JP4259194B2 - 液圧成形方法および液圧成形装置 - Google Patents

液圧成形方法および液圧成形装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液圧成形方法および液圧成形装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の液圧成形装置においては、縁部が接合された2枚の金属板材からなる予備成形体に、高圧の成形媒体を供給することにより、予備成形体を膨出変形させ、複雑な形状の成形品を得ている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開平9−168827号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、予備成形体を膨出変形させるための成形媒体を供給する際に、予備成形体の内部に存在する空気の排出を考慮していない。したがって、成形媒体を予備成形体の内部に充填するための所要時間が長くなり、生産性を低下させる問題点を有している。
【0005】
さらに、液圧成形の終了後における予備成形体の内部に存在する成形媒体は、自然排出されるため、所要時間が長くなり、生産性を低下させる問題点を有している。
【0006】
本発明は、上記従来技術に伴う課題を解決するためになされたものであり、良好な生産性を有する液圧成形装置および液圧成形方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための請求項1に記載の発明は、
予備成形体を、金型の内側に配置して型締めした後、予備成形体の内部空間に、成形媒体を供給して液圧を付加することで、予備成形体を膨出させ、金型のキャビティに押圧して成形する液圧成形方法であって、
成形媒体の供給に応じて、前記内部空間に存在する滞留気体を、吸引することによって強制的に排出することを特徴とする液圧成形方法である。
【0008】
上記目的を達成するための請求項に記載の発明は、
予備成形体が配置され、前記予備成形体を型締めするための金型と、
前記予備成形体の内部空間に、成形媒体を供給して液圧を付加することで、前記予備成形体を膨出させ、前記金型のキャビティに押圧して成形するための液圧付加手段と、
成形媒体の供給に応じて、前記内部空間に存在する滞留気体を、吸引することによって強制的に排出するための吸引手段
を有することを特徴とする液圧成形装置である。
【0009】
【発明の効果】
上記のように構成した本発明は以下の効果を奏する。
【0010】
請求項1に記載の発明によれば、予備成形体を膨出変形させるための成形媒体の供給に応じて、予備成形体の内部に存在する滞留気体が、吸引することによって強制的に排出されるため、成形媒体の供給がスムーズに進行し、かつ、成形媒体を予備成形体の内部に充填するための所要時間が短くなる。つまり、良好な生産性を有する液圧成形方法を提供することができる。
【0011】
請求項に記載の発明によれば、予備成形体を膨出変形させるための成形媒体の供給に応じて、予備成形体の内部に存在する滞留気体を、吸引手段により吸引することによって強制的に排出することができるため、成形媒体の供給をスムーズに進行させ、かつ、成形媒体を予備成形体の内部に充填するための所要時間を短くすることが可能である。つまり、良好な生産性を有する液圧成形装置を提供することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しつつ説明する。
【0013】
本発明の実施の形態1に係る液圧成形装置は、例えば、軽量化と高剛性化とを両立させた自動車部品を提供するために適用される。自動車部品は、例えば、エキゾーストマニホールド部品、レインフォース部品である。
【0014】
本発明の実施の形態1に係る液圧成形装置は、図1に示されるように、予備成形体30が配置される金型40,50、軸押しポンチ60,80、高圧ポンプ71、加圧タンク75、吸引ポンプ90を有する。成形媒体は、例えば水である。
【0015】
金型40,50は、予備成形体30を挟み込んで型締めするための上型および下型からなる。上型40および下型50は、近接離間可能であり、成形品の外形形状に対応するキャビティ41,51が形成されている。予備成形体30は、中空管形状であり、両端部に開口部31,32を有する。
【0016】
軸押しポンチ60,80は、軸押しシリンダ62,82に連結され、上型40および下型50の側面に配置される。また、軸押しポンチ60,80は、予備成形体30の開口部31,32に挿入され、予備成形体30の内部空間を密閉するための突出部61,81を有する。
