JP4259787B2 - ハニカムフィルタ及び排気ガス浄化装置 - Google Patents

ハニカムフィルタ及び排気ガス浄化装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ディーゼルエンジン等の内燃機関から排出される排気ガス中のパティキュレート等を除去するフィルタとして用いられるハニカムフィルタ及び該ハニカムフィルタを用いた排気ガス浄化装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
バス、トラック等の車両や建設機械等の内燃機関から排出される排気ガス中に含有されるパティキュレートが環境や人体に害を及ぼすことが最近問題となっている。
この排気ガスを多孔質セラミックを通過させ、排気ガス中のパティキュレートを捕集して、排気ガスを浄化することができるセラミックフィルタが種々提案されている。
【0003】
このようなセラミックフィルタは、通常、図5に示したハニカムフィルタ50のように、炭化珪素等からなる多孔質セラミック部材30が接着層16を介して複数個結束されてセラミックブロック55を構成し、このセラミックブロック55の周囲にシール材52が形成されている。また、この多孔質セラミック部材30は、図3に示したように、長手方向に多数の貫通孔31が並設され、貫通孔31同士を隔てる隔壁33がフィルタとして機能するようになっている。
【0004】
即ち、多孔質セラミック部材30に形成された貫通孔31は、図3(b)に示したように、排気ガスの入り口側又は出口側の端部のいずれかが充填材32により目封じされ、一の貫通孔31に流入した排気ガスは、必ず貫通孔31を隔てる隔壁33を通過した後、他の貫通孔31から流出されるようになっている。
【0005】
排気ガス浄化装置では、このような構成のハニカムフィルタ50が内燃機関の排気通路に設置され、内燃機関より排出された排気ガス中のパティキュレートは、このハニカムフィルタ50を通過する際に隔壁33により捕捉され、排気ガスが浄化される。
【0006】
ここで、シール材52は、ハニカムフィルタ50を内燃機関の排気通路に設置した際、セラミックブロック55の外周部から排気ガスが漏れ出すことを防止する目的で設けられているものである。
【0007】
図6は、排気ガス浄化装置の一例を模式的に示した断面図である。
この排気ガス浄化装置60では、内燃機関から排出された排気ガスが導入される導入管66がケーシング61の一端部に接続されるとともに、他端部には、ハニカムフィルタ50を通過した排気ガスを外部に排出する排出管67が設けられている。また、ケーシング61の内部には、ハニカムフィルタ50が保持シール体62を介して設置されている。
さらに、ハニカムフィルタ50に対して排気ガス導入側となる部分には、ハニカムフィルタ50に蓄積したパティキュレートを燃焼させるための電気ヒータ64が設置されるとともに、温度センサ65がハニカムフィルタ50に接するように設置されており、燃焼を行う際に、空気等を送り込むための配管68が接続されている。
【0008】
排気ガスは、導入管66からケーシング61の内部に入り、ハニカムフィルタ50を通過し、これによりパティキュレートが隔壁33に捕捉され、排出管67から排出される。そして、パティキュレートの蓄積量が多くなり、ハニカムフィルタ50の圧損等が大きくなると、再生処理が行われる。
【0009】
この排気ガス浄化装置60では、ハニカムフィルタ50が保持シール体62を介してケーシング61に設置されている。この保持シール体62は、断熱等の目的で設けられているものであり、従来より、セラミックファイバーからなるものが使用されていた。
【0010】
しかしながら、このような保持シール体62をハニカムフィルタ50の両端部付近にまで形成し、保持シール体62と排気ガスとが直接触れるような状態でハニカムフィルタ50をケーシング61内に保持、固定した場合、排気ガス浄化装置60の使用経過に伴って高温の排気ガスにより保持シール体62が風蝕され、飛散してしまう。
【0011】
従って、このような保持シール体62の飛散を防止するために、例えば、図6に示したように、カレットリング63(SUS製金属線のロープ状成形品)をハニカムフィルタ50の両端部付近に巻き付け、保持シール体62と排気ガスとの接触を緩和させている。
【0012】
このようにカレットリング63をハニカムフィルタ50の両端部付近に巻き付けることにより、保持シール体62の風蝕、飛散を防止することができる。しかしながら、カレットリング63を用いることにより、排気ガス浄化装置60を構成する物品数が増加してしまい、排気ガス浄化装置を安価に製造することができなかった。また、カレットリングをハニカムフィルタの両端部付近に巻き付ける工程が必要となるため、生産性にも劣るものであった。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、これらの問題を解決するためになされたもので、ハニカムフィルタの両端部付近にカレットリングを巻き付けることなく、保持シール体を介してハニカムフィルタを内燃機関のケーシング内に設置しても、上記保持シール体が風蝕、飛散することがないハニカムフィルタ、及び、該ハニカムフィルタを保持シール体を介して排気ガス浄化装置のケーシング内に設置し、長期間使用しても、保持シール体が風蝕、飛散することがなく耐久性及び生産性に優れ、製造コストを低く抑えることができる排気ガス浄化装置を提供することを目的とするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
第一の本発明の排気ガス浄化装置は、多数の貫通孔が壁部を隔てて長手方向に並設された多孔質セラミックからなる柱状体の端部のいずれかが充填材により目封じされ、上記貫通孔を隔てる壁部の一部又は全部が粒子捕集用フィルタとして機能するように構成されたハニカムフィルタが、内燃機関の排気通路に接続するケーシング内に設置され、上記ハニカムフィルタと上記ケーシングとの間に保持シール体が介装された排気ガス浄化装置であって、
上記ハニカムフィルタとして、一端部の外周に突起部が形成されているハニカムフィルタが用いられ、
上記保持シール体は、上記ハニカムフィルタの突起部非形成部に介装されていることを特徴とするものである。
【0017】
また、第二の本発明の排気ガス浄化装置は、多数の貫通孔が壁部を隔てて長手方向に並設された多孔質セラミックからなる柱状体の端部のいずれかが充填材により目封じされ、上記貫通孔を隔てる壁部の一部又は全部が粒子捕集用フィルタとして機能するように構成されたハニカムフィルタが、内燃機関の排気通路に接続するケーシング内に設置され、上記ハニカムフィルタと上記ケーシングとの間に保持シール体が介装された排気ガス浄化装置であって、
上記ハニカムフィルタとして、両端部の外周に突起部が形成されているハニカムフィルタが用いられ、
上記保持シール体は、上記ハニカムフィルタのシール材の突起部の間に介装されていることを特徴とするものである。
以下、第一及び第二の本発明のハニカムフィルタ、及び、第一及び第二の本発明の排気ガス浄化装置について、図面を参照しながら説明する。
【0018】
【発明の実施の形態】
初めに、第一の本発明のハニカムフィルタ及び該ハニカムフィルタを用いた第一の本発明の排気ガス浄化装置について説明する。
【0019】
第一の本発明のハニカムフィルタは、多数の貫通孔が壁部を隔てて長手方向に並設された、多孔質セラミックからなる柱状体の上記貫通孔を隔てる壁部の一部又は全部が粒子捕集用フィルタとして機能するように構成されたハニカムフィルタであって、一端部の外周に突起部が形成されていることを特徴とするものである。
【0020】
また、第一の本発明の排気ガス浄化装置は、多数の貫通孔が壁部を隔てて長手方向に並設された多孔質セラミックからなる柱状体の端部のいずれかが充填材により目封じされ、上記貫通孔を隔てる壁部の一部又は全部が粒子捕集用フィルタとして機能するように構成されたハニカムフィルタが、内燃機関の排気通路に接続するケーシング内に設置され、上記ハニカムフィルタと上記ケーシングとの間に保持シール体が介装された排気ガス浄化装置であって、
上記ハニカムフィルタとして、一端部の外周に突起部が形成されているハニカムフィルタが用いられ、
