JP4258107B2 - 液体クロマトグラフ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、グラジエント溶離を行う液体クロマトグラフに関する。
【0002】
【従来の技術】
グラジエント溶離は、液体クロマトグラフにおける移動相液体を2種以上用い、その混合割合を時間と共に変化させながら分析する手法である。
図3は、従来の4液低圧グラジエント液体クロマトグラフシステムの一例を示す。図において、1a、1b、1c、1dはそれぞれ移動相液体A、B、C、Dの容器(リザーバ)、2は移動相液体に溶存するガスを除くための脱気装置で、ここでは4チャンネル形を用い、各チャンネルをそれぞれA、B、C、D各液の脱気に用いる。3a、3b、3c、3dは開度をコントロールすることで各液の混合比を制御するバルブであり、各液の流路はこのバルブの出口側の点M(ミキシング点)で合流し、この点以降は各液が所定比率で混合された移動相液体として流れる。4は、液体クロマトグラフ装置の心臓ともいうべき送液ポンプで、上記の移動相液体を所定の流量で、図中に矢印で示す方向に送液するものである。5は試料注入部であって、インジェクタバルブ等により所定量の試料を移動相液体の流れの中に注入する。注入された試料は、移動相液体の流れに乗ってカラム6を通過する間に分離され、検出器7で分析結果を表す信号として取り出される。検出器7を通過した液体は廃液溜め8に排出される。9は、カラム6を分析所定の温度に保つための恒温槽であり、これらを統括的に制御するのがコンピュータを内蔵するコントローラ10である。図中の点線は、このコントローラ10から各部を制御する信号を示す。
【0003】
以上は、この装置に設備された移動相液体供給用のチャンネルをフルに利用する4液グラジエントの例であるが、設備されたチャンネル数よりも少ない液数でグラジエント溶離分析を行う場合は、余分のチャンネルは空けておくのが普通であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
移動相組成が変わらないアイソクラティック溶離分析の場合と比較して、グラジエント溶離分析においては、移動相液体の脱気はより重要である。その理由は、移動相液体の種類によりガスの溶解度が異なるため、移動相組成が変わると溶存ガスが気泡となって遊離し、分析を妨害することがあるからである。従って、気泡の発生を防ぐためには、予め移動相液体を脱気装置に通して充分にガスを除いておく必要があるが、この目的のために一般に用いられる真空膜を利用した脱気装置は流量が大きくなると脱気能力が低下するため、気泡が発生しやすくなることが問題であった。大流量の下でも充分な脱気能力を確保するには、液体が接する膜面積を増加させる(脱気管を長くする)か、または、脱気管内における液体の滞留時間を長くする(内容積を増す)ことが考えられるが、いずれも液の置換性の点から見て好ましくない。
【0005】
このため、従来は、低圧グラジエント溶離分析においては移動相液体の流量をある程度以上に大きく設定することができず、分析スピードを向上する上での制約となっていた。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、移動相流量が大きい条件下における脱気装置の能力の低下を防ぎ、気泡の発生を抑えて安定な分析を可能にする液体クロマトグラフを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するために、3以上の複数の移動相液体の供給チャンネルを有するグラジエント送液機構を備えた液体クロマトグラフにおいて、設備されたチャンネル数よりも少ない液数のグラジエント溶離分析を行う場合に、同種の移動相液体を少なくとも2チャンネルを並行に用いて供給できる流路構成と、この同種の移動相液体のチャンネルの合計流量がプログラムに定められた流量となるように制御するコントローラとを具備することを特徴とする。
【0007】
これにより、1チャンネル当たりの流量負荷が分散されるので、脱気装置における脱気能力の低下が少なくなり、気泡の発生を抑えた大流量高速分析が可能となる。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施形態を図1に示す。この図は、4チャンネルの移動相液体供給路を持つ低圧グラジエント送液機構を用いて2液のグラジエント溶離分析を行う液体クロマトグラフの例である。
図において脱気装置2以降の構成は図3に示す従来例と変わらず、同一の符号を付した各構成要素の機能も同じであるから、これらについては説明を省く。なお、11はコントローラ10に付随するメモリー装置である。
移動相液体はA、Bの2液であり、図に示すように、A液の移動相容器1aから脱気装置2の2つのチャンネルa、cに配管が並行して接続され、同様に、移動相容器1bからチャンネルb、dに配管が接続される。これにより、両液はそれぞれ2つのチャンネルに分割されて流れるので、脱気装置2の各チャンネルの負荷が半減される。各チャンネルa、b、c、dの流量は、コントローラ10から、バルブ3a〜3dの開度(バルブを小刻みにオンオフする時間比率)を調節することによって制御される。
【0009】
図2(a)は、移動相全体に対するB液の比率(濃度)を横軸を時間としてグラフ表示したプログラム(グラジエントプロファイル)の一例を示す。このプログラムでは、分析開始時はB液濃度10%であるが、分析開始後、時間Toが経過した以降は次第に濃度が増加し、分析終期にはB液100%となるものである。
