JP4255686B2 - プラズマ処理装置及びその駆動方法並びにプラズマ処理方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体製造プロセスにおける、アッシング,エッチング等のプラズマ処理に用いられるプラズマ処理装置及びこのプラズマ装置の駆動方法並びにこの装置を用いたプラズマ処理方法に係わるものである。
【0002】
【従来の技術】
CVD( chemical vapor deposition)、スパッタリング、ドライエッチング、アッシング等のプラズマ処理をおこなうプラズマ処理装置の一例としては、従来から、図8に示すような、いわゆる1周波励起タイプのものが知られている。
図8に示すプラズマ処理装置は、高周波電源1とプラズマ励起電極4との間に、整合回路2Cが介在されている。整合回路2Cはこれら高周波電源1とプラズマ励起電極4との間のインピーダンスの整合を得るための回路として設けられている。
【0003】
高周波電源1からの高周波電力は整合回路2Cを通して給電板3によりプラズマ励起電極4へ供給される。
この整合回路2Cは導電体からなるハウジングにより形成されるマッチングボックス2内に収納されており、プラズマ励起電極4および給電板3は、導体からなるシャーシ21によって覆われている。
プラズマ励起電極(カソード電極)4の下側には凸部4aが設けられるとともに、このプラズマ励起電極4の下には、多数の孔7が形成されているシャワープレート5が凸部4aに接して設けられている。これらプラズマ励起電極4とシャワープレート5との間には空間6が形成されている。この空間6にはガス導入管17が接続されており、導体からなるガス導入管17の途中には絶縁体17aが挿入されてプラズマ励起電極4側とガス供給源側とが絶縁されている。
【0004】
ガス導入管17から導入されたガスは、シャワープレート5の孔7を介してチャンバ壁10により形成されたチャンバ室60内に供給される。なお、符号9はチャンバ壁10とプラズマ励起電極4とを絶縁する絶縁体である。また、排気系の図示は省略してある。
一方、チャンバ室60内には基板16を載置するウエハサセプタ(サセプタ電極)8が設けられており、シャフト13で支持されている。
【0005】
シャフト13の下端部とチャンバ底部10Aとがベローズ11により密閉接続されている。
これら、ウエハサセプタ8およびシャフト13はベローズ11により上下動可能となっており、プラズマ励起電極4,8間の距離の調整ができる。
ウエハサセプタ8は直流的に接地され、チャンバ壁10と直流的に同電位とされている。
【0006】
上記のプラズマ処理装置においては、一般的に40.68MHz程度の周波数の電力を投入して、両電極4,8の間でプラズマを生成し、このプラズマにより、CVD( chemical vapor deposition)、スパッタリング、ドライエッチング、アッシング等のプラズマ処理を行うものである。
【0007】
しかし、従来、上記のプラズマ処理装置においては、プラズマ処理室CNを含めたプラズマ処理装置本体が装置メーカにより製作され、整合回路2Cが高周波電源を作成した電源メーカにより製作されている。
そして、ユーザは、スパッタリング、ドライエッチング、アッシング等のプラズマ処理毎に、これらプラズマ処理室CNと高周波電源1との間のインピーダンス整合を上記整合回路2Cにより行う。
ここで、プラズマ処理室のインピーダンス(負荷インピーダンス)としては、プラズマが発生する前のインピーダンスZ0と、プラズマが発生した後のインピーダンスZ1との2種類がある。
【0008】
インピーダンスZ0は、装置メーカである程度設計上で決定され、正確な数値が測定されるものであるが、機械的寸法誤差等により、完全に同一のプラズマ処理装置が製作される訳ではないので、製作されるプラズマ処理室毎に異なった値を有している。
また、プラズマが発生すると、インピーダンスZ1は、処理に用いるガスの流量,プラズマ処理室の真空度,及び両電極4,8の間隔により変化するため、同一のプラズマ処理装置においても、処理するプラズマ処理により異なることとなる。
【0009】
例えば、インピーダンスZ1は、ドライエッチング装置の場合、どのような材料で形成されている薄膜を、どのような条件(エッチング速度、エッチング形状等)でエッチングするかにより異なったものとなり、成膜装置の場合も、薄膜をどのようなガスで、どのような条件(成膜速度、薄膜構造など)で成膜するかにより異なったものとなる。
そして、ユーザは、プラズマ処理開始時に、整合回路2Cの出力インピーダンスをインピーダンスZ0に調整し、プラズマ放電を開始させ、上記インピーダンスZ1に対応させて、プラズマ放電を安定化させる。
【0010】
整合回路2Cは、プラズマ処理開始時、すなわちプラズマ放電開始時において、チューニングコンデンサ及びロードコンデンサがリセット状態(最大値か最小値)またはプラズマ放電後のインピーダンスZ1に調整されている。
そして、制御回路14は、整合回路2Cを構成するロードコンデンサCL及びチューニングコンデンサCTの各キャパシタンスを調整し、整合回路2Cの出力インピーダンスを、プラズマ放電が開始されるインピーダンスZ0に調整する。
【0011】
このとき、制御回路14は、反射波測定部15の測定する反射波の電力値(例えば、スプリアス電力として検出)が最小となるように、ロードコンデンサCL及びチューニングコンデンサCTの各キャパシタンスを調整する。
ここで、反射波測定部50は、マッチングボックス2と高周波電源1との間に介挿されている。
