JP4255240B2 - 粒状石炭灰のゼオライト化改質方法及び装置 - Google Patents

粒状石炭灰のゼオライト化改質方法及び装置 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、石炭灰造粒物をゼオライトに改質する方法及び/又は装置に関し、特に、石炭灰を造粒して取得した粒状石炭灰を、造粒形態を破壊することなく、維持してゼオライトに改質し、粒状ゼオライトを得る技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
石炭灰の利用方法として、石炭灰に水酸化ナトリウムなどのアルカリ溶液を加えてスラリー化し、水熱処理することにより多孔性物質であるゼオライトに改質する技術が特開昭59−86687号公報などに開示されている。このような改質ゼオライトは、人工ゼオライトとも言われ、ゼオライトの一種として、イオン交換能力、吸着能力、触媒能力、分子ふるい能力などの各種機能を有することから、多くの産業においてその利用が期待されている。
【0003】
しかしながら、上記多孔性物質たる人工ゼオライトの利用方法を考えたとき、水中での利用あるいはガスの吸着に利用する場合などには、粒状であることが好ましい。
また、石炭灰の利用法として石炭灰を造粒して路盤材や骨材への用途があるが、サイズ規格外などの理由により造粒工程において10〜30%の粒状体が副次的に産出されている。これらの副次生産物の有効な利用法が期待されている。かかる粒状石炭灰を、そのままゼオライト化できれば好都合である。
【0004】
ゼオライトの造粒物の製造方法としては、特開平3−40915号公報、特開平6−321528号公報などが提案されている。これらは、いずれも粉体の石炭灰をゼオライト化した後、造粒工程に導入する方法を採用している。これは、以下の理由から、一般的なゼオライト化の方法を粒状石炭灰に適用することができないからである。
(1)水熱反応工程において混合手段である攪拌機の羽根により造粒物が破壊されたり、また固液混合物をタンクからタンクへと移送する際、造粒物が破壊されたりすることの他、閉塞を起こす。
(2)一方、粒状物を攪拌することなく静置してゼオライト化の反応を行った場合、反応槽内でアルカリ濃度が不均一になりやすく、製品品質が不均一になるとともに、反応時間が長くなる。この場合、反応時間を短縮するためのアルカリ濃度を増加させた場合には、洗浄工程で必要となる水量と時間が増大し、結果としてコスト高となる。
【0005】
一方、特開2000−281332では、石炭灰を水酸化アルカリ水溶液に浸漬するなどのアルカリ処理した後、造粒し、成形し、次いで水熱反応工程を実施する方法を開示している。しかしながら、この方法は、以下の問題を含んでいる。
(1)粒子内部にアルカリが残留しやすく、残留したアルカリにより周囲を汚染する可能性を否定できない。
(2)アルカリ浸漬後に造粒、成形するため、アルカリ脱液後水熱反応工程に先立って、適正な水分への調整が必要となる。
(3)反応温度が120℃〜200℃と高温であるため、圧力容器を必要となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明では、上記した従来の問題点に鑑み、効率的に粒状ゼオライトを製造することのできる製造技術を提供することを、その目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、粒状の石炭灰の破壊を抑制しその形状を維持しつつ、石炭灰とアルカリとの水熱反応を有効に達成できる技術を検討した結果、粒状石炭灰とアルカリと水熱反応は、アルカリ溶液たる液体の移動相を利用することで均一でかつ確実に達成できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明によれば以下の手段が提供される。
