に、かご枠3に取り付けられているガイド装置11を介して案内される。また、つり合いおもり4は、つり合いおもり用ガイドレール12に、つり合いおもり4に取り付けられているガイド装置13を介して案内される。
【0005】
ところで、上記のようなダブルデッキエレベータは、二つのかご室5a、5bの間隔は固定されているので、ダブルデッキエレベータを設置する建物は、全階にわたって階床間の間隔が一定に揃っている必要があり、一方、ダブルデッキエレベータの二つのかご室5a、5bの間隔は、建物の階床間の間隔に合わせて、設計されている必要があった。しかしながら、建物の構造やデザインなどの多様化が進み、建物の階床間隔を全階にわたって一定に揃えた設計とすることは困難となってきた。
【0006】
そこで、このような不都合を解消するために、特開昭48−76242号公報に示されているように、上下のかご室の一方を各階床間隔に合わせて移動させるようにしたダブルデッキエレベータが提案されている。
【0007】
すなわち、図11はその一例であり、かご枠3に保持されている二つのかご室5a、5bのうち、上方に位置しているかご室5aはかご枠3に沿って上下方向に移動可能となるようにガイド装置21によって保持され、下方に位置しているかご室5bはかご枠3に固定されている。そして、かご室5aを上下方向に移動させる手段として、かご枠1に巻取車22とこの巻取車22を駆動する電動機(図示せず)とを取り付けるとともに、巻取車22に巻装した一対のロ一プ23を、案内シーブ24を介してかご室5aの下部にそれぞれ止着している。従って、電動機によって巻取車22を回転させて、ロープ23を巻取りまたは巻戻すことにより、かご室5aが上下に移動し、かご室5aと固定されているかご室5bとの間隔を、建物の階床間隔に合わせて調整するように構成されている。
【0008】
また、図12は他の例であり、かご枠3に固定したはり25に油圧ジヤッキ26を設置し、この油圧ジヤッキ26の上端を、ガイド装置21によってかご枠3に保持されて上下方向に移動可能な上方のかご室5aの下面に連結し、油圧ジヤツキ26を駆動することにより、かご室5aを上下させて、かご室5aとかご室5bとの間隔を、建物の階床間隔に合わせ調整可能に構成されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開昭48−76242号公報に示されている従来のダブルデッキエレベータは、かご室5aを上方へ移動させるために、巻取車22を駆動する電動機あるいは油圧ジヤッキ26によって、かご室5aを持ち上げるように構成されている。
【0010】
すなわち従来は、二つのかご室5a、5bを移動させるための電動機あるいは油圧ジャッキ26のような駆動装置を必要とするものであり、そのため、電動機を設けたものでは、騒音や振動が大きくなって乗客に不快感を与えることになるという問題が生じた。また、油圧ジヤッキ26を設ける場合には、二つのかご室5a、5bの間にその設置スペースが必要なため、二つのかご室5a、5bの最小間隔に制限を生ずるという課題があった。
【0011】
本発明は、このような従来の課題を解決するためになされたものであり、特別な駆動装置を必要とせずに、二つのかご室の間隔を、着床する乗場の階床間隔に合わせて調整することのできるダブルデッキエレベータを提供するものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記従来の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、昇降路に設けられた主ガイドレールと、この主ガイドレールに案内されて昇降するメインロープに吊されたかご枠と、このかご枠に相互に上下方向に移動可能に保持された二つのかご室と、前記かご枠の上部に設けられたシーブと、このシーブに巻装され一端が前記かご室のうち上方に位置するかご室の上部に止着され、他端が下方に位置するかご室の上部に止着されたサブロープと、前記二つのかご室にそれぞれ設けられ、各かご室を前記主ガイドレールまたは前記かご枠に選択的に係止させる制動装置とを具備することを特徴とする。
【0013】
このように請求項1記載の発明によれば、かご室の着床に際し、特別の駆動装置を使用することなく、制動装置を選択的に制御することによって、二つのかご室の間隔を適宜調整することができる。
【0014】
