JP2005046839A - セラミックハニカムフィルタ及びその製造方法 - Google Patents

セラミックハニカムフィルタ及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 排気ガス流入側の目封止部を、ハニカムフィルタの排気ガス流入側端面からフィルタ内部に配置させる構造のセラミックハニカムフィルタ、特にハニカムフィルタの排気ガス流入側端面から10mm以上の位置に配置させる構造のハニカムフィルタを製造するに際して、流入側目封止部の排気ガス上流側に空間が確実に形成されたセラミックハニカムフィルタを容易に得る。
【解決手段】 隔壁により仕切られた多数の流路を有する複数のセラミックハニカム構造体を流路方向に接合し、所望の流路を目封止したセラミックハニカムフィルタであって、少なくとも一つのハニカム構造体の端面に形成された目封止部と、このハニカム構造体の端面に隣接するハニカム構造体の端面に形成された目封止部の少なくとも一部が、接合されていることを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ディーゼルエンジンの排気ガス中の微粒子を捕集するセラミックハニカムフィルタに関する。
地球環境の保全面から、ディーゼルエンジンの排気ガス中の炭素を主成分とする微粒子を除去するため、セラミックハニカム構造体(以下、単に「ハニカム構造体」という)の流入部および流出部の両端面を交互に目封止したセラミックハニカムフィルタ(以下、単に「ハニカムフィルタ」という)が使用されてきている。
図5は従来のセラミックハニカムフィルタの断面図である。このような構成のセラミックハニカムフィルタ50において、微粒子を含有する排気ガスは、セラミックハニカムフィルタ50の流入部51aで開口している流路57から流入し、多孔質セラミックスからなる隔壁56を通過した後、隣接した流路を経て、流出部51bから排出される。この際、排気ガス中に含まれる微粒子は、隔壁56に形成された細孔(図示せず)に捕集される。ハニカムフィルタ50に微粒子が捕集され続けると、隔壁56の細孔に目詰まりを生じて捕集機能を大幅に低下させるとともに、圧力損失が大きくなるため、エンジン出力を低下させるという問題が発生するため、ハニカムフィルタ50に堆積した微粒子を電気ヒーター、バーナー、マイクロ波などで燃焼して、ハニカムフィルタ50を再生する技術が検討されている。
しかしながら、捕集した微粒子を電気ヒーターやバーナーによって、燃焼、浄化する場合、上記従来構造のハニカムフィルタでは、ハニカムフィルタの上流域に堆積した微粒子は電気ヒーターやバーナーにより燃焼するが、そのような位置に付着している微粒子は少量であり、それによる発生熱量は付着した微粒子の自己発熱を維持するまでに至らず、下流域の再生が困難という問題があった。
一方、マイクロ波方式で再生を行う場合(例えば特許文献1)、フィルタの再生過程において、燃焼に必要な空気の供給側のフィルタ端面近傍は、空気の供給により冷却されるので微粒子の昇温が妨げられ、微粒子の燃焼が困難となり微粒子の燃焼可能領域を狭めてしまうため,ハニカムフィルタ全域を効果的に再生することが困難という問題があった。その結果、微粒子の捕集、再生の継続的な繰り返しにおいて、排気ガスが流入する側から燃焼に必要な空気を供給する場合、そのフィルタ端面近傍は再生されない微粒子が堆積して、排気ガス流入側に開口した流路が閉塞され、フィルタとしての捕集機能が失われたり、捕集機能や再生機能が著しく低下するという問題があった。
これらの問題を解決しようと、特許文献2には、排気ガス流入側に位置した目封止部と、流路の排気ガス流入側端面との間に空間を設けたハニカムフィルタが開示されている。図4は特許文献2に記載されるハニカムフィルタ40の断面図である。矢印Xは、排気ガスの流入方向を示している。図4のハニカムフィルタは、流路の上流側に位置する目封止部48aと流路の流入部41a端面との間に空間49を設けることにより、排気ガス中の微粒子は流入側目封止部48aと流路の流入部41a端面との空間49に捕集され、上流域付近に付着する微粒子の量が増大し、フィルタ流入側に設けた加熱手段によりこの増大した微粒子を燃焼させると、下流域での微粒子の燃焼、浄化を容易にすることができるとしている。
一方、特許文献3には、エンジンの排気ガスを排出する排気管に設けられた加熱室と、この加熱室に給電するマイクロ波を発生するマイクロ波発生手段と、加熱室に収納されたエンジンの排気ガス中に含まれる微粒子を捕集するハニカムフィルタと、加熱室に空気を供給する空気供給手段とを備えるハニカムフィルタの再生装置が記載されている。図3は、特許文献3に記載されるハニカムフィルタの再生装置から抜き出したハニカムフィルタ30の断面図である。矢印Xは、排気ガスの流入方向を示している。図3のハニカムフィルタ30は、外周壁35に囲まれた隔壁36により仕切られた多数の流路37を有するハニカム構造体31で、流入部31aおよび流出部31bを交互に目封止部38a、38bで目封止すると共に、目封止部38aを流入部31aの端面よりも内部に位置させることで、放熱防止部39を形成している。この特許文献3によれば、捕集された微粒子がマイクロ波(図示せず)などによって加熱されると、放熱防止部39により、加熱された微粒子の放熱を防止して昇温速度を速くし、短時間で微粒子を燃焼可能温度に到達できるとしている。
以上のように、特許文献2及び3では、ハニカムフィルタ全域に亘る再生を効率良く行わせるため、図3及び図4に示すように、排気ガス流入側の目封止部を、ハニカムフィルタの排気ガス流入側端面よりフィルタ内部に配置させる構造のセラミックハニカムフィルタが提案されている。
特開昭59−126022号公報 特公平3−68210号公報 特許第2924288号公報
しかしながら、図3及び図4に示すような排気ガス流入側の目封止部を、排気ガス流入側端面からフィルタ内部に配置させる構造のハニカムフィルタを実際に製造してみると以下のような問題があった。
特許文献2に記載されているハニカムフィルタ40において、流入側の目封止部48aは次のように形成される。図6(a)に示すように、目封止部を必要としない流路の端面をワックス62で栓詰めした後、目封止部形成用スラリー60内にハニカム構造体41の流入部41a端面を浸漬させ、ワックスで栓詰されていない流路47aにスラリー60を充填させる。ハニカム構造体自体は、多孔質セラミックス製で吸水性があるため、流路47に入り込んだスラリー上部は、水分を隔壁に奪われるので固まるが、スラリー下部は、水分を奪うだけの隔壁が無いため、スラリーのままの状態となっている。このハニカム構造体を図6(b)のように上下逆さにして、スラリーの固まった部分に、流路に残留したスラリーのままであったものを自然沈降させ、目封止部48aとし、この時の浸漬されたスラリーの高さによって流入側目封止部の位置が決定されるとしている。
しかしながら、本発明者らが実際に、流路47aにスラリー60を充填してみると、スラリー上部、下部を問わず、スラリーに接した隔壁から水分が吸水されるため、スラリー上部、スラリー下部同時に固化が始まる。このため、スラリー上部だけ固化させることは困難であり、図6(c)に示すように、流路端部まで目封止される場合もあり、流路の流入側目封止部より排気ガス上流側に、特許文献2に記載されている第2図及び第9〜15図に示されるような空間を形成させることは困難であった。また、このような傾向は、例えば、流入側目封止部をセラミックハニカム端面から10mm以上等のように離れて設ける場合に顕著であった。このようにして形成したハニカムフィルタを、実際に微粒子捕集用フィルタとして使用してみると、排気ガス流入側目封止部の上流側に空間が確保され難いことから、従来技術で期待されたような、微粒子捕集や放熱防止の機能が発揮し得ないことからハニカムフィルタ全域に亘る再生が効率よく行われなくなり、圧力損失が上昇するという問題が生じた。
また、スラリーの固化の程度が流路毎で異なることから、流入側目封止部上流側の空間体積に不揃いが生じて、ハニカムフィルタの圧力損失が個々のハニカムフィルタ間でばらつくため、製造歩留まり低下に繋がる恐れもあった。
また、特許文献3には、流入部31aの目封止部38aの形成方法は具体的には開示されていない。
したがって、本発明の目的は、排気ガス流入側の目封止部を、ハニカムフィルタの排気ガス流入側端面からフィルタ内部に配置させる構造のセラミックハニカムフィルタ、特にハニカムフィルタの排気ガス流入側端面から10mm以上の位置に配置させる構造のハニカムフィルタを製造するに際して、流入側目封止部の排気ガス上流側に空間が確実に形成されたセラミックハニカムフィルタを容易に得ることにある。そして、このようなセラミックハニカムフィルタにより、ハニカムフィルタ全域に亘る再生が効率良く行われ、燃え残りの微粒子が残留して圧力損失が大きくなる問題を解消することができる。
上記課題を解決するため、本発明のセラミックハニカムフィルタは、隔壁により仕切られた多数の流路を有する複数のセラミックハニカム構造体を流路方向に接合し、所望の流路を目封止したセラミックハニカムフィルタであって、少なくとも一つのハニカム構造体の端面に形成された目封止部と、このハニカム構造体の端面に隣接するハニカム構造体の端面に形成された目封止部の少なくとも一部が、接合されていることを特徴とする。
本発明のセラミックハニカムフィルタにおいて、隔壁により仕切られた多数の流路を有するセラミックハニカム構造体の一方の端面の流路の所望部が目封止された第1のセラミックハニカム構造体と、セラミックハニカム構造体の両端面の流路の所望部が目封止された第2のセラミックハニカム構造体とを、第1のセラミックハニカム構造体が排気ガス流路の上流となるよう、接合することが好ましい。
本発明のセラミックハニカムフィルタにおいて、前記少なくとも一つの接合された目封止部において、一方のハニカム構造体の端面に形成された目封止部の目封止部長さAと、このハニカム構造体に隣接するハニカム構造体の端面に形成された目封止部の目封止部長さBの比A/Bが1/9〜9/1であることが好ましい。
本発明のセラミックハニカムフィルタにおいて、前記複数のセラミックハニカム構造体が、一体に形成された外周壁を有することが好ましい。
本発明のセラミックハニカムフィルタにおいて、前記隔壁及び/または目封止部の少なくとも一部に触媒物質が担持されていることが好ましい。
また、本発明のセラミックハニカムフィルタの製造方法は、隔壁により仕切られた多数の流路を有する複数のセラミックハニカム構造体を流路方向に接合し、所望の流路を目封止したセラミックハニカムフィルタの製造方法であって、少なくとも一つのハニカム構造体の端面に形成された目封止部と、このハニカム構造体に隣接するハニカム構造体の端面に形成された目封止部の少なくとも一部とを接合することを特徴とする。
本発明のセラミックハニカムフィルタの製造方法において、前記複数のセラミックハニカム構造体は、一つのセラミックハニカム構造体を流路に略垂直方向に分断し、分断した端面同士を突き合わせ、分断された端面に形成された目封止部を用いて、複数のセラミックハニカム構造体を流路方向に接合することが好ましい。
本発明のセラミックハニカムフィルタの製造方法において、前記セラミックハニカム構造体の端面に形成された目封止部の少なくとも一部が、突出部を有することが好ましい。
次に、作用効果について説明する。
本発明のセラミックハニカムフィルタは、隔壁により仕切られた多数の流路を有する複数のセラミックハニカム構造体を流路方向に接合し、所望の流路を目封止したセラミックハニカムフィルタであって、少なくとも一つのハニカム構造体の端面に形成された目封止部と、このハニカム構造体の端面に隣接するハニカム構造体の端面に形成された目封止部の少なくとも一部が、接合されていることことから、流入側目封止部の位置を流入側端面からの適切な位置に保つことができるので、流入側目封止部排気ガス上流側の空間を確実に確保することができ、ハニカムフィルタ全域に亘る再生が効率良く行われて圧力損失の上昇を防ぐことができる。
このような構造のハニカムフィルタが、流入側目封止部の位置を適切な位置に保つことができ、流入側目封止部上流側の空間を確実に確保することができる理由について、以下に詳しく説明する。
本発明のセラミックハニカムフィルタは、図1に示すように、複数のセラミックハニカム構造体を流路方向に接合したセラミックハニカムフィルタであって、少なくとも一つのハニカム構造体の端面に形成された目封止部21と、このハニカム構造体の端面に隣接するハニカム構造体に形成された目封止部22の少なくとも一部が接合、一体化されていることから、ハニカムフィルタの端面から離れた所望部位に、目封止部を形成することができる。ここで、目封止部を端面の所望部位に有するハニカム構造体の従来技術の目封止部形成方法について、図10を用いて説明する。まず、ハニカム構造体11の端面11aにマスキングフィルム63を接着剤で貼り付けた後、市松模様となるように穿孔する。続いて、容器61に収容したスラリー状の目封止部材60に端面11aを浸漬することで、スラリー状の目封止部材を、穿孔部を通して浸入させて目封止部21を形成した上で、焼成を行って形成される。このとき、浸入させたスラリー状目封止材の浸入高さに相当する目封止部が形成される。このようにして形成された目封止部の上方の流路は、排気ガスが流通する流路として確実に確保され、セラミックハニカム構造体の流路のうち、目封止部が形成されていない箇所が排気ガス流通の空間となるのである。従って、本発明のセラミックハニカムフィルタでは、流入側目封止部の排気ガス上流側の空間を確実に確保することができ、ハニカムフィルタ全域に亘る再生が効率良く行われて圧力損失の上昇を防ぐことができる。
本発明のセラミックハニカムフィルタでは、ハニカム構造体の端面に設けた目封止部同士を接合することによって、複数のハニカム構造体を流路方向に接合していることから、ハニカム構造体同士の強固な接合が可能となって、複数のセラミックハニカム構造体を一体化させたハニカムフィルタを得ることができる。この目封止同士の接合は、接合前の目封止部が焼成済みの場合は、セラミックス系接着剤を目封止部の接合面間に介在させ、圧着させて一体化させ、或いは、目封止部を形成した際のスラリー状目封止材を介在させて圧着後、再度焼成することにより、強固な接合が可能となる。また、接合前の目封止部が未焼成の場合は、目封止部同士を圧着する際に目封止部が変形能を有することから、目封止部同士を容易に近接させることが可能となるので、その後の焼成により、同一材からなる目封止部同士が一体化され、より強固な接合が可能となる。更に、接合界面にスラリー状目封止材を介在させれば、その効果は大きくなる。
ハニカム構造体同士の強固な接合を得るためには、セラミックハニカム構造体の流路のうち、40%以上の流路に形成された目封止部を、隣接するセラミックハニカム構造体の目封止部と接合させるのが好ましく、この接合される目封止部の割合である接合率はより好ましくは50%以上、更に好ましくは52%以上である。
