JP4256007B2 - バイオセンサの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、食品分析、医療分析、環境分析等の分野において、微量の液体試料を用いて、その試料中の特定成分を迅速、高精度、簡便に測定することができるバイオセンサおよびその製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のバイオセンサとして、例えば血液中のグルコース濃度を測定するものとして、次のグルコースセンサが提案されている。図1はグルコースセンサを示す分解斜視図を、図2はその要部断面図を示すものである。
【0003】
このグルコースセンサは絶縁性基板1上に、樹脂バインダーを含む導電性カーボンペーストを10μmの厚さでコーテイング法によって塗工し、80〜150℃の乾燥炉で加熱乾燥して電極膜15を形成する。次に、図1に示すようなL字形状の対極5と測定極4、および対極5’を形成するため、V字断面形状の刃物の金型で絶縁性基板の厚み方向にハーフカットして溝16を設け、両極の電気的絶縁性を確保する。さらに、対極5と測定極4、および対極5’を部分的に覆って露出部分の面積を一定とし、かつ測定極用リード部2、対極用リード部3、3’の不要部を覆う様に絶縁性ペーストを印刷し、加熱処理をして絶縁層6(図1中の斜線部)を形成し、電極系を作製する。
【0004】
この様にして電極系を作製した後、親水性高分子としてカルボキシメチルセルロース(以下、CMCと略す。)水溶液を電極系上に展開、乾燥して第一の層であるCMC層7を形成し、次に、酵素としてグルコースオキシダーゼ(以下、GODと略す。)、CMC及び電子受容体としてフェリシアン化カリウムを純水に溶解した溶液を調製し、これを第一層のCMC層7を覆うように展開し、乾燥させた第二の層であるGOD・CMC・フェリシアン化カリウム層8を形成する。さらにそれらを覆うようにして、血液吸引を迅速・確実に行うために界面活性剤の溶液を展開し、乾燥させて第三の層である界面活性剤層9を形成して、反応試薬部10を完成する。
【0005】
そして切欠13を有するスペーサ11を介して、空気穴14を有するカバー板12で覆った構成となっている。
【0006】
測定時には、スペーサ11の切欠13により形成されるキャピラリーの一端に試料液を点着すると、他端を空気穴14とするキャピラリー内へ吸引され、第二層のGODとCMC、フェリシアン化カリウム、及び第一層のCMCが試料液に溶解し、試料液中のグルコースとの間で酵素反応が進行して、フェリシアン化カリウムが還元され、フェロシアン化カリウムが生成する。一定時間後、フェロシアン化カリウムを測定極4で酸化し、このとき得られる酸化電流値をリード2、3、3’を介して計測することにより、試料液中のグルコース濃度が求められる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記従来のグルコースセンサでは、スペーサ11の切欠13により形成されるキャピラリーの入り口に試料液を点着させても吸引しなかったり、反応試薬部10の途中で止まり測定出来ない場合がある。特に、血液を用いた場合には、血球や蛋白質、脂質などの成分によって試料液の粘性が高くなり、液抵抗が増大して毛細管吸引が進まない現象をもたらす。この様な吸引不良が生じた時には、測定値の精密度と正確度は信頼できず、測定者はこのグルコースセンサを廃棄して別の新しいセンサに交換する以外に対処の方法はなく、ユーザに大きな負担をかける等の問題を有していた。
【0008】
この様な問題の原因は図2に示した様に、界面活性剤層9は絶縁性基板1の先端部分から試薬層の全体に至るまで形成されていなければならないが、界面活性剤の溶液をGOD・CMC・フェリシアン化カリウム層8の上に分注した時、試薬層の全体、及びキャピラリーの先端にあたる部分まで拡散して十分に広く行き渡らない状態で乾燥してしまったことが上げられ、界面活性剤層9を必要な面積範囲に形成できていないことにある。
【0009】