また、請求項2に記載の発明は、昇降路に設けられた主ガイドレールと、この主ガイドレールに案内されて昇降するメインロープに吊されたかご枠と、このかご枠に設けられた副ガイドレールと、前記かご枠に相互に上下方向に移動可能に保持され前記副ガイドレールに案内される二つのかご室と、前記かご枠の上部に設けられたシーブと、このシーブに巻装され一端が前記かご室のうち上方に位置するかご室の上部に止着され、他端が下方に位置するかご室の上部に止着されたサブロープと、前記二つのかご室にそれぞれ設けられ、各かご室を前記主ガイドレールまたは前記副ガイドレールに選択的に係止させる制動装置とを具備することを特徴とする。
【0015】
このように、請求項2に記載の発明においても、メインロープの巻き上げ巻き下げに応じて、二つのかご室に設けた制動装置を選択的に制御することによって、かご室の間隔を適宜調整することができる。
【0016】
また、請求項3に記載の発明は、昇降路に設けられた主ガイドレールと、この主ガイドレールに案内されて昇降するメインロープに吊されたかご枠と、このかご枠に相互に上下方向に移動可能に保持された二つのかご室と、前記かご枠の上部に設けられたシーブと、このシーブに巻装され一端が前記かご室のうち上方に位置するかご室の上部に止着され、他端が下方に位置するかご室の上部に止着されたサブロープと、前記二つのかご室を選択的に前記主ガイドレールに係止させる第1の制動装置と、前記シーブまたは前記サブロープの動きを阻止する第2の制動装置とを具備することを特徴とする。
【0017】
このように、請求項3に記載の発明においても、メインロープの巻き上げ巻き下げに応じて第1の制動装置または第2の制動装置を選択的に制御することによって、かご室の間隔を適宜調整することができる。
【0018】
さらに、請求項4に記載の発明は、請求項3に記載のダブルデッキエレベータにおいて、前記二つのかご室の上下方向への移動を案内する副ガイドレールを前記かご枠に設けたことを特徴とするものである。
【0019】
このように、請求項4に記載の発明によれば、二つのかご室を副ガイドレールに案内させるので、請求項3に記載の発明の作用に加えて、かご枠への負担を軽減させることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るダブルデッキエレベータの一実施の形態について、図1ないし図9を参照して詳細に説明する。なお、これらの図において図10と同一部分には同一符号を付し、詳細な説明は省略する。
【0021】
図1は、本発明に係るダブルデッキエレベータの第1の実施の形態の概略構成を示した、かご枠に保持されている二つのかご室部分の正面図であり、図2は、図1のA−A線に沿う矢視断面図である。これらの図に示されているように、昇降路の上部に設けられている駆動シーブ1(図10参照)に巻装されたメインロープ2にかご枠3が吊されており、かご枠3は昇降路に設けられている主ガイドレール10に案内されて昇降移動する。かご枠3は略中央部で仕切り3aによって仕切られており、上方の枠内に上部かご室5aが配置され、下部の枠内に下部かご室5bが配置されている。そして、かご枠3に沿って副ガイドレール31がそれぞれ固定されており、各かご室5a、5bは、この副ガイドレール31に案内されて、上下方向に移動可能なようにかご枠3に保持されている。なお、つり合いおもり4、補償ロープ7、テールコード9などの図示は省略した。
【0022】
また、かご枠3の上部に一対のシーブ32が設けられており、このシーブ32にサブロープ33がそれぞれ巻装されている。サブロープ33の一端は、上部かご室5aの上部に止着され、他端は下部かご室5bの上部に止着されている。なお、サブロープ33は、上部かご室5aがかご枠3内の略最上部に位置したときに、下部かご室5bがかご枠3内の略最下部に位置するような長さに調節されている。すなわち、各かご室5a、5bは、サブロープ33によって連結されているため、例えば一方のかご室が上昇すれば他方のかご室が下降するように、副ガイドレール31に案内されて、相互に上下方向に移動可能となっている。
【0023】
さらに、二つのかご室5a、5bには、各かご室5a、5bを主ガイドレール10または副ガイドレール31に選択的に係止させる制動装置34、35がそれぞれ設けられている。
【0024】
制動装置34の概略構成は図3の断面図に示すように、例えば上部かご室5aに設けられる制動装置34は、外部制動装置34aと内部制動装置34bとから成り、外部制動装置34aは主ガイドレール10に係合し、内部制動装置34bは副ガイドレール31に係合している。各制動装置は例えばバネによってガイドレールに圧接されるブレーキシュー、このブレーキシューを保持するアーム、通電により駆動されてアームを開き、ブレーキシューをガイドレールから解放する電磁ソレノイド等で構成することができる。