【0008】
(1)粒状ゼオライトの製造方法であって、アルカリ溶液の移動相中に粒状石炭灰を維持して石炭灰とアルカリとの水熱反応を実施する工程と、前記水熱反応工程の反応相から反応生成物を分離する工程、とを備える、方法。
(2)前記アルカリ溶液の移動相は、アルカリ溶液の上昇流によって構成されている、(1)記載の方法。
(3)前記アルカリ溶液は循環経路内を循環して前記水熱反応工程に供給される、(1)又は(2)に記載の方法。
(4)粒状ゼオライトの製造方法であって、アルカリ溶液の循環経路を備える反応槽において、アルカリ溶液の移動相中に粒状石炭灰を維持して石炭灰とアルカリとの水熱反応を実施する水熱反応工程と、前記水熱反応工程の反応相から反応生成物を分離する工程、とを備える、方法。
(5)前記移動相は、前記反応槽の下部から供給され上部から排出される、(4)記載の方法。
(6)前記移動相は、アルカリ濃度が1wt%以上8wt%以下である、(1)〜(5)のいずれかに記載の方法。
(7)前記移動相を沸点を超えない温度で供給する、(1)〜(6)のいずれかに記載の方法。
(8)前記水熱反応工程において、相互の接触部位を変化させる程度に粒状石炭灰を移動させる、(1)〜(7)のいずれかに記載の方法。
(9)前記水熱反応工程においては、連続的または断続的に粒状石炭灰を相互移動させる、(1)〜(7)のいずれかに記載の方法。
(10)ゼオライトの製造装置であって、粒状石炭灰を内部に保持できる反応槽と、前記反応槽に付随して備えられるアルカリ溶液の供給経路、とを備え、前記反応槽では、前記アルカリ溶液の移動相中に粒状石炭灰が維持されるようになっている、装置。
(11)ゼオライトの製造装置であって、粒状石炭灰を内部に保持できる反応槽と、前記反応槽に付随して備えられるアルカリ溶液の循環経路、とを備え、前記反応槽では、前記循環経路によりアルカリ溶液が供給及び排出され、前記粒状石炭灰がアルカリ溶液の移動相中に維持されるようになっている、装置。
(12)前記反応槽には、反応槽内で粒状石炭灰を相互移動させる手段を備える、(10)又は(11)記載の装置。
(13)前記循環径路は、前記アルカリ溶液が前記反応槽の底部近傍から供給され上部からオーバーフローするように備えられている、(11)に記載の装置。
(14)前記反応槽には、粒状石炭灰を保持するとともに、反応槽の底部近傍からの前記アルカリ溶液の流入を許容する底部区画部を備える、(10)〜(13)のいずれかに記載の装置。
(15)前記アルカリ溶液を沸点を超えない程度に加熱する加熱手段、を備える、(10)〜(14)のいずれかに記載の装置。
(16)前記反応槽内の反応生成物の洗浄液供給手段を備える、(10)〜(15)のいずれかに記載の装置。
(17)前記アルカリ溶液の濃度を検出する手段を備える(10)〜(16)のいずれかに記載の装置。
【0009】
本発明の製造方法によれば、アルカリ溶液の移動相によりアルカリ溶液と粒状ゼオライトとの接触、反応が実施される。またこの移動相は、アルカリ濃度を均一化するための混合手段としての機能する。このため、粒状石炭灰の形状を維持しつつゼオライト化することができる。
また、本発明の装置によれば、効率的に粒状石炭灰とアルカリ溶液との水熱反応を達成することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
本発明の粒状ゼオライトの製造方法は、アルカリ溶液の移動相に粒状石炭灰を維持することにより、石炭灰とアルカリとの水熱反応を実施する工程と、前記水熱反応工程の反応相から反応生成物を分離する工程、とを備えている。
また、本発明の粒状ゼオライトの製造装置は、粒状ゼオライトの製造に適した装置であって、反応槽と、この反応槽に付随して備えられるアルカリ溶液の供給経路、とを備え、前記反応槽では、前記アルカリ溶液の移動相中に粒状石炭灰が維持されるようになっている。
