JP2009215153A - ハニカム構造体の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 生産性の高いハニカム構造体の製造方法を提供すること。
【解決手段】 セラミック原料を成形することにより、複数のセルがセル壁を隔てて長手方向に並設された柱状のハニカム成形体を作製する工程と、上記ハニカム成形体に焼成処理を施してハニカム焼成体を作製する工程と、少なくとも1つのハニカム焼成体を用いてハニカムブロックを作製する工程と、を含むハニカム構造体の製造方法であって、上記ハニカム成形体に焼成処理を施してハニカム焼成体を作製した後、上記ハニカム焼成体を少なくとも二つに切断する工程を含むことを特徴とするハニカム構造体の製造方法。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ハニカム構造体の製造方法に関する。
従来、ディーゼルエンジン等の内燃機関から排出される排ガス中には、パティキュレートマター(以下、PMともいう)が含まれており、近年、このPMが環境や人体に害を及ぼすことが問題となっている。
そこで、排ガス中のPMを捕集して排ガスを浄化するフィルタとして、例えば、多孔質セラミックを用いたハニカム構造体からなるハニカムフィルタが種々提案されている。
このようなハニカム構造体として、多孔質セラミック焼結体からなる複数のフィルタの外周面同士をシール材層(接着材層)を介して接着することにより、各フィルタを一体化したハニカム構造体が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
このようなハニカム構造体は、下記のような方法により製造することができる。
まず、セラミック粉末とバインダと分散媒液等とを混合して湿潤混合物を調製する。
次に、この湿潤混合物を押出成形し、押し出された成形体を所定の長さに切断することにより、柱状のハニカム成形体を作製する。
その後、ハニカム成形体の各セルのいずれか一方の端部が封止されるように各セルの所定の端部に封止材ペーストを充填する。次に、封止材ペーストが充填されたハニカム成形体に、脱脂処理及び焼成処理を施し、フィルタとして機能するハニカム焼成体を作製する。
次に、複数のハニカム焼成体をシール材層(接着材層)を介して結束させてハニカム焼成体の集合体を作製し、その後、必要に応じて、ハニカム焼成体の集合体の外周に切削加工を施したり、この集合体の外周にコート層を形成したりすることによりハニカム構造体を製造する。
また、触媒担体として使用するハニカム構造体として、第1の無機材料(例えば、セラミック粒子)、第2の無機材料(例えば、無機繊維や粒径の大きなセラミック粒子)と無機バインダとを含む多孔質セラミックユニットが、シール材を介して接合した構造のハニカム構造体が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2001−162121号公報 WO2005/063653号パンフレット
特許文献1及び特許文献2に記載されたハニカム構造体の製造方法では、押出成形によりハニカム成形体を作製する時点で、作製するハニカム焼成体と略同形のハニカム成形体を作製し、このハニカム成形体に、必要により封止、脱脂、焼成等の各種処理を施してハニカム焼成体を作製している。
このような製造方法において、ハニカム焼成体のサイズは、焼成処理を経ることにより、ハニカム成形体のサイズよりも若干小さくなる。そして、このようなサイズの縮小は避けることができない。
そのため、ハニカム成形体を作製する際には、サイズの縮小を見込んで、ハニカム焼成体のサイズよりも若干大きいハニカム成形体を作製する必要があった。
しかしながら、サイズの縮小量は予想値であり、焼成条件のバラツキ等により作製したハニカム焼成体のサイズにバラツキが生じることがあった。
そして、ハニカム焼成体のサイズにバラツキが生じると、複数個のハニカム焼成体を結束させてハニカム構造体を製造した場合に、ハニカム構造体の端面に凹凸が生じることとなり、場合によっては、端面研磨を行う必要があった。
しかしながら、端面研磨は、可能であれば省略が望まれる工程である。なぜなら、研磨処理を行うことにより、ハニカム構造体の端面に欠け等の不都合が発生する場合があるからである。また、工程数の増加がそのままコストの増加に繋がるからである。
また、上述したハニカム構造体の製造方法のように、作製するハニカム焼成体と略同形のハニカム成形体を作製して各種処理を行う場合、生産性が低くなる場合があった。特に、長手方向の長さの短いハニカム構造体を製造する場合には、この傾向が顕著であった。
これについて、もう少し詳しく説明する。
上述したようなハニカム構造体の製造方法において、ハニカム成形体に焼成処理を施す際には、通常、複数個のハニカム成形体を1個の焼成用治具に収納した状態で行う。ここで、成形体の焼結を確実かつ均一に進行させるには、ハニカム成形体を焼成用治具内に収納する際に、ハニカム成形体同士をある程度離間させて収納する必要がある。
そのため、焼成用治具の大きさが同一である場合、ハニカム成形体が小さくなると、ハニカム成形体同士の間のスペースが占める割合が増加することとなり、その結果、ハニカム焼成体の生産性が低下することとなる。
別の言い方をすると、焼成用治具の大きさが同一である場合、例えば、ハニカム成形体のサイズが1/2になっても、焼成用治具内に収納することできるハニカム成形体の数が、普通のサイズのハニカム成形体を焼成用治具に収納する場合と比べて、2倍になるわけではなく、収納することできるハニカム成形体の数は2倍未満となる。
また、焼成用治具は、ハニカム成形体の大きさに合せて最適な大きさのものを用いることが望ましい。
そこで、本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討を行い、生産性の高い高品質(端面にクラックが発生せず、平坦である)のハニカム構造体を製造することができるハニカム構造体の製造方法に関する発明を完成した。
即ち、請求項1に記載のハニカム構造体の製造方法は、
セラミック原料を成形することにより、複数のセルがセル壁を隔てて長手方向に並設された柱状のハニカム成形体を作製するハニカム成形体作製工程と、
上記ハニカム成形体に焼成処理を施してハニカム焼成体を作製するハニカム焼成体作製工程と、
少なくとも1つのハニカム焼成体を用いてハニカムブロックを作製するハニカムブロック作製工程と、
を含むハニカム構造体の製造方法であって、
上記ハニカム焼成体作製工程の後、ハニカム焼成体を少なくとも二つに切断する切断工程を行うことを特徴とするハニカム構造体の製造方法である。
請求項1に記載のハニカム構造体の製造方法では、ハニカム成形体に焼成処理を施してハニカム焼成体を作製した後、得られたハニカム焼成体を切断している。
このように、焼成処理後に切断処理を行うことにより、作製する各ハニカム焼成体の長手方向の寸法精度が優れることとなり、各ハニカム焼成体の大きさのバラツキを小さくすることができる。
また、請求項1に記載のハニカム構造体の製造方法では、ハニカム成形体に焼成処理を施してハニカム焼成体を作製した後、得られたハニカム焼成体を切断しているため、長手方向の長さの短いハニカム構造体を製造するのに適している。
ハニカム構造体の製造方法においては、焼成用治具にハニカム成形体を収納して焼成処理を行うが、同一サイズの焼成用治具を使用する場合、上述したように、ハニカム成形体のサイズが小さくなると生産性が低下していく傾向にある。
これに対して、請求項1に記載のハニカム構造体の製造方法では、ハニカム成形体に焼成処理を施した後、切断処理を行うことにより、所定の長さのハニカム焼成体を作製している。
そのため、長手方向の長さの短いハニカム構造体を製造する場合であっても、優れた生産性を備えることとなる。
また、例えば、長手方向の長さが、従来の長さの半分の長さのハニカム構造体を製造する場合にも、従来と同様の焼成用治具を好適に使用することができ、1回の焼成処理で2倍のハニカム焼成体を製造することができる。
請求項2に記載のハニカム構造体の製造方法は、請求項1に記載のハニカム構造体の製造方法において、
さらに、切断されたハニカム焼成体の各セルのいずれか一方の端部が封止されるように封止材ペーストを充填するペースト充填工程を含む。
このように、ハニカム焼成体の各セルの所定の端部に封止材ペーストを充填することにより、フィルタとして使用するハニカム構造体を製造することができる。
請求項3に記載のハニカム構造体の製造方法は、請求項2に記載のハニカム構造体の製造方法において、
さらに、上記ペースト充填工程で充填された封止材ペーストの固化又は焼成を行う固化工程を含む。
このように、封止材ペーストを固化、又は、焼成することによりセルの端部の所定の箇所をより確実に封止することができる。
請求項4に記載のハニカム構造体の製造方法は、請求項2又は3に記載のハニカム構造体の製造方法のハニカムブロックを作製する工程において充填する封止材ペーストが、少なくとも無機粒子と無機バインダとを含む。
さらに、請求項5に記載のハニカム構造体の製造方法は、請求項4に記載の封止材ペーストが、さらに無機繊維及び/又はウィスカを含む。
請求項4又は5に記載のハニカム構造体の製造方法では、上記組成の封止材ペーストを使用しており、この封止材ペーストは、焼成処理を経ることなく形成する封止部の材料として特に適しており、所定のセルが確実に封止されたハニカム構造体を製造することができる。
請求項6に記載のハニカム構造体の製造方法は、請求項2〜5のいずれか1項に記載のハニカム構造体の製造方法において、
上記封止材ペーストの組成は、上記セラミック原料の組成と略同一である。
このように封止材ペーストとセラミック原料の組成とが略同一であると、製造したハニカム構造体において、ハニカム焼成体と封止部との間で使用時に剥離やクラックが発生しにくくなる。また、特に、封止部が焼成処理を経て形成された封止部であると、上記剥離やクラックがより発生しにくくなる。
請求項7に記載のハニカム構造体の製造方法は、請求項1に記載のハニカム構造体の製造方法において、
上記ハニカム焼成体作製工程の後、
接着材ペーストを介して上記ハニカム焼成体を複数個結束する結束工程と、
上記切断工程とを順次行う。
請求項8に記載のハニカム構造体の製造方法は、請求項2〜6のいずれか1項に記載のハニカム構造体の製造方法において、
上記ハニカム焼成体作製工程の後、
接着材ペーストを介して上記ハニカム焼成体を複数個結束する結束工程と、
上記切断工程とを順次行う。
また、請求項9に記載のハニカム構造体の製造方法は、請求項1に記載のハニカム構造体の製造方法において、
上記ハニカム焼成体作製工程の後、
上記切断工程と、
接着材ペーストを介して上記ハニカム焼成体を複数個結束する結束工程と、
切断されたハニカム焼成体の各セルのいずれか一方の端部が封止されるように封止材ペーストを充填するペースト充填工程とを
順次行う。
また、請求項10に記載のハニカム構造体の製造方法は、請求項2〜6のいずれか1項に記載のハニカム構造体の製造方法において、
上記ハニカム焼成体作製工程の後、
上記切断工程と、
接着材ペーストを介して上記ハニカム焼成体を複数個結束する結束工程と、
上記ペースト充填工程とを順次行う。
請求項7〜10に記載のハニカム構造体の製造方法では、ハニカムブロックが複数のハニカム焼成体からなるハニカム構造体(以下、集合型ハニカム構造体ともいう)を好適に製造することができる。
請求項11に記載のハニカム構造体の製造方法は、請求項8〜10のいずれか1項に記載のハニカム構造体の製造方法において、
上記封止材ペーストの組成が、上記接着材ペーストの組成と略同一である。