【0025】
そして、制動作用を働かせるときには、外部制動装置34aは主ガイドレール10を挟み込むように作動して、上部かご室5aを主ガイドレール10に係止させ、一方、内部制動装置34bは副ガイドレール31を挟み込むように作動して、上部かご室5aを副ガイドレール31に係止させる。
【0026】
なお、下部かご室5bに設けられる制動装置35も制動装置34と同様に、外部制動装置35aと内部制動装置35bとから成り、外部制動装置35aは主ガイドレール10に係合し、内部制動装置35bは副ガイドレール31に係合するように構成されており、制動作用も同様なのでその説明は省略する。また、制動装置34としての外部制動装置34aと内部制動装置34b、および制動装置35としての外部制動装置35aと内部制動装置35bとは、図示しない制御装置によって各々別々に制御されるよう構成されている。
【0027】
次に、上記のように構成された本発明に係るダブルデッキエレベータの第1の実施の形態の作用を説明する。
【0028】
本発明のダブルデッキエレベータは、制動装置34としての外部制動装置34aと内部制動装置34b、および制動装置35としての外部制動装置35aと内部制動装置35bとの動作を、図示しない制御装置によって選択的に制御するとともに、メインロープ2の巻き上げと巻き下げによるかご枠3の上昇する力と下降する力を利用することにより、上部かご室5aと下部かご室5bの間隔を、狭くしたり広くするように適宜調整するものである。
【0029】
先ず、上部かご室5aと下部かご室5bとの間隔を調整する必要のないときは、両方の内部制動装置34b、35b共に制動動作させて、二つのかご室5a、5bを副ガイドレール31に係止させておく。このような状態でメインロープ2を巻き上げたり巻き下げることにより、上部かご室5aと下部かご室5bの間隔を初期状態に維持したままかご枠3は昇降する。
【0030】
次に、ダブルデッキエレベータの上昇時に、着床する階床間隔に合わせて上部かご室5aと下部かご室5bとの間隔を狭くする必要のあるときは、図4に示すフローチャートに従うように動作が制御される。すなわち、ステップA1として上部かご室5aに設けられている制動装置34の外部制動装置34aを動作させて、上部かご室5aを主ガイドレール10に係止させる。このとき内部制動装置34bや下部かご室5bの制動装置35は、動作させずフリーの状態にしてある。この状態でステップA2に進み、駆動シーブ1を駆動する。よって、メインロープ2の巻き上げに応じて、かご枠3が上昇しかご枠3とともにシーブ32も上昇する(ステップA3)。ところで、シーブ32の上昇により、サブロープ33に止着されている下部かご室5bも上昇する(ステップA4)が、上部かご室5aが主ガイドレール10に係止されているため、上部かご室5aから見れば、かご枠3と下部かご室5bが上昇するため、上部かご室5aと下部かご室5bとの間隔が狭くなる。
【0031】
そこで、ステップA5として、上部かご室5aと下部かご室5bとの間隔が所望の間隔になったか否かを判断し、所望の間隔になるまでこれまでの動作を継続する。そして、所望の間隔になればステップA6へ進み、両かご室5a、5bに設けられている内部制動装置34b、35bを共に動作させて、二つのかご室5a、5bを副ガイドレール31に係止させて、上部かご室5aと下部かご室5bとの間隔を固定する。さらに、外部制動装置34aの動作を解除して、主ガイドレール10に対する上部かご室5aの係止状態を解く(ステップA7)。このようにして、上部かご室5aと下部かご室5bとの間隔を、所望の間隔に狭くしてダブルデッキエレベータを上昇させ、所定の階床に着床させる。
【0032】
次に、ダブルデッキエレベータの上昇時に、着床する階床間隔に合わせて上部かご室5aと下部かご室5bとの間隔を広げる場合の制御について、図5に示すフローチャートに従って動作を説明する。
【0033】
このときは、ステップB1として下部かご室5bに設けられている制動装置35の外部制動装置35aを動作させて、下部かご室5bを主ガイドレール10に係止させる。このとき内部制動装置35bや上部かご室5aの制動装置34は、動作させずフリーの状態にしてある。この状態でステップB2に進み、駆動シーブ1を駆動する。よって、メインロープ2の巻き上げに応じて、かご枠3が上昇しかご枠3とともにシーブ32も上昇する(ステップB3)。ところで、シーブ32の上昇により、サブロープ33に止着されている上部かご室5aも上昇する(ステップB4)が、下部かご室5bが主ガイドレール10に係止されているため、下部かご室5bから見れば、かご枠3と上部かご室5aが上昇するため、上部かご室5aと下部かご室5bとの間隔が広くなる。
【0034】
そこで、ステップB5として、上部かご室5aと下部かご室5bとの間隔が所望の間隔に広がったか否かを判断し、所望の間隔に広がるまでこれまでの動作を継続する。そして、所望の間隔になればステップB6へ進み、両かご室5a、5bに設けられている内部制動装置34b、35bを共に動作させて、二つのかご室5a、5bを副ガイドレール31に係止させて、上部かご室5aと下部かご室5bとの間隔を固定する。さらに、外部制動装置35aの動作を解除して、主ガイドレール10に対する下部かご室5bの係止状態を解く(ステップB7)。このようにして、上部かご室5aと下部かご室5bとの間隔を、所望の間隔に広げてダブルデッキエレベータを上昇させる。
【0035】
逆に、ダブルデッキエレベータの下降時に、着床する階床間隔に合わせて上部かご室5aと下部かご室5bとの間隔を狭める場合の制御について、図6にフローチャートを示してあり、上部かご室5aと下部かご室5bとの間隔を広げる場合の制御について、図7にフローチャートを示してあるので、これらについて動作を説明する。
【0036】
先ず、ダブルデッキエレベータの下降時に、上部かご室5aと下部かご室5bとの間隔を狭める場合は、ステップC1として下部かご室5bに設けられている制動装置35の外部制動装置35aを動作させて、下部かご室5bを主ガイドレール10に係止させる。このとき内部制動装置35bや上部かご室5aの制動装置34は、動作させずフリーの状態にしてある。この状態でステップC2に進み、駆動シーブ1をメインロープ2を巻き下げるように駆動する。よって、メインロープ2の巻き下げに応じて、かご枠3が下降しかご枠3とともにシーブ32も下降する(ステップC3)。ところで、シーブ32の下降により、サブロープ33に止着されている上部かご室5aも下降する(ステップC4)が、下部かご室5bが主ガイドレール10に係止されているため、下部かご室5bから見れば、かご枠3と上部かご室5aが下降するため、上部かご室5aと下部かご室5bとの間隔が狭くなる。
【0037】
そこで、ステップC5として、上部かご室5aと下部かご室5bとの間隔が狭まり所望の間隔になったか否かを判断し、所望の間隔になるまでこれまでの動作を継続する。そして、所望の間隔になればステップC6へ進み、両かご室5a、5bに設けられている内部制動装置34b、35bを共に動作させて、二つのかご室5a、5bを副ガイドレール31に係止させて、上部かご室5aと下部かご室5bとの間隔を固定する。さらに、外部制動装置35aの動作を解除して、主ガイドレール10に対する下部かご室5bの係止状態を解く(ステップC7)。このようにして、上部かご室5aと下部かご室5bとの間隔を、所望の間隔になるように狭めてダブルデッキエレベータを下降させる。
【0038】
次に、ダブルデッキエレベータの下降時に、上部かご室5aと下部かご室5bとの間隔を広げる場合は、図7に示すように、ステップD1として上部かご室5aに設けられている制動装置34の外部制動装置34aを動作させて、上部かご室5aを主ガイドレール10に係止させる。このとき内部制動装置34bや下部かご室5bの制動装置35は、動作させずフリーの状態にしてある。この状態でステップD2に進み、駆動シーブ1をメインロープ2を巻き下げるように駆動する。よって、メインロープ2の巻き下げに応じて、かご枠3が下降しかご枠3とともにシーブ32も下降する(ステップD3)。ところで、シーブ32の下降により、サブロープ33に止着されている下部かご室5bも下降する(ステップD4)が、上部かご室5aが主ガイドレール10に係止されているため、上部かご室5aから見れば、かご枠3と下部かご室5bが下降するため、上部かご室5aと下部かご室5bとの間隔が広くなる。
【0039】
そこで、ステップD5として、上部かご室5aと下部かご室5bとの間隔が所望の間隔に広がったか否かを判断し、所望の間隔に広がるまでこれまでの動作を継続する。そして、所望の間隔になればステップD6へ進み、両かご室5a、5bに設けられている内部制動装置34b、35bを共に動作させて、二つのかご室5a、5bを副ガイドレール31に係止させて、上部かご室5aと下部かご室5bとの間隔を固定する。さらに、外部制動装置34aの動作を解除して、主ガイドレール10に対する上部かご室5aの係止状態を解く(ステップD7)。このようにして、上部かご室5aと下部かご室5bとの間隔を、所望の間隔に広げてダブルデッキエレベータを下降させる。