【0011】
以下、本発明の製造技術につき、まず、製造工程について説明し、次いで、この製造工程を実施するのに適した装置について説明する。
(水熱反応工程)
本発明における水熱反応工程は、アルカリ溶液の移動相に粒状石炭灰を維持することによって実施する。
本発明を適用する粒状石炭灰は、石炭灰が粒状となっているものである。形態は特に限定しない。不定形の塊状、円柱状、タブレット状など各種形態を採り得る。大きさとしては、具体的には、粒径が1mm以上20mm程度であることが多い。粒状体であれば、造粒体であっても産出時において粒状のものであってもよい。反応効率などの観点から、粒径は約2mm〜約15mmのものを使用することが好ましい。
【0012】
アルカリ溶液は、従来の石炭灰の水熱反応に用いることのできるアルカリの溶液を特に限定することなく用いることができる。たとえば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどを用いることができる。
【0013】
アルカリ溶液におけるアルカリ濃度は、特に限定しないが、1wt%以上8wt%以下であることが好ましい。1wt%未満であると、得られる反応生成物である粒状ゼオライトの陽イオン交換容量(CEC)が小さすぎ、あるいは反応所要時間が長くなりすぎる。また、8wt%を超えると、アルカリ付着残量が多くなりすぎて反応生成物の洗浄に要する水量と時間が増大するからである。より好ましくは、2wt%以上5wt%以下である。なお、アルカリ濃度がこのような低濃度である場合には、水熱反応によるアルカリ消費による反応性低下の影響が顕著であるため、アルカリ濃度検出手段によってアルカリ濃度を検出するとともに、その濃度を一定に保持するアルカリ供給を実施することが好ましい。なお、アルカリ濃度を検出するには、特に限定しないが、連続計測などの点から電気伝導度を利用する検出手段を採用することが好ましい。
【0014】
アルカリ溶液の温度も特に限定しないが、沸点を超えない温度で供給することが好ましい。沸点を超えないことにより、反応雰囲気を高圧化しなくてもよいからである。また、常圧の反応雰囲気で実施できることにより、アルカリ溶液の移動相(特に循環径路を介した)を反応媒体として使用することが始めて可能となる。好ましくは、アルカリ溶液の温度は、90℃以上98℃以下である。90℃未満の場合には、水熱反応の所要時間が長くなりすぎ、98℃を超えると蒸発による熱の損失が大きくなるからである。より好ましくは、95℃以上98℃以下である。
【0015】
アルカリ溶液の移動相は、アルカリ溶液が移動しているのであれば、その態様を問うものではない。すなわち、アルカリ溶液がポンプなどの駆動手段によって供給(噴出を含む)、循環、さらには排出されるような状況においてアルカリ溶液の移動相が形成されているということができる。したがって、アルカリ溶液の移動相は、アルカリ溶液が供給されて循環あるいは移動する、カラム、管路および反応槽内において、当該部位にアルカリ溶液の移動相が存在しているといえる。
【0016】
アルカリ溶液の移動相の供給形態は特に問わない。反応槽の形態に応じて選択することができるが、上昇流、下降流、拡散流、渦流などとして供給することができる。好ましい供給形態の一つは、上昇流である。下方から上方への上昇流であると、反応槽内部に保持される粒状石炭灰に対して均一にアルカリ溶液を供給することができ(下降流の場合、重力作用で粒状石炭灰中にアルカリ溶液の通過経路が形成されやすい)、また、粒径の小さいものや破損や磨耗によって粉状体が発生しても、上昇流によって目詰まりを防止できるからである。