このように封止材ペーストの組成と、接着材ペーストの組成とが略同一であると、製造したハニカム構造体において構成部材の熱膨張係数の差に起因した内部応力が発生しにくく、より信頼性に優れるハニカム構造体を製造することができる。
請求項12に記載のハニカム構造体の製造方法は、請求項1又は7に記載のハニカム構造体の製造方法において、
上記ハニカムブロックを形成する工程を行った後、さらに、上記ハニカムブロックの外周にコート材ペーストを塗布してコート層を形成する工程を行う。
請求項13に記載のハニカム構造体の製造方法は、請求項2〜6、8〜11のいずれか1項に記載のハニカム構造体の製造方法において、
上記ハニカムブロックを形成する工程を行った後、さらに、上記ハニカムブロックの外周にコート材ペーストを塗布してコート層を形成する工程を行う。
請求項12及び13に記載のハニカム構造体の製造方法では、最外周にコート層を形成することにより信頼性に優れるハニカム構造体を製造することができる。また、コート層を形成することにより、外周精度(外周側面の寸法精度)の高いハニカム構造体を製造することができ、また、外部に排ガスが漏れることを防止することができる。
請求項14に記載のハニカム構造体の製造方法は、請求項13に記載のハニカム構造体の製造方法において、
上記封止材ペーストの組成が、上記コート材ペーストの組成と略同一である。
このように封止材ペーストの組成と、コート材ペーストの組成とが略同一であると、製造したハニカム構造体において構成部材の熱膨張係数の差に起因した内部応力が発生しにくく、より信頼性に優れるハニカム構造体を製造することができる。
請求項15に記載のハニカム構造体の製造方法は、
セラミック原料を成形することにより、複数のセルがセル壁を隔てて長手方向に並設された柱状のハニカム成形体を作製するハニカム成形体作製工程と、
上記ハニカム成形体の各セルの両端の所定箇所が封止されるように封止材ペーストを充填する第一充填工程と、続いて、このハニカム成形体に焼成処理を施してハニカム焼成体を作製する焼成工程と、
少なくとも1つのハニカム焼成体からなるハニカムブロックを作製するハニカムブロック作製工程と、
を含むハニカム構造体の製造方法であって、
上記焼成工程の後、上記ハニカム焼成体を少なくとも二つに切断する切断工程、
切断して得た、片端の所定箇所が封止されたハニカム焼成体の各セルのいずれか一方の端部が封止されるように封止材ペーストを所定箇所に充填する第二の充填工程、及び、
上記第二の充填工程で充填された封止材ペーストに焼成処理を施す封止材ペースト焼成工程を順に行った後、ハニカムブロックを作製することを特徴とするハニカム構造体の製造方法である。
請求項15に記載のハニカム構造体の製造方法では、ハニカム成形体に焼成処理を施してハニカム焼成体を作製した後、得られたハニカム焼成体を切断している。
このように、焼成処理後に切断処理を行うことにより、作製する各ハニカム焼成体の長手方向の寸法精度が優れることとなり、各ハニカム焼成体の大きさのバラツキを小さくすることができる。
また、請求項15に記載のハニカム構造体の製造方法では、ハニカム成形体に焼成処理を施してハニカム焼成体を作製した後、得られたハニカム焼成体を切断しているため、長手方向の長さの短いハニカム構造体を製造するのに適している。この理由は、既に説明したとおりである。
請求項16に記載のハニカム構造体の製造方法は、請求項15に記載のハニカム構造体の製造方法において、
上記焼成工程の後、上記切断工程、上記第二の充填工程、上記封止材ペースト焼成工程、及び、上記ハニカム焼成体を接着材ペーストを介して複数個結束する結束工程を順に行った後、ハニカムブロックを作製する。
請求項16に記載のハニカム構造体の製造方法では、複数個のハニカム焼成体が結束された集合型ハニカム構造体を好適に製造することができる。
請求項17に記載のハニカム構造体の製造方法は、請求項15又は16に記載のハニカム構造体の製造方法において、
上記ハニカムブロックを形成する工程を行った後、さらに、上記ハニカムブロックの外周にコート材ペーストを塗布してコート層を形成する工程を行う。
請求項17に記載のハニカム構造体の製造方法では、最外周にコート層を形成することにより信頼性に優れるハニカム構造体を製造することができる。
請求項18に記載のハニカム構造体の製造方法は、請求項17に記載のハニカム構造体の製造方法において、上記封止材ペーストの組成と上記コート材ペーストの組成とが略同一である。
このように封止材ペーストの組成と、コート材ペーストの組成とが略同一であると、製造したハニカム構造体において構成部材の熱膨張係数の差に起因した内部応力が発生しにくく、より信頼性に優れるハニカム構造体を製造することができる。
請求項19に記載のハニカム構造体の製造方法は、請求項15〜18のいずれかに記載のハニカム構造体の製造方法において、
上記封止材ペーストの組成が、上記セラミック原料の組成と略同一である。
このように封止材ペーストとセラミック原料の組成とが略同一であると、製造したハニカム構造体において、ハニカム焼成体と封止部との間で使用時に剥離やクラックがより発生しにくくなる。
図1(a)〜図1(f)は、第一実施形態の製造工程を説明するための説明図である。 図2は、第一実施形態のハニカム構造体の一例を模式的に示す斜視図である。 図3(a)は、第一実施形態に係るハニカム構造体を構成するハニカム焼成体の一例を模式的に示す斜視図であり、図3(b)は、そのB−B線断面図である。 図4は、ハニカム構造体が設置された排ガス浄化装置の一例を模式的に示した断面図である。 図5(a)〜図5(f)は、第二実施形態の製造工程を説明するための説明図である。 図6(a)〜図6(f)は、第三実施形態の製造工程を説明するための説明図である。 図7は、第一実施形態〜第三実施形態に係るハニカム構造体の製造方法における工程図である。 図8(a)〜図8(g)は、第四実施形態の製造工程を説明するための説明図である。 図9(a)は、第四実施形態のハニカム構造体を構成するハニカム焼成体の一例を模式的に示す斜視図であり、図9(b)は、そのF−F線断面図である。 図10(a)〜図10(g)は、第五実施形態の製造工程を説明するための説明図である。 図11(a)〜図11(g)は、第六実施形態の製造工程を説明するための説明図である。 図12は、第四実施形態〜第六実施形態に係るハニカム構造体の製造方法における工程図である。 図13(a)〜13(d)は、第九実施形態の製造工程を説明するための説明図である。 図14(a)〜14(e)は、第十実施形態の製造工程を説明するための説明図である。 図15は、第九実施形態及び第十実施形態に係るハニカム構造体の製造方法における工程図である。 図16(a)は、本発明に係るハニカム構造体を構成するハニカム焼成体の別の一例を模式的に示す斜視図であり、図16(b)は、図16(a)のK−K線断面図である。 図17(a)〜(c)は、本発明のハニカム構造体の製造方法で作製するハニカム焼成体の別の一例を模式的に示す斜視図である。
以下、本発明の実施形態について説明する。
(第一実施形態)
まず、本実施形態におけるハニカム構造体の製造方法について工程順に説明する。
図1(a)〜図1(f)は、第一実施形態の製造工程を説明するための説明図である。
(1)セラミック原料として平均粒子径の異なる炭化ケイ素粉末と有機バインダと可塑剤と潤滑剤と水とを混合することにより、成形体作製用の湿潤混合物を調製する。
(2)上記湿潤混合物を押出成形機に投入し、上記湿潤混合物を押出成形することにより所定の形状のハニカム成形体を作製する。ここでは、各セルが所定の形状となるよう押出成形用金型を選定する。
なお、ここで作製するハニカム成形体は、長手方向の長さが、製造するハニカム構造体の設計値の長手方向の長さの約2倍の長さを有する。このとき、ハニカム成形体の長さは、焼成時の収縮量と、切断される切り代とを考慮して決定する。
さらに、ハニカム成形体を乾燥機を用いて乾燥させる。
(3)次に、上記(2)の工程で作製したハニカム成形体を焼成用治具に載置した後、脱脂炉中で加熱し、ハニカム成形体中の有機物を分解除去する脱脂処理を行う。
続いて、上記脱脂処理を施したハニカム成形体を焼成用治具に載置したまま、焼成炉内に投入し、所定の温度(例えば、2200〜2300℃)で焼成処理を行い、ハニカム焼成体120を作製する(図1(a)参照)。
なお、本発明において、「ハニカム成形体」には、押出成形直後の生形成体は勿論のこと、乾燥処理や脱脂処理を施した後の成形体もハニカム成形体に含むこととする。
(4)次に、上記(3)の工程で作製したハニカム焼成体120を長手方向に2等分に切断する。
上記ハニカム焼成体の切断は、ダイヤモンドカッター、外周型ダイヤモンド砥石、内周型ダイヤモンド砥石、マルチワイヤ、マルチブレード等を用いて行う。
このような切断処理を行うことにより、長手方向の長さが製造するハニカム構造体の設計値の長手方向の長さと同一のハニカム焼成体20を作製することができる(図1(b)参照)。
(5)次に、上記(4)の工程で作製したハニカム焼成体20について、各セル21のいずれか一方の端部が封止されるように、セル21の端部に封止材ペーストを充填する。
なお、ここで充填する封止材ペーストとしては、例えば、無機バインダと有機バインダと無機粒子とからなるものを使用する。また、上記封止材ペーストはさらに無機繊維及び/又はウィスカを含んでいてもよい。
そして、この工程で充填した封止材ペーストを加熱により固化させて封止部22aを形成する(図1(c)参照)。
(6)次に、各セルの所定の端部が封止された上記ハニカム焼成体20の側面に、接着材層となる接着材ペーストを塗布して接着材ペースト層を形成し、この接着材ペースト層の上に、順次他のハニカム焼成体を積層する工程を繰り返して所定数のハニカム焼成体が結束されたハニカム焼成体の集合体110を作製する。ここで、接着材ペーストとしては、上記封止材ペーストと略同一の組成を有するものを使用する。
続いて、上記ハニカム焼成体の集合体110を加熱して接着材ペースト層を固化させて接着材層11とする(図1(d)、図1(e)参照)。
なお、図1(e)は、図1(d)のA−A線断面における部分拡大断面図である。
(7)その後、ダイヤモンドカッター等を用いてハニカム焼成体の集合体110に、図1(d)中の破線に沿って切削加工を施してハニカムブロックとし、ハニカムブロックの外周面にコート材ペーストを塗布し、コート材ペーストを加熱により固化させてコート層12を形成することによりハニカム構造体10を完成する(図1(f)参照)。
ここで、コート材ペーストとしては、例えば、上記封止材ペーストと略同一の組成をペースト状組成物を使用する。
次に、このような製造方法を経て製造されるハニカム構造体について、図面を参照しながら説明する。
図2は、第一実施形態に係るハニカム構造体の一例を模式的に示す斜視図であり、図3(a)は、第一実施形態に係るハニカム構造体を構成するハニカム焼成体の一例を模式的に示す斜視図であり、図3(b)は、そのB−B線断面図である。
本実施形態のハニカム構造体10は、図2に示すようにハニカム焼成体20が接着材層11を介して複数個結束されてハニカムブロック15を構成し、さらに、このハニカムブロック15の外周にコート層12が形成されている。
また、ハニカム焼成体20は、図3(a)及び図3(b)に示すように、長手方向(図3(a)中、矢印aの方向)に多数のセル21が並設され、セル21同士を隔てるセル壁23がフィルタとして機能するようになっている。
即ち、ハニカム焼成体20に形成されたセル21は、図3(b)に示すように、排ガスの入口側の端部が封止材ペーストを固化させて形成した封止部22aで封止されるか、又は、排ガスの出口側の端部が封止材ペーストを固化させて形成した封止部22aで封止され、排ガスの出口側の端部が封止されたセル21に流入した排ガスは、必ずセル21を隔てるセル壁23を通過した後、ガスの入口側の端部が封止されたセル21から流出するようになっており、排ガスがこのセル壁23を通過する際、PMがセル壁23部分で捕捉され、排ガスが浄化される。