ロードコンデンサCL及びチューニングコンデンサCTは、例えば、図示しないモータの回転などにより、各々キャパシタンスの値が調整可能な可変コンデンサ(バリアブルコンデンサ)であり、上記制御回路14が図示しない上記モータにより調整シャフトを駆動することにより、キャパシタンスの値を調整する。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来のプラズマ処理装置には、プラズマ処理開始時において、整合回路2Cの出力インピーダンスがインピーダンスZ0でないため、インピーダンスZ0に調整されるまで時間がかかるという欠点がある。
また、この従来のプラズマ処理装置では、インピーダンスZ0の数値がユーザには不明のため、制御回路14が整合回路2Cの出力インピーダンスをインピーダンスZ0へ調整しきれずに、すなわち、インピーダンス整合がとれないために、プラズマ放電が開始されないという問題がある。
【0013】
さらに、従来のプラズマ処理装置では、プラズマ放電後において、整合回路2Cの出力インピーダンスのインピーダンスZ1が記憶されていないため、この出力インピーダンスがインピーダンスZ1に調整されるまで時間がかかるという欠点がある。
加えて、プラズマ処理室CNにおいてプラズマ放電が開始されると、このプラズマ処理室CNのインピーダンスがインピーダンスZ0からインピーダンスZ1へ変化するが、従来のプラズマ処理装置では、インピーダンスZ1の数値がユーザには不明のため、インピーダンスZ1へ調整しきれずに、すなわち、インピーダンス整合がとれないために、効率の良いプラズマ放電が行えないという問題がある。
【0014】
本発明はこのような背景の下になされたもので、高周波電源回路1からのプラズマ放電のための電力の供給開始から、プラズマ放電後の効率のよい放電状態となるまでの時間を短縮できるプラズマ処理装置を提供する。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明のプラズマ処理装置は、高周波電源(高周波電源1)と、プラズマ処理室(プラズマ処理室CN)と、前記高周波電源と前記プラズマ処理室とのインピーダンス整合をとる整合回路(整合回路2A)と、プラズマ生成のための放電前に、前記整合回路の出力インピーダンスを、放電していない状態の前記プラズマ処理室のインピーダンスに整合させる整合回路調整手段を具備しており、例えば、プラズマ処理室のプラズマ放電前のインピーダンス(インピーダンスZ0)を記憶部(記憶部32)に記憶させ、整合回路調整手段(整合制御装置31)が、高周波電源からの高周波電力投入時に、上記記憶部から放電前のインピーダンスを呼び出し、整合回路を構成する各素子のパラメータを調整することにより、高周波電力の投入から、放電開始前のプラズマ処理室のインピーダンスへの調整が容易に行え、放電開始までの時間を短縮でき、プラズマ処理の生産性を向上させることが可能であり、かつ成膜装置の場合、成膜初期に発生する厚さ方向の不均質さを小さくすることが可能である。
【0016】
本発明のプラズマ処理装置は、前記プラズマ処理室における放電開始を検出する放電検知手段(反射波測定器30)を有し、前記整合回路調整手段(整合制御装置31)が前記放電検出手段の放電の検出に基づき、前記整合回路の出力インピーダンスを、放電中の前記プラズマ処理室のインピーダンスに対して整合させ、例えば、プラズマ処理室のプラズマ放電後のインピーダンス(インピーダンスZ1)を上記記憶部に記憶させ、整合回路調整手段が、高周波電源からの高周波電力投入時に、上記記憶部から放電前のインピーダンスを読み出し、前記整合回路を構成する各素子のパラメータを調整することにより、放電開始前のインピーダンス(インピーダンスZ0)とし、放電検知手段がプラズマ放電を検出した場合、放電開始前のプラズマ処理室のインピーダンスから、放電後の前記プラズマ処理室のインピーダンス(インピーダンスZ1)への調整を行うため、整合回路の出力インピーダンスの調整がプラズマ放電の前後において容易に行え、放電開始後において効率的な放電状態へ移行させるまでの時間を短縮でき、プラズマ処理の生産性を向上させることが可能であり、かつ成膜装置の場合、成膜初期に発生する厚さ方向の不均質さを小さくすることが可能である。
【0017】
本発明のプラズマ処理装置は、前記プラズマ処理室に、このプラズマ処理室の放電前のインピーダンスの測定を行う測定端子が設けられているので、放電前のインピーダンスが、プラズマ処理室の使用時間に対応して変化した場合であっても、所定の時間毎(またはプラズマ処理の終了時毎)に測定して、上記記憶部の放電前のインピーダンスの値を更新することにより、常に、高周波電力の投入から、放電開始前のプラズマ処理室のインピーダンスへの調整が容易に行え、放電開始までの時間を短縮でき、プラズマ処理の生産性を向上させることが可能である。
【0018】
本発明のプラズマ処理装置の駆動方法は、放電前の前記プラズマ処理室のインピーダンスに、整合回路の出力インピーダンスの整合が行われる第1の整合回路調整過程と、高周波電力が前記プラズマ処理室に供給される電力供給過程と、プラズマ処理室内での前記高周波電力による放電の検出を行う放電検出過程と、放電中の前記プラズマ処理室のインピーダンスに、前記整合回路の出力インピーダンスの整合が行われる第2の整合回路調整過程とからなり、第1及び第2の整合回路検出過程において、記憶部に格納された、プラズマ処理室の放電前のインピーダンス(インピーダンスZ0)と、放電後のインピーダンス(インピーダンスZ1)とを各々呼び出し、整合回路の調整を行うため、高周波電力の投入から放電開始まで、さらに放電開始から効率的なプラズマ放電状態までの調整の時間を大幅に短縮することができ、プラズマ処理の生産性を向上させることが可能である。
【0019】