本発明のセラミックハニカムフィルタにおいて、図12に示すように、複数のセラミックハニカム構造体の外周近傍流路には、全ての流路に目封止部を形成して、目封止同士を接合させると、接合する目封止部の個数割合を高くすることができることから好ましい。つまり、セラミックハニカム構造体の流路のうち、50%以上の流路に形成された目封止部を、隣接するセラミックハニカム構造体の目封止部と確実に接合させることができる。更に、図12(b)に示すように、外周近傍の流路27aを排気ガスが流通させないような構造とすると、この流路が断熱空間として作用し、セラミックハニカムフィルタ内で微粒子燃焼により発生した熱が、外周壁25、28を経由して、ハニカムフィルタを把持している把持部材、更には金属容器を経由して、外気へ放出されることを防ぐことができるため、ハニカムフィルタの再生が容易になる。ここで外周近傍の流路とは、外径より20mm小さな仮想円よりも外周側の領域にある流路のことを言う
本発明のセラミックハニカムフィルタにおいて、隔壁により仕切られた多数の流路を有するセラミックハニカム構造体の一方の端面の流路の所望部が目封止された第1のセラミックハニカム構造体と、セラミックハニカム構造体の両端面の流路の所望部が目封止された第2のセラミックハニカム構造体とを、第1のセラミックハニカム構造体が排気ガス流路の上流となるよう、接合されている場合には、流入側目封止部の位置を適切な位置に保つことができるセラミックハニカムフィルタを得ることができる。このため、セラミックハニカムフィルタの流入側目封止部上流側の空間を確実に確保することができ、ハニカムフィルタ全域に亘る再生が効率良く行われて圧力損失の上昇が防ぐことができる。
このような構造のハニカムフィルタが、流入側目封止部の位置を適切な位置に保つことができ、流入側目封止部上流側の空間を確実に確保することができる理由について、以下に詳しく説明する。
本発明のハニカムフィルタは、一方の端面の流路の所望部が目封止された第1のセラミックハニカム構造体11と、両端面の流路の所望部が目封止された第2のセラミックハニカム構造体12とを、図2に示すように、第1のセラミックハニカム構造体11が排気ガス流路の上流となるよう、ハニカム構造体11、12の目封止部21、22同士を当接して接合させ一体化させていることから、排気ガス流入側の目封止部がハニカムフィルタの排気ガス流入側端面からフィルタ内部に配置させる構造のハニカムフィルタであるにも係わらず、流入側目封止部のハニカムフィルタ流入側端面からの位置を適切な位置に保つことができる。前述したように、従来の方法で得られる、目封止部を端面の所望部位に有するハニカム構造体11、及び12は、流路のうち、目封止部が形成されていない箇所が排気ガス流通の空間となるため、本発明のセラミックハニカムフィルタは、流入側目封止部上流側の空間を確実に確保することができ、ハニカムフィルタ全域に亘る再生が効率良く行うことができる。
本発明のセラミックハニカムフィルタにおいて、前記少なくとも一つの接合された目封止部において、一方のハニカム構造体の端面に形成された目封止部の目封止部長さAと、このハニカム構造体に隣接するハニカム構造体の端面に形成された目封止部の目封止部長さBの比A/Bが1/9〜9/1であることが好ましい。目封止部長さの比A/Bが1/9未満の場合、一方のセラミックハニカム構造体の目封止部長さAが短くなることにより、
一方のセラミックハニカム構造体の目封止部と隔壁の接着面積が減少して、目封止部と隔壁の接着強度が不足する場合があるからであり、目封止部長さの比A/Bが9/1を越える場合も、同様に、隣接するセラミックハニカム構造体の目封止部長さBが短くなることにより、隣接するセラミックハニカム構造体の目封止部と隔壁の接着面積が減少して、目封止部と隔壁の接着強度が不足する場合があるからである。目封止部長さの比A/Bは、より好ましくは3/7〜7/3であり、目封止部長さの合計(A+B)は、10〜30mmが好ましい。
本発明のセラミックハニカムフィルタにおいて、前記複数のセラミックハニカム構造体が、一体に形成された外周壁を有することが好ましい理由を以下に説明する。本発明のセラミックハニカムフィルタは、ハニカム構造体の端面に設けた目封止部同士を接合することによって、複数のハニカム構造体を流路方向に強固に接合して、一体化することにより、流入側目封止部排気ガス上流側の空間を確実に確保できるものであるが、複数のハニカム構造体が一体に形成された外周壁を有していれば、この外周壁により強固に複数のセラミックハニカム構造体を接合することができるからである。
この一体に形成された外周壁について図11を用いて説明する。図11(a)は外周壁を有するセラミックハニカム構造体を流路方向に接合した例を示したものであるが、複数のハニカム構造体11及び12が目封止部21及び22で接合されると共に、外周壁25の外側に更に一体に形成された外周壁25aが形成され、複数のセラミックハニカム構造体を接合されている。また、図11(b)は、外周壁を有さないセラミックハニカム構造体を流路方向に接合した例を示したものであるが、複数のハニカム構造体が目封止部21及び22で接合されると共に、一体に形成された外周壁25aが形成され、複数のセラミックハニカム構造体が接合されている。ここで、外周壁を有さないセラミックハニカム構造体は、公知の口金を用いて可塑性のあるセラミック坏土を押出成形して得たハニカム構造の成形体の外周部を加工により除去した後、焼成することにより得ることができる。或いは成形体を焼成後、外周部を加工により除去することにより得ることができる。このような方法で得たセラミックハニカム構造体は、最外周に位置する流路が外部との間の隔壁を有しないことによって外部に開口して概略軸方向に延びる凹溝を有している。
前記最外周に位置する流路が外部との間の隔壁を有しないことによって外部に開口して概略軸方向に延びる凹溝を形成しているセラミックハニカム構造体の、前記凹溝を充填して外表面を形成する外周壁が形成されており、外周壁を構成する部材と凹溝の間の少なくとも一部に空隙を有していることが好ましい。また、最外周に位置する流路が外部との間の隔壁を有しないことによって外部に開口して概略軸方向に延びる凹溝を形成しているセラミックハニカム構造体の、前記凹溝を充填して外表面を形成する外周壁が形成されており、外周壁の少なくとも一部に外表面に開口した空隙を有していることが好ましい。
この理由は、複数のセラミックハニカム構造体が、一体に形成された外周壁25aを有する場合、セラミックハニカム構造体の最外周に位置する流路が外部との間の隔壁を有しないことによって外部に開口して概略軸方向に延びる凹溝を形成していると、凹溝を活用して外周壁とハニカム構造体の密着力が向上し、より強固にセラミックハニカム構造体を一体化させることができるのと共に、外周壁を構成する部材と凹溝の間の少なくとも一部に空隙、及び/又は外周壁の少なくとも一部に外表面に開口した空隙を有していると、排気ガスによる急熱、急冷、或いは微粒子燃焼時の熱衝撃に対する強度が改善されるからである。
本発明のセラミックハニカムフィルタにおいて、複数のセラミックハニカム構造体の接合する端面の外周側に、図13に示すように、段差部70や面取り部71を形成して、この部分にセラミックス系接着剤やセラミックスラリー72を充填、塗布して接合層を形成することにより、より強固に複数のセラミックハニカム構造体を流路方向に接合することができるため好ましい。図13は、一体に形成された外周壁を有する本発明のセラミックハニカムフィルタに段差部70を形成した例(図13(a)(b))、面取り部71を形成した例(図13(c))を示したものである。また、接着剤やセラミックスラリー72は、段差部70や面取り部71から、流路内に浸入させると、より強固に複数のセラミックハニカム構造体を接合させることができる。ここで、段差部の大きさは、幅Wが1〜15mm、深さDが1〜10mmが好ましく、面取りCは1〜8mmが好ましい。更に好ましい範囲は、幅Wが1〜8mm、深さDが1〜5mm、面取りCは1〜4mmである。
