JP4257176B2 - スピーカ装置及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、低コストで防錆性に優れたマグネシウム振動板を備えるスピーカ装置及びその製造方法に関する。
近年、スピーカ装置用の振動板として、内部損失や音速が大きいなどの特徴を有し、優れた音響特性を得ることのできるマグネシウム振動板が注目されている。しかし、マグネシウムは酸化し易く、スピーカ装置用の振動板の材料として従来から使用されているアルミニウムやチタンに比べると錆びが発生し易いという性質がある。
そこで、一般的に、マグネシウム振動板を製造するに際しては、その製造過程において、そのマグネシウム振動板に錆が発生するのを防止するための表面処理が行われている。かかるマグネシウム振動板の製造方法の一例では、先ずマグネシウムの基材をプレスにより振動板の形状に成形し、次に振動板の形状に成形されたマグネシウムの基材の表面を表面処理し、次に表面処理の終了した成形品たるマグネシウムの基材をトリミング処理(打ち抜き)することにより、マグネシウム振動板を製造する。
また、その他のマグネシウム振動板に係る製造方法としては以下のものがある。例えば、マグネシウムシート又はマグネシウム合金シートからなるスピーカ用振動板が酸化するのを防止するため、そのスピーカ用振動板に防錆皮膜を形成する工程を有するスピーカ用振動板の製造方法が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
かかるスピーカ用振動板の製造方法によれば、先ずマグネシウム又はマグネシウム合金の線材又は棒材をクロス圧延法によりシート材に圧延加工し、続いてそのシート材を圧空成形法によりコーン状のスピーカ用振動板を成形する。次に、その製造方法では、そのスピーカ用振動板の外縁部をトリミングし、続いてそのスピーカ用振動板にエポキシ系樹脂プライマーやアクリル系樹脂塗料を焼付け塗装することにより防錆皮膜層を形成する。これにより、そのスピーカ用振動板が酸化するのを防止するようにしている。
尚、マグネシウム又はマグネシウム合金上に、プラズマ化学的陽極酸化によって酸化物セラミック皮膜を形成し、その酸化物セラミック皮膜上にカチオン電着塗膜を形成することで耐蝕性等に優れたマグネシウム又はマグネシウム合金を得る表面処理方法が知られている(例えば、特許文献2を参照)。
しかしながら、上記のマグネシウム振動板の製造方法では、振動板の形状に成形したマグネシウムの基材を表面処理した後にトリミング処理してマグネシウム振動板を製造するようにしているため、そのトリミング処理工程の後工程でトリミングによるマグネシウム振動板の切断面に対して防錆処理を行う必要が生じる。したがって、上記のマグネシウム振動板の製造方法などは、マグネシウム振動板などへの錆の発生を防止することはできても、トリミング処理後の後工程に防錆処理工程を追加する必要があり工数が増大すると共に、スピーカ装置の製造コストが増大するという問題がある。
特開2002−369284号公報 特開2000−345370号公報
本発明が解決しようとする課題としては、上記のようなものが例として挙げられる。本発明は、トリミングしたマグネシウム振動板の切断面を防錆処理することなく防錆性の向上を図ったマグネシウム振動板を備えるスピーカ装置、及びその製造方法を提供することを課題とする。
請求項1に記載の発明によるスピーカ装置は、表面処理されたマグネシウムの基材をトリミングして製作されたマグネシウム振動板と、前記マグネシウム振動板を支持する支持部材と、を備え、前記マグネシウム振動板の周縁部は接着剤により前記支持部材に固着されており、前記トリミングによって生じた前記マグネシウム振動板の切断面と該切断面近傍の前記表面処理されたマグネシウム振動板の一部とが前記接着剤で被覆されていることを特徴とする。
請求項5に記載の発明によるスピーカ装置の製造方法は、マグネシウムの基材を成形する成形工程と、前記成形されたマグネシウム基材に表面処理をする表面処理工程と、前記表面処理された前記マグネシウムの基材をトリミングしてマグネシウム振動板を製作するトリミング工程と、前記マグネシウム振動板の周縁部と、支持部材とを接着剤により固着する固着工程と、備え、前記固着工程は、前記トリミング工程によって生じた前記マグネシウム振動板の切断面と該切断面近傍の前記表面処理されたマグネシウム振動板の一部とを接着剤で被覆することを特徴とする。
本発明の1つの観点では、スピーカ装置は、表面処理されたマグネシウムの基材をトリミングして製作されたマグネシウム振動板と、前記マグネシウム振動板を支持する支持部材と、を備え、前記マグネシウム振動板の周縁部は接着剤により前記支持部材に固着されており、前記トリミングによって生じた前記マグネシウム振動板の切断面と該切断面近傍の前記表面処理されたマグネシウム振動板の一部とが前記接着剤で被覆されている。
上記のスピーカ装置によれば、トリミングによるマグネシウム振動板の切断面と該切断面近傍の前記表面処理されたマグネシウム振動板の一部とは接着剤で被覆されているため、その切断面と空気中の酸素との接触は完全に遮断される。よって、その切断面に錆が発生するのを防止することができる。このため、その切断面に防錆処理を施すことなく防錆性の向上を図ることができる。