また、反応槽の中央側から内壁に向かい、オーバーフローするように供給する拡散流も好ましい供給形態である。この場合、反応槽の中央寄りに粒状石炭灰を保持部を形成し、粒状石炭灰の保持部位の中央にその深さにわたる複数の高さ位置でアルカリ溶液を供給できるようなアルカリ溶液供給配管を構成とし、反応槽の上部端縁からアルカリ溶液がオーバーフローさせるようにする。
また、循環経路などを介して循環する供給形態も好ましい形態である。循環径路によれば、循環流によって移動相が形成されるとともに、アルカリ溶液濃度の管理も可能であり、常時必要な濃度のアルカリを供給できるからである。
【0017】
本発明においては、アルカリ溶液の移動相中に粒状石炭灰を維持する、という点から、アルカリ溶液自体の移動がアルカリと粒状ゼオライトとの接触・両者の混合手段の主体となるように当該移動相が供給されることが好ましい。したがって、アルカリ溶液を主として攪拌、混合して移動相を形成し、あるいは移動相の形成を補助するために、アルカリ溶液の噴流を反応槽内で形成するアルカリ溶液の吐出手段、攪拌羽根などの機械的攪拌手段を利用することができる。また、同様の観点から、超音波などの液体振動による攪拌手段、エア供給による攪拌手段も用いることができる。
【0018】
また、アルカリ溶液の移動相中に粒状石炭灰を維持するとは、アルカリ溶液の移動相中において、処理しようとする粒状石炭灰の移動を制限して保持すること、あるいは粒状石炭灰を実質的に攪拌することなく保持することを意味する。すなわち、石炭灰の粒を移動相とともに移動させず、移動相に対して相対的に固定することを意味する。例えば、攪拌羽根などの攪拌部材や振動などの外力によって粒状石炭灰とともにアルカリ溶液を攪拌することで形成される状態、すなわち、粒状石炭灰の群が反応槽内をアルカリ溶液とともに連続的に流動あるいは移動するような状態は「粒状石炭灰を維持する」という語句からは排除されている。
【0019】
アルカリ溶液の移動相中に粒状石炭灰を維持する場合において、粒状石炭灰の相互接触位置を変位させる、あるいは粒状石炭灰を相互移動させることは、粒状体の表面において均一にゼオライト化させるために重要である。すなわち、同じ接触状態で粒状石炭灰が充てんないし維持されていると、接触部位はアルカリと接触しにくいために、水熱反応が進行しにくくなるからである。したがって、相互に接触する粒状石炭灰の接触位置を変える程度に粒状石炭灰を変位ないし移動させることが好ましい。以上のことから、互いに接触する粒の接触状態を変える程度に粒状石炭灰が移動するような場合は、「粒状石炭灰を維持する」という語句に包含されている。
【0020】
このような粒状石炭灰の移動を達成するために、粒状石炭灰の破損や磨耗が許容される範囲内において、粒状石炭灰に外力を粒状石炭灰に付与することができる。かかる外力付与手段としては、本来的に供給されているアルカリ溶液の移動相の相流の他、振動機や攪拌羽根などの機械的手段、超音波などによる液体振動手段、エア供給による気泡供給手段、アルカリ溶液の噴流供給手段などを用いることができる。
また、これらの外力は、水熱反応工程において連続的に粒状石炭灰に付与してもよいし、断続的に付与してもよい。粒状石炭灰の破損などを効果的に抑制する観点からは、断続的に付与することが好ましい。
【0021】
アルカリ溶液の移動相中に粒状石炭灰を維持する形態は、例えば、以下のようにして構成することができる。(1)カラム内に粒状石炭灰を充てんし、保持しておき、このカラムにアルカリ溶液を供給し、排出させる、(2)反応槽内に粒状石炭灰を静置しておき、反応槽下部からアルカリ溶液を供給し、反応槽上部からオーバーフローさせる(3)外部からアルカリ溶液が供給され排出可能な孔部を多数有する外壁を有する容器に粒状石炭灰を充てんし、この容器をアルカリ溶液が循環あるいは移動する槽あるいは流路にさらす、などの形態を採用することができる。いずれの形態においても、粒状石炭灰が浮上したり攪拌されたりしない程度にアルカリ溶液を供給するようにする。なかでも、上記(2)を採用することが好ましい。この場合、粒状石炭灰はその自重により上昇する移動相に抗して移動相中に維持されるからである。