上記保持シール体は、上記ハニカムフィルタの突起部非形成部に介装されていることを特徴とするものである。
【0021】
第一の本発明のハニカムフィルタでは、多孔質セラミックからなる柱状体が、多数の貫通孔が壁部を隔てて長手方向に並設されて構成されており、その一端部の外周に突起部が形成されているとともに、上記柱状体に形成された貫通孔は、排気ガスの入り口側又は出口側の端部のいずれかが充填材により目封じされ、一の貫通孔に流入した排気ガスは、必ず貫通孔を隔てる壁部を通過した後、他の貫通孔から流出されるようになっている。
即ち、ハニカムフィルタに流入された排気ガス中に含まれるパティキュレートは、上記壁部を通過する際、該壁部で捕捉され、排気ガスが浄化されるようになっている。
【0022】
上記柱状体の構造としては特に限定されず、例えば、上記従来の技術において説明したハニカムフィルタのセラミックブロックのように、複数の貫通孔が隔壁を隔てて長手方向に並設された角柱形状の多孔質セラミック部材が接着層を介して複数個結束されて構成されていてもよく、また、多数の貫通孔が壁部を隔てて長手方向に並設されており、その全体が一の焼結体から構成されていてもよい。
【0023】
また、上記多数の貫通孔を隔てる壁部は、その一部又は全部が粒子捕集用フィルタとして機能する。
例えば、上記柱状体が、多孔質セラミック部材が接着層を介して複数個結束されて構成されている場合、上記貫通孔を隔てる壁部は、多孔質セラミック部材に形成された隔壁部分と、多孔質セラミック部材の外周部分及び該外周部分の間に形成された接着層からなる部分との、二つの部分から構成されることとなり、上記壁部は、その一部(多孔質セラミック部材の隔壁部分)が粒子捕集用フィルタとして機能する。
また、例えば、上記柱状体が、多数の貫通孔が壁部を隔てて長手方向に並設されており、その全体が一の焼結体から構成されている場合、上記柱状体に形成された壁部は、隣り合う貫通孔同士を隔てる部分のみからなり、その全部が粒子捕集用フィルタとして機能する。
【0024】
上記柱状体の形状は、柱状であれば特に限定されず、例えば、円柱形状、楕円柱形状、角柱形状等任意の形状を挙げることができるが、通常、円柱形状のものがよく用いられる。
【0025】
上記柱状体を構成する多孔質セラミックとしては特に限定されず、例えば、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、窒化ホウ素、窒化チタン等の窒化物セラミック、炭化ケイ素、炭化ジルコニウム、炭化チタン、炭化タンタル、炭化タングステン等の炭化物セラミック、アルミナ、ジルコニア、コージュライト、ムライト等の酸化物セラミック等が挙げられる。
【0026】
また、上記柱状体の外周部にシール材がコーティングされていてもよい。
例えば、上記柱状体が、多孔質セラミック部材が複数個結束されて構成されている場合、通常、上記構造の柱状体の外周部には、貫通孔の一部がその長さ方向に剥き出しになった箇所が存在している。この剥き出しになった貫通孔は、上記柱状体を作製する際に行う外周加工時に形成されるのであるが、このような状態の柱状体をハニカムフィルタとして使用すると、上記剥き出しとなった貫通孔から排気ガスが流出してしまい、フィルタとして充分に機能することができない。そのため、上記シール材を柱状体の外周部にコーティングすることで、剥き出しとなった貫通孔の一部を埋めるのである。
【0027】
また、柱状体の全体が一の焼結体から構成されている場合、通常、その作製時に上述したような外周加工は不要であるため、作製後の柱状体の外周部には貫通孔が剥き出しになった箇所が存在しない。しかしながら、このような構造の柱状体であっても、その外周部が壁部と同様の多孔質セラミックからなると、上記外周部から排気ガスが流出することがあるため、上記シール材を上記柱状体の外周部にコーティングすることで、上記外周部からの排気ガスの流出を防止するのである。なお、上記外周部が緻密なセラミックからなる場合、排気ガスが外周部から流出する恐れがないため、シール材がコーティングされている必要はないが、勿論、このような構造の柱状体であっても、その外周部に上記シール材がコーティングされていてもよい。
【0028】
上記突起部は、柱状体の一端部の外周に該柱状体の一部を構成するように多孔質セラミックから形成されていてもよく、柱状体の外周部にコーティングされたシール材の一端部の外周に該シール材の一部を構成するように形成されていてもよい。突起部がどちらの構造であっても、後述するように、保持シール体と高温の排気ガスとの接触を緩和することができるからである。
なお、このような突起部は、上記柱状体を作製する際に行う外周加工時や、シール材形成時に形成することができる。
【0029】
図9(a)は、その一端部の外周に突起部が形成された柱状体の様子を模式的に示した断面図である。なお、図9(a)において、柱状体の内部に形成された貫通孔や壁部については省略している。
図9(a)に示したように、柱状体95の一端部の外周に、柱状体95の一部を構成する突起部93が形成されており、柱状体95の構造がこのような場合、突起部93は多孔質セラミックからなり、上述したシール材92は、突起部93の周囲を含む柱状体95の外周部全体にコーティングされているか(シール材92a〜92d)、柱状体95の外周部の突起部非形成部(シール材92a)と、突起部93の側面部分(シール材92b及び/又はシール材92c)とにコーティングされていていればよい。
【0030】
シール材92aは、柱状体95の外周部の殆どの部分にコーティングされており、上述したような柱状体95の外周部から排気ガスが流出することを防止することができ、また、シール材92b及び92cは、突起部93の両側面に形成されており、突起部93に、少なくとも、シール材92b又は92cがコーティングされていることで、排気ガスが多孔質セラミックからなる突起部93を通過することを防止することができ、後述する保持シール体と高温の排気ガスとの接触を緩和することができる。
【0031】
また、上記突起部は、ハニカムフィルタの一端部の外周全体に連続して形成されていることが必須要件ではないが望ましい。保持シール体と高温の排気ガスとの接触をより緩和することができるからである。また、図9(a)に示したように、上記突起部が、柱状体の一端部の外周に該柱状体の一部を構成するように形成されている場合、上記突起部が柱状体の一端部の外周全体に連続的に形成されていると、上記突起部が柱状体の一端部の外周全体に部分的に形成されている場合に比べて、強度的に優れ、上記突起部を起点として柱状体にクラックが生じることもない。
なお、上記排気ガス浄化装置や保持シール体については、後述する。
【0032】
上記突起部の幅及び高さについては特に限定されず、柱状体の大きさ等に合わせて適宜調整されるが、幅、高さ共に0.5〜8.0mm程度であることが望ましい。0.5mm未満であると、後述する保持シール体の飛散防止効果が薄れる。一方、8.0mmを超えると、上記保持シール体の断熱性を充分確保することができるが、逆に保持シール体が厚すぎるため、ケーシングも大きくする必要があり、装置の巨大化を招く。
【0033】
第一の本発明の排気ガス浄化装置は、排気ガス中のパティキュレートを捕集するハニカムフィルタとして、上述した第一の本発明のハニカムフィルタが用いられており、その他の材料の特性や構造は、従来公知の排気ガス浄化装置と同様の構造が挙げられる。
【0034】
以下に、第一の本発明のハニカムフィルタと、第一の本発明の排気ガス浄化装置とについて、図面を用いてさらに詳しく説明する。
なお、以下の説明では、第一の本発明のハニカムフィルタを、多孔質セラミック部材が複数個結束されて構成された柱状体の外周部にシール材が形成されるとともに、該シール材の一端部の外周に突起部が形成された構造のものとして説明するが、上述した通り、第一の本発明のハニカムフィルタの構造はこれに限定されることはない。
また、以下の説明では、上記柱状体をセラミックブロックともいうこととする。
【0035】
図1(a)は、第一の本発明のハニカムフィルタの一例を模式的に示した斜視図であり、(b)は、その側面図である。また、図2は、上記ハニカムフィルタを用いた第一の本発明の排気ガス浄化装置の一部を模式的に示した部分拡大断面図である。
【0036】
