JP4256870B2 - 配線基板の製造方法 - Google Patents
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Description
かかるダマシン法の一例を図10(a)〜図10(e)に示す。図10(a)は、配線パターン140aを形成した配線基板100の断面図を示す。配線基板100は樹脂を基材とする。配線パターン140aは両面に銅箔を被着した樹脂板の表面に感光性レジストを塗布し、配線パターン140aを形成するパターンに従って露光、現像してレジストパターンを形成し、レジストパターンをマスクとして銅箔が露出する部位をエッチングにより除去して形成することができる。
更に、図10(a)に示す配線基板100の両面には、図10(b)に示す様に、ポリイミド系樹脂又はエポキシ系樹脂等の樹脂をコーティングして樹脂層160a,160aを形成する。
この樹脂層160a,160aには、図10(c)に示す様に、CO2レーザ又はエキシマレーザ等によるレーザ光を照射し、ヴィア用凹部130と配線パターンを形成するための配線パターン用溝132とを形成する。
このため、樹脂層160aの表面を被覆しているめっき金属134を研磨して除去し、図10(e)に示す様に、樹脂層160aの表面を露出する。かかる研磨によって、ヴィア用凹部130にめっき金属134が充填されて形成されたヴィア120と配線パターン用溝132に充填されためっき金属134とから成る配線パターン150aが、樹脂層160aの表面と同一面に露出し、樹脂層160aの表面に配線パターン150aが形成される。
しかしながら、配線基板100の両面の各々に形成された配線パターン等は、ドリル等で形成した貫通孔の内壁面を利用して形成したスルーホール120によって電気的に接続されている。かかる配線パターンとスルーホール120とは別工程で形成されているため、配線基板100の製造コストの低コスト化には限界が存在する。
また、樹脂層160a,160aに形成するヴィア用凹部130及び配線パターン用溝132は、CO2レーザ又はエキシマレーザ等によるレーザ光を照射して形成するため、レーザ光照射のための設備を必要とする。更に、ヴィア用凹部130と配線パターン用溝132とは、その深さを異にするため、レーザ光の強さ及び照射時間等を微妙にコントロールすることを要する。このため、得られた配線基板の製造コストが高価となる。
そこで、本発明の課題は、めっき金属を充填するヴィア用凹部等を容易に形成でき、配線基板の製造コストの低コスト化を図ることのできる配線基板の製造方法を提供することにある。
すなわち、本発明は、コア基板の両面側に樹脂層を介して多層に形成された配線パターンを、前記樹脂層を貫通するヴィアによって電気的に接続された配線基板を製造する際に、 該コア基板の両面側に配線パターンを形成する配線パターン用溝を前記樹脂層に形成するパターン用突出部と、前記ヴィアを形成するヴィア用凹部を前記樹脂層に形成するヴィア用突出部とが形成された一対の成形型を用い、前記一対の成形型を型閉じして形成されたキャビティ内に挿入された前記コア基板の両面側に形成された平坦なパッド面に、前記一対の成形型に形成されたヴィア用突出部の平坦な先端面を当接した後、前記キャビティ内に樹脂を充填し固化して、配線パターン用溝と前記パッド面が底面に露出するヴィア用凹部とを具備する樹脂層を前記コア基板の両面側に形成し、次いで、前記樹脂層に電解めっきを施して、前記配線パターン用溝及びヴィア用凹部にめっき金属を充填して成る金属層を樹脂層の表面に形成し、その後、前記樹脂層の表面と同一面に前記配線パターン及びヴィアの表面が露出するように、前記配線パターン用溝及びヴィア用凹部の内壁面を除く樹脂層の表面に被着した金属層を除去することを特徴とする配線基板の製造方法にある。
かかる本発明において、電解めっきを、配線パターン用溝及びヴィア用凹部の内壁面を含む樹脂層の全面に形成した金属膜を給電層として行うことが好ましい。
その結果、本発明によれば、いわゆるダマシン法によって配線基板を製造する際に、めっき金属を充填するヴィア用凹部及び配線パターン用溝を一括して形成できるため、微細で高密度な配線パターンが形成された配線基板を容易に形成でき、その製造コストの低コスト化も図ることができる。
かかる加工用樹脂板10としては、熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂から成る加工用樹脂板10を用いることができるが、熱可塑性樹脂から成る加工用樹脂板10の場合は、プレス加工性が良好となる程度に加熱して軟化した加工用樹脂板10を用いることが好ましい。また、熱硬化性樹脂から成る加工用樹脂板10の場合は、プレス加工性が良好となる程度に適度な硬化がなされている加工用樹脂板10を用いることが好ましい。
かかる金属膜20によって全面が覆われた樹脂板12には、金属膜20を給電層として電解めっきを施し、図1(d)に示す様に、配線パターン用溝16,16・・及びヴィア用貫通孔18,18・・にめっき金属を充填して金属層22を形成する。この金属層22は、配線パターン用溝16やヴィア用貫通孔18が形成されていない樹脂板10の表面にも形成されている。かかる金属層22は、ヴィア用貫通孔18に相当する部分の表面が凹凸面となり易く、且つヴィア用貫通孔18及び配線パターン用溝16にめっき金属を充填して形成したヴィア及び配線パターンを電気的に短絡する。
このため、配線パターン用溝16,16・・及びヴィア用貫通孔18,18・・の内壁面を除く樹脂板12の表面に被着した金属層22を研磨し、図1(e)に示す様に、樹脂板12の表面と同一面にヴィア26,26・・及び配線パターン24,24・・の表面を露出して配線基板30を形成する。
尚、樹脂板12の両面の各々には、各パッドに装着されたはんだボールの部分を除いてソルダレジスト38,38が塗布されている。
配線基板30を用いたコア基板の両面に配線パターンを多層に形成するには、図3に示す様に、従来から知られているビルドアップ法を採用できる。
図3では、配線基板30の一面側に形成する配線パターンの形成手順について示しており、同時に配線基板30の他面側に形成する配線パターンの形成手順は、同一内容であるため省略した。
次いで、図3(c)に示す様に、ヴィア用凹部42の内壁面を含む樹脂層40の全面に、無電解めっき等によって形成した薄膜状の金属膜を給電層とする電解めっきを施して所定厚さの金属層44を形成する。この金属層44は、銅から成る金属層44であることが好ましい。
更に、金属層44には、図3(d)に示す様に、パターニングを施して配線パターン46及びヴィア48を形成する。
図4に示す多層配線基板も、半導体素子36を搭載する半導体パッケージであり、多層配線基板の一面側に形成された配線パターン46のパッドに、搭載される半導体素子36の電極端子に接続される接続端子としてのはんだボール34,34・・が装着されていると共に、多層配線基板の他面側に形成されたパッドに、外部接続端子としてのはんだボール32,32・・が装着されている。
尚、多層配線基板の両面の各々には、各パッドに装着されたはんだボールの部分を除いてソルダレジスト38,38が塗布されている。
この点、図5に示す様に、プレス加工によって多層配線基板を形成することによって、多層配線基板を形成する上層の樹脂層40の表面も平坦面とすることができる。この図5でも、配線基板30の一面側に形成する配線パターンの形成手順について示しており、同時に配線基板30の他面側に形成する配線パターンの形成手順は、同一内容であるため省略した。
先ず、図5(a)に示す様に、配線基板30の両面の各々に樹脂層40を形成した後、図5(b)に示す様に、一対の成形型50,50(図5では、成形型50,50の一方のみを示した)によって、ヴィア用凹部42,42・・及び配線パターン用溝16,16・・をプレス加工によって形成する。このヴィア用凹部42の底面には、樹脂層40を形成する樹脂膜が残留するおそれがあるため、エッチングによってヴィア用凹部42の底面に残留する樹脂膜を除去し、パッド面がヴィア用凹部42の底面に確実に露出させることが好ましい。
更に、金属膜52を給電層とする電解めっきを施し、図5(d)に示す様に、ヴィア用凹部42及び配線パターン用溝16にめっき金属を充填し、所定厚さの金属層54を形成する。この金属層54は、銅から成る金属層54であることが好ましい。
かかる金属層54は、ヴィア用凹部42や配線パターン用溝16が形成されていない樹脂層40の表面にも形成される。この金属層54は、ヴィア用凹部42に相当する部分の表面が凹凸面となり易く、且つヴィア用凹部42及び配線パターン用溝16にめっき金属を充填して形成したヴィア及び配線パターンを電気的に短絡する。
このため、配線パターン用溝16,16・・及びヴィア用凹部42,42・・の内壁面を除く樹脂層40の面に被着した金属層52を研磨し、図5(e)に示す様に、樹脂層40の表面と同一面にヴィア56,56・・及び配線パターン24,24・・の表面を露出する。
その後、配線パターン24及びヴィア56を形成した樹脂層40上に、再度、樹脂層40を形成し,図5(a)〜(e)の工程を繰り返すことによって多層配線基板を形成できる。
図6に射出成形による樹脂板12の形成方法を示す。かかる射出成形には、図6(a)に示す様に、配線パターン用溝16を形成する突出部64及びヴィア用貫通孔18を形成する突出部62が形成された一対の成形型60a,60bを用いる。この一対の成形型60a,60bは、電鋳法等によって形成できる。
次いで、図6(b)に示す様に、一対の成形型60a,60bを型閉じした後、一対の成形型60a,60b内に形成されたキャビティ内に樹脂66を注入する。かかる樹脂66は、一対の成形型60a,60b内の突出部62,64によって形成された狭間隙に流入できる程度に流動性を有するものであれば、熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂のいずれであってもよい。
但し、熱硬化性樹脂を樹脂66と用いた場合には、キャビティ内に充填した後に加熱して硬化することが必要である。また、熱可塑性樹脂を樹脂66に用いた場合には、加熱溶融した溶融樹脂をキャビティ内に充填した後、冷却して固化することが必要である。
一対の成形型60a,60bのキャビティ内に充填された樹脂66を硬化又は固化した後、成形型60a,60bを型開きすることによって、図1(b)に示す樹脂板12を得ることができる。
その後、図1(c)〜図1(e)の工程によって、樹脂板12を配線基板30とすることができる。
かかる図7に示す配線基板の製造方法では、配線基板30の一面側に形成する配線パターンの形成手順について示しており、同時に配線基板30の他面側に形成する配線パターンの形成手順は、同一内容であるため省略した。
先ず、図7(a)に示す様に、配線基板30の両面の各々に、配線パターン用溝16を形成する突出部72及びヴィア用凹部42を形成する突出部70が形成された一対の成形型68,68(図7では、成形型68,68の一方のみを示した)を用いる。この一対の成形型68,68は、電鋳法等により形成できる。
かかる一対の成形型68,68を型閉じして形成されたキャビティ74内に配線基板30が挿入され、ヴィア用凹部42を形成する突出部70の先端面が配線基板30のパッド面に当接する。
次いで、キャビティ74内に樹脂66を充填し固化することによって、図5(b)に示す様に、配線基板30の両面の各々に形成した樹脂層40にヴィア用凹部42,42・・及び配線パターン用溝16,16・・を形成できる。
更に、図5(c)〜図5(e)と同様の工程によって、樹脂層40にヴィア56,56・・及び回路パターン24,24・・を形成できる。
その後、配線パターン24及びヴィア56が形成された樹脂層40を具備する配線基板30を、一対の成形型68,68のキャビティ74内に挿入した後、キャビティ74内に樹脂66を充填し硬化又は固化する工程、及び図5(a)〜(e)の工程を繰り返すことによって多層配線基板を形成できる。
この点、図8に示す工程で形成される配線基板では、予め外部接続端子用の突出部が形成されているため、外部接続端子としてのはんだボール32,32・・を装着する工程を不要とすることができる。
先ず、図8に示す工程では、図8(a)に示す様に、一対のプレス加工用の成形型80a,80bの各々には、配線パターン用溝16を形成する突出部82及びヴィア用貫通孔18を形成する突出部84が形成されている。更に、成形型80bには、外部接続端子用の突出部を形成するための凹部86,86・・が形成されている。
かかる一対のプレス加工用の成形型80a,80bの間に、図1(a)に示す加工用樹脂板10を挟み込んで型閉じすることによって、配線パターン用溝16及びヴィア用貫通孔18が形成されている共に、外部接続端子を形成する箇所に外部接続端子用の突出部88が形成された樹脂板12を形成することができる。
このため、図8(c)に示す様に、外部接続端子用の突出部88の外壁面に被着された金属層22と、ヴィア用貫通孔18にめっき金属が充填されて形成されたヴィア26とを電気的に接続した状態で除去し、外部接続端子用の突出部88が形成されていない樹脂板12の一面側にヴィア26及び配線パターン24の表面が樹脂板12の1面側に露出した配線基板30を得ることができる。かかる金属層22の除去は、樹脂板12の一面側の金属層22は研磨によって除去し、樹脂板12の他面側の金属層22は、レジストをパターニング形成して露光、現像した後、エッチングにより除去することが好ましい。
このため、図8(c)に示す配線基板30を半導体パッケージとして用いるためには、図9に示す様に、樹脂板12bの一面側に形成された配線パターン24のパッド等に、搭載される半導体素子36の電極端子に接続される接続端子としてのはんだボール34,34・・を装着する。
尚、樹脂板12の両面の各々には、各パッドに装着されたはんだボール34,34・・及び外部接続端子90,90・・の部分を除いてソルダレジスト38,38が塗布されている。
かかる射出成形によって形成した樹脂板12に、図8(b)に示す工程と同様に、配線パターン用溝16及びヴィア用貫通孔18の内壁面をめっき金属で充填する金属層22を形成する。
その後、図8(c)に示す工程と同様に、外部接続端子用の突出部88の外壁面に被着された金属層22と、ヴィア用貫通孔18にめっき金属が充填されて形成されたヴィア26とを電気的に接続した状態で除去し、外部接続端子用の突出部88が形成されていない樹脂板12の一面側にヴィア26及び配線パターン24の表面が樹脂板12の1面側に露出した配線基板30を得ることができる。
12 樹脂板
14a,14b,50,60a,60b,68,80a,80b 成形型
16 配線パターン用溝
18 ヴィア用貫通孔
20,52 金属膜
22,54 金属層
24,46 配線パターン
26,44,56 ヴィア
30 配線基板
32,34 はんだボール
36 半導体素子
40 樹脂層
42 ヴィア用凹部
44 金属層
88 外部接続端子用の突出部
90 外部接続端子
Claims (2)
- コア基板の両面側に樹脂層を介して多層に形成された配線パターンを、前記樹脂層を貫通するヴィアによって電気的に接続された配線基板を製造する際に、
該コア基板の両面側に配線パターンを形成する配線パターン用溝を前記樹脂層に形成するパターン用突出部と、前記ヴィアを形成するヴィア用凹部を前記樹脂層に形成するヴィア用突出部とが形成された一対の成形型を用い、
前記一対の成形型を型閉じして形成されたキャビティ内に挿入された前記コア基板の両面側に形成された平坦なパッド面に、前記一対の成形型に形成されたヴィア用突出部の平坦な先端面を当接した後、
前記キャビティ内に樹脂を充填し固化して、配線パターン用溝と前記パッド面が底面に露出するヴィア用凹部とを具備する樹脂層を前記コア基板の両面側に形成し、
次いで、前記樹脂層に電解めっきを施して、前記配線パターン用溝及びヴィア用凹部にめっき金属を充填して成る金属層を樹脂層の表面に形成し、
その後、前記樹脂層の表面と同一面に前記配線パターン及びヴィアの表面が露出するように、前記配線パターン用溝及びヴィア用凹部の内壁面を除く樹脂層の表面に被着した金属層を除去することを特徴とする配線基板の製造方法。 - 電解めっきを、配線パターン用溝及びヴィア用凹部の内壁面を含む樹脂層の全面に形成した金属膜を給電層として行う請求項1記載の配線基板の製造方法。
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