また、試料液が血液の場合には、界面活性剤によって血球破壊を起こさないことが望ましく、これは血球内にあるグルタチオンなどの還元性物質が酵素と電極反応に妨害影響を及ぼすためである。溶血しない界面活性剤としてはレシチン(ホスファチジルコリン)が知られているが、レシチンの溶解には有機溶媒であるトルエンやアルコール類を使用するため、分注と乾燥の工程で溶媒蒸気が室内に充満し、その毒性の問題からクリーンルームの排気設備や温度・湿度の作業環境を厳重に管理しなければならなかった。
【0010】
水溶性の界面活性剤を使用する場合には、作業環境の問題はなくなるが、上記したような血球破壊を起こさない好適な材料は見いだされておらず、血液を測定対象から除いた食品や環境分析等の試料、また尿等の生体試料に含まれる特定成分のバイオセンサに限定されていた。
【0011】
さらに、上記グルコースセンサでは、電極上に第一層のCMC層、第二層のGOD・CMC・フエリシアン化カリウム層、第三層の界面活性剤層からなる3種類の試薬層を順次形成しなければならないため、製造工程が長く複雑になり製造コストが高くなる問題が有った。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明のバイオセンサは、上記欠点を解決したものであり、絶縁性の基板上に設けた少なくとも測定極と対極とからなる電極系と、前記測定極と対極の一部を臨ませて空間部を形成するように前記電極上に重ね合わされたスペーサと、前記空間部に形成した反応試薬部と、前記スペーサに重ね合わされたカバー板からなり、前記基板とスペーサ、およびカバー板とで囲まれる空間部が試料液通路であるキャピラリーを形成しており、前記反応試薬部が酸化還元酵素、電子伝達体、親水性高分子、及び界面活性剤を含む構成からなっている。
【0013】
さらに、本発明は前記キャピラリーの開口部に反応試薬部を露出して形成しており、界面活性剤の作用によってキャピラリーの内部へ確実に試料液を吸引することが可能になる。
【0014】
また、本発明は血液を試料とする場合は血球破壊を起こさない界面活性剤を使用することにあり、好ましくは、非イオン系界面活性剤のポリエチレングリコール−p−イソアルキルエーテルから選択されるトリトンX−405を含有することを特徴とする。
【0015】
さらにまた、本発明は絶縁性の基板上に設けた少なくとも測定極と対極とからなる電極系を一定の距離をおいて左右対称に二組形成する工程、前記電極系の一部を臨ませて空間部を形成するように前記二組の電極上にスペーサを取り付ける工程、前記空間部に酸化還元酵素、電子伝達体、親水性高分子、及び界面活性剤を含む反応試薬部を形成する工程、前記スペーサに重ね合わせてカバー板を取り付ける工程、前記反応試薬部の中央部を切断することによって二組に分割する工程からなり、前記基板とスペーサ、およびカバー板とで囲まれる空間部が試料液通路であるキャピラリーになり、該キャピラリーの開口部に反応試薬部が露出するように形成したバイオセンサの製造方法に関する。
【0016】
この様なバイオセンサの構造と界面活性剤を含有した第二層とすることにより、従来の形成方法である3種類の試薬層を別々に積層して形成する必要がなくなるため製造工程が単純化すると共に、キヤピラリー内部へ確実に試料液の吸引が可能なバイオセンサを実現することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明において、電気絶縁性の基板には、ポリエチレンテレフタレートなどの合成樹脂板が用いられる。
【0018】
測定極および対極を有する電極系は、この基板上にコーティング法やスクリーン印刷法、蒸着法などの公知の方法を用いて設けられる。例えば、該基板上にリード部を有する測定極と対極が互いに絶縁するように設けられる。上記リードおよび電極の材料としては、公知の導電性材料が使用される。例としては、カーボン、銀、白金、金、パラジウムが挙げられる。
【0019】
次に、前記測定極と対極の一部を臨ませて空間部を形成するために前記電極上にスペーサを重ね合わせる。このスペーサには厚みが0.05〜0.3mmの市販されている両面テープを使用する。そして、この空間部の全面積に反応試薬部を形成したあと、前記スペーサにポリエチレンテレフタレートなどの合成樹脂板からなるカバー板を重ね合わせる。このような作製方法によって、前記空間部とカバー板とで囲まれる領域が試料液通路であるキャピラリーの構造をなし、前記キャピラリーの開口部に反応試薬部が露出するように形成して、試料液の流入部とする。
