JP4259718B2 - コンクリート構造物の拡張工法 - Google Patents
コンクリート構造物の拡張工法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4259718B2 JP4259718B2 JP2000043379A JP2000043379A JP4259718B2 JP 4259718 B2 JP4259718 B2 JP 4259718B2 JP 2000043379 A JP2000043379 A JP 2000043379A JP 2000043379 A JP2000043379 A JP 2000043379A JP 4259718 B2 JP4259718 B2 JP 4259718B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- concrete structure
- existing
- new
- existing concrete
- stringer
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Sewage (AREA)
- Lining And Supports For Tunnels (AREA)
- Working Measures On Existing Buildindgs (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明はコンクリート構造物の拡張工法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
既設のコンクリート構造物において、その中心軸に対して横断する方向に拡張するには従来は次のような工法が採用されている。
既設のコンクリート構造物の使用を中止し、解体、撤去して新たなコンクリート構造物を構築する方法。
既設のコンクリート構造物の使用を続けたまま、既設断面を包囲する状態で新たなコンクリート構造物を構築する方法。
【0003】
【本発明が解決しようとする課題】
上記したような従来のコンクリート構造物の拡張工法は次のような問題があった。
既設のコンクリート構造物を解体、撤去する方法では、コンクリート構造物の使用を一定期間完全に停止しなければならない。
使用したまま、その周囲を包囲する構造のコンクリート構造物を新たに構築する方法では、必要以上に大きな断面のコンクリート構造物を構築する必要があり不経済である。
【0004】
【本発明の目的】
本発明は上記したような従来の問題を解決するためになされたもので、既設のコンクリート構造物の使用を中止することなく、かつ不必要に大きな断面のコンクリート構造物を構築する必要のない、経済的なコンクリート構造物の拡張工法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決する手段】
上記のような目的を達成するために本発明のコンクリート構造物の拡張工法は、既設のコンクリート構造物において、少なくともその一部を拡張する工法であって、既設のコンクリート構造物に接近して、縦桁を設置し、既設のコンクリート構造物に沿って新設コンクリート構造物の少なくともその一部を構築し、この構築に前後して、既設部分あるいは新設部分、あるいはその両者の重量を、縦桁によって吊り下げて支持し、その状態で既設のコンクリート構造物を撤去し、撤去と前後して新設のコンクリート構造物を構築して行う、コンクリート構造物の拡張工法を特徴としたものである。
【0006】
さらに本発明は、既設のコンクリート構造物において、少なくともその一部を拡張する工法であって、既設のコンクリート構造物に沿って、新設コンクリート構造物の予定の高さよりも高い位置に縦桁を設置し、既設のコンクリート構造物に沿って新設コンクリート構造物の少なくともその一部を構築し、この構築に前後して、既設部分あるいは新設部分、あるいはその両者の重量を縦桁によって吊り下げて支持し、その状態で既設のコンクリート構造物を撤去し、撤去と前後して新設のコンクリート構造物を構築して行う、コンクリート構造物の拡張工法を特徴とするものである。
【0007】
さらに本発明は、既設のコンクリート構造物において、少なくともその一部を拡張する工法であって、既設のコンクリート構造物に接近して、縦桁を設置し、既設のコンクリート構造物に沿って新設コンクリート構造物の少なくともその一部を構築し、この構築に前後して、既設部分あるいは新設部分、あるいはその両者の重量を、縦桁によって吊り下げて支持し、吊り下げ支持力を、既設のコンクリート構造物の解体に伴う荷重の増加に応じて調整しながら、既設のコンクリート構造物を撤去し、撤去と前後して新設のコンクリート構造物を構築して行う、
コンクリート構造物の拡張工法を特徴としたものである。
【0008】
【本発明の実施の態様】
以下、図面を参照しながら本発明のコンクリート構造物の拡張工法の実施例について説明する。
【0009】
<イ>既設のコンクリート構造物1。
本発明は既設のコンクリート構造物1の内空断面を拡張する工法である。
図面の実施例ではボックスカルバートを、その中心軸に対して横断する方向に断面を拡張する場合について説明するが、ボックスカルバートに限らずひろく既設のコンクリート構造物1の拡張に利用することができる。
既設のコンクリート構造物1は上床版11と両側の側壁12、および下の床版13によって構成してある。
【0010】
<ロ>縦桁の設置。
既設のコンクリート構造物1の一側に沿って、縦桁2を設置する。
