JP4258071B2 - 映像表示装置 - Google Patents

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    • G03B21/28Reflectors in projection beam

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、広視野の映像を表示する映像表示装置に関し、バーチャルリアリティをはじめとする映像提供の分野で利用される。
【0002】
【従来の技術】
近年、仮想の現実を臨場感豊かに提供するバーチャルリアリティがめざましく普及しつつあり、広視野の映像を提供するために、種々の方式の映像表示装置が開発されている。このような映像表示装置の1つに、表示器に表示した映像を投射光学系によって拡大してスクリーンに投射するとともに、スクリーンが眼前に位置するように手で保持されあるいは頭部に装着されて使用されるものがある。この方式の映像表示装置では、スクリーンの全ての部位から光を観察者に与える必要があり、このために、拡散反射性を有するスクリーンまたは再帰反射性を有するスクリーンが使用されている。
【0003】
拡散反射性を有するスクリーンを使用する場合、光の拡散の度合いがスクリーンへの光の入射角に依存するため、スクリーンの各部位から観察者に向かう光の量に差が生じて、提供される映像の明るさが不均一になり易い。また、投射された光はスクリーンからあらゆる方向に進むことになり、観察者に与えられる光が少なくなって、観察される映像の明るさの低下が避けられない。しかも、左右の眼に視差のある映像を与えて立体感を高めるときは、左眼用の映像の光が右眼に入射したり右眼用の映像の光が左眼に入射したりするクロストークが発生し、これを避けるために特殊な手段を備える必要が生じる。
【0004】
一方、再帰反射性を有するスクリーンを使用する場合、スクリーンのどの部位に入射する光も入射方向に強く反射されるため、観察者の眼の方向からスクリーンに向けて光を投射することで、スクリーンのどの部位からも投射した光のほとんど全てを観察者の眼に導くことができる。このため、明るく、明るさにむらがなく、またクロストークもない映像を提供することが可能である。スクリーン上で左眼用の映像と右眼用の映像が重なり合う設定とすることもできる。
【0005】
しかし、再帰反射性を有するスクリーンでは、観察者に提供される映像の瞳径、すなわち眼の位置における映像の各点を表す光束の径が、投射光学系の射出瞳の径とスクリーンから眼までの距離のみによって規定されるため、観察を容易にするために映像の瞳径を大きくしつつ、使用形態に適するように装置を小型軽量にすることは難しい。たとえば、投射光学系の射出瞳を大きくすれば、投射光学系の大型化や重量化を招くことになり、眼からスクリーンまでの距離を長くすれば、必然的に装置は大型化することになる。
【0006】
特開平6−75303号公報には、再帰反射層の前面に拡散層を設けて、再帰反射性と拡散性とを備えたスクリーンが提案されている。このようなスクリーンを用いれば、映像の各点を表す光束が拡散層で拡大されるため、再帰反射性の短所が補われることになり、瞳径の大きい映像を提供する小型軽量な映像表示装置が実現できると期待される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
人の視野は水平(左右)方向に大きく、垂直(上下)方向には小さい。ところが、上記公報のスクリーンでは拡散層によって光束を等方的に拡大するため、垂直方向への過剰な拡大または水平方向への不十分な拡大のいずれか一方を少なくとも招くことになる。すなわち、光束の拡大を水平方向の視野に合致するように行うと、垂直方向については視野を超えて拡大することになり、逆に、光束の拡大を垂直方向の視野に合致するように行うと、水平方向については視野全体に達しない拡大結果となる。
【0008】
光束の拡大が過剰であれば、提供する映像は暗くなり、また、眼に入射する可能性のない無駄な光が生じる。光束の拡大が不足すると、観察者の眼の向きすなわち視軸の方向によっては、映像を表す光の一部が眼に入射しないという事態が生じ、提供する映像の一部に欠落すなわちけられが発生する。
【0009】
光束の過剰な拡大により提供する映像が暗くなるのは、映像を表示する表示器の光量を増すことで補うことが可能である。しかし、そのようにすると、表示器自体あるいは表示器を照明する光源を高性能にする必要が生じて、装置の製造コストが上昇する上、消費電力が増大してランニングコストも上昇する。
【0010】
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたもので、スクリーンに映像を投射する方式で、明るく、けられもない映像を提供する小型軽量の映像表示装置を実現することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明では、再帰反射性を有するスクリーンと、映像を表示する表示手段と、表示手段からの光を投射して、表示手段に表示された映像の拡大された像をスクリーンに形成する投射光学系と、投射光学系とスクリーンとの間にスクリーンに近接して配置され、投射光学系からの光を透過させるとともに、投射光学系からの光に含まれる表示手段の各点からの光束を、直交する2方向で拡大率が異なるように、拡大する拡大手段とで映像表示装置を構成する。