【0017】
軸押しポンチ(軸押しポンチの一方)60は、成形媒体を予備成形体30に供給するための供給路65が形成されている。供給路65の一端は、突出部61の先端まで延長し、注入口66を構成している。供給路65の他端は、成形媒体を供給するための高圧ポンプ71から延長する配管系に連結されている。
【0018】
高圧ポンプ71と供給路65の間には、圧力計72、バルブ73、分岐配管74が配置されている。また、高圧ポンプ71には、成形媒体が保持されている供給タンク70が連結されている。
【0019】
分岐配管74には、加圧タンク(加圧気体源)75に延長する配管系が連結されており、分岐配管74と加圧タンク75との間には、バルブ76が配置されている。バルブ76は、加圧タンク75を高圧ポンプ71から延長する配管系に連通自在とする。
【0020】
したがって、バルブ73を開かつバルブ76を閉として、高圧ポンプ71を作動させる場合、予備成形体30の内部空間に、成形媒体を供給して液圧を付加することが可能である。また、バルブ73を閉かつバルブ76を開とする場合、予備成形体30の内部空間に、加圧気体を供給することが可能である。
【0021】
軸押しポンチ(軸押しポンチの他方)80は、予備成形体30の内部に存在する流体(成形媒体あるいは滞留気体)を排出するための排出路85が形成されている。滞留気体は、例えば、予備成形体30の内部に存在する空気である。
【0022】
排出路85の一端は、突出部81の先端まで延長し、排出口86を構成している。排出路85の他端は、排出された成形媒体を保持するための排出タンク91に連結されている。排出路85の排出口86の径は、供給路65の注入口66の径より小さい。
【0023】
排出タンク91は、気液分離槽としての機能を有しており、成形媒体のみを回収するために使用される。また、排出タンク91には、吸引ポンプ(吸引手段)90が連結されている。排出タンク91と排出路85の間には、圧力計92およびバルブ93が配置されている。
【0024】
排出タンク91と供給タンク70は、ポンプ95が配置されている配管系によって連結されており、排出タンク91に排出される成形媒体は、供給タンク70に適宜送り込まれ、再利用される。
【0025】
したがって、バルブ73を開かつバルブ76を閉として、高圧ポンプ71を作動させて成形媒体の供給を開始する際に、バルブ93を開として、吸引ポンプ90を作動させる場合、成形媒体を、軸押しポンチ60の突出部61に形成されている注入口66を経由して、予備成形体30の内部に供給することができる。
【0026】
一方、成形媒体の供給に応じて、予備成形体30の内部空間に存在する滞留気体を、吸引ポンプ90によって吸引することで、軸押しポンチ80の突出部81に形成されている排出口86を経由して、強制的に排出することができる。そのため、成形媒体の供給がスムーズに進行し、成形媒体を予備成形体の内部に充填するための所要時間を短くすることが可能となる。
【0027】
滞留気体の吸引は、圧力計72によって検出された液圧に基づいて、停止される。例えば、最終液圧の10%に到達した時点で、予備成形体30の内部空間からの滞留気体の除去は完了したと判断し、バルブ93を閉として、吸引ポンプ90の作動を停止する。最終液圧は、キャビティ41,51の角部近傍の成形に必要な(成形品の角部曲率半径が得られる)液圧であり、例えば、100MPaである。
【0028】
また、液圧成形の終了後に、バルブ73を閉かつバルブ76,93を開とする場合、加圧タンク75から供給される加圧気体を、軸押しポンチ60の突出部61に形成されている注入口66を経由して、予備成形体30の内部空間に導入することができる。
【0029】
加圧気体は、予備成形体30の内部空間に存在する成形媒体を、軸押しポンチ80の突出部81に形成されている排出口86を経由して、強制的に押し出すことができる。したがって、成形媒体の排出を迅速に進行させることが可能である。
【0030】
以上のように、実施の形態1に係る液圧成形装置は、予備成形体を膨出変形させるための成形媒体の供給を開始する際において内部空間に存在する滞留気体および/または液圧成形後において内部空間に存在する成形媒体を、強制的に排出するための排出手段を有する。
【0031】
したがって、成形媒体を供給する際において予備成形体の内部に存在する滞留気体を、強制的に排出することができるため、成形媒体を予備成形体の内部に充填するための所要時間を短くすることが可能である。また、液圧成形の終了後において予備成形体の内部に存在する成形媒体を、強制的に排出することができるため、成形媒体を排出するための所要時間を短くすることが可能である。つまり、実施の形態1は、良好な生産性を有する液圧成形装置を提供することができる。