図1に示した通り、第一の本発明のハニカムフィルタ10は、円柱形状のセラミックブロック15の外周部全体にシール材12が形成されており、このシール材12の一端部の外周全体にシール材12の一部を構成するように連続した突起部13が形成されている。
【0037】
シール材12の厚さは特に限定されず、例えば、0.3〜1.0mm程度であることが望ましい。0.3mm未満であると、セラミックブロック15の外周部から排気ガスが漏れ出す場合があり、一方、1.0mmを超えると、排気ガスの漏れ出しは充分に防止することができるものの、経済性に劣るものとなる。
【0038】
突起部13の幅及び高さについては上述した通りであるため、ここでは、その説明を省略する。
また、突起部13は排気ガス浄化装置のケーシング内に設置した際、排気ガスの流入側となるように設置されることが望ましい。後述するように、保持シール体と高温の排気ガスとの接触を緩和することができるからである。
【0039】
また、シール材12と突起部13とは同様の材質から構成され、一体化された構造をしていることが望ましい。このようなシール材12及び突起部13を形成する具体的な方法は後で詳述するが、例えば、シール材ペーストをセラミックブロックの外周部に塗布、成形後、乾燥させることにより形成することができる。
【0040】
セラミックブロック15は多孔質セラミック部材30が接着層16を介して複数個結束されることにより形成されている。
ここで、セラミックブロック15の構造は、上述した柱状体と同様であり、多孔質セラミック部材30の構造は、上記従来の技術において説明した通りであるので、ここではその説明を省略する。
【0041】
多孔質セラミック部材30の材質としては、上述した窒化物セラミック、炭化物セラミック及び酸化物セラミック等を挙げることができるが、これらのなかでは、耐熱性が大きく、機械的特性に優れ、かつ、熱伝導率も大きい炭化珪素が好ましい。
【0042】
このような多孔質セラミック部材30を製造する際に使用するセラミックの粒径も特に限定されないが、後の焼成工程で収縮が少ないものが好ましく、例えば、0.3〜50μm程度の平均粒径を有する粉末100重量部と0.1〜1.0μm程度の平均粒径を有する粉末5〜65重量部とを組み合わせたものが好ましい。上記粒径のセラミック粉末を上記配合で混合することで、多孔質セラミック部材を製造することができるからである。
【0043】
また、図2に示したように、第一の本発明の排気ガス浄化装置は、上述した第一の本発明のハニカムフィルタ10をケーシング21内に突起部13が排気ガス流入側になるよう設置され、ハニカムフィルタ10の外周部で、突起部非形成部には保持シール体22が巻き付けられ、突起部13の他端部にはカレットリング23がハニカムフィルタ10の外周全体に巻き付けられた構造をしている。
【0044】
保持シール体22の厚さは、ケーシング21内にハニカムフィルタ10を設置した際、突起部13の高さと同様になることが望ましい。ハニカムフィルタ10とケーシング21の内壁とが形成する空間を完全に塞ぐためである。また、その幅は、ハニカムフィルタ10の突起部13から、突起部13の反対側端部の2〜8mmまでの領域を覆うように調整されることが望ましい。ハニカムフィルタ10の断熱性を確保し、後述するカレットリング23を形成する部分を確保するためである。
【0045】
保持シール体22は、ハニカムフィルタ10の外周から排気ガスが漏れ出すことを防止するとともに、ハニカムフィルタ10を周囲から断熱する目的で設けられているものである。従って、その熱伝導率は低いことが望ましい。
【0046】
このような保持シール体22としては、例えば、アルミナ繊維、セラミック繊維、ロックウール等を挙げることができる。これらの中ではアルミナ繊維が好ましい。
【0047】
また、保持シール体22としてアルミナ繊維を使用した場合、その嵩密度はハニカムフィルタ10に巻き付けた状態で、0.20〜0.50g/cm3 であることが好ましい。嵩密度が0.2g/cm3 未満であると、ハニカムフィルタ10の保持性能が不足する。一方、嵩密度が0.50g/cm3 を超えると、繊維が圧壊するため、ハニカムフィルタ10の保持性能及び耐風蝕性が悪化する。
【0048】
カレットリング23は、ハニカムフィルタ10の外周部に形成された突起部13の反対側の端部(即ち、排気ガスの流出側)に形成されており、例えば、耐風蝕性に優れたSUSメッシュのロープ状成形品が挙げられる。カレットリング23の太さは、ハニカムフィルタ10とケーシング21との間の空間を完全に塞ぐようなサイズに調整される。
【0049】
このカレットリング23は、上記のように、ハニカムフィルタ10を通過した排気ガスが、ハニカムフィルタ10の外周部方向に回り込むことによって、保持シール体22が風蝕されることを防止するために設けているものである。
【0050】
ケーシング21の材質としては特に限定されず、例えば、ステンレス等を挙げることができる。
また、その形状は、特に限定されず、図7(a)に示したような筒状のケーシング71であってもよく、(b)に示したような筒をその軸方向に2分割した2分割シェル状ケーシング72であってもよい。
【0051】
ケーシング21の大きさは、ハニカムフィルタ10を内部に設置することができるように適宜調整される。そして、図示はしないが、このケーシングの一端面には、排気ガスを流入させる導入管が接続され、他端面には、排気ガスを排出させる排出管が接続されるようになっている。なお、図6に示した空気を流入させる配管68があってもよいが、他の方法をとることもできるため、必須の部材ではない。
【0052】
また、図示はしないが、このケーシング21の内部には、ハニカムフィルタ10が設置されるとともに、必要に応じてハニカムフィルタ10の排気ガス流入側に温度センサや電気ヒータ等を設置してもよく、これら温度センサや電気ヒータ等が外部の電源等と導通可能なように配線を施すことができるようになっていてもよい。
【0053】
第一の本発明のハニカムフィルタは、上述したような構成からなるものであるので、突起部の非形成部分に保持シール体を巻き付けて、排気ガス浄化装置のケーシング内に設置することで、上記突起部が排気ガスを遮蔽する遮蔽部材の役割を果たし、排気ガスと上記保持シール体との接触を緩和することができ、上記保持シール体が排気ガスにより風蝕され、飛散することを防止することができる。
【0054】
また、第一の本発明の排気ガス浄化装置は、上述したような構造からなるものであるので、ハニカムフィルタの外周部に形成された突起部が、排気ガスを遮蔽する遮蔽部材の役割を果たし、ケーシング内に流入してくる排気ガスと保持シール体との接触を緩和することができる。従って、排気ガス浄化装置を長期間使用しても保持シール体が風蝕、飛散することがなく耐久性に優れたものとなる。また、製造する際、カレットリングをハニカムフィルタの外周部の両端部分に設ける工程が不要であるため、生産性に優れ、安価なものとなる。
【0055】
また、第一の本発明の排気ガス浄化装置は、電気ヒータを備えていなくてもよい。この場合には、触媒等を用いて排気ガスの温度を高める方式の再生操作を行うことができる。
第一の本発明の排気ガス浄化装置は、排気ガス流入側に突起部を設けているので、保持シール体と排気ガスとの接触を緩和することができ、上記再生処理方法を採用した場合であっても、上記保持シール体が風蝕され、飛散することがなく、高温にした排気ガスにより、パティキュレートを燃焼させ、再生させることができる。
【0056】
第一の本発明の排気ガス浄化装置においては、ハニカムフィルタの圧力損失を測定するための背圧センサ等を備えるとともに、背圧が所定の値より上昇した際に、再生処理を行う必要があることを表示する装置等を備えていてもよい。
【0057】
また、車両に第一の本発明の排気ガス浄化装置を配設する場合、第一の本発明の排気ガス浄化装置が2台以上並設されたものであってもよい。この場合には、排気ガスの配管に2つの排気ガス浄化装置を接続し、切替え弁等を用いて、どちらか一方を使用し、その間に他の一方を再生する。
【0058】
さらに、第一の本発明の排気ガス浄化装置中にNoxやSox等の有害ガスを除去するための触媒層を付設し、有害ガスの除去とパティキュレートの除去の両方を行うことができるようにしてもよい。