【0012】
この映像表示装置は、投射光学系により表示手段の映像の拡大像をスクリーンに形成し、この像を観察者に提供する。スクリーンは再帰反射性を有しており、投射光学系とスクリーンの間には投射光学系からの光を透過させる拡大手段が配置されている。観察者は、投射光学系からの光が入射する方向から、拡大手段を介してスクリーンを見ることにより、スクリーンに形成される映像を観察することができる。
【0013】
拡大手段は、スクリーンに向かう投射光学系からの光に含まれる表示手段の各点からの光束を拡大し、また、スクリーンで反射された光束も拡大する。ここで、拡大手段がスクリーンに近接して配置されているため、拡大手段を透過してスクリーンに向かう光束は、スクリーン上ではごく僅か拡大するに過ぎない。したがって、スクリーンに形成される像が拡大手段の拡大作用によってぼけることはなく、提供される映像は鮮明である。
【0014】
一方、スクリーンからの反射光は、拡大手段を再度透過することにより拡大する傾向を増して、拡大しながら観察者の眼に至る。これにより、観察者に提供される映像の各点を表す光束の径が増大する。
【0015】
拡大手段の拡大率は直交する2方向で異なり、表示手段の各点からの光束の拡大は異方的に行われる。拡大率の大きい方向および小さい方向をそれぞれ観察者の水平視野の方向および垂直視野の方向に対応させることにより、水平方向についても垂直方向についても、光束の拡大の程度を視野の大きさに合致させることができる。これにより、光束の過剰な拡大による光量の低下と拡大不足による映像のけられの双方を同時に避けることが可能になり、明るく質の高い映像を提供することができる。
【0016】
拡大手段は表示手段の各点からの光束を1方向に拡大するものであってもよく、拡大率が2方向で異なる限り、表示手段の各点からの光束を直交する2方向に拡大するものであってもよい。
【0017】
拡大手段は光束を回折により分離して拡大する回折素子とすることができる。拡大手段として回折素子を用いると、回折条件の設定次第で、回折次数、回折角および回折強度を自由に選択することが可能であり、これにより、光束の拡大の程度と拡大後の光束の強度分布を自由に設定することができる。拡大後の光束の強度を中央部から周辺部まで略均一にすることで、映像の明るさを眼の向きにかかわらず一定にすることが可能になる。
【0023】
上記の各映像表示装置において、拡大手段が、表示手段の周辺部の各点からの光束を、表示手段の中央部の各点からの光束よりも大きな拡大率で拡大するようにすることもできる。けられは映像の周辺部に生じ易いが、このようすることで、けられを防止することが容易になる。
【0024】
投射光学系からの光をスクリーンに導き、スクリーンからの光を観察者の眼に導くコンバイナを備えるようにしてもよい。投射光学系からスクリーンに至る光路とスクリーンから観察者の眼に至る光路のいずれか一方の一部を折り返すことになり、投射光学系を観察者の眼と等価な位置またはそのごく近傍に配置することができる。これにより、映像の各点を表す光束それぞれの中心が確実に観察者の眼を通るようになって、光の損失、けられの発生を防止するための拡大手段の拡大率の設定が容易になる。
【0025】
スクリーンからの光を観察者の眼に導いて、スクリーンに形成された像の虚像を観察者に与える接眼光学系を備えるようにしてもよい。スクリーン上の映像を接眼光学系によってさらに拡大することが可能になり、提供する映像の視野を一層広くし、また、装置をより小型にすることができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の映像表示装置について図面を参照しながら説明する。第1の実施形態の映像表示装置1の構成を図1に示す。図1は映像表示装置1の平面図である。映像表示装置1は、1対の液晶表示器11L、11R、1対の投射光学系12L、12R、スクリーン13、および回折光学素子14を備えている。
【0027】
液晶表示器11L、11Rは透過型であり、液晶パネル上に2次元の映像を表示して、表示した映像によりバックライト光源からの光を変調して射出する。液晶表示器11L、11Rはそれぞれ観察者の左右の眼EL、ERに提供するための映像を表示する。液晶表示器11L、11Rに表示する2つの映像に視差をもたせることにより、立体感の高い映像を提供することができる。
【0028】