そのために、既設のコンクリート構造物1の一方の壁面に沿って2本の支柱21を立てる。この支柱21は新設するコンクリート構造物3の範囲外に設置する。その支21柱の上端に掛け渡した部材が縦桁2である。この縦桁2は鉄筋コンクリートあるいは鋼材によって構成する。
縦桁2の位置は、新設するコンクリート構造物3の予定の高さよりも高い位置に設置する。さらに縦桁2は新設コンクリート構造物3の上部空間に設置する。そうすると縦桁2は新設、および既設のコンクリート構造物から縁を切った構造となる。
しかし既設のコンクリート構造物1の上床版11の上に2本の支柱21を立て、その間を縦桁2によって連結する構造を採用することもできる。その場合には縦桁2を既設のコンクリート構造物1の上に、中心軸と平行方向に設置することになる。
【0011】
<ハ>新設コンクリート構造物3の構築。
既設のコンクリート構造物1の外側に、新設コンクリート構造物3の少なくともその一部を一体的31に構築する。
そしてこの新設部分31を縦桁2から吊り材22によって吊り下げて支持する。吊り材22とはたとえばPC鋼線、鋼棒などである。
【0012】
<ニ>既設のコンクリート構造物1の撤去。
その状態で既設のコンクリート構造物1の側壁12を撤去する。
この時に、側壁12撤去によって既設のコンクリート構造物1に不利な応力状態が生じないように、吊り材22に徐々に緊張力を与える。
側壁12の一部の撤去によって、上の床版11は側壁12から切り離され、縦桁2によって吊り下げられることになる。
この工程で既設のコンクリート構造物1の、該当部分の側壁12を全部撤去してしまうこともできる。
【0013】
<ホ>新設コンクリート構造物3の構築。
前の工程で新設のコンクリート構造物3の一部だけを構築した場合には、残りの部分の構築を続ける。
こうして既設のコンクリート構造物1の側壁12を撤去し、その部分に横断方向に拡張した新設コンクリート構造物3の構築が完了する。
新設コンクリート構造物3の構築後に必要があれば吊り材22の緊張力を再度調整する。
【0014】
<ヘ>縦桁2とコンクリート構造物の一体化。
コンクリート構造物1の拡張が完了したら、縦桁2と上床版11との間の隙間を、モルタルなどの充填材23で充填する。
そして吊り材22に緊張を与えることによって、完成したコンクリート構造物と縦桁2との一体化を図る。
【0015】
<ト>他の実施例。
コンクリート構造物1は図の実施例のように1室断面の構造だけではなく、多室のコンクリート構造物の場合でも本発明の工法を採用することができる。
また矩形断面の構造に限らず、それ以外の断面形状であっても、縦桁2を設置できる形状であれば本発明の工法を採用することができる。
また側壁12を撤去する場合に限らず、複数の室を備えた断面の場合に、中間の隔壁や柱を撤去する場合にも本発明の工法を採用することができる。
また前記したように縦桁2の設置位置は、新設構造物3の上部空間に限らず、既設コンクリート構造物1の壁面の直上部などに設置することができる。
その場合には縦桁2の支柱21は、既設のコンクリート構造物1と縁を切った構造である必要はなく、既設のコンクリート構造物1と一体化した構造で支持させることもできる。
【0016】
【本発明の効果】
本発明のコンクリート構造物の拡張工法は、以上説明したようになるから、次のような効果を達成することができる。
新設構造物を、既設のコンクリート構造物の外側に構築する方法である。したがって、新たに迂回路を設置するような別の付帯工事が不要であることはもちろん、既設構造物の使用を停止する期間はきわめて短くてすみ、きわめて経済的である。
既設の構造物をほとんど撤去する必要がなく、補強も最小限の方法で十分であって、経済的に構築することができる。
縦桁によって構造物を支持する緊張力は自由に増加、低減させることができ、最も安全性の高い状態を維持することができる。
施工段階における安全性が向上するから、不安定な仮設状態を優先して最終構造系で不要となる部材厚などを設定する必要がない。したがって全体として経済的な構造物を構築することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の施工例の施工順序の説明図。
【図2】施工順序の説明図。
【図3】施工順序の説明図。
【図4】施工途中の状態の断面図。
【図5】施工完了状態の断面図。
Claims (3)
- 既設のコンクリート構造物1において、少なくともその一部を拡張する工法であって、
既設のコンクリート構造物に接近して、縦桁を設置し、
既設のコンクリート構造物に沿って新設コンクリート構造物の少なくともその一部を構築し、
この構築に前後して、既設部分あるいは新設部分、あるいはその両者の重量を、縦桁によって吊り下げて支持し、
その状態で既設のコンクリート構造物を撤去し、撤去と前後して新設のコンクリート構造物を構築して行う、
コンクリート構造物の拡張工法。 - 既設のコンクリート構造物において、少なくともその一部を拡張する工法であって、
既設のコンクリート構造物に沿って、新設コンクリート構造物の予定の高さよりも高い位置に縦桁を設置し、
既設のコンクリート構造物に沿って新設コンクリート構造物の少なくともその一部を構築し、
この構築に前後して、既設部分あるいは新設部分、あるいはその両者の重量を縦桁によって吊り下げて支持し、
その状態で既設のコンクリート構造物を撤去し、撤去と前後して新設のコンクリート構造物を構築して行う、
コンクリート構造物の拡張工法。 - 既設のコンクリート構造物において、少なくともその一部を拡張する工法であって、
既設のコンクリート構造物に接近して、縦桁を設置し、
既設のコンクリート構造物に沿って新設コンクリート構造物の少なくともその一部を構築し、
この構築に前後して、既設部分あるいは新設部分、あるいはその両者の重量を、縦桁によって吊り下げて支持し、