なお、図3(b)中、矢印は、排ガスの流れを示している。
また、ハニカム構造体10では、接着材層11とコート層12とが、封止部22aを形成するための封止材ペーストと略同一のペーストを用いて形成されている。
なお、本明細書において、固化とは、組成物中の各成分間での反応は起こさず、組成物中の水分等を除去することにより、物理的作用によって組成物の状態が変化し接着特性を発現させる(組成物の硬さを向上させる)ことをいう。一方、焼成とは、成形体中の不安定成分(水分、バインダ等)を分解、除去し、各成分間の反応(再結晶を含む)を進行させて安定な化合物を形成することをいい、強度が一段と向上する。
また、上記ハニカム構造体は、排ガス浄化装置に用いることができる。
以下に、本実施形態のハニカム構造体の製造方法により製造したハニカム構造体を用いた排ガス浄化装置について、簡単に説明しておく。
図4は、ハニカム構造体が設置された排ガス浄化装置の一例を模式的に示した断面図である。
図4に示すように、排ガス浄化装置40は、主に、ハニカム構造体10、ハニカム構造体10の外方を覆うケーシング(金属容器)41、ハニカム構造体10とケーシング41との間に配置されるアルミナ製の保持シール材42から構成されており、ケーシング41の排ガスが導入される側の端部には、エンジン等の内燃機関に連結された導入管43が接続されており、ケーシング41の他端部には、外部に連結された排出管44が接続されている。
なお、図4中、矢印は排ガスの流れを示している。
このような構成からなる排ガス浄化装置40では、エンジン等の内燃機関から排出された排ガスは、導入管43を通ってケーシング41内に導入され、入口側が開口したセルからハニカム構造体10の内部に流入し、セル壁を通過し、このセル壁でPMが捕集されて浄化された後、出口側が開口したセルからハニカム構造体外に排出され、排出管44を通って外部へ排出されることとなる。
また、排ガス浄化装置40では、ハニカム構造体10のセル壁に大量のPMが堆積し、圧力損失が高くなると、ハニカム構造体10の再生処理が行われる。
上記再生処理では、図示しない加熱手段を用いて加熱されたガスをハニカム構造体のセルの内部へ流入させることで、ハニカム構造体10を加熱し、セル壁に堆積したPMを燃焼除去する。また、ポストインジェクション方式を用いてPMを燃焼除去してもよい。
以下、第一実施形態の作用効果について説明する。
(1)本実施形態では、ハニカム構造体を製造する際に、ハニカム成形体に焼成処理を施してハニカム焼成体を作製した後、得られたハニカム焼成体を切断している。
このように、焼成処理後に切断処理を行うことにより、作製する各ハニカム焼成体の長手方向の寸法精度が優れることとなり、各ハニカム焼成体の大きさのバラツキを小さくすることができる。従って、本実施形態は、特に研磨処理を行うことなく、端面の凹凸の少ないハニカム構造体を製造するのに適している。
また、ハニカム焼成体を作製した後、得られたハニカム焼成体を切断しているため、1つのハニカム成形体から2つのハニカム焼成体を作製することとなり、ハニカム焼成体を効率良く作製することができる。その結果、ハニカム構造体の生産効率が向上し、単位時間あたりのハニカム構造体の生産個数を増やすことができるので、製造コストを低減させることにつながる。
(2)本実施形態では、セルの端部を封止する封止部を形成する際に、封止材ペーストを充填した後、封止材ペーストを固化させているため、各セルの所定の端部を確実に封止することができる。
(3)本実施形態では、ハニカム構造体を構成する封止部、接着材層及びコート層を略同一の材料を用いて形成しているため、製造したハニカム構造体において構成部材の熱膨張係数の差に起因した内部応力が発生しにくく、より信頼性に優れることとなる。
以下、本発明の第一実施形態をより具体的に開示した実施例を示す。なお、本発明はこの実施例のみに限定されるものではない。
(実施例1)
(1)平均粒子径22μmの炭化ケイ素の粗粉末52.8重量%と、平均粒子径0.5μmの炭化ケイ素の微粉末22.6重量%とを混合し、得られた混合物に対して、アクリル樹脂2.1重量%、有機バインダ(メチルセルロース)4.6重量%、潤滑剤(日油社製 ユニルーブ)2.8重量%、グリセリン1.3重量%、及び、水13.8重量%を加えて混練して湿潤混合物を得た後、押出成形する押出成形工程を行い、図3(a)に示した形状と略同様の形状であって、セルを封止していない生のハニカム成形体を作製した。
(2)次に、マイクロ波乾燥機を用いて上記生のハニカム成形体を乾燥させ、ハニカム成形体の乾燥体を作製した。そして、ハニカム成形体の乾燥体を焼成用治具に載置した後、400℃で脱脂処理を行い、さらに、常圧のアルゴン雰囲気下2200℃、3時間の条件で焼成処理を行うことにより、気孔率が45%、平均気孔径が15μm、大きさが34.3mm×34.3mm×300.5mm、セルの数(セル密度)が46.5個/cm(300cpsi)、セル壁の厚さが0.25mm(10mil)の炭化ケイ素焼結体からなるハニカム焼成体を製造した。
(3)次に、上記ハニカム焼成体を板厚0.5mmの外周型ダイヤモンド砥石を用いて2等分し、34.3mm×34.3mm×150mmのハニカム焼成体とした。
(4)次に、各セルのいずれか一方の端部が封止されるように、所定のセルの端部に封止材ペーストを充填した。その後、充填した封止材ペーストを180℃の熱風による加熱を15分間行うことにより固化させた。
ここでは、封止材ペーストとして、平均粒径0.6μmの炭化ケイ素粒子30.0重量%、シリカゾル21.4重量%、カルボキシメチルセルロース8.0重量%、及び、水40.6重量%からなる封止材ペーストを使用した。
(5)次に、上記(1)〜(4)の工程を経て作製したハニカム焼成体の側面に接着材ペーストを塗布し、この接着材ペーストを介して上記ハニカム焼成体16個を接着させ、さらに、180℃、20分で接着材ペーストを固化させることにより、四角柱状のハニカム焼成体の集合体を作製し、続いて、ダイヤモンドカッターを用いて、ハニカム焼成体の集合体の外周を切断することにより、接着材層の厚さが1mmの円柱状のハニカムブロックを作製した。
ここで、接着材ペーストとしては、上記(4)の工程で使用した封止材ペーストと同一の組成のペーストを使用した。
(6)次に、ハニカムブロックの外周部にコート材ペーストを塗布し、コート材ペースト層を形成した。そして、このコート材ペースト層を180℃、20分で固化させ、外周にコート層が形成された直径143.8mm×長さ150mmの円柱状のハニカム構造体を製造した。
この際、コート材ペーストとしては、上記(4)の工程で使用した封止材ペーストと同一の組成のペーストを使用した。
(比較例1)
(1)押出形成工程を経て作製する生のハニカム成形体の長手方向の長さを約半分にした以外は、実施例1の(1)の工程と同様にして、図3(a)に示した形状と略同様の形状であって、セルを封止していない生のハニカム成形体を作製した。
(2)次に、マイクロ波乾燥機を用いて上記生のハニカム成形体を乾燥させ、ハニカム成形体の乾燥体を作製した。その後、各セルのいずれか一方の端部が封止されるように、所定のセルの端部に封止材ペーストを充填した。
ここで、封止材ペーストとしては、成形体作製用の湿潤混合物と同一の組成の組成物を使用した。
(3)次に、封止材ペーストを充填したハニカム成形体に、実施例1の(2)の工程と同様の条件で、脱脂処理及び焼成処理を行い、ハニカム焼成体を作製した。
ここで、作製したハニカム焼成体は、気孔率が45%、平均気孔径が15μm、大きさが34.3mm×34.3mm×150mm、セルの数(セル密度)が46.5個/cm(300cpsi)、セル壁の厚さが0.25mm(10mil)の炭化ケイ素焼結体からなるハニカム焼成体である。
(4)次に、上記(3)の工程で作製したハニカム焼成体を用いて、実施例1の(5)及び(6)の工程と同様の方法を用いることにより、複数個のハニカム焼成体が接着材層を介して結束したハニカム構造体を作製した。
(ハニカム構造体の評価)
(1)圧力損失の測定
実施例1及び比較例1のそれぞれで製造したハニカム構造体を用いて、図4に示した排ガス浄化装置40を組み上げた。そして、排ガス浄化装置40の導入管43に2Lのコモンレール式ディーゼルエンジンを接続した。さらに、ハニカム構造体の前後に圧力計を取り付けた。
そして、エンジンを回転数1500min−1、トルク50Nmで運転し、運転開始から5分後の差圧を測定した。
(2)再生限界値の測定
実施例1及び比較例1のそれぞれで製造したハニカム構造体を用いて、図4に示した排ガス浄化装置40を組み上げた。そして、排ガス浄化装置40の導入管43に2Lのコモンレール式ディーゼルエンジンを接続した。
そして、エンジンを回転数2000min−1、トルク50Nmで所定時間運転し、その後、再生処理を行う実験を、運転時間を増加させながら継続して行い、ハニカム構造体(特に封止部)にクラックが発生するか否かを観察した。
そして、クラックが発生した際に捕集していたPMの量を再生限界値とした。
そして、実施例1で作製したハニカム構造体の圧力損失及び再生限界値は、比較例1(従来の方法)で作製したハニカム構造体と同程度であった。
(第二実施形態)
本実施形態では、ハニカム構造体の製造方法の工程順序が第一実施形態におけるハニカム構造体の製造方法の工程順序と異なる。
図5(a)〜図5(f)は、第二実施形態の製造工程を説明するための説明図である。
(1)本実施形態のハニカム構造体の製造方法では、まず、第一実施形態のハニカム構造体の製造方法の(1)〜(3)の工程と同様の方法を用いて、いずれのセルにも封止部が形成されていないハニカム焼成体120を作製する(図5(a)参照)。
(2)次に、上記(1)の工程で作製したハニカム焼成体120の側面に、接着材層となる接着材ペーストを塗布して接着材ペースト層を形成し、この接着材ペースト層の上に、順次他のハニカム焼成体を積層する工程を繰り返して所定数のハニカム焼成体が結束されたハニカム焼成体の集合体110′を作製する。
続いて、上記ハニカム焼成体の集合体を加熱して接着材ペースト層を固化させて接着材層11とする(図5(b)参照)。
ここで、接着材ペーストとしては、例えば、無機バインダと有機バインダと無機粒子とからなるものを使用する。また、上記接着材ペーストはさらに無機繊維及び/又はウィスカを含んでいてもよい。
(3)次に、上記(2)の工程で作製したハニカム焼成体の集合体110′を、長手方向の長さが2等分されるように、ダイヤモンドカッター、外周型ダイヤモンド砥石、内周型ダイヤモンド砥石、マルチワイヤ、マルチブレード等を用いて切断し、ハニカム焼成体の集合体110を作製する。作製したハニカム構造体の集合体110の長手方向の長さは、製造するハニカム構造体の設計値と同一である(図5(c)参照)。
(4)その後、各セルのいずれか一方の端部が封止されるように、セルの端部に封止材ペーストを充填する。さらに、充填した封止材ペーストを加熱により固化させて封止部を形成する(図5(d)、図5(e)参照)。
なお、図5(e)は、図5(d)のC−C線断面における部分拡大断面図である。
ここで、上記封止材ペーストとしては、上記(2)の工程で使用する接着材ペーストと略同一の組成のペーストを使用する。
(5)次に、第一実施形態の(7)の工程と同様の方法を用いて、図5(d)中の破線に沿った切削加工と、コート層12の形成とを行うことにより、ハニカム構造体10を完成する(図5(f)参照)。