投射光学系12L、12Rは、液晶表示器11L、11Rから射出された光をそれぞれスクリーン13に向けて投射して、スクリーン13上に結像させる。スクリーン13に形成される映像は、液晶表示器11L、11Rに表示された映像を拡大したもので、広い範囲にわたる。投射光学系12Lは、その射出瞳が観察者の左眼ELと同じ高さかつ左眼ELの近傍となる位置に配置されており、投射光学系12Rも同様に、その射出瞳が観察者の右眼ERと同じ高さかつ右眼ERの近傍となる位置に配置されている。観察者はスクリーン13への光の入射方向から、スクリーン13上の像を観察することになる。
【0029】
投射光学系12L、12Rの光軸は平行であり、スクリーン13は投射光学系12L、12Rの光軸に対して垂直に配置されている。スクリーン13に形成される左眼用の映像と右眼用の映像は一部分が重なり合う。
【0030】
スクリーン13は再帰反射性を有しており、入射する光のほとんど全てを入射方向に反射する。投射光学系12L、12Rから投射された光はそれぞれ投射光学系12L、12Rに向けて反射されることになり、スクリーン13上で重なっている左眼用の映像と右眼用の映像の光は、観察者の位置では分離する。
【0031】
回折光学素子14はホログラフィック光学素子であり、スクリーン13の反射面に近接して配置されている。回折光学素子14は、投射光学系12L、12Rからの光を透過させるとともに、回折させて、投射光学系12L、12Rからの光に含まれる液晶表示器11L、11Rの映像の各点からの光束を拡大する。
【0032】
スクリーン13および回折光学素子14の一部を拡大して図2に示す。スクリーン13は、直径10μm程度またはそれ以下のごく微小なガラスビーズ13aを平面状に配置して、背面に反射膜13bを設けることにより作製されている。各ガラスビーズ13aに入射する光は、表面で屈折してビーズの背面に達し、反射膜13bで反射される。反射膜13bで反射された光は表面で再度屈折し、ガラスビーズ13aの直径以下の微小距離だけ入射光から離間して、入射光と平行な光路を進む。これにより再帰反射性が実現される。
【0033】
回折光学素子14は、1次元の回折を生じさせるように設定されている。回折光学素子14による回折の方向は、左右の眼EL、ERの離間方向すなわち観察者の水平視野の方向である。回折光学素子14が、−1次、0次、+1次の3本の回折光を生じさせる場合を例にとって、光束の拡大について説明する。
【0034】
投射光学系12L、12Rからの光に含まれる液晶表示器11L、11Rの映像の各点からの光束は、回折光学素子14を透過することにより、3本の光束となってスクリーン13に入射する。これら3本の光束はスクリーン13で再帰反射されて回折光学素子14の同一部位を透過し、それぞれ3本の光束となる。±1次の回折光の回折角αは往路と復路で等しいため、回折光学素子14を2回透過した光束には進行方向が一致するものが生じる。その結果、映像の各点を表す光束は5本になる。
【0035】
スクリーン13で反射された液晶表示器11L、11Rの映像の同一点からの光束の、投射光学系12L、12Rの位置での断面の例を図3に示す。観察者の垂直視野の方向(以下、垂直方向という)についての光束の幅DVは、投射光学系12L、12Rの射出瞳の径dと同じであるが、水平視野の方向(以下、水平方向という)についての光束の幅DHは、射出瞳径dよりも大きくなっている。すなわち、回折光学素子14による光束の拡大は異方的である。この例では、各光束が半径に略等しい距離ずつずれるようにしており、隣合う光束同士が重なっている。
【0036】
映像の同一点を表す5本の光束のうち、中央の一本は投射光学系12L、12Rの射出瞳に向かい、観察者に対して内側の2本が眼EL、ERに映像を提供する光束となる。光束の水平方向の幅DHを大きくすることで、左右の端部にけられのない映像を容易に提供することができる。また、光束の垂直方向の幅DVとなる投射光学系12L、12Rの射出瞳径dを、垂直視野に対応する程度の大きさとしておけば、上下の端部にけられのない映像を提供することができる。
【0037】
回折光学素子14がスクリーン13に近接しているため、回折光学素子14からスクリーン13に向かう3本の光束のスクリーン13上での結像位置は、きわめて接近しており、ほとんど同じ位置となる。したがって、スクリーン13に形成される像にぼけが生じることはなく、観察者に提供される映像の鮮明さが低下することはない。
【0038】
回折光学素子14の回折条件、すなわち、何次の回折光を生じさせるか、回折光の回折角を何度とするか、回折光の強度比をどのようにするかは、回折光学素子14の設定次第で自由に定めることが可能である。したがって、回折角に依存する光束の水平方向の幅DHや、回折光の強度比に依存する光束の強度分布の設定の自由度は高い。
【0039】
例えば、0次、±1次の3本の回折光が等強度となるように回折光学素子14を設定すると、映像の一点を表す5本の光束の強度比は、中央の光束に関して対称になって、中央から外側に3:2:1となる。また、±1次の回折光と0次の回折光の強度比が2:1となるように回折光学素子14を設定すると、映像の一点を表す5本の光束の強度比は、中央から外側に9:4:4となる。後者の設定では、眼EL、ERに映像を提供する2本の光束の強度を等しくすることができる。