吊り下げ支持力を、既設のコンクリート構造物の解体に伴う荷重の増加に応じて調整しながら、既設のコンクリート構造物を撤去し、撤去と前後して新設のコンクリート構造物を構築して行う、
コンクリート構造物の拡張工法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000043379A JP4259718B2 (ja) | 2000-02-21 | 2000-02-21 | コンクリート構造物の拡張工法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000043379A JP4259718B2 (ja) | 2000-02-21 | 2000-02-21 | コンクリート構造物の拡張工法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001234579A JP2001234579A (ja) | 2001-08-31 |
JP4259718B2 true JP4259718B2 (ja) | 2009-04-30 |
Family
ID=18566304
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000043379A Expired - Fee Related JP4259718B2 (ja) | 2000-02-21 | 2000-02-21 | コンクリート構造物の拡張工法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4259718B2 (ja) |
-
2000
- 2000-02-21 JP JP2000043379A patent/JP4259718B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2001234579A (ja) | 2001-08-31 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US20140130444A1 (en) | Tilt-Up Concrete Spandrel Assemblies and Methods | |
KR20180120927A (ko) | 소음저감이 가능한 강거더 하로형 교량 및 그 시공방법 | |
JP2020183678A (ja) | 箱桁の施工方法および施工システム | |
KR20070010449A (ko) | 아치교의 시공 방법 | |
KR102216256B1 (ko) | 방호벽일체형 프리캐스트 캔틸레버슬래브로 제작된 교량슬래브 및 그 시공방법 | |
CN113846567B (zh) | 一种桥梁水中桩柱式基础快速施工方法 | |
JP2011214221A (ja) | 吊橋の補剛桁および吊橋の補剛桁の施工方法 | |
JP4235079B2 (ja) | 鉄筋コンクリート柱と鉄骨梁の接合部の構造 | |
JP2003293538A (ja) | 階段構造及び階段の構築方法 | |
JP4259718B2 (ja) | コンクリート構造物の拡張工法 | |
JP4560557B2 (ja) | 橋梁の耐震補強工法 | |
CN103216035A (zh) | 钢筋混凝土框架梁的延性构造及施工方法 | |
JPH06322827A (ja) | スーパーラーメン架構構造とその構築方法 | |
JP2000129633A (ja) | 橋梁床版の架設工法 | |
KR101863006B1 (ko) | 미관과 성능이 향상된 교량용 강관거더 | |
KR101064752B1 (ko) | 콘크리트 슬래브 타설용 데크 | |
JP3878546B2 (ja) | 横桁一体型コンクリート床版の施工方法 | |
JP2009002079A (ja) | 既存建物の耐震補強工法 | |
KR102111883B1 (ko) | 아파트와 지하주차장 접합부에서의 트랜스퍼 거더 pc화 공법 | |
JP2007092370A (ja) | 鉄筋コンクリート造既存建物の耐震補強工法 | |
JPH0782892A (ja) | 逆打ち工法用構真柱の建込み方法 | |
CN113846789B (zh) | 一种装配式混凝土双向密肋楼盖结构及其施工方法 | |
JP3323474B2 (ja) | 梁の部分除去工法 | |
CN112064779B (zh) | 一种框架结构建筑 | |
US1354560A (en) | Floor construction |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20070123 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20090108 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20090120 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20090203 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120220 Year of fee payment: 3 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150220 Year of fee payment: 6 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |