JP4256718B2 - 自動倉庫 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の格納物を収納したかご車を格納する自動倉庫に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動倉庫は、複数の格納物を、自動倉庫内の格納庫に備えられた格納棚の所定位置に、スタッカークレーンを用いて自動的に収納するものであり、前記格納棚の前面には、スタッカークレーンが格納物を収納するための開口面が形成されている。このため、開口面から格納物が落下する場合があり、格納物の落下を防止する様々な装置が検討されている。このような落下防止装置の一事例としては、例えば、特許文献1に示すように、水平バーを備える梯子形状のストッパーが考案されている。これは、通常時には、前記ストッパーを、水平バーが格納棚の開口面を塞がないように格納棚の前面に配置しておき、地震等が発生し前記格納棚に所定以上の力が作用した際には、前記ストッパーが配置位置を自動的に移動して、水平バーで格納棚の開口面を塞ぐように構成されているものである。
【0003】
【特許文献1】
特開平9−58809号公報(p4、図8参照)
【0004】
一方で、収納棚の収納スペースに対して体積の小さい前記格納物については、作業性の良いかご車、いわゆるボックスパレットに収納した状態で、かご車毎を格納棚に格納する場合が多い。これらかご車は、側面の何れか一方に、格納物の出し入れを行うための開口部が設けられており、この開口部が前記格納棚の開口面に面するように収納されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このような構成では、例えば特許文献1に示すような落下防止装置を収納棚に備えると、かご車自身の落下を防止することは可能であるものの、かご車に収納された格納物については、落下防止装置が機能しておらず、安価かつ簡略な構成で、確実に格納物の落下を防止することのできる構成が求められている。
【0006】
上記事情に鑑み、本発明は、安価かつ簡略な構成で、確実に格納物の落下を防止することのできる自動倉庫を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の自動倉庫は、高さ方向に複数の階層を備えるとともに、前面が開口しており、複数の格納物を収納したかご車が各階層毎で長さ方向に複数格納できる格納棚を、複数備える格納庫と、前記かご車を、荷捌き場より自動倉庫内の搬送作業領域に搬送するバッファコンベヤ、前記自動倉庫内の搬送作業領域に搬送されたかご車を、格納庫に入庫する入庫コンベヤ、及び格納棚の前面に沿って配置され、格納庫の長さ方向及び高さ方向に自在に移動し、格納庫に入庫されたかご車を、前記格納棚の前面から所定位置に格納するスタッカークレーンを備える格納物搬送装置により構成される自動倉庫であって、前記入庫コンベヤが、前記バッファコンベヤより供給されたかご車を載置した状態で水平面上を回転することにより、該かご車の開口部を前記格納棚の背面と向かい合う向きに方向転換可能なターンテーブルを備える回転部と、該回転部より供給されたかご車をそのままの向きで格納庫に入庫させて前記スタッカークレーンに受け渡す搬送部を備え、前記格納庫に備えられた格納棚の背面に開口面が形成されており、該開口面には、全面に落下防止ネットが設置され、前記スタッカークレーンが、開口部を格納棚の背面と向かい合う方向に向けられたかご車を所定の格納棚にその前面から挿入して格納する構成とされていることを特徴としている。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の自動倉庫は、複数の格納物を収納しているかご車を、自動倉庫内の格納庫に搬送するための入庫コンベヤに、水平方向に回転するターンテーブルを備えた回転部を設置することにより、前記かご車が何れの方向に格納物を出し入れするための開口部を向けた状態で入庫コンベヤに載置されても、格納棚に収納される際には、格納棚の前面とかご車の開口部が一致しないように、回転部においてかご車の開口部の方向を制御し、格納棚から格納物が落下する現象を防止するものである。
【0010】