【0040】
なお、ここでは理解を容易にするために回折光学素子14が3本の回折光を生じさせる例を示したが、回折光学素子14の回折条件は自由に設定してよく、特に、回折光の数は多いほど好ましい。映像の同一点を表す光束の重なり合いを多くして、強度分布をより均一にできるからである。強度分布が均一であれば、どの方向に眼EL、ERを向けても、眼に入射する同一点を表す光の量が一定になって、映像の明るさに変動が生じない。
【0041】
第2の実施形態の映像表示装置2の構成を図4に示す。図4は映像表示装置2の平面図である。映像表示装置2は、映像表示装置1に1対の接眼光学系15L、15Rを加えるとともに、回折光学素子14に代えて拡散板16を備えたものである。他の構成要素は映像表示装置1のものと同様であり、重複する説明は省略する。
【0042】
観察者の眼EL、ERに入射するスクリーン13からの光は、接眼光学系15L、15Rの正のパワーにより、スクリーン13よりも遠方の面Mから到来する光と等価になり、観察者は面M上に位置する拡大された虚像を観察することになる。したがって、映像表示装置2は、映像表示装置1よりもさらに広視野の映像を提供することが可能であり、視野を同程度とする場合は、より小型の装置となる。
【0043】
拡散板16はスクリーン13の反射面に近接して配置されている。拡散板16は、投射光学系12L、12Rからの光を透過させるとともに、拡散させて、投射光学系12L、12Rからの光に含まれる液晶表示器11L、11Rの映像の各点からの光束を拡大する。
【0044】
スクリーン13および拡散板16の一部を拡大して図5に示す。拡散板16は、直交する2方向で拡散の度合いが異なる異方拡散性を有しており、観察者の垂直視野の方向よりも水平視野の方向に大きく拡散するように配置されている。投射光学系12L、12Rからの光に含まれる映像の各点を表す光束は、拡散板16を透過することにより、垂直方向に拡散角α、水平方向に拡散角βで拡散されて(α<β)、断面が楕円形となってスクリーン13に入射する。
【0045】
スクリーン13によって再帰反射された光束は、拡散板16の同一部位を透過し、もう一度拡散される。このため、拡散板16を2回透過した後の光束の、垂直方向の拡散角は2α、水平方向の拡散角は2βとなる。なお、拡散板16がスクリーン13に近接しているため、スクリーン13に形成される像にぼけが生じないのは前述のとおりである。
【0046】
スクリーン13で反射された液晶表示器11L、11Rの映像の同一点からの光束の、投射光学系12L、12Rの位置での断面を図6に示す。光束の垂直方向の幅DVも水平方向の幅DHも、投射光学系12L、12Rの射出瞳の径dよりも大きいが、光束は水平方向により大きく拡大されている。
【0047】
光束の水平方向の幅DHを大きくすることで、左右の端部にけられのない映像を容易に提供することができる。また、光束の垂直方向の幅DVを、垂直視野に対応する大きさとすることで、上下の端部にけられのない映像を提供することができる。映像表示装置1と異なり、光束は垂直方向にも拡大されるから、映像表示装置2では、投射光学系12L、12Rとして射出瞳径dのより小さい小型軽量のものを用いることができる。
【0048】
第3の実施形態の映像表示装置3の構成を図7に示す。図7は映像表示装置3の側面図である。映像表示装置3は、映像表示装置1にハーフミラー17を追加して、液晶表示器11L、11Rおよび投射光学系12L、12Rの位置を変えるとともに、回折光学素子14に代えて別の回折光学素子18を備えたものである。
【0049】
ハーフミラー17は観察者の眼EL、ERとスクリーン13の間に、スクリーンに対して45゜傾けて配置されている。投射光学系12L、12Rは、互いの光軸を平行にして、かつ光軸がハーフミラー17と45゜の角度で交差するように配置されている。ハーフミラー17は、投射光学系12L、12Rによって投射された光を反射してスクリーン13に導き、スクリーン13によって反射された光を透過させて観察者の眼EL、ERに導くコンバイナとして機能する。なお、各構成要素の位置や向きを変えて、ハーフミラー17が、投射光学系12L、12Rからの光を透過させてスクリーン13に導き、スクリーン13からの光を反射して眼EL、ERに導くようにしてもよい。
【0050】
投射光学系12L、12Rは、ハーフミラー17に関して、観察者の眼EL、ERと対称な位置にそれぞれ配置されている。投射光学系12L、12Rの光軸はそれぞれ眼EL、ERの中心を通り、また、射出瞳はそれぞれ眼EL、ERと光学的に等価な位置にある。
【0051】
スクリーン13および回折光学素子18の一部を拡大して図8に示す。回折光学素子18は、投射光学系12L、12Rからの光を透過させるとともに、回折させて、投射光学系12L、12Rからの光に含まれる液晶表示器11L、11Rの映像の各点からの光束を拡大する。回折光学素子18は、2枚の回折素子18a、18bを接合して成り、スクリーン13の反射面に近接して配置されている。回折素子18a、18bはそれぞれ1次元の回折を生じさせるように設定されているが、前者が水平方向に、後者が垂直方向に回折を生じさせるように配置されており、回折光学素子18全体としての回折は2次元となる。
【0052】
回折素子18aと回折素子18bの回折条件の設定は異なり、光束は垂直方向よりも水平方向に大きく拡大される。回折素子18aが−1次、0次、+1次の3本の回折光を生じさせ、回折素子18bが−1次、+1次の2本の回折光を生じさせ、両者の±1次の回折角が等しい場合を例にとって光束の拡大について説明する。
【0053】
回折素子18aによる水平方向の回折は、第1の実施形態で説明したように、投射光学系12L、12Rからの光に含まれる液晶表示器11L、11Rの映像の各点からの光束を、最終的に5本の光束とする。回折素子18bによる垂直方向の回折は、映像の各点からの光束をまず2本の光束とし、次いでそれぞれの光束を2本の光束とするが、それらのうちの2本は進行方向が一致するため、最終的には3本の光束とすることになる。結局、映像の一点を表す光束は、回折光学素子18によって、水平方向に5本、垂直方向に3本の計15本の光束とされる。
【0054】
映像の同一点からの光束の観察者の眼EL、ERの位置での断面の例を図9に示す。ここでは、各光束が半径に略等しい距離ずつずれるようにしており、隣合う光束同士が重なっている。光束の垂直方向の幅DVも水平方向の幅DHも、投射光学系12L、12Rの射出瞳の径dよりも大きいが、光束は水平方向により大きく拡大されている。
【0055】
投射光学系12L、12Rの光軸が眼EL、ERの中心を通るため、第1の実施形態の映像表示装置1と異なり、水平方向の5本の光束の全てを眼EL、ERに映像を提供する光として用いることが可能であり、したがって、光束の水平方向の幅DH全体を水平視野に対応させることができる。その結果、映像表示装置3では、観察者の眼EL、ERに入射する可能性のない光を皆無とすることが可能になり、左右方向および上下方向の周辺部にけられがないだけでなく、より明るい映像を提供することができる。
【0056】
回折光学素子18の回折条件は自由に設定してよい。例えば、回折素子18a、18bの回折光に同じ回折次数のものを含めたり、それらの回折角を等しくしたりする例示した設定は、必須ではない。また、前述のように、回折光の数を多くして重なり合いを多くすることにより、映像の同一点を表す光束の強度分布を均一にすると、眼の向きによって映像の明るさが変動するのを防止することができて好ましい。
【0057】
第4の実施形態の映像表示装置4の構成を図10、図11および図12に示す。これらの図はそれぞれ、映像表示装置4の側面図、平面図および正面図である。映像表示装置4は、映像表示装置3に接眼光学系15L、15Rを追加するとともに、回折光学素子18に代えて拡散板19を備えたものである。接眼光学系15L、15Rを備えたことにより、観察者はスクリーン13よりも遠方に位置する拡大された虚像を観察することになる。
【0058】
スクリーン13および拡散板19の一部を拡大して図13に示す。拡散板19は、スクリーン13に近接して配置されており、投射光学系12L、12Rからの光を透過させるとともに、拡散させて、投射光学系12L、12Rからの光に含まれる液晶表示器11L、11Rの映像の各点からの光束を拡大する。拡散板19の拡散性は等方的であり、光束は水平方向と垂直方向に同じ率で拡大される。光束は拡散板19を2回透過することにより、拡散板19の拡散角αの2倍拡散される。観察者の眼EL、ERの位置での光束の断面を図14に示す。光束の幅Dはどの方向についても同じである。
【0059】
映像表示装置4では、けられと同時にクロストークも確実に防止するように、光束の幅Dおよび拡散角αを定めている。映像表示装置4における映像の同一点を表す光束の幅Dの設定について、図15を参照しながら説明する。図15において、Aは眼EL、ERの中心視軸、Bは左眼ELの回旋中心と右眼ERの回旋中心を結ぶ直線、Pは眼EL、ERの瞳孔、rは回旋中心から瞳孔Pまでの距離、θは水平視野角、Wは左右の眼EL、ERの間隔すなわち回旋中心間の距離である。
【0060】
瞳孔Pが水平視野角の範囲内でとり得る位置範囲の直線Bの方向についての幅は、水平視野角に対応する眼球の弦の長さ2・r・sin(θ/2)である。眼EL、ERの位置における光束の直線B方向の幅がこの式の値以上であれば、眼EL、ERの向きにかかわらず瞳孔Pが光束の内部に収まることになり、けられは生じない。
【0061】
一方の眼に他方の眼の瞳孔Pが水平視野角の範囲内で最も接近するときの、一方の眼の回旋中心から他方の眼の瞳孔Pまでの直線B方向の間隔は、W−r・sin(θ/2)である。眼EL、ERの位置における光束の直線B方向の幅の1/2がこの式の値以下であれば、一方の眼に与えるべき光束の中に他方の瞳孔Pが入ることはなく、クロストークは発生しない。
【0062】
したがって、観察者の眼EL、ERの位置における光束の直線B方向の幅Dが式1を満たせば、けられもクロストークも発生することはない。映像表示装置4はこの関係を満たすように設定されている。