本発明のセラミックハニカムフィルタにおいて、前記隔壁及び/または目封止部の少なくとも一部に触媒物質が担持されていることが好ましい。排気ガス流入方向に対して傾いた隔壁表面に担持された触媒物質の作用により、より隔壁での微粒子の捕集、浄化が行われ易くなるため、排気ガス出口側端面の目封止部付近に微粒子が集中的に堆積することを防止し易くなるからである。ここで触媒物質は、白金族金属を含む酸化触媒や微粒子燃焼触媒であると好ましい。尚、白金族金属を含む酸化触媒は、たとえば、Pt、Pd、Ru、Rh又はその組合せ、白金族金属酸化物等が含まれるが、アルカリ土類金属酸化物や希土類酸化物等を含んでも良い。また、白金族金属を含む触媒物質には、公知のγアルミナ等の活性アルミナからなる高比表面積材料が含まれると、白金族金属等と排気ガスとの接触面積を大きくすることができ、排気ガスの浄化効率を高めることができることから好ましい。また、微粒子燃焼触媒としては、ベース金属触媒、典型的にはランタン、セシウム、バナジウム(La/Cs/V)類よりなる触媒物質であると好ましい。
また、必要に応じて、排気ガス流入側目封止部の上流側隔壁と下流側隔壁に異なる機能を有する触媒を担持しても良い。本発明のセラミックハニカムフィルタでは、複数のハニカム構造体が目封止部を介して接合されており、隔壁は排気ガス流入側目封止部で分断されているため、上流側隔壁と下流側隔壁に担持する触媒を確実に異なったものとすることができる。
流路方向に少なくとも一体に形成された外周壁を有する本発明のセラミックハニカムフィルタにおいて、セラミックハニカムフィルタの端面と外周壁が略直交し、該外周壁が略円筒形状であり、前記隔壁の表面粗さが最大高さRyで10μm以上であり、且つ流路方向断面において隣り合う隔壁が略平行であると共に外周壁に対して少なくとも一部の隔壁が傾いていることが好ましい。このような構成の場合、例えば、図14に一例を示すように、セラミックハニカムフィルタの隔壁26は、排ガス流通方向に対し傾いて配置されるため、例えば流路に流入した微粒子を含む排気ガスは、排気ガスの流入方向に対して傾いた隔壁でその方向を曲げられ、流路内の排気ガスの流れに乱れが生じるため、表面粗さが最大高さRyで10μm以上を有する隔壁が、排気ガス中に存在する微粒子を入口側から出口側に亘って捕集し易くなる。このため、微粒子が排気ガス流出側目封止部の上流側に高濃度で堆積することを防ぐことができ、特にハニカムフィルタの排気ガス流入側目封止部より流出側の流路において、長手方向に亘って略均一に微粒子を分散、捕集させることが出来る。このため、フィルタ再生の際に、排気ガス流出側目封止部の上流側に高濃度で堆積した微粒子の自己発熱による温度上昇によりフィルタの溶損や破損を防ぐことができる。従って、排気ガス流入側目封止部より流入側の空間を利用して、微粒子を燃焼させる本発明のハニカムフィルタにおいて、効率よくフィルタの再生を行うことが可能となるとともに、フィルタの溶損や破損も防げる。
ここで、隔壁の表面粗さを最大高さRyで10μm以上が好ましいのは、隔壁の表面粗さが最大高さRyで10μm以上の場合には、隔壁表面に形成された凹凸部により、例えば排気ガス中の微粒子を効率良く捕集することが可能となるからである。隔壁の表面粗さのより好ましい範囲は、最大高さRyで20〜100μmである。尚、最大高さRyは、表面粗さ計により、隔壁表面形状を長手方向に測定し、JIS B 0601−1994に準じて求めたものである。
本発明のセラミックハニカムフィルタにおいて、前記セラミックハニカムフィルタの隔壁に沿って切断した2等分割断面において、隔壁の長手方向端部が外周壁と接する隔壁を1〜6ケ有することが好ましい。この理由は、上述したように、隔壁の表面粗さをRy10μm以上とし、且つ長手方向断面において外周壁に対して少なくとも一部の隔壁を傾かせていると、排気ガス中に存在する微粒子を入口側から出口側に亘る隔壁で捕集し易くなるが、その傾きには好適な範囲があるからである。隔壁の長手方向端部が外周壁と接する隔壁が1ケ未満であると、外周壁に対する隔壁の傾きが小さく、流路内での排気ガスの流れに乱れを生じさせにくいため、例えば微粒子が排気ガス出口側目封止部付近へ高濃度で堆積するのを防ぐ効果が小さくなることもあるからである。また、セラミックハニカム構造体の長手方向端部が外周壁と接する隔壁が6ケを超えるようにすると、入口側から出口側に貫通しない流路の割合が増え、例えばセラミックハニカムフィルタの場合、実質的にフィルタ面積が小さくなることから、圧力損失が上昇することもあるからである。なお、セラミックハニカム構造体の隔壁に沿って切断した2等分割断面において、長手方向端部が外周壁と接する隔壁を1〜4ケ有すると、上記観点から尚好ましい。尚、図14(a)に示す例は、長手方向端部26aが外周壁25aと接する隔壁を1ケ有する例である、図14(b)に示す例は、長手方向端部26aが外周壁25aと接する隔壁を2ケ有する例である。
ここで、外周壁に対して隔壁を傾けるのは、全ての隔壁で行う必要はなく、一部の隔壁もしくは隔壁の長手方向の一部でも構わない。また、その傾きの角度はハニカム構造体全域に亘って一定である必要もなく、ハニカム構造体内の位置によって変わっても構わない。これら、傾きの角度がハニカム構造体全域に亘って一定でない例を図15に示す。図15に示す隔壁の傾きは、押出成形時の成形体の保持方向や保持力などを調整することにより形成することができる。
本発明のセラミックハニカムフィルタの製造方法は、隔壁により仕切られた多数の流路を有する複数のセラミックハニカム構造体を流路方向に接合し、所望の流路を目封止したセラミックハニカムフィルタの製造方法であって、少なくとも一つのハニカム構造体の端面に形成された目封止部と、このハニカム構造体に隣接するハニカム構造体の端面に形成された目封止部の少なくとも一部とを接合していることから、複数のセラミックハニカム構造体を流路方向に確実に接合することができる。即ち、セラミックハニカム構造体の端面に開口する流路のうち、概略最大でその半分を利用して、複数のセラミックハニカム構造体が接合されるため、接合面積を大きくとることができ、強固に一体化させることができる。
本発明のセラミックハニカムフィルタの製造方法において、複数のセラミックハニカム構造体の接合する端面の外周側に、図13に示すように、段差部や面取り部を形成して、この部分にセラミックス系接着剤やセラミックスラリーを充填、塗布して接合層を形成することにより、より強固に複数のセラミックハニカム構造体を流路方向に接合することができるため好ましい。
本発明のセラミックハニカムフィルタの製造方法について、一方の端面に目封止部を有するセラミックハニカム構造体と、両方の端面に目封止部を有するセラミックハニカム構造体を流路方向に接合した例を詳細に説明する。図10に示すように、ハニカム構造体11の一方の端面11aにマスキングフィルムを接着剤で貼り付けた後、市松模様となるように穿孔し、続いて、容器に収容したスラリー状の目封止部材に端面11aを浸漬することで、スラリー状の目封止部材を穿孔部を通して浸入させ、ハニカム構造体の端面の所望部位に目封止部21を形成する。一方、ハニカム構造体11と略一致した隔壁構造(隔壁厚さ、隔壁ピッチ)を有する、ハニカム構造体12の両端部に、同様に目封止部22及び23を形成する。次いで、図2に示すようにハニカム構造体11、12の目封止部21、22同士を当接して圧着させることにより接合一体化させる。このような方法を用いることにより、セラミックハニカムフィルタの流路方向の所望部位に、目封止部を形成することができるため、流入側目封止部を排気ガス流入側端面からフィルタ内部に配置させる構造のハニカムフィルタであるにも係わらず、流入側目封止部のハニカムフィルタ流入側端面からの位置を適切な位置に保つことができ、流入側目封止部上流側の空間を確実に確保することができる。