ここで、コート層を形成する際のコート材ペーストとしては、上記(4)の工程で使用する封止材ペーストと略同一の組成のペーストを使用する。
本実施形態では、このような工程を経ることにより、両端の封止部がともに、封止材ペーストが固化されて形成された封止部であるハニカム構造体を製造することができる。
また、本実施形態で製造されるハニカム構造体の構成は、第一実施形態で製造されるハニカム構造体と同様である。
第二実施形態に係るハニカム構造体の製造方法では、第一実施形態の作用効果と同様の作用効果を享受することができる。
以下、本発明の第二実施形態をより具体的に開示した実施例を示す。なお、本発明はこの実施例のみに限定されるものではない。
(実施例2)
(1)まず、実施例1の(1)及び(2)の工程と同様の方法を用いて、気孔率が45%、平均気孔径が15μm、大きさが34.3mm×34.3mm×300.5mm、セルの数(セル密度)が46.5個/cm(300cpsi)、セル壁の厚さが0.25mm(10mil)の炭化ケイ素焼結体からなるハニカム焼成体を製造した。
(2)次に、上記(1)の工程を経て作製したハニカム焼成体の側面に接着材ペーストを塗布し、この接着材ペーストを介して上記ハニカム焼成体16個を接着させ、さらに、180℃で接着材ペーストを固化させることにより、四角柱状のハニカム焼成体の集合体を作製した。
ここで、接着材ペーストとしては、平均粒径0.6μmの炭化ケイ素粒子30.0重量%、シリカゾル21.4重量%、カルボキシメチルセルロース8.0重量%、及び、水40.6重量%からなる接着材ペーストを使用した。
(3)次に、上記ハニカム焼成体の集合体を板厚0.5mmの外周型ダイヤモンド砥石を用いて2等分し、長手方向の長さが150mmのハニカム焼成体の集合体とした。
(4)次に、実施例1の(4)の工程と同様の方法を用いて、各セルのいずれか一方の端部に封止部を形成した。
ここで、封止材ペーストとしては、上記(2)の工程で用いた接着材ペーストと同一の組成のペーストを使用した。
(5)その後、ダイヤモンドカッターを用いて、ハニカム焼成体の集合体の外周を切断することにより、接着材層の厚さ1mmの円柱状のハニカムブロックを作製し、さらに、実施例1の(6)の工程と同様の方法を用いてコート層を形成し、ハニカム構造体を製造した。
ここで、コート材ペーストとしては、上記(4)の工程で用いた封止材ペーストと同一の組成のペーストを使用した。
実施例2で作製したハニカム構造体の圧力損失及び再生限界値は、比較例1で作製したハニカム構造体と同程度であった。
(第三実施形態)
本実施形態では、ハニカム構造体の製造方法の工程順序が第一実施形態におけるハニカム構造体の製造方法の工程順序と異なる。
図6(a)〜図6(f)は、第三実施形態の製造工程を説明するための説明図である。
(1)本実施形態のハニカム構造体の製造方法では、まず、第一実施形態のハニカム構造体の製造方法の(1)〜(4)の工程と同様の方法を用いて、長手方向の長さが、製造するハニカム構造体の設計値の長手方向の長さと同一で、いずれのセルにも封止部が形成されていないハニカム焼成体20を作製する(図6(a)、図6(b)参照)。
(2)次に、上記(1)の工程で作製したハニカム焼成体20を、第1実施形態の(6)の工程と同様の方法を用いて接着材層11を介して複数個結束させ、ハニカム焼成体の集合体110を作製する。
ここで、接着材ペーストとしては、下記(3)の工程で使用する封止材ペーストと略同一の組成のペーストを使用する(図6(c)参照)。
(3)次に、上記ハニカム焼成体の集合体110において、各セル21のいずれか一方の端部が封止されるように、セル21の端部に封止材ペーストを充填する。さらに、充填した封止材ペーストを加熱により固化させて封止部22aを形成する(図6(d)、図6(e)参照)。
上記封止材ペーストとしては、第一実施形態の(5)の工程で充填する封止材ペーストと同様の封止材ペーストを使用する。なお、図6(e)は、図6(d)のD−D線断面における部分拡大断面図である。
(4)次に、第一実施形態の(7)の工程と同様の方法を用いて、切削加工とコート層の形成とを行うことにより、ハニカム構造体を完成する(図6(f)参照)。
ここで、コート材ペーストとしては、上記(3)の工程で使用する封止材ペーストと略同一の組成のペーストを使用する。
本実施形態では、このような工程を経ることにより、両端の封止部がともに、封止材ペーストを固化させることにより形成された封止部であるハニカム構造体を製造することができる。
また、本実施形態で製造されるハニカム構造体の構成は、第一実施形態で製造されるハニカム構造体と同様である。
第三実施形態に係るハニカム構造体の製造方法では、第一実施形態の作用効果と同様の作用効果を享受することができる。
以下、本発明の第三実施形態をより具体的に開示した実施例を示す。なお、本発明はこの実施例のみに限定されるものではない。
(実施例3)
(1)まず、実施例1の(1)〜(3)と同様の方法を用いて、34.3mm×34.3mm×150mmのハニカム焼成体を作製した。
(2)次に、上記(1)の工程を経て作製したハニカム焼成体の側面に接着材ペーストを塗布し、この接着材ペーストを介して上記ハニカム焼成体16個を接着させ、さらに、180℃、20分で接着材ペーストを固化させることにより、四角柱状のハニカム焼成体の集合体を作製した。
ここで、接着材ペーストとしては、平均粒径0.6μmの炭化ケイ素粒子30.0重量%、シリカゾル21.4重量%、カルボキシメチルセルロース8.0重量%、及び、水40.6重量%からなる接着材ペーストを使用した。
(3)次に、実施例1の(4)の工程と同様の方法を用いて、各セルのいずれか一方の端部に封止部を形成した。
ここで、封止材ペーストとしては、上記(2)の工程で使用した接着材ペーストと同一の組成のペーストを使用した。
(4)その後、ダイヤモンドカッターを用いて、ハニカム焼成体の集合体の外周を切断することにより、接着材層の厚さ1mmの円柱状のハニカムブロックを作製し、さらに、実施例1の(6)の工程と同様の方法を用いてコート層を形成し、ハニカム構造体を製造した。
ここで、コート材ペーストとしては、上記(3)の工程で使用した封止材ペーストと同一の組成のペーストを使用した。
実施例3で作製したハニカム構造体の圧力損失及び再生限界値は、比較例1で作製したハニカム構造体と同程度であった。
ここまで説明した第一実施形態〜第三実施形態は、ハニカム構造体の製造工程が異なるものの、製造されるハニカム構造体は、同様の構成を備えることとなる。
そして、各実施形態に係るハニカム構造体の製造方法の工程は、図7に示す通りである。
図7は、第一実施形態〜第三実施形態に係るハニカム構造体の製造方法における工程図である。
図7に示すように、第一実施形態〜第三実施形態に係るハニカム構造体の製造方法では、ハニカム焼成体を切断するタイミング、ハニカム焼成体を複数個結束させるタイミング、及び、切断して得たハニカム焼成体のセルに封止材ペーストを充填するタイミングが異なることとなる。
(第四実施形態)
まず、本実施形態におけるハニカム構造体の製造方法について工程順に説明する。
図8(a)〜図8(g)は、第四実施形態の製造工程を説明するための説明図である。
(1)セラミック原料として平均粒子径の異なる炭化ケイ素粉末と有機バインダと可塑剤と潤滑剤と水とを混合することにより、成形体作製用の湿潤混合物を調製する。
(2)上記湿潤混合物を押出成形機に投入し、上記湿潤混合物を押出成形することにより所定の形状のハニカム成形体130を作製する(図8(a)参照)。ここでは、各セルが所定の形状となるよう押出成形用金型を選定する。
なお、ここで作製するハニカム成形体130は、長手方向の長さが、製造するハニカム構造体の設計値の長手方向の長さの約2倍の長さを有する。このとき、ハニカム成形体の長さは、焼成時の収縮量と、切断される切り代とを考慮して決定する。
さらに、ハニカム成形体を乾燥機を用いて乾燥させる。
(3)さらに、ハニカム成形体130の各セルの所定の端部に、封止材ペーストを所定量充填し、各セルを封止する。セルを封止する際には、ハニカム成形体の端面に封止用のマスクを当てて、封止の必要なセルにのみ封止材ペーストを充填する。
ここで、封止材ペーストは、各端面においてセルが市松模様に封止され、かつ、各セルはいずれか一方の端部のみが封止されるように充填されている。
なお、封止材ペーストは、各端面において、セルが市松模様に封止され、かつ、各セルは両端部がともに封止されたセルと、両端部がともに封止されていないセルとが存在するように充填されていてもよい。
ここで、封止材ペーストとしては、上記湿潤混合物と略同一の組成の組成物を使用する。
(4)各セルの所定の端部が封止されたハニカム成形体中を焼成用治具に載置した後、脱脂炉中で加熱し、ハニカム成形体中の有機物を分解除去する脱脂処理を行う。
続いて、上記脱脂処理を施したハニカム成形体を焼成用治具に載置したまま、焼成炉内に投入し、所定の温度(例えば、2200〜2300℃)で焼成処理を行い、ハニカム焼成体120を作製する(図8(b)参照)。
ここで、ハニカム焼成体の両端部に形成された封止部は22bは、封止材ペーストが焼成された封止部である。
(5)次に、上記(4)の工程で作製したハニカム焼成体を長手方向に2等分に切断する。
上記ハニカム焼成体の切断は、ダイヤモンドカッター、外周型ダイヤモンド砥石、内周型ダイヤモンド砥石、マルチワイヤ、マルチブレード等を用いて行う。
このような切断処理を行うことにより、長手方向の長さが製造するハニカム構造体の設計値の長手方向の長さと同一のハニカム焼成体20を作製することができる(図8(c)参照)。
また、切断して得たハニカム焼成体20は、一方の端面側の所定のセルのみ封止部22bが形成されていることとなる。
(6)上記(1)〜(5)の工程を経て作製したハニカム焼成体20について、各セル21のいずれか一方の端部が封止されるように、封止する必要のあるセルの端部のうち、未だ封止されていないセルの端部に封止材ペーストを充填する。
ここで、封止材ペーストとしては、上記(3)で充填した封止材ペーストと同様、ハニカム成形体を作成する際に使用する湿潤混合物と略同一の組成を有するペースト状物を使用する。
(7)次に、上記(6)の工程を経たハニカム焼成体に再度、焼成処理を施す。
ここで、焼成処理は、上記(4)の工程と同様の方法で行う。
この工程を経ることにより、封止材ペーストに焼成処理を施して形成した封止部22bが各セル21の所定の端部に形成されたハニカム焼成体20を作製することができる(図8(d)参照)。
(8)次に、各セルの所定の端部が封止された上記ハニカム焼成体の側面に、接着材層11となる接着材ペーストを塗布して接着材ペースト層を形成し、この接着材ペースト層の上に、順次他のハニカム焼成体を積層する工程を繰り返して所定数のハニカム焼成体が結束されたハニカム焼成体の集合体110を作製する。ここで、接着材ペーストとしては、例えば、無機バインダと有機バインダと無機粒子とからなるものを使用する。また、上記接着材ペーストはさらに無機繊維及び/又はウィスカを含んでいてもよい。
続いて、上記ハニカム焼成体の集合体を加熱して接着材ペースト層を加熱により固化させて接着材層11とする(図8(e)、図8(f)参照)。
なお、図8(f)は、図8(e)のE−E線断面における部分拡大断面図である。
(9)その後、ダイヤモンドカッター等を用いてハニカム焼成体の集合体110に、図8(e)中の破線に沿った切削加工を施してハニカムブロックとし、ハニカムブロックの外周面にコート材ペーストを塗布し、コート材ペーストを加熱して固化させてコート層12を形成することによりハニカム構造体10を完成する(図8(g)参照)。
ここで、コート材ペーストとしては、例えば、上記(8)の工程で使用する接着材ペーストと略同一の組成を有するペーストを使用する。