2・r・sin(θ/2)≦D≦2・{W−r・sin(θ/2)}…式1(再掲)
【0063】
回旋中心と瞳孔との距離r、水平視野角θ、および左右の眼の間隔Wに、成人の標準的な値である9mm、120゜および60mmをそれぞれ代入すると、式2となる。
16mm≦D≦104mm …式2
【0064】
一方、光束の幅Dは、拡散板19の拡散角αの正接に、スクリーン13から眼EL、ERまでの距離Lを乗じた値の2倍に、投射光学系12L、12Rの射出瞳径dを加えた値で近似され、式3で表される。
D≒d+2・L・tanα …式3
【0065】
映像表示装置4の設定の具体的な一例を示すと、投射光学系12L、12Rの射出瞳径dは2mm、スクリーン13から眼EL、ERまでの距離Lは150mmであり、式2を満たすために、拡散板19の拡散角αは式4の範囲とされている。
3゜≦α≦18゜ …式4
【0066】
式4の右側の不等号の関係によりクロストークの防止が確保される。ただし、拡散角αが大きくなるにつれて、提供する画像の明るさは低下し、また、観察者の眼EL、ERに入射する可能性のない光が増大することになる。したがって、拡散角αを3゜程度として、光の利用効率を高めて、より明るい画像を提供するようにしている。
【0067】
なお、本実施形態では、等方的な拡散板19を用いて光束の拡大率を水平方向と垂直方向で同じにしているが、第1ないし第3の実施形態で説明したように、水平方向の拡大率を垂直方向の拡大率よりも大きくするようにしてもよい。また、偏光板19に代えて回折光学素子によって光束の拡大を行うようにしてよい。
【0068】
式1の範囲内であれば、映像のあらゆる点からの光束について幅Dを一定にする必要はなく、映像の部位ごとに光束の幅Dを違えることもできる。映像の周辺部は中央部よりもけられが生じ易いが、周辺部の各点を表す光束を中央部の各点を表す光束よりも大きく拡大することで、けられを生じさせないための条件設定が容易になる。
【0069】
映像の部位間で光束の拡大率を違える場合、拡大率が連続して変化するようにしてもよく、段階的に変化するようにしてもよい。拡散板で光束の拡大を行う場合、中央から周辺に向かって拡散角αを連続して大きくすることで拡大率を連続的に変化させることができ、所定の範囲ごとに拡散角αを一定とすることで、拡大率を段階的に変化させることができる。
【0070】
回折光学素子で光束の拡大を行う場合は、同一次数の回折光の回折角を連続して変化させたり、段階的に変化させたりすることで同じ結果が得られる。また、例えば、映像の中央部で0次および±1次の回折を生じさせ、周辺部で0次、±1次および±2次の回折を生じさせるというように、取り出す回折光の数を変えることで、拡大率を段階的に変化させることもできる。
【0071】
光束の拡大率を映像の中央部よりも周辺部で大きくすることは、映像表示装置4に限らず、第1〜第3の実施形態の映像表示装置1〜3にも適用可能である。拡大率を大きくすると映像の明るさは低下することになるが、主たる観察対象ではない周辺部の明るさが多少低下しても、映像の質への影響は僅かである。
【0072】
上記の各実施形態では、光束を拡大する手段として回折光学素子または拡散板を用いたが、プリズムアレイも光束拡大手段として利用することができる。光束を拡大するためのプリズムアレイの例を図16に示す。図16の(a)に示したプリズムアレイ21は、略50μmのピッチで多数の直角プリズム21aを平行に配置したものであり、光束を1方向に拡大するのに用いられる。
【0073】
図16の(b)に示したプリズムアレイ22は、プリズムアレイ21のプリズム21aに、その長さ方向に垂直な方向にも互いに直交する傾斜面を設けて、プリズム21aを分割してプリズム22aとしたものである。プリズムアレイ22は、光束を直交する2方向に異なる拡大率で拡大するのに用いられる。プリズムアレイ21、22は、平坦な面をスクリーン13に向けて、スクリーン13に近接して配置する。
【0074】
各実施形態の映像表示装置1〜4では、臨場感を高めるために、視差があるだけでなく、広視野すなわち広い範囲を表す映像を提供する。観察者の左右の眼に与える映像の範囲をできるだけ広くするためには、左右の映像が表す範囲を同じにするのではなく、左眼用の映像と右眼用の映像に共通の範囲を設けながらも、左眼用の映像のみに含まれる範囲と右眼用の映像のみに含まれる範囲を設けるのが好ましい。
【0075】
映像が表す範囲のこのような設定を、図17に模式的に示す。図17において、(a)は左眼用の映像の範囲VLと右眼用の映像の範囲VRを表しており、(b)は観察者が視覚を通じて脳で認識する映像の全範囲を表している。斜線を付した部分は、左眼用の映像範囲VLと右眼用の映像範囲VRに共通の範囲である。
【0076】
観察者が認識する全範囲のうち共通の範囲の明るさは、左眼用の映像の光と右眼用の映像の光が重なるため、残りの範囲の2倍となる。その結果、共通の範囲と残りの範囲とで明るさに大きな差異が生じ、共通の範囲の左右の端縁である境界線Cが観察者に明確に認識され、大きな違和感を招くことになる。