【0040】
なお、上述の実施の形態において、内部制動装置34a、34bは、各かご室5a、5bを副ガイドレール31に係止させるものとして説明したが、副ガイドレール31に代えてかご枠3に係止させるようにしてもよいことは言うまでもない。
【0041】
このように、本発明によればダブルデッキエレベータの上昇時や下降時に、かご枠3を巻き上げあるいは巻き下げる動力を利用して、上部かご室5aと下部かご室5bとの間隔を、狭めたり広げたり適宜調整することができるので、従来のように、特別の駆動装置を必要とはしない。よって、駆動装置による騒音や振動によって乗客に不快感を与えることもなく、また、二つのかご室5a、5bの間に油圧ジヤッキを設置するようなスペースも必要とせず、階床間隔が一定でない建物に設置するのに好適なダブルデッキエレベータが提供される。
【0042】
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。
【0043】
図8および図9は、本発明に係るダブルデッキエレベータの第2の実施の形態の概略構成を示した説明図であり、図8は、図1と同様にかご枠に保持されている二つのかご室部分の正面図、図9は、図3と同様に制動装置の概略構成を示した断面図である。
【0044】
すなわち、第2の実施の形態では、第1の実施の形態で設けられていた制動装置34、35は、各かご室を5a、5bを主ガイドレール10に係止させる外部制動装置34a、35aのみとなっていて、各かご室5a、5bを副ガイドレール31に係止させる内部制動装置34b、35bは設けられていない。そして、第1の実施の形態で説明した内部制動装置34b、35bの機能を果たすものとして、第2の実施の形態では、サブロープ33に係合する制動装置36がかご枠3に設けられている。
【0045】
よって、上部かご室5aと下部かご室5bとの間隔を調整する必要のないときは、制動装置36を制動動作させて、サブロープ33を制動装置36に係止させることにより、二つのかご室5a、5bはかご枠3内での上下方向への移動が阻止される。このような状態でメインロープ2を巻き上げたり巻き戻すことにより、上部かご室5aと下部かご室5bの間隔を初期状態に維持したままかご枠3は昇降移動する。
【0046】
一方、ダブルデッキエレベータの昇降時に、着床する階床間隔に合わせて上部かご室5aと下部かご室5bとの間隔を狭くしたり広くする際には、図4ないし図7に示したフローチャートに従って同様に動作が制御される。ただし、このとき内部制動装置34b、35bの動作は、制動装置36の動作に置き換えられるものであり、ステップA6、ステップB6、ステップC6、ステップD6に対応する動作は、制動装置36を制動動作させて、サブロープ33を係止させてその動きを阻止するように制御して、上部かご室5aと下部かご室5bとの間隔を固定することになる。
【0047】
なお、第2の実施の形態において、制動装置36は、ブロープ33を係止させて各かご室5a、5bの間隔を固定するものとして説明したが、サブロープ33に代えてサブロープ33が巻装されているシーブ32を係止させることにより、その動きを阻止して、上部かご室5aと下部かご室5bとの間隔を固定するようにしてもよいことは言うまでもない。
【0048】
以上詳述したように、本発明によれば、特別の駆動装置を必要とすることなく、ダブルデッキエレベータの上昇時や下降時に、上部かご室5aと下部かご室5bとの間隔を、広げたり狭めたり適宜調整することができる。従って従来のように、駆動装置による騒音や振動によって乗客に不快感を与えることもなく、また、二つのかご室5a、5bの間に油圧ジヤッキを設置するようなスペースも必要とせず、階床間隔が一定でない建物に設置するのに好適なダブルデッキエレベータを提供することができる。
【0049】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によるダブルデッキエレベータによれば、かご室の着床に際し、従来のように特別の駆動装置を使用することなく、単に制動装置を選択的に制御することによって、二つのかご室の間隔を適宜調整する効果が得られる。
【0050】
請求項2に記載の発明によれば、メインロープの巻き上げ巻き下げに応じて、二つのかご室に設けた制動装置を選択的に制御することにより、同様にかご室の間隔を適宜調整することができる。