目封止部同士の接合を行う際には、接合前の目封止部が焼成済みの場合は、セラミックス系接着剤を目封止部の接合面間に介在させ、圧着させて一体化させ、或いは、目封止部を形成した際のスラリー状目封止材を介在させて圧着後、再度焼成することにより、強固な接合が可能となる。また、接合前の目封止部が未焼成の場合は、目封止部同士を圧着する際に目封止部が変形能を有することから、目封止部同士を容易に近接させることが可能となるので、その後の焼成により、目封止部同士が一体化され、より強固な接合が可能となる。更に、接合界面にスラリー状目封止材を介在させれば、その効果は大きくなる。
また、本発明のセラミックハニカムフィルタの製造方法において、セラミックハニカム構造体同士を当接させる前のセラミックハニカム構造体は、目封止部が焼成済みの場合は、セラミック杯土を押出し成形後、乾燥、焼成した焼成体が好ましく、目封止部が未焼成の場合は、セラミック杯土を押出し成形後、乾燥させた乾燥体であっても良く、焼成を加えた焼成体であっても良い。
また、本発明のセラミックハニカムフィルタにおいて使用される複数のハニカム構造体の流路は、フィルタの圧力損失を損なわない範囲で、複数のハニカム構造体間で完全に一致している必要はなく、相対的位置関係を有していても良い。図8に本発明のセラミックハニカムフィルタの接合部要部模式断面図の一例を示すが、一方のハニカム構造体11と、隣接する他方のハニカム構造体12の流路が、隔壁と垂直方向に、ズレ量Xをもって、相対的位置関係を有しているものである。ズレ量Xは0mm〜隔壁厚さ程度が好ましい。ズレ量Xが隔壁厚さを越えると、目封止部で流路が狭められるため、圧力損失が大きくなり好ましくない。
本発明のセラミックハニカムフィルタの製造方法において、前記複数のセラミックハニカム構造体は、一つのセラミックハニカム構造体を流路に略垂直方向に分断し、分断した端面同士を突き合わせ、分断された端面に形成された目封止部を用いて、複数のセラミックハニカム構造体を流路方向に接合することが好ましい。この理由は、一体で形成された一つのセラミックハニカム構造体の分断された端面同士を突き合わせることにより、排気ガス流入側目封止部の排気ガス流入側の流路及び排気ガス流出側の流路の整合性がとれ、確実に排気ガス流路を確保できるからである。このため、流入側目封止部の位置を適切な位置に保つことができ、流入側目封止部上流側の空間を確実に確保することができると共に流入側目封止部下流側の空間も確実に確保することができる。従って、ハニカムフィルタ全域に亘る再生が効率良く行われて、圧力損失の上昇を防ぐことができる。
本発明のセラミックハニカムフィルタの製造方法において、前記セラミックハニカム構造体の端面に形成された目封止部の少なくとも一部が突出部を有することが好ましい理由について、図7を用いて説明する。図7(a)に示すように、ハニカム構造体11及びハニカム構造体12の所望の流路端部に公知の方法で目封止材スラリーを導入させ、目封止部21及び22を形成する。ここで、目封止部21に突出部を有すると共に、目封止部21及び22が乾燥前で可塑性を有する状態の場合、目封止部21及び22を当接させ(図7(b))、圧着させることにより、突出部24が主に変形することにより、目封止部21及び22が一体化される(図7(c))。この状態で、目封止部の乾燥、焼成を行うことにより、目封止部21及び22が強固に一体化され、結果的にハニカム構造体11及び12が強固に一体化される。この突出部24は、同様の効果が得られる観点で、図7(d)に示すように、第2のセラミックハニカム構造体12の目封止部22に有していても良く、図7(e)に示すように、第1のセラミックハニカム構造体11の目封止部21と第2のセラミックハニカム構造体12の目封止部22に有していても良い。
突出部24を形成するには、ハニカム構造体の端面に貼り付けるマスキングフィルムの厚さを調整することにより行うことができる。図10(e)に示すようにマスキングフィルムの厚さに相当する突出部24が形成されるからである。尚、この突出部の高さは0.01〜0.5mmが好適である。また、目封止部が未焼成であると、目封止部同士を突き合わせ、圧着した際に、目封止部を構成するセラミック原料が近接し、その後の焼成により目封止部が強固に一体化されるのである。
次に本発明に用いられるセラミックハニカムフィルタの隔壁及び目封止部を構成する材料としては、本発明が主にディーゼルエンジンの排気ガス中の微粒子を除去するためのフィルタとして使用されるため、耐熱性に優れた材料を使用することが好ましく、コージェライト、アルミナ、ムライト、チタン酸アルミ、窒化珪素、炭化珪素及びLASからなる群から選ばれた少なくとも1種を主結晶とするセラミック材料を用いることが好ましい。中でも、コージェライトを主結晶とするセラミックハニカムフィルタは、安価で耐熱性、耐食性に優れ、また低熱膨張であることから耐熱衝撃も有することから、最も好ましい。
また、セラミックハニカムフィルタの隔壁の気孔率は50〜80%であることが好ましい。排気ガスが隔壁に形成された細孔を通過することから、隔壁の気孔率が50%未満であると、ハニカムフィルタの圧力損失が上昇し、エンジンの出力低下につながるからであり、隔壁の気孔率が80%を超えると、隔壁の強度が低下するため、使用時の熱衝撃や機械的振動により破損することがあるからである。
本発明のセラミックハニカムフィルタ及びその製造方法によれば、排気ガス流入側の目封止部を、ハニカムフィルタの排気ガス流入側端面からフィルタ内部に配置させる構造のセラミックハニカムフィルタ、特にハニカムフィルタの排気ガス流入側端面から10mm以上の位置に配置させる構造のハニカムフィルタであっても、流入側目封止部の排気ガス上流側に空間が確実に形成されたセラミックハニカムフィルタを容易に得ることができる。このため、ハニカムフィルタ全域に亘る再生が効率良く行われ、燃え残りの微粒子が残留して圧力損失が大きくなる問題を解消することができる
以下、本発明の実施の形態に実施例を用いて詳細に説明する。
(実施例1)
図2は、本発明の実施例1のセラミックハニカムフィルタを示す模式断面図である。セラミックハニカムフィルタ10は、コージェライト質セラミックスからなり、外径267mm、長さ304.4mm、隔壁厚さ0.3mm、隔壁ピッチ1.5mm、隔壁の気孔率65%、平均細孔径22μmである。流入側目封止部は、流入側端面から92mmの位置に設けられている。このセラミックハニカムフィルタは、一方の端面に目封止部21を有する第1のハニカム構造体11と両端面に目封止部22及び23を有するセラミックハニカム構造体12を、目封止部において流路27方向に接合して、一体化されている。
実施例1のセラミックハニカムフィルタ10の製造方法について説明する。カオリン、タルク、溶融シリカ、水酸化アルミ、アルミナなどの粉末を調整して、コージェライト生成原料粉末とし、これに、成形助剤としてメチルセルロースを、また造孔剤としてグラファイト及び有機発泡剤を適量添加し、乾式で十分混合した後、規定量の水を注水し、さらに十分な混練を行って可塑性を有するセラミック坏土を作成する。 次に、このセラミック坏土を公知のハニカム構造体用押出成形用金型を使用して、押出すことにより、外周壁の内側に隔壁26で仕切られた多数の流路27を有し、外周壁と隔壁が一体的に形成されたハニカム構造の成形体を製造する。次いで、この成形体をマイクロ波乾燥炉を用いて、加熱して、乾燥を行った後、約8日間のスケジュール、最高温度1410℃で焼成した。得られたハニカム構造体11の外径は267mm、長さは100mm、壁厚0.3mm、ピッチ1.5mm、隔壁の気孔率は65%、平均細孔径は22μm、ハニカム構造体12の外径は267mm、長さは204mm、壁厚0.3mm、ピッチ1.5mm、隔壁の気孔率は65%、平均細孔径は22μmであった。
ハニカム構造体11の端面11aに図10に示すようにマスキングフィルムを接着剤で貼り付けた後、市松模様となるように穿孔し、容器に収容したスラリー状の目封止部材に端面11aを浸漬することで、コーディエライト化原料からなるスラリー状の目封止部材を穿孔部を通して浸入させ、流入側目封止部21を形成する。この目封止部21の長さはハニカム構造体11の端面11aから8mmとした。このとき、マスキングフィルムの厚さを調整することにより、突出高さ0.5mmの突出部24を目封止部21に形成した。一方、同様の方法により、ハニカム構造体12の流入部12a端面と流出部12b端面にマスキングフィルムを接着剤で貼り付けた後、市松模様となるように穿孔し、続いて、容器に収容したスラリー状の目封止部材に流入部12a端面を浸漬することで、スラリー状の目封止部材を穿孔部を通して浸入させ、流入側目封止部22を形成する。同様に、流出部12b端面をスラリー状の目封止部材に浸漬して、流出側目封止部23を形成する。目封止部22の長さは端面12aから8mm、目封止部23の長さは端面12bから12mmとした。
ハニカム構造体11、12の流路数箇所内に金属製位置合わせピンを入れて、各流路が一致するようにハニカム構造体11、12を位置決めした後、ハニカム構造体11に形成された突出部24を有する目封止部21とハニカム構造体12に形成された目封止部22とを互いに、突き合わせた後に、圧着して、目封止部21と22を一体化させる。このときの目封止部の突き合わせ状況及び圧着の状況は、図7(a)、(b)に示す形態である。この際目封止部は未焼成であるため、目封止部21と22を構成するコージェライト化原料を近接させることができる。その後、乾燥、金属製位置合わせピンを除去し、1400℃で焼成を行うことにより、目封止部21と22、更には目封止部21及び22と隔壁とをコーディエライト焼成反応により接合させ、ハニカム構造体11及び12を一体化させる。
上記のように二つのハニカム構造体11、12を、流路27方向に接合することによって、外径267mm、長さ304.4mm、隔壁厚さ0.3mm、隔壁ピッチ1.5mmの寸法を有し、排気ガス流入側の目封止部を、ハニカムフィルタの排気ガス流入側端面からフィルタ内部に配置させることにより流入側目封止部の排気ガス上流側に空間が確実に形成される構造のハニカムフィルタが容易に得られる。しかも、ハニカム構造体11及び12の長さを調整することにより、目封止部21、22の長さや流入部からの位置を正確にコントロールできる。
(実施例2)
図11(b)は、本発明の実施例2のセラミックハニカムフィルタを示す模式断面図である。セラミックハニカムフィルタ10は、コージェライト質セラミックスからなり、外径267mm、長さ304.8mm、隔壁厚さ0.3mm、隔壁ピッチ1.5mm、隔壁26の気孔率63%、平均細孔径21μmである。流入側目封止部は、流入側端面から92mmの位置に設けられている。このセラミックハニカムフィルタは、一方の端面に目封止部21を有する第1のハニカム構造体11と両端面に目封止部22及び23を有するセラミックハニカム構造体12を、目封止部において流路27方向に接合して、一体化されている。
実施例2のセラミックハニカムフィルタ10の製造方法について、図9を使って説明する。図9は、実施例1のセラミックハニカムフィルタ10の製造工程毎の模式断面図を示し、(a)は、押出成形後、乾燥したハニカム構造体(1)の模式断面図、(b)は、(a)のハニカム構造体外周部を加工した後、焼成したハニカム構造体の模式断面図、(c)は、ハニカム構造体を流路に垂直な方向に切断した後、切断した端部を面取りしたハニカム構造体11、12の模式断面図、(d)は、目封止部を形成した後の各ハニカム構造体11、12の模式断面図、(e)は、ハニカム構造体11と12とを目封止部の突出部24において接合一体化した模式断面図、(f)は、ハニカム構造体11と12の面取り部71にセラミック接着剤を充填した模式断面図、(g)は、ハニカム構造体11と12の外周部に一体に形成された外周壁を形成した模式断面図を示す。以下、製造工程毎に説明する。
(a)成形〜乾燥
カオリン、タルク、溶融シリカ、水酸化アルミ、アルミナなどの粉末を調整して、コージェライト生成原料粉末とし、これに、成形助剤としてメチルセルロースを、また造孔剤としてグラファイト及び有機発泡剤を適量添加し、乾式で十分混合した後、規定量の水を注水し、さらに十分な混練を行って可塑性を有するセラミック坏土を作成する。 次に、このセラミック坏土を公知のハニカム構造体用押出成形用金型を使用して、押出すことにより、外周壁の内側に隔壁で仕切られた多数の流路を有し、外周壁と隔壁が一体的に形成されたハニカム構造の成形体を製造する。次いで、成形体を誘電乾燥炉或いはマイクロ波乾燥炉などを用いて、加熱して、乾燥を行い、成形体中の水分を蒸発させる。
(b)外周加工〜焼成
ハニカム構造体11の外周部を研削加工により除去して、最外周に位置する流路が外部との間の隔壁を有しないことによって外部に開口して概略流路方向に延びる凹溝を形成しているハニカム構造体とする。次に、このハニカム構造体を焼成炉にて、約8日間のスケジュール、最高温度1410℃で焼成した。得られたハニカム構造体11の、外径は262mm、長さは310mm、壁厚0.3mm、ピッチ1.5mm、隔壁の気孔率は63%、平均細孔径は21μmであった。
(c)切断〜面取り
その後、流路に垂直な方向に合マークを施して切断したのち、切断面の研磨を行い、長さが100mmの第1のハニカム構造体11、及び長さが204mmの第2のハニカム構造体12を得た。その後、第1のハニカム構造体の流出側端面及び第2のハニカム構造体の流入側端面に面取り長さCが4mmの面取りを施した。
(d)目封止部形成
第1のハニカム構造体11の端面11aにマスキングフィルム(図示せず)を接着剤で貼り付けた後、市松模様となるように穿孔し、容器に収容したスラリー状の目封止部材に端面11aを浸漬することで、コーディエライト化原料からなるスラリー状の目封止部材を穿孔部を通して浸入させ、流入側目封止部21を形成する。この目封止部21の長さはハニカム構造体11の端面11aから8mmとした。このとき、マスキングフィルムの厚さを調整することにより、突出高さ0.5mmの突出部24を目封止部21に形成した。一方、第2のハニカム構造体12の流入部12a端面と流出部12b端面にマスキングフィルム(図示せず)を接着剤で貼り付けた後、市松模様となるように穿孔し、続いて、容器に収容したスラリー状の目封止部材に流入部12a端面を浸漬することで、スラリー状の目封止部材を穿孔部を通して浸入させ、流入側目封止部22を形成する。この目封止部22の長さはハニカム構造体12の端面12aから8mmとし、同様に突出高さ0.5mmの突出部を目封止部22に形成した。一方、流出部12b端面をスラリー状の目封止部材に浸漬して、流出側目封止部23を形成する。目封止部22の長さは端面12aから8mm、目封止部23の長さは端面12bから12mmとした。
(e)接合一体化
切断時の合マークを基準にすると共に、接合するハニカム構造体11、12の流路数箇所内に金属製の位置合わせピンを入れて、各流路が一致するようにハニカム構造体11、12を位置決めした後、ハニカム構造体11に形成された突出部24を有する目封止部21とハニカム構造体12に形成された目封止部22とを互いに、突き合わせた後に、圧着して、目封止部21と22を一体化させる。この際目封止部は未焼成であるため、目封止部21と22を構成するコージェライト化原料を近接させることができる。その後、乾燥、金属製位置合わせピンを除去し、1400℃で焼成を行うことにより、目封止部21と22、更には目封止部21及び22と隔壁とをコーディエライト焼成反応により接合させ、ハニカム構造体11及び12を一体化させる。
(f)接着剤充填
その後、前記面取り部71にアルミナセラミックス系の接着剤72を充填した後、乾燥した。
(g)外周壁形成
上記のセラミックハニカムフィルタの外周部に形成されている、最外周に位置する流路が外部との間の隔壁を有しないことによって外部に開口して概略流路方向に延びる凹溝に、平均粒径20μmのコージェライト粒子及びコロイダルシリカからなるペースト状材料を充填して外周壁を形成し、乾燥させ、外径が267mmのセラミックハニカムフィルタとした。
上記のように二つのハニカム構造体11、12を、流路27方向に接合することによって、外径267mm、長さ304.8mm、隔壁厚さ0.3mm、隔壁ピッチ1.5mmの寸法を有し、排気ガス流入側の目封止部を、ハニカムフィルタの排気ガス流入側端面からフィルタ内部に配置させることにより流入側目封止部の排気ガス上流側に空間が確実に形成される構造のハニカムフィルタが容易に得られる。しかも、ハニカム構造体11及び12の長さを調整することにより、目封止部21、22の長さや流入部からの位置を正確にコントロールできる。更に、面取り部分への接着剤の充填、ハニカム構造体11及び12に共通した外周壁の形成により、優れた接合強度を有するセラミックハニカムフィルタが得られる。
(実施例3)
図14は、本発明の実施例3のセラミックハニカムフィルタを示す模式断面図である。セラミックハニカムフィルタ10は、コージェライト質セラミックスからなり、外径267mm、長さ304.3mm、隔壁厚さ0.3mm、隔壁ピッチ1.5mm、隔壁26の気孔率65%、平均細孔径22μm、隔壁の表面粗さ45μmである。流入側目封止部は、流入側端面から92mmの位置に設けられている。このセラミックハニカムフィルタは、一方の端面に目封止部21を有する第1のハニカム構造体11と両端面に目封止部22及び23を有するセラミックハニカム構造体12を、目封止部において流路27方向に接合して、一体化されている。
実施例3のセラミックハニカムフィルタ10の製造方法について、図16を使って説明する。図16は、実施例1のセラミックハニカムフィルタ10の製造工程毎の模式断面図を示し、(a)は成形、焼成されたハニカム構造体1の模式断面図、(b)は(a)のハニカム構造体11の隔壁が傾くように、外周部を及び端部を除去除去加工した後の模式断面図、(c)は(b)のハニカム構造体を流路に垂直な方向に切断したハニカム構造体11、12の模式断面図、(d)は、目封止部を形成した後のハニカム構造体11、12の模式断面図、(f)は、ハニカム構造体11と12とを目封止部の突出部において接合一体化した模式断面図、(g)は外周面に外周壁材をコーティングして外周壁を形成した図である。以下、製造工程毎に説明する。
(a)成形、焼成
カオリン、タルク、溶融シリカ、水酸化アルミ、アルミナなどの粉末を調整して、コージェライト生成原料粉末とし、これに、成形助剤としてメチルセルロースを、また造孔剤としてグラファイト及び有機発泡剤を適量添加し、乾式で十分混合した後、規定量の水を注水し、さらに十分な混練を行って可塑性を有するセラミック坏土を作成する。 次に、このセラミック坏土を公知のハニカム構造体用押出成形用金型を使用して、押出すことにより、外周壁の内側に隔壁で仕切られた多数の流路を有し、外周壁と隔壁が一体的に形成されたハニカム構造の成形体を製造する。次いで、成形体を誘電乾燥炉或いはマイクロ波乾燥炉などを用いて、加熱して、乾燥を行い、成形体中の水分を蒸発させる。次に、成形体を焼成炉にて、約8日間のスケジュール、最高温度1410℃で焼成した。得られたハニカム構造体の、外径は275mm、長さは310mm、壁厚0.3mm、ピッチ1.5mm、隔壁の気孔率は65%、平均細孔径は22μmであった。
(b)外周及び端面加工
ハニカム構造体1の隔壁が傾くように、外周部を研削加工により除去して、最外周に位置する流路が外部との間の隔壁を有しないことによって外部に開口して概略流路方向に延びる凹溝を形成している、外径264mmのハニカム構造体とする。その後、外周部に対してハニカム構造体の端面が略直角になるように端部を除去加工する。
(c)切断
その後、切断部に合マークを施し、流路に垂直な方向に切断した後、切断面の研磨を行い、長さ100mmの第1のハニカム構造体11、及び長さが204mmの第2のハニカム構造体12を得た。
(d)目封止部形成
第1のハニカム構造体11の端面11aにマスキングフィルム(図示せず)を接着剤で貼り付けた後、市松模様となるように穿孔し、容器に収容したスラリー状の目封止部材に端面11aを浸漬することで、コーディエライト化原料からなるスラリー状の目封止部材を穿孔部を通して浸入させ、流入側目封止部21を形成する。この目封止部21の長さはハニカム構造体11の端面11aから8mmとした。一方、第2のハニカム構造体12の流入部12a端面と流出部12b端面にマスキングフィルム(図示せず)を接着剤で貼り付けた後、市松模様となるように穿孔し、続いて、容器に収容したスラリー状の目封止部材に流入部12a端面を浸漬することで、スラリー状の目封止部材を穿孔部を通して浸入させ、流入側目封止部22を形成する。この目封止部22の長さはハニカム構造体12の端面12aから8mmとし、マスキングフィルムの厚さを調整することにより、同様に突出高さ0.5mmの突出部を目封止部22に形成した。一方、流出部12b端面をスラリー状の目封止部材に浸漬して、流出側目封止部23を形成する。目封止部22の長さは端面12aから8mm、目封止部23の長さは端面12bから12mmとした。
(e)接合一体化
切断時の合マークを基準にすると共に、接合するハニカム構造体11、12の流路数箇所内に竹製の位置合わせピンを入れて、各流路が一致するようにハニカム構造体11、12を位置決めした後、ハニカム構造体11に形成された突出部24を有する目封止部21とハニカム構造体12に形成された目封止部22とを互いに、突き合わせた後に、圧着して、目封止部21と22を一体化させる。この際目封止部は未焼成であるため、目封止部21と22を構成するコージェライト化原料を近接させることができる。その後、1400℃で焼成を行うことにより、目封止部21と22、更には目封止部21及び22と隔壁とをコーディエライト焼成反応により接合させ、ハニカム構造体11及び12を一体化させる。なお、この際竹製の位置合わせピンは、焼成時に燃焼除去される。
(f)外周壁形成
上記のセラミックハニカムフィルタの外周部に形成されている、最外周に位置する流路が外部との間の隔壁を有しないことによって外部に開口して概略流路方向に延びる凹溝に、平均粒径20μmのコージェライト粒子及びコロイダルシリカからなるペースト状材料を充填して外周壁を形成し、外径が267mmのセラミックハニカムフィルタとした。
上記のように二つのハニカム構造体11、12を、流路方向に接合することによって、外径267mm、長さ304.3mm、隔壁厚さ0.3mm、隔壁ピッチ1.5mmの寸法を有し、排気ガス流入側の目封止部を、ハニカムフィルタの排気ガス流入側端面からフィルタ内部に配置させることにより流入側目封止部の排気ガス上流側に空間が確実に形成される構造のハニカムフィルタが容易に得られる。しかも、ハニカム構造体11及び12の長さを調整することにより、目封止部21、22の長さや流入部からの位置を正確にコントロールできる。また、ハニカム構造体11及び12に共通した外周壁の形成により、優れた接合強度を有するセラミックハニカムフィルタが得られる。更には、隔壁の表面粗さが45μmであり外周壁に対して隔壁が傾いていることから、微粒子を特にハニカムフィルタの排気ガス流入側目封止部より流出側の流路において、長手方向に亘って略均一に微粒子を分散、捕集させることが出来る。このため、フィルタ再生の際に、排気ガス流出側目封止部の上流側に高濃度で堆積した微粒子の自己発熱による温度上昇によりフィルタの溶損や破損を防ぐことができる。