また、本発明では、再生時に、排気ガスを助燃用気体とすることができる。また、別に、ポンプを用いて再生処理を行う場合には、上記ポンプを用いて空気をフィルタ内に送り込むことにより、再生処理を行うことができる。
【0059】
次に、上述した第一の本発明のハニカムフィルタ及び排気ガス浄化装置の製造方法の一例について図面を参照しながら説明する。
【0060】
第一の本発明のハニカムフィルタの製造方法では、まず、セラミックブロック15を作製する。
上述した通り、セラミックブロック15は、多数の貫通孔31が隔壁33を隔てて長手方向に並設された角柱形状の多孔質セラミック部材30が、接着層16を介して複数個結束された構造をしている。
【0061】
図8に示したように、このセラミックブロック15を作製するには、まず、多孔質セラミック部材30が斜めに傾斜した状態で積み上げることができるように、断面V字形状に構成された台80の上に、多孔質セラミック部材30を傾斜した状態で載置した後、上側を向いた2つの側面30a、30bに、接着層16となるペースト状の接着剤を均一な厚さで塗布して接着剤層を形成し、この接着剤層の上に、順次他の多孔質セラミック部材30を積層する工程を繰り返し、所定の大きさの角柱状の多孔質セラミック部材30の積層体を作製する。
【0062】
そして、この多孔質セラミック部材30の積層体を50〜100℃、1時間程度の条件で加熱して上記接着剤層を乾燥、固化させて接着層16とし、その後、例えば、ダイヤモンドカッター等を用いて、その外周部を図1に示したような形状に切削することで、セラミックブロック15を作製することができる。
【0063】
なお、接着層16を構成する材料としては特に限定されず、例えば、後述するシール材ペーストと同様のものを挙げることができる。
また、接着層16中には、上記シール材ペーストのほかに、少量の水分や溶剤等を含んでいてもよいが、このような水分や溶剤等は、通常、接着層ペーストを塗布した後の加熱等により殆ど飛散する。
【0064】
次に、このようにして作製したセラミックブロック15の周囲にシール材12の層を形成するシール材形成工程を行う。
【0065】
このシール材形成工程においては、まず、セラミックブロック15をその長手方向で軸支して回転させる。
セラミックブロック15の回転速度は特に限定されないが、2〜10min-1であることが望ましい。
【0066】
続いて、回転しているセラミックブロック15の外周部にシール材ペーストを付着させる。上記シール材ペーストとしては特に限定されず、例えば、無機繊維、無機バインダー、有機バインダー及び無機粒子を含むペーストを挙げることができる。
【0067】
上記無機繊維としては、例えば、シリカーアルミナ、ムライト、アルミナ、シリカ等のセラミックファイバー等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。上記無機繊維のなかでは、シリカーアルミナファイバーが好ましい。
【0068】
上記無機バインダーとしては、例えば、シリカゾル、アルミナゾル等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。上記無機バインダーのなかでは、シリカゾルが好ましい。
【0069】
上記有機バインダーとしては、例えば、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシセルロース等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。上記有機バインダーのなかでは、カルボキシセルロースが好ましい。
【0070】
上記無機粒子としては、例えば、炭化物、窒化物等が挙げられ、具体的には、炭化珪素、窒化珪素、窒化硼素等からなる無機粉末又はウィスカー等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。上記無機粒子のなかでは、熱伝導性に優れる炭化珪素が好ましい。
【0071】
上記シール材ペースト中の上記無機繊維の含有量は、固形分で、10〜70重量%が好ましく、10〜40重量%がより好ましく、20〜30重量%がさらに好ましい。上記無機繊維の含有量が10重量%未満では、弾性が低下し、一方、70重量%を超えると、熱伝導性の低下を招くとともに、弾性体としての効果が低下する。
【0072】
また、上記無機バインダーの含有量は、固形分で、1〜30重量%が好ましく、1〜15重量%がより好ましく、5〜9重量%がさらに好ましい。上記無機バインダーの含有量が1重量%未満では、接着強度の低下を招き、一方、30重量%を超えると、熱伝導率の低下を招く。
【0073】
上記有機バインダーの含有量は、固形分で、0.1〜5.0重量%が好ましく、0.2〜1.0重量%がより好ましく、0.4〜0.6重量%がさらに好ましい。上記有機バインダーの含有量が0.1重量%未満では、シール材12のマイグレーションを抑制するのが難しくなり、一方、5.0重量%を超えると、シール材12が高温にさらされた場合に、有機バインダーが焼失し、接着強度が低下する。
【0074】
上記無機粒子の含有量は、固形分で、3〜80重量%が好ましく、10〜60重量%がより好ましく、20〜40重量%がさらに好ましい。上記無機粒子の含有量が3重量%未満では、熱伝導率の低下を招き、一方、80重量%を超えると、シール材12が高温にさらされた場合に、接着強度の低下を招く。
【0075】
また、上記無機繊維のショット含有量は、1〜10重量%が好ましく、1〜5重量%が好ましく、1〜3重量%がさらに好ましい。また、その繊維長は、1〜100mmが好ましく、1〜50mmがより好ましく、1〜20mmがさらに好ましい。
【0076】
ショット含有量を1重量%未満とするのは製造上困難であり、ショット含有量が10重量%を超えると、多孔質セラミック部材30の壁面を傷つけてしまう。また、繊維長が1mm未満では、弾性を有するハニカムフィルタ10を形成することが難しく、100mmを超えると、毛玉のような形態をとりやすくなるため、無機粒子の分散が悪くなるとともに、シール材12の厚みを薄くできない。
【0077】
上記無機粉末の粒径は、0.01〜100μmが好ましく、0.1〜15μmがより好ましく、0.1〜10μmがさらに好ましい。無機粒子の粒径が0.01μm未満では、コストが高くなり、一方、無機粒子の粒径が100μmを超えると、接着力及び熱伝導性の低下を招くことになる。
【0078】
このシール材ペースト中には、シール材12を柔軟にし、流動性を付与して塗布しやすくするため、上記した無機繊維、無機バインダー、有機バインダー及び無機粒子のほかに、およそ総重量の35〜65重量%程度の水分や他のアセトン、アルコール等の溶剤等が含まれている。このシール材ペーストの粘度は、15〜25Pa・s(1万〜2万cps(cP))が好ましい。
【0079】
次に、セラミックブロック15の外周部に付着させた上記シール材ペーストをスクレーパーを用いて、所定の形状に成形する。
【0080】
図4は、スクレーパーを用いてセラミックブロック15の外周部に塗布したシール材ペーストを所定の形状に成形する様子を模式的に示した側面図である。
【0081】
図4に示した通り、ほぼ矩形状のスクレーパー45の底辺の一端部には、切り欠き部46が設けられている。
【0082】
スクレーパー45の横幅は、セラミックブロック15の長さとほぼ同じになるように調整されており、また、その断面形状は特に限定されず、例えば、矩形状、三角形状等を挙げることができる。
また、その厚さも特に限定されないが、少なくとも、上記シール材ペーストと当接する部分(即ち、図4における底辺)は5〜15mmであることが望ましい。
【0083】
また、切り欠き部46の形状は、スクレーパー45で突起部43を形成した際、突起部43の形状が、図1に示した突起部13とほぼ同形状になるように調整されている。
【0084】
このような形状のスクレーパー45を用いて、その外周部にシール材ペーストを付着させたセラミックブロック15を矢印の方向に回転させながら、セラミックブロック15の両端とスクレーパー45の両端とを合わせた状態で、スクレーパー45をシール材ペーストに接触させ、図1に示したような形状のシール材12となる厚さ約0.3〜1.0mmのシール材ペースト層42、及び、突起部43を形成する。なお、セラミックブロック15の回転方向はこれに限定されず、反対方向であってもよく、また、セラミックブロック15を固定し、スクレーパー45を回転するようになっていてもよい。さらに、セラミックブロック15とスクレーパー45との両方が回転するようになっていてもよい。