このプロファイルに従って送液する場合のa、b、c、d各チャンネルの流量を面積で示したのが同図(b)である。この図において、横軸は時間を示し、a、b、c、dと記した領域はそれぞれのチャンネルを流れる液体の流量比を表している。即ち、A液はa、cチャンネルに、B液はb、dチャンネルに等分に分割されて流れ、A液とB液の領域の境界線(太線で示す)として同図(a)に示すグラジエントプロファイルと同じ形が描かれる。
このように各チャンネルの流量を制御するには、各チャンネルa、b、c、dに4種の異なる液体を流す従来の場合と同様に、コントローラ10において各チャンネルに個別に流量プログラムを設定すればよい。(b)図の場合は、A液はaとcのチャンネルに、B液はbとdのチャンネルに等分に分割されるので、チャンネルaとc、及びチャンネルbとdの流量プログラムはそれぞれ同じになる。
【0010】
同種の液体を2つのチャンネルに流す場合、必ずしも上述のように等分に分配する必要はない。同図(c)は、同種の液体を2つのチャンネルに等分に分配しない場合の例を示す。
この例では、B液について見れば、分析開始からしばらくの間はbチャンネルのみに流れており、次第にその量が増加するが、全移動相流量の約50%の流量値以上には増加せず、代わってdチャンネルにもB液が流れ始め、次第にその量が増加して行き、分析終期にはb、dチャンネルを合わせたB液の流量が全移動相流量の100%に達する。
同様にA液について見れば、当初はa、cチャンネルのそれぞれにほぼ等量のA液が流れているが、B液の流量が増加し始めると共に、まずcチャンネルのA液流量が減り始め、その流量が0になったところでaチャンネルのA液流量が同じ割合で減り始め、これも分析終期には0になる。
このようにして、a、b両チャンネルを合わせたA液の合計流量と、b、d両チャンネルを合わせたB液の合計流量とが同図(a)に示すグラジエントプロファイルに従って変化するように制御することで所期のグラジエント送液が達成される。
【0011】
本実施形態においては、従来と同様に、移動相液体を各々単一のチャンネルから供給するモードで用いることもできる。そのためには、図において移動相容器1a、1bに挿入されている各2本の配管のうち各1本を容器から抜き出す(配管は可撓性のテフロンチューブが通常用いられるので、容易に抜き出せる)ことで流路構成を変更すると共に、コントローラ10において、プログラム設定を変更すればよい。プログラムはファイル化してコントローラに付随するメモリー装置11に保存しておけば、その都度変更せずに、ファイルを選択するだけで容易にモードの切換ができる。
【0012】
以上は同種の液体を2つのチャンネルに流す場合であるが、同様にして、チャンネル数が許す限り、同種の液体を3チャンネル以上に分割して供給することもできる。また、3液以上のグラジエント送液にも適用することができる。
以上は1チャンネル当たりの移動相液体流量の上限が脱気装置の脱気能力によって制限される場合について説明したが、本発明はこれに限定されず、他の要因によってチャンネル当たりの流量が制約を受ける場合、例えば、液体の粘性やフィルタの抵抗が流量を制限する要因となる場合にも適用することができる。
【0013】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明は、設備されたチャンネル数よりも少ない液数のグラジエント溶離分析を行う場合に、空きチャンネルを有効に利用して、同種の移動相液体を並行する少なくとも2つのチャンネルを通して供給できる流路構成を備え、その合計流量が所定のプログラムに従うようにコントロールするものであるから、チャンネル当たりの負荷を分散することで、例えば大流量においても脱気装置の能力が低下することを防ぎ、気泡の発生を抑える等の大きな効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す図である。
【図2】本発明の一実施形態の動作を説明する図である。
【図3】従来のグラジエント溶離液体クロマトグラフの構成例を示す図である。
【符号の説明】
1a、1b…移動相液体容器
2…脱気装置
3a、3b、3c、3d…バルブ
4…送液ポンプ
5…試料注入部
6…カラム
7…検出器
8…廃液溜め
9…恒温槽
10…コントローラ
Claims (1)
- 3以上の複数チャンネルを通して供給される2種以上の移動相液体の混合比を所定のプログラムに従って変化させながら送液するグラジエント送液機構を備えた液体クロマトグラフにおいて、前記複数のチャンネルのうち少なくとも2チャンネルから同一種の移動相液体を供給できる流路構成と、該種移動相液体を供給するチャンネルの合計流量が所定プログラムにおいて該種移動相液体に所要の流量となるよう制御するコントローラとを具備することを特徴とする液体クロマトグラフ。
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ID=18695827
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JP5482191B2 (ja) * | 2009-12-24 | 2014-04-23 | 東ソー株式会社 | 脱気装置 |
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2000
- 2000-06-30 JP JP2000197503A patent/JP4258107B2/ja not_active Expired - Lifetime
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