【0020】
反応試薬部は第一層に親水性高分子層を形成し、第二層は酸化還元酵素、電子伝達体、親水性高分子、及び界面活性剤を混合した溶液で形成される。
【0021】
ここで使用する界面活性剤は試料液が血液の場合には、ポリエチレングリコール−p−イソオクチルフェニルエーテルから選択されるトリトンX−405を含有する。トリトンX−405は、血球破壊を起こさない非イオン性の界面活性剤として好適に使用できる。
【0022】
また、試料液が血液以外の場合には、前記トリトンX−405以外に同系列のトリトンX−100やトリトンX−114など、また他の非イオン系界面活性剤であるポリオキシエチレンソルビタン(ツイーン20、ツイーン40、ツイーン85)など、カチオン系界面活性剤のヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロミドやアルキルアミン塩など、アニオン系界面活性剤のオクタデシルアミノ酢酸など、酵素活性に影響を及ぼさないものであれば、特に制限されることはない。
【0023】
トリトンX−405の含有量は、反応試薬部1平方センチメートル当たり、0.12〜1.2mgが好ましく、さらに好ましくは0.15〜0.9mgである。この最適量は、トリトンX−405の含有量が、反応試薬部1平方センチメートル当たり、0.12mg未満では血液のヘマトクリット値(血球体積)が60%を越えるような高粘性の試料液では吸引され難く、2秒以上の時間が必要になり、さらに反応試薬部を完全に覆わないで途中で吸引しなくなる現象が生じる。トリトンX−405の含有量が、反応試薬部1平方センチメートル当たり1.2mgを上回る場合も吸引時間は2秒以上が必要になり、そして酵素反応が遅くなり応答電流値にバラツキを生じ易い。
【0024】
また、血液測定以外で、粘性の低い試料液の場合では他の水溶性界面活性剤を使用できるが、トリトンX−100やトリトンX−114では、上記と同じ範囲の0.1〜0.5mgが好ましい。他の非イオン系やカチオン系、アニオン系界面活性剤でも、ほぼ同じ範囲の濃度が好ましいことが判っている。
【0025】
また、反応試薬部にはグルコースを測定する場合には、酸化還元酵素としてGODを含有するが、好適なGODの含有量は、反応試薬部1平方センチメートル当たり、0.2〜100ユニットが好ましく、さらに好ましくは、0.4〜30ユニットである。ここで本明細書に用いられる用語「ユニット」とは、1μmolの基質を1分間で酸化させる酸化還元酵素の量をいう。
【0026】
さらに、反応試薬部は種々の親水性高分子を含有し得る。上記に記載したCMC以外に、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、メチルセルロース、なども使用でき、澱粉系、ゼラチン系、アクリル酸塩系、ビニルアルコール系、ビニルピロリドン系、無水マレイン酸系など、水溶性であり、かつ酵素活性に影響をおよぼさないものであれば、特に制限されることはない。
【0027】
また、反応試薬部は電子伝達体として、上記に示したフェリシアン化カリウム以外に、P−ベンゾキノンおよびその誘導体、2.6−ジクロロフェノールインドフェノール、メチレンブルー、フェナジンメトサルフェート、β−ナフトキノン4−スルホン酸カリウムなどが使用できる。電子伝達体は、これらの1種またはそれ以上が用いられるが、特に、フェリシアン化カリウムを用いることが好ましい。
【0028】
フェリシアン化カリウムの含有量は、反応試薬部1平方センチメートル当たり0.4〜3.6mgが好ましく、さらに好ましくは0.6〜2.4mgである。フェリシアン化カリウムの含有量が、反応試薬部1平方センチメートル当たり0.4mg未満では、測定可能なグルコース濃度の範囲が狭くなる。フェリシアン化カリウムの含有量が、反応試薬部1平方センチメートル当たり3.6mgを上回ると反応試薬部の形成時に、反応試薬部が割れて応答電流値にバラツキを生じ易い。
【0029】
【実施例】
次に、本発明のバイオセンサの製造方法の好ましい実施形態について、図面を用いて説明する。なお従来の構成と実質的に同じものについては、同一符号を付して説明する。
【0030】
《実施例1》図3に本実施形態のバイオセンサの分解斜視図を、図4には本実施形態におけるバイオセンサの断面図を示している。図3に示すように、厚みが250μmのポリエチレンテレフタレートからなる絶縁性の基板1の表面全面に、樹脂バインダーを含む導電性カーボンペーストを10μmの厚さでコーティング法によって塗工し、80〜150℃の乾燥炉で加熱処理して電極膜15を形成した。
【0031】
次にセンサの先端部に対極5と測定極4、および二つ目の対極5’を形成し、リード部をその延長上に測定極4を中央にして均等面積となるようなL字形状で、V字の断面を有する2本の刃物が一定の距離をおいて左右対称に二組からなる金型を、X−Z駆動の裁断機のZ軸に取り付けた。そして、絶縁性基板1の電極膜15が上になるようにX軸方向に駆動する裁断機のテーブルに設置した。次に、絶縁性基板1が5mm/秒毎に移動して止まり、これに同期してZ軸のL字形状でV字断面の刃物の金型が絶縁性基板1の厚み方向に対して深さ約200μm、幅50μmで裁断する条件に調整した。このようにして絶縁性基板1に切断しない50μmの厚みを残すように、5mm間隔毎にL字形状の溝16を電極膜15に形成して、対極5と測定極4及び二つ目の対極5’に分割し、両極の電気的絶縁性を確保した。
【0032】
次に、このL字形状に分割された左右対称の二組からなる電極系(対極5と測定極4及び対極5’)上を横断するように0.8mm幅の空間部18を有するスペーサ11を配置して、液体試料が適用される空間部18に対極5と測定極4、及び対極5’、並びにこれら両電極に電圧を印加するための測定極用リード2、対極用リード部3、3’を形成した。
【0033】
次いで、液体試料が適用される空間部18に、例えばグルコースセンサの場合には、第一層に親水性高分子として0.25W/V%−CMCを1.2μL分注し乾燥させてCMC層を形成した。このCMC層上に1250U/ml−GOD、3.0W/V%−フェリシアン化カリウム、0.5W/V%−CMC及び界面活性剤として0.5W/V%−トリトンX−405をそれぞれ水に溶解させた混合溶液を1.2μL分注し、乾燥させて反応試薬部を形成した。この反応試薬部内に含まれるトリトンX−405の量は、1平方センチメートル当たり、0.15mgであり、GODおよびフェリシアン化カリウムの量は、それぞれ37.5ユニットおよび0.9mgであった。
【0034】
そして二個の空気穴14を備えたカバー板12でスペーサ11を覆い、反応試薬部10の中央部(図3中のA−A’の破線部)を切断することによって二組に分割した。この様にして作製したグルコースセンサは、図4の断面図に示すようにスペーサ11とカバー板12とで囲まれる空間部18が試料液通路であるキャピラリーを形成しており、切断面のキャピラリー開口部17に第1層であるCMC層7と第2層の界面活性剤を含むGOD・CMC・フェリシアン化カリウム層19からなる反応試薬部10が露出した状態になる。
【0035】
さらに、トリトンX−405の最適濃度を求めることを目的として、上記の組成でトリトンX−405の含有量だけを、0〜5.0W/V%の範囲で変化させた12種類のグルコースセンサを作製した。
【0036】
上記のように作製したグルコースセンサにおいて、その測定時には、キャピラリー開口部17から毛細管作用によって試料液が導入され、反応試薬部10が溶解して酸化還元反応が起こる。次いで、試料液の吸引後25秒で、対極5、5’に対して測定極4にリード部2、3、3’を介して+0.5Vの電圧を印加すると、グルコース濃度に依存した電流が得られ、血糖値が測定される。
【0037】
実際に試料液として血液を用い、キャピラリー開口部17に血液が吸引される瞬間から、反応試薬部10の全体が血液で満たされるまでの時間を測定した。ここで用いた血液は、毛細管作用による吸引性能の確認を目的として、正常な成人男性のヘマトクリット値(血球体積)=45%よりもはるかに高粘性のヘマトクリット値=68%に調製した。
【0038】
図5は、横軸にトリトンX−405の濃度、縦軸にヘマトクリット値=68%の血液が吸引されるのに要した時間を示している。図4に示すように、界面活性剤が添加されていない場合は、反応試薬部の全体を血液が満たすのに3.5秒の吸引時間を要したが、トリトンX−405濃度が0.5W/V%から3.0W/V%の範囲にあるときには、1.3秒から1.6秒の時間で迅速に吸引した。また、同一の血液試料について50個のグルコースセンサを用いた実験でも吸引不良は一度も発生せず、繰り返し測定の再現性は平均値98mg/dlで変動係数(CV%)は3%以下の良好な応答が得られた。
【0039】
《実施例2》トリトンX−405の代わりに0.5W/V%−トリトンX−100を含有するグルコースセンサを作製した以外は、上記と同様にして、高粘性のヘマトクリット値=68%に調製した血液を用いて、吸引の確実性と吸引速度、およびグルコース濃度に対する応答電流を20回測定した。吸引の確実性と速度はトリトンX−405の場合と同様に一度の失敗もなく、迅速な吸引性能であることを確認した。しかし、応答電流の再現性は悪く、変動係数(CV)は5%以上となった。さらに、この応答電流値は高値の傾向を示し、還元性物質の影響を受けていることを示唆させた。
【0040】
なお、上記実施例ではグルコースセンサについて示したが、本発明は乳酸センサやアルコールセンサ、コレステロールセンサなど、酸化還元酵素の関与する反応系に用いることができる。酸化還元酵素として実施例ではグルコースオキシダーゼを用いたが、ピラノースオキシダーゼやグルコースデヒドロゲナーゼを用いることができる。また、ラクテートオキシダーゼ、アルコールオキシダーゼ、コレステロールオキシダーゼなどを用いることもできる。
【0041】
また、上記実施例では、測定極と対極のみの二電極系について述べたが、参照極を加えた三電極方式にすれば、より正確な測定が可能である。
【発明の効果】
【0042】
以上の実施例から明らかな様に本発明によれば、界面活性剤層を別に形成させる必要がなくなり、キャピラリー内部へ確実に試料液が吸引できるバイオセンサを提供することができる。さらに、本発明の製造法によると界面活性剤溶液の分注と乾燥の工程が不要になるため製造工程の単純化が図られ生産性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のグルコースセンサを示す分解斜視図
【図2】従来のグルコースセンサの要部断面図
【図3】本発明の一実施形態によるバイオセンサを示す分解斜視図
【図4】本発明の一実施形態によるバイオセンサの断面図
【図5】本発明の一実施形態おけるトリトンX−405濃度に対する血液の吸引時間の関係を示す図
【符号の説明】
1 絶縁性基板
2、3、3’ リード部
4 測定極
5 5’ 対極
6 絶縁層
7 CMC層
8 GOD・CMC・フェリシアン化カリウム層
9 界面活性剤層
10 反応試薬部
11 スペーサ
12 カバー板
13 切欠
14 空気穴
15 電極膜
16 溝
17 キャピラリー開口部
18 空間部
19 GOD・CMC・フェリシアン化カリウム・界面活性剤層
Claims (5)
- (1)絶縁性の基板上に設けた少なくとも測定極と対極とからなる電極系を一定の距離をおいて左右対称に二組形成する工程、
(2)前記電極系の一部を臨ませて空間部を形成するように前記二組の電極上にスペーサを取り付ける工程、
(3)前記空間部に反応試薬部を形成する工程、
(4)前記スペーサに重ね合わせてカバー板を取り付ける工程、
(5)前記反応試薬部の中央部を切断することによって二組に分割する工程からなり、
前記基板とスペーサ、およびカバー板とで囲まれる空間部が試料液通路であるキャピラリーになり、該キャピラリーの開口部に反応試薬部が露出するように形成したバイオセンサの製造方法。 - 前記反応試薬部が酸化還元酵素、電子伝達体、親水性高分子、及び界面活性剤を含むことを特徴とする、請求項1に記載のバイオセンサの製造方法。
- 前記反応試薬部は、第一層として、親水性高分子層を形成し、第二層として、酸化還元酵素、電子伝達体、親水性高分子、及び界面活性剤を混合した溶液で形成することを特徴とする請求項2に記載のバイオセンサの製造方法。
- 前記界面活性剤がポリエチレングリコール−p−イソオクチルフェニルエーテルから選択されるトリトンX−405を含有することを特徴とする請求項2または3に記載のバイオセンサの製造方法。
- 前記トリトンX−405の含有量が、反応試薬部1平方センチメートル当たり0.15〜0.9mgである請求項4に記載のバイオセンサの製造方法。
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