JP4257161B2 - 樹脂成形用型及び樹脂成形方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、型締めすることによってインサート部材をクランプし、キャビティに充填された液状樹脂を硬化させて硬化樹脂を形成して、硬化樹脂とインサート部材とを含む成形体を成形する際に使用される樹脂成形用型及び樹脂成形方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来使用されている、硬化樹脂とインサート部材とを含む成形体を成形する場合の樹脂成形について、インサート部材である基板に装着されたチップ状の電子部品(以下「チップ」という。)を樹脂封止する場合を例にとって説明する。このような樹脂封止においては、製品であるパッケージを含む成形体を成形するために、金型を使用したいわゆるトランスファモールド法が広く使用されている。このトランスファモールド法は、基板に装着されたチップが金型のキャビティに収容されるようにしてその基板を金型上に配置し、金型を型締めした状態で液状樹脂が貯留されたポットから流路を経由してキャビティに液状樹脂を注入し、これを硬化させて硬化樹脂を形成する方法である。
【0003】
ところで、樹脂封止で使用される基板は、リードフレーム、樹脂ベースのプリント基板、セラミックス基板等から構成されている。そして、これらの基板については、1枚の基板内における基板厚のばらつき、複数の基板間における基板厚のばらつき、ロット間における基板厚のばらつきが存在する。また、異なる機種の基板を使用する際には、基板厚の仕様自体が異なることもある。更に、1枚の基板において、反りやうねりが生じている場合もある。これらの場合に、基板をクランプする際の押圧力、すなわちクランプ圧が不均一になると、基板において本来硬化樹脂が形成されないはずの場所に、硬化樹脂のばりが発生することがある。これを防止するために、上型及び下型のいずれかにおいて、キャビティ及び流路が存在する以外の領域に、圧力センサとこれに対向する圧電素子とを散在して配置する構成が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この構成によれば、型締めし、圧力センサがすべて基準値を示しているか否かチェックする。もし、基準値に達していない圧力センサがあれば、その圧力センサに対応する圧電素子に電圧を印加してこれを変位させて、上型及び下型のいずれかの金型を押圧する。このようにして、圧力センサが示す圧力を基準値にする。
【0004】
【特許文献1】
特開平10−12649号公報(第2−3頁、第1図)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の技術、すなわち、圧電素子と圧力センサとを、キャビティ及び流路が存在する以外の領域に散在して配置する構成によれば、近年の基板の大型化に対して、次のような問題が発生するおそれがある。第1に、基板の大型化に伴いキャビティも大型化するので、圧電素子を設ける領域が、金型の周辺部の狭い領域に限られてくる。このことから、基板の外縁近傍の狭い領域においてしか、圧電素子を変位させることができない。一方、基板の大型化に伴って、基板厚のばらつき、反り、うねり等の量はいずれも大きくなる傾向にある。これにより、従来の技術では、基板の外縁近傍の狭い領域において圧電素子を変位させて金型を押圧するので、基板に対するクランプ圧を適正かつ均一にすることが困難になるおそれがある。したがって、クランプ圧が過大になって基板の損傷が発生したり、クランプ圧が過小になって基板上のばりが発生したりすることがある。第2に、従来の技術によれば、液状樹脂が貯留されたポットの周囲にもばりが発生することがある。このばりは、型開きする際に硬化樹脂と型面との間の離型性を低下させるおそれがある。第3に、インサート部材として複数の基板を使用して、同時に樹脂封止を行う場合がある。この場合には、それら複数の基板間における厚さ、反り、うねり等の程度のばらつきによって、適正でないクランプ圧により、基板の損傷や基板上におけるばり等が発生するおそれがある。
【0006】
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、基板が大型化して基板厚のばらつき等がある場合であっても、基板に対するクランプ圧を適正かつ均一にする樹脂成形用型及び樹脂成形方法を提供することを目的とする。また、本発明は、ばりの発生を抑制する樹脂成形用型及び樹脂成形方法を提供することを目的とする。