次に、このような製造方法を経て製造されるハニカム構造体について、図面を参照しながら説明する。
図9(a)は、第四実施形態に係るハニカム構造体を構成するハニカム焼成体の一例を模式的に示す斜視図であり、図9(b)は、そのF−F線断面図である。
本実施形態のハニカム構造体は、図2に示したハニカム構造体10と同様、ハニカム焼成体が接着材層を介して複数個結束されてハニカムブロックを構成し、さらに、このハニカムブロックの外周にコート層が形成されている。
そして、本実施形態のハニカム構造体を構成するハニカム焼成体20は、図9(a)及び図9(b)に示すように、長手方向(図9(a)中、矢印aの方向)に多数のセル21が並設され、セル21同士を隔てるセル壁23がフィルタとして機能するようになっている。
即ち、ハニカム焼成体20に形成されたセル21は、図9(b)に示すように、排ガスの入口側の端部が封止材ペーストを焼成させて形成した封止部22bで封止されるか、又は、排ガスの出口側の端部が封止材ペーストを焼成させて形成した封止部22bで封止され、排ガスの出口側の端部が封止されたセル21に流入した排ガスは、必ずセル21を隔てるセル壁23を通過した後、ガスの入口側の端部が封止されたセル21から流出するようになっており、排ガスがこのセル壁23を通過する際、PMがセル壁23部分で捕捉され、排ガスが浄化される。
なお、図9(b)中、矢印は排ガスの流れを示す。
従って、本実施形態で製造されるハニカム構造体は、セルを封止する封止部について、一方の端面側を封止する封止部が1回の焼成処理を経て形成され、他方の端面側を封止する封止部が2回の焼成処理を経て形成されている以外は、第一実施形態で製造されるハニカム構造体と同様の構成を備えている。
以下、第四実施形態の作用効果について説明する。
(1)本実施形態では、ハニカム構造体を製造する際に、ハニカム成形体に焼成処理を施してハニカム焼成体を作製した後、得られたハニカム焼成体を切断している。
このように、焼成処理後に切断処理を行うことにより、作製する各ハニカム焼成体の長手方向の寸法精度が優れることとなり、各ハニカム焼成体の大きさのバラツキを小さくすることができる。従って、本実施形態は、特に研磨処理を行うことなく、端面の凹凸の少ないハニカム構造体を製造するのに適している。
また、ハニカム焼成体を作製した後、得られたハニカム焼成体を切断しているため、1つのハニカム成形体から2つのハニカム焼成体を作製することとなり、ハニカム焼成体を効率良く作製することができる。その結果、ハニカム構造体の生産効率が向上し、単位時間あたりのハニカム構造体の生産個数を増やすことができるので、製造コストを低減させることにつながる。
(2)本実施形態では、セルの端部を封止する封止部について、封止材ペーストを充填した後、1回又は2回の焼成処理を経て封止部が形成されているため、各セルの所定の端部が確実に封止されることとなる。
(3)本実施形態では、ハニカム構造体の外周にコート層を形成するため、製造したハニカム構造体は、排ガスを浄化する際に、ハニカム構造体の外周側面からPMが漏れることがなく、信頼性に優れることとなる。
以下、本発明の第四実施形態をより具体的に開示した実施例を示す。なお、本発明はこの実施例のみに限定されるものではない。
(実施例4)
(1)実施例1の(1)の工程と同様にして、図3(a)に示した形状と略同様の形状であって、セルの封止をしていない生のハニカム成形体を作製した。
(2)次いで、マイクロ波乾燥機を用いて上記生のハニカム成形体を乾燥させ、ハニカム成形体の乾燥体を作製した。その後、上記ハニカム成形体の乾燥体の所定のセルに封止材ペーストを充填した。具体的には、各セルにおいて、いずれか一方の端部が封止されるように封止材ペーストを充填した。その後、再び乾燥機を用いて乾燥させた。
ここで、封止材ペーストとしては、ハニカム成形体を押出成形にて作製する際に使用する湿潤混合物と同一の組成のペーストを使用した。
(3)次に、ハニカム成形体の乾燥体を焼成用治具に載置した後、400℃で脱脂処理を行い、さらに、常圧のアルゴン雰囲気下2200℃、3時間の条件で焼成処理を行うことにより、気孔率が45%、平均気孔径が15μm、大きさが34.3mm×34.3mm×300.5mm、セルの数(セル密度)が46.5個/cm(300cpsi)、セル壁の厚さが0.25mm(10mil)の炭化ケイ素焼結体からなるハニカム焼成体を製造した。
(4)次に、実施例1の(3)の工程と同様の方法で、上記ハニカム焼成体を2等分し、所定のセルの一方の端面側のみ封止された大きさが34.3mm×34.3mm×150mmのハニカム焼成体を作製した。
(5)次に、上記(4)の工程で得たハニカム焼成体について、各セルのいずれか一方の端部が封止されるように、未だ封止されていないセルの端部に封止材ペーストを充填した。
ここで、封止材ペーストとしては、ハニカム成形体を押出成形にて作製する際に使用する湿潤混合物と同一の組成のペーストを使用した。
(6)次に、上記(3)の工程と同様の条件で、ハニカム焼成体に再度焼成処理を施した。
この工程では、上記(5)の工程で充填した封止材ペーストが、焼成処理を経て形成された封止部となる。
(7)次に、上記(1)〜(6)の工程を経て作製したハニカム焼成体の側面に接着材ペーストを塗布し、この接着材ペーストを介して上記ハニカム焼成体16個を接着させ、さらに、180℃、20分で接着材ペーストを固化させることにより、四角柱状のハニカム焼成体の集合体を作製し、続いて、ダイヤモンドカッターを用いて、ハニカム焼成体の集合体の外周を切断することにより、接着材層の厚さが1mmの円柱状のハニカムブロックを作製した。
ここで、接着材ペーストとしては、平均粒径0.6μmの炭化ケイ素粒子30.0重量%、シリカゾル21.4重量%、カルボキシメチルセルロース8.0重量%、及び、水40.6重量%からなる接着材ペーストを使用した。
(8)次に、ハニカムブロックの外周部にコート材ペーストを塗布し、コート材ペースト層を形成した。そして、このコート材ペースト層を180℃、20分で乾燥して、外周にコート層が形成された直径143.8mm×長さ150mmの円柱状のハニカム構造体を製造した。
ここで、コート材ペーストとしては、上記(7)の工程で使用した接着材ペーストと同一の組成のペーストを使用した。
このような実施例4で作製したハニカム構造体では、一方の端面側の封止部は1回の焼成処理を経て形成されており、他方の端面側の封止部は2回の焼成処理を経て形成されていることとなる。
実施例4で作製したハニカム構造体の圧力損失及び再生限界値は、比較例1で作製したハニカム構造体と同程度であった。
(第五実施形態)
本実施形態では、ハニカム構造体の製造方法の工程順序が第四実施形態におけるハニカム構造体の製造方法の工程順序と異なる。
図10(a)〜図10(g)は、第五実施形態の製造工程を説明するための説明図である。
(1)まず、第四実施形態のハニカム構造体の製造方法の(1)〜(6)の工程と同様の方法を用いて、長手方向の長さが製造するハニカム構造体の設計値の長手方向の長さと同一のハニカム構造体20を作製する。作製されたハニカム焼成体では、一方の端面側に焼成処理を経た封止部22bが形成され、他方の端面に封止材ペースト122が充填されている(図10(a)、図10(b)参照)。
(2)次に、上記(1)の工程で作製したハニカム焼成体20の側面に、接着材層となる接着材ペーストを塗布して接着材ペースト層111を形成し、この接着材ペースト層111の上に、順次他のハニカム焼成体20を積層する工程を繰り返して所定数のハニカム焼成体が結束されたハニカム焼成体の集合体110を作製する(図10(c)、図10(d)参照)。なお、図10(d)は、図10(c)のG−G線断面における部分拡大断面図である。
ここで、接着材ペーストとしては、ハニカム成形体を作製する際に使用する湿潤混合物と略同一の組成のペーストを使用する。
(3)次に、上記(2)の工程で作製したハニカム焼成体の集合体110に、焼成処理を施す。
ここで、焼成処理は、第四実施形態の(4)の工程と同様の方法で行う。
この工程を経ることにより、焼成処理を経た封止部22b及び接着材層11′が形成されることとなる(図10(e)、図10(f)参照)。なお、図10(f)は、図10(e)のH−H線断面における部分拡大断面図である。
(4)その後、第四実施形態の(9)の工程と同様の工程を経ることにより、ハニカム構造体10を完成する(図10(g)参照)。
本実施形態では、このような工程を経ることによりハニカム構造体を製造することができる。
また、本実施形態の製造方法により製造されるハニカム構造体の構成は、接着材層が焼成処理を経て形成されている以外は、第四実施形態のハニカム構造体の構成と同様である。
第五実施形態に係るハニカム構造体の製造方法では、第四実施形態の作用効果と同様の作用効果を享受することができる。
また、本実施形態では、接着材層を焼成処理を経て形成しているため、ハニカム焼成体同士を接着する力が強くなり、ハニカム構造体でPMを捕集した後、ハニカム構造体の再生処理を行った際に、熱によるクラックが発生しにくい。さらに、使用時に排ガスの圧力によるハニカム焼成体の位置ズレや、ハニカム焼成体の抜けが発生することを防止することができる。
以下、本発明の第五実施形態をより具体的に開示した実施例を示す。なお、本発明はこの実施例のみに限定されるものではない。
(実施例5)
(1)まず、実施例4の(1)〜(4)の工程と同様の方法を用いて、所定のセルの一方の端面側のみ封止された大きさが34.3mm×34.3mm×150mmのハニカム焼成体を作製した。
(2)上記(1)の工程で得たハニカム焼成体について、各セルのいずれか一方の端部が封止されるように、未だ封止されていないセルの端部に封止材ペーストを充填した。
ここで、封止材ペーストとしては、ハニカム成形体を押出成形にて作製する際に使用する湿潤混合物と同一の組成のペーストを使用した。
(3)次に、上記(1)、(2)の工程を経て作製したハニカム焼成体の側面に接着材ペーストを塗布し、この接着材ペーストを介して上記ハニカム焼成体16個を接着させ、ハニカム焼成体の集合体を作製した。
ここで、接着材ペーストとしては、上記(2)の工程で使用した封止材ペーストと同一の組成のペーストを使用した。
(4)次に、実施例4の(3)の工程と同様の条件で、ハニカム焼成体に再度焼成処理を施した。
この工程では、上記(2)の工程で充填した封止材ペースト、及び、上記(3)工程で塗布した接着材ペーストが、焼成処理を経て、それぞれ封止部及び接着材層となる。
(5)その後、ハニカム焼成体の集合体の外周を切断することにより、接着材層の厚さ1mmの円柱状のハニカムブロックを作製し、さらに、実施例4の(8)の工程と同様の方法を用いてコート層の形成を行い、ハニカム構造体を完成した。
実施例5で作製したハニカム構造体の圧力損失及び再生限界値は、比較例1で作製したハニカム構造体と同程度であった。
(第六実施形態)
本実施形態では、ハニカム構造体の製造方法の工程順序が第四実施形態におけるハニカム構造体の製造方法の工程順序と異なる。
図11(a)〜図11(g)は、第六実施形態の製造工程を説明するための説明図である。
(1)本実施形態のハニカム構造体の製造方法では、まず、第四実施形態のハニカム構造体の製造方法の(1)〜(5)の工程と同様の方法を用いて、長手方向の長さが製造するハニカム構造体の設計値の長手方向の長さと同一で、一方の端面側の所定のセルのみ焼成処理を経た封止部22bが形成されているハニカム焼成体20を作製する(図11(a)、図11(b)参照)。