上記のスピーカ装置の一態様では、スピーカ装置は、前記マグネシウム振動板は、第1の周縁部と第2の周縁部とを有するコーン形状のマグネシウム振動板であって、前記支持部材は、エッジ、ボイスコイルボビン、及びダンパーを含み、前記第1の周縁部は前記エッジに固着されており、前記第2の周縁部は前記ボイスコイルボビン及び前記ダンパーに固着されている。
この態様によれば、スピーカ装置は、第1の周縁部と第2の周縁部とを有するコーン形状のマグネシウム振動板を備えている。マグネシウム振動板の第1の周縁部は接着剤でエッジに固着されていると共に、その第1の周縁部近傍のマグネシウム振動板の切断面は接着剤で被覆されている。一方、マグネシウム振動板の第2の周縁部は接着剤でボイスコイルボビン及びダンパーに固着されていると共に、その第2の周縁部近傍のマグネシウム振動板の切断面は接着剤で被覆されている。よって、それらの切断面と空気中の酸素との接触は完全に遮断され、それらの切断面に錆が発生するのを防止することができる。このため、それらの切断面に防錆処理を施すことなく防錆性の向上を図ることができる。
上記のスピーカ装置の他の一態様では、前記マグネシウム振動板はセミドーム形状のマグネシウム振動板、又はドーム形状のマグネシウム振動板であり、前記支持部材は、フレーム及びパッキンを含む。
この態様によれば、スピーカ装置は、セミドーム形状、又はドーム形状のマグネシウム振動板を備えている。かかるセミドーム形状、又はドーム形状のマグネシウム振動板の周縁部は接着剤でフレーム又はパッキンに固着されており、その周縁部近傍のマグネシウム振動板の切断面は接着剤で被覆されている。よって、その切断面と空気中の酸素との接触は完全に遮断され、その切断面に錆が発生するのを防止することができる。このため、その切断面に防錆処理を施すことなく防錆性の向上を図ることができる。
上記のスピーカ装置の他の一態様では、前記フレームの一端面には周方向に沿って凹部が形成され、前記マグネシウム振動板の周縁部は前記凹部に嵌合し且つ前記凹部内で接着剤により固着されている。
この態様によれば、マグネシウム振動板の周縁部は凹部に嵌合し且つその凹部内で接着剤により固着されており、尚且つトリミングによるマグネシウム振動板の切断面は接着剤で被覆されているため、マグネシウム振動板の切断面と空気中の酸素との接触は完全に遮断され、その切断面に錆が発生するのを防止することができる。このため、その切断面に防錆処理を施すことなく防錆性の向上を図ることができる。
本発明の他の観点では、スピーカ装置の製造方法は、マグネシウムの基材を成形する成形工程と、前記成形されたマグネシウム基材に表面処理をする表面処理工程と、前記表面処理された前記マグネシウムの基材をトリミングしてマグネシウム振動板を製作するトリミング工程と、前記マグネシウム振動板の周縁部と、支持部材とを接着剤により固着する固着工程と、備え、前記固着工程は、前記トリミング工程によって生じた前記マグネシウム振動板の切断面と該切断面近傍の前記表面処理されたマグネシウム振動板の一部とを接着剤で被覆する。
上記のスピーカ装置の製造方法によれば、成形工程において、板状或いはシート状のマグネシウム基材をプレスすることにより、振動板の形状をなすマグネシウムの基材が成形され、成形されたマグネシウム基材に表面処理がなされる。続いて、トリミング工程において、振動板の形状に成形されたマグネシウムの基材をトリミング(抜き取り)することにより、マグネシウム振動板を製作することができる。続いて、固着工程において、マグネシウム振動板の周縁部と支持部材とを接着剤により固着することにより、マグネシウム振動板を支持部材に取り付けることができる。
また、このとき、固着工程において、トリミング工程によるマグネシウム振動板の切断面と該切断面近傍の前記表面処理されたマグネシウム振動板の一部とを接着剤で被覆するようにしているため、その切断面に防錆処理を施すことなく錆の発生を防止することができる。これにより、その切断面の防錆性の向上を図ることができる。よって、防錆性に優れた高品質なマグネシウム振動板を備えるスピーカ装置を製造することができる。また、本製造方法では、トリミング工程の後工程で防錆処理工程を省くようにしているため、工数の削減を図ることができると共に、そのスピーカ装置の製造コストの低減を図ることができる。
上記のスピーカ装置の製造方法の他の一態様では、前記マグネシウム振動板はコーン形状のマグネシウム振動板であり、前記支持部材はエッジ、ボイスコイルボビン、及びダンパーである。
この態様によれば、コーン形状のマグネシウム振動板を製造することができると共に、コーン形状のマグネシウム振動板の一方の周縁部と、エッジとが接着剤により接着剤により固着される。また、この態様によれば、コーン形状のマグネシウム振動板の他方の周縁部と、ボイスコイルボビン、及びダンパーとが接着剤により固着される。また、このとき、コーン形状のマグネシウム振動板の一方及び他方の周縁部近傍の切断面は、その振動板の周方向に沿って接着剤により完全に被覆される。よって、コーン形状のマグネシウム振動板の切断面と空気中の酸素との接触は完全に遮断され、その切断面に錆が発生するのを防止することができる。このため、その切断面に防錆処理を施すことなく防錆性の向上を図ることができる。