このばりは、基板上で発生したり、液状樹脂が貯留されたポットの周囲で発生したりするばりである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上述の技術的課題を解決するために、本発明に係る樹脂成形用型は、相対向している型面(9,15)を有する複数の型(4,12)を含んで構成され、複数の型(4,12)のうち少なくとも一部の型(4,12)の間にインサート部材(10L,10R)が配置され、該インサート部材(10L,10R)が一部の型(4,12)によってクランプされ、一部の型(4,12)のうち少なくとも1つの型(12)に設けられたキャビティ(16)に液状樹脂が充填された状態で液状樹脂を硬化させて硬化樹脂が形成され、該硬化樹脂とインサート部材(10L,10R)とを含む成形体が成形される際に使用される樹脂成形用型であって、一部の型(4,12)のいずれかにおいて型面(15)の反対側に設けられており、平面視した場合にキャビティ(16)に重なるようにして設けられた少なくとも1つの押圧手段(20)と、押圧手段(20)によって押圧される型(12)が有する型面(15)に設けられた圧力検出手段、押圧される型(12)に対向する型(4)が有する型面に設けられた圧力検出手段、又は、型のいずれかにおける型面(15)の反対側に設けられた圧力検出手段(8)のいずれか1つの圧力検出手段を備えるとともに、押圧手段(20)は、一部の型(4,12)がインサート部材(10L,10R)をクランプしている状態において、圧力検出手段(8)によって検出された圧力に基づいて、 押圧される型(12)と該押圧される型に対向する型(4)とが各々有する型面において印加されている圧力が所定の値になるようにして押圧することを特徴とする。
【0008】
これによれば、平面視した場合にキャビティ(16)に重なるようにして設けられた押圧手段(20)によって、型面(15)を有する型(12)が押圧される。これにより、広い面積においてその型(12)が押圧され、その型(12)を介してインサート部材(10L,10R)が押圧される。したがって、インサート部材(10L,10R)が大型化した場合であっても、そのインサート部材(10L,10R)に対するクランプ圧が、適正かつ均一になる。また、これによれば、一部の型(4,12)がインサート部材(10L,10R)をクランプしている状態で、圧力検出手段(8)によって、インサート部材(10L,10R)に印加されている圧力、すなわちクランプ圧が検出される。更に、押圧手段(20)は、圧力検出手段(8)により検出された圧力に基づいて、インサート部材(10L,10R)に印加されるクランプ圧が所定の値になるようにして、型面(15)の反対側においてその型(12)を押圧する。したがって、インサート部材(10L,10R)に印加されるクランプ圧は均一なかつ所定の値になる。
【0009】
また、本発明に係る樹脂成形用型は、相対向している型面を有する複数の型(4,5,12,13)を含んで構成され、複数の型(4,5,12,13)のうち少なくとも一部の型(4,12)の間にインサート部材(10L,10R)が配置され、該インサート部材(10L,10R)が一部の型(4,12)によってクランプされ、一部の型(4,12)のうち少なくとも1つの型(12)に設けられたキャビティ(16)に液状樹脂が充填された状態で液状樹脂を硬化させて硬化樹脂が形成され、該硬化樹脂とインサート部材(10L,10R)とを含む成形体が成形される際に使用される樹脂成形用型であって、複数の型(4,5,12,13)のうち少なくとも1つの型(5)に設けられ液状樹脂が貯留されるポット(6)と、ポット(6)が設けられた型(5)に対向する型(13)において、型面(21)の反対側に設けられ、かつ対向する型(13)を押圧するようにして設けられた押圧手段(21)と、押圧手段(21)によって押圧される型(13)が有する型面に設けられた圧力検出手段、押圧される型(13)に対向する型(5)が有する型面に設けられた圧力検出手段、又は、型のいずれかにおける型面の反対側に設けられた圧力検出手段(22)のいずれか1つの圧力検出手段を備えるとともに、押圧手段(21)は、一部の型(4,12)がインサート部材(10L,10R)をクランプしている状態において、圧力検出手段(22)によって検出された圧力に基づいて、押圧される型(13)と該押圧される型(13)に対向する型(5)とが各々有する型面において印加されている圧力が所定の値になるようにして押圧することを特徴とする。
【0010】
これによれば、押圧手段(21)が、ポット(6)が設けられた型(5)に対向する型(13)の背面を押圧する。したがって、インサート部材(10L,10R)がクランプされた状態で、ポット(6)が設けられた型(5)とこれに対向する型(13)とが、適正かつ均一な圧力でクランプされる。また、これによれば、一部の型(4,12)がインサート部材(10L,10R)をクランプしている状態で、圧力検出手段(22)により、押圧される型(13)とこれに対向しポット(6)が設けられた型(5)とに印加されている圧力、すなわちクランプ圧が検出される。また、押圧手段(21)は、圧力検出手段(22)により検出された圧力に基づいて、ポット(6)が設けられた型(5)におけるクランプ圧が所定の値になるようにして、その型(5)に対向する型(13)を押圧する。したがって、ポット(6)が設けられた型(5)におけるクランプ圧は均一なかつ所定の値になる。
【0011】
【0012】
【0013】
また、本発明に係る樹脂成形用型は、上述した樹脂成形用型において、押圧手段(20,21)は圧電素子(20,21)からなることを特徴とする。
【0014】
これによれば、圧電素子(20,21)に電圧を印加することによって、これを微小に変位させることができる。これにより、微小に変位する圧電素子(20,21)が、型(12,13)を押圧する。したがって、その型(12,13)を介して、インサート部材(10L,10R)が押圧される際のクランプ圧と、押圧される型(13)の型面とこれに対向する型(5)の型面とにおけるクランプ圧とを、細かく制御することができる。
【0015】
また、本発明に係る樹脂成形用型は、上述した樹脂成形用型において、インサート部材(10L,10R)は複数個配置されており、一部の型(4,12)は複数のインサート部材(10L,10R)の各々を個別にクランプするように分割されており、押圧手段(20)は、複数個設けられているとともに複数のインサート部材(10L,10R)の各々を個別に押圧し、圧力検出手段(8)は、複数個設けられているとともに複数のインサート部材(10L,10R)の各々に対応する圧力を個別に検出することを特徴とする。
【0016】
これによれば、複数のインサート部材(10L,10R)のそれぞれに対応して、各圧力検出手段(8)により検出された圧力に応じて、各押圧手段(20)が複数の型(12)のそれぞれの背面を押圧する。したがって、複数のインサート部材(10L,10R)の間において、厚さについてばらつきがある場合であっても、インサート部材(10L,10R)のそれぞれが適正かつ均一な圧力でクランプされる。
【0017】
また、本発明に係る樹脂成形用型は、上述した樹脂成形用型において、押圧手段(25)はインサート部材(10L,10R)の1個に対して複数個設けられており、圧力検出手段(8)はインサート部材(10L,10R)の1個に対して複数個設けられているとともに、圧力検出手段(8)の各々が圧力を個別に検出することを特徴とする。
【0018】
これによれば、1個のインサート部材(10L,10R)に対して、圧力検出手段(8)と押圧手段(25)とが複数個設けられている。そして、各押圧手段(25)が、圧力検出手段(8)によってそれぞれ検出された圧力に基づいて、押圧される型(12)とこれに対向する型(4)とが各々有する型面(15,9)において印加されている圧力が所定の値になるようにして、型(12)を押圧する。したがって、1個のインサート部材(10L,10R)の全面において、印加されているクランプ圧が、適正かつ均一になる。
【0019】
また、本発明に係る樹脂成形方法は、相対向している型面(9,15)を有する複数の型(4,12)のうち少なくとも一部の型(4,12)によってインサート部材(10L,10R)をクランプし、複数の型(4,12)のうち少なくとも1つの型(12)に設けられたキャビティ(16)に液状樹脂が充填された状態で液状樹脂を硬化させて硬化樹脂を形成し、該硬化樹脂とインサート部材(10L,10R)とを含む成形体を成形する樹脂成形方法であって、一部の型(4,12)の間にインサート部材(10L,10R)を配置した状態で、一部の型(4,12)を型締めしてインサート部材(10L,10R)をクランプする工程と、型面(9,15)の少なくともいずれかにおいて、又は複数の型(4,12)における型面(9,15)の反対側において設けられた圧力検出手段(8)を使用して、型面(9,15)において、又は型面(9,15)の反対側において印加されている圧力を検出する工程と、平面視した場合にキャビティ(16)に重なるようにして設けられた少なくとも1つの押圧手段(20)によって、型面(15)の反対側において、検出された圧力に基づいて型面(15)を有する型(12)を押圧する工程とを備えたことを特徴とする。
【0020】
これによれば、平面視した場合にキャビティ(16)に重なるようにして設けられた押圧手段(20)により、型面(15)を有する型(12)を押圧する。これによって、広い面積においてその型(12)を押圧し、その型(12)を介してインサート部材(10L,10R)を押圧することになる。したがって、インサート部材(10L,10R)が大型化した場合であっても、そのインサート部材(10L,10R)に対するクランプ圧を、適正かつ均一にすることができる。
【0021】
また、本発明に係る樹脂成形方法は、上述した樹脂成形方法において、一部の型(4,12)の間において配置されるインサート部材(10L,10R)の数を複数個にするとともに、クランプする工程では、一部の型(4,12)のうち相対向する型(4,12)が複数のインサート部材(10L,10R)の各々を個別にクランプし、圧力を検出する工程では、複数のインサート部材(10L,10R)に各々対応する圧力を個別に検出し、押圧する工程では、相対向する型(4,12)を介して複数のインサート部材(10L,10R)の各々を個別に押圧することを特徴とする。
【0022】
これによれば、一部の型(4,12)がインサート部材(10L,10R)をクランプしている状態で、圧力検出手段(8)によって、インサート部材(10L,10R)に対するクランプ圧を個別に検出する。また、各押圧手段(20)は、各圧力検出手段(8)により検出された圧力に基づいて、各インサート部材(10L,10R)に印加されるクランプ圧が所定の値になるようにして、それぞれ、型面(15)の反対側においてその型(12)を押圧する。したがって、各インサート部材(10L,10R)に印加されるクランプ圧を、それぞれ均一なかつ所定の値にすることができる。
【0023】
また、本発明に係る樹脂成形方法は、上述した樹脂成形方法において、押圧する工程では、圧電素子(20)を使用して相対向する型(4,12)を押圧することを特徴とする。
【0024】
これによれば、圧電素子(20)に電圧を印加することによって、これを微小に変位させる。これにより、微小に変位する圧電素子(20)が、型(12)を押圧する。したがって、その型(12)を介して、インサート部材(10L,10R)が押圧される際のクランプ圧を、細かく制御することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)
本発明に係る樹脂成形用型の第1の実施形態を、図1を参照して説明する。図1(A)は本実施形態に係る樹脂成形用型が型開きしている状態を、図1(B)はその樹脂成型用型が型締めした状態を、それぞれ示す断面図である。なお、以下に示される各図は、いずれも誇張して描かれている。図1において、相対向して設けられている下型1と上型2とは、併せて樹脂成形用型を構成しており、具体的には、いずれも工具鋼等の金属材料から構成されている樹脂封止用の金型である。
【0026】
下型1は、下側ホルダ3と、下側ホルダ3上に載置された2個の下側ブロック4と、下側ホルダ3に設けられた貫通穴と下側ブロック4同士の間の空間とに嵌装されたポットブロック5とから構成されている。また、ポットブロック5に設けられ液状樹脂(図示なし)が貯留される空間であるポット6には、プランジャ7が昇降自在に嵌装されている。また、下側ホルダ3と下側ブロック4との間には、圧力センサ8が配置されている。圧力センサ8としては、例えば、金属ダイアフラム等を使用した薄板状のセンサやロードセル等を使用することができる。各下側ブロック4が有する型面9の上には、インサート部材として、チップ(図示なし)が装着された基板10Lと基板10Rとが配置されている。これらの構成により、型締めされた状態で下側ホルダ3が受ける圧力が圧力センサ8によって検出される。そして、その検出された圧力を介して、基板10L,10Rに印加されているクランプ圧が、圧力センサ8によって間接的に検出されることになる。なお、図1においては、左側の基板10Lの厚さが右側の基板10Rの厚さよりも小さい場合について、示されている。
【0027】
上型2は、上側ホルダ11と、それぞれ下側ブロック4に相対向する2個のキャビティブロック12と、ポットブロック5に相対向するカルブロック13とから構成されている。カルブロック13には、ポット6に対向してカル14が設けられている。また、2個のキャビティブロック12には、それぞれ下側ブロック4の型面9に対向する型面15において、平面視した場合に基板10L,10Rの一部に重なるようにして、液状樹脂(図示なし)が充填される空間であるキャビティ16が設けられている。また、カルブロック13とキャビティブロック12とにおいて、液状樹脂が流動する流路17が、カル14と各キャビティ16とを連通するようして設けられている。
【0028】
また、上型2が有する上側ホルダ11には、2個のキャビティブロック12とカルブロック13とにそれぞれ対応して、凹部18,19が設けられている。そして、各凹部18,19には、本発明を特徴付ける押圧手段としての圧電素子20,21が、次のようにして設けられている。まず、2個のキャビティブロック12に対応する押圧手段として、圧電素子20が、各凹部18の内底面において上側ホルダ11に取り付けられているとともに、各キャビティブロック12に取り付けられている。また、カルブロック13に対応する押圧手段として、圧電素子21が、凹部19の内底面において上側ホルダ11に取り付けられているとともに、カルブロック13に取り付けられている。そして、圧電素子20は、平面視した場合にキャビティ16に重なるようにして設けられており、圧電素子21は、平面視した場合にポット6に重なるようにして設けられている。ここで、圧電素子20,21は、それらの先端面(図では下面)が予め凹部18,19からわずかに突出するようにして、設けられている。圧電素子20の突出量は、基板10L,10Rを含む基板のうち厚さが最も大きいものを想定して、その基板をクランプする際に適正なクランプ圧が得られるようにして予め定められている。また、この場合にキャビティブロック12とカルブロック13との型面同士とが同一面になるようにして、圧電素子21の突出量が予め定められている。
【0029】
また、圧電素子20,21の先端面(図では下面)は、制御手段(図示なし)から供給された電圧に応じた量だけ変位して、凹部18,19からいっそう突出する。これにより、圧電素子20がキャビティブロック12の背面を、圧電素子21がカルブロック13の背面を、それぞれ押圧することが可能になる。更に、カルブロック13と圧電素子21との間には、ポットブロック5の型面に印加される圧力を検出するための圧力センサ22が設けられている。
【0030】
本実施形態に係る樹脂成型用型の動作、すなわち樹脂成型方法を、図1を参照して説明する。まず、図1(A)に示すように、各下側ブロック4の型面9の上にチップ(図示なし)が装着された基板10L,10Rを配置して、型締めを開始する。ここで、各基板10L,10Rにクランプ圧が印加され始めると、各圧力センサ8によって、それらのクランプ圧をそれぞれ間接的に検出する。また、ポットブロック5の型面にクランプ圧が印加され始めると、圧力センサ22によって、そのクランプ圧を間接的に検出する。
【0031】
次に、図1(B)に示すように、引き続いて型締めを行う。そして、型締めを行いながら、各圧力センサ8と圧力センサ22とによって、各基板10L,10Rとポットブロック5の型面とに印加されているクランプ圧を、それぞれ検出する。更に、検出されたクランプ圧に基づいて、それらのクランプ圧を所定の目標値にするように、又は所定の範囲内の値にするように、圧電素子20,21に対する以下の制御を行う。
【0032】
1番目に、各基板10L,10Rにおけるクランプ圧の制御を説明する。検出されたクランプ圧は、制御手段(図示なし)に供給されて所定の目標値に比較される。比較の結果、クランプ圧が目標値を下回っている場合には、この状態で型締めを完了すると、キャビティブロック12の型面15によって基板10L,10Rが十分にクランプされていないことになる。したがって、型面15と基板10L,10Rとの間において樹脂ばりが発生するおそれがある。図1では、左側の基板10Lの厚さが右側の基板10Rの厚さよりも小さいので、基板10Rにおいてクランプ圧が所定の値になった場合でも、基板10Lの上面と型面15との間に隙間が生じて、この隙間において樹脂ばりが発生するおそれがある。
【0033】
そこで、2個の圧電素子20のうち、クランプ圧が目標値を下回っているキャビティブロック12(図1(B)では左側)に対応する圧電素子20に対して、制御手段が、目標値を下回っている量に応じた電圧を供給する。これにより、供給された電圧に応じた量だけ左側の圧電素子20が伸長して、その先端面(図では下面)が変位する。そして、その圧電素子20の先端面が、凹部18から更に突出して、左側のキャビティブロック12の背面を押圧する。これにより、基板10Lに印加されているクランプ圧が増大する。この状態で、各基板10L,10Rに印加されているクランプ圧が各圧力センサ8によって検出され、所定の目標値に比較される。以上説明したようにして、クランプ圧が所定の目標値になるまで、又は目標の範囲内の値になるまで、2個の圧電素子20のうち必要な圧電素子20に対して制御手段が電圧を供給する。したがって、電圧が供給された圧電素子20がキャビティブロック12の背面を押圧することによって、各基板10L,10Rに印加されるクランプ圧を、所定の目標値にすることができ、又は目標の範囲内の値にすることができる。
【0034】
2番目に、ポットブロック5の型面におけるクランプ圧の制御を説明する。型締めを行いながら、圧力センサ22によって、ポットブロック5の型面に印加されているクランプ圧を検出する。そして、検出されたクランプ圧を所定の目標値に比較し、必要に応じて、検出されたクランプ圧が目標値を下回っている量に応じた電圧を、圧電素子21に供給する。したがって、圧電素子21がカルブロック13の背面を押圧することにより、ポットブロック5の型面に印加されているクランプ圧を、所定の目標値、又は目標の範囲内の値にすることができる。
【0035】
本実施形態によれば、第1に、圧電素子20が、平面視した場合にキャビティ16に重なるようにして設けられ、圧力センサ8によって検出されたクランプ圧に応じてキャビティブロック12の背面を押圧する。これにより、大型の基板10L,10Rを使用する場合において、キャビティ16に重なる広い領域において圧電素子20が変位する。したがって、基板10L,10Rに対するクランプ圧を適正かつ均一にすることが可能になるので、大型の基板10L,10Rを使用する場合であっても、基板10L,10Rの損傷や基板10L,10R上におけるばりの発生を防止することができる。第2に、カルブロック13に対応する押圧手段として、圧電素子21が、カルブロック13に取り付けられている。これにより、カルブロック13とポットブロック5とを、適正かつ均一な圧力でクランプすることができる。したがって、ポット6の周囲におけるばりの発生が抑制されるので、型開きする際における硬化樹脂と型面との間の離型性を改善することができる。第3に、複数の基板10L,10Rのそれぞれに対応して、各圧電素子20が、各圧力センサ8によって検出されたクランプ圧に応じて、各キャビティブロック12のそれぞれの背面を押圧する。したがって、複数の基板10L,10Rの間において、厚さについてばらつきがある場合であっても、基板10L,10Rのそれぞれを適正かつ均一な圧力でクランプすることができる。
【0036】
(第2の実施形態)
本発明に係る樹脂成形用型の第2の実施形態を、図2を参照して説明する。図2(A)は本実施形態に係る樹脂成形用型が型開きしている状態を、図2(B)はその樹脂成型用型が型締めした状態を、それぞれ示す断面図である。
【0037】
本実施形態の特徴を、図2を参照しながら説明する。下側ホルダ3と各下側ブロック4との間には、平面視した場合にキャビティ16に重なる複数の個所において、基板23L,23Rに印加されているクランプ圧を検出する複数個の圧力センサ8が、それぞれ配置されている。上型2が有する上側ホルダ11においては、平面視した場合に複数個の圧力センサ8にそれぞれ重なる位置に、すなわち平面視した場合にキャビティ16に重なる複数の個所において、凹部24が設けられている。そして、本発明を特徴付ける押圧手段としての圧電素子25が、それぞれ、各凹部24の内底面において上側ホルダ11に取り付けられているとともに、キャビティブロック12に取り付けられている。
【0038】
本実施形態に係る樹脂成型用型の動作、すなわち樹脂成型方法を、図2を参照して説明する。図2(A)に示すように、まず、第1の実施形態と同様にして、2個の下側ブロック4における型面9の上に、チップ(図示なし)が装着された2枚の基板23L,23Rをそれぞれ配置して、型締めを開始する。ここで、図2(B)に示すように、左側の基板23Lには厚さのばらつきがあり、左端よりも右端の方がわずかに薄くなっている。これにより、基板23L,23Rの双方に対して適正なクランプ圧を印加しようとすれば、左側の基板23Lにおいて、左端に過大なクランプ圧が印加され、又は右端におけるクランプ圧が過小になるという問題が生じる。したがって、基板23Lの左端における損傷、又は右端における基板上のばりのうち、少なくともいずれかが発生するおそれがある。
【0039】
次に、図2(B)に示すように、引き続いて型締めを行う。そして、型締めを行いながら、圧力センサ8によって、各基板23L,23Rにおける複数の箇所で、それらの基板23L,23Rに印加されているクランプ圧を、それぞれ検出する。ここで、左側の基板23Lには上述した厚さのばらつきがあるので、基板23Lに対応して設けられた複数個(図では3個)の圧力センサ8が検出するクランプ圧は、左端において最大に、右端において最小に、中間においてそれらの中間になる。
【0040】
次に、各基板23L,23Rにおいて、検出されたクランプ圧に基づいて、それらのクランプ圧を所定の目標値にするようにして、又は目標の範囲内の値にするようにして、各圧電素子25に対する制御を行う。この制御によって、図2の場合には、左側の基板23Lに対応して設けられた複数個(図では3個)の圧電素子25が変位する量は、左端において最小に、右端において最大に、中間においてそれらの中間になる。したがって、左端よりも右端の方がわずかに薄くなっている基板23Lに印加されるクランプ圧を、基板23Lの全面にわたって、均一な値にすることができ、かつ、所定の目標値、又は目標の範囲内の値にすることができる。
【0041】
ここで、基板23L,23Rのそれぞれにおいて反りやうねり等がある場合においても、本実施形態は適用可能である。この場合には、反り等の頂点の部分においてクランプ圧が所定の値になったとしても、反り等の底の部分においてクランプ圧が目標値を下回っている。そこで、反り等の底の部分に対応する圧電素子25に対して、制御手段が、クランプ圧が目標値を下回っている量に応じた電圧を供給する。これにより、電圧が供給された圧電素子25が伸長するので、反り等の底の部分に対しても適正なクランプ圧が印加される。
【0042】
本実施形態によれば、平面視した場合にキャビティ16に重なる複数の個所において、各圧電素子25がキャビティブロック12の背面を押圧する。これにより、第1の実施形態と同様に、基板23L,23Rに対するクランプ圧を適正かつ均一にすることが可能になる。したがって、複数の基板10L,10Rの間において厚さにばらつきがある場合であっても、各基板10L,10Rを適正かつ均一な圧力でクランプすることができる。加えて、基板23L,23Rのそれぞれにおいて、厚さのばらつきがある場合や、反りやうねり等がある場合においても、各基板23L,23R全体に対して適正なクランプ圧を印加することができる。
【0043】
なお、本実施形態では、平面視した場合に、圧力センサ8の位置を、圧電素子25の位置に重なること、すなわち1対1に対応していることとした。これに限らす、例えば、圧力センサ8は、平面視した場合に、圧電素子25同士の中間点に設けられていてもよく、1個の圧電素子25に対して2個設けられていてもよい。
【0044】
また、図2においては、圧力センサ8と圧電素子25とは、それぞれ3個ずつ設けられている。これに限らず、基板10L,10Rの寸法・形状に応じて、圧力センサ8と圧電素子25との数を、適宜増減することができる。例えば、基板10L,10Rの寸法・形状が大型で四辺形の場合には、圧力センサ8と圧電素子25との組合せを、それぞれ3×3、4×4等の格子状に設けてもよい。
【0045】
なお、上述した各実施形態では、圧力センサ8を設けて、各基板10L,10R,23L,23Rに実際に印加されるクランプ圧を、間接的に検出した。これに限らず、圧力センサ8を設けない構成を採ることもできる。この場合には、基板として厚さが異なる複数の機種を使用する場合に、事前にその厚さを指定することによって、指定された厚さに応じて制御部(図示なし)が各圧電素子20,25を変位させる。これにより、厚さが異なる複数の機種を使用する場合であっても、各機種の基板を、適正かつ均一な圧力でクランプすることができる。
【0046】
また、基板10L,10R,23L,23Rに印加される圧力を検出する圧力センサ8を、下側ホルダ3と下側ブロック4との間に配置することとした。本発明においては、型締め時に基板10L,10R,23L,23Rに印加されている圧力を検出すればよいので、圧力センサ8の種類や樹脂成型用型の構成等を考慮して、圧力センサ8について最適な配置場所を決定すればよい。例えば、圧電素子20,25とキャビティブロック12との間の部分に、圧力センサ8を配置してもよい。また、凹部18,24の内底面と圧電素子20,25との間に、圧力センサ8を配置してもよい。更に、下側ブロック4の型面9であって基板10L,10R,23L,23Rが載置される部分、キャビティブロック12の型面15であって基板10L,10R,23L,23Rをクランプする部分等に、圧力センサ8を配置することもできる。ただし、最後の場合には、配置された圧力センサ8によって型締めが阻害されないようにしておく必要がある。
【0047】
また、ポットブロック5の型面に印加される圧力を検出する圧力センサ22については、これを圧電素子21とカルブロック13との間の部分に配置することとした。これに限らず、凹部19の内底面と圧電素子21との間に、圧力センサ22を配置してもよい。また、ポットブロック5の型面、又はカルブロック13の型面であって、相手側の型面を押圧する部分に、圧力センサ22を配置することもできる。ただし、この場合には、配置された圧力センサ22によって型締めが阻害されないようにしておく必要がある。
【0048】
また、圧電素子20,25がキャビティブロック12を、圧電素子21がカルブロック13を、それぞれ直接押圧することとした。これに限らず、キャビティブロック12及びカルブロック13を、それぞれ別のプレートに装着し、圧電素子20,25及び圧電素子21によって、それらのプレートをそれぞれ押圧することとしてもよい。この構成によっても、同様の効果が得られる。
【0049】
また、圧電素子20,21,25は、印加された圧力によって電圧を発生する特性を有する。これを利用して、圧力センサ8,22の機能を、圧電素子20,21,25に持たせることも可能である。
【0050】
また、1組の樹脂成形用型において2個のキャビティブロック12を設け、2枚の基板を同時に樹脂封止する構成としている。これに限らず、1組の樹脂成形用型において1個のキャビティブロックを設け、1枚の基板を樹脂封止することとしてもよい。また、3個以上のキャビティブロックを設け、3枚以上の基板を同時に樹脂封止することもできる。
【0051】
また、樹脂成形として、基板をインサート部材として、樹脂封止に使用されるトランスファ成形を例にとって説明した。これに限らず、他の部材をインサート部材として、樹脂封止以外のトランスファ成形に使用される樹脂成形用型に対して、本発明を適用することもできる。更に、トランスファ成形だけではなく、例えば、射出成形に使用される樹脂成形用型にも、本発明が適用される。
【0052】
また、工具鋼等の金属材料からなる樹脂封止用金型について説明した。これに限らず、型を構成する材料として、セラミック等の非金属材料を使用することもできる。また、それぞれの型を、異なる種類の材料によって構成してもよい。
【0053】
また、本発明は、上述の各実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で、必要に応じて、任意にかつ適宜に組み合わせ、変更し、又は選択して採用できるものである。
【0054】
【発明の効果】
本発明によれば、平面視した場合にキャビティに重なるようにして設けられた押圧手段によって、キャビティを有する型が広い面積において押圧され、その型を介してインサート部材が押圧される。したがって、大型化したインサート部材に対するクランプ圧が、適正かつ均一になる。また、押圧手段が、ポットが設けられた型に対向する型の背面を押圧するので、インサート部材がクランプされた状態で、ポットが設けられた型が適正かつ均一な圧力でクランプされる。また、インサート部材をクランプしている状態で、圧力検出手段によりクランプ圧が検出される。したがって、検出されたクランプ圧に基づいて押圧手段が型を押圧することによって、クランプ圧が均一なかつ所定の値になる。また、圧電素子を使用することによって、インサート部材が押圧される際のクランプ圧と、ポットが設けられた型に対するクランプ圧とを、細かく制御することができる。また、複数のインサート部材のそれぞれに対応して、各圧力検出手段により検出された圧力に応じて、各押圧手段がそれぞれの型の背面を押圧するので、インサート部材のそれぞれが適正かつ均一な圧力でクランプされる。また、1個のインサート部材に対して、圧力検出手段と押圧手段とが複数個設けられているので、そのインサート部材の全面においてクランプ圧が適正かつ均一になる。これらにより、本発明は、インサート部材とポットが設けられた型とに対するクランプ圧を、適正かつ均一にする樹脂成形用型及び樹脂成形方法を提供することができるという、優れた実用的な効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1(A)は本発明の第1の実施形態に係る樹脂成形用型が型開きしている状態を、図1(B)はその樹脂成型用型が型締めした状態を、それぞれ示す断面図である。
【図2】 図2(A)は本発明の第2の実施形態に係る樹脂成形用型が型開きしている状態を、図2(B)はその樹脂成型用型が型締めした状態を、それぞれ示す断面図である。
【符号の説明】
1 下型(樹脂成形用型)
2 上型(樹脂成形用型)
3 下側ホルダ
4 下側ブロック(型)
5 ポットブロック(型)
6 ポット
7 プランジャ
8,22 圧力センサ(圧力検出手段)
9,15 型面
10L,10R,23L,23R 基板(インサート部材)
11 上側ホルダ
12 キャビティブロック(型)
13 カルブロック(型)
14 カル
16 キャビティ
17 流路
18,19,24 凹部
20,21,25 圧電素子(押圧手段)
Claims (8)
- 相対向している型面を有する複数の型を含んで構成され、前記複数の型のうち少なくとも一部の型の間にインサート部材が配置され、該インサート部材が前記一部の型によってクランプされ、前記一部の型のうち少なくとも1つの型に設けられたキャビティに液状樹脂が充填された状態で前記液状樹脂を硬化させて硬化樹脂が形成され、該硬化樹脂と前記インサート部材とを含む成形体が成形される際に使用される樹脂成形用型であって、
前記一部の型のいずれかにおいて前記型面の反対側に設けられており、平面視した場合に前記キャビティに重なるようにして設けられた少なくとも1つの押圧手段と、
前記押圧手段によって押圧される型が有する型面に設けられた圧力検出手段、前記押圧される型に対向する型が有する型面に設けられた圧力検出手段、又は、前記型のいずれかにおける前記型面の反対側に設けられた圧力検出手段のいずれか1つの圧力検出手段を備えるとともに、
前記押圧手段は、前記一部の型が前記インサート部材をクランプしている状態において、前記圧力検出手段によって検出された圧力に基づいて、前記押圧される型と該押圧される型に対向する型とが各々有する型面において印加されている圧力が所定の値になるようにして押圧することを特徴とする樹脂成形用型。 - 相対向している型面を有する複数の型を含んで構成され、前記複数の型のうち少なくとも一部の型の間にインサート部材が配置され、該インサート部材が前記一部の型によってクランプされ、前記一部の型のうち少なくとも1つの型に設けられたキャビティに液状樹脂が充填された状態で前記液状樹脂を硬化させて硬化樹脂が形成され、該硬化樹脂と前記インサート部材とを含む成形体が成形される際に使用される樹脂成形用型であって、
前記複数の型のうち少なくとも1つの型に設けられ前記液状樹脂が貯留されるポットと、
前記ポットが設けられた型に対向する型において、前記型面の反対側に設けられ、かつ前記対向する型を押圧するようにして設けられた押圧手段と、
前記押圧手段によって押圧される型が有する型面に設けられた圧力検出手段、前記押圧される型に対向する型が有する型面に設けられた圧力検出手段、又は、前記型のいずれかにおける前記型面の反対側に設けられた圧力検出手段のいずれか1つの圧力検出手段を備えるとともに、
前記押圧手段は、前記一部の型が前記インサート部材をクランプしている状態において、前記圧力検出手段によって検出された圧力に基づいて、前記押圧される型と該押圧される型に対向する型とが各々有する型面において印加されている圧力が所定の値になるようにして押圧することを特徴とする樹脂成形用型。 - 請求項1又は2記載の樹脂成形用型において、
前記押圧手段は圧電素子からなることを特徴とする樹脂成形用型。 - 請求項1−3のいずれか1つに記載された樹脂成形用型において、
前記インサート部材は複数個配置されており、
前記一部の型は前記複数のインサート部材の各々を個別にクランプするように分割されており、
前記押圧手段は、複数個設けられているとともに前記複数のインサート部材の各々を個別に押圧し、
前記圧力検出手段は、複数個設けられているとともに前記複数のインサート部材の各々に対応する圧力を個別に検出することを特徴とする樹脂成形用型。 - 請求項1−4のいずれか1つに記載された樹脂成形用型において、
前記押圧手段は前記インサート部材の1個に対して複数個設けられており、
前記圧力検出手段は前記インサート部材の1個に対して複数個設けられているとともに、前記圧力検出手段の各々が圧力を個別に検出することを特徴とする樹脂成形用型。 - 相対向している型面を有する複数の型のうち少なくとも一部の型によってインサート部材をクランプし、前記一部の型のうち少なくとも1つの型に設けられたキャビティに液状樹脂が充填された状態で前記液状樹脂を硬化させて硬化樹脂を形成し、該硬化樹脂と前記インサート部材とを含む成形体を成形する樹脂成形方法であって、
前記一部の型の間にインサート部材を配置した状態で、前記一部の型を型締めして前記インサート部材をクランプする工程と、
前記型面の少なくともいずれかにおいて又は前記複数の型における前記型面の反対側において設けられた圧力検出手段を使用して、前記型面において又は前記型面の反対側において印加されている圧力を検出する工程と、
平面視した場合に前記キャビティに重なるようにして設けられた少なくとも1つの押圧手段によって、前記型面の反対側において、前記検出された圧力に基づいて前記型面を有する型を押圧する工程とを備えたことを特徴とする樹脂成形方法。 - 請求項6記載の樹脂成形方法において、
前記一部の型の間において配置される前記インサート部材の数を複数個にするとともに、
前記クランプする工程では、前記一部の型のうち相対向する型が前記複数のインサート部材の各々を個別にクランプし、
前記圧力を検出する工程では、前記複数のインサート部材に各々対応する圧力を個別に検出し、
前記押圧する工程では、前記相対向する型を介して前記複数のインサート部材の各々を個別に押圧することを特徴とする樹脂成形方法。 - 請求項6又は7記載の樹脂成形方法において、
前記押圧する工程では、圧電素子を使用して前記相対向する型を押圧することを特徴とする樹脂成形方法。
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