(2)次に、一方の端面側の所定のセルの端部が封止されたハニカム焼成体20の側面に、接着材層となる接着材ペーストを塗布して接着材ペースト層111を形成し、この接着材ペースト層111の上に、順次他のハニカム焼成体20を積層する工程を繰り返して所定数のハニカム焼成体20が結束されたハニカム焼成体の集合体110を作製する(図11(c)、図11(d)参照)。なお、図11(d)は、図11(c)のI−I線断面における部分拡大断面図である。
ここで、接着材ペーストとしては、ハニカム成形体を作成する際に使用する湿潤混合物と略同一の組成を有するペースト状物を使用する。
(3)次に、ハニカム焼成体の集合体110において、各セルのいずれか一方の端部が封止されるように、封止する必要のあるセルの端部のうち、未だ封止されていないセルの端部に封止材ペーストを充填する。
ここで、封止材ペーストとしては、ハニカム成形体を作成する際に使用する湿潤混合物と略同一の組成を有するペースト状物を使用する。
(4)上記(3)の工程を経たハニカム焼成体の集合体110に再度、焼成処理を施す。
ここで、焼成処理は、第四実施形態の(4)の工程と同様の方法で行う。
この工程を経ることにより、封止材ペーストに焼成処理を施して形成した封止部22bが各セル21の所定の端部に形成されたハニカム焼成体の集合体110を製造することができる(図11(e)、図11(f)参照)。なお、図11(f)は、図11(e)のJ−J線断面における部分拡大断面図である。
また、この工程を経たハニカム焼成体の集合体110では、接着材層11′も焼成処理を経て形成されていることとなる。
(5)次に、第四実施形態の(9)の工程と同様の工程を行うことにより、ハニカム構造体10を完成する(図11(g)参照)。
本実施形態では、このような工程を経ることによりハニカム構造体を製造することができる。
また、本実施形態で製造されるハニカム構造体の構成は、第五実施形態で製造されるハニカム構造体の構成と同様である。
第六実施形態に係るハニカム構造体の製造方法では、第五実施形態の作用効果と同様の作用効果を享受することができる。
以下、本発明の第六実施形態をより具体的に開示した実施例を示す。なお、本発明はこの実施例のみに限定されるものではない。
(実施例6)
(1)まず、実施例4の(1)〜(4)の工程と同様の方法を用いて、所定のセルの一方の端面側のみ封止された大きさが34.3mm×34.3mm×150mmのハニカム焼成体を作製した。
(2)次に、上記(1)の工程を経て作製したハニカム焼成体の側面に接着材ペーストを塗布し、この接着材ペーストを介して上記ハニカム焼成体16個を接着させ、ハニカム焼成体の集合体を作製した。
ここで、接着材ペーストとしては、ハニカム成形体を押出成形にて作製する際に使用する湿潤混合物と同一の組成のペーストを使用した。
(3)上記(2)の工程で得たハニカム焼成体の集合体について、各セルのいずれか一方の端部が封止されるように、未だ封止されていないセルの端部に封止材ペーストを充填した。
ここで、封止材ペーストとしては、ハニカム成形体を押出成形にて作製する際に使用する湿潤混合物と同一の組成のペーストを使用した。
(4)次に、実施例4の(3)の工程と同様の条件で、ハニカム焼成体に再度焼成処理を施した。
この工程では、上記(2)工程で塗布した接着材ペースト、及び、上記(3)の工程で充填した封止材ペーストが、焼成処理を経て、それぞれ接着材層及び封止部となる。
(5)その後、ハニカム焼成体の集合体の外周を切断することにより、接着材層の厚さ1mmの円柱状のハニカムブロックを作製し、さらに、実施例4の(8)の工程と同様の方法を用いてコート層の形成を行い、ハニカム構造体を完成した。
実施例6で作製したハニカム構造体の圧力損失及び再生限界値は、比較例1で作製したハニカム構造体と同程度であった。
ここまで説明した第四実施形態〜第六実施形態は、2回目の焼成処理を行うタイミングが異なるか、封止材ペーストを充填するタイミングが異なることとなる。
そして、各実施形態に係るハニカム構造体の製造方法の工程は、図12に示す通りである。
図12は、第四実施形態〜第六実施形態に係るハニカム構造体の製造方法における工程図である。
図12に示すように、第四実施形態及び第五実施形態に係るハニカム構造体の製造方法では、2回目の焼成処理を行うタイミングが異なり、その結果、焼成処理が施される対象が異なることとなる。また、第六実施形態に係るハニカム構造体の製造方法では、第五実施形態に比べて、ハニカム焼成体を複数個結束するタイミングが異なることとなる。
(第七実施形態)
本実施形態は、セルの所定の端部に充填した封止材ペーストを焼成して封止部を形成する点で、第一実施形態におけるハニカム構造体の製造方法と異なる。
(1)本実施形態のハニカム構造体の製造方法では、まず、第一実施形態のハニカム構造体の製造方法の(1)〜(4)の工程と同様の方法を用いて、いずれのセルにも封止部が形成されていないハニカム焼成体を作製する。
(2)次に、上記ハニカム焼成体の各セルのいずれか一方の端部が封止されるように、セルの端部に封止材ペーストを充填する。その後、第一実施形態の(3)の工程と同様の条件で焼成処理を行い、上記封止材ペーストを焼成することにより封止部を形成する。
なお、ここで充填する封止材ペーストとしては、例えば、ハニカム成形体を作成する際に使用する湿潤混合物と略同一の組成を有するペースト状物を使用する。
(3)次に、第一実施形態の(6)及び(7)の工程と同様にして、ハニカム構造体を完成する。
なお、この際、接着材ペースト及びコート材ペーストとしては、例えば、無機バインダと有機バインダと無機粒子とからなるものを使用する。また、上記ペーストはさらに無機繊維及び/又はウィスカを含んでいてもよい。
本実施形態では、このような工程を経ることにより、両端の封止部がともに、焼成処理を経て形成された封止部であるハニカム構造体を製造することができる。
また、本実施形態で製造されるハニカム構造体の構成は、封止部が焼成処理を経て形成されている以外は、第一実施形態で製造されるハニカム構造体と同様である。
第七実施形態に係るハニカム構造体の製造方法では、第一実施形態の(1)及び(3)の作用効果と同様の作用効果を享受することができる。
(第八実施形態)
本実施形態は、接着材ペーストを焼成して接着材層を形成し、コート材ペーストを焼成してコート層を形成する点で、第七実施形態におけるハニカム構造体の製造方法と異なる。
(1)本実施形態のハニカム構造体の製造方法では、まず、第一実施形態のハニカム構造体の製造方法の(1)〜(4)の工程と同様の方法を用いて、いずれのセルにも封止部が形成されていないハニカム焼成体を作製する。
(2)次に、上記ハニカム焼成体の各セルのいずれか一方の端部が封止されるように、セルの端部に封止材ペーストを充填する。
(3)次に、上記ハニカム焼成体の側面に、接着材層となる接着材ペーストを塗布して接着材ペースト層を形成し、この接着材ペースト層の上に、順次他のハニカム焼成体を積層する工程を繰り返して所定数のハニカム焼成体が結束されたハニカム焼成体の集合体を作製する。
ここで、接着材ペーストとしては、ハニカム成形体を作製する際に使用する湿潤混合物と略同一の組成のペーストを使用する。
(4)次に、上記(3)の工程で作製したハニカム焼成体の集合体に、第一実施形態の(3)の工程と同様の条件で焼成処理を施す。
この工程を経ることにより、上記(2)の工程で充填した封止材ペースト、及び、上記(3)の工程で形成した接着材ペースト層が焼成され、それぞれ封止部及び接着材層が形成されることとなる。
(5)次に、その後、ダイヤモンドカッター等を用いてハニカム焼成体の集合体に切削加工を施してハニカムブロックとし、ハニカムブロックの外周面にコート材ペーストを塗布し、コート材ペーストを加熱により焼成してコート層を形成することによりハニカム構造体を完成する。
ここで、コート材ペーストとしては、ハニカム成形体を作製する際に使用する湿潤混合物と略同一の組成のペーストを使用する。
本実施形態では、このような工程を経ることにより、両端の封止部がともに、焼成処理を経て形成された封止部であり、接着材層が焼成処理を経て形成された接着材層であり、コート層が焼成処理を経て形成されたコート層であるハニカム構造体を製造することができる。
第八実施形態に係るハニカム構造体の製造方法では、第四実施形態の作用効果と同様の作用効果を享受することができる。
以上、第一〜第八の実施形態に係るハニカム構造体の製造方法は、所定のセルが封止されているハニカム構造体の製造方法である。従って、このようなハニカム構造体は、フィルタとして好適に使用することができる。
また、第一〜第八の実施形態で製造されるハニカム構造体を構成するハニカム焼成体は、構成材料の主成分が炭化ケイ素であるが、本発明の実施形態で製造されるハニカム構造体を構成するハニカム焼成体の構成材料の主成分は、例えば、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、窒化ホウ素、窒化チタン等の窒化物セラミック、炭化ジルコニウム、炭化チタン、炭化タンタル、炭化タングステン等の炭化物セラミック、アルミナ、ジルコニア、コージェライト、ムライト、チタン酸アルミニウム等の酸化物セラミック等であってもよい。
これらのなかでは、非酸化物セラミックが好ましく、炭化ケイ素が特に好ましい。耐熱性、機械強度、熱伝導率等に優れるからである。
なお、上述したセラミックに金属ケイ素を配合したケイ素含有セラミック、ケイ素やケイ酸塩化合物で結合されたセラミック等も構成材料の主成分として挙げられ、これらのなかでは、炭化ケイ素に金属ケイ素が配合されたもの(ケイ素含有炭化ケイ素)が望ましい。特に、炭化ケイ素を60wt%以上含むケイ素含有炭化ケイ素質セラミックが望ましい。
(第九実施形態)
第一〜第八の実施形態に係るハニカム構造体の製造方法は、所定のセルが封止されているハニカム構造体の製造方法であるが、本実施形態のハニカム構造体の製造方法は、セルが封止されていないハニカム構造体の製造方法である。
図13(a)〜図13(d)は、第九実施形態の製造工程を説明するための説明図である。
(1)本実施形態のハニカム構造体の製造方法では、まず、セラミック原料として下記のセラミック原料を使用する以外は、第一実施形態のハニカム構造体の製造方法の(1)及び(2)の工程と同様の方法を用いて、乾燥処理がされたハニカム成形体を作製する。
本実施形態では、セラミック原料として、シリカ−アルミナ繊維とアルミナ粒子と無機バインダとを含む湿潤混合物を使用する。
(2)次に、第一実施形態のハニカム構造体の製造方法の(3)の工程と同様の方法を用いて、ハニカム成形体に脱脂処理及び焼成処理を施し、ハニカム焼成体120を作製する(図13(a)参照)。
ここで、脱脂条件は、400℃、2時間が望ましい。また、焼成温度は、600〜1200℃が望ましく、600〜1000℃がより望ましい。
(3)次に、第一実施形態のハニカム構造体の製造方法の(4)、(6)及び(7)の工程と同様の工程を行うことにより、セルが封止されていないハニカム構造体10を完成する(図13(b)〜図13(d)参照)。
この際、接着材ペーストとコート材ペーストとは略同一の組織のペーストを使用する。
上記接着材ペースト及びコート材ペーストとしては、例えば、無機バインダとセラミック粒子と無機繊維及び/又はウィスカとを混合したもの等を使用する。
このような製造方法で製造されたハニカム構造体は、触媒担体として好適に使用することができる。
第九実施形態に係るハニカム構造体の製造方法では、第一実施形態の(1)の作用効果と同様の作用効果を享受することができる。
また、本実施形態では、接着材層とコート層とを略同一の材料を用いて形成しているため、製造したハニカム構造体において、構成材料の熱膨張係数の差に起因した内部応力が発生しにくく、より信頼性に優れることとなる。
以下、本発明の第九実施形態をより具体的に開示した実施例を示す。なお、本発明はこの実施例のみに限定されるものではない。