【0051】
また、請求項3に記載の発明によっても、メインロープの巻き上げ巻き下げに応じて第1の制動装置または第2の制動装置を選択的に制御するので、同様に、かご室の間隔を適宜調整することができる。
【0052】
さらにまた、請求項4に記載の発明によれば、二つのかご室を副ガイドレールに案内させるので、請求項3に記載の発明の効果に加えて、かご枠への負担を軽減させる特長が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るダブルデッキエレベータの第1の実施の形態の概略構成を示した、二つのかご室部分の正面図である。
【図2】図1のA−A線に沿う矢視断面図である。
【図3】第1の実施の形態に適用される制動装置の概略構成を示した断面図である。
【図4】図1に示したダブルデッキエレベータにおいて、エレベータの上昇時に、かご室の間隔を狭める場合の動作を説明するために示したフローチャートである。
【図5】図1に示したダブルデッキエレベータにおいて、エレベータの上昇時に、かご室の間隔を広げる場合の動作を説明するために示したフローチャートである。
【図6】図1に示したダブルデッキエレベータにおいて、エレベータの下降時に、かご室の間隔を狭める場合の動作を説明するために示したフローチャートである。
【図7】図1に示したダブルデッキエレベータにおいて、エレベータの下降時に、かご室の間隔を広げる場合の動作を説明するために示したフローチャートである。
【図8】本発明に係るダブルデッキエレベータの第2の実施の形態の概略構成を示した二つのかご室の正面図である。
【図9】図8に示したダブルデッキエレベータに適用される制動装置の概略構成を示した断面図である。
【図10】従来のダブルデッキエレベータの概略構成を示した説明図である。
【図11】従来のダブルデッキエレベータのかご室の移動手段を説明するために示したかご枠部分の正面図である。
【図12】従来のダブルデッキエレベータのかご室の他の移動手段を説明するために示したかご枠部分の正面図である。
【符号の説明】
2 メインロープ
3 かご枠
5a、5b かご室
10 主ガイドレール
31 副ガイドレール
32 シーブ
33 サブロープ
34、35 制動装置
34a、35a 外部制動装置
34b、35b 内部制動装置

Claims (4)

  1. 昇降路に設けられた主ガイドレールと、この主ガイドレールに案内されて昇降するメインロープに吊されたかご枠と、このかご枠に相互に上下方向に移動可能に保持された二つのかご室と、前記かご枠の上部に設けられたシーブと、このシーブに巻装され一端が前記かご室のうち上方に位置するかご室の上部に止着され、他端が下方に位置するかご室の上部に止着されたサブロープと、前記二つのかご室にそれぞれ設けられ、各かご室を前記主ガイドレールまたは前記かご枠に選択的に係止させる制動装置とを具備することを特徴とするダブルデッキエレベータ。
  2. 昇降路に設けられた主ガイドレールと、この主ガイドレールに案内されて昇降するメインロープに吊されたかご枠と、このかご枠に設けられた副ガイドレールと、前記かご枠に相互に上下方向に移動可能に保持され前記副ガイドレールに案内される二つのかご室と、前記かご枠の上部に設けられたシーブと、このシーブに巻装され一端が前記かご室のうち上方に位置するかご室の上部に止着され、他端が下方に位置するかご室の上部に止着されたサブロープと、前記二つのかご室にそれぞれ設けられ、各かご室を前記主ガイドレールまたは前記副ガイドレールに選択的に係止させる制動装置とを具備することを特徴とするダブルデッキエレベータ。
  3. 昇降路に設けられた主ガイドレールと、この主ガイドレールに案内されて昇降するメインロープに吊されたかご枠と、このかご枠に相互に上下方向に移動可能に保持された二つのかご室と、前記かご枠の上部に設けられたシーブと、このシーブに巻装され一端が前記かご室のうち上方に位置するかご室の上部に止着され、他端が下方に位置するかご室の上部に止着されたサブロープと、前記二つのかご室を選択的に前記主ガイドレールに係止させる第1の制動装置と、前記シーブまたは前記サブロープの動きを阻止する第2の制動装置とを具備することを特徴とするダブルデッキエレベータ。
  4. 前記二つのかご室の上下方向への移動を案内する副ガイドレールを、前記かご枠に設けたことを特徴とする請求項3に記載のダブルデッキエレベータ。
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