【0022】
また、互いに接触する粒状石炭灰の接触状態を変える程度に粒状石炭灰が移動させるための形態は、たとえば、以下のようにして構成することができる。
図1(a)及び(b)に示すように反応槽内に、オーガ100,102を備えたり、図1(c)に示すように攪拌羽根104などの攪拌手段を備えたりすることができる。また、図1(d)及び(e)に示すように、振動機105aや超音波発生手段105bなどの振動手段を備えることもできる。図2(a)及び(b)に示すように、反応槽内にエア通気手段106、108を備えたりすることができる。
【0023】
アルカリ溶液の移動相中に粒状石炭灰を維持することによって、アルカリ溶液と石炭灰とが接触され、両者の間で水熱反応が行われ、ゼオライトが生成する。アルカリ溶液との接触と反応により表面からゼオライト化し、多孔質化するため、徐々に、石炭灰内部にまで反応が進行する。
また、粒状石炭灰の移動が制限され、あるいは実質的に攪拌されないため、粒状石炭灰が損傷するのが抑制され、粒状形態が維持された状態で反応が進行する。この結果、粒状ゼオライトを得ることができる。
【0024】
(粒状ゼオライトの分離工程)
このような水熱反応を一定時間行った後、反応相から反応生成物(粒状ゼオライト)を分離する。アルカリ溶液は移動相として反応系に供給されていたことから、通常、反応相からアルカリ溶液を容易に排除することができる。分離回収した反応溶液は、アルカリ濃度を調整することにより再利用することができる。
【0025】
(洗浄工程)
分離された粒状ゼオライトに対しては、好ましくは、アルカリ分を除去するために洗浄工程を実施する。本発明によれば、アルカリ移動相に替えて洗浄液(典型的には水である)を供給することで、粒状ゼオライトを洗浄することができる。すなわち、アルカリ溶液の供給形態を利用して洗浄液の移動相中に粒状ゼオライトを維持する形態で洗浄工程を実施することができる。このような洗浄工程によれば、容易にかつその粒状形態を維持して洗浄することができる。また、洗浄工程の実施のために、粒状ゼオライトを移送する作業も排除できるため、かかる作業によって粒状ゼオライトが破損することが排除される他、作業効率も向上する。
洗浄工程に伴って発生する洗浄排水は、アルカリを含むため、排水処理工程に供給されるか、あるいは、濃度調整して水熱反応のためのアルカリ溶液の一部として再利用する。
【0026】
また、洗浄工程後に、イオン交換工程を実施することができる。イオン交換工程は、洗浄液に替えて交換しようとする陽イオン(Ca2+など)を含有する溶液を供給することによって実施する。イオン交換液も洗浄液と同様、アルカリ溶液の供給形態(経路)を利用して、イオン交換液の移動相中に粒状ゼオライトを維持する形態で供給することにより、イオン交換工程を実施できる。
【0027】
アルカリ溶液の移動相中に粒状体を維持する反応工程、あるいはこれに加えて洗浄工程および/またはイオン交換工程を実施することにより、高い生産効率を達成することができるとともに、工程中の粒状体は、反応工程、分離工程、洗浄工程においていずれも破損が抑制されており、反応前の粒径と形状がよく維持された粒状ゼオライトを得ることができる。
さらに、アルカリ溶液の温度調整やアルカリ溶液の濃度の調整などにより、より高い生産効率とゼオライトの高品質化を達成することができる。また、上記反応工程、さらには洗浄工程が実施されることにより、粒状体内部に未反応のアルカリ成分が残留することが抑制されており、使用時においてアルカリによる悪影響の発生が回避されている。
【0028】
次に、このような粒状ゼオライトの製造工程を実施するのに適した装置について説明する。