【0032】
次に、実施の形態1に係る液圧成形装置を使用した液圧成形方法を説明する。図2は、時間の経過と液圧の関係を示しているグラフ、図3は、金型の型締めおよび滞留空気の排出を説明するための断面図、図4は、液圧成形の途中を説明するための断面図、図5は、液圧成形の終了時の形状および成形媒体の排出を説明するための断面図である。
【0033】
まず、予備成形体30が、上型40および下型50を有する金型によって、挟み込まれて型締めされる。そして、軸押しシリンダ62,82は、軸押しポンチ60,80を金型側に押し込める(図3参照)。
【0034】
予備成形体30の開口部31,32は、軸押しポンチ60,80の突出部61,81により拡張されると共に、上型40および下型50によって規制される。そのため、予備成形体30の開口部31,32は、軸押しポンチ60,80に密着して、シール部が形成され、予備成形体30の気密性が確保される。
【0035】
その後、バルブ73を開かつバルブ76を閉として、高圧ポンプ71を作動させて成形媒体の供給を開始する。同時に、バルブ93を開として、吸引ポンプ90を作動させる。
【0036】
したがって、成形媒体は、軸押しポンチ60の突出部61に形成されている注入口66を経由して、予備成形体30の内部に供給される。一方、成形媒体の供給に応じて、予備成形体30の内部空間に存在する滞留気体は、吸引ポンプ90によって吸引され、軸押しポンチ80の突出部81に形成されている排出口86を経由して、強制的に排出される。そのため、成形媒体の供給がスムーズに進行し、成形媒体を予備成形体の内部に充填するための所要時間が短くなる。
【0037】
なお、予備成形体30の内部に大量の滞留気体が存在する初期期間においては、成形媒体を低速で供給する。初期期間は、例えば、予備成形体30の内部の圧力が、最終液圧P3の1%に対応する液圧P1に到達するまで期間である。なお、符号T1は、液圧P1に到達する時間を示している。
【0038】
そして、例えば、最終液圧P3の10%に対応する液圧P2(時間T2)に到達した時点で、予備成形体30の内部空間からの滞留気体の除去が完了し、予備成形体の内部に成形媒体が十分に充填されたと判断する。したがって、バルブ93を閉として、吸引ポンプ90の作動を停止する。
【0039】
成形媒体の供給を継続し液圧が上昇することにより、図4に示されるように、予備成形体30は徐々に膨出する。そして、最終液圧P3(時間T3)に到達した後、所定時間保持される(時間T4)。これによって、予備成形体30は、成形品の外形形状に対応するキャビティ41,51に合致した形状まで膨出成形され、液圧成形が完了する(図5参照)。
【0040】
その後、高圧ポンプ71を停止し、バルブ73を閉にし、かつ、バルブ76,93を開とする。これによって、加圧タンク75から供給される加圧気体は、軸押しポンチ60の突出部61に形成されている注入口66を経由して、予備成形体30の内部空間に導入される。
【0041】
その結果、加圧気体が、予備成形体30の内部空間に存在する成形媒体を、軸押しポンチ80の突出部81に形成されている排出口86を経由して、強制的に押し出すことで、成形媒体の排出が迅速に進行する。
【0042】
成形媒体の強制的排出が終了すると(時間T5)、型開きされ、得られた成形品は、金型40,50から取り出される。なお、排出タンク91に排出される成形媒体は、ポンプ95を作動させることで、適宜供給タンク70に送り込まれ、再利用される。
【0043】
以上のように、実施の形態1に係る液圧成形方法においては、成形媒体を供給する際に、予備成形体の内部に存在する滞留気体が強制的に排出されるため、成形媒体を予備成形体の内部に充填するための所要時間が短くなる。また、液圧成形の終了後において予備成形体の内部に存在する成形媒体が、強制的に排出されるため、成形媒体を排出するための所要時間が短くなる。つまり、実施の形態1は、良好な生産性を有する液圧成形方法を提供することができる。
【0044】
図6は、本発明の実施の形態2に係る液圧成形装置を説明するための断面図図7は、図6に示される予備成形体の平面図である。
【0045】
本発明の実施の形態2に係る液圧成形装置に係る成形品は、例えば、アスクル部品、ボディサイド部品、サスペンション部品である。
【0046】
本発明の実施の形態2に係る液圧成形装置は、図6に示されるように、予備成形体130が配置される金型140,150、ノズル部160,180、高圧ポンプ171、加圧タンク175、吸引ポンプ190を有する。
【0047】
予備成形体130は、重ね合せられた少なくとも2枚の板材110,120からなり、ノズル部160,180が配置される凸部111,116を有する。凸部111は、ノズル部160が挿入される開口部121と成形媒体が供給される注入口132を有する。凸部116は、ノズル部180が挿入される開口部126と成形媒体および滞留気体を排出するための排出口137を有する。
【0048】
予備成形体130は、注入口132から延長する流路133を形成するための隆起部112と、排出口137に延長している流路138を形成するための隆起部117を有する。
【0049】
板材110,120の端部周辺は、接合部131を有する。接合部131は、例えば、溶接あるいは接着によって全周に形成されており、気密性が確保されている。溶接は、例えば、レーザー溶接や、アーク溶接である。
【0050】
金型140,150は、予備成形体130を挟み込んで型締めするための上型および下型からなる。上型140および下型150は、近接離間可能であり、成形品の外形形状に対応するキャビティ141,151が形成されている。
【0051】
上型140は、予備成形体110の凸部111,116に対応する凹部142,147と、予備成形体110の隆起部112,117に対応する溝部143,148とを有する。下型150は、ノズル部160,180が配置される凹部152,157を有する。
【0052】
ノズル部160は、成形媒体を予備成形体130の注入口132に供給するための供給路165が形成されている。供給路165の一端は、注入口166を構成し、他端は、下型150の内部を延長し、成形媒体を供給するための高圧ポンプ171から延長する配管系に連結されている。
【0053】
高圧ポンプ171と供給路165の間には、圧力計171、バルブ173、分岐配管174が配置されている。高圧ポンプ171には、成形媒体が保持されている供給タンク170が連結されている。分岐配管174には、加圧タンク175に延長する配管系が連結されており、分岐配管174と加圧タンク175との間には、バルブ176が配置されている。
【0054】
したがって、バルブ173を開かつバルブ176を閉として、高圧ポンプ171を作動させる場合、予備成形体130の内部空間に、成形媒体を供給して液圧を付加することが可能である。また、バルブ173を閉かつバルブ176を開とする場合、予備成形体130の内部空間に、加圧気体を供給することが可能である。
【0055】
ノズル部180は、成形媒体および滞留気体を予備成形体130の排出口137から排出するための排出路185が形成されている。排出路185の一端は、排出口186を構成し、他端は、下型150の内部を延長し、排出タンク191に連結されている。排出口186の径は、注入口166の径より小さい。
【0056】
排出タンク191は、気液分離槽としての機能を有しており、成形媒体のみを回収するために使用される。また、排出タンク191には、吸引ポンプ190(吸引手段)が連結されている。排出タンク191と排出路185の間には、圧力計192およびバルブ193が配置されている。
【0057】
なお、排出タンク191と供給タンク170とは、ポンプ195が配置されている配管系によって連結されており、排出タンク191に排出される成形媒体は、供給タンク170に適宜送り込まれ、再利用される。
【0058】
したがって、バルブ173を開かつバルブ176を閉として、高圧ポンプ171を作動させて成形媒体の供給を開始する際に、バルブ193を開として、吸引ポンプ190を作動させる場合、成形媒体を、ノズル部160の注入口166および予備成形体130の注入口132を経由して、予備成形体130の内部に供給することができる。
【0059】
一方、成形媒体の供給に応じて、予備成形体130の内部空間に存在する滞留気体を、吸引ポンプ190によって吸引することで、予備成形体130の排出口137およびノズル部180の排出口186を経由して、強制的に排出することができる。そのため、成形媒体の供給がスムーズに進行し、成形媒体を予備成形体の内部に充填するための所要時間を短くすることが可能となる。
【0060】
滞留気体の吸引は、圧力計172によって検出された液圧に基づいて、停止される。例えば、最終液圧の10%に到達した時点で、予備成形体130の内部空間からの滞留気体の除去は完了したと判断し、バルブ193を閉として、吸引ポンプ190の作動を停止する。
【0061】
なお、滞留気体の量は、実施の形態1の場合に比べて少なく、成形媒体を予備成形体の内部に充填するための所要時間の短縮効果が小さいため、滞留気体の強制的な排出は、適宜省略することも可能である。
【0062】
また、液圧成形の終了後に高圧ポンプ171を停止し、バルブ173を閉かつバルブ176,193を開とする場合、加圧タンク175から供給される加圧気体を、ノズル部160の注入口166および予備成形体130の注入口132を経由して、予備成形体130の内部に供給することができる。
【0063】
加圧気体は、予備成形体130の内部空間に存在する成形媒体を、予備成形体130の排出口137およびノズル部180の排出口186を経由して、強制的に押し出すことができる。したがって、成形媒体の排出を迅速に進行させることが可能である。
【0064】
以上のように、重ね合わせた板材の周辺を接合して形成される予備成形体が適用される液圧成形装置においても、成形媒体の供給を開始する際において内部空間に存在する滞留気体および/または液圧成形後において内部空間に存在する成形媒体を、強制的に排出するための排出手段を提供することができる。つまり、実施の形態2においても、良好な生産性を有する液圧成形装置を提供することができる。
【0065】
次に、実施の形態2に係る液圧成形装置を使用した液圧成形方法を説明する。図8は、金型の型締めおよび滞留空気の排出を説明するための断面図、図9は、液圧成形の終了時の形状および成形媒体の排出を説明するための断面図である。
【0066】
まず、予備成形体130が、上型140および下型150を有する金型によって、挟み込まれて型締めされる。その結果、予備成形体130の凸部111,116および隆起部112,117は、上型140の凹部142,147および溝部143,148に位置決めされ、一方、予備成形体130の開口部121,126には、ノズル部160,180が挿入され、気密性が確保される。
【0067】
その後、バルブ173を開かつバルブ176を閉として、高圧ポンプ171を作動させて成形媒体の供給を開始する(図8参照)。同時に、バルブ193を開として、吸引ポンプ190を作動させる。
【0068】
したがって、成形媒体は、ノズル部160の注入口166および予備成形体130の注入口132を経由して、予備成形体130の内部に供給される。一方、成形媒体の供給に応じて、予備成形体130の内部空間に存在する滞留気体は、吸引ポンプ190によって吸引され、予備成形体130の排出口137およびノズル部180の排出口186を経由して、強制的に排出される。そのため、成形媒体の供給がスムーズに進行し、成形媒体を予備成形体の内部に充填するための所要時間が短くなる。
【0069】
また、予備成形体130の内部に大量の滞留気体が存在する初期期間においては、成形媒体は低速で供給する。そして、例えば、最終液圧の10%に対応する液圧Pに到達した時点で、予備成形体130の内部空間からの滞留気体の除去は完了したと判断し、バルブ193を閉として、吸引ポンプ190の作動を停止する。
【0070】
そして、最終液圧に到達した後、所定時間保持され、予備成形体130は、成形品の外形形状に対応する上型140および下型150のキャビティ141,151に合致した形状まで膨出成形され、液圧成形が完了する。
【0071】
その後、高圧ポンプ171を停止し、バルブ173を閉にし、かつ、バルブ176,193を開とする(図9参照)。これによって、加圧タンク175から供給される加圧気体は、ノズル部160の注入口166および予備成形体130の注入口132を経由して、予備成形体130の内部に供給される。
【0072】
その結果、加圧気体が、予備成形体130の内部空間に存在する成形媒体を、予備成形体130の排出口137およびノズル部180の排出口186を経由して、強制的に押し出すことで、成形媒体の排出が迅速に進行する。
【0073】
成形媒体の強制的排出が終了すると、型開きされ、得られた成形品は、金型140,150から取り出される。なお、排出タンク191に排出される成形媒体は、ポンプ195を作動させることで、適宜供給タンク170に送り込まれ、再利用される。
【0074】
以上のように、実施の形態2においても、良好な生産性を有する液圧成形方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1に係る液圧成形装置を説明するための断面図である。
【図2】 時間の経過と液圧の関係を示しているグラフである。
【図3】 金型の型締めおよび滞留空気の排出を説明するための断面図である。
【図4】 液圧成形の途中を説明するための断面図である。
【図5】 液圧成形の終了時の形状および成形媒体の排出を説明するための断面図である。
