JP4255681B2 - パッシブマトリクス型表示装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明はパッシブマトリクス型表示装置の技術に関する。また本発明は、画像(映像や文字情報等)を表示する表示部を有するパッシブマトリクス型表示装置を搭載した電子機器に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年の半導体装置の発展はめざましく、その応用例は、ゲーム機、ノートパソコン、携帯電話を始めとする携帯機器、液晶テレビ、液晶ディスプレイ(液晶表示装置)、ELディスプレイ(EL表示装置)等、様々である。このような半導体装置の表示部は、従来のCRTと比較して軽量薄型化が可能であり、消費電力が小さいことを特徴とする。
【0003】
従来の半導体装置の表示部としては、液晶層又は発光層を挟んで上下に、ストライプ状の電極を互いに交差するように形成した画素領域を有するパッシブマトリクス型の表示部が知られている。
【0004】
従来の半導体装置の表示部の一例であるパッシブマトリクス型液晶表示装置の構成を図2、図4に示し、その構成について説明する。
【0005】
図4(A)はパッシブマトリクス型液晶表示装置の表示部(液晶表示部)のブロック図である。パッシブマトリクス型の液晶表示装置は、画素部100と、信号線駆動回路101と、走査線駆動回路102とを有する。画素部100は、信号線駆動回路101に接続されている信号線103と、走査線駆動回路102に接続されている走査線104と、が交差して形成される。
【0006】
図4(B)は、パッシブマトリクス型液晶表示装置の構成図である。基板105には走査線が、基板106には信号線が、それぞれ形成されている。また、信号線駆動回路109と走査線駆動回路108は、画素を形成する基板とは異なる基板上に形成され実装される。図4(B)では、シリコン基板上に走査線駆動回路108と信号線駆動回路109とを形成したドライバICを、TAB方式によってFPC110に実装した構成となっている。ドライバICを、基板105又は基板106上に実装する方式もある。
【0007】
図2は、パッシブマトリクス型液晶表示装置の画素部の断面構造の例を示した図である。パッシブマトリクス型液晶表示装置の画素部は、液晶層205を挟む2枚のガラス基板(一対のガラス基板)201、208と偏光板209とによって構成される。そして、ガラス基板208上には反射電極207、配向膜206が、ガラス基板201上にはカラーフィルタ202、透明電極203、配向膜204が、それぞれ形成されている。ガラス基板208とガラス基板201とは、反射電極207と透明電極203が交差するように配置されている。偏光板209は、円偏光板や直線偏光板、位相差板等の組み合わせによって構成されている。
【0008】
なお、図2では反射型液晶表示装置の例を示したが、透過型液晶表示装置の場合は、反射電極207の代わりに透明電極が用いられる。
【0009】
次に、表示部を有する電子機器の構成について、図3を用いて説明する。図3は、画像の表示に関係する部分のブロック図を簡略に表した図である。
【0010】
図3において、半導体装置301は、画像データを取り込み、又は作成して、画像データの加工とフォーマット変換を行い、画像を表示する機能を有する装置である。半導体装置301は、例えば、ゲーム機、ビデオカメラ、カーナビゲーション、パーソナルコンピュータ等と考えることができる。
【0011】
半導体装置301において、画素部319は絶縁表面を有する基板上に形成されており、走査線駆動回路318、信号線駆動回路317、及び他のロジック回路はそれぞれ異なるシリコン基板上に形成され、ICチップとして実装されている。なお幾つかのロジック回路は同一のシリコン基板上に形成される場合もある。
【0012】
半導体装置301は、入力端子311、第1の制御回路312、第2の制御回路313、CPU314、第1のメモリ315、第2のメモリ316、及び表示部302によって構成される。入力端子311からは、それぞれの電子機器に応じて、画像データの基となるデータが入力される。例えば、放送受信機ではアンテナからの入力データであり、ビデオカメラではCCDからの入力データである。DVテープやメモリーカードからの入力データであってもよい。入力端子311から入力されたデータは、第1の制御回路312によって画像信号に変換される。第1の制御回路312では、MPEG規格やテープフォーマット等に従って圧縮符号化された画像データの復号処理、画像の補間やリサイズといった画像信号処理が行われる。第1の制御回路312から出力された画像信号や、CPU314が作成又は加工した画像信号は、第2の制御回路313に入力され、半導体装置の表示部302に適したフォーマット(例えば走査フォーマット等)に変換される。第2の制御回路313からは、フォーマット変換された画像信号と制御信号が出力される。
【0013】
CPU314は、第1の制御回路312、第2の制御回路313及び他のインターフェース回路における信号処理を効率良く制御する。また、画像データを作成したり、加工したりする。第1のメモリ315は、第1の制御回路312から出力される画像データや第2の制御回路313から出力される画像データを格納するメモリ領域、CPUによる制御を行う際のワークメモリ領域、CPUによって画像データを作成する際のワークメモリ領域、等として用いられる。第1のメモリ315としては、DRAMやSRAMが用いられる。第2のメモリ316は、CPU314によって画像データを作成又は加工する場合に必要となる、色データや文字データを格納するメモリ領域であり、マスクROMやEPROMによって構成される。
【0014】
半導体装置の表示部302は、信号線駆動回路317、走査線駆動回路318、画素部319を有するように構成される。信号線駆動回路317は第2の制御回路313から画像信号と制御信号(クロック信号、スタートパルス等)を、走査線駆動回路318は第2の制御回路313から制御信号(クロック信号、スタートパルス等)をそれぞれ受け取り、画素部319において画像を表示する。
【0015】
なお、半導体装置の表示部を有する電子機器としては、図3に示した構成以外にも様々な構成をとり得る。最も簡単な構成としては、半導体装置の表示部と入出力端子と簡単な制御回路だけによる構成が考えられ、例えば液晶ディスプレイ、ELディスプレイを考えることができる。また、高性能ゲーム機のように、図3に示したアーキテクチャではCPUの負担が大きすぎる場合には、新たに画像処理用のプロセッサを設けてCPUの負荷を軽減した構成をとる場合もある。
【0016】
また低温ポリシリコンプロセスにより形成される液晶表示装置では、ドライバ回路を構成する薄膜TFTは画素スイッチング素子と比較して設計ルールが微細なため、画素スイッチング素子とドライバ回路を、TFT基板と対向基板にそれぞれ分離して形成するものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0017】
【特許文献1】
特開2001−83535号公報
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
上述した表示部を有する電子機器は、ロジック回路は、画素を形成する基板とは別の基板に形成して、実装されている場合が多い。携帯型の電子機器の普及を背景に、電子機器の小型化が重要な課題となっている。このような構成の半導体装置では、画素を形成する基板とは別にICチップを多数実装することが必要となるため、小型化を実現することが難しい。特に、ICチップ内のロジック回路を小さくできたとしても、実装するためのマージンが大きいため、装置全体の小型化が困難となっている。一方、装置の小型化を実現するために実装のマージンを減らそうとすると、高度な実装技術が必要となり、コスト面や実装部分での信頼性において問題が生じてくる。
【0019】
そこで本発明は、小型化が可能な表示部を有するパッシブマトリクス型表示装置を提供することを課題にする。更に本発明は、小型化が可能な電子機器を提供することを課題とする。また、ICチップ等の基板の実装に伴う不良を低減した電子機器を提供することを課題とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は、絶縁表面を有する基板上の画素領域と重なりを有する任意の領域に、TFTを代表とするトランジスタ機能を有する能動素子を作製し、能動素子からロジック回路を形成するパッシブマトリクス型表示装置を提供する。すなわち本発明は、パッシブマトリクス型表示装置において、第1の基板にロジック回路、信号線駆動回路や走査線駆動回路を形成し、前記第1の基板に対向する第2の基板とにより、パッシブマトリクス型表示装置の小型化を達成することを特徴とする。
【0021】
本発明は、絶縁表面を有する基板上にTFTを形成するパッシブマトリクス型表示装置の駆動方法を保ちつつ、画素領域と重なりをもつ任意の領域にロジック回路を形成する点が特徴である。このような構成は、反射型のパッシブマトリクス型表示装置を採用し、ロジック回路を反射電極の下部に作製することによって実現する。
【0022】
また、信号線駆動回路及び走査線駆動回路と、ロジック回路を異なる基板に形成する場合であって、信号線駆動回路及び走査線駆動回路と、ロジック回路を重ねて形成するとき、透過型のパッシブマトリクス型表示装置を提供することができる。
【0023】
また、本発明のいうロジック回路とは、トランジスタ、容量素子、抵抗素子等の回路素子によって構成された特定の機能を有する電気回路全体を指し、レジスタ、デコーダ、カウンタ、分周回路、メモリ、制御回路、CPU等をその範疇に含む。また、電気回路とロジック回路とは同義で用いる。
【0024】
なお、TFTでロジック回路を作成する場合には、高速な動作速度を得るために、移動度やS値、しきい値電圧等において、特性のよいTFTを用いることが好ましい。特に、高移動度のTFTの作製方法については、以下の実施の形態で詳しく説明する。
【0025】
本発明では、TFTに光が照射され特性が悪化しないように、遮光膜を形成することが好ましい。遮光膜は、反射電極とTFTの間に形成してもよいし、対向側の基板上に形成することも可能である。反射電極間の距離を小さくすることで遮光膜を設けない構成としてもよい。
【0026】
本発明によって、従来は外付けであったロジック回路の全体又は一部分を、反射電極を形成する基板上の画素領域と重なりをもつ領域に形成することで、パッシブマトリクス型表示装置の小型化を実現することが可能となる。また、ICチップ等の基板の実装を大幅に低減することが可能となり、ICチップ等の基板の実装に伴う信頼性の問題を解決することが可能となる。
【0027】
【発明の実施の形態】
[実施の形態1]
本発明を適用したパッシブマトリクス型表示装置を示す。そして、その代表的な形態として、反射電極を形成する第1の基板上に信号線駆動回路、走査線駆動回路、及びTFTを構成要素とする任意のロジック回路が形成された形態について、図1、図5を用いて説明する。また、断面構造についても説明する。
【0028】
図1(A)及び(B)はそれぞれ、反射電極が形成された基板を上面及び斜めから見た模式図、及びパッシブマトリクス型表示装置の構成図である。図1(A)及び(B)において、基板401上には、信号線駆動回路404、走査線駆動回路403及びロジック回路405が形成されている。そして基板401に設けられた反射電極と、基板(対向基板)408に設けられた透明電極とをストライプ状に配置し、画素領域を設けている。なお、駆動回路やロジック回路は、画素領域402と重なる基板401上の任意の領域に形成することが可能である。
【0029】
信号線駆動回路404の出力は、反射電極である信号線406と接続される。接続はどのような方法を用いても良いが、本実施の形態では層間膜に形成したコンタクトホールを介して直接接続される(図5参照)。一方、走査線駆動回路403の出力は、対向する基板408上に形成された走査線(図示せず)と接続される。接続はどのような方法を用いても良いが、本実施の形態では基板401と対向する基板408とにそれぞれ設けられた導電性の端子を、導電性フィラーを含む異方導電性フィルムによって接続する(図示せず)。
【0030】
また、基板401上には駆動回路を含むロジック回路からの入出力端子が必要に応じて設けられ、FPC407を介して他の半導体部品と接続される。勿論、入出力端子は基板401の四辺のどこから取り出しても構わない。また接続方法はどのような方法であってもよい。
【0031】
なお、図1では、反射電極が信号線である場合について説明したが、反射電極が走査線であっても構わない。その場合には、走査線駆動回路と信号線駆動回路の接続を入れ替えた構成とすればよい。また、図1に示した構成以外にも、信号線駆動回路あるいは走査線駆動回路のいずれか一方又は両方を、基板401上に形成せずに、TAB方式等によって実装する構成であっても構わない。本発明のパッシブマトリクス型表示装置がとり得る形態は様々であるが、本発明の本質は、画素領域と重なる任意の領域であって、反射電極を形成する基板上(基板側)に駆動回路や他の任意のロジック回路を形成する形態にある。
【0032】
次に、本発明のパッシブマトリクス型表示装置の断面構造について説明する。図5には、図1(A)に示した反射電極が形成された基板を線分AA'で切断したときの断面図の一例を示す。なお、液晶層及びカラーフィルタ、透明電極、配向膜等が設けられた対向基板の断面構造については図2に示す構造と同様であるため、説明を省略する。
【0033】
図5において、一点鎖線より左側及び右側は、それぞれロジック回路部と信号線駆動回路部を模式的に表したものである。ロジック回路部では、ロジック回路を構成する代表的な素子として基板504上に設けられるnチャネル型TFT501とpチャネル型TFT502を示してある。また、駆動回路部では、代表的な素子として、基板504上に設けられるnチャネル型TFT503とpチャネル型TFT500を示してある。また、TFT上には層間膜506を介して反射電極505が設けられ、反射電極505の上には配向膜508が設けられている。また、駆動回路出力部に示すように、反射電極505とTFTの配線507との接続は、層間膜506に形成されたコンタクトホールを介して直接行われる。なお、層間膜と反射電極の間に遮光膜を形成してもよい(図示せず)。遮光膜は、対向側の基板上に設けることも可能である。
【0034】
また、図5では、駆動回路部を構成するTFTの構造と、ロジック部を構成するTFTの構造を同じ構造としたが、異ならせてもよい。例えば、駆動回路では16V駆動、他のロジック回路では5V駆動を行う場合には、駆動回路のTFTはLDD構造を有するようにし耐圧や信頼性の異なる構造としても構わない。
【0035】
本発明において、駆動回路以外に形成されるロジック回路としては、タイミングジェネレータ(タイミング生成回路)、SRAM、DRAM、画像処理回路、外部装置とのインターフェース回路、CPU、グラフィックアクセラレータ、マスクROM、DSP等が挙げられる。
【0036】
これらのロジック回路は、nチャネル型TFTとpチャネル型TFTとを用いて構成できるため、絶縁表面を有する基板上にTFTを作製する技術を用いて作製すればよい。なお、一部のロジック回路では、抵抗素子や容量素子を用いる場合があるが、その場合は公知の作製技術によって抵抗素子や容量素子を作製することができる。例えば、抵抗素子として不純物をドープした活性層を用いればよい。また、容量素子としては、活性層とゲート絶縁膜とゲート電極とによって形成される容量素子を用いることができる。
【0037】
なお、ガラス基板上に形成されたTFTには、主に、活性層にアモルファスシリコンを用いるものと、ポリシリコンを用いるものがある。回路の動作速度の観点からは、TFTの移動度が高いことが好ましく、アモルファスシリコンを用いたTFTよりもポリシリコンを用いたTFTでロジック回路を形成することが好ましい。一方、高速動作が必要とならない回路の場合には、低コストで形成されるアモルファスシリコンを用いたTFTを用いることが好ましい。
【0038】
ガラス基板上にロジック回路を形成する場合には、主に動作速度が問題となる場合が多く、通常のポリシリコンよりも更に高移動度を実現できるプロセスを用いてTFTを作製することが好ましい。そのようなプロセスとしては、特開平10−247735において開示されている半導体膜の結晶化方法や、以下の実施の形態に示すような連続発振レーザを用いた結晶化方法を用いることができる。
【0039】
このように、本発明のパッシブマトリクス型表示装置は、絶縁膜を介して反射電極と重なった領域に配置したTFTによってロジック回路を形成することにより、従来は反射電極を形成する基板とは別の基板上に形成され実装されていたロジック回路を、反射電極を形成する基板上に一体形成することを特徴とする。その結果、小型の半導体装置を実現することができると共に、異なる基板間の実装が大幅に簡略化された信頼性の高い半導体装置を実現することが可能となる。
【0040】
[実施の形態2]
本発明のパッシブマトリクス型表示装置は、反射電極を構成する基板上に任意のロジック回路を構成することができる。本実施の形態では、このようなパッシブマトリクス型表示装置を図6に基づいて説明する。
【0041】
図6は、反射電極を構成する基板を上面から見たパッシブマトリクス型表示装置が示されている。図6に示すパッシブマトリクス型表示装置は、基板601、画素領域602、走査線駆動回路603、信号線駆動回路604、信号線605、FPC606を有している。更に図6に示すパッシブマトリクス型表示装置では、任意のロジック回路として、CPU611、第1の制御回路607、第2の制御回路608、第1のメモリ609、第2のメモリ610が形成されており、バス(配線)を介して接続されている。
【0042】
図6に示したパッシブマトリクス型表示装置は、画像データを取り込み、又は作成して、画像データの加工とフォーマット変換を行い、画像を表示する装置である。本発明は、少なくともロジック回路と画素部とを、異なる基板に作製することを特徴とし、ロジック回路等の動作及び機能に関しては図3を参照すればよいため、本実施の形態では説明を省略する。
【0043】
なお、ロジック回路の基板上への配置は、図6に示した例に限られるわけではなく、ブロック構成が同等であればどのような配置であってもよい。
【0044】
なお、本発明のパッシブマトリクス型表示装置としては、図6に示した構成以外にも、様々な構成をとり得る。最も簡単な構成としては、反射電極を構成する基板上に駆動回路と入出力端子と簡単な制御回路とを作製した構成が考えられ、例えば液晶ディスプレイ、ELディスプレイを考えることができる。また、高性能ゲーム機のように、図6に示したアーキテクチャにおいてCPUの負担が大きすぎる場合には、反射電極を構成する基板上に画像処理用のプロセッサ等を設けてCPUの負荷を軽減した構成をとることも可能である。
【0045】
また、本実施の形態では、ロジック回路の全体を反射電極を形成する基板上に形成する例を示したが、ロジック回路の一部だけを形成した構成であっても構わない。例えば、面積の制限やTFTの動作速度の制限のために形成できないロジック回路はFPC等を介して別のICチップ等と接続しても構わない。
【0046】
このように本発明のパッシブマトリクス型表示装置は、従来と比較して小型化と実装部分の簡略化による信頼性において優れている。特に、システムのほぼ全体を基板上に作り込むことができれば、画面サイズと同程度の非常に小型のパッシブマトリクス型表示装置を実現することができる。
【0047】
[実施の形態3]
本実施の形態ではCMOS回路で構成されるロジック回路と、パッシブマトリクス型表示装置の駆動回路部とが同一基板上に形成された基板の作製工程について図7、図8を用いて説明する。
【0048】
まず図7(A)に示すように、基板5000は、石英基板、シリコン基板、金属基板又はステンレス基板の表面に絶縁膜を形成したものを用意する。また本作製工程の処理温度に耐えうる耐熱性を有するプラスチック基板を用いても良い。本実施の形態ではバリウムホウケイ酸ガラス、アルミノホウケイ酸ガラス等のガラスからなる基板5000を用いた。
【0049】
次いで、基板5000上に酸化珪素膜、窒化珪素膜又は窒化酸化珪素膜などの絶縁膜から成る下地膜5001を形成する。本実施の形態では、下地膜5001の1層目として、プラズマCVD法を用いて、SiH4、NH3、及びN2Oを反応ガスとして成膜される窒化酸化珪素膜5001aを10〜200nm(好ましくは50〜100nm)の厚さに形成する。本実施の形態では、窒化酸化珪素膜5001aを50nmの厚さに形成した。次いで下地膜5001の2層目として、プラズマCVD法を用いて、SiH4及びN2Oを反応ガスとして成膜される窒化酸化珪素膜5001bを50〜200nm (好ましくは100〜150nm)の厚さに形成する。本実施の形態では、窒化酸化珪素膜5001bを100nmの厚さに形成した。なお、本実施の形態の下地膜5001は2層構造で形成したが、前記絶縁膜の単層構造又は前記絶縁膜を2層以上積層させた構造であっても良い。
【0050】
次いで、下地膜上に半導体膜を形成する。半導体膜は公知の手段(スパッタ法、LPCVD法、又はプラズマCVD法等)により25〜200nm(好ましくは30〜150nm)の厚さで半導体膜を成膜し、レーザ結晶化法により結晶化させる。レーザ結晶化法で用いるレーザは、連続発振又はパルス発振の固体レーザ又は気体レーザ又は金属レーザが望ましい。なお、前記固体レーザとしては連続発振又はパルス発振のYAGレーザ、YVO4レーザ、YLFレーザ、YAlO3レーザ、ガラスレーザ、ルビーレーザ、アレキサンドライドレーザ、Ti:サファイアレーザ等があり、前記気体レーザとしては連続発振又はパルス発振のエキシマレーザ、Arレーザ、Krレーザ、CO2レーザ等があり、前記金属レーザとしてはヘリウムカドミウムレーザ、銅蒸気レーザ、金蒸気レーザが挙げられる。もちろん、レーザ結晶化法だけでなく、他の公知の結晶化法(RTAやファーネスアニール炉を用いた熱結晶化法、結晶化を助長する金属元素を用いた熱結晶化法等)と組み合わせて行ってもよい。
【0051】
また半導体膜としては、非晶質半導体膜や微結晶半導体膜、結晶性半導体膜などがあり、非晶質珪素ゲルマニウム膜などの非晶質構造を有する化合物半導体膜を適用しても良い。
【0052】
なお本実施の形態では、プラズマCVD法を用い、50nmの非晶質珪素膜を成膜し、この非晶質珪素膜に結晶化を助長する金属元素を用いた熱結晶化法及びレーザ結晶化法を行う。金属元素としてニッケルを用い、溶液塗布法により非晶質珪素膜上に導入した後、550℃で5時間の熱処理を行って第1の結晶性珪素膜を得る。そして、出力10Wの連続発振のYVO4レーザから射出されたレーザ光を非線形光学素子により第2高調波に変換したのち、以下の実施の形態4乃至7のいずれか一に示す光学系により線状ビームを形成して照射して第2の結晶性珪素膜を得る。前記第1の結晶性珪素膜にレーザ光を照射して第2の結晶性珪素膜とすることで、結晶性が向上する。このときのエネルギー密度は0.01〜100MW/cm2程度(好ましくは0.1〜10MW/cm2)が必要である。そして、0.5〜2000cm/s程度の速度でレーザ光に対して相対的にステージを動かして照射し、結晶性珪素膜を形成する。また、パルス発振のエキシマレーザを用いる場合には、周波数300Hzとし、レーザーエネルギー密度を100〜1000mJ/cm2(代表的には200〜800mJ/cm2)とするのが望ましい。このとき、レーザ光を50〜98%オーバーラップさせても良い。
【0053】
もちろん、第1の結晶性珪素膜を用いてTFTを作製することもできるが、第2の結晶性珪素膜は結晶性が向上しているため、TFTの電気的特性が向上するので望ましい。例えば、第1の結晶性珪素膜を用いてTFTを作製すると、移動度は300cm2/Vs程度であるが、第2の結晶性珪素膜を用いてTFTを作製すると、移動度は500〜600cm2/Vs程度と著しく向上する。
【0054】
このようにして得られた結晶性半導体膜を、フォトリソグラフィ法を用いたパターニング処理により、半導体層5002〜5005を形成する。
【0055】
なお半導体層5002〜5005を形成した後、TFTのしきい値を制御するために微量な不純物元素(ボロン又はリン)のドーピングを行ってもよい。
【0056】
次いで、半導体層5002〜5005を覆うゲート絶縁膜5006を形成する。ゲート絶縁膜5006はプラズマCVD法やスパッタ法を用いて、膜厚を40〜150nmとして珪素を含む絶縁膜で形成する。本実施の形態では、ゲート絶縁膜5006としてプラズマCVD法により窒化酸化珪素膜を110nmの厚さに形成する。勿論、ゲート絶縁膜5006は窒化酸化珪素膜に限定されるものでなく、他の珪素を含む絶縁膜を単層又は積層構造として用いても良い。
【0057】
なおゲート絶縁膜5006として酸化珪素膜を用いる場合には、プラズマCVD法でTEOS(Tetraethyl Orthosilicate)とO2とを混合し、反応圧力40Pa、基板温度300〜400℃とし、高周波(13.56MHz)電力密度0.5〜0.8W/cm2で放電させて形成しても良い。上記の工程により作製される酸化珪素膜は、その後400〜500℃の熱アニールによって、ゲート絶縁膜5006として良好な特性を得ることができる。
【0058】
次いで、ゲート絶縁膜5006上に膜厚20〜100nmの第1の導電膜5007と、膜厚100〜400nmの第2の導電膜5008とを積層形成する。本実施の形態では、膜厚30nmのTaN膜からなる第1の導電膜5007と、膜厚370nmのW膜からなる第2の導電膜5008を積層形成する。
【0059】
本実施の形態では、第1の導電膜5007であるTaN膜はスパッタ法で形成し、Taのターゲットを用いて、窒素を含む雰囲気内でスパッタ法により形成する。また第2の導電膜5008であるW膜は、Wのターゲットを用いたスパッタ法により形成する。その他に6フッ化タングステン(WF6)を用いる熱CVD法で形成することもできる。
【0060】
なお本実施の形態では、第1の導電膜5007をTaN膜、第2の導電膜5008をW膜としたが、第1の導電膜5007及び第2の導電膜5008を構成する材料は特に限定されない。第1の導電膜5007及び第2の導電膜5008は、Ta、W、Ti、Mo、Al、Cu、Cr、Ndから選択された元素、又は前記元素を主成分とする合金材料若しくは化合物材料で形成してもよい。また、リン等の不純物元素をドーピングした多結晶珪素膜に代表される半導体膜やAgPdCu合金で形成してもよい。
【0061】
次いで、フォトリソグラフィ法を用いてレジストからなるマスク5009を形成し、電極及び配線を形成するための第1のエッチング処理を行う。第1のエッチング処理では第1及び第2のエッチング条件で行う。(図7(B))
【0062】
本実施の形態では第1のエッチング条件として、ICP(Inductively Coupled Plasma:誘導結合型プラズマ)エッチング法を用い、エッチング用ガスにCF4とCl2とO2とを用い、それぞれのガス流量比を25:25:10sccmとし、1.0Paの圧力でコイル型の電極に500WのRF(13.56MHz)電力を投入してプラズマを生成してエッチングを行った。基板側(試料ステージ)にも150WのRF(13.56MHz)電力を投入し、実質的に負の自己バイアス電圧を印加した。そしてこの第1のエッチング条件によりW膜をエッチングして第1の導電層5007の端部をテーパー形状とした。
【0063】
続いて、レジストからなるマスク5009を除去せずに第2のエッチング条件に変更し、エッチング用ガスにCF4とCl2とを用い、それぞれのガス流量比を30:30sccmとし、1.0Paの圧力でコイル型の電極に500WのRF(13.56MHz)電力を投入してプラズマを生成して15秒程度のエッチングを行った。基板側(試料ステージ)にも20WのRF(13.56MHz)電力を投入し、実質的に負の自己バイアス電圧を印加した。第2のエッチング条件では第1の導電層5007及び第2の導電層5008とも同程度にエッチングを行った。なお、ゲート絶縁膜5006上に残渣を残すことなくエッチングするためには、10〜20%程度の割合でエッチング時間を増加させると良い。
【0064】
上記の第1のエッチング処理では、レジストからなるマスクの形状を適したものとすることにより、基板側に印加するバイアス電圧の効果により第1の導電層5007及び第2の導電層5008の端部がテーパー形状となる。こうして、第1のエッチング処理により第1の導電層5007と第2の導電層5008から成る第1の形状の導電層5010〜5014を形成した。ゲート絶縁膜5006においては、第1の形状の導電層5010〜5014で覆われない領域が20〜50nm程度エッチングされたため、膜厚が薄くなった領域が形成された。
【0065】
次いで、レジストからなるマスク5009を除去せずに第2のエッチング処理を行う(図7(C))。第2のエッチング処理では、エッチングガスにSF6とCl2とO2を用い、それぞれのガス流量比を24:12:24(sccm)とし、1.3Paの圧力でコイル側の電力に700WのRF(13.56MHz)電力を投入してプラズマを生成して25秒程度のエッチングを行った。基板側(試料ステージ)にも10WのRF(13.56MHz)電力を投入し、実質的に負の自己バイアス電圧を印加した。こうして、W膜を選択的にエッチングして、第2の形状の導電層5015〜5019を形成した。このとき、第1の導電層5015a〜5018aは、ほとんどエッチングされない。
【0066】
そして、レジストからなるマスク5009を除去せずに第1のドーピング処理を行い、半導体層5002〜5005にN型を付与する不純物元素を低濃度に添加する。第1のドーピング処理はイオンドープ法又はイオン注入法で行えば良い。イオンドープ法の条件はドーズ量を1×1013〜5×1014atoms/cm2とし、加速電圧を40〜80keVとして行う。本実施の形態ではドーズ量を5.0×1013atoms/cm2とし、加速電圧を50keVとして行った。N型を付与する不純物元素としては、15族に属する元素を用いれば良く、代表的にはリン(P)又は砒素(As)を用いられるが、本実施の形態ではリン(P)を用いた。この場合、第2の形状の導電層5015〜5018がN型を付与する不純物元素に対するマスクとなって、自己整合的に第1の不純物領域(N--領域)5020〜5023を形成した。そして第1の不純物領域5020〜5023には1×1018〜1×1020atoms/cm3の濃度範囲でN型を付与する不純物元素が添加された。
【0067】
続いてレジストからなるマスク5009を除去した後、新たにレジストからなるマスク5024を形成して、第1のドーピング処理よりも高い加速電圧で第2のドーピング処理を行う。イオンドープ法の条件はドーズ量を1×1013〜3×1015atoms/cm2とし、加速電圧を60〜120keVとして行う。本実施の形態では、ドーズ量を3.0×1015atoms/cm2とし、加速電圧を65keVとして行った。第2のドーピング処理は第2の導電層5015b、レジスト5024を不純物元素に対するマスクとして用い、第1の導電層5015aのテーパー部の下方の半導体層及び半導体膜5004のマスクで覆われていない領域に不純物元素が添加されるようにドーピングを行う。続いて、第2のドーピング処理より加速電圧を下げて第3のドーピング処理を行って図7(D)の状態を得る。イオンドープ法の条件はドーズ量を1×1015〜1×1017atoms/cm2とし、加速電圧を50〜100keVとして行う。
【0068】
上記の第2のドーピング処理及び第3のドーピング処理を行った結果、第1の導電層と重なる第2の不純物領域(N−領域、Lov領域)5026には1×1018〜5×1019atoms/cm3の濃度範囲でN型を付与する不純物元素を添加された。また第3の不純物領域(N+領域)5025、5028には1×1019〜5×1021atoms/cm3の濃度範囲でN型を付与する不純物元素を添加された。また、第1、第2のドーピング処理を行った後、半導体層5002〜5005において、不純物元素が全く添加されない領域又は微量の不純物元素が添加された領域が形成された。本実施の形態では、不純物元素が全く添加されない領域又は微量の不純物元素が添加された領域をチャネル領域5027、5030とよぶ。また前記第1のドーピング処理により形成された第1の不純物領域(N--領域)5020〜5023のうち、第2のドーピング処理においてレジスト5024で覆われていた領域が存在するが、本実施の形態では、引き続き第1の不純物領域(N--領域、LDD領域)5029とよぶ。
【0069】
なお本実施の形態では、第2のドーピング処理のみにより、第2の不純物領域(N−領域)5026及び第3の不純物領域(N+領域)5025、5028を形成したが、これに限定されない。ドーピング処理を行う条件を適宜変えて、複数回のドーピング処理で形成しても良い。
【0070】
次いで図8(A)に示すように、レジストからなるマスク5024を除去した後、新たにレジストからなるマスク5031を形成する。その後、第4のドーピング処理を行う。第4のドーピング処理により、Pチャネル型TFTの活性層となる半導体層に、前記第1の導電型とは逆の導電型を付与する不純物元素が添加された第4の不純物領域(P+領域)5032、5034及び第5の不純物領域(P−領域)5033、5035を形成する。
【0071】
第4のドーピング処理では、第2の導電層5016b、5018bを不純物元素に対するマスクとして用いる。こうして、P型を付与する不純物元素を添加し、自己整合的に第4の不純物領域(P+領域)5032、5034及び第5の不純物領域(P−領域)5033、5035を形成する。
【0072】
本実施の形態では、第4の不純物領域5032、5034及び第5の不純物領域5033、5035はジボラン(B26)を用いたイオンドープ法で形成する。イオンドープ法の条件としては、ドーズ量を1×1016atoms/cm2とし、加速電圧を80keVとした。
【0073】
なお、第4のドーピング処理の際には、Nチャネル型TFTを形成する半導体層はレジストからなるマスク5031によって覆われている。
【0074】
ここで、第1及び2のドーピング処理によって、第4の不純物領域(P+領域)5032、5034及び第5の不純物領域(P−領域)5033、5035にはそれぞれ異なる濃度でリンが添加されている。しかし、第4の不純物領域(P+領域)5032、5034及び第5の不純物領域(P−領域)5033、5035のいずれの領域においても、第4のドーピング処理によって、P型を付与する不純物元素の濃度が1×1019〜5×1021atoms/cm3となるようにドーピング処理される。こうして、第4の不純物領域(P+領域)5032、5034及び第5の不純物領域(P−領域)5033、5035は、Pチャネル型TFTのソース領域及びドレイン領域として問題なく機能する。
【0075】
なお本実施の形態では、第4のドーピング処理のみにより、第4の不純物領域(P+領域)5032、5034及び第5の不純物領域(P−領域)5033、5035を形成したが、これに限定されない。ドーピング処理を行う条件を適宜変えて、複数回のドーピング処理で形成しても良い。
【0076】
次いで図8(B)に示すように、レジストからなるマスク5031を除去して第1の層間絶縁膜5036を形成する。この第1の層間絶縁膜5036としては、プラズマCVD法又はスパッタ法を用い、厚さを100〜200nmとして珪素を含む絶縁膜で形成する。本実施の形態では、プラズマCVD法により膜厚100nmの窒化酸化珪素膜を形成した。勿論、第1の層間絶縁膜5036は窒化酸化珪素膜に限定されるものでなく、他の珪素を含む絶縁膜を単層又は積層構造として用いても良い。
【0077】
次いで、図8(C)に示すように、加熱処理(熱処理)を行って、半導体層の結晶性の回復、半導体層に添加された不純物元素の活性化を行う。この加熱処理はファーネスアニール炉を用いる熱アニール法で行う。熱アニール法としては、酸素濃度が1ppm以下、好ましくは0.1ppm以下の窒素雰囲気中で400〜700℃で行えばよく、本実施の形態では410℃、1時間の熱処理で活性化処理を行った。なお、熱アニール法の他に、レーザアニール法、又はラピッドサーマルアニール法(RTA法)を適用することができる。
【0078】
また、第1の層間絶縁膜5036を形成する前に加熱処理を行っても良い。ただし、第1の導電層5015a〜5019a及び、第2の導電層5015b〜5019bを構成する材料が熱に弱い場合には、本実施の形態のように配線等を保護するため第1の層間絶縁膜5036(珪素を主成分とする絶縁膜、例えば窒化珪素膜)を形成した後で熱処理を行うことが好ましい。
【0079】
上記の様に、第1の層間絶縁膜5036(珪素を主成分とする絶縁膜、例えば窒化珪素膜)を形成した後に熱処理することにより、活性化処理と同時に、半導体層の水素化も行うことができる。水素化の工程では、第1の層間絶縁膜5036に含まれる水素により半導体層のダングリングボンドが終端される。
【0080】
なお、活性化処理のための加熱処理とは別に、水素化のための加熱処理を行っても良い。
【0081】
ここで、第1の層間絶縁膜5036の存在に関係なく、半導体層を水素化することもできる。水素化の他の手段として、プラズマにより励起された水素を用いる手段(プラズマ水素化)や、3〜100%の水素を含む雰囲気中において、300〜450℃で1〜12時間の加熱処理を行う手段でも良い。
【0082】
次いで、第1の層間絶縁膜5036上に、第2の層間絶縁膜5037を形成する。第2の層間絶縁膜5037としては、無機絶縁膜を用いることができる。例えば、CVD法によって形成された酸化珪素膜や、SOG(Spin On Glass)法によって塗布された酸化珪素膜等を用いることができる。また、第2の層間絶縁膜5037として、有機絶縁膜を用いることができる。例えば、ポリイミド、ポリアミド、BCB(ベンゾシクロブテン)、アクリル等の膜を用いることができる。また、アクリル膜と窒化酸化珪素膜の積層構造を用いても良い。
【0083】
本実施の形態では、膜厚1.6μmのアクリル膜を形成した。第2の層間絶縁膜5037によって、基板上5000に形成されたTFTによる凹凸を緩和し、平坦化することができる。特に、第2の層間絶縁膜5037は平坦化の意味合いが強いので、平坦性に優れた膜が好ましい。
【0084】
次いで、ドライエッチング又はウエットエッチングを用い、第2の層間絶縁膜5037、第1の層間絶縁膜5036、及びゲート絶縁膜5006をエッチングし、第3の不純物領域5025、5028、第4の不純物領域5032、5034に達するコンタクトホールを形成する。
【0085】
続いて、各不純物領域とそれぞれ電気的に接続する配線5038〜5041及び画素電極5042を形成する。なお、これらの配線は、膜厚50nmのTi膜と、膜厚500nmの合金膜(AlとTiの合金膜)との積層膜をパターニングして形成する。もちろん、二層構造に限らず、単層構造でも良いし、三層以上の積層構造にしても良い。また、配線材料としては、AlとTiに限らない。例えば、TaN膜上にAl膜やCu膜を形成し、更にTi膜を形成した積層膜をパターニングして配線を形成しても良いが、反射性に優れた材料を用いることが望ましい。
【0086】
次いで、第3の層間絶縁膜5053を形成する。第3の層間絶縁膜としては、無機絶縁膜や有機絶縁膜を用いることができる。無機絶縁膜としては、CVD法によって形成された酸化珪素膜や、SOG(Spin On Glass)法によって塗布された酸化珪素膜、スパッタ法によって形成された窒化珪素膜又は窒化酸化珪素膜等を用いることができる。また、有機絶縁膜としては、アクリル樹脂膜等を用いることができる。
【0087】
第2の層間絶縁膜5037と第3の層間絶縁膜5053との組み合わせの例を以下に挙げる。
【0088】
第2の層間絶縁膜5037として、アクリルと、スパッタ法によって形成された窒化珪素膜又は窒化酸化珪素膜の積層膜を用い、第3の層間絶縁膜5053として、スパッタ法によって形成された窒化珪素膜又は窒化酸化珪素膜を用いる組み合わせがある。第2の層間絶縁膜5037として、プラズマCVD法によって形成した酸化珪素膜を用い、第3の層間絶縁膜5053としてもプラズマCVD法によって形成した酸化珪素膜を用いる組み合わせがある。また、第2の層間絶縁膜5037として、SOG法によって形成した酸化珪素膜を用い、第3の層間絶縁膜5053としてもSOG法によって形成した酸化珪素膜を用いる組み合わせがある。また、第2の層間絶縁膜5037として、SOG法によって形成した酸化珪素膜とプラズマCVD法によって形成した酸化珪素膜の積層膜を用い、第3の層間絶縁膜5053としてプラズマCVD法によって形成した酸化珪素膜を用いる組み合わせがある。また、第2の層間絶縁膜5037として、アクリルを用い、第3の層間絶縁膜5053としてもアクリルを用いる組み合わせがある。また、第2の層間絶縁膜5037として、アクリルとプラズマCVD法によって形成した酸化珪素膜の積層膜を用い、第3の層間絶縁膜5053としてプラズマCVD法によって形成した酸化珪素膜を用いる組み合わせがある。また、第2の層間絶縁膜5037として、プラズマCVD法によって形成した酸化珪素膜を用い、第3の層間絶縁膜5053としてアクリルを用いる組み合わせがある。
【0089】
続いて、第3の層間膜5053上のロジック回路部を含む領域に遮光膜5052を形成する。遮光膜5052は、画素の下部領域全面を覆うように形成する。遮光膜5052としては、例えばアクリルなどの樹脂、又は、遮光膜として例えばアルミニウムにチタンを積層したものや、クロムなどの金属を用いることもできる。ただし遮光膜として金属を用いる場合は、金属の表面に層間絶縁膜を形成する等の工程を要し、後に示す反射電極5051と電気的に分離しなければならない。また、遮光膜5052を形成せずに、後に示す反射電極5051が形成されていない領域もしくは画素の開口部以外の領域において、後に示す対向基板上に形成する着色層5049に前記着色層とは別の色を有する着色層を重ねることにより遮光することもできる。本実施の形態では遮光膜5052を用い、遮光膜5052としてアクリルを用いた。
【0090】
次いで、ドライエッチング又はウエットエッチングを用い、遮光膜5052、第3の層間絶縁膜5053をエッチングし、画素電極5042に達するコンタクトホールを形成する。
【0091】
次に、遮光膜5052の上に反射電極5051を形成する。
【0092】
続いて、反射電極5051を少なくとも含む部分上に配向膜5054を形成しラビング処理を行う。
【0093】
次いで、対向基板5046を用意する。対向基板5046上に着色層(カラーフィルタ)5049、平坦化膜5055を形成する。ただし、平坦化膜5055は必要なければ形成しなくても良い。
【0094】
次いで、平坦化膜5055の上に透明導電膜からなる対向電極5048を形成し、対向基板の全面に配向膜5047を形成し、ラビング処理を施した。なお、図2で示したように対向電極5048と反射電極5051とはストライプ状になるように交差して設けられている。
【0095】
そして、TFTが形成された基板と対向基板とをシール材5044で貼り合わせる。シール材5044にはフィラーが混入されていて、このフィラーと柱状スペーサによって均一な間隔を持って2枚の基板が貼り合わせられる。その後、両基板の間に液晶材料5050を注入し、封止剤(図示せず)によって完全に封止する。液晶材料5050には公知の液晶材料を用いれば良い。このようにして図8(D)に示す液晶表示装置が完成する。そして、必要があれば、TFTが形成された基板又は対向基板を所望の形状に分断する。更に、偏光板及びFPC(図示せず)を貼りつけ、製品として完成する。
【0096】
本実施の形態のように製造されたパッシブマトリクス型表示装置は、ロジック回路が画素領域の下部に形成されており、製品の小型化が実現可能である。また、本実施の形態で製造されるTFTは、ボトムゲート構造やデュアルゲート構造としてもよい。
【0097】
なお、本実施の形態は他の実施の形態と組み合わせて実施することが可能である。
[実施の形態4]
本実施の形態では、本発明のパッシブマトリクス型表示装置が有するTFTの活性層(チャネル形成領域、ソース領域及びドレイン領域を含む)を作製する上で、半導体膜を結晶化する手法の例を示す。
【0098】
ガラス基板上に下地膜として、プラズマCVD法により窒化酸化珪素膜(組成比Si=32%、O=59%、N=7%、H=2%)400nmを形成した。続いて、前記下地膜上に半導体膜として、プラズマCVD法により非晶質珪素膜150nmを形成した。そして、500℃で3時間の熱処理を行って、半導体膜が含有する水素を放出させた後、レーザアニール法により半導体膜の結晶化を行った。
【0099】
レーザアニール法に用いるレーザとしては、連続発振のYVO4レーザを用いた。レーザアニール法の条件は、レーザ光としてYVO4レーザの第2高調波(波長532nm)を用いた。レーザ光を光学系により所定の形状のビームとして、基板表面上に形成した半導体膜の照射した。
【0100】
なお、基板上に照射されるビームの形状は、レーザの種類や、光学系によって変化させることができる。すなわち、基板上に照射されるビームのアスペクト比やエネルギー密度の分布を変えることができる。例えば、基板上に照射されるビームの形状は、線状、矩形状、楕円状など、様々な形状とすることができる。本実施の形態では、YVO4レーザの第2高調波を、光学系によって200μm×50μmの楕円状にし、半導体膜に照射した。
【0101】
ここで、レーザ光を基板表面上に形成した半導体膜に照射する際に用いる、光学系の模式図を図9に示す。
【0102】
レーザ151から射出されたレーザ光(YVO4レーザの第2高調波)は、ミラー152を経由して、凸レンズ153に入射する。レーザ光は凸レンズ153に対して斜めに入射させる。このようにすると、非点収差などの収差により焦点位置がずれ、照射面又はその近傍において楕円状ビーム156を形成することができる。
【0103】
そして、このようにして形成される楕円状ビーム156を照射しながら、例えば157で示す方向又は158で示す方向にガラス基板155を移動させた。こうして、ガラス基板155上に形成された半導体膜154において、楕円状ビーム156を相対的に移動させながら照射した。
【0104】
なお、楕円状ビーム156の相対的な走査方向は、楕円状ビーム156の長軸に垂直な方向とした。
【0105】
本実施の形態では、凸レンズ153に対するレーザ光の入射角φを約20°として200μm×50μmの楕円状ビームを形成し、ガラス基板155を50cm/sの速度で移動させながら照射して、半導体膜の結晶化を行った。
【0106】
このようにして得られた結晶性半導体膜にセコエッチングを行って、SEMにより1万倍にて表面を観察した結果を図10に示す。なお、セコエッチングにおけるセコ液はHF:H2O=2:1に添加剤としてK2Cr27を用いて作製されるものである。図10は、図中の矢印で示す方向にレーザ光を相対的に走査させて得られたものである。レーザ光の走査方向に平行に大粒径の結晶粒が形成されている様子がわかる。つまり、レーザ光の走査方向に対して延在するように結晶成長がなされる。
【0107】
このように、本実施の形態の手法を用いて結晶化を行った半導体膜には大粒径の結晶粒が形成されている。そのため、前記半導体膜をTFTの活性層として用いて作製すると、前記TFTのチャネル形成領域に含まれる結晶粒界の本数を少なくすることができる。また、個々の結晶粒の内部は実質的に単結晶と見なせる結晶性を有することから、単結晶半導体を用いたトランジスタと同等の高いモビリティ(電界効果移動度)を得ることも可能である。
【0108】
更に、TFTを、そのキャリアの移動方向が、形成された結晶粒の延在する方向と揃うように配置すれば、キャリアが結晶粒界を横切る回数を極端に減らすことができる。そのため、オン電流値(TFTがオン状態にある時に流れるドレイン電流値)、オフ電流値(TFTがオフ状態にある時に流れるドレイン電流値)、しきい値電圧、S値及び電界効果移動度のバラツキを低減することも可能となり、電気的特性は著しく向上する。
【0109】
なお、半導体膜の広い範囲に楕円状ビーム156を照射するため、楕円状ビーム156をその長軸に垂直な方向に走査して半導体膜に照射する動作(以下、スキャンと表記する)を、複数回行っている。ここで、1回のスキャン毎に、楕円状ビーム156の位置は、その長軸に平行な方向にずらされる。また、連続するスキャン間では、その走査方向を逆にする。ここで、連続する2回のスキャンにおいて、一方を往路のスキャン、もう一方を復路のスキャンと呼ぶことにする。
【0110】
楕円状ビーム156の位置を、1回のスキャン毎にその長軸に平行な方向にずらす大きさを、ピッチdと表現する。また、往路のスキャンにおいて、図10に示したような大粒径の結晶粒が形成された領域の、楕円状ビーム156の走査方向に垂直な方向の長さを、D1と表記する。復路のスキャンにおいて、図10に示したような大粒径の結晶粒が形成された領域の、楕円状ビーム156の走査方向に垂直な方向の長さを、D2と表記する。また、D1とD2の平均値を、Dとする。
【0111】
このとき、オーバーラップ率RO.L%を式(1)にて定義する。
【0112】
O.L=(1−d/D)×100・・・(1)
【0113】
なお本実施の形態では、オーバーラップ率RO.Lを0%とした。
【0114】
[実施の形態5]
本実施の形態では、本発明のパッシブマトリクス型表示装置が有するTFTの活性層を作製する上で、半導体膜を結晶化する手法において、実施の形態4とは異なる例を示す。
【0115】
半導体膜として非晶質珪素膜を形成するまでの工程は、実施の形態4と同様である。その後、特開平7−183540号公報に記載された方法を利用し、前記半導体膜上にスピンコート法にて酢酸ニッケル水溶液(重量換算濃度5ppm、体積10ml)を塗布し、500℃の窒素雰囲気で1時間、550℃の窒素雰囲気で12時間の熱処理を行った。続いて、レーザアニール法により、半導体膜の結晶性の向上を行った。
【0116】
レーザアニ−ル法に用いるレーザとしては、連続発振のYVO4レーザを用いた。レーザアニール法の条件は、レーザ光としてYVO4レーザの第2高調波(波長532nm)を用い、図9で示した光学系における凸レンズ153に対するレーザ光の入射角φを約20°として、200μm×50μmの楕円状ビームを形成した。ガラス基板155を50cm/sの速度で移動させながら、前記楕円状ビームを照射して、半導体膜の結晶性の向上を行った。なお、楕円状ビーム156の相対的な走査方向は、楕円状ビーム156の長軸に垂直な方向とした。
【0117】
このようにして得られた結晶性半導体膜にセコエッチングを行って、SEMにより1万倍にて表面を観察した。その結果を図11に示す。図11は、図中の矢印で示す方向にレーザ光を相対的に走査させて得られたものであり、走査方向に対して延在して大粒径の結晶粒が形成されている様子がわかる。
【0118】
このように、本発明を用いて結晶化を行った半導体膜には大粒径の結晶粒が形成されているため、前記半導体膜を用いてTFTを作製すると、そのチャネル形成領域に含まれる結晶粒界の本数を少なくすることができる。また、個々の結晶粒は実質的に単結晶と見なせる結晶性を有することから、単結晶半導体を用いたトランジスタと同等の高いモビリティ(電界効果移動度)を得ることも可能である。
【0119】
更に、形成された結晶粒が一方向に揃っている。そのため、TFTを、そのキャリアの移動方向が、形成された結晶粒の延在する方向と揃うように配置すれば、キャリアが結晶粒界を横切る回数を極端に減らすことができる。そのため、オン電流値、オフ電流値、しきい値電圧、S値及び電界効果移動度のバラツキを低減することも可能となり、電気的特性は著しく向上する。
【0120】
なお、半導体膜の広い範囲に楕円状ビーム156を照射するため、楕円状ビーム156をその長軸に垂直な方向に走査して半導体膜に照射する動作(スキャン)を、複数回行っている。ここで、1回のスキャン毎に、楕円状ビーム156の位置は、その長軸に平行な方向にずらされる。また、連続するスキャン間では、その走査方向を逆にする。ここで実施の形態4と同様に、連続する2回のスキャンにおいて、一方を往路のスキャン、もう一方を復路のスキャンと呼ぶことにする。
【0121】
楕円状ビーム156の位置を、1回のスキャン毎にその長軸に平行な方向にずらす大きさを、ピッチdと表現する。また、往路のスキャンにおいて、図11に示したような大粒径の結晶粒が形成された領域の、楕円状ビーム156の走査方向に垂直な方向の長さを、D1と表記する。復路のスキャンにおいて、図11に示したような大粒径の結晶粒が形成された領域の、楕円状ビーム156の走査方向に垂直な方向の長さを、D2と表記する。また、D1とD2の平均値を、Dとする。
【0122】
このとき、式(1)と同様に、オーバーラップ率RO.L%が定義され、本実施の形態では、オーバーラップ率RO.Lを0%とした。
【0123】
また、上記結晶化の手法によって得られた半導体膜(図中、Improved CG−Siliconと表記)のラマン散乱分光の結果を図12に太線で示す。ここで、比較のため、単結晶シリコン(図中、ref.(100)Si Waferと表記)のラマン散乱分光の結果を細線で示した。また、非晶質珪素膜を形成後、熱処理を行って半導体膜が含有する水素を放出させた後、パルス発振のエキシマレーザを用い結晶化を行った半導体膜(図中、excimer laser annealingと表記)のラマン散乱分光の結果を図12に点線で示した。
【0124】
本実施の形態の手法によって得られた半導体膜のラマンシフトは、517.3cm-1のピークを有する。また、半値幅は、4.96cm-1である。一方、単結晶シリコンのラマンシフトは、520.7cm-1のピークを有する。また、半値幅は、4.44cm-1である。パルス発振のエキシマレーザを用い結晶化を行った半導体膜のラマンシフトは、516.3cm-1である。また、半値幅は、6.16cm-1である。
【0125】
図12の結果により、本実施の形態に示した結晶化の手法によって得られた半導体膜の結晶性が、パルス発振のエキシマレーザを用い結晶化を行った半導体膜の結晶性と比べて、単結晶シリコンに近いことがわかる。
【0126】
[実施の形態6]
本実施の形態では、実施の形態3に示した手法によって結晶化した半導体膜を用いてTFTを作製した例について、図13を用いて説明し、作製されたTFTの電気的特性について図14を用いて説明する。
【0127】
本実施の形態では基板20として、ガラス基板を用い、ガラス基板上に下地膜21として、プラズマCVD法により窒化酸化珪素膜(組成比Si=32%、O=27%、N=24%、H=17%)50nm、窒化酸化珪素膜(組成比Si=32%、O=59%、N=7%、H=2%)100nmを積層した。次いで、下地膜21上に半導体膜22として、プラズマCVD法により非晶質珪素膜150nmを形成した。そして、500℃で3時間の熱処理を行って、半導体膜が含有する水素を放出させた。(図13(A))
【0128】
その後、レーザ光として連続発振のYVO4レーザの第2高調波(波長532nm、5.5W)を用い、図9で示した光学系における凸レンズ153に対するレーザ光の入射角φを約20°として200μm×50μmの楕円状ビームを形成した。前記楕円状ビームを、50cm/sの速度で相対的に走査して、半導体膜22に照射した。こうして半導体膜23を形成した。(図13(B))
【0129】
そして、第1のドーピング処理を行う。これはしきい値を制御するためのチャネルドープである。材料ガスとしてB26を用い、ガス流量30sccm、電流密度0.05μA、加速電圧60keV、ドーズ量1×1014/cm2として行った。こうして、半導体膜24を形成した。(図13(C))
【0130】
続いて、パターニングを行って、半導体膜24を所望の形状にエッチングした後、エッチングされた半導体膜を覆うゲート絶縁膜27としてプラズマCVD法により膜厚115nmの窒化酸化珪素膜を形成する。次いで、ゲート絶縁膜27上に導電膜として膜厚30nmのTaN膜28と、膜厚370nmのW膜29を積層形成する。(図13(D))
【0131】
フォトリソグラフィ法を用いてレジストからなるマスク(図示せず)を形成して、W膜、TaN膜、ゲート絶縁膜をエッチングする。こうして導電層30、31、ゲート絶縁膜32を形成した。
【0132】
そして、レジストからなるマスクを除去し、新たにマスク33を形成して第2のドーピング処理を行い、半導体膜にn型を付与する不純物元素を導入する。この場合、導電層30、31がn型を付与する不純物元素に対するマスクとなり、自己整合的に不純物領域34が形成される。本実施の形態では第2のドーピング処理は、半導体膜の膜厚が150nmと厚いため2条件に分けて行った。本実施の形態では、材料ガスとしてフォスフィン(PH3)を用い、ドーズ量を2×1013/cm2とし、加速電圧を90keVとして行った後、ドーズ量を5×1014/cm2とし、加速電圧を10keVとして行った。(図13(E))
【0133】
次いで、レジストからなるマスク33を除去した後、新たにレジストからなるマスク35を形成して第3のドーピング処理を行う。第3のドーピング処理により、pチャネル型TFTの活性層となる半導体膜に前記一導電型とは逆の導電型を付与する不純物元素が添加された不純物領域36を形成する。導電層30、31を不純物元素に対するマスクとして用い、p型を付与する不純物元素を添加して自己整合的に不純物領域36を形成する。本実施の形態では第3のドーピング処理においても、半導体膜の膜厚が150nmと厚いため2条件に分けて行った。本実施の形態では、材料ガスとしてジボラン(B26)を用い、ドーズ量を2×1013/cm2とし、加速電圧を90keVとして行った後、ドーズ量を1×1015/cm2とし、加速電圧を10keVとして行った。(図13(F))
【0134】
以上までの工程で、それぞれの半導体層に不純物領域34、36が形成される。
【0135】
次いで、レジストからなるマスク35を除去して、プラズマCVD法により第1の層間絶縁膜37として膜厚50nmの窒化酸化珪素膜(組成比Si=32.8%、O=63.7%、N=3.5%)を形成した。
【0136】
次いで、熱処理により、半導体層の結晶性の回復、それぞれの半導体層に添加された不純物元素の活性化を行う。本実施の形態ではファーネスアニール炉を用いた熱アニール法により、窒素雰囲気中にて550度4時間の熱処理を行った。(図13(G))
【0137】
次いで、第1の層間絶縁膜37上に無機絶縁膜材料又は有機絶縁物材料から成る第2の層間絶縁膜38を形成する。本実施の形態では、CVD法により膜厚50nmの窒化珪素膜を形成した後、膜厚400nmの酸化珪素膜を形成した。
【0138】
そして、熱処理を行うと水素化処理を行うことができる。本実施の形態では、ファーネスアニール炉を用い、410度で1時間、窒素雰囲気中にて熱処理を行った。
【0139】
続いて、各不純物領域とそれぞれ電気的に接続する配線39を形成する。本実施の形態では、膜厚50nmのTi膜と、膜厚500nmのAl−Si膜と、膜厚50nmのTi膜との積層膜をパターニングして形成した。もちろん、二層構造に限らず、単層構造でもよいし、三層以上の積層構造にしてもよい。また、配線の材料としては、AlとTiに限らない。例えば、TaN膜上にAlやCuを形成し、更にTi膜を形成した積層膜をパターニングして配線を形成してもよい。(図13(H))
【0140】
以上の様にして、チャネル長6μm、チャネル幅4μmのnチャネル型TFT51とpチャネル型TFT52が形成された。
【0141】
これらの電気的特性を測定した結果を図14に示す。nチャネル型TFT51の電気的特性を図14(A)に、pチャネル型TFT52の電気的特性を図14(B)に示す。電気的特性の測定条件は、測定点をそれぞれ2点とし、ゲート電圧Vg=−16〜16Vの範囲で、ドレイン電圧Vd=1V及び5Vとした。また、図14において、ドレイン電流(ID)、ゲート電流(IG)は実線で、移動度(μFE)は点線で示している。
【0142】
本発明を用いて結晶化を行った半導体膜には大粒径の結晶粒が形成されているため、前記半導体膜を用いてTFTを作製すると、そのチャネル形成領域に含まれる結晶粒界の本数を少なくすることができる。更に、形成された結晶粒は一方向に揃っているため、キャリアが結晶粒界を横切る回数を極端に減らすことができる。そのため、図14に示したように電気的特性の良いTFTが得られる。特に移動度が、nチャネル型TFTにおいて524cm2/Vs、pチャネル型TFTにおいて205cm2/Vsとなることがわかる。このようなTFTを用いて半導体装置を作製すれば、その動作特性及び信頼性をも向上することが可能となる。
【0143】
本実施の形態に示すようなプロセスを用いて作製したTFTは高移動度を有するため、高速動作のロジック回路を実現することが可能となる。例えば、CPU、DSP、グラフィックアクセラレータ、画像処理回路、タイミングジェネレータ等における動作周波数として5MHz以上を実現することが可能となる。また、SRAMの読み出し速度として200nsec以下を実現することが可能である。また、DRAMの読み出し速度として1μsec以下を実現することが可能である。このような高速なロジック回路を実現することによって、より複雑なシステムを絶縁表面を有する基板上に作製することが可能となる。
【0144】
いいかえると、動作速度の制限が少なくなったことにより、より多様なロジック回路あるいはシステムを一体形成することが可能となり、より高機能で且つ小型の半導体装置を実現することが可能となる。
【0145】
[実施の形態7]
本実施の形態では、実施の形態5に示した手法によって結晶化した半導体膜を用いてTFTを作製した例について、図15を用いて説明し、作製されたTFTの電気的特性について図16〜図18を用いて説明する。
【0146】
半導体膜として非晶質珪素膜を形成するまでの工程は、実施の形態6と同様である。なお、非晶質珪素膜は、150nmの厚さで形成した。(図15(A))
【0147】
その後、特開平7−183540号公報に記載された方法を利用し、前記半導体膜上にスピンコート法にて酢酸ニッケル水溶液(重量換算濃度5ppm、体積10ml)を塗布して金属含有層41を形成する。そして、500℃の窒素雰囲気で1時間、550℃の窒素雰囲気で12時間の熱処理を行った。こうして半導体膜42を得た。(図15(B))
【0148】
続いて、レーザアニール法により、半導体膜42の結晶性の向上を行う。
【0149】
レーザアニール法の条件は、レーザ光として連続発振のYVO4レーザの第2高調波(波長532nm、5.5W)を用い、図9で示した光学系における凸レンズ153に対するレーザ光の入射角φを約20°として200μm×50μmの楕円状ビームを形成した。前記楕円状ビームを、基板を20cm/s又は50cm/sの速度で移動させながら照射して、半導体膜42の結晶性の向上を行った。こうして半導体膜43を得た。(図15(C))
【0150】
図15(C)の半導体膜の結晶化の後の工程は、実施の形態6において示した図13(C)〜図13(H)の工程と同様である。こうして、チャネル長6μm、チャネル幅4μmのnチャネル型TFT51とpチャネル型TFT52が形成された。これらの電気的特性を測定した。
【0151】
上記工程によって作製したTFTの電気的特性を、図16〜図18に示す。
【0152】
図16(A)及び図16(B)に、図15(C)のレーザアニール工程において、基板の速度を20cm/sで移動させて作製したTFTの電気的特性を示す。図16(A)に、nチャネル型TFT51の電気的特性を示す。また図16(B)に、pチャネル型TFT52の電気的特性を示す。また、図17(A)及び図17(B)に、図15(C)のレーザアニール工程において、基板の速度を50cm/sで移動させて作製したTFTの電気的特性を示す。図17(A)に、nチャネル型TFT51の電気的特性を示す。また図17(B)に、pチャネル型TFT52の電気的特性を示す。
【0153】
なお、電気的特性の測定条件は、ゲート電圧Vg=−16〜16Vの範囲で、ドレイン電圧Vd=1V及び5Vとした。また、図16、図17において、ドレイン電流(ID)、ゲート電流(IG)は実線で、移動度(μFE)は点線で示している。
【0154】
本発明を用いて結晶化を行った半導体膜には大粒径の結晶粒が形成されているため、前記半導体膜を用いてTFTを作製すると、そのチャネル形成領域に含まれる結晶粒界の本数を少なくすることができる。更に、形成された結晶粒は一方向に揃っており、レーザ光の相対的な走査方向に対して交差する方向に形成される粒界が少ないため、キャリアが結晶粒界を横切る回数を極端に減らすことができる。
【0155】
そのため、図16及び図17に示したように電気的特性の良いTFTが得られる。特に移動度が、図16ではnチャネル型TFTにおいて510cm2/Vs、pチャネル型TFTにおいて200cm2/Vs、また、図17ではnチャネル型TFTにおいて595cm2/Vs、pチャネル型TFTにおいて199cm2/Vsと非常に優れていることがわかる。そして、このようなTFTを用いて半導体装置を作製すれば、その動作特性及び信頼性をも向上することが可能となる。
【0156】
また、図18に、図15(C)のレーザアニール工程において、基板の速度を50cm/sで移動させて作製したTFTであって、図17のTFTと異なるTFTの電気的特性を示す。図18(A)に、nチャネル型TFT51の電気的特性を示す。また図18(B)に、pチャネル型TFT52の電気的特性を示す。
【0157】
なお、電気的特性の測定条件は、ゲート電圧Vg=−16〜16Vの範囲で、ドレイン電圧Vd=0.1V及び5Vとした。
【0158】
図18に示したように電気的特性の良いTFTが得られる。特に移動度が、図18(A)に示したnチャネル型TFTにおいて657cm2/Vs、図18(B)に示したpチャネル型TFTにおいて219cm2/Vsと非常に優れていることがわかる。そして、このようなTFTを用いて半導体装置を作製すれば、その動作特性及び信頼性をも向上することが可能となる。
【0159】
本実施の形態に示すようなプロセスを用いて作製したTFTは高移動度を有するため、高速動作のロジック回路を実現することが可能となる。例えば、CPU、DSP、グラフィックアクセラレータ、画像処理回路、タイミングジェネレータ等における動作周波数として5MHz以上を実現することが可能となる。また、SRAMの読み出し速度として200nsec以下を実現することが可能である。また、DRAMの読み出し速度として1μsec以下を実現することが可能である。このような高速なロジック回路を実現することによって、より複雑なシステムを絶縁表面を有する基板上に作製することが可能となる。
【0160】
いいかえると、動作速度の制限が少なくなったことにより、より多様なロジック回路あるいはシステムを一体形成することが可能となり、より高機能で且つ小型の半導体装置を実現することが可能となる。
【0161】
[実施の形態8]
図19は基板705上にパッシブマトリクス型表示装置の画素部と、前記画素部の下部領域に形成されたロジック回路を示すブロック図である。画像処理回路700は、インターフェース回路706を介して外部装置からデータを受け取る。また、画像処理回路700は制御信号あるいは画像データを作成する際のデータの一時的な格納場所であるワークメモリ701との間で、随時データの読み書きを行う。更に、画像処理回路700はフレームメモリ704に二次元的にアクセスし、ディスプレイに表示すべき画像データを書き込む。フレームメモリ704に書き込まれた画像データは、信号線駆動回路703及び走査線駆動回路702に送られ、画素に表示される。ワークメモリ701、フレームメモリ704としてDRAMやSRAMが用いられる。ただし、フレームメモリは不要であればなくてもよい。また、ロジック回路のうちの一部が外付けで実装されていてもよい。
【0162】
なお、本実施の形態のTFTの作製方法は、実施の形態3乃至7と組み合わせて実施することが可能である。
【0163】
[実施の形態9]
図20は同一基板805上にパッシブマトリクス型表示装置の画素部と、前記画素部の下部領域に形成されたロジック回路を示すブロック図である。タイミングジェネレータ800で、走査線駆動回路801及び信号線駆動回路802の動作タイミングを決めるクロック信号を生成する。階調電源生成部804で、階調基準を決める電圧を出力する。フォーマット変換部803で、圧縮符号化された入力信号の伸長復号、画像の補間やリサイズなどの画像処理が行われる。フォーマット変換された画像データは、走査線駆動回路801及び信号線駆動回路802により画素に表示される。また、上記ロジック回路のうちの一部が外付けで実装されていてもよい。
【0164】
なお、本実施の形態のTFTの作製方法は実施の形態3乃至7と組み合わせて実施することが可能である。
【0165】
[実施の形態10]
図21は基板904上にパッシブマトリクス型表示装置の画素部と、前記画素部の下部領域に形成されたロジック回路を示すブロック図である。図21では、前記ロジック回路として、第1の走査線駆動回路901、第2の走査線駆動回路903、第1の信号線駆動回路900、第2の信号線駆動回路902が、基板の4辺に沿うように形成されたパッシブマトリクス型表示装置を示している。本実施の形態では、第1の信号線駆動回路900から第1の信号線(図示せず)に出力された背景画を第1の走査線駆動回路901が走査することで背景画を表示させ、更に、第2の信号線駆動回路902から第2の信号線(図示せず)に出力された文字データを第2の走査線駆動回路903が走査することで背景画の表示とは独立に文字の表示を行う。
【0166】
なお、駆動回路の分割数や配置方法は上記の方法に限定されない。また、駆動回路のうちの一部が外付けで実装されていてもよい。
【0167】
なお、本実施の形態におけるTFTの作製方法は、実施の形態3乃至7と組み合わせて実施することが可能である。
【0168】
[実施の形態11]
図22は携帯ゲーム機にパッシブマトリクス型表示装置を用い、画素部の下部領域であって基板1008上に形成されたロジック回路を示すブロック図である。
【0169】
インターフェース回路1001を介して、基板1008上にない外部装置からシステムバス1005にデータが送られる。外部装置としては、たとえばROMやキーボードなどが挙げられる。外部装置との通信はCPU1000で制御される。データはシステムバス1005を経由して、メモリ1002に格納される。更に、データは画像処理回路1003により画像処理が施され、VRAM1004に格納される。VRAM1004に格納された画像データは、走査線駆動回路1006及び信号線駆動回路1007によって画素に表示される。メモリ1002及びVRAM1004として、DRAMやSRAMが用いられる。また、上記ロジック回路のうちの一部が外付けで実装されていてもよい。
【0170】
なお、本実施の形態のTFTの作製方法は実施の形態3乃至7と組み合わせて実施することが可能である。
【0171】
[実施の形態12]
本発明を用いた電子機器として、ビデオカメラ、デジタルカメラ、ゴーグル型ディスプレイ(ヘッドマウントディスプレイ)、ナビゲーションシステム、音響再生装置(カーオーディオ、オーディオコンポ等)、ノート型パーソナルコンピュータ、ゲーム機器、携帯情報端末(モバイルコンピュータ、携帯電話、携帯型ゲーム機又は電子書籍等)、記録媒体を備えた画像再生装置(具体的にはDigital Versatile Disc(DVD)等の記録媒体を再生し、その画像を表示しうるディスプレイを備えた装置)などが挙げられる。それらの電子機器の具体例を図23に示す。
【0172】
図23(A)は表示装置であり、筐体1401、支持台1402、表示部1403を含む。本発明は表示部1403を有する表示装置に適用が可能である。
【0173】
図23(B)はビデオカメラであり、本体1411、表示部1412、音声入力1413、操作スイッチ1414、バッテリー1415、受像部1416などによって構成されている。本発明は表示部1412を有する表示装置に適用が可能である。
【0174】
図23(C)はノート型のパーソナルコンピュータであり、本体1421、筐体1422、表示部1423、キーボード1424などによって構成されている。本発明は表示部1423を有する表示装置に適用が可能である。
【0175】
図23(D)は携帯情報端末であり、本体1431、スタイラス1432、表示部1433、操作ボタン1434、外部インターフェース1435などによって構成されている。本発明は表示部1433を有する表示装置に適用が可能である。
【0176】
図23(E)は音響再生装置、具体的には車載用のオーディオ装置であり、本体1441、表示部1442、操作スイッチ1443、1444などによって構成されている。本発明は表示部1442を有する表示装置に適用が可能である。また、今回は車載用オーディオ装置を例に上げたが、携帯型もしくは家庭用オーディオ装置に用いてもよい。
【0177】
図23(F)はデジタルカメラであり、本体1451、表示部(A)1452、接眼部1453、操作スイッチ1454、表示部(B)1455、バッテリー1456などによって構成されている。本発明は表示部(A)1452及び表示部(B)1455を有する表示装置に適用が可能である。
【0178】
図23(G)は携帯電話であり、本体1461、音声出力部1462、音声入力部1463、表示部1464、操作スイッチ1465、アンテナ1466などによって構成されている。本発明は表示部1464を有する表示装置に適用が可能である。
【0179】
これらの電子機器に使われる表示装置はガラス基板だけでなく耐熱性のプラスチック基板を用いることもできる。それによってよりいっそうの軽量化を図ることができる。
【0180】
なお、本実施の形態に示した例はごく一例であり、これらの用途に限定するものではないことを付記する。
【0181】
本実施の形態は、実施の形態1乃至11と自由に組み合わせて実施することが可能である。
【0182】
[実施の形態13]
本実施の形態では、絶縁表面を有する第1の基板(画素基板ともいう)に信号線駆動回及び走査線駆動回路を形成し、第1の基板に対向する第2の基板(対向基板ともいう)にロジック回路の一例であるCPUを形成し、ワイヤボンディング法で信号線駆動回路や走査線駆動回路(以下、信号線駆動回路及び走査線駆動回路を駆動回路と表記する)と、CPUとを接続する例を、図24を用いて説明する。
【0183】
図24(A)には、信号線駆動回路52と、走査線駆動回路53と、信号線駆動回路に接続される第1の電極54とが設けられる第1の基板50と、対向電極となる第2の電極54’とCPU56とが設けられる第2の基板55とを有するパッシブマトリクス型表示装置を示す。なお、信号線駆動回路、走査線駆動回路及びCPUはTFTを有している。
【0184】
なお第2の電極54’は、第2の基板55における第1の基板と対向する面(以下、第1の面と表記)に設けられている。またCPU56は、第2の基板55のける第1の面の反対側の面(以下、第2の面と表記)に設けられている。
【0185】
また図24(B)は、図24(A)のA−A’における断面を示す。なお、第1の基板50と第2の基板55との間には液晶材料(液晶層)が設けられているが、説明の便宜上図示しない。
【0186】
そして、第1の基板に設けられる信号線駆動回路や走査線駆動回路のTFT及び第1の電極54は、実施の形態3乃至11のいずれかに記載の方法で作製すればよい。
【0187】
次に、第2の基板に設けられる第2の電極54’とCPU56の作製方法について説明する。
【0188】
まず実施の形態3乃至11のいずれかに記載の方法を参照し、第2の基板の第2の面に、CPUとして機能するTFTを形成する。その後、TFT上にダミー基板を設け、第2の基板の第1の面に第2の電極54’、必要に応じてカラーフィルタ、平坦化膜等を形成する。そして、ダミー基板を剥離しCPUと第2の電極とが形成される第2の基板を得る。
【0189】
また第2の電極54’を形成後、第2の電極上にダミー基板を設け、その後TFTを形成しても構わない。但しこの場合、TFTの作製工程における加熱に耐えうる材料を第2の電極54’として使用したり、TFTの作製工程において、第2の電極に影響を与えない程度で結晶化や活性化(例えばレーザー処理)を行ったりする必要がある。
【0190】
また、TFTを保護するために形成されるパッシベーション膜に開口部(100μm×100μm程度)を設け、CPU56の一部(周辺)に複数の電極パッド57を形成する。なお、パッシベーション膜はSiN膜、SiNの応力を緩和するためにTEOSを混入させたSiN/TEOS膜、又はアクリル等の有機樹脂材料を有する膜から形成すればよい。また同様に、駆動回路においてパッシベーション膜に開口部を設け、電極パッド57を形成する。
【0191】
次いで、画素部と駆動回路との間に設けられるシール剤59により第1の基板50と、第2の基板55と張り合わせる。このときシール剤59は、第1の基板と第2の基板との間隔(ギャップ)を保持するためのスペーサを兼ねてもよい。もちろんギャップを正確に保持するために、適宜柱状スペーサや球状スペーサを設けても構わない。
【0192】
また、シール剤59は、駆動回路の外側に設けてもよく、更には画素部の一部や駆動回路の一部とを覆うように設けてもよい。但し画素部上や駆動回路上に設ける場合、画素部や駆動回路に対する接着時の応力を考慮してシール剤を配置する必要がある。
【0193】
その後、配線58を用いたワイヤボンディング法により、CPUの電極パッドと、駆動回路の電極パッドとが接続される。
【0194】
このように本発明は、CPUを駆動回路上の第2の基板に形成することができるため、パッシブマトリクス型表示装置の小型化を達成することができる。また、本実施の形態のように、CPUを駆動回路上方のみ形成することにより、透過型のパッシブマトリクス表示装置を提供することができる。
【0195】
更に、駆動電圧が十数Vと比較的高い信号線駆動回路52や走査線駆動回路53と、駆動電圧が数Vと比較的低いCPU55とを異なる基板に形成することにより、駆動電圧の異なるTFTの作製工程を異ならせることを可能とする。従って、第1の基板50と第2の基板55とにおいて、半導体膜の結晶化工程やゲート絶縁膜の膜厚といったTFTを形成するプロセスを異ならせることができ、目的に応ずるTFTを形成することができる。
【0196】
例えば、CPUが有するTFTの電気特性は、高移動度が要求されるため、対向基板上のTFTでは、レーザ、結晶化を助長させる金属元素を用いる。更にはそれらを合わせた結晶化プロセスを採用すればよい。一方、画素基板上のTFTでも高移動度は必要であるが、CPUと比較すると、TFTの移動度は高くなくともよい。
【0197】
また高速動作が要求されるCPUでは、駆動電圧の低電圧化と、それに伴うゲート絶縁膜の薄膜化が求められる。しかしながら、画素部に用いられるTFT等では表示装置の駆動電圧の制約により、駆動電圧の低電圧化及びゲート絶縁膜の薄膜化は難しかった。
【0198】
以上のように各TFTに要求される特性が異なっているが本発明は、各TFTにプロセスを異ならせることができるため、異なる基板毎に各TFTを設けることを特徴とする。
【0199】
また本実施の形態において、第2の基板の第1の面及び第2の面にそれぞれ第2の電極とCPUとを形成する場合を説明したが、第2の基板の同一面に第2の電極及びCPUを設けてもよい。この場合、導電性を有するFPCによりCPUと駆動回路とを接続すればよい。
【0200】
また、CPUの高さはスペーサと同程度であるため、シール剤509を設ける位置にCPUを設けてスペーサと機能させても構わない。この場合、駆動回路を設ける領域(辺)にCPUを設け、基板のその他の領域(その他の辺)にシール剤を設ければよい。また、駆動回路とCPUとは導電ペースト等を用いて接続すればよい。
【0201】
更に本実施の形態では、ロジック回路の例としてCPUで説明したが、レジスタ、デコーダ、カウンタ、分周回路、メモリ、制御回路、タイミングジェネレータ(タイミング生成回路)、SRAM、DRAM、画像処理回路、外部装置とのインターフェース回路、グラフィックアクセラレータ、マスクROM、DSPのいずれか、又は複数の回路を形成しても構わない。
【0202】
また、図25にはワイヤボンディング法により接続される図24(B)と異なる接続方法の例を記載する。
【0203】
図25(A)に示すように、パッシブマトリクス型表示装置の外枠(一般的に樹脂等で形成される外枠)61に予め配線62を形成する。配線62は、外枠61に溝を形成し、該溝にリード線を形成して得ることができる。このとき、配線の間隔は電極パッドの間隔にあわせるようにする。その後、外枠61にシール剤により固定された第1の基板51と第2の基板55とをはめ込み、駆動回路の電極パッドとCPUとの電極パッドを接続する。このように外枠に配線を設けることは、各電極パッドをワイヤボンディング法により接続するよりも簡単であり、更に接続不良を低減することができる。図25に示す接続法以外としては、プリント基板の要領で開口部と電極パッドを接続したり、ソケットの要領で接続したり、基板上に形成されたハンダバンプにより接続すればよい。
【0204】
このように、本発明のパッシブマトリクス型表示装置は、対向基板上にTFTを作製することによって、従来は表示部を構成する基板とは異なる基板上に形成され実装されていたロジック回路を、対向基板上に形成することを特徴とする。その結果、小型のパッシブマトリクス型表示装置を実現することができると共に、ICチップ等の実装を大幅に簡略化することが可能となり、実装面での信頼性を向上することができる。
【0205】
【発明の効果】
本発明によって、従来は外付けであったロジック回路の全体又は一部分を、反射電極を形成する基板上の画素領域と重なりをもつ領域に形成することで、パッシブマトリクス型表示装置の小型化を実現することが可能となる。また、ICチップ等の基板の実装を大幅に低減することが可能となり、ICチップ等の基板の実装に伴う信頼性の問題を解決することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 画素部の下部にロジック回路を形成した反射型のパッシブマトリクス型表示装置の模式図を示す図。
【図2】 反射型パッシブマトリクス型表示装置の画素部の断面図。
【図3】 液晶ディスプレイを搭載した従来の半導体装置の回路構成の例を示した模式図。
【図4】 従来のパッシブマトリクス型液晶表示装置の画素部と駆動回路部を表した模式図。
【図5】 同一基板上に形成された反射電極とTFTを示した断面図。
【図6】 ディスプレイ下部に電気回路が形成されたパッシブマトリクス型表示装置の模式図。
【図7】 画素及びロジック回路のTFTの作製工程を示した断面図。
【図8】 画素及びロジック回路のTFTの作製工程を示した断面図。
【図9】 レーザ光を基板表面上に形成した半導体膜に照射する際に用いる、光学系の模式図。
【図10】 結晶性半導体膜の表面のSEM像である。
【図11】 結晶性半導体膜の表面のSEM像である。
【図12】 半導体膜のラマン散乱分光の結果を示したグラフ。
【図13】 TFTの作製工程を示した断面図。
【図14】 図14(A)はnチャネル型TFTの電気的特性を示したグラフ。図14(B)はpチャネル型TFTの電気的特性を示したグラフ。
【図15】 半導体の結晶化の工程を示した断面図。
【図16】 図16(A)はnチャネル型TFTの電気的特性を示したグラフ。図16(B)はpチャネル型TFTの電気的特性を示したグラフ。
【図17】 図17(A)はnチャネル型TFTの電気的特性を示したグラフ。図17(B)はpチャネル型TFTの電気的特性を示したグラフ。
【図18】 図18(A)はnチャネル型TFTの電気的特性を示したグラフ。図18(B)はpチャネル型TFTの電気的特性を示したグラフ。
【図19】 パッシブマトリクス型表示装置の画素部の下部領域に形成されたロジック回路を示した模式図。
【図20】 パッシブマトリクス型表示装置の画素部の下部領域に形成されたロジック回路を示した模式図。
【図21】 パッシブマトリクス型表示装置の画素部の下部領域に形成されたロジック回路を示した模式図。
【図22】 パッシブマトリクス型表示装置の画素部の下部領域に形成されたロジック回路を示した模式図。
【図23】 パッシブマトリクス型表示装置を搭載した電子機器。
【図24】 パッシブマトリクス型表示装置の模式図を示す図。
【図25】 パッシブマトリクス型表示装置の模式図を示す図。

Claims (6)

  1. 絶縁表面を有する第1の基板と、
    前記第1の基板に対向する第2の基板と、
    前記第1の基板に設けられた第1の電極、信号線駆動回路、及び走査線駆動回路と、
    前記第2の基板に設けられた第2の電極及びロジック回路と、
    前記第1の基板及び前記第2の基板がはめ込まれた外枠とを有し、
    前記第1の電極は、前記信号線駆動回路及び前記走査線駆動回路の一方に電気的に接続され、
    前記第2の電極は、前記信号線駆動回路及び前記走査線駆動回路の他方に電気的に接続され、
    前記外枠の溝に形成された配線を介して前記信号線駆動回路及び前記走査線駆動回路の電極パッドと前記ロジック回路の電極パッドとが電気的に接続されていることを特徴とするパッシブマトリクス型表示装置。
  2. 請求項1において、
    前記ロジック回路は、SRAM、DRAM、フレームメモリ、タイミング生成回路、画像処理回路、CPU、DSP、もしくはマスクROMから選択された一つまたは複数の回路を構成することを特徴とするパッシブマトリクス型表示装置。
  3. 請求項1または2において、前記第1の基板は、プラスチック基板、ガラス基板及び石英基板のいずれか一つであることを特徴とするパッシブマトリクス型表示装置。
  4. 請求項1乃至のいずれか一において、前記第2の基板は、プラスチック基板、ガラス基板及び石英基板のいずれか一つであることを特徴とするパッシブマトリクス型表示装置。
  5. 請求項1乃至のいずれか一において、前記第1の電極は反射電極であることを特徴とするパッシブマトリクス型表示装置。
  6. 請求項1乃至のいずれか一において、前記第2の電極は透明電極であることを特徴とするパッシブマトリクス型表示装置。
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