(実施例7)
(1)平均粒子径2μmのγアルミナ粒子40重量%と、シリカ−アルミナ繊維(平均繊維径10μm、平均繊維長100μm、アスペクト比10)10重量%、シリカゾル(固体濃度30重量%)50重量%を混合し、得られた混合物100重量部に対して、メチルセルロース(有機バインダ)6重量部、可塑剤及び潤滑剤を少量加えて混錬して湿潤混合物を得た後、押出成形する押出成形工程を行い、図3(a)に示した形状と略同様の形状であって、セルの封止をしていない生のハニカム成形体を作製した。
(2)次に、マイクロ波乾燥機及び熱風乾燥機を用いて上記生のハニカム成形体を乾燥させ、ハニカム成形体の乾燥体を作製した。そして、ハニカム成形体の乾燥体を焼成用治具に載置した後、400℃で脱脂処理を行い、さらに、800℃、2時間の条件で焼成処理を行うことにより、気孔率が45%、平均気孔径が15μm、大きさが34.3mm×34.3mm×300.5mm、セルの数(セル密度)が93個/cm(600cpsi)、セル壁の厚さが0.2mmのセルが封止されていないハニカム焼成体を製造した。
(3)次に、上記ハニカム焼成体を板厚0.5mmの外周型ダイヤモンド砥石を用いて2等分し、34.3mm×34.3mm×150mmのハニカム焼成体とした。
(4)次に、上記(1)〜(3)の工程を経て作製したハニカム焼成体の側面に接着材ペーストを塗布し、この接着材ペーストを介して上記ハニカム焼成体16個を接着させて四角柱状のハニカム焼成体の集合体を作製し、続いて、ダイヤモンドカッターを用いて、ハニカム焼成体の集合体の外周を切断することにより、円柱状のハニカムブロックを作製した。
ここで、接着材ペーストとしては、γアルミナ(平均粒子径2μm)29重量%、シリカ−アルミナ繊維(平均繊維径10μm、平均繊維長100μm)7重量%、シリカゾル(固体濃度30重量%)34重量%、カルボキシメチルセルロース5重量%、及び、水25重量%を混合して得たペーストを使用した。
(5)次に、ハニカムブロックの外周部にコート材ペーストを塗布し、コート材ペースト層を形成した。ここで、コート材ペーストとしては、上記(4)の工程で使用した接着材ペーストと同様のペーストを使用した。
次に、接着材ペーストとコート材ペーストとを120℃で乾燥させ、さらに、700℃、2時間の条件で固化させ、接着材層の厚さが1mmで、外周にコート層が形成された直径143.8mm×長さ150mmの円柱状のハニカム構造体を製造した。
(第十実施形態)
本実施形態では、ハニカム構造体の製造方法の工程順序が第九実施形態におけるハニカム構造体の製造方法の工程順序と異なる。
図14(a)〜図14(e)は、第十実施形態の製造工程を説明するための説明図である。
(1)本実施形態のハニカム構造体の製造方法では、まず、第九実施形態のハニカム構造体の製造方法の(1)及び(2)の工程と同様の工程を行うことにより、ハニカム焼成体120を作製する(図14(a)参照)。
(2)次に、第二実施形態のハニカム構造体の製造方法の(2)の工程と同様の方法を用いて、所定数のハニカム焼成体が結束されたハニカム焼成体の集合体110′を作製する(図14(b)参照)。
(3)次に、第二実施形態のハニカム構造体の製造方法の(3)の工程と同様の方法を用いて、ハニカム焼成体の集合体110′を切断し、ハニカム焼成体の集合体110を製造する(図14(c)参照)。
(4)次に、第二実施形態のハニカム構造体の製造方法の(5)の工程と同様の方法を用いて、図14(d)中の破線に沿ったの切削加工と、コート層12の形成とを行い、セルが封止されていないハニカム構造体10を完成する(図14(e)参照)。
このような製造方法で製造されたハニカム構造体は、触媒担体として好適に使用することができる。
第十実施形態に係るハニカム構造体の製造方法では、第九実施形態の作用効果と同様の作用効果を享受することができる。
以下、本発明の第十実施形態をより具体的に開示した実施例を示す。なお、本発明はこの実施例のみに限定されるものではない。
(実施例8)
(1)実施例7の(1)及び(2)の工程と同様の方法を用いて、気孔率が45%、平均気孔径が15μm、大きさが34.3mm×34.3mm×300.5mm、セルの数(セル密度)が93個/cm(600cpsi)、セル壁の厚さが0.2mmのセルが封止されていないハニカム焼成体を製造した。
(2)次に、上記(1)の工程を経て作製したハニカム焼成体の側面に接着材ペーストを塗布し、この接着材ペーストを介して上記ハニカム焼成体16個を接着させて四角柱状のハニカム焼成体の集合体を作製した。
ここで、接着材ペーストとしては、実施例7の(4)の工程で使用したものと同様の接着材ペーストを使用した。
(3)次に、上記ハニカム焼成体の集合体を板厚0.5mmの外周型ダイヤモンド砥石を用いて2等分した。
続いて、ダイヤモンドカッターを用いて、ハニカム焼成体の集合体の外周を切断することにより、円柱状のハニカムブロックを作製した。
(4)次に、ハニカムブロックの外周部にコート材ペーストを塗布し、コート材ペースト層を形成した。ここで、コート材ペーストとしては、上記(2)の工程で使用した接着材ペーストと同様のペーストを使用した。
次に、接着材ペーストとコート材ペーストとを120℃で乾燥させ、さらに、700℃、2時間の条件で固化させ、接着材層の厚さが1mmで、外周にコート層が形成された直径143.8mm×長さ150mmの円柱状のハニカム構造体を製造した。
ここまで説明した第九及び第十実施形態は、ハニカム構造体の製造工程が異なるものの、製造されるハニカム構造体は、同様の構成を備えることとなる。
そして、各実施形態に係るハニカム構造体の製造方法の工程は、図15に示す通りである。
図15は、第九実施形態及び第十実施形態に係るハニカム構造体の製造方法における工程図である。
図15に示すように、第九実施形態及び第十実施形態に係るハニカム構造体の製造方法では、ハニカム焼成体を切断するタイミング、及び、ハニカム焼成体を複数個結束させるタイミングが異なることとなる。
以上、第九及び第十の実施形態に係るハニカム構造体の製造方法は、セルが封止されていないハニカム構造体の製造方法である。従って、このようなハニカム構造体は、触媒担体として好適に使用することができる。
また、第九及び第十の実施形態に係るハニカム構造体の製造方法では、セラミック原料として、無機繊維(シリカ−アルミナ繊維)と無機粒子(アルミナ粒子)と無機バインダとを含む湿潤混合物を使用することが望ましい。
上記無機繊維としては、シリカ−アルミナ繊維以外に、例えば、アルミナ繊維、シリカ繊維、炭化珪素繊維、ガラス繊維、チタン酸カリウム繊維等が使用できる。これらは単独で用いても良いし、2種以上併用してもよい。
上記無機粒子としては、アルミナ粒子以外に、例えば、炭化珪素、窒化珪素、シリカ、ジルコニア、チタニア、セリア、ムライト等が使用できる。これらは単独で用いても良いし、2種以上併用してもよい。
上記無機バインダとしては特に限定されないが、例えば、無機ゾル、粘土系バインダ等が挙げられる。上記無機ゾルとしては、アルミナゾル、シリカゾル、チタニアゾル、又は、水ガラスが望ましい。上記粘土系バインダとしては、白土、カオリン、モンモリロナイト、又は、複鎖構造型粘土(セピオライト、アタパルジャイト等)が望ましい。これらは単独で用いても良いし、2種以上併用してもよい。なお、無機バインダは必ずしも配合されていなくてもよい。
また、上記セラミック原料には、有機バインダ、分散媒、成形助剤等を適宜添加してもよい。
このようなセラミック原料は、高比表面積を有し、触媒担体(ハニカム触媒)として使用することができるハニカム構造体を製造するのに適している。
第九及び第十実施形態では、触媒担体として使用するハニカム構造体を製造するためのセラミック原料として、無機繊維、無機粒子及び無機バインダを含むセラミック原料を使用しているが、触媒担体として使用するハニカム構造体を製造するためのセラミック原料としては、コージエライト、又は、チタン酸アルミニウムの焼成体を作製するための原料を使用してもよい。
なお、これらのセラミック原料を使用する場合には、セラミック原料に応じて、脱脂条件や焼成条件を適宜変更する。また、これらのセラミック原料を使用する場合には、ハニカム構造体は、一つのハニカムユニットから構成されているのが望ましいが、複数のハニカムユニットから構成されていてもよい。
(その他の実施形態)
第一〜第十の実施形態に係るハニカム構造体において、各セルのハニカム焼成体の長手方向に垂直な断面の形状は、全て同一で、かつ、4角形であるが、本発明の実施形態のハニカム構造体において、各セルのハニカム焼成体の長手方向に垂直な断面の形状は、例えば、8角形と4角形等であってもよい。
図16(a)、(b)に示したハニカム焼成体70は、多数のセル71a、71bがセル壁73を隔てて長手方向(図16(a)中、矢印Bの方向)に並設されており、セル71a、71bはいずれか一方の端部が封止部72aにより封止されている。
ここで、セル71aの上記長手方向に垂直な断面の形状は4角形であり、セル71bの上記長手方向に垂直な断面の形状は8角形である。
この場合、ハニカム構造体のセルは所定の端部は、第一〜第八の実施形態と同様に封止してもよいし、第九及び第十の実施形態と同様に封止しなくてもよい。
第一〜第十の実施形態のハニカム構造体の製造方法では、四角柱状のハニカム構造体を複数個結束させて、ハニカム焼成体の集合体を作製した後、切削加工を施してハニカムブロックを作製しているが、本発明の実施形態のハニカム構造体の製造方法では、予め、所定の形状で作製したハニカム焼成体を複数個結束してハニカムブロックとしてもよい。
図17(a)〜(c)は、本発明の実施形態のハニカム構造体の製造方法で作製するハニカム焼成体の別の一例を模式的に示す斜視図である。
即ち、図17(a)〜(c)に示したような、複数のセル221、231、241がセル壁223、233、243を隔てて形成されたハニカム焼成体220、230、240を所定の個数ずつ結束させてセラミックブロックとしてもよい。
なお、図2に示したハニカムブロック15を作製する場合は、ハニカム焼成体220、240をそれぞれ4個ずつ、ハニカム焼成体230を8個使用すればよい。
この場合、ハニカム構造体のセルは所定の端部は、第一〜第八の実施形態と同様に封止してもよいし、第九及び第十の実施形態と同様に封止しなくてもよい。
ここまで説明した本発明の実施形態では、製造したハニカム構造体に触媒を担持させることは記載していないが、本発明の実施形態で製造されたハニカム構造体は、触媒を担持させてもよい。
ハニカム構造体に触媒を担持させる方法としては、例えば、ハニカム構造体の表面に比表面積の高いアルミナ等からなる酸化物膜(酸化物層)を形成し、この酸化物膜の表面に、貴金属、アルカリ金属、アルカリ土類金属、これらの酸化物等を含む触媒を付与する方法等が挙げられる。
なお、触媒の担持は、ハニカム構造体を完成した後ではなく、湿潤混合物中の無機粒子(セラミック粉末)に担持させてもよい。
このような方法を用いることにより、ハニカム構造体に触媒を担持させることができ、触媒が担持されたハニカム構造体や、このハニカム構造体を用いた排ガス浄化装置では排ガスに含有されるCO、HC及びNOx等の有害成分を浄化することができる。また、PM の燃焼温度を低下させることもできる。
本発明の実施形態で使用する封止材ペーストが少なくとも無機粒子と無機バインダとを含むペーストである場合、無機粒子としては、例えば、炭化物、窒化物等を挙げることができる。具体的には、炭化ケイ素、窒化ケイ素、窒化ホウ素からなる無機粉末等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。無機粒子のなかでは、熱伝導性に優れる炭化ケイ素が望ましい。