【図6】 本発明の実施の形態2に係る液圧成形装置を説明するための断面図である。
【図7】 図6に示される予備成形体の平面図である。
【図8】 金型の型締めおよび滞留空気の排出を説明するための断面図である。
【図9】 液圧成形の終了時の形状および成形媒体の排出を説明するための断面図である。
【符号の説明】
30…予備成形体、
31,32…開口部、
40…上型(金型)、
41…キャビティ、
50…下型(金型)、
51…キャビティ、
60…軸押しポンチ、
61…突出部、
62…軸押しシリンダ、
65…供給路、
66…注入口、
70,170…供給タンク、
71,171…高圧ポンプ、
72,172…圧力計、
73,173…バルブ、
74,174…分岐配管、
75,175…加圧タンク、
76,176…バルブ、
80…軸押しポンチ、
81…突出部、
82…軸押しシリンダ、
85…排出路、
86…排出口、
90,190…吸引ポンプ、
91,191…排出タンク、
92,192…圧力計(液圧検出手段)、
93,193…バルブ、
95,195…ポンプ、
110…板材、
111,116…凸部、
112,117…隆起部、
120…板材、
121,126…開口部、
130…予備成形体、
131…接合部、
132…注入口、
133…流路、
137…排出口、
138…流路、
140…上型(金型)、
141…キャビティ、
142…凹部、
143…溝部、
147…凹部、
148…溝部、
150…下型(金型)、
151…キャビティ、
152,157…凹部、
160…ノズル部、
165…供給路、
166…注入口、
180…ノズル部、
185…排出路、
186…排出口、
1,P2,P3…液圧、
1,T2,T3,T4,T5…時間。

Claims (12)

  1. 予備成形体を、金型の内側に配置して型締めした後、予備成形体の内部空間に、成形媒体を供給して液圧を付加することで、予備成形体を膨出させ、金型のキャビティに押圧して成形する液圧成形方法であって、
    成形媒体の供給に応じて、前記内部空間に存在する滞留気体を、吸引することによって強制的に排出することを特徴とする液圧成形方法。
  2. 前記滞留気体の吸引は、前記予備成形体に付加される液圧に基づいて停止されることを特徴とする請求項に記載の液圧成形方法。
  3. 液圧成形後において、加圧気体を前記内部空間に供給することによって、前記内部空間に存在する成形媒体を、強制的に排出することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の液圧成形方法。
  4. 前記予備成形体は、中空管形状であることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の液圧成形方法。
  5. 前記予備成形体は、重ね合わせた板材の周辺を接合して形成されることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の液圧成形方法。
  6. 予備成形体が配置され、前記予備成形体を型締めするための金型と、
    前記予備成形体の内部空間に、成形媒体を供給して液圧を付加することで、前記予備成形体を膨出させ、前記金型のキャビティに押圧して成形するための液圧付加手段と、
    成形媒体の供給に応じて、前記内部空間に存在する滞留気体を、吸引することによって強制的に排出するための吸引手段
    を有することを特徴とする液圧成形装置。
  7. 前記予備成形体に付加される液圧を検出するための液圧検出手段を有し、前記滞留気体の吸引は、前記液圧検出手段によって検出された液圧に基づいて停止されることを特徴とする請求項に記載の液圧成形装置。
  8. 液圧成形後において、加圧気体を前記内部空間に供給することによって、前記内部空間に存在する成形媒体を、強制的に排出するための加圧気体供給手段を有することを特徴とする請求項に記載の液圧成形装置。
  9. 前記加圧気体供給手段は、液圧成形後において加圧気体を前記内部空間に供給するための加圧気体源を有することを特徴とする請求項に記載の液圧成形装置。
  10. 前記加圧気体源を前記液圧付加手段の配管系に連通自在とするためのバルブ手段を有することを特徴とする請求項に記載の液圧成形装置。
  11. 前記予備成形体は、中空管形状であることを特徴とする請求項6〜10のいずれか1項に記載の液圧成形装置。
  12. 前記予備成形体は、重ね合わせた板材の周辺を接合して形成されることを特徴とする請求項6〜10のいずれか1項に記載の液圧成形装置。
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