図3には、本発明の装置の一形態の概略構成を示している。本装置2は特に、アルカリ溶液の移動相をアルカリ溶液が上方に向かう上昇流として供給する形態を採用している。
装置2は、アルカリ溶液の循環経路4とその一部に備えられる反応槽40とを備えている。
循環経路4は、アルカリ溶液の貯留手段6とアルカリ溶液の貯留手段6から反応槽40にアルカリ溶液を供給・排出する配管群20とを備えている。
アルカリ溶液貯留手段6には、内部に貯留されるアルカリ溶液を加熱可能に加熱手段8が備えられている。加熱手段8の種類は特に限定しないで公知の加熱手段を採用することができる。なお、アルカリ溶液を沸点を超えない程度に加熱できればよいので、アルカリ溶液貯留手段6には特別な加圧手段を要しない。
【0029】
アルカリ溶液貯留手段6には、アルカリ溶液のアルカリ濃度を検出する手段10を備えている。当該手段10は、従来公知のアルカリ成分検出手段を用いることができるが、被験液を連続的に計測する観点からは、好ましくは電気伝導度による検出手段を採用する。この検出手段10によって検出されたアルカリ濃度に関する信号は、図示しない制御手段に伝達され、制御手段において水熱反応のために設定された所定のアルカリ濃度とが比較され、所定のアルカリ濃度となるように制御される。すなわち、必要に応じて所定量のアルカリ成分を添加するように制御される。このようなアルカリ濃度調整は、自動制御されることが好ましく、アルカリ溶液貯留手段6には、図示しない制御装置によって制御されるアルカリ原液の供給手段12を備えることが好ましい。
アルカリ原液供給手段12は、アルカリ原液貯留手段14と、供給量の調整手段でもあるバルブ16と配管18とから構成することができる。この場合、バルブ16が図示しない制御装置によってその開閉が制御されることになる。
【0030】
配管群20は、アルカリ溶液貯留手段6から反応槽40に到達する配管21a、21bと、反応槽40から貯留手段6へと返流される配管22とを備えている。貯留手段6から反応槽40への配管には、アルカリ溶液の搬送手段としてのポンプ24が備えられている。本形態においては、配管21aと配管21bとの接続部分と、配管21b上、配管22上にバルブ25、26、27を備えている。これらのバルブ25,26、27によりアルカリ溶液の供給形態あるいは供給量を調整することができる。また、これらのバルブは図示しない制御装置によって制御され、一定量の流量を維持できるようになっている。
なお、本実施形態においては、必要時、具体的には水熱反応工程終了後に、反応槽40からアルカリ溶液を除去するための除去用配管23を備えている。本形態においては、供給用配管21bの途中に接続して設けられている。この配管23上に備えられるバルブ28と配管21b上のバルブ26とによってアルカリ溶液の除去タイミングが制御される。
【0031】
特に、本実施形態においては、アルカリ溶液循環経路4に加えて、洗浄液の供給手段30を備えている。この洗浄液供給手段30は、洗浄液の貯留手段32と洗浄液を反応槽40へと搬送する洗浄液供給用配管34と、反応槽40の上部から洗浄液を排出する洗浄排水排出用配管36とを備えている。搬送用配管34上には、洗浄液の搬送手段としてのポンプ38を備えている。本実施形態においては、特に、アルカリ溶液の循環経路4の一部において三方バルブ25を採用することで、搬送用配管34をアルカリ溶液循環経路4に接続し、この循環経路4を一部利用する形態で反応槽40に洗浄液を供給できるようになっている。
この形態によれば、水熱反応工程終了後の洗浄工程において、アルカリ溶液と同じ供給形態、すなわち、アルカリ溶液の移動相を反応槽40へ供給するように、洗浄液の移動相を反応槽40へ供給することができる。
なお、洗浄液の反応槽40への供給形態はこれに限定するものでなく、アルカリ溶液の循環経路4とは独立した供給経路を備えることにより、洗浄液の移動相を反応槽40に供給することもできる。