(比較例1)
比較例1のセラミックハニカムフィルタ10の製造方法について説明する。カオリン、タルク、溶融シリカ、水酸化アルミ、アルミナなどの粉末を調整して、コージェライト生成原料粉末とし、これに、成形助剤としてメチルセルロースを、また造孔剤としてグラファイト及び有機発泡剤を適量添加し、乾式で十分混合した後、規定量の水を注水し、さらに十分な混練を行って可塑性を有するセラミック坏土を作成する。 次に、このセラミック坏土を公知のハニカム構造体用押出成形用金型を使用して、押出すことにより、外周壁の内側に隔壁で仕切られた多数の流路を有し、外周壁と隔壁が一体的に形成されたハニカム構造の成形体を製造する。次いで、この成形体をマイクロ波乾燥炉を用いて、加熱して、乾燥を行った後、約8日間のスケジュール、最高温度1410℃で焼成した。得られたハニカム構造体の外径は267mm、長さは304.8mm、壁厚0.3mm、ピッチ1.52mm、隔壁の気孔率は65%、平均細孔径は22μmであった。
ハニカム構造体11の端面11aに図6(a)に示すように、目封止部を必要としない流路の端面をワックス61で栓詰めした後、目封止部形成用スラリー60内にハニカム構造体41の流入部41a端面を含浸させ、ワックスで栓詰されていない流路47aにスラリー60を充填させる。このときスラリーの充填高さは105mmとした。このとき、スラリー上部、下部を問わず、スラリーに接した隔壁から水分が吸水されるため、スラリー上部、スラリー下部同時に固化が始まり、図6(c)に示すように、流路端部まで目封止部が形成された。もう一方の端面については、交互に目封止部が形成されるよう、図10に示す方法でスラリーを端面から10mmの高さで充填し、端部に目封止部を形成した。
その後、1400℃で焼成を行うことにより、目封止部と隔壁とをコーディエライト焼成反応により接合させ、一体化させる。 上記のように比較例1のセラミックハニカムフィルタでは、排気ガス流入側の目封止部を、ハニカムフィルタの排気ガス流入側端面からフィルタ内部に配置させることが困難であり、流入側目封止部の排気ガス上流側に空間を形成させることができなかった。
本発明のハニカムフィルタを示した模式断面図である。 本発明のハニカムフィルタを示した模式断面図である。 特許文献3に記載されるハニカムフィルタの再生装置から抜き出したハニカムフィルタ30の模式断面図である。 特許文献2に記載されるハニカムフィルタ40の模式断面図である。 従来のハニカムフィルタ50の模式断面図である。 特許文献2に記載されるハニカムフィルタ40の目封止部48aの形成方法を示した模式断面図で、(a)はスラリーに浸漬させた状況、(b)(c)は浸漬後ハニカム構造体を上下逆さにした状況を示す。 本発明のハニカムフィルタの製造方法を示した模式断面図である。 本発明のセラミックハニカムフィルタの、複数のハニカム構造体の接合部要部模式断面図である。 実施例2のセラミックハニカムフィルタ10の製造方法を製造工程順に示したの模式断面図である。 ハニカム構造体の流路端部に目封止部を形成する従来の方法を示した模式図である 本発明の一体に形成された外周壁を有するセラミックハニカムフィルタを示す模式断面図である。 本発明の外周近傍の流路に形成された目封止部を活用して接合されたセラミックハニカムフィルタを示す模式断面図である。 ハニカム構造体の接合端面の角部に段差部、及び面取り部を設けた本発明のセラミックハニカムフィルタの模式断面図である。 隔壁が外周壁に対して傾いている本発明のセラミックハニカムフィルタの模式断面図である。 隔壁が外周壁に対して傾いている本発明のセラミックハニカムフィルタの模式断面図である。 隔壁が外周壁に対して傾いている本発明のセラミックハニカムフィルタの製造方法の一例を製造工程順に示した図である。
符号の説明
1:セラミックハニカム構造体
10:本発明のセラミックハニカムフィルタ
30、40、50:従来技術のセラミックハニカムフィルタ
11:ハニカム構造体並びに第1のハニカム構造体
12:ハニカム構造体並びに第2のハニカム構造体
11a、12a、12b:ハニカム構造体の端面
21、22、23:目封止部
24:突出部
25、28、35、45、55:外周壁
25a:一体に形成された外周壁
26、36、46、56:隔壁
27、37、47、47a、57:流路
27a:外周近傍の流路
31、41、51:ハニカム構造体
31a、41a、51a:流入部
31b、41b、51b:流出部
38a、48a、58a:流入側目封止部
38b、48b、58b:流出側目封止部
39:放熱防止部
49:空間
60:スラリー状の目封止材
61:スラリー状の目封止材用容器
62:ワックス
63:マスキングフィルム
70:段差部
71:面取り部
72:セラミック接着剤及びセラミックスラリー

Claims (8)

  1. 隔壁により仕切られた多数の流路を有する複数のセラミックハニカム構造体を流路方向に接合し、所望の流路を目封止したセラミックハニカムフィルタであって、少なくとも一つのハニカム構造体の端面に形成された目封止部と、このハニカム構造体の端面に隣接するハニカム構造体の端面に形成された目封止部の少なくとも一部が、接合されていることを特徴とするセラミックハニカムフィルタ。
  2. 隔壁により仕切られた多数の流路を有するセラミックハニカム構造体の一方の端面の流路の所望部が目封止された第1のセラミックハニカム構造体と、セラミックハニカム構造体の両端面の流路の所望部が目封止された第2のセラミックハニカム構造体とを、第1のセラミックハニカム構造体が排気ガス流路の上流となるよう、接合したことを特徴とする請求項1に記載のセラミックハニカムフィルタ。
  3. 前記少なくとも一つの接合された目封止部において、一方のハニカム構造体の端面に形成された目封止部の目封止部長さAと、このハニカム構造体に隣接するハニカム構造体の端面に形成された目封止部の目封止部長さBの比A/Bが1/9〜9/1であることを特徴とする請求項1又は2記載のセラミックハニカムフィルタ。
  4. 前記複数のセラミックハニカム構造体が、一体に形成された外周壁を有することを特徴とする請求項1乃至3に記載のセラミックハニカムフィルタ。
  5. 前記セラミックハニカムフィルタの隔壁及び/または目封止部の少なくとも一部に触媒物質が担持されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のセラミックハニカムフィルタ。
  6. 隔壁により仕切られた多数の流路を有する複数のセラミックハニカム構造体を流路方向に接合し、所望の流路を目封止したセラミックハニカムフィルタの製造方法であって、少なくとも一つのハニカム構造体の端面に形成された目封止部と、このハニカム構造体に隣接するハニカム構造体の端面に形成された目封止部の少なくとも一部とを接合することを特徴とするセラミックハニカムフィルタの製造方法。
  7. 前記複数のセラミックハニカム構造体は、一つのセラミックハニカム構造体を流路に略垂直方向に分断し、分断した端面同士を突き合わせ、分断された端面に形成された目封止部を用いて、複数のセラミックハニカム構造体を流路方向に接合することを特徴とする請求項6に記載のセラミックハニカムフィルタの製造方法。
  8. 前記セラミックハニカム構造体の端面に形成された目封止部の少なくとも一部が、突出部を有することを特徴とする請求項6又は7記載のセラミックハニカムフィルタの製造方法。
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