また、無機バインダとしては、例えば、シリカゾル、アルミナゾル等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。無機バインダのなかでは、シリカゾルが望ましい。
また、上記封止材ペーストは、さらに無機繊維及び/又はウィスカを含んでいてもよく、この場合、無機繊維及び/又はウィスカとしては、例えば、シリカ−アルミナ、ムライト、アルミナ、シリカ等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。無機繊維及び/又はウィスカのなかでは、アルミナが望ましい。
また、上記封止材ペーストについては既に説明したように、ハニカム焼成体を押出成形にて作製する際に使用する湿潤混合物と略同一の組成を有するものであってもよい。
そして、焼成処理を経ることなく形成した封止部の形成に使用する封止材ペーストは、前者(少なくとも無機粒子と無機バインダとを含む封止材ペースト)が望ましく、焼成処理を経て形成した封止部の形成に使用する封止材ペーストは、後者(湿潤混合物)が望ましい。
ただし、前者の封止材ペーストを焼成処理を経て形成する封止部の材料として用いてもよいし、後者の封止材ペーストを焼成処理を経ることなく形成する封止部の材料として用いてもよい。
本発明の実施形態で製造するハニカム構造体の形状は、図2に示した円柱状に限定されるものではなく、楕円柱状、多角柱状等の任意の柱の形状であればよい。
本発明の第一〜第八実施形態で製造されるハニカム構造体を構成するハニカム焼成体の気孔率は特に限定されないが、35〜60%であることが望ましい。
また、上記ハニカム焼成体の平均気孔径は、5〜30μmであることが望ましい。
なお、上記気孔率及び気孔径は、例えば、水銀圧入法、アルキメデス法、走査型電子顕微鏡(SEM)による測定等の従来公知の方法により測定することができる。
本発明の第一〜第八実施形態のハニカム構造体の製造方法において、押出成形する湿潤混合物に含まれるセラミック粉末の粒径は特に限定されないが、後の焼成工程を経て作製されたハニカム焼成体の大きさが、脱脂されたハニカム成形体の大きさに比べて小さくなる場合が少ないものが好ましい。
例えば、1.0〜50μmの平均粒径を有する粉末100重量部と0.1〜1.0μmの平均粒径を有する粉末5〜65重量部とを組み合わせたものが好ましい。
本発明の第九及び第十実施形態のハニカム構造体の製造方法において、押出形成する湿潤混合物に含まれる無機繊維は、そのアスペクト比が2〜1000のものが望ましく、5〜800のものがより望ましく、10〜500のものがさらに望ましい。
また、本発明の第九及び第十実施形態で製造されたハニカム構造体を構成するハニカム焼成体には、無機繊維と無機粒子とが含まれるが、ここで、無機繊維の含有量は、3〜70重量%が望ましく、3〜50重量%がより望ましく、5〜40重量%がさらに望ましく、8〜30重量%が最も望ましい。一方、無機粒子の含有量は、30〜97重量%が望ましく、30〜90重量%がより望ましく、40〜80重量%がさらに望ましく、50〜75重量%が最も望ましい。
本発明の実施形態のハニカム構造体の製造方法において、押出成形する湿潤混合物に含まれる有機バインダとしては特に限定されず、例えば、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリエチレングリコール等が挙げられる。
また、上記湿潤混合物に含まれる可塑剤としては特に限定されず、例えば、グリセリン等が挙げられる。
また、上記湿潤混合物に含まれる潤滑剤としては特に限定されず、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシプロピレンアルキルエーテル等のポリオキシアルキレン系化合物等が挙げられる。
上記潤滑剤の具体例としては、例えば、ポリオキシエチレンモノブチルエーテル、ポリオキシプロピレンモノブチルエーテル等が挙げられる。
なお、可塑剤、潤滑剤は、場合によっては、湿潤混合物に含まれていなくてもよい。
また、上記湿潤混合物を調製する際には、分散媒液を使用してもよく、分散媒液としては、例えば、水、ベンゼン等の有機溶媒、メタノール等のアルコール等が挙げられる。
さらに、上記湿潤混合物中には、成形助剤が添加されていてもよい。
上記成形助剤としては特に限定されず、例えば、エチレングリコール、デキストリン、脂肪酸、脂肪酸石鹸、ポリアルコール等が挙げられる。
さらに、上記湿潤混合物には、必要に応じて酸化物系セラミックを成分とする微小中空球体であるバルーンや、球状アクリル粒子、グラファイト等の造孔剤を添加してもよい。
バルーンとしては特に限定されず、例えば、アルミナバルーン、ガラスマイクロバルーン、シラスバルーン、フライアッシュバルーン(FAバルーン)、ムライトバルーン等が挙げられる。これらのなかでは、アルミナバルーンが望ましい。
また、第一実施形態〜第十実施形態では、複数個のハニカム焼成体を結束させる際に、各ハニカム焼成体の側面に接着材ペーストを塗布し、ハニカム焼成体を順次積層する方法を採用している。しかしながら、複数個のハニカム焼成体を結束させる際には、例えば、ハニカム焼成体間のスペースを確保するために、ハニカム焼成体の表面に空隙保持材を貼り付け、空隙保持材を介して複数個のハニカム焼成体を組み合わせた後、ハニカム焼成体間の空隙に接着材ペーストを注入する方法を用いて、ハニカム焼成体を結束させてもよい。
また、第一実施形態〜第十実施形態において、ハニカムブロックは複数個のハニカム焼成体が結束されているが、本発明の実施形態では、複数個のハニカム焼成体結束させてハニカムブロックを作製する必要はなく、ハニカムブロックを1個のハニカム焼成体で作製してもよい。
そして、このようなハニカムブロックが1個のハニカム焼成体で作製する際には、湿潤混合物を押出成形する工程において、長手方向に垂直な断面の形状が、ハニカムブロックの長手方向に垂直な断面と略同一のハニカム成形体を作製すればよい。
10 ハニカム構造体
11 接着材層
12 コート層
15 ハニカムブロック
20、70、220、230、240 ハニカム焼成体
21、71a、71b、221、231、241 セル
22、22a、22b、72a 封止部
23、73、223、233、243 セル壁

Claims (19)

  1. セラミック原料を成形することにより、複数のセルがセル壁を隔てて長手方向に並設された柱状のハニカム成形体を作製するハニカム成形体作製工程と、
    前記ハニカム成形体に焼成処理を施してハニカム焼成体を作製するハニカム焼成体作製工程と、
    少なくとも1つのハニカム焼成体を用いてハニカムブロックを作製するハニカムブロック作製工程と、
    を含むハニカム構造体の製造方法であって、
    前記ハニカム焼成体作製工程の後、ハニカム焼成体を少なくとも二つに切断する切断工程を行うことを特徴とするハニカム構造体の製造方法。
  2. さらに、切断されたハニカム焼成体の各セルのいずれか一方の端部が封止されるように封止材ペーストを充填するペースト充填工程を含む請求項1に記載のハニカム構造体の製造方法。
  3. さらに、前記ペースト充填工程で充填された封止材ペーストの固化又は焼成を行う固化工程を含む請求項2に記載のハニカム構造体の製造方法。
  4. 前記封止材ペーストは、少なくとも無機粒子と無機バインダとを含む請求項2又は3に記載のハニカム構造体の製造方法。
  5. 前記封止材ペーストは、さらに無機繊維及び/又はウィスカを含む請求項4に記載のハニカム構造体の製造方法。
  6. 前記封止材ペーストの組成は、前記セラミック原料の組成と略同一である請求項2〜5のいずれか1項に記載のハニカム構造体の製造方法。
  7. 前記ハニカム焼成体作製工程の後、
    接着材ペーストを介して前記ハニカム焼成体を複数個結束する結束工程と、
    前記切断工程とを
    順次行う請求項1に記載のハニカム構造体の製造方法。
  8. 前記ハニカム焼成体作製工程の後、
    接着材ペーストを介して前記ハニカム焼成体を複数個結束する結束工程と、
    前記切断工程とを
    順次行う請求項2〜6のいずれか1項に記載のハニカム構造体の製造方法。
  9. 前記ハニカム焼成体作製工程の後、
    前記切断工程と、
    接着材ペーストを介して前記ハニカム焼成体を複数個結束する結束工程と、
    切断されたハニカム焼成体の各セルのいずれか一方の端部が封止されるように封止材ペーストを充填するペースト充填工程とを
    順次行う請求項1に記載のハニカム構造体の製造方法。
  10. 前記ハニカム焼成体作製工程の後、
    前記切断工程と、
    接着材ペーストを介して前記ハニカム焼成体を複数個結束する結束工程と、
    前記ペースト充填工程とを
    順次行う請求項2〜6のいずれか1項に記載のハニカム構造体の製造方法。
  11. 前記封止材ペーストの組成は、前記接着材ペーストの組成と略同一である請求項8〜10のいずれか1項に記載のハニカム構造体の製造方法。
  12. 前記ハニカムブロックを形成する工程を行った後、さらに、前記ハニカムブロックの外周にコート材ペーストを塗布してコート層を形成する工程を行う請求項1又は7に記載のハニカム構造体の製造方法。
  13. 前記ハニカムブロックを形成する工程を行った後、さらに、前記ハニカムブロックの外周にコート材ペーストを塗布してコート層を形成する工程を行う請求項2〜6、8〜11のいずれか1項に記載のハニカム構造体の製造方法。
  14. 前記封止材ペーストの組成は、前記コート材ペーストの組成と略同一である請求項13に記載のハニカム構造体の製造方法。
  15. セラミック原料を成形することにより、複数のセルがセル壁を隔てて長手方向に並設された柱状のハニカム成形体を作製するハニカム成形体作製工程と、
    前記ハニカム成形体の各セルの両端の所定箇所が封止されるように封止材ペーストを充填する第一充填工程と、続いて、このハニカム成形体に焼成処理を施してハニカム焼成体を作製する焼成工程と、
    少なくとも1つのハニカム焼成体からなるハニカムブロックを作製するハニカムブロック作製工程と、
    を含むハニカム構造体の製造方法であって、
    前記焼成工程の後、前記ハニカム焼成体を少なくとも二つに切断する切断工程、
    切断して得た、片端の所定箇所が封止されたハニカム焼成体の各セルのいずれか一方の端部が封止されるように封止材ペーストを所定箇所に充填する第二の充填工程、及び、
    前記第二の充填工程で充填された封止材ペーストに焼成処理を施す封止材ペースト焼成工程を順に行った後、ハニカムブロックを作製することを特徴とするハニカム構造体の製造方法。
  16. 前記焼成工程の後、
    前記切断工程、
    前記第二の充填工程、
    前記封止材ペースト焼成工程、及び、
    前記ハニカム焼成体を接着材ペーストを介して複数個結束する結束工程
    を順に行った後、ハニカムブロックを作製する請求項15に記載のハニカム構造体の製造方法。
  17. 前記ハニカムブロックを形成する工程を行った後、さらに、前記ハニカムブロックの外周にコート材ペーストを塗布してコート層を形成する工程を行う請求項15又は16に記載のハニカム構造体の製造方法。
  18. 前記封止材ペーストの組成と前記コート材ペーストの組成とが略同一である請求項17に記載のハニカム構造体の製造方法。
  19. 前記封止材ペーストの組成は、前記セラミック原料の組成と略同一である請求項15〜18のいずれか1項に記載のハニカム構造体の製造方法。
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