【0085】
次に、このようにして形成したシール材ペースト層42及び突起部43を120℃程度の温度で乾燥させることにより、水分を蒸発させてシール材12及び突起部13とし、図1に示したように、セラミックブロック15の外周部にシール材12及び突起部13が形成された第一の本発明のハニカムフィルタ10の製造を終了する。
【0086】
次に、上記ハニカムフィルタ10の外周部の突起部13の非形成部に保持シール体22を巻き付ける工程を行う。
【0087】
保持シール体22の材料及びサイズとしては、上記第一の本発明の排気ガス浄化装置において説明したものを挙げることができる。
【0088】
保持シール体22をハニカムフィルタ10に巻き付け、固定する手段としては特に限定されず、例えば、接着剤で貼着したり、紐状体で縛る手段等を挙げることができる。また、特別な手段で固定をせず、ハニカムフィルタに巻き付けただけの状態で、次の工程に移行しても差し支えない。なお、上記紐状体は、熱で分解する材料であってもよい。ケーシング内にハニカムフィルタ10を設置した後であれば、紐状体が熱により分解してもハニカムフィルタ10はケーシング内に設置されているので、保持シール体22が剥がれてしまうことはないからである。
【0089】
次に、上記工程を経たハニカムフィルタをケーシング内に設置する。
なお、上記ケーシングの材料、形状及び構成等については、上述した通りであるのでここでは、その説明を省略する。
【0090】
ハニカムフィルタ10を、ケーシング内に設置する方法としては、上記ケーシングが筒状のケーシング71である場合(図7(a))、例えば、保持シール体22が巻き付けられたハニカムフィルタ10をその一端面から押し込み、所定の位置に設置した後、導入管、配管及び排出管等と接続するための端面を、ケーシング71の両端部に形成する方法を挙げることができる。なお、ケーシング71は有底の筒状であってもよい。
この際、固定したハニカムフィルタが容易に移動しないように、かなりの力を加えた状態で、ようやく押し込むことができる程度に、保持シール体22の厚さ、ハニカムフィルタ10の大きさ、ケーシング71の大きさ等を調整する必要がある。
【0091】
また、図7(b)に示したように、上記ケーシングの形状が2分割シェル状のケーシング72である場合には、例えば、ハニカムフィルタ10を半筒状の下部シェル72b内の所定箇所に設置した後、上部固定部73に形成した貫通孔73aと、下部固定部74に形成した貫通孔74aとが丁度重なるように、半筒状の上部シェル72aを下部シェル72bの上に載置する。そして、ボルト75を貫通孔73a、74aに挿通しナット等で固定することで、上部シェル72aと下部シェル72bとを固定する。そして、導入管、配管及び排出管等と接続するための開口を有する端面を、ケーシング72の両端部に形成する方法を挙げることができる。この場合にも、固定したハニカムフィルタ10が移動しないように、保持シール体22の厚さ、ハニカムフィルタ10の大きさ、ケーシング72の大きさ等を調整する必要がある。
【0092】
この2分割シェル状のケーシング72は、内部に設置したハニカムフィルタ10の取替えが、筒状のケーシング71よりも容易である。
【0093】
また、ケーシング71及びケーシング72のいずれの場合であっても、ハニカムフィルタ10に形成した突起部が、排気ガス流入側(即ち、導入管側)になるように固定することが望ましい。上記第一の本発明の排気ガス浄化装置において説明した通りである。
【0094】
そして、必要に応じて、ハニカムフィルタ10の突起部13が形成された反対端部にカレットリング23を巻き付ける。カレットリング23の材料、サイズ等については、上記第一の本発明の排気ガス浄化装置で説明したものを挙げることができる。
【0095】
この後、ハニカムフィルタ10を内部に設置したケーシングを内燃機関の排気通路に接続することで、第一の本発明の排気ガス浄化装置の製造を終了する。
【0096】
以上、第一の本発明のハニカムフィルタを、多孔質セラミック部材が複数個結束されて構成された柱状体(セラミックブロック15)の外周部にシール材が形成されるとともに、シール材の一端部の外周に該シール材の一部を構成する突起部が形成された構造として説明したが、柱状体の一端部の外周に柱状体の一部を構成する突起部が形成されたハニカムフィルタを製造する場合、まず、上述した方法と同様にしてセラミックブロック15を作製した後、このセラミックブロック15の一端部の外周に突起部を形成するように切削加工を施すことで、セラミックブロックの一端部の外周にセラミックブロックの一部を構成する突起部を形成する。
そして、上記セラミックブロックの外周部の突起部非形成部や、上記突起部を含んだセラミックブロックの外周全体にシール材をコーティングすればよい(シール材92a〜92d、図9参照)。
また、上記シール材は、突起部非形成部と、突起部の一方の側面又は両方の側面とにコーティングしてもよい(シール材92a〜92c、図9参照)。
【0097】
また、柱状体が、その全体が一の焼結体から構成されているハニカムフィルタを製造する場合、まず、押し出し成形等で生成形体を作製した後、脱脂、焼成を行う等の従来公知の方法で、上記構造の柱状体を作製する。
そして、上記柱状体の外周部にシール材を形成するとともに、シール材の一端部の外周にシール材の一部を構成する突起部を形成すればよい。
また、このような構造のハニカムフィルタであって、上記柱状体の外周部が緻密なセラミックからなる場合、上記柱状体の外周部にシール材をコーティングすることは必須ではないため、上記柱状体の外周にシール材をコーティングせずに、上記柱状体の一端部の外周に上記シール材と同様の材料からなる突起部を形成してもよい。
【0098】
また、柱状体の全体が一の焼結体から構成されており、その一端部の外周に柱状体の一部を構成する突起部が形成された構造のハニカムフィルタを製造する場合、まず、押し出し成形等で生成形体を作製した後、脱脂、焼成を行う等従来公知の方法で、その全体が一の焼結体から構成されたセラミックブロックを作製した後、該セラミックブロックの外周部にダイヤモンドカッター等を用いて切削加工を施すことで、上記柱状体の一端部の外周に柱状体の一部を構成する突起部を形成する。
そして、上記セラミックブロックの外周部の突起部非形成部や、上記突起部を含んだセラミックブロックの外周全体にシール材をコーティングすればよい(シール材92a〜92d、図9参照)。
また、上記シール材は、突起部非形成部と、突起部の一方の側面又は両方の側面とにコーティングしてもよい(シール材92a〜92c、図9参照)。
なお、上述した通り、このような構造の柱状体の外周部が緻密なセラミックからなる場合には、必ずしもシール材を設ける必要はない。
【0099】
次に、第二の本発明のハニカムフィルタ及び第二の本発明の排気ガス浄化装置について説明する。
【0100】
第二の本発明のハニカムフィルタは、第二の本発明のハニカムフィルタは、多数の貫通孔が壁部を隔てて長手方向に並設された、多孔質セラミックからなる柱状体の上記貫通孔を隔てる壁部の一部又は全部が粒子捕集用フィルタとして機能するように構成されたハニカムフィルタであって、両端部の外周に突起部が形成されていることを特徴とするものである。
【0101】
また、第二の本発明の排気ガス浄化装置は、ハニカムフィルタが、内燃機関の排気通路に接続するケーシング内に設置され、上記ハニカムフィルタと上記ケーシングとの間に保持シール体が介装された排気ガス浄化装置であって、上記ハニカムフィルタとして、第二の本発明のハニカムフィルタが用いられ、上記保持シール体は、上記ハニカムフィルタのシール材の突起部の間に介装されていることを特徴とするものである。
【0102】
即ち、第二の本発明のハニカムフィルタは、ハニカムフィルタの外周部の両端部の外周に突起部が形成されているほかは、上記説明した第一の本発明のハニカムフィルタと全く同様の構成である。従って、ここでは、上記突起部以外については、その説明を省略する。
【0103】
第二の本発明のハニカムフィルタにおいて、その両端部の外周に形成された突起部は、上記第一の本発明のハニカムフィルタで説明した突起部と同様に構成されており、柱状体の両端部の外周に該柱状体の一部を構成するように多孔質セラミックから形成されていてもよく、柱状体の外周部にコーティングされたシール材の両端部の外周に該シール材の一部を構成するように形成されていてもよい。
また、上記突起部の幅及び高さ等については、第一の本発明のハニカムフィルタで説明した突起部と同様であることが望ましい。
【0104】
図9(b)は、その両端部の外周に突起部が形成された柱状体の様子を模式的に示した断面図である。なお、図9(b)において、柱状体の内部に形成された貫通孔や壁部については省略している。
図9(b)に示したように、柱状体950の両端部の外周に、柱状体950の一部を構成する突起部930a及び930bが形成されており、柱状体950の構造がこのような場合、突起部930a及び930bは多孔質セラミックからなり、シール材920は、突起部930a及び930bの周囲を含む柱状体950の外周部全体にコーティングされているか(シール材920a〜920f)、柱状体950の外周部の突起部非形成部(シール材920a)と、突起部930aの側面部分(シール材920b及び/又はシール材920c)、突起部930bの側面部分(シール材920e及び/又はシール材920f)とにコーティングされていていればよい。
【0105】
このような構造の第二の本発明のハニカムフィルタにおいて、シール材920a、920b、920c、920e及び920fは、上記第一の本発明のハニカムフィルタにおいて、図9(a)を用いて説明したシール材92a、シール材92b及び92cと同様の役割を果たしている。
なお、シール材920b及び920cが、第一の本発明のハニカムフィルタにおけるシール材92b及び92cと同様の役割を果たしている場合、シール材920e及び920fは、ハニカムフィルタを通過した排気ガスが突起部930bを通過して保持シール体と排気ガスとが接触することを緩和することができる。
【0106】
また、第二の本発明の排気ガス浄化装置は、第二の本発明のハニカムフィルタがケーシング内に設置され、該ハニカムフィルタに形成された2つの突起部間に保持シール体が介装されているほかは、第一の本発明の排気ガス浄化装置の構成と全く同様である。従って、ここでは、上記保持シール体以外については、その説明を省略する。
【0107】
第二の本発明の排気ガス浄化装置における保持シール体の幅は、両端部に形成された突起部の間に丁度嵌め込める大きさに調整される。ハニカムフィルタの断熱性を確保するためである。その他、材質、厚さ等については、上記第一の本発明の排気ガス浄化装置で説明した保持シール体22と全く同様であることが望ましい。
【0108】
第二の本発明のハニカムフィルタは、その外周部の両端に突起部が形成されているため、その間に保持シール体を介装して排気ガス浄化装置のケーシング内に設置すると、上記突起部が排気ガスを遮蔽する遮蔽部材の役割を果たし、排気ガスと上記保持シール体との接触を緩和することができ、上記保持シール体が排気ガスにより風蝕され、飛散することを防止することができる。
【0109】
また、第二の本発明の排気ガス浄化装置は、第二の本発明のハニカムフィルタをそのケーシング内に設置したものであるので、ハニカムフィルタの両端部の外周に形成された突起部が、排気ガスを遮蔽する遮蔽部材の役割を果たし、ケーシング内に流入してくる排気ガスと保持シール体との接触を緩和することができる。従って、上記排気ガス浄化装置を長期間使用しても、上記保持シール体が風蝕、飛散することがなく耐久性に優れたものとなる。また、カレットリングをハニカムフィルタの外周部に巻き付ける工程が不要であるため、生産性を向上することができ、安価なものとなる。
【0110】
上記のように、第二の本発明のハニカムフィルタ及び排気ガス浄化装置の構成及び効果は、第一の本発明のハニカムフィルタ及び排気ガス浄化装置とほぼ同様である。
しかしながら、第二の本発明の排気ガス浄化装置は、カレットリングを設ける必要がなく、また、ハニカムフィルタを通過した排気ガスによる保持シール体の風蝕をほぼ完全に防止することができるため、第一の本発明の排気ガス浄化装置より有利である。
【0111】
次に、第二の本発明のハニカムフィルタ及び第二の本発明の排気ガス浄化装置の製造方法を説明する。
第二の本発明のハニカムフィルタは、上記第一の本発明のハニカムフィルタの製造方法において、図面を用いて説明した方法とほぼ同様にして製造することができるが、その両端部の外周に突起部を形成するには、図4に示したスクレーパー45に代わり、その両端部に切り欠き部が設けられた形状のスクレーパーを用いることで、セラミックブロックの外周部にシール材をコーティングするとともに、このシール材の両端部の外周に突起部を形成することができる。
なお、このようにして製造した第二の本発明のハニカムフィルタにおける柱状体は、多孔質セラミック部材が接着層を介して複数個結束されて構成された構造である。
【0112】
また、第二の本発明の排気ガス浄化装置は、第二の本発明のハニカムフィルタを用い、その外周部に形成された突起部の間に上述した保持シール体を巻き付けるほかは、上記第一の本発明の排気ガス浄化装置の製造方法と同様の方法を用いて製造することができる。
【0113】
また、第二の本発明のハニカムフィルタの製造方法においても、上記第一の本発明のハニカムフィルタの製造方法で説明した場合と同様に、多孔質セラミック部材が複数個結束されて構成された柱状体の両端部の外周に上記柱状体の一部を構成する突起部が形成された構造のハニカムフィルタや、柱状体の全体が一の焼結体から構成されたハニカムフィルタを製造することができる。
【0114】
【実施例】
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
【0115】
実施例1
炭化珪素粉末に有機バインダー、水等を加えて混練した後、押し出し成形を行い、生成形体を作製した後、この生成形体と同様の組成のペーストを所定の貫通孔に充填し、続いて、乾燥、脱脂、焼成を行うことにより、図3に示したような気孔径が5〜20μm、セル数が31個/cm2 で、隔壁の厚さが0.3mmの炭化珪素焼結体からなる多孔質セラミック部材30を作製した。
【0116】
次に、この多孔質セラミック部材30を、セラミックファイバー等の無機繊維や炭化珪素等の無機粒子等を含む耐熱性の接着剤を用いて多数結束させ、続いて、ダイヤモンドカッターを用いて切断することにより、図1に示したような直径が165mmでその長さが150mmの円柱形状のセラミックブロック15を作製した。
【0117】
次に、無機繊維としてアルミナシリケートからなるセラミックファイバー(ショット含有率:3%、繊維長:0.1〜100mm)23.3重量%、無機粒子として平均粒径0.3μmの炭化珪素粉末30.2重量%、無機バインダーとしてシリカゾル(ゾル中のSiO2 の含有率:30重量%)7重量%、有機バインダーとしてカルボキシメチルセルロース0.5重量%及び水39重量%を混合、混練してシール材ペーストを調整した。
【0118】
次に、上記シール材ペーストを用いて、上記実施の形態で説明した方法で、セラミックブロック15の外周部に厚さ1.0mmのシール材ペースト層42、及び、シール材ペースト層42の一部を構成する、幅及び高さが共に5mmの突起部43を形成した(図4参照)。そして、このシール材ペースト層42及び突起部43を120℃で乾燥して、図1に示したようなハニカムフィルタ10を製造した。
【0119】
このシール材ペースト層42及び突起部43を形成する際においては、ウレタン樹脂からなり、その底辺の一端部に切り欠き部46が形成されたスクレーパー45を使用した。
【0120】
そして、ハニカムフィルタ10の側面の外周部で突起部13非形成部に、保持シール体を巻き付けた。上記保持シール体は、アルミナ繊維からなり(アルミナ80wt%、シリカ20wt%)、嵩密度は0.35g/cm3 、厚さは8.5mmであった。
【0121】
次に、ハニカムフィルタ10の突起部13の反対側端部にSUSメッシュのロープ状のカレットリングを巻き付け、図7(b)に示したような2分割シェル状のケーシング72内に突起部13が排気ガス流入側となるように、ハニカムフィルタ10を設置し、図2に示したような排気ガス浄化装置を作製し、内燃機関としてエンジンの排気通路に取り付けた。
【0122】
実施例2
円柱形状のセラミックブロックを作製した後、その外周部にシール材を形成する際、その両端部の外周全体にシール材の一部を構成する連続した突起部を形成し、この突起部の間に保持シール体を巻き付け、カレットリングを巻き付けなかったほかは、実施例1と同様にしてハニカムフィルタ及び排気ガス浄化装置を製造した。
【0123】
そして、この実施例2に係る排気ガス浄化装置を実施例1と同様に内燃機関としてエンジンの排気通路に取り付けた。
【0124】
実施例3
多孔質セラミック部材を、接着剤を用いて多数結束させた後、ダイヤモンドカッターを用いて円柱形状のセラミックブロックを作製する際、作製するセラミックブロックの一端部の外周にセラミックブロックの一部を構成する、幅及び高さが共に5mmの突起部を形成し、突起部の柱状体の端面と同一面を形成する側面、及び、セラミックブロックの突起部非形成部に厚さ1.0mmのシール材(シール材92c及び92a、図9(a)参照)を形成したほかは、実施例1と同様にしてハニカムフィルタ及び排気ガス浄化装置を製造した。
【0125】
そして、この実施例3に係る排気ガス浄化装置を実施例1と同様に内燃機関としてエンジンの排気通路に取り付けた。
【0126】
実施例4
多孔質セラミック部材を、接着剤を用いて多数結束させた後、ダイヤモンドカッターを用いて円柱形状のセラミックブロックを作製する際、作製するセラミックブロックの一端部の外周にセラミックブロックの一部を構成する、幅及び高さが共に5mmの突起部を形成し、該突起部のセラミックブロックの端面と同一面を形成する側面に対向する側面、及び、セラミックブロックの突起部非形成部に厚さ1.0mmのシール材(シール材92b及び92a、図9(a)参照)を形成したほかは、実施例1と同様にしてハニカムフィルタ及び排気ガス浄化装置を製造した。
【0127】
そして、この実施例4に係る排気ガス浄化装置を実施例1と同様に内燃機関としてエンジンの排気通路に取り付けた。
【0128】
実施例5
多孔質セラミック部材を、接着剤を用いて多数結束させた後、ダイヤモンドカッターを用いて円柱形状のセラミックブロックを作製する際、作製するセラミックブロックの両端部の外周にセラミックブロックの一部を構成する、幅及び高さが共に5mmの突起部を形成し、該突起部のセラミックブロックの端面と同一面を形成する側面、及び、セラミックブロックの突起部非形成部に厚さ1.0mmのシール材(シール材920c、920f及び920a、図9(b)参照)を形成し、上記突起部の間に保持シール体を巻き付け、カレットリングを巻き付けなかったほかは、実施例1と同様にしてハニカムフィルタ及び排気ガス浄化装置を製造した。
【0129】
そして、この実施例5に係る排気ガス浄化装置を実施例1と同様に内燃機関としてエンジンの排気通路に取り付けた。
【0130】
実施例6
多孔質セラミック部材を、接着剤を用いて多数結束させた後、ダイヤモンドカッターを用いて円柱形状のセラミックブロックを作製する際、作製するセラミックブロックの両端部の外周にセラミックブロックの一部を構成する、幅及び高さが共に5mmの突起部を形成し、上記二つの突起部の向かい合う側面、及び、セラミックブロックの突起部非形成部に厚さ1.0mmのシール材(シール材920b、920e及び920a、図9(b)参照)を形成し、上記突起部の間に保持シール体を巻き付け、カレットリングを巻き付けなかったほかは、実施例1と同様にしてハニカムフィルタ及び排気ガス浄化装置を製造した。
【0131】
そして、この実施例6に係る排気ガス浄化装置を実施例1と同様に内燃機関としてエンジンの排気通路に取り付けた。
【0132】
実施例7
タルク粉末、アルミナ粉末及びカオリン粉末に有機バインダー、水等を加えて混練した後、押し出し成形を行って、生成形体を作製した後、この生成形体と同様の組成のペーストを所定の貫通孔に充填し、続いて、乾燥、脱脂、焼成を行うことにより、その全体が貫通孔と壁部とで構成され、気孔径が5〜15μm、セル数が31個/cm、壁部の厚さが70μmでコージェライトからなる円柱形状の柱状体を製造した。
【0133】
その後、実施例1と同様にして、上記柱状体の外周部に厚さ1mmのシール材を形成するとともに、その一端部の外周にシール材の一部を構成する、幅及び高さが共に5mmの突起部を形成することでハニカムフィルタ及び排気ガス浄化装置を製造した。
【0134】
そして、この実施例7に係る排気ガス浄化装置を実施例1と同様に内燃機関としてエンジンの排気通路に取り付けた。
【0135】
実施例8
実施例7とほぼ同様にしてコージェライトからなる円柱形状の柱状体を製造した後、この柱状体の一端部の外周にダイヤモンドカッターを用いて切削加工を施し、上記柱状体の一部を構成し、幅及び高さが共に5mmの突起部を形成し、上記突起部の柱状体の端面と同一面を形成する側面に対向する側面、及び、柱状体の突起部非形成部に厚さ1.0mmのシール材(シール材92b及び92a、図9(a)参照)を形成したほかは、実施例1と同様にしてハニカムフィルタ及び排気ガス浄化装置を製造した。
【0136】
そして、この実施例8に係る排気ガス浄化装置を実施例1と同様に内燃機関としてエンジンの排気通路に取り付けた。
【0137】
実施例9
実施例7とほぼ同様にしてコージェライトからなる円柱形状の柱状体を製造した後、この柱状体の両端部の外周にダイヤモンドカッターを用いて切削加工を施し、上記柱状体の一部を構成し、幅及び高さが共に5mmの突起部を形成し、上記二つの突起部の向かい合う側面、及び、柱状体の突起部非形成部に厚さ1.0mmのシール材(シール材920b、920e及び920a、図9(b)参照)を形成し、上記突起部の間に保持シール体を巻き付け、カレットリングを巻き付けなかったほかは、実施例1と同様にしてハニカムフィルタ及び排気ガス浄化装置を製造した。
【0138】
そして、この実施例9に係る排気ガス浄化装置を実施例1と同様に内燃機関としてエンジンの排気通路に取り付けた。
【0139】
実施例10
アルミナ粉末に有機バインダー、水等を加えて混練した後、押し出し成形を行って生成形体を作製した後、この生成形体と同様の組成のペーストを所定の貫通孔に充填し、続いて、乾燥、脱脂、焼成を行うことにより、その全体が貫通孔と壁部とで構成され、気孔径が5〜15μm、セル数が31個/cm、壁部の厚さが0.3mmで円柱形状の柱状体を製造した。
【0140】
その後、実施例1と同様にして、上記柱状体の外周部に厚さ1mmのシール材を形成するとともに、その一端部の外周に上記シール材の一部を構成する、幅及び高さが共に5mmの突起部を形成することでハニカムフィルタ及び排気ガス浄化装置を製造した。
【0141】
そして、この実施例10に係る排気ガス浄化装置を実施例1と同様に内燃機関としてエンジンの排気通路に取り付けた。
【0142】
実施例11
実施例10とほぼ同様にしてアルミナからなる円柱形状の柱状体を製造した後、この柱状体の一端部の外周にダイヤモンドカッターを用いて切削加工を施し、上記柱状体の一部を構成する、幅及び高さが共に5mmの突起部を形成し、上記突起部の柱状体の端面と同一面を形成する側面に対向する側面、及び、柱状体の突起部非形成部に厚さ1.0mmのシール材(シール材92b、92a、図9(a)参照)を形成したほかは、実施例1と同様にしてハニカムフィルタ及び排気ガス浄化装置を製造した。
【0143】
そして、この実施例11に係る排気ガス浄化装置を実施例1と同様に内燃機関としてエンジンの排気通路に取り付けた。
【0144】
実施例12
実施例10とほぼ同様にしてアルミナからなる円柱形状の柱状体を製造した後、この柱状体の両端部の外周にダイヤモンドカッターを用いて切削加工を施し、上記柱状体の一部を構成する、幅及び高さが共に5mmの突起部を形成し、上記二つの突起部の向かい合う側面、及び、柱状体の突起部非形成部に厚さ1.0mmのシール材(シール材920b、920e及び920a、図9(b)参照)を形成し、上記突起部の間に保持シール体を巻き付け、カレットリングを巻き付けなかったほかは、実施例1と同様にしてハニカムフィルタ及び排気ガス浄化装置を製造した。
【0145】
そして、この実施例12に係る排気ガス浄化装置を実施例1と同様に内燃機関としてエンジンの排気通路に取り付けた。
【0146】
比較例1
突起部13を設けずにハニカムフィルタを製造し、カレットリング23を巻き付けずに保持シール体をハニカムフィルタの端部にまで巻き付けたほかは、実施例1と同様にして排気ガス浄化装置を作製した。
【0147】
そして、この比較例1に係るハニカムフィルタを実施例1と同様に内燃機関としてエンジンの排気通路に取り付けた。
【0148】
比較例2
突起部を設けずにハニカムフィルタを製造し、カレットリングを巻き付けずに保持シール体をハニカムフィルタの端部にまで巻き付けたほかは、実施例7と同様にして排気ガス浄化装置を作製した。
【0149】
そして、この比較例2に係るハニカムフィルタを実施例1と同様に内燃機関としてエンジンの排気通路に取り付けた。
【0150】
次に、実施例1〜12及び比較例1、2に係る排気ガス浄化装置を取り付けたエンジンを無負荷状態で、最高の回転数にして8時間、100時間及び300時間運転した後、各ハニカムフィルタを取り出し、保持シール体の状態を観察した。その結果を下記表1に示す。
【0151】
【表1】
Figure 0004259787
【0152】
表1に示した通り、実施例1〜12に係る排気ガス浄化装置の保持シール体は、8時間、100時間及び300時間運転した後であっても全く風蝕されておらず、保持シール体はハニカムフィルタ10を良好に保持、固定されていた。
一方、比較例1、2に係る排気ガス浄化装置の保持シール体は、8時間運転した後、排気ガスにより平均して7mm風蝕されており、さらに、100時間連続してエンジンを運転すると、保持シール体が飛散し、ハニカムフィルタをケーシング内で保持、固定することができなくなった。また、比較例2に係るハニカムフィルタは、その端部にクラックが生じていた。
【0153】
【発明の効果】
第一の本発明のハニカムフィルタは、上述の通りであるので、突起部の非形成部分に保持シール体を巻き付けて、排気ガス浄化装置のケーシング内に設置することで、上記突起部が排気ガスを遮蔽する遮蔽部材の役割を果たし、排気ガスと上記保持シール体との接触を緩和することができ、上記保持シール体が排気ガスにより風蝕、飛散することを防止することができる。
【0154】
また、第一の本発明の排気ガス浄化装置は、上述したような構造からなるものであるので、ハニカムフィルタの外周部に形成された突起部が、排気ガスを遮蔽する遮蔽部材の役割を果たし、ケーシング内に流入してくる排気ガスと上記保持シール体との接触を緩和することができる。従って、排気ガス浄化装置を長期間使用しても、上記保持シール体が風蝕、飛散することがなく耐久性に優れたものとなる。また、製造する際、カレットリングをハニカムフィルタの外周部の両端部分に設ける工程が不要であるため、生産性を向上することができ、安価なものとなる。
【0155】
第二の本発明のハニカムフィルタは、その外周部の両端に突起部が形成されているため、その間に保持シール体を介装して排気ガス浄化装置のケーシング内に設置することで、上記突起部が排気ガスを遮蔽する遮蔽部材の役割を果たし、排気ガスと上記保持シール体との接触を緩和することができ、上記保持シール体が上記排気ガスにより風蝕、飛散することを防止することができる。
【0156】
また、第二の本発明の排気ガス浄化装置は、上述したような構造からなるものであるので、ハニカムフィルタの外周部の両端に形成された突起部が、排気ガスを遮蔽する遮蔽部材の役割を果たし、ケーシング内に流入してくる排気ガスと保持シール体との接触を緩和することができる。従って、排気ガス浄化装置を長期間使用しても、上記保持シール体が風蝕、飛散することがなく耐久性に優れたものとなる。また、製造する際、カレットリングをハニカムフィルタの外周部に巻き付ける工程が不要であるため、生産性を向上することができ、安価なものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、本発明のハニカムフィルタの一例を模式的に示した斜視図であり、(b)は、その側面図である。
【図2】本発明の排気ガス浄化装置の一実施形態を模式的に示した部分拡大断面図である。
【図3】(a)は、図1に示した本発明のハニカムフィルタに用いる多孔質セラミック部材を模式的に示した斜視図であり、(b)は、そのA−A線縦断面図である。
【図4】本発明のハニカムフィルタを製造する様子を模式的に示した側面図である。
【図5】従来のハニカムフィルタの一例を模式的に示した斜視図である。
【図6】従来の排気ガス浄化装置の一例を模式的に示した断面図である。
【図7】(a)は、本発明の排気ガス浄化装置に用いるケーシングの一例を模式的に示した斜視図であり、(b)は、別の一例を模式的に示した斜視図である。
【図8】本発明のハニカムフィルタを構成するセラミックブロックを作製する様子を模式的に示した正面図である。
【図9】(a)は、第一の本発明のハニカムフィルタの一例を模式的に示した断面図であり、(b)は、第二の本発明のハニカムフィルタの一例を模式的に示した断面図である。
【符号の説明】
10、50 ハニカムフィルタ
12、52 シール材
13 突起部
15、55 セラミックブロック
16 接着層
20、60 排気ガス浄化装置
21 61、71、72 ケーシング
22、62 保持シール体
23、63 カレットリング
30 多孔質セラミック部材
31 貫通孔
32 充填材
33 隔壁
42 シール材層
43 突起部
45 スクレーパー
46 切り欠き部

Claims (9)

  1. 多数の貫通孔が壁部を隔てて長手方向に並設された多孔質セラミックからなる柱状体の端部のいずれかが充填材により目封じされ、前記貫通孔を隔てる壁部の一部又は全部が粒子捕集用フィルタとして機能するように構成されたハニカムフィルタが、内燃機関の排気通路に接続するケーシング内に設置され、前記ハニカムフィルタと前記ケーシングとの間に保持シール体が介装された排気ガス浄化装置であって、
    前記ハニカムフィルタとして、一端部の外周に突起部が形成されているハニカムフィルタが用いられ、
    前記保持シール体は、前記ハニカムフィルタの突起部非形成部に介装されていることを特徴とする排気ガス浄化装置
  2. 前記柱状体は、複数の貫通孔が隔壁を隔てて長手方向に並設された角柱形状の多孔質セラミック部材が接着層を介して複数個結束されて構成されている請求項1に記載の排気ガス浄化装置
  3. 前記柱状体の外周部がシール材によりコーティングされ、前記シール材の一端部の外周に突起部が形成されている請求項1又は2に記載の排気ガス浄化装置
  4. 前記ハニカムフィルタは、突起部が排気ガス流入側となるように設置された請求項1〜3のいずれかに記載の排気ガス浄化装置。
  5. 前記ハニカムフィルタの排気ガス流入側の一端部の外周全体に突起部が形成されている請求項1〜4のいずれかに記載の排気ガス浄化装置
  6. 多数の貫通孔が壁部を隔てて長手方向に並設された多孔質セラミックからなる柱状体の端部のいずれかが充填材により目封じされ、前記貫通孔を隔てる壁部の一部又は全部が粒子捕集用フィルタとして機能するように構成されたハニカムフィルタが、内燃機関の排気通路に接続するケーシング内に設置され、前記ハニカムフィルタと前記ケーシングとの間に保持シール体が介装された排気ガス浄化装置であって、
    前記ハニカムフィルタとして、両端部の外周に突起部が形成されているハニカムフィルタが用いられ、
    前記保持シール体は、前記ハニカムフィルタのシール材の突起部の間に介装されていることを特徴とする排気ガス浄化装置。
  7. 前記柱状体は、複数の貫通孔が隔壁を隔てて長手方向に並設された角柱形状の多孔質セラミック部材が接着層を介して複数個結束されて構成されている請求項6に記載の排気ガス浄化装置
  8. 前記柱状体の外周部がシール材によりコーティングされ、前記シール材の両端部の外周に突起部が形成されている請求項6又は7に記載の排気ガス浄化装置
  9. 前記ハニカムフィルタの前記両端部のうち、排気ガス流入側の一端部の外周全体に突起部が形成されている請求項6〜8のいずれかに記載の排気ガス浄化装置
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