本発明のプラズマ処理方法は、放電前のプラズマ処理室のインピーダンスに、整合回路の出力インピーダンスの整合が行われる第1の整合回路調整過程と、高周波電力が前記プラズマ処理室に供給される電力供給過程と、前記プラズマ処理室内での前記高周波電力による放電の検出を行う放電検出過程と、放電中の前記プラズマ処理室のインピーダンスに、前記整合回路の出力インピーダンスの整合が行われる第2の整合回路調整過程とからなり、例えば、プラズマ処理室のプラズマ放電前のインピーダンス(インピーダンスZ0)を記憶しておき、第1の整合回路調整過程において、高周波電源からの高周波電力投入時に、上記記憶部から放電前のインピーダンスを呼び出し、整合回路を構成する各素子のパラメータを調整し、放電が開始された後、第2の整合回路調整過程においてプラズマ放電中のインピーダンスに調整することにより、高周波電力の投入から、放電開始前のプラズマ処理室のインピーダンスへの調整が容易に行え、放電開始までの時間を短縮でき、プラズマ処理の生産性を向上させることが可能であり、かつ成膜装置の場合、成膜初期に発生する厚さ方向の不均質さを小さくすることが可能である。
本発明のプラズマ装置の駆動方法またはプラズマ処理方法において、前記放電前のプラズマ処理室のインピーダンスと、前記放電後に他の機器と切り離した状態で測定されたプラズマ処理室のインピーダンスを前記記憶部に記憶し、電力投入時に前記放電前のプラズマ処理室のインピーダンスを呼び出し、放電開始時に前記放電後のプラズマ処理室のインピーダンスを呼び出して利用することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
<第1の実施形態>
図1は本発明の第1の実施形態によるプラズマ処理装置の概略構成を示す概念図である。従来例の図8のプラズマ処理装置と同様な構成については同一の符号を付し、この構成の説明を省略する。
本実施形態のプラズマ処理装置は、CVD( chemical vapor deposition)、スパッタリング、ドライエッチング、アッシング等のプラズマ処理をおこなう1周波励起タイプのプラズマ処理装置とされ、プラズマを励起するための平行平板型電極4,8を有するプラズマ処理室CNと、この電極3に接続された高周波電源1と、上記プラズマ処理室CNと上記高周波電源1(すなわち、同軸ケーブル1Cの特性インピーダンス)とのインピーダンス整合を得るための整合回路2Aとを具備する構成とされる。
【0021】
さらに詳細に説明すると、本実施形態のプラズマ処理装置は、プラズマ処理室CNの上部に高周波電源1に接続されたプラズマ励起電極(電極)4およびシャワープレート5が設けられ、プラズマ処理室CNの下部にはシャワープレート5に対向して被処理基板16を載置するサセプタ電極(電極)8が設けられている。プラズマ励起電極(電極)4は、給電板(高周波電力配電体)3および整合回路2Aを介して第1の高周波電源1と接続されている。これらプラズマ励起電極4および給電板3は、シャーシ21に覆われるとともに、整合回路2Aは導電体からなるマッチングボックス2の内部に収納されている。
給電板3としては、幅50〜100mm、厚さ0.5mm、長さ100〜300mmの形状を有する銅の表面に銀めっきを施したものが用いられており、この給電板3は、後述する整合回路2Aのチューニングコンデンサ205の出力端子、および、プラズマ励起電極4にそれぞれネジ止めされている。
【0022】
また、プラズマ励起電極(カソード電極)4の下側には凸部4aが設けられるとともに、このプラズマ励起電極(カソード電極)4の下には、多数の孔7が形成されているシャワープレート5が凸部4aに接して設けられている。これらプラズマ励起電極4とシャワープレート5との間には空間6が形成されている。この空間6にはガス導入管17が接続されており、導体からなるガス導入管17の途中には絶縁体17aが挿入されてプラズマ励起電極4側とガス供給源側とが絶縁されている。
【0023】
ガス導入管17から導入されたガスは、シャワープレート5の多数の孔7からチャンバ壁10により形成されたチャンバ室60内に供給される。チャンバ壁10とプラズマ励起電極(カソード電極)4とは絶縁体9により互いに絶縁されている。また、排気系の図示は省略してある。
一方、チャンバ室60内には基板16を載置しプラズマ励起電極ともなるウエハサセプタ(サセプタ電極)8が設けられている。
【0024】
サセプタ電極(対向電極)8の下部中央には、シャフト13が接続され、このシャフト13がチャンバ底部10Aを貫通して設けられるとともに、シャフト13の下端部とチャンバ底部10A中心部とがベローズ11により密閉接続されている。これら、ウエハサセプタ8およびシャフト13はベローズ11により上下動可能となっており、プラズマ励起電極4,8間の距離の調整ができる。
これらサセプタ電極8とシャフト13とが接続されているため、サセプタ電極8,シャフト13,ベローズ11,チャンバ底部10A,チャンバ壁10は直流的に同電位となっている。さらに、チャンバ壁10とシャーシ21は接続されているため、チャンバ壁10,シャーシ21,マッチングボックス2はいずれも直流的に同電位となっている。
【0025】
ここで、整合回路2Aは、プラズマ処理室CN内のプラズマ状態等の変化に対応してインピーダンスを調整するために、その多くは複数の受動素子を具備する構成とされている。
また、整合回路2Aは、複数の受動素子として、高周波電源1と給電板3との間に、チューニングインダクタ204及びチューニングコンデンサ205が直列に設けられ、これらチューニングインダクタ204とチューニングコンデンサ205とには、並列にロードコンデンサ206が接続され、このロードコンデンサ206の一端はマッチングボックス2に接続されている。
【0026】
ここで、チューニングコンデンサ204は給電板3を介してプラズマ励起電極4に接続されている。
マッチングボックス2は、同軸ケーブル1Cのシールド線に接続されており、このシールド線が直流的にアースされている。これにより、サセプタ電極8,シャフト13,ベローズ11,チャンバ底部10A,チャンバ壁10,シャーシ21,マッチングボックス2は接地電位に設定されることになり、同時に、ロードコンデンサ206の一端も直流的にアースされた状態となる。
【0027】
また、本実施形態のプラズマ処理装置においては、13.56MHz程度以上の周波数の電力、具体的には、例えば13.56MHz,27.12MHz,40.68MHz等の周波数の電力を投入して、両電極4,8の間でプラズマを生成し、このプラズマにより、サセプタ電極8に載置した基板16にCVD( chemical vapor deposition)、ドライエッチング、アッシング等のプラズマ処理をおこなう。
このとき、高周波電力は、高周波電源1から同軸ケーブル1C,整合回路2A,給電板3,プラズマ励起電極(カソード電極)4に供給される。一方、高周波電流の経路を考えた場合、電流はこれらを介してプラズマ空間(チャンバ室60)を経由した後、さらにもう一方の電極(サセプタ電極)8,シャフト13,ベローズ11,チャンバ底部10A,チャンバ壁10を通る。その後、シャーシ21,マッチングボックス2,同軸ケーブル1Cを通り、高周波電源1のアースに戻る。
【0028】
次に、本発明の主要な構成要素である、マッチングボックス2周辺の反射波測定器30,整合制御装置31及び記憶部32について詳述する。
高周波電源1は、反射波測定器30及びマッチングボックス2を介してプラズマ処理室CNに、プラズマ放電のための電力を供給する。
整合回路2Aは、マッチングボックス2内に格納され、高周波電源1の出力インピーダンスとプラズマ処理室CNの負荷インピーダンスとの整合をとる。
この整合回路2Aは、ロードコンデンサ206,チューニングインダクタ204及びチューニングコンデンサ205から構成されている。
【0029】
ロードコンデンサ206及びチューニングコンデンサ205は、図示しないモータが回転され、調整シャフトが駆動されることにより、各々キャパシタンスの値が調整可能な可変コンデンサ(バリアブルコンデンサ)である。
ここで、整合制御装置31は、上記各モータの回転量及び回転方向を制御させつつ、調整シャフトを駆動させることにより、各々の上記バリアブルコンデンサ(ロードコンデンサ206及びチューニングコンデンサ205)のキャパシタンス量を調整する。
記憶部32には、予め測定されたインピーダンスZ0とインピーダンスZ1とに調整する数値が記憶されている。
【0030】
ここで、Z0は、整合回路2Aをプラズマ処理室から切り離し、後に説明するインピーダンス測定具を用いて測定することができる。
また、Z1は、プラズマ放電が発生した後に、整合が取れた状態において、整合回路2Aをプラズマ処理室から切り離し、高周波電源に変えてダミーロード50Ωを接続し、整合回路2Aの出力端から上記インピーダンス測定具を用いてそのインピーダンスZ1*を測定する。
整合状態ではZ1*とZ1が複素共役の関係にあることを利用して、Z1を予め測定することができる。
【0031】
上記インピーダンス測定具について、インピーダンスZ0の測定を例に取り以下に説明する。
図3はインピーダンス測定のため、プラズマ処理室CNに接続するフィクスチャの構成を示す概念図である。
フィクスチャは、それぞれのインピーダンスが一致する複数本の導線101a〜101hの一端をプローブ取付具104に接続して構成されている。
プローブ取付具104は、例えば50mm×10mm×0.5mmの銅板を、締め付け部106とリング部とができるように成形する。リング部はプローブ105の外側にはめ込み可能な径とする。
そして、上記プローブ取付部104に導線101a〜101hの一端をハンダ付けなどにより電気的に接続する。
また、導線101a〜101hの他端には、測定対象(被測定物)との着脱用の端子(圧着端子)102a〜102hが取り付けられている。
【0032】
このフィクスチャを使用するに際しては、プローブ取付具104のリング状部104をプローブ105にはめ込み、締め付け部106で締め付けを行う。
一方各導線101a〜101hは、略点対称となるように圧着端子102a〜102hにおいて測定対象に、図4に示すようにねじ114により着脱自在ねじ止めする。
上記プローブ105は、図5に示すように、導線110上に絶縁被覆112を設け、この絶縁被覆112上に外周導体111を被覆してなるものである。
そして、プローブ105は、同軸ケーブルを通して図示を省略したインピーダンス測定装置に接続している。
胴体101a〜101hは、例えばアルミニウム、銅、銀、金により構成すればよく、または、銀、金を50μm以上メッキして構成してもよい。
【0033】
ここで、フィクスチャとは、プローブ105のアース側に取りつけた、測定対象物(ここではプラズマ処理室CN)の大きさや測定する2点間の距離に見合った長さの導線を示す。
そして、上述のように測定されたインピーダンスZ0とインピーダンスZ1とに調整する数値は、整合制御装置31がロードコンデンサ206を調整する変化量、例えば、モータの回転量及び回転方向を示す変化量データD0(インピーダンスZ0に対応),D1(インピーダンスZ1に対応)である。
また、チューニングコンデンサ205に対しての上記数値は、整合制御装置31が調整する変化量、例えば、モータの回転量及び回転方向を示す変化量データE0(インピーダンスZ0に対応),E1(インピーダンスZ1に対応)である。
【0034】
上記変化量データD0,E0は、ロードコンデンサ206及びチューニングコンデンサ205の基本位置からの調整量を示している。
上記変化量データD1,E1は、ロードコンデンサ206及びチューニングコンデンサ205において、変化量データD0,E0による調整位置からの調整量を示している。
このため、整合制御装置31は、プラズマ処理が終了した後、モータを回転させ、調整シャフトを駆動させて、ロードコンデンサ206及びチューニングコンデンサ205の調整位置を基本位置に戻す。
【0035】
整合制御装置31は、プラズマ放電前の段階において、変化量データD0及びE0に基づき、ロードコンデンサ206,チューニングコンデンサ205各々のモータにより調整シャフトを駆動して、整合回路2Aの出力インピーダンスをインピーダンスZ0に調整する。
一方、整合制御装置31は、インピーダンスZ0に調整後に、反射波測定器30が反射波を検出することにより、プラズマ放電が発生したことを検知し、変化量データD1及びE1に基づき、ロードコンデンサ206,チューニングコンデンサ205各々のモータにより調整シャフトを駆動して、整合回路2Aの出力インピーダンスをインピーダンスZ1に調整する。
また、整合制御装置31は、インピーダンスZ0またはインピーダンスZ1に調整した後、反射波測定器30の検出する反射波の電力値(例えば、スプリアス電力として検出)が最小となるように、整合回路2Aのロードコンデンサ206及びチューニングコンデンサ205の微調整を行う。
【0036】
次に、図1及び図2を参照し、一実施形態の動作例を説明する。図2は、図1のプラズマ処理装置の動作例を説明するフローチャートである。
ステップS1において、作業者がプラズマ処理室CN内に被処理基板16をセットした後、プラズマ処理の開始を示すスイッチをオンとすると、整合制御装置31は、記憶部32から変化量データD0及びE0を読み出し、この変化量データD0,E0に基づき、整合回路2Aの出力インピーダンスをインピーダンスZ0に調整する。
【0037】
そして、ステップS2において、整合制御装置31は、整合回路2Aの出力インピーダンスをインピーダンスZ0に調整した後、高周波電源1をオン状態とし、プラズマ放電を行う高周波電力を、プラズマ処理室CNへ供給する。
次に、ステップS3において、整合制御装置31は、反射波測定器30から入力される反射波の強度(反射波電力の大きさ)を示す検出信号が、所定のしきい強度を超えているか否かの検出を行う。
ここで、上記所定のしきい強度は、予めプラズマ放電が開始された場合の反射波の強度を測定しておき、この強度の例えば90%の値として設定される。
このとき、整合制御装置31は、反射波測定器30から入力される検出信号の強度が所定のしきい強度を越えた場合、プラズマ放電が発生したとして、処理をステップS5へ進める。
一方、整合制御装置31は、反射波測定器30から入力される検出信号の強度が所定のしきい強度を越えない場合、プラズマ放電が発生ていないとして、処理をステップS4へ進める。
【0038】
次に、ステップS4において、整合制御装置31は、インピーダンスZ0を中心にして、図示しないモータを駆動させて、ロードコンデンサ206及びチューニングコンデンサ205の各キャパシタンスを微調整し、すなわち、インピーダンスZ0の値を中心として、整合回路2Aの出力インピーダンスの数値を上下に反復させ調整する。
このとき、整合制御装置31は、反復する毎に、インピーダンスZ0の値を中心として上下にずらす値を順次大きくして、1回数値をずらす毎(ここで、上側または下側の一方にずらす場合を1回とする)に、プラズマ放電が発生したか否かの判定を行うため、処理をステップS3へ戻す。
【0039】
次に、ステップS5において、記憶部32から変化量データD0及びE0を読み出し、この変化量データD1,E1に基づき、整合回路2Aの出力インピーダンスをインピーダンスZ1に調整し、処理をステップS6へ進める。
そして、ステップS6において、整合制御装置31は、反射波測定器30から入力される反射波の強度(反射波電力の大きさ)を示す検出信号が、所定の放電しきい強度以下であるか否かの検出を行う。
ここで、上記所定の放電しきい強度は、整合回路2Aの出力インピーダンスがインピーダンスZ1の場合(すなわち整合がとれている場合)において、予めプラズマ放電が開始された場合の反射波の強度を測定しておき、この強度の数値が設定される。
【0040】
このとき、整合制御装置31は、反射波測定器30から入力される検出信号の強度が所定の放電しきい強度以下である場合、反射波が無い状態、すなわち効率的なプラズマ放電状態であることを検知して、処理をステップS8へ進める。
一方、整合制御装置31は、反射波測定器30から入力される検出信号の強度が所定の放電しきい強度を越えている場合、反射波が有る状態、すなわち効率的なプラズマ放電状態でないことを検知して、処理をステップS7へ進める。
そして、ステップS7において、整合制御装置31は、インピーダンスZ1を中心にして、図示しないモータを駆動させて、ロードコンデンサ206及びチューニングコンデンサ205の各キャパシタンスを微調整し、すなわち、インピーダンスZ1の値を中心として、整合回路2Aの出力インピーダンスの数値を上下に反復させ調整する。
【0041】
このとき、整合制御装置31は、反復する毎に、インピーダンスZ1の値を中心として上下にずらす値を順次大きくして、1回数値をずらす毎(ここで、上側または下側の一方にずらす場合を1回とする)に、効率的なプラズマ放電状態であるか否かの判定を行うため、処理をステップS6へ戻す。
次に、ステップS8において、整合制御装置31は、所定の時間が経過してプラズマ処理が終了、または作業者がプラズマ処理を終了させるか否かの検出を行う。
このとき、整合制御装置31は、プロセス終了を検出した場合、高周波電源1からの電力の供給を停止してプラズマ処理を終了する。
一方、整合制御装置31は、プロセス終了を検出しない場合、処理をステップS6へ進める。
【0042】
上述した本願発明の第1の実施形態によるプラズマ処理装置は、プラズマ処理室CNのプラズマ放電前の負荷インピーダンスであるインピーダンスZ0の数値を記憶部32に記憶させ、整合制御装置31が、高周波電源1からの高周波電力投入時に、記憶部32からインピーダンスZ0を読み込み、整合回路2Aを構成するロードコンデンサ206及びチューニングコンデンサ205各々のキャパシタンスを調整することにより、高周波電力の投入から、インピーダンスZ0への調整が容易に行え、放電開始までの時間を短縮でき、プラズマ処理の生産性を向上させることが可能である。
【0043】
また、本願発明の第1の実施形態によるプラズマ処理装置は、整合制御装置31が反射波測定器30からの検出信号により、プラズマ処理室CNにおける放電開始を検出し、整合制御装置31がプラズマ放電の発生を検出すると、整合回路2Aの出力インピーダンスをインピーダンスZ1に対して整合させ、例えば、プラズマ処理室CNのプラズマ放電前及び後のインピーダンスZ0,Z1各々を記憶部32に記憶させておき、整合制御装置31が高周波電源1からの高周波電力投入時に、記憶部32から放電前のインピーダンスZ0を読み出し、整合回路2Aのロードコンデンサ206及びチューニングコンデンサ205のキャパシタンスを調整することにより、放電開始前のインピーダンスZ0に調整し、プラズマ放電が開始されたことを検出した後、放電後のインピーダンスZ1へ調整することにより、インピーダンスZ0からインピーダンスZ1への調整が容易に行え、放電開始前から放電開始後において、効率的なプラズマ放電状態へ移行させるまでの時間を短縮でき、プラズマ処理の生産性を向上させることが可能である。
【0044】
さらに、本発明の第1の実施形態によるプラズマ処理装置の駆動方法は、放電前のプラズマ処理室CNのインピーダンスZ0に、整合回路2Aの出力インピーダンスの整合が行われる第1の整合回路調整過程と、高周波電力が高周波電源1からプラズマ処理室CNに供給される電力供給過程と、プラズマ処理室CN内での高周波電力によるプラズマ放電の検出を行うプラズマ放電検出過程と、放電中のプラズマ処理室CNのインピーダンスZ1に、整合回路2Aの出力インピーダンスの整合が行われる第2の整合回路調整過程とからなり、第1及び第2の整合回路検出過程において、記憶部32に格納された、プラズマ処理室の放電前のインピーダンスZ0に調整する変化量データD0,E0と、放電後のインピーダンスZ1に調整する変化量データD1,E1とを各々呼び出し、整合回路2Aの出力インピーダンスの調整を行うため、高周波電力の投入から放電開始まで、さらに放電開始から効率的なプラズマ放電状態までの調整の時間を大幅に短縮することができ、プラズマ処理の生産性を向上させることが可能である。
【0045】
<第2の実施形態>
図6は本発明の第2の実施形態によるプラズマ処理装置の概略構成を示す概念図である。第1の実施形態の図1のプラズマ処理装置と同様な構成については同一の符号を付し、この構成の説明を省略する。
本願発明の主要な構成要素である、マッチングボックス2周辺の反射波測定器30,整合制御装置33,記憶部34及び演算器35について詳述する。
高周波電源1は、反射波測定器30及びマッチングボックス2を介してプラズマ処理室CNに、プラズマ放電のための電力を供給する。
整合回路2Aは、マッチングボックス2内に格納され、高周波電源1の出力インピーダンスとプラズマ処理室CNの負荷インピーダンスとの整合をとる。
この整合回路2Aは、ロードコンデンサ206,チューニングインダクタ204及びチューニングコンデンサ205から構成されている。
【0046】
ロードコンデンサ206及びチューニングコンデンサ205は、図示しないモータの回転などにより、各々キャパシタンスの値が調整可能な可変コンデンサであり、整合制御装置33が上記モータを各々駆動することにより、キャパシタンスの値が調整される。
記憶部34には、予め測定されたインピーダンスZ0とインピーダンスZ1とに調整する数値が記憶されている。
ここで、ロードコンデンサ206に対しての上記数値は、整合制御装置33が調整する変化量、例えば、モータの回転量及び回転方向を示す変化量データD0(インピーダンスZ0に対応),D1(インピーダンスZ1に対応)である。
【0047】
また、チューニングコンデンサ205に対しての上記数値は、整合制御装置33が調整する変化量、例えば、モータの回転量及び回転方向を示す変化量データE0(インピーダンスZ0に対応),E1(インピーダンスZ1に対応)である。
上記変化量データD0,E0は、ロードコンデンサ206及びチューニングコンデンサ205の基本位置からの調整量を示している。
上記変化量データD1,E1は、ロードコンデンサ206及びチューニングコンデンサ205において、変化量データD0,E0による調整位置からの調整量を示している。
このため、整合制御装置33は、プラズマ処理が終了した後、モータを駆動させて、ロードコンデンサ206及びチューニングコンデンサ205の調整位置を基本位置に戻す。
【0048】
整合制御装置33は、プラズマ放電前の段階において、変化量データD0及びE0に基づき、ロードコンデンサ206,チューニングコンデンサ205各々のモータを駆動して、整合回路2Aの出力インピーダンスをインピーダンスZ0に調整する。
一方、整合制御装置33は、インピーダンスZ0に調整後に、反射波測定器30が反射波を検出することにより、プラズマ放電が発生したことを検知し、変化量データD1及びE1に基づき、ロードコンデンサ206,チューニングコンデンサ205各々のモータを駆動して、整合回路2Aの出力インピーダンスをインピーダンスZ1に調整する。
また、整合制御装置33は、インピーダンスZ0またはインピーダンスZ1に調整した後、反射波測定器30の検出する反射波の電力値(例えば、スプリアス電力として検出)が最小となるように、整合回路2Aのロードコンデンサ206及びチューニングコンデンサ205の微調整を行う。
【0049】
整合制御装置33は、ロードコンデンサ206及びチューニングコンデンサ205において、インピーダンスZ0の調整位置からインピーダンスZ1への調整位置への変化量を、各々新しい変化量データD1,E1として、記憶部34の変化量データD1,E1へ上書きして、変化量データの更新を行う。
インピーダンス測定器ANは、プラズマ処理が終了し、高周波電源1が高周波電力の供給を停止した後、プラズマ処理室CNの放電前の負荷インピーダンスとしてインピーダンスZ0を測定する。
演算器35は、インピーダンスと、ロードコンデンサ206及びチューニングコンデンサ205の調整位置との関係を示す関数、またはテーブルに基づき、上記インピーダンスZ0から変化量データD0,E0の演算を行う。
整合制御装置33は、演算された上記変化量データD0,E0を各々新しい変化量データD1,E1として、記憶部34の変化量データD0,E0へ上書きして、変化量データの更新を行う。
【0050】
次に、図6及び図7を参照し、第2の実施形態の動作例を説明する。図7は、図6のプラズマ処理装置の動作例を説明するフローチャートである。
ステップS11〜ステップ17までの各々の処理は、ステップS1〜ステップS7の各々の処理と同様のため、説明を省略する。
上記各ステップにおいて、整合制御装置33は整合制御装置31と同様な動作を行い、記憶部34は記憶部32と同様な動作を行う。
ステップS18において、整合制御装置33は、所定の時間が経過してプラズマ処理が終了、または作業者がプラズマ処理を終了させるか否かの検出を行う。
このとき、整合制御装置33は、プロセス終了を検出した場合、高周波電源1からの電力の供給を停止してプラズマ処理の処理を終了し、処理をステップS19へ進める。
一方整合制御装置33は、プロセス終了を検出しない場合、処理をステップS16へ進める。
【0051】
次に、ステップS19において、整合制御装置33は、ロードコンデンサ206及びチューニングコンデンサ205において、インピーダンスZ0の調整位置からインピーダンスZ1への調整位置への変化量を検出して、検出された変化量データを、各々新しい変化量データD1,E1として、記憶部34の変化量データD1,E1へ上書きして、変化量データの更新を行う。
そして、ステップS20において、インピーダンス測定器ANは、プラズマ処理室CNの負荷インピーダンス、すなわちプラズマ放電前のインピーダンスZ0の測定を行う。
このとき、インピーダンス測定器ANは、スイッチSW1をオフ状態とし、スイッチSW2をオン状態として、インピーダンスZ0の測定を行う。
インピーダンス測定器ANは、通常、すなわちプラズマ処理を行う場合、スイッチSW1をオン状態とし、スイッチSW2をオフ状態とする。
なお、スイッチSW1〜点B(図6)までのインピーダンスと、スイッチSW2〜上記点Bまでのインピーダンスとは、一致するように設計されている。
【0052】
次に、ステップS21において、演算器35は、測定されたインピーダンスZ0に基づき、変化量データD0,E0の演算を行う。
そして、ステップS22において、整合制御装置33は、演算された変化量データD0,E0各々を、新しい変化量データD0,変化量データE0として、記憶部34の各々対応する変化量データD0,E0へ上書きして、変化量データの更新を行う。
そして、インピーダンス測定器ANはスイッチSW1をオン状態とし、スイッチSW2をオフ状態とし、プラズマ処理装置はプラズマ処理の処理を終了する。
【0053】
本願発明の第2の実施形態のプラズマ処理装置は、第1の実施形態の効果に加え、プラズマ処理室CNに、このプラズマ処理室CNの放電前のインピーダンスZ0の測定を行う測定端子61が設けられているので、放電前のインピーダンスZ0が、プラズマ処理室CNの使用時間に対応して変化した場合であっても、所定の時間毎(またはプラズマ処理の終了時毎)に測定して、記憶部34の放電前のインピーダンスZ0とする変化量データD0,E0の値を更新することにより、常に、高周波電力の投入から、各ロードコンデンサ206及びチューニングコンデンサ205のキャパシタンスを調整する調整位置を、基本位置から放電開始前のプラズマ処理室CNのインピーダンスZ0となる調整位置への調整が容易に行え、放電開始までの時間を短縮でき、プラズマ処理の生産性を向上させることが可能である。
【0054】
以上、本発明の一実施形態を図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても本発明に含まれる。
【0055】
【発明の効果】
本発明のプラズマ処理装置によれば、高周波電源とプラズマ処理室とのインピーダンス整合をとる整合回路と、プラズマ生成のための放電前に、前記整合回路の出力インピーダンスを、放電していない状態の前記プラズマ処理室のインピーダンスに整合させる整合回路調整手段を具備しており、例えば、プラズマ処理室のプラズマ放電前のインピーダンスを記憶部に記憶させ、整合回路調整手段が、高周波電源からの高周波電力投入時に、上記記憶部から放電前のインピーダンスを呼び出し、整合回路を構成する各素子のパラメータを調整することにより、高周波電力の投入から、放電開始前のプラズマ処理室のインピーダンスへの調整が容易に行え、放電開始までの時間を短縮でき、プラズマ処理の生産性を向上させることが可能であり、かつ成膜装置の場合、成膜初期に発生する厚さ方向の不均質さを小さくすることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本願発明の第1の実施形態によるプラズマ処理装置におけるプラズマ処理室ユニットの概略構成を示す断面図である。