【0077】
映像表示装置1〜4では、この不都合を回避するための手段を液晶表示器11L、11Rに備えている。左眼用の映像の光を表示する液晶表示器11Lの平面図を図18に示す。バックライト光源11aはメタルハライドランプ11bと放物面リフレクタ11cより成り、バックライト光源11aと液晶パネル11pの間に、液晶パネル11pの表示範囲11qに対応する矩形の開口11eを有する遮光板11dが配置されている。
【0078】
遮光板11dの正面図を図19に示す。遮光板11dの開口11eの端部(右眼用の映像を表示する液晶表示器11R側の端部)には、開口11eの水平方向の大きさの1/8程度の幅を有する垂直方向に細長いNDフィルタ11fが設けられている。NDフィルタ11fの透過率は、遮光板11dの枠部から開口11eの方向に向かって増大するように設定されており、枠部側で0%、開口側で100%である。右眼用の映像を表示する液晶表示器11Rも同様の構成であり、遮光板の開口の液晶表示器11L側の端部にNDフィルタ11fを備えている。
【0079】
このように、液晶表示器11L、11RにNDフィルタ11fを備えたことで、左眼用の映像と右眼用の映像の共通の範囲の端部の光量を徐々に低下させることができ、図17の(b)に示した境界線Cが明確に認識されることがなくなる。なお、NDフィルタ11fを設けた遮光板11dを、バックライト光源11aと液晶パネル11pの間に配置するのではなく、液晶パネル11pに関してバックライト光源11aの反対側に配置するようにしてもよい。また、その配置では、NDフィルタ11fに代えて遮光膜を設けるとともに、液晶パネル11pと遮光膜の距離を大きくして、光が遮光膜の裏側にも回ることを利用して境界線Cの不明確化を図るようにしてもよい。
【0080】
NDフィルタ11fにより境界線Cを不明確にすることは、透過型の液晶表示器11L、11Rに代えて、反射型の液晶表示器で映像を表示する場合にも有効である。反射型の液晶表示器により映像を表示する構成を図20に示す。
【0081】
反射型の液晶表示器11’は、ランプ11b’とリフレクタ11c’より成る光源11a’、反射型液晶パネル11p’、遮光板11d’、偏光板11g、および偏光分離(PBS)板11hより成る。光源11a’は、その光軸が液晶パネル11p’と平行になるように配置されている。偏光分離板11hは、入射するP偏光を透過させ、S偏光を反射するもので、液晶パネル11p’に対して45゜傾けて配置されている。偏光板11gは偏光分離板11hに対してS偏光となる直線偏光のみを透過させるもので、光源11a’と偏光分離板11hの間に配置されている。
【0082】
遮光板11d’は、図19に示した遮光板11dと同様のもので、液晶パネル11p’の表示範囲11q’に対応する開口11e’と、その一端に設けられたNDフィルタ11f’を有する。遮光板11d’は、偏光分離板11hと平行に、偏光分離板11hに関して液晶パネル11p’の反対側に配置されている。
【0083】
光源11a’からの無偏光の光は、偏光板11gによって直線偏光とされ、S偏光として偏光分離板11hに入射し、液晶パネル11p’に向けて反射される。液晶パネル11p’に入射した光は反射されるとともに、表示した映像に応じて変調されて、偏光分離板11hに対してP偏光とS偏光の両偏光を含む光となる。液晶パネル11p’からの光は、偏光分離板11hに再入射し、P偏光のみがこれを透過して、映像を表す光となる。偏光分離板11hを透過した映像を表す光は、遮光板11d’の開口11e’を通過する際にNDフィルター11f’によって端部の光量を低減されて、図外の投射光学系に至る。
【0084】
映像表示装置1〜4では、このような反射型の液晶表示器11’で映像を表示することも可能である。透過型と反射型の液晶表示器のいずれを用いるかは、自由に選択してよい。
【0085】
【発明の効果】
再帰反射性を有するスクリーンと、表示手段と、投射光学系と、表示手段の各点からの光束を直交する2方向で拡大率が異なるように拡大する拡大手段を備えた本発明の映像表示装置では、映像の各点を表す光束の径を人の水平視野角と垂直視野角に応じて設定することが容易である。このため、光束径が垂直方向に過大になることと水平方向に過小になることの双方を同時に防止することができ、明るくかつけられのない質の高い映像を提供することが可能である。しかも、投射光学系として射出瞳の大きい大型のものを使用する必要がないから、小型軽量の装置となる。
【0086】
拡大手段として表示手段の各点からの光束を1方向に拡大するものを備えると、拡大手段自体を簡素な構成とすることができる。
【0087】
拡大手段として表示手段の各点からの光束を直交する2方向に拡大するものを備える構成では、射出瞳のより小さな投射光学系を用いることが可能になり、装置が一層小型軽量になる。
【0088】