図1に示すように、自動倉庫1は、複数の格納物11を収納したかご車12を搬送入する搬送入領域1aと、該かご車12を格納する格納庫2に区分されている。該格納庫2は、前記かご車12を格納する格納棚3が複数備えられている室であり、少なくとも前記搬送入領域1aと隣り合う面が開放されて、両者は連通している。また、格納庫2に備えられている複数の前記格納棚3は、前面3a及び背面3bの両者が開口しており(後述するように背面3bには落下防止ネット5が取り付けられている)、高さ方向に複数の階層を備えている。これら格納棚3は、搬送入領域1aから延在するように設けられている複数の通路2aに前面3aが面するようにして、複数が配置されている。
【0011】
なお、本実施の形態では、複数の格納棚3を効率よく配置することを目的に、複数の格納棚3を背面どうしで突き合わせる、もしくは背面を格納庫2の壁面と当接する等の配置構成を用いている。しかし、搬送入領域1aから延在するように設けられている通路2aに前面3aが面していれば、格納棚3は格納庫2の何れの位置に配置されていても良い。
【0012】
一方、図2に示すように、前記自動倉庫1の搬送入領域1aには、隣接する格納庫2と向かい合うように荷捌き場4が配置されており、該荷捌き場4から格納庫2の内方までを連続するように、格納物搬送装置6が配置されている。格納物搬送装置6は、前記荷捌き場4から格納庫2に向かって順に配置された、バッファコンベヤ7、入庫コンベヤ8、及びスタッカークレーン10を備えている。バッファコンベヤ7は、荷捌き場4から格納庫2の入口近傍まで延在しており、荷捌き場4で複数の格納物11を収納したかご車12を、格納庫2の入口近傍まで搬送するものであり、前記入庫コンベヤ8は、格納庫2の入口近傍まで搬送されたかご車12を格納庫2の内方に入庫するものである。
【0013】
また、前記スタッカークレーン10は、前記格納庫2に入庫されたかご車12を、格納棚3の所定位置に格納するもので、前記格納庫2内の通路2a上に配置されている。これらスタッカークレーン10は、前記通路2aに面して配置された前記格納棚3の、長さ方向及び高さ方向の何れの方向にも自在に移動し、格納棚3の前面3aから自動的にかご車12の出し入れを行うことができるものである。
【0014】
本実施の形態では、前記格納物11の荷姿を、図3(a)に示すように、かご車12に収納することとし、該かご車12を格納物搬送装置6を介して前記格納庫2に格納している。ここでかご車12は、図3(b)に示すように、一般にボックスパレットと呼ばれる下面にキャスターの設置された直方体のかごであり、何れか一方の側面に開口部12aが形成されて、該開口部12aから格納物11の出し入れを行うものである。なお、格納物11は、あらかじめかご車12に収納されて自動倉庫1に搬送される、もしくは前記荷捌き場4でかご車12に収納される等、かご車12に収納されれば何れの経過を経ても良い。
【0015】
ところで、前記入庫コンベヤ8は、図4(a)に示すように、回転部8aと搬送部8bを有しており、回転部8aにはターンテーブル9が備えられている。該ターンテーブル9は、水平方向に自在に回転する。これにより、該入庫コンベヤ8は、前記バッファコンベヤ7を介して搬送されたかご車12が、前記開口部12aを何れの方向に向けていても、まず図4(b)に示すように、回転部8aのターンテーブル9の上面にかご車12を載置し、該ターンテーブル9を回転して開口部12aを所望の方向に方向転換した上で、搬送部8bに載置することにより、前記スタッカークレーン10に受け渡す際には、開口部12aを所望の方向に向けた状態で受け渡すことができるものである。
本実施の形態では、前記入庫コンベヤ8の回転部8aに備えられたターンテーブル9を用いて前記かご車12を回転し、スタッカークレーン10に受け渡す際には、開口部12aが、前記格納庫2に備えられた格納棚3の背面3bと向かい合うように方向転換をさせるものである。
【0016】
このターンテーブル9の回転方向は、例えば、前記かご車12の左右に貼付した左/右の識別が可能なバーコードラベルを、かご車12の搬送中に固定式BCRで読みとることによって、かご車12の向きを判断し自動制御する。この回転方向の自動制御は、かご車12に例えば、突起の様な光電式センサにより検知可能な被検知物を設け、これを光電式センサで検知することによっても実現することができる。
【0017】
つまり、前記自動倉庫1は、図1に示すように、トラック等の運搬手段により運搬された格納物11を、荷捌き場4で前記かご車12に収納した後、前記バッファコンベヤ7を介して格納庫2の入り口近傍に搬送する。搬送したかご車12を、入庫コンベヤ8の回転部8aに受け渡し、前記ターンテーブル9に載置した上で回転し、かご車12の開口部12aを、前記格納棚3の背面3bと向かい合う方向に向くよう、方向転換する。この後、前記かご車12を入庫コンベヤ8の搬送部8bに受け渡して前記格納庫2に入庫させ、スタッカークレーン10に受け渡す。該スタッカークレーン10は、格納棚3の長さ方向及び高さ方向に自在に移動し、格納棚3の所定の位置に、開口部12aを前記格納棚3の背面3bと向かい合う方向に向けたかご車12を、前面3aから挿入して格納する。
【0018】
これにより、前記かご車12は、前記開口部12aを何れの方向に向けた状態でバッファコンベヤ7に受け渡されても、開口部12aを容易に前記格納棚3の背面3bと向かい合わせた状態で格納棚3に収納されることとなり、格納棚3の前面3aからかご車12に収納された格納物11が落下することはない。
【0019】
また、前記かご車12の開口部12aは、何れの方向に向けてバッファコンベヤ7に載置しても良いため、荷捌き場4でかご車12をバッファコンベヤ7に載置する作業時には、かご車12の載置方向を考慮する必要が無く、作業を簡略でスムーズなものとすることができるものである。
【0020】
なお、本実施の形態では、前記格納物搬送装置6が直線上に配列されており、この直線と平行するように格納棚3が配列されている。しかし、格納物搬送装置6の配列形態は、必ずしもこれにこだわることなく、前記バッファコンベヤ7、入庫コンベヤ8、及びスタッカークレーン10が連続し、かつスタッカークレーン10が前記格納棚3の面する通路2a上に配されていれば、曲線状等、何れの形状に配列しても良い。
【0021】
また、本実施の形態では、前記かご車12の開口部12aが向かい合う格納棚3の背面3bが開口していることから、図4(b)に示すように、該格納棚3の背面3b全面に落下防止ネット5を取り付けている。これにより、前記かご車12の開口部12aが向かい合っている格納棚3の背面3bから、格納物11が落下することはなく、自動倉庫1は、格納棚3の何れの位置からも格納物11が落下することのない構成を備えることができるものである。
【0022】
上述する構成によれば、格納物11がかご車12に収納された状態で格納棚3に格納される前記自動倉庫1は、格納物搬送装置6を構成する入庫コンベヤ8に水平方向に自在に回転するターンテーブル9を備えた回転部8を設けたことから、該ターンテーブル9を介して、前記かご車12の開口部12aを何れの方向にも方向転換できるため、前記かご車12をスタッカークレーン10に受け渡す際に、開口部12aが前記格納棚3の背面3bと向かい合う方向に向いているよう、あらかじめ方向転換させることにより、かご車12は開口部12aを格納棚3の背面3bに向けた状態で格納でき、格納棚3の前面3aにスタッカークレーン10の動作に障害となるような設備を配置することなく、かご車12の開口部12aから格納物11が落下する現象を防止することが可能となる。
【0023】
また、前記入庫コンベヤ8の回転部8に備えられたターンテーブル9を介してかご車12の方向を自在に制御できることから、荷捌き場4でかご車12をバッファコンベヤ7に載置する作業時には、かご車12の載置方向を考慮する必要が無いため、作業を簡略でスムーズなものとすることが可能となる。
【0024】
さらに、前記かご車12の開口部12aと向かい合う格納棚3の背面3bが開口している場合にも、該格納棚3の背面3b全面に落下防止ネット5が取り付けていることから、簡略な構成で、容易に格納棚3の何れの位置においても格納物11が落下するような現象を防止することが可能となる。
【0025】
【発明の効果】
請求項1記載の自動倉庫によれば、高さ方向に複数の階層を備えるとともに、前面が開口しており、複数の格納物を収納したかご車が各階層毎で長さ方向に複数格納できる格納棚を、複数備える格納庫と、前記かご車を、荷捌き場より自動倉庫内の搬送作業領域に搬送するバッファコンベヤ、前記自動倉庫内の搬送作業領域に搬送されたかご車を、格納庫に入庫する入庫コンベヤ、及び格納棚の前面に沿って配置され、格納庫の長さ方向及び高さ方向に自在に移動し、格納庫に入庫されたかご車を、前記格納棚の前面から所定位置に格納するスタッカークレーンを備える格納物搬送装置により構成される自動倉庫であって、前記入庫コンベヤが、前記バッファコンベヤより供給されたかご車を載置した状態で水平面上を回転することにより、該かご車の開口部を前記格納棚の背面と向かい合う向きに方向転換可能なターンテーブルを備える回転部と、該回転部より供給されたかご車をそのままの向きで格納庫に入庫させて前記スタッカークレーンに受け渡す搬送部を備え、前記格納庫に備えられた格納棚の背面に開口面が形成されており、該開口面には、全面に落下防止ネットが設置され、前記スタッカークレーンが、開口部を格納棚の背面と向かい合う方向に向けられたかご車を所定の格納棚にその前面から挿入して格納する構成とされている。
これにより、該ターンテーブルを介して、前記かご車の開口部を何れの方向にも方向転換できるため、前記かご車をスタッカークレーンに受け渡す際に、開口部が前記格納棚の背面と向かい合う方向に向いているよう、あらかじめ方向転換させることにより、かご車は開口部を格納棚の背面に向けた状態で格納でき、格納棚の前面にスタッカークレーンの動作に障害となるような設備を配置することなく、かご車の開口部から格納物が落下する現象を防止することが可能となる。
【0026】
また、前記入庫コンベヤの回転部に備えられたターンテーブルを介してかご車の方向位置を自在に制御できることから、荷捌き場でかご車をバッファコンベヤに載置する作業時には、かご車の載置方向を考慮する必要が無いため、作業を簡略でスムーズなものとすることが可能となる。
【0027】
さらに、前記格納庫に備えられた格納棚の背面に開口面が形成されているが、該開口面には、全面に落下防止ネットが設置されていることから、簡略な構成で、容易に格納棚の何れの位置においても格納物が背面側に落下するような現象を防止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る自動倉庫の平面を示す図である。
【図2】 本発明に係る自動倉庫の断面を示す図である。
【図3】 本発明に係るかご車を示す図である。
【図4】 本発明に係る入庫コンベヤの詳細を示す図である。
【符号の説明】
1 自動倉庫
1a 搬送入領域
2 格納庫
2a 通路
3 格納棚
3a 前面
3b 背面
4 荷捌き場
5 落下防止ネット
6 格納物搬送装置
7 バッファコンベヤ
8 入庫コンベヤ
8a 回転部
8b 搬送部
9 ターンテーブル
10 スタッカークレーン
11 格納物
12 かご車
Claims (1)
- 高さ方向に複数の階層を備えるとともに、前面が開口しており、複数の格納物を収納したかご車が各階層毎で長さ方向に複数格納できる格納棚を、複数備える格納庫と、
前記かご車を、荷捌き場より自動倉庫内の搬送作業領域に搬送するバッファコンベヤ、前記自動倉庫内の搬送作業領域に搬送されたかご車を、格納庫に入庫する入庫コンベヤ、及び格納棚の前面に沿って配置され、格納庫の長さ方向及び高さ方向に自在に移動し、格納庫に入庫されたかご車を、前記格納棚の前面から所定位置に格納するスタッカークレーンを備える格納物搬送装置により構成される自動倉庫であって、
前記入庫コンベヤが、前記バッファコンベヤより供給されたかご車を載置した状態で水平面上を回転することにより、該かご車の開口部を前記格納棚の背面と向かい合う向きに方向転換可能なターンテーブルを備える回転部と、該回転部より供給されたかご車をそのままの向きで格納庫に入庫させて前記スタッカークレーンに受け渡す搬送部を備え、
前記格納庫に備えられた格納棚の背面に開口面が形成されており、該開口面には、全面に落下防止ネットが設置され、
前記スタッカークレーンが、開口部を格納棚の背面と向かい合う方向に向けられたかご車を所定の格納棚にその前面から挿入して格納する構成とされていることを特徴とする自動倉庫。
Priority Applications (1)
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JP2003136080A JP4256718B2 (ja) | 2003-05-14 | 2003-05-14 | 自動倉庫 |
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JP2003136080A JP4256718B2 (ja) | 2003-05-14 | 2003-05-14 | 自動倉庫 |
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2003
- 2003-05-14 JP JP2003136080A patent/JP4256718B2/ja not_active Expired - Fee Related
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