【図2】 図1のプラズマ処理装置の整合制御装置31の動作例を示すフローチャートである。
【図3】 インピーダンス測定具の構成を示す概念図である。
【図4】 図3に示したインピーダンス測定具を用いて、図1に示したプラズマ処理室CNのインピーダンスを測定する方法を示す図である。
【図5】 インピーダンス測定具に用いたプローブ105の構成を示す概念図である。
【図6】 本願発明の第2の実施形態によるプラズマ処理装置におけるプラズマ処理室ユニットの概略構成を示す断面図である。
【図7】 図6のプラズマ処理装置の整合制御装置33の動作例を示すフローチャートである。
【図8】 従来例によるプラズマ処理装置におけるプラズマ処理室ユニットの概略構成を示す断面図である。
【符号の説明】
1 高周波電源
2 マッチングボックス
2A 整合回路
3 給電板
4 プラズマ励起電極
5 シャワープレート
6 空間
7 孔
8 ウェハサセプタ
9 絶縁体
10 チャンバ壁
11 ベローズ
13 シャフト
16 基板
17 ガス導入管
21 シャーシ
30 反射波測定器
31,33 整合制御装置
32,34 記憶部
35 演算器
60 チャンバ室
204 チューニングインダクタ
205 チューニングコンデンサ
206 ロードコンデンサ
AN インピーダンス測定器
CN プラズマ処理室
SW1,SW2 スイッチ
Claims (7)
- 高周波電源と、プラズマ処理室と、前記高周波電源と前記プラズマ処理室とのインピーダンス整合をとる整合回路と、プラズマ生成のための放電前に、前記整合回路の出力インピーダンスを、放電していない状態であって、他の機器と切り離した状態で測定された前記プラズマ処理室固有のインピーダンスに整合させる整合回路調整手段と、前記プラズマ処理室固有のインピーダンスを記憶する記憶部とを具備することを特徴とするプラズマ処理装置。
- 前記プラズマ処理室における放電開始を検出する放電検知手段を有し、前記整合回路調整手段が前記放電検出手段の放電の検出に基づき、前記整合回路の出力インピーダンスを、放電中の前記プラズマ処理室のインピーダンスに対して整合させる機能を備え、前記記憶部に更に放電後に他の機器と切り離した状態で測定された前記プラズマ処理室のインピーダンスが記憶されてなることを特徴とする請求項1記載のプラズマ処理装置。
- 前記プラズマ処理室に、放電前のこのプラズマ処理室のインピーダンスの測定を行う測定端子が設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のプラズマ処理装置。
- 高周波電源と、プラズマ処理室と、前記高周波電源と前記プラズマ処理室とのインピーダンス整合をとる整合回路と、プラズマ生成のための放電前に、前記整合回路の出力インピーダンスを、放電していない状態であって、他の機器と切り離した状態で測定された前記プラズマ処理室固有のインピーダンスに整合させる整合回路調整手段を具備するプラズマ処理装置の駆動方法であって、放電前のプラズマ処理室のインピーダンスに、整合回路の出力インピーダンスの整合が行われる第1の整合回路調整過程と、高周波電力が前記プラズマ処理室に供給される電力供給過程と、前記プラズマ処理室内での前記高周波電力による放電の検出を行う放電検出過程と、放電中の前記プラズマ処理室のインピーダンスに、前記整合回路の出力インピーダンスの整合が行われる第2の整合回路調整過程とを有することを特徴とするプラズマ処理装置の駆動方法。
- 高周波電源と、プラズマ処理室と、前記高周波電源と前記プラズマ処理室とのインピーダンス整合をとる整合回路と、プラズマ生成のための放電前に、前記整合回路の出力インピーダンスを、放電していない状態であって、他の機器と切り離した状態で測定された前記プラズマ処理室固有のインピーダンスに整合させる整合回路調整手段とを具備するプラズマ処理装置を用いて行うプラズマ処理方法であって、放電前のプラズマ処理室のインピーダンスに、整合回路の出力インピーダンスの整合が行われる第1の整合回路調整過程と、高周波電力が前記プラズマ処理室に供給される電力供給過程と、前記プラズマ処理室内での前記高周波電力による放電の検出を行う放電検出過程と、放電中の前記プラズマ処理室のインピーダンスに、前記整合回路の出力インピーダンスの整合が行われる第2の整合回路調整過程とを有することを特徴とするプラズマ処理方法。
- 前記放電前のプラズマ処理室のインピーダンスと、前記放電後に他の機器と切り離した状態で測定されたプラズマ処理室のインピーダンスを前記記憶部に記憶し、電力投入時に前記放電前のプラズマ処理室のインピーダンスを呼び出し、放電開始時に前記放電後のプラズマ処理室のインピーダンスを呼び出すことを特徴とする請求項4に記載のプラズマ処理装置の駆動方法。
- 前記放電前のプラズマ処理室のインピーダンスと、前記放電後に他の機器と切り離した状態で測定されたプラズマ処理室のインピーダンスを前記記憶部に記憶し、電力投入時に前記放電前のプラズマ処理室のインピーダンスを呼び出し、放電開始時に前記放電後のプラズマ処理室のインピーダンスを呼び出すことを特徴とする請求項5に記載のプラズマ処理方法。
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