拡大手段として光束を回折により分離して拡大する回折素子を用いると、光束の拡大の程度を自由に設定することができるため、拡大率の設定が容易である。また、拡大後の光束の強度分布も自由に設定することができるため、拡大後の光束の強度を中央部から周辺部まで略均一にして、提供する映像の明るさを眼の向きにかかわらず一定にすることが可能になる。
【0090】
拡大手段が、表示手段の周辺部の各点からの光束を、表示手段の中央部の各点からの光束よりも大きな拡大率で拡大するようにした構成では、けられの発生防止が容易になる。
【0091】
コンバイナを備える構成では、観察者の眼を投射光学系と等価な位置またはそのごく近傍に配置することができて、拡大手段の拡大率の設定が容易になる。
【0092】
接眼光学系を備える構成では、スクリーン上の映像を接眼光学系によってさらに拡大することが可能になり、提供する映像の視野を一層広くすることができる。また、投射光学系から再帰反射面までの距離を短くして、装置を一層小型にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1の実施形態の映像表示装置の平面図。
【図2】 第1の実施形態の映像表示装置のスクリーンと回折光学素子の拡大平面図。
【図3】 第1の実施形態の映像表示装置における映像の各点を表す光束の投射光学系の位置での断面図。
【図4】 第2の実施形態の映像表示装置の平面図。
【図5】 第2の実施形態の映像表示装置のスクリーンと拡散板の拡大斜視図。
【図6】 第2の実施形態の映像表示装置における映像の各点を表す光束の投射光学系の位置での断面図。
【図7】 第3の実施形態の映像表示装置の側面図。
【図8】 第3の実施形態の映像表示装置のスクリーンと回折光学素子の拡大斜視図。
【図9】 第3の実施形態の映像表示装置における映像の各点を表す光束の観察者の眼の位置での断面図。
【図10】 第4の実施形態の映像表示装置の側面図。
【図11】 第4の実施形態の映像表示装置の平面図。
【図12】 第4の実施形態の映像表示装置の正面図。
【図13】 第4の実施形態の映像表示装置のスクリーンと拡散板の拡大平面図。
【図14】 第4の実施形態の映像表示装置における映像の各点を表す光束の観察者の眼の位置での断面図。
【図15】 第4の実施形態の映像表示装置における映像の各点を表す光束の幅の設定原理を示す図。
【図16】 各実施形態の映像表示装置で光束の拡大に代用されるプリズムアレイの斜視図。
【図17】 各実施形態の映像表示装置で表示される左右の映像の範囲と観察者に認識される範囲を模式的に示す図。
【図18】 各実施形態の映像表示装置の透過型の液晶表示器の平面図。
【図19】 各実施形態の映像表示装置の液晶表示器に備えられた遮光板の正面図。
【図20】 各実施形態の映像表示装置で代用される反射型の液晶表示器の平面図。
【符号の説明】
1、2、3、4 映像表示装置
11L、11R 液晶表示器 (表示手段)
12L、12R 投射光学系
13 再帰反射性スクリーン
14 回折光学素子 (拡大手段)
15L、15R 接眼光学系
16 拡散板 (拡大手段)
17 ハーフミラー (コンバイナ)
18 回折光学素子 (拡大手段)
19 拡散板 (拡大手段)
21、22 プリズムアレイ(拡大手段)
11p、11p’ 液晶パネル
11a、11a’ 光源
11b、11b’ ランプ
11c、11c’ リフレクタ
11d、11d’ 遮光板
11e、11e’ 開口
11f、11f’ NDフィルタ
11g 偏光板
11h 偏光分離板

Claims (6)

  1. 再帰反射性を有するスクリーンと、
    映像を表示する表示手段と、
    前記表示手段からの光を投射して、前記表示手段に表示された映像の拡大された像を前記スクリーンに形成する投射光学系と、
    前記投射光学系と前記スクリーンとの間に前記スクリーンに近接して配置され、前記投射光学系からの光を透過させるとともに、前記投射光学系からの光に含まれる前記表示手段の各点からの光束を、直交する2方向で拡大率が異なるように、拡大し、且つ、前記表示手段の周辺部の各点からの光束を、前記表示手段の中央部の各点からの光束よりも大きな拡大率で拡大する拡大手段とを備えることを特徴とする映像表示装置。
  2. 前記拡大手段は前記表示手段の各点からの光束を1方向に拡大することを特徴とする請求項1に記載の映像表示装置。
  3. 前記拡大手段は前記表示手段の各点からの光束を直交する2方向に拡大することを特徴とする請求項1に記載の映像表示装置。
  4. 前記拡大手段は光束を回折により分離して拡大する回折素子であることを特徴とする請求項1に記載の映像表示装置。
  5. 前記投射光学系からの光を前記スクリーンに導き、前記スクリーンからの光を観察者の眼に導くコンバイナを備えることを特徴とする請求項1に記載の映像表示装置。
  6. 前記スクリーンからの光を観察者の眼に導いて、前記スクリーンに形成された像の虚像を観察者に与える接眼光学系を備えることを特徴とする請求項1に記載の映像表示装置。
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