JP4257181B2 - フラーレン含有プリプレグ - Google Patents

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Description

本発明は、フラーレンを含むプリプレグに関し、更に詳述すれば、硬化後の繊維強化プラスチック(FRP)製品の耐衝撃性、圧縮特性、曲げ特性等の物性が優れたFRPを製造することのできるプリプレグに関する。
繊維強化材に熱硬化性樹脂等の樹脂組成物(マトリックス樹脂)を含浸してシート状、ロービング状、又は織物状等に形成したプリプレグは、FRP製品の材料として、航空機、ゴルフシャフト、釣竿などの製造に用いられ、更には、コンクリート橋梁、建築物の補強用に用いられている。
これらの用途に用いられるプリプレグを硬化させて得られるFRP製品は、従来それらの圧縮系の機械特性を向上させるために、硬化後のマトリックス樹脂の剛性を高める方向、すなわち硬化後のマトリックス樹脂の強度及び弾性率を上げることが検討されてきた。
その一方、安全性、耐久性を付与するために、優れた耐衝撃性(靭性)及び伸度(柔軟性)が不可欠であり、互いに相反する特性である硬化後のマトリックス樹脂の剛性と、靭性と、柔軟性とのバランスをとりながら、樹脂の改良が検討されてきた。
しかし、硬化後のマトリックス樹脂の剛性、靭性、及び柔軟性の何れをも優れたものにすることは困難であった。
これらの問題に対する一解決法として、気相法等により製造したカーボンナノチューブをエポキシ樹脂に配合した樹脂組成物が提案されている(特許文献1)。
このものは確かにある程度の物性値を示している。しかし、それらのカーボンナノチューブは現状では高価である上に絡み合い等による分散不良が問題となっており、それらの分散性向上、また更なる物性値の向上が求められている。
特開2003−12939号公報 (特許請求の範囲)
本発明者は、硬化後のFRP物性のうちでも特に平板3点曲げ強度、平板3点曲げ弾性率、パイプ3点曲げ強度等の剛性の向上を目的に、マトリックス樹脂の架橋度を上げる等、硬化後のマトリックス樹脂の剛性を上げ、耐衝撃性(靭性)及び伸度(柔軟性)を付与させるために、樹脂組成物の改良検討を進めた。
そして、炭素繊維強化材に樹脂組成物を含浸させたプリプレグに、特定量のフラーレンを配合することに想到した。このプリプレグを硬化させて得られるFRPは、耐衝撃性を維持しつつ、剛性の高いものであることを知得し本発明を完成するに到った。
よって、本発明の目的とするところは、上記問題を解決した、硬化後のFRP物性が優れたプリプレグを提供することを目的とする。
上記目的を達成する本発明は、以下に記載のものである。
〔1〕 炭素繊維強化材に樹脂組成物が含浸されてなるプリプレグであって、樹脂組成物が、熱硬化性樹脂と、熱硬化性樹脂100質量部に対する含有量0.05〜8質量部のフラーレンとを含有してなることを特徴とするフラーレン含有プリプレグ。
〔2〕 フラーレンの含有量が熱硬化性樹脂100質量部に対し0.05〜6質量部である〔1〕に記載のフラーレン含有プリプレグ。
〔3〕 熱硬化性樹脂が、二官能エポキシ樹脂及び多官能エポキシ樹脂で構成されたエポキシ樹脂である〔1〕に記載のフラーレン含有プリプレグ。
〔4〕 樹脂組成物が、熱可塑性樹脂と、官能基を有する架橋ゴム粒子とを含有する〔1〕に記載のフラーレン含有プリプレグ。
〔5〕 炭素繊維強化材が、当該繊維強化材を構成する炭素繊維束を一方向に配列させた成形体、又は炭素繊維織物である〔1〕に記載のフラーレン含有プリプレグ。
本発明のフラーレン含有プリプレグは、炭素繊維強化材に、熱硬化性樹脂とフラーレンとを含有した樹脂組成物が含浸されて構成されていることにより、プリプレグ硬化後のFRPのシャルピー衝撃強度を維持しつつ、平板3点曲げ強度、平板3点曲げ弾性率、及びパイプ3点曲げ強度等の曲げ特性、並びに、圧縮特性の向上を可能とする。
本発明のフラーレン含有プリプレグは、炭素繊維強化材に樹脂組成物が含浸されてなる。
〔炭素繊維強化材〕
本発明に用いる炭素繊維強化材の素材は炭素繊維であり、引張強度3000MPa以上、弾性率200GPa以上の炭素繊維が好ましい。
炭素繊維強化材の形態や配列は特に限定されず、例えば一方向に引揃えた長繊維、単一のトウ、ロービング、織物、マット、ニット、組紐等を挙げることができる。中でも、一方向に引揃えた長繊維や、単一のトウ、ロービング等の一方向性の炭素繊維束からなる炭素繊維強化材を用いたプリプレグを用いる場合は、筒状又は棒状のFRPの製造に好ましい。
前記炭素繊維強化材を構成する炭素繊維は、原料としては特に限定するものではないが、ポリアクリロニトリル(PAN)系炭素繊維、ピッチ系炭素繊維、レーヨン系炭素繊維等が例示できる。これらの炭素繊維のうち、取扱性能、製造工程通過性能に適したPAN系炭素繊維が特に好ましい。ここで、PAN系炭素繊維は、アクリロニトリル構造単位を主成分とし、イタコン酸、アクリル酸、アクリルエステル等のビニル単量体単位を10モル%以内で含有する共重合体を炭素繊維化したものである。
〔樹脂組成物〕
上述した繊維強化材に含浸させる樹脂組成物は、少なくとも熱硬化性樹脂とフラーレンとを含む。更に熱可塑性樹脂と官能基を有する架橋ゴム粒子を含んでも良い。
〔熱硬化性樹脂〕
樹脂組成物に配合する熱硬化性樹脂としては、例えばエポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、フェノール樹脂等が挙げられるが、これらのうちでも特にエポキシ樹脂は耐熱性、物性等バランスの良い複合材料を与えるので好ましい。
エポキシ樹脂としては、公知のものであれば特に制限されないが、多官能エポキシ樹脂と二官能エポキシ樹脂とを組合わせたものを用いることが好ましい。
本発明において多官能エポキシ樹脂とは、1分子中にエポキシ基を3以上有するエポキシ樹脂をいう。
多官能エポキシ樹脂としては、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、トリグリシジルパラアミノフェニル、テトラグリシジルジアミノフェニルメタン、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂等を挙げることができる。
樹脂組成物中の多官能エポキシ樹脂を配合することにより、プリプレグを硬化させたときに耐熱性の高いFRPを得ることができる。この耐熱性付与機能から、要求される耐熱性に応じてノボラック型、3官能、4官能といった多官能エポキシ樹脂を選択し配合することが好ましい。
樹脂組成物中の多官能エポキシ樹脂の配合量は、熱硬化性樹脂の全配合量100質量部に対し10〜80質量部が好ましく、20〜80質量部がより好ましく、30〜70質量部が更に好ましい。
熱硬化性樹脂の全配合量100質量部に対する多官能エポキシ樹脂の配合量が10質量部未満の場合は、得られるFRPの耐熱性が低下するので好ましくない。
熱硬化性樹脂の全配合量100質量部に対する多官能エポキシ樹脂の配合量が80質量部を超える場合は、得られるFRPの耐熱性は高くなるが、脆くなり、耐衝撃性が低下するので好ましくない。また、多官能エポキシ樹脂は一般に高価であり配合量が多くなると、得られるプリプレグのコストが上がるので好ましくない。
一方、二官能エポキシ樹脂が配合されたプリプレグを硬化した後のFRPは、比較的伸度が高く、耐衝撃性に優れているが、耐熱性がやや低い。
二官能エポキシ樹脂としては、ビスフェノール型が好ましい。例えばビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂等を挙げることができる。
二官能エポキシ樹脂は、分子量の違いにより液状から固形まで種々のグレードがあり、プリプレグ用樹脂組成物に配合する場合、適宜これら種々のグレードの樹脂を混合して粘度調整を行うことが可能である。
樹脂組成物中の二官能エポキシ樹脂の配合量は、熱硬化性樹脂の全配合量100質量部に対し20〜90質量部が好ましく、20〜80質量部がより好ましく、30〜70質量部が更に好ましい。
〔フラーレン〕
樹脂組成物に配合するフラーレンは、市販品として入手できる。フラーレンの製法としては、米国特許07/930818に記載されているような周知の製造方法以外に、この米国特許07/930818に記載されているHuffman/Kratchnerプロセス及び前記米国特許07/930818において引用されている論文[Kratchner, W., Lamb. L. D., Fostiropoulos, K. & Huffman, Dr., Nature 347, 354-358 (1990)]に記載されている製造方法によって製造することができる。
本発明で樹脂組成物に含有させるフラーレンは、炭素数が60であるC60、炭素数が70であるC70が使用できる。また、C60、C70及び炭素数76以上の高次フラーレンから成る混合物も利用することができる。
樹脂組成物中のフラーレンの配合量は、熱硬化性樹脂の合計配合量100質量部に対し0.05〜8質量部、好ましくは0.05〜6質量部である。
熱硬化性樹脂にフラーレンを添加するに当り、配合量を増やすことによる増粘に関する問題点は特に無い。しかし、フラーレンの配合量が8質量部より多くなると、樹脂組成物は、強度、弾性率などの剛性に関する機械物性、及び耐衝撃性に代表される靭性に関する機械物性が高くなる反面、脆くなるなど柔軟性に関する機械物性を損なう虞があり、また、フラーレン自体が高価であるため好ましくない。フラーレンの配合量が0.05質量部より少ない場合は、機械物性の向上効果が発揮されないので好ましくない。
〔熱可塑性樹脂〕
上記樹脂組成物は、熱可塑性樹脂及び官能基を有する架橋ゴム粒子を配合することが好ましい。
熱可塑性樹脂としては、フェノキシ樹脂、ポリビニルフォルマール、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルイミド、ポリアミド等を挙げることができるが、フェノキシ樹脂を用いることが好ましい。フェノキシ樹脂を配合した場合には、樹脂組成物の粘度の温度依存性が小さくなり、温度(特に室温近傍)による粘着力の変化を低減できる。フェノキシ樹脂は線状高分子であり、熱硬化性樹脂との相溶性にも優れている。
フェノキシ樹脂の分子量は10000〜50000とすることが好ましい。フェノキシ樹脂の形状としては固形のペレット状、粉体等様々あるが、熱硬化性樹脂への溶解性を考慮すると粉体がより好ましい。
熱可塑性樹脂の配合量は、熱硬化性樹脂の全配合量100質量部に対して1〜20質量部が好ましく、5〜15質量部がより好ましい。
〔官能基を有する架橋ゴム粒子〕
樹脂組成物に配合する官能基を有する架橋ゴム粒子は、表面に官能基を有する架橋済ゴムの微粒子である。この架橋ゴム粒子は、通常熱硬化性樹脂に均一分散若しくは部分的に熱硬化性樹脂と架橋した状態で用いられる。
架橋ゴム粒子の官能基は種々のものがあるが、熱硬化性樹脂との相性、反応の容易さ、安定性の面からカルボキシル基、エポキシ基、水酸基、アミノ基、アミド基等が好ましい。また、架橋ゴム粒子の粒子径は小さいほど好ましい。繊維強化材内部への含浸性から直径10μm以下のものが特に好ましく、更には5μm以下のものが好ましい。
このような架橋ゴム粒子は、例えば上記の官能基を有する不飽和化合物と、架橋性モノマーと、ジエン系モノマー等とを公知の方法を用いて共重合を行うことにより得ることができる。官能基を有する不飽和化合物としては、アクリル酸、グリシジルメタクリレート、ビニルフェノール、ビニルアニリン、アクリルアミド等を挙げることができる。架橋性モノマーとしては、ジビニルベンゼン、ジアリルフタレート、エチレングリコールジメタアクリレート等の分子内に重合性二重結合を複数有する化合物を使用することができる。
また、架橋ゴム粒子としては、市販品も使用することができる。例えば、カルボキシル変性のブタジエン−アクリロニトリル共重合体の架橋物からなるFX602(JSR社製)を挙げることができる。また、架橋ゴム粒子をエポキシ樹脂に分散した製品を使用することもできる。このような製品として、例えば、エポセットBPA−323、同BPA−307、同BPA−601、同BPA−604、同BPA−607、同HDG−31(以上日本触媒社製)、YR−528、YR−570、YR−516(以上京都化成社製)等を挙げることができる。
架橋ゴム粒子の配合量は、熱硬化性樹脂の全配合量100質量部に対して1〜25質量部が好ましく、2〜15質量部がより好ましい。架橋ゴム粒子の配合量が1質量部より少ない場合、良好な表面樹脂保持性並びに粘着性が得にくく、逆に配合量が25質量部を超えると樹脂粘度が上昇しプリプレグ化が困難となるばかりか、耐熱性や層間剪断強度、曲げ強度等の大幅な低下に繋がりやすい。
〔硬化剤〕
樹脂組成物は硬化剤を配合する。硬化剤としては、熱硬化性樹脂と反応し得る活性基を有する公知の化合物であれば何れも用いることができる。特に、アミノ基、酸無水物基、アジド基を有する化合物が好ましい。
硬化剤としては、ジシアンジアミド(DICY)、ジアミノジフェニルスルホン、ジアミノジメチルメタン及びそれらの各種異性体、アミノ安息香酸エステル類、酸無水物等を挙げることができる。中でも、貯蔵安定性、物性面からジシアンジアミドが好ましい。
樹脂組成物中の硬化剤の配合量は、熱硬化性樹脂の合計配合量100質量部に対し0.5〜10質量部が好ましい。
また硬化促進剤を配合することが好ましい。硬化促進剤としては、尿素誘導体やイミダゾール化合物、3級アミン化合物等を使用することもできる。特に尿素誘導体が好ましく、中でも保存安定性、硬化促進性が優れる3−(3,4ジクロロフェニル)−1,1−ジメチルウレア(DCMU)が好ましい。
更に、本発明のエポキシ樹脂組成物には、必要により他の成分、例えばシリカ等の無機充填剤、揺変剤、顔料等を添加することができる。
〔含浸方法〕
以上の配合条件により得られる樹脂組成物を、繊維強化材に含浸させる方法としては、メチルエチルケトン、メタノールなどの溶媒に樹脂組成物を溶解して低粘度化することにより繊維強化材に含浸させるウエット法と、樹脂組成物を加熱して低粘度化することにより繊維強化材に含浸させるホットメルト法等の公知の方法を用いることができる。
ウエット法では、繊維強化材を、樹脂組成物を溶解させた液に浸漬した後引き上げ、オーブンなどを用いて溶媒を蒸発させてプリプレグを得ることができる。
ホットメルト法では、加熱により低粘度化した樹脂組成物を直接繊維強化材に含浸させるか、又は樹脂組成物を離型紙などの上にコーティングしたフィルムを作製した後、繊維強化材の両側又は片側から前記フィルムを重ね、加熱加圧することにより樹脂を含浸させプリプレグを得ることができる。ホットメルト法は、プリプレグ中に溶媒が残留することがないため好ましい。
ホットメルト法でプリプレグを作製する場合、樹脂組成物の粘度としては、後述する方法で測定される最低粘度で0.1〜10Pa・s(1〜100ポアズ)とすることが好ましい。
本発明のプリプレグを用いてFRPを製造する方法としては、公知の方法が利用できる。例えば、プリプレグを積層後、積層物に圧力を付与しながら樹脂を加熱し、硬化させて成形する方法等により製造することができる。
圧力を付与しながら加熱する方法としては、プレス成形法、オートクレーブ成形法、バッギング成形法、ラッピングテープ法、内圧成形法等を挙げることができる。中でも、ゴルフシャフト、釣竿、ラケット等の棒状のスポーツ用部材の製造には、ラッピングテープ法、内圧成形法を用いることが好ましい。
ゴルフシャフト等の円筒状FRP(成形体)を製造するには、ラッピングテープ法が好ましく適用できる。ラッピングテープ法は、マンドレルなどの芯金にプリプレグを巻いて、円筒状物を成形する方法である。具体的には、マンドレルにプリプレグを巻き付け、プリプレグの固定及び圧力付与のために、プリプレグの外側に熱可塑性樹脂フィルムからなるラッピングテープを巻き付け、オーブン中で樹脂を加熱し、硬化させた後、マンドレルを抜き取って円筒状繊維強化複合材料とする。
また、ゴルフシャフト等の円筒状FRP(成形体)を製造するにあたっては、内圧成形法も好ましく適用できる。内圧成形法は、熱可塑性樹脂のチューブなどの内圧付与体にプリプレグを巻きつけたプリフォームを金型中にセットし、次いで内圧付与体に高圧の気体を導入して圧力をかけると同時に金型を加熱し成形する方法である。本方法は、特にゴルフシャフト、バット、テニスやバトミントンなどのラケットのような複雑な形状のものを成形する際に好ましく適用される。
以下、実施例により本発明を詳細に説明する。
実施例1〜4及び比較例1〜2
表1に示す各樹脂組成物をリバースロールコーターを用いて離型紙上に塗布し、樹脂フィルムを作製した。次に、繊維を一方向に引揃えたシート状炭素繊維ベスファイトUT500(東邦テナックス社製)に、この樹脂フィルム2枚を、樹脂塗布面を炭素繊維面に向けて、炭素繊維の両面から重ね、加熱加圧して樹脂を含浸させ、炭素繊維目付け125g/m2、樹脂質量分率25質量部の一方向プリプレグを得た。
各プリプレグを用いて得られるFRPの諸物性値を下記の方法により測定した。結果を併せて表1に示す。なお、物性測定はすべて温度23℃、相対湿度50%の環境で行った。
〔平板3点曲げ特性〕
長さ100mm、幅15mm、厚み2mmのプリプレグを130℃、2時間にてオートクレーブ成形し、FRP試験片とした。JIS K 7074に基づき、得られた試験片の平板3点曲げ強度、平板3点曲げ弾性率について測定した。
〔平板層間剪断強度特性(ILSS)〕
長さ14mm、幅10mm、厚み2mmのプリプレグを130℃、2時間にてオートクレーブ成形し、FRP試験片とした。JIS K 7078に基づき、得られた試験片のILSSについて測定した。
〔平板圧縮特性〕
長さ78mm、幅12.5mm、厚み2mmのプリプレグを130℃、2時間にてオートクレーブ成形し、FRP試験片とした。JIS K 7076に基づき、得られた試験片の圧縮強度、圧縮弾性率について測定した。
〔シャルピー衝撃強度〕
長さ80mm、幅10mm、厚み2mmのプリプレグを130℃、2時間にてオートクレーブ成形し、FRP試験片とした。JIS K 7077に基づき、得られた試験片のシャルピー衝撃強度について測定した。
〔円筒状FRP(パイプ)の曲げ試験片の作製方法〕
下記の手順(a)〜(e)により、円筒状FRPの軸方向に対して〔0°11(±45°)3〕の積層構成を有し、内径が6.3mm、外径が9.9mm、17層からなる円筒状FRP(試験片)を作製した。マンドレルは直径6.3mm、長さ1000mmのステンレス製丸棒を使用した。
(a) 縦700mm×横65mmの長方形であって繊維方向が縦辺に対して+45°の一方向プリプレグと、縦700mm×横65mmの長方形であって繊維方向が縦辺に対して−45°の一方向プリプレグとを、横方向に10mm(マンドレル半周分に対応)ずらして貼合わせた。
(b) 貼合わせたプリプレグを離型処理したマンドレルに、プリプレグの縦方向とマンドレルの軸方向とが一致するように、即ちプリプレグの繊維方向とマンドレルの軸方向とでなす角度が±45°になるように巻きつけた。
(c) その上に、プリプレグを繊維の方向が縦方向になるように、縦700×横298mmの長方形に切り出したものをプリプレグの縦方向とマンドレルの軸方向が一致するように巻きつけた。
(d) ラッピングテープ(耐熱性フィルムテープ)を巻きつけ、硬化用の炉の中で130℃、2時間加熱し成形した。
(e) 成形後、マンドレルを抜き取り、ラッピングテープを除去して円筒状FRPを得た。
〔円筒状FRP(パイプ)の曲げ強度の測定〕
上記で成形した円筒状FRPを用い、「ゴルフクラブ用シャフトの認定基準及び基準確認方法」(製品安全協会編、通商産業大臣承認5産第2087号、1993年)に記載の3点曲げ試験方法に基づき、曲げ強度を測定した。ここで、支点間距離を300mm、試験速度を35mm/分とした。
Figure 0004257181
*1 フラーレン:混合物組成中60質量%がC60、25質量%がC70、その他15質量%が炭素数76以上の高次フラーレンから成る混合物
*2 Ep.828:ビスフェノールA型エポキシ樹脂〔ジャパンエポキシレジン(株)製〕[2官能]
*3 Ep.834:ビスフェノールA型エポキシ樹脂〔ジャパンエポキシレジン(株)製〕[2官能]
*4 Ep.154:フェノールノボラック型エポキシ樹脂〔ジャパンエポキシレジン(株)製〕[多官能]
*5 ELM−120:グリシジルアミン型エポキシ樹脂〔住友化学工業(株)製〕[3官能]
*6 PKHP−200:フェノキシ樹脂〔フェノキシスペシャリティーズ(株)製〕
*7 FX602:架橋ゴム粒子〔JSR(株)製〕
*8 DICY:ジシアンジアミド[エピキュアDICY−7]〔ジャパンエポキシレジン(株)製〕
*9 DCMU−99:硬化促進剤〔保土ヶ谷化学(株)製〕
*10 このプリプレグから得られたFRPは、ILSS、圧縮強度、圧縮弾性率は高いが、平板3点曲げ強度、平板3点曲げ弾性率、シャルピー衝撃強度、パイプ曲げ3点強度は低い。
表1によれば、本発明は以下の効果を有することが理解される。
実施例1、実施例2、実施例3及び実施例4のプリプレグは、これを硬化して得られたFRPの物性について特に平板3点曲げ強度、平板3点曲げ弾性率、シャルピー衝撃強度、パイプ曲げ3点強度が高く、FRP原料として良好なプリプレグである。
比較例1のプリプレグは、これを硬化して得られたFRPについて、特に平板3点曲げ強度、平板3点曲げ弾性率、シャルピー衝撃強度、パイプ曲げ3点強度が低く、FRP原料として良好なプリプレグではなかった。
比較例2のプリプレグは、これを硬化して得られたFRPについて、平板3点曲げ強度、平板3点曲げ弾性率、シャルピー衝撃強度、パイプ曲げ3点強度が低く、FRP原料として良好なプリプレグではなかった。

Claims (4)

  1. 炭素繊維強化材に樹脂組成物が含浸されてなるプリプレグであって、樹脂組成物が、熱硬化性樹脂と、熱硬化性樹脂100質量部に対する含有量0.05〜8質量部のフラーレンとを含有し、更に熱可塑性樹脂と、官能基を有する架橋ゴム粒子とを含有してなることを特徴とするフラーレン含有プリプレグ。
  2. フラーレンの含有量が熱硬化性樹脂100質量部に対し0.05〜6質量部である請求項1に記載のフラーレン含有プリプレグ。
  3. 熱硬化性樹脂が、二官能エポキシ樹脂及び多官能エポキシ樹脂で構成されたエポキシ樹脂である請求項1に記載のフラーレン含有プリプレグ。
  4. 炭素繊維強化材が、当該繊維強化材を構成する炭素繊維束を一方向に配列させた成形体、又は炭素繊維織物である請求項1に記載のフラーレン含有プリプレグ。
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