上記のスピーカ装置の製造方法の他の一態様では、前記マグネシウム振動板はセミドーム形状のマグネシウム振動板、又はドーム形状のマグネシウム振動板であり、前記支持部材はフレーム及びパッキンである。
この態様によれば、セミドーム形状、又はドーム形状のマグネシウム振動板を製造することができると共に、セミドーム形状、又はドーム形状のマグネシウム振動板の周縁部と、フレーム又はパッキンとが接着剤により固着される。また、このとき、セミドーム形状、又はドーム形状のマグネシウム振動板の周縁部近傍の切断面は、その振動板の周方向に沿って接着剤により完全に被覆される。よって、セミドーム形状、又はドーム形状のマグネシウム振動板の切断面と空気中の酸素との接触は完全に遮断され、その切断面に錆が発生するのを防止することができる。このため、その切断面に防錆処理を施すことなく防錆性の向上を図ることができる。
上記のスピーカ装置の製造方法の他の一態様では、前記フレームの一端面には周方向に沿って凹部が形成され、前記固着工程は、前記マグネシウム振動板の周縁部を、前記凹部に嵌合させ、且つ前記凹部内に接着剤により固着する。
この態様によれば、フレームの一端面には周方向に沿って凹部が形成される。そして、固着工程は、マグネシウム振動板の周縁部を、フレームに形成された凹部に嵌合させ且つその凹部内に接着剤により固着する。よって、フレームに対してマグネシウム振動板の正確な位置決めができると共に、マグネシウム振動板とフレームとが強固に接着される。
また、マグネシウム振動板の切断面は、凹部内で接着剤によって完全に被覆されるため、その切断面と空気中の酸素との接触が完全に遮断される。これにより、その切断面に防錆処理を施すことなく錆の発生を防止することができる。よって、その切断面の防錆性の向上を図ることができる。
以下、図面を参照して本発明を実施するための実施例について説明する。
本発明は、トリミングしたマグネシウム振動板の切断面を塗料等により防錆処理することなく、その切断面の防錆性の向上を図ったマグネシウム振動板を備えるスピーカ装置及びその製造方法を提供する。以下、そのマグネシウム振動板を備えるスピーカ装置及びその製造方法について述べる。
[第1実施例]
図1は、コーン形状のマグネシウム振動板を備えるスピーカ装置の製造方法を示す。かかるスピーカ装置は、プレス成形工程s1と、表面処理工程s2と、トリミング工程s3と、エッジ貼付け工程s4と、スピーカ装置作成工程s5とによって製造される。
プレス成形工程s1では、板状或いはシート状のマグネシウム基材がプレス装置でプレスされることにより、コーン形状のマグネシウム基材が製造される。図2は、プレス成形工程s1によってコーン形状のマグネシウム基材が成形される様子を示す。以下、図2を参照して、プレス成形工程s1によりコーン形状のマグネシウム基材が成形される方法について説明する。プレス成形工程s1では、送り出しリール50と、一対のローラ51と、ヒータなどの加熱装置52と、プレス装置53(破線部を参照)とによってコーン形状のマグネシウム基材55が製造される。
送り出しリール50は、板状或いはシート状のマグネシウム基材54を一定の長さ巻回すると共に、その巻回しているマグネシウム基材54を一対のローラ51へ送り出す(矢印Y1を参照)。続いて一対のローラ51は、矢印Y2の方向に回転駆動して、送り出しリール50から送り出されたマグネシウム基材54を一定の速度でプレス装置53側へ送り出す。続いて加熱装置52は、一対のローラ51により送り出されたマグネシウム基材54を一定の温度、例えばマグネシウム基材54の塑性加工を容易にする再結晶温度以上の温度に加熱する。続いてプレス装置53は、加熱装置52によって加熱されたマグネシウム基材54をプレスしてコーン形状のマグネシウム基材55を成形する。
具体的には、プレス装置53は、その内部に有する上型53aを上方の位置から下型53bの方へと下降させて(矢印Y3を参照)、一定の温度に加熱されたマグネシウム基材54を上型53aと下型53bとによってプレスする。これにより、コーン形状のマグネシウム基材55が成形される。尚、プレス装置53では、上型53aと下型53bをコーン形状のマグネシウム基材55を成形する金型にしているが、本プレス装置53では、必要に応じてその金型とは別の金型、例えばセミドーム形状若しくはドーム形状のマグネシウム基材を成形する金型に変更することが可能となっている。
以上により、プレス成形工程s1では、不要なマグネシウム基材55aの部分を含む一定数量のコーン形状のマグネシウム基材55が製造される(一点鎖線部分M1を参照)。
図1に戻り、表面処理工程s2では、プレス成形工程s1で成形されたコーン形状のマグネシウム基材55の表面が表面処理される。これにより、コーン形状のマグネシウム基材55の表面には、例えば酸化皮膜層が形成されて、酸化し易いマグネシウム振動板に錆が発生するのを防止する。具体的には、本例の表面処理工程s2では、例えば既知の陽極酸化法によりコーン形状のマグネシウム基材55の表面に陽極酸化皮膜層が形成され、これによりマグネシウム振動板に錆が発生するのを防止するようにしている。
ここで、コーン形状のマグネシウム基材55の表面に陽極酸化皮膜を成膜する方法を簡単に述べる。コーン形状のマグネシウム振動板55を陽極にして、硫酸、蓚酸、クロム酸等の溶液中で電流を流す。すると、陽極側に酸素が発生し、その酸素によってコーン形状のマグネシウム振動板55の表面には陽極酸化皮膜層が成膜される。図3(a)に、上述の陽極酸化法によってコーン形状のマグネシウム振動板55の表面に陽極酸化皮膜層55bが成膜された状態の部分拡大断面図を示す。尚、陽極酸化法では、陽極酸化皮膜層55bを数μm〜数十μmの厚みで成膜することが可能である。また、マグネシウム振動板のさらなる耐食性の向上を図るために、その陽極酸化皮膜層55bの表面を電着塗装するようにしてもよい。
トリミング工程s3では、図1に示すように、上記表面処理工程s2で表面処理されたコーン形状のマグネシウム基材55がトリミング処理(打ち抜き処理)される。尚、トリミング処理とは、上記プレス成形工程s1で製造された不要なマグネシウム基材55aの部分を含むコーン形状のマグネシウム基材55(図2の一点鎖線部分M1を参照)から、成形品たるコーン形状のマグネシウム基材55を抜き取る処理をいう。これにより、コーン形状のマグネシウム振動板が製造される。図3(b)に、トリミング工程s3を経てトリミング処理されたコーン形状のマグネシウム振動板3の断面図を示す。
コーン形状のマグネシウム振動板3の周縁部3b、3cの付近には、図3(b)に示すように、その周方向に沿ってトリミング処理による切断面3a、3dが形成されている。ここで、図3(c)及び(d)に、その切断面3a、3dの近傍を拡大した断面図を示す。その切断面3a、3dには、図3(c)及び(d)に拡大して示すように、トリミング処理によってマグネシウムが露出して多くの凹凸が形成されており、表面処理はなされていない。
このため、従来のコーン形状のマグネシウム振動板を備えるスピーカ装置の製造方法では、図1に示すように、トリミング工程s3とエッジ貼付け工程s4との間に切断面処理工程s6を設けて、そこでトリミング処理によるコーン形状のマグネシウム振動板3の切断面3a、3dに、例えば、アクリル系、ポリエステル系、或いはエポキシ系などの塗料を塗布して防錆処理を施すようにしている。
しかし、本例のコーン形状のマグネシウム振動板を備えるスピーカ装置の製造方法では、後述するエッジ貼付け工程s4及びスピーカ装置作成工程s5でコーン形状のマグネシウム振動板3の切断面3a、3dが接着剤で被覆されるため、その切断面3a、3dの防錆性の向上を図ることができる。よって、本例の製造方法では、トリミング工程s3とエッジ貼付け工程s4との間に切断面処理工程s6を設ける必要がない。
エッジ貼付け工程s4では、コーン形状のマグネシウム振動板3の周縁部3bと、環状のエッジとが接着剤で固着される。図4(a)に、コーン形状のマグネシウム振動板3の周縁部3bの下端面と、環状のエッジ10の内周縁部10aの上端面とが接着剤P1により固着された状態の断面図を示す。尚、本実施例に係る接着剤としては、クロロプレン系ゴム、ブチル系ゴム、ポリエステル系、或いはエポキシ系などの接着剤が挙げられる。
具体的には、エッジ貼付け工程s4では、図4(a)に示すように、コーン形状のマグネシウム振動板3の切断面3aが周方向に沿って接着剤P1で完全に被覆され、尚且つコーン形状のマグネシウム振動板3の周縁部3bの下端面が環状のエッジ10の内周縁部10aの上端面に接着剤P1で固着される。これにより、コーン形状のマグネシウム振動板3の切断面3aと、空気中の酸素との接触が完全に遮断される。よって、その切断面3aに錆が発生するのを防止できる。加えて、上記によりコーン形状のマグネシウム振動板3と環状のエッジ10との接着強度が向上するため、高品質なコーン形状のマグネシウム振動板3が得られる。
スピーカ装置作成工程s5では、上記エッジ貼付け工程s4において環状のエッジ10が固着されたコーン形状のマグネシウム振動板3がスピーカ本体に取り付けられることにより、コーン形状のマグネシウム振動板3を備えるスピーカ装置が製作される。ここで、図4及び図5を参照して、スピーカ装置作成工程s4によりコーン形状のマグネシウム振動板3を備えるスピーカ装置が製作される方法について説明する。
即ち、スピーカ装置作成工程s5では、環状のエッジ10の外周縁部10bが接着剤でスピーカ本体のフレーム2の周縁部2aに固着されると共に、コーン形状のマグネシウム振動板3の周縁部3cが接着剤P2でスピーカ本体の筒状のボイスコイルボビン5及び環状のダンパー4に固着される。
図4(b)に、ネック部分の近傍を拡大した断面図を示す。尚、ネック部分とは、振動板と、ボイスコイルボビンと、ダンパーとを貼り付ける部分をいう。スピーカ装置作成工程s5では、先ずコーン形状のマグネシウム振動板3の周縁部3cがネック部分の位置まで筒状のボイスコイルボビン5に嵌め込まれる。続いて、スピーカ装置作成工程s5では、コーン形状のマグネシウム振動板3の切断面3dが周方向に沿って接着剤P2で完全に被覆され、尚且つコーン形状のマグネシウム振動板3の周縁部3cと、筒状のボイスコイルボビン5と、環状のダンパー4とが接着剤P2により固着される。これにより、コーン形状のマグネシウム振動板3の切断面3dと、空気中の酸素との接触が完全に遮断される。よって、その切断面3dに錆が発生するのを防止できる。加えて、上記によりコーン形状のマグネシウム振動板3と、筒状のボイスコイルボビン5と、環状のダンパー4との接着強度が向上し、高品質なコーン形状のマグネシウム振動板3が得られる。
こうして、スピーカ装置作成工程s5では、コーン形状のマグネシウム振動板3を備えるスピーカ装置100が製作される。図5に、そのコーン形状のマグネシウム振動板3を備えるスピーカ装置100の断面図を示す。ここで、図5を参照して、製作されたスピーカ装置100の基本構成及び基本原理について簡単に述べる。スピーカ装置100は、樹脂プレートなどからなるフレーム2、コーン形状のマグネシウム振動板3、環状のダンパー4、筒状のボイスコイルボビン5、及びボイスコイル6などの振動系と、ポールピース7、プレート8、及びマグネット9などよりなる磁気回路系と、を備える。ここでは、スピーカ装置100の個々の構成要素は既知であるため説明を省略する。
スピーカ装置100では、一様な磁界中にあるボイスコイル6に音声電流が流れると電磁作用の原理により筒状のボイスコイルボビン5に矢印Y5方向の電磁力が発生し、筒状のボイスコイルボビン5を矢印Y5方向に振動させる。そして、かかる振動がコーン形状のマグネシウム振動板3へと伝達され、スピーカ装置100は音波を放射する。
以上、本例に係るコーン形状のマグネシウム振動板3を備えるスピーカ装置100の製造方法では、エッジ貼付け工程s4及びスピーカ装置作成工程s5でコーン形状のマグネシウム振動板3の切断面3a、3dが周方向に沿って接着剤P1及びP2により完全に被覆される。これにより、それらの切断面3a、3dに防錆処理を施すことなく錆の発生を防止することができ、それらの切断面3a、3dの防錆性の向上を図ることができる。このため、本例の製造方法により、防錆性に優れた高品質なコーン形状のマグネシウム振動板3を備えるスピーカ装置100を製作することができる。また、本例の製造方法では、図1に示すように、切断面処理工程s6を省くように構成しているため工数の削減を図ることができると共に、そのスピーカ装置100の製造コストの低減を図ることができる。
[第2実施例]
図6は、ドーム形状又はセミドーム形状のマグネシウム振動板を備えるスピーカ装置の製造方法を示す。かかるスピーカ装置は、図6に示すように、プレス成形工程s11と、表面処理工程s12と、トリミング工程s13と、スピーカ装置作成工程s14とによって製造される。尚、本例の製造方法では、トリミング工程s13とスピーカ装置作成工程s14との間には、第1実施例と同様の理由から切断面処理工程s15を設けていない。また、本例の各工程は第1実施例と略同様であり、以下の説明では、第1実施例と相違する内容を中心に述べる。
プレス成形工程s11では、板状或いはシート状のマグネシウム基材がプレス装置でプレスされることにより、ドーム形状又はセミドーム形状のマグネシウム基材が製造される。尚、ここで製造されるドーム形状又はセミドーム形状のマグネシウム基材は、第1実施例に係るコーン形状のマグネシウム基材55とは異なり、エッジと振動板とが各々独立することなく一体成形されている。したがって、本例の製造方法では、トリミング工程s13とスピーカ装置作成工程s14との間には、第1実施例の製造方法とは異なりエッジ貼付け工程s4を設けていない。
表面処理工程s12では、上記プレス成形工程s11で成形されたドーム形状又はセミドーム形状のマグネシウム基材の表面が表面処理される。トリミング工程s13では、上記表面処理工程s12で表面処理されたドーム形状又はセミドーム形状のマグネシウム基材がトリミング処理される。これにより、ドーム形状又はセミドーム形状のマグネシウム振動板が製造される。図7(a)及び(b)に、トリミング工程s13を経てトリミング処理されたドーム形状のマグネシウム振動板30、又はセミドーム形状のマグネシウム振動板40の断面図を示す。
図6に戻り、スピーカ装置作成工程s14では、トリミング工程s13でトリミング処理されたドーム形状のマグネシウム振動板30、又はセミドーム形状のマグネシウム振動板40がスピーカ本体に取り付けられることにより、その振動板30又は振動板40を備えるスピーカ装置が製作される。
具体的には、スピーカ装置作成工程s14では、図7及び図8に示すように、ドーム形状のマグネシウム振動板30のエッジ30a付近の切断面30ab、又はセミドーム形状のマグネシウム振動板40のエッジ40a付近の切断面40abが周方向に沿って接着剤P3で完全に被覆され、尚且つその外周縁部30acの下端面又は外周縁部40acの下端面と、スピーカ本体のフレーム22の周縁部22aの上端面とが接着剤P3により固着される。尚、フレーム22の周縁部22aの上端面、ドーム形状のマグネシウム振動板30の外周縁部30acの上端面、及びセミドーム形状のマグネシウム振動板40の外周縁部40acの上端面は平坦性が確保されている。これにより、ドーム形状のマグネシウム振動板30の切断面30ab、又はセミドーム形状のマグネシウム振動板40の切断面40abと、空気中の酸素との接触が完全に遮断される。よって、その切断面30ab又は40abに錆が発生するのを防止できる。
こうして、スピーカ装置作成工程s14では、ドーム形状のマグネシウム振動板30を備えるスピーカ装置200、又はセミドーム形状のマグネシウム振動板40を備えるスピーカ装置300が製作される。図9(a)又は(b)に、かかるスピーカ装置200、又はスピーカ装置300の断面図を示す。ここで、図9(a)又は(b)を参照して、上記により製作されたスピーカ装置200又は300の基本構成及び基本原理について簡単に説明する。
かかるスピーカ装置200又は300は、ドーム形状のマグネシウム振動板30又はセミドーム形状のマグネシウム振動板40、ボイスコイル21、樹脂プレートなどからなるフレーム22、及び筒状のボイスコイルボビン20などの振動系と、ツボヨーク23、マグネット24、及びプレート25などの磁気回路系と、を備える。尚、ここでは、上記のスピーカ装置200又は300の個々の構成要素は既知であり説明を省略する。かかるスピーカ装置200又は300では、一様な磁界中にあるボイスコイル21に音声電流が流れると電磁作用の原理により、筒状のボイスコイルボビン20がそのスピーカ装置の軸方向に上下するように振動する。そして、かかる振動がドーム形状のマグネシウム振動板30又はセミドーム形状のマグネシウム振動板40へと伝達され、そのドーム形状のマグネシウム振動板30又はセミドーム形状のマグネシウム振動板40から音波が放射される。
以上、本例に係るドーム形状のマグネシウム振動板30を備えるスピーカ装置200、又はセミドーム形状のマグネシウム振動板40を備えるスピーカ装置300の製造方法では、スピーカ装置作成工程s14でドーム形状のマグネシウム振動板30の切断面30ab、又はセミドーム形状のマグネシウム振動板40の切断面40abが周方向に沿って接着剤P3により完全に被覆される。これにより、その切断面30ab又は切断面40abに防錆処理を施すことなく錆の発生を防止することができ、その切断面30ab又は切断面40abの防錆性の向上を図ることができる。
また、本例の製造方法では、第1実施例と同様に切断面処理工程を省くように構成しているため工数の削減を図ることができると共に、ドーム形状のマグネシウム振動板30を備えるスピーカ装置200、又はセミドーム形状のマグネシウム振動板40を備えるスピーカ装置300の製造コストの低減を図ることができる。
[第3実施例]
本例は、図6に示すスピーカ装置作成工程s14において、トリミング工程s13でトリミング処理されたドーム形状のマグネシウム振動板30、又はセミドーム形状のマグネシウム振動板40が、フレーム22ではなくスピーカ本体のパッキンに接着剤で固着される点が第2実施例と異なる。したがって、かかる点以外は第2実施例と略同様であるため、以下の説明では、その点を中心にドーム形状のマグネシウム振動板30を備えるスピーカ装置、又はセミドーム形状のマグネシウム振動板40を備えるスピーカ装置を製作する方法について述べる。
具体的には、スピーカ装置作成工程s14では、図10(a)及び(b)に示すように、先ずフレーム22の周縁部22aの上端面と、環状のパッキンG1の下端面とが接着剤により固着される。続いて、スピーカ装置作成工程s14では、その環状のパッキンG1の上端面と、ドーム形状のマグネシウム振動板30の外周縁部30acの下端面、又はセミドーム形状のマグネシウム振動板40の外周縁部40acの下端面とが接着剤P4により固着される。尚、このとき、スピーカ装置作成工程s14では、ドーム形状のマグネシウム振動板30の切断面30ab、又はセミドーム形状のマグネシウム振動板40の切断面40abが周方向に沿って接着剤P4で完全に被覆される。続いて、スピーカ装置作成工程s14では、接着剤P4でパッキンG1に固着されたドーム形状のマグネシウム振動板30の外周縁部30acの上端面、又はセミドーム形状のマグネシウム振動板40の外周縁部40acの上端面と、パッキンG2の下端面とが接着剤P4で固着される。これにより、その切断面30ab又は切断面40abと空気中の酸素との接触が完全に遮断される。よって、その切断面30ab又は切断面40abに防錆処理を施すことなく錆の発生を防止することができ、その切断面30ab又は切断面40abの防錆性の向上を図ることができる。
図10(a)又は(b)に、ドーム形状のマグネシウム振動板30、又はセミドーム形状のマグネシウム振動板40が接着剤P4によりパッキンG1及びG2に固着された状態の断面図を示す。尚、ドーム形状のマグネシウム振動板30の外周縁部30acの上端面及び下端面、又はセミドーム形状のマグネシウム振動板40の外周縁部40acの上端面及び下端面、フレーム22の周縁部22aの上端面、パッキンG1の上端面及び下端面、及びパッキンG2の下端面は、平坦性が確保されている。
こうして、ドーム形状のマグネシウム振動板30を備えるスピーカ装置400、又はセミドーム形状のマグネシウム振動板40を備えるスピーカ装置500が製作される。図11(a)又は(b)に、かかるスピーカ装置400、又はスピーカ装置500の断面図を示す。
以上、本例に係るドーム形状のマグネシウム振動板30を備えるスピーカ装置400、又はセミドーム形状のマグネシウム振動板40を備えるスピーカ装置500の製造方法では、スピーカ装置作成工程s14でドーム形状のマグネシウム振動板30の切断面30ab、又はセミドーム形状のマグネシウム振動板40の切断面40abが周方向に沿って接着剤P4により完全に被覆される。これにより、その切断面30ab又は切断面40abに防錆処理を施すことなく錆の発生を防止することができ、その切断面30ab又は切断面40abの防錆性の向上を図ることができる。また、本例の製造方法では、第1及び第2実施例と同様に切断面処理工程を省くように構成しているため工数の削減を図ることができると共に、ドーム形状のマグネシウム振動板30を備えるスピーカ装置400、又はセミドーム形状のマグネシウム振動板40を備えるスピーカ装置500の製造コストの低減を図ることができる。
[第4実施例]
本例は、図6に示すスピーカ装置作成工程s14において、平坦性の確保されたフレームの周縁部の上端面に周方向に沿って凹部を形成し、その凹部にドーム形状又はセミドーム形状のマグネシウム振動板の折り曲げ成形された外周縁部を嵌合させ、尚且つそのマグネシウム振動板の折り曲げ成形された外周縁部をその凹部内で接着剤により固着する。本例は、この点が第2実施例と異なる。したがって、以下の説明では、かかる点を中心にドーム形状又はセミドーム形状のマグネシウム振動板を備えるスピーカ装置を製作する方法について述べる。
先ず、図6に示すプレス成形工程s11では、フレームの周縁部の上端面に周方向に沿って形成される凹部と、ドーム形状又はセミドーム形状のマグネシウム振動板の外周縁部とが嵌合するようにその外周縁部が折り曲げ成形され、ドーム形状又はセミドーム形状のマグネシウム基材が製造される。次に、図6に示す表面処理工程s12では、そのドーム形状又はセミドーム形状のマグネシウム基材の表面が表面処理され、続いて図6に示すトリミング工程s13では、その表面処理されたドーム形状又はセミドーム形状のマグネシウム基材がトリミング処理される。
こうして、ドーム形状のマグネシウム振動板30´、又はセミドーム形状のマグネシウム振動板40´が製造される。図12(a)又は(b)に、そのドーム形状のマグネシウム振動板30´、又はセミドーム形状のマグネシウム振動板40´の断面図を示す。即ち、本例に係るドーム形状のマグネシウム振動板30´の外周縁部30´acの形状、又はセミドーム形状のマグネシウム振動板40´の外周縁部40´acの形状は、図12(a)又は(b)に示すように、折り曲げ成形されている(破線部分を参照)。
一方、スピーカ本体のフレーム22の周縁部22aの上端面には、図13(a)又は(b)に示すように、その周方向に沿って凹部22bが形成される。
次に、図13(a)又は(b)を参照して、スピーカ装置作成工程s14について説明する。図6に示すスピーカ装置作成工程s14では、先ずトリミング処理されたドーム形状のマグネシウム振動板30´の外周縁部30´ac、又はセミドーム形状のマグネシウム振動板40´の外周縁部40´acが、フレーム22の周縁部22aに形成された凹部22bに嵌め込まれる。尚、その外周縁部30´acの下端面、その外周縁部40´acの下端面、及び/又は凹部内の端面には接着剤P6が塗布されている。また、このとき、その切断面30´ab、又はその切断面40´abは周方向に沿って接着剤P6により完全に被覆される。
これにより、スピーカ本体のフレームに対して、ドーム形状のマグネシウム振動板30´、又はセミドーム形状のマグネシウム振動板40´の正確な位置決めができると共に、ドーム形状のマグネシウム振動板30´、又はセミドーム形状のマグネシウム振動板40´と、フレーム22とが強固に接着される。また、ドーム形状のマグネシウム振動板30´の切断面30´ab、又はセミドーム形状のマグネシウム振動板40´の切断面40´abと、空気中の酸素との接触が完全に遮断される。よって、その切断面30´ab又は切断面40´abに防錆処理を施すことなく錆の発生を防止することができ、その切断面30´ab又は切断面40´abの防錆性の向上を図ることができる。
こうして、ドーム形状のマグネシウム振動板30´を備えるスピーカ装置600、又はセミドーム形状のマグネシウム振動板40´を備えるスピーカ装置700が製作される。図14(a)及び(b)に、かかるスピーカ装置600、又はスピーカ装置700の断面図を示す。
以上、本例に係るドーム形状のマグネシウム振動板30´を備えるスピーカ装置600、又はセミドーム形状のマグネシウム振動板40´を備えるスピーカ装置700の製造方法では、スピーカ装置作成工程s14でドーム形状のマグネシウム振動板30´の切断面30´ab、又はセミドーム形状のマグネシウム振動板40´の切断面40´abが周方向に沿って接着剤P6で完全に被覆される。これにより、その切断面30´ab又は切断面40´abに防錆処理を施すことなく錆の発生を防止することができ、その切断面30´ab又は切断面40´abの防錆性の向上を図ることができる。また、本例の製造方法では、第1、第2、及び第3実施例と同様に切断面処理工程を省くように構成しているため工数の削減を図ることができると共に、ドーム形状のマグネシウム振動板30´を備えるスピーカ装置600、又はセミドーム形状のマグネシウム振動板40´を備えるスピーカ装置700の製造コストの低減を図ることができる。
以上説明したように、本発明に係るマグネシウム振動板を備えるスピーカ装置及びその製造方法によれば、トリミングしたマグネシウム振動板の切断面を接着剤で完全に被覆するようにしているため、その切断面に防錆処理を施すことなく錆の発生を防止することができる。これにより、その切断面の防錆性の向上を図ることができる。よって、防錆性に優れた高品質なマグネシウム振動板を備えるスピーカ装置を製造することができる。また、本製造方法では、トリミング工程の後工程で防錆処理工程を省くようにしているため工数の削減を図ることができると共に、そのスピーカ装置の製造コストの低減を図ることができる。
コーン形状のマグネシウム振動板を備えるスピーカ装置の製造方法を示す。 プレス成形工程によるコーン形状のマグネシウム基材を成形する様子を示す。 表面処理やトリミング処理した後のコーン形状のマグネシウム振動板の断面図を示す。 トリミングしたコーン形状のマグネシウム振動板の切断面が接着剤で被覆されている状態の断面図を示す。 第1実施例の製造方法により製造されたコーン形状のマグネシウム振動板を備えるスピーカ装置の断面図を示す。 ドーム形状又はセミドーム形状のマグネシウム振動板を備えるスピーカ装置の製造方法を示す。 第2実施例の製造方法により製造されたドーム形状又はセミドーム形状のマグネシウム振動板の断面図を示す。 トリミングしたドーム形状又はセミドーム形状のマグネシウム振動板の切断面がフレーム上で接着剤により被覆されている状態の断面図を示す。 第2実施例の製造方法により製造されたドーム形状又はセミドーム形状のマグネシウム振動板を備えるスピーカ装置の断面図を示す。 トリミングしたドーム形状又はセミドーム形状のマグネシウム振動板の切断面がパッキンの間で接着剤により被覆されている状態の断面図を示す。 第3実施例の製造方法により製造されたドーム形状又はセミドーム形状のマグネシウム振動板を備えるスピーカ装置の断面図を示す。 第4実施例の製造方法により製造されたドーム形状又はセミドーム形状のマグネシウム振動板の断面図を示す。 トリミングしたドーム形状又はセミドーム形状のマグネシウム振動板の切断面がフレームの凹部内で接着剤により被覆されている状態の断面図を示す。 第4実施例の製造方法により製造されたドーム形状又はセミドーム形状のマグネシウム振動板を備えるスピーカ装置の断面図を示す。
符号の説明
2、22 フレーム
3、30、30´、40、40´ マグネシウム振動板
4 ダンパー
5、20 ボイスコイルボビン
6、21 ボイスコイル
7 ポールピース
8、25 プレート
9、24 マグネット
10、30a、30´a、40a、40´a エッジ
23 ツボヨーク
100、200、300、400、500、600、700 スピーカ装置

Claims (8)

  1. 表面処理されたマグネシウムの基材をトリミングして製作されたマグネシウム振動板と、前記マグネシウム振動板を支持する支持部材と、を備え、
    前記マグネシウム振動板の周縁部は接着剤により前記支持部材に固着されており、
    前記トリミングによって生じた前記マグネシウム振動板の切断面と該切断面近傍の前記表面処理されたマグネシウム振動板の一部とが前記接着剤で被覆されていることを特徴とするスピーカ装置。
  2. 前記マグネシウム振動板は、第1の周縁部と第2の周縁部とを有するコーン形状のマグネシウム振動板であって、
    前記支持部材は、エッジ、ボイスコイルボビン、及びダンパーを含み、
    前記第1の周縁部は前記エッジに固着されており、前記第2の周縁部は前記ボイスコイルボビン及び前記ダンパーに固着されていることを特徴とする請求項1に記載のスピーカ装置。
  3. 前記マグネシウム振動板はセミドーム形状のマグネシウム振動板、又はドーム形状のマグネシウム振動板であり、
    前記支持部材は、フレーム及びパッキンを含むことを特徴とする請求項1に記載のスピーカ装置。
  4. 前記フレームの一端面には周方向に沿って凹部が形成され、
    前記マグネシウム振動板の周縁部は前記凹部に嵌合し且つ前記凹部内で接着剤により固着されていることを特徴とする請求項3に記載のスピーカ装置。
  5. マグネシウムの基材を成形する成形工程と、
    前記成形されたマグネシウム基材に表面処理をする表面処理工程と、
    前記表面処理された前記マグネシウムの基材をトリミングしてマグネシウム振動板を製作するトリミング工程と、
    前記マグネシウム振動板の周縁部と、支持部材とを接着剤により固着する固着工程と、
    を備え、
    前記固着工程は、前記トリミング工程によって生じた前記マグネシウム振動板の切断面と該切断面近傍の前記表面処理されたマグネシウム振動板の一部とを接着剤で被覆することを特徴とするスピーカ装置の製造方法。
  6. 前記マグネシウム振動板はコーン形状のマグネシウム振動板であり、前記支持部材はエッジ、ボイスコイルボビン、及びダンパーであることを特徴とする請求項に記載のスピーカ装置の製造方法。
  7. 前記マグネシウム振動板はセミドーム形状のマグネシウム振動板、又はドーム形状のマグネシウム振動板であり、前記支持部材はフレーム及びパッキンであることを特徴とする請求項に記載のスピーカ装置の製造方法
  8. 前記フレームの一端面には周方向に沿って凹部が形成され、
    前記固着工程は、前記マグネシウム振動板の周縁部を、前記凹部に嵌合させ、且つ前記凹部内に接着剤により固着することを特徴とする請求項に記載のスピーカ装置の製造方法。
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