なお、本実施形態においては、必要時、具体的には洗浄工程終了後に、反応槽40から洗浄液を除去するための除去用配管39を備えている。この配管39上に備えられるバルブ39aによって洗浄液の除去タイミングが制御される。
排出用配管36、除去用配管39を通過する洗浄排水は、排水処理装置へ供給されるようにすることができる。洗浄排水の排出用配管36は、アルカリ溶液の返流用配管22よりもその開口が高い位置に形成されている。
【0032】
また、製造装置2には、イオン交換液を反応槽40に供給できるようにすることができる。この場合、イオン交換液を貯留する貯留手段を備えるようにし、この貯留手段から反応槽40へイオン交換液を供給し排出する経路を構成する配管群を備えるようにする。洗浄液の供給・排出と同様に、イオン交換液についても、アルカリ溶液の供給経路を一部利用することができる。この場合、洗浄液の貯留手段32からの洗浄液の供給と切替可能にイオン交換液の貯留手段を備えるようにすることができる。必要に応じて、イオン交換液の搬送ポンプを備えるようにすることもできる。
なお、他のイオンの混在を回避するには、イオン交換液を独立の経路で反応槽40に供給するようにすることが好ましい。
【0033】
反応槽40は、内部に粒状石炭灰を保持可能な形態を備え、アルカリ溶液循環経路4の一部に備えられている。
反応槽40の形態は特に限定しないが、図1に示すような上方に開口する容器形態とすることができる。
反応槽40には、その底部近傍にアルカリ溶液循環経路4の配管21bが接続されてアルカリ溶液が供給されるようになっているとともに、その上部には、アルカリ溶液循環経路4の返流用配管22へアルカリ溶液が流出できるようになっている。
【0034】
反応槽40の底部側の配管21bが接続される近傍には、当該配管21bの開口を含んで適度な大きさを備える区画手段42を備えることが好ましい。この区画手段42は、粒状石炭灰の保持領域を規制し、区画手段42の上部側に粒状石炭灰を保持し、区画手段42の底部側は、粒状石炭灰が保持されない領域とに区分けする手段である。また、この区画手段42は、底部側の反応槽40内に流入したアルカリ溶液を区画手段42外、すなわち、粒状石炭灰が保持される領域に供給できるようになっている。この区画手段42によれば、反応槽40に流入したアルカリ溶液の流入圧力を緩衝させることができる。また、区画手段の上方に保持される粒状石炭灰に対して均一にアルカリ溶液を供給させることができる。また、当該手段42で区画を形成することにより、反応槽40の底部近傍のいずれの箇所にアルカリ溶液の流入用の開口を設けても、均一に粒状石炭灰にアルカリ溶液を供給することができるようになる。
【0035】
区画手段42の形態は特に限定しないが、アルカリ溶液の通過を許容するとともに、粒状石炭灰を保持できる程度の多孔状体であることが好ましい。多孔状体としては、メッシュ状体、貫通孔を多数有する板状体などの各種形態、あるいはこれらを組み合わせた形態を採用することができる。例えば、反応槽40の内部の底部近傍に、粒状石炭灰よりも大きい孔径を有する板状体とその上に重ねられる粒状石炭灰がおおよそ通過しない程度の大きいメッシュサイズを有するメッシュ状体を重ねることができる。このような孔の大きさの異なる多孔状体を利用することで、粒状石炭灰の保持性とアルカリ溶液の通過性との双方を容易に確保することができる。また、アルカリ溶液の流入圧力の緩衝と均一供給も達成されやすくなる。
なお、このような多孔状体は、剛性を有しており、反応槽40内部において粒状石炭灰を載置支持可能な形態を採ることが好ましい。このような形態であると、粒状石炭灰の相互の接触する部位を移動させる程度には粒状石炭灰を移動させやすいからである。また、このような場合、特に、載置支持した粒状石炭灰の上方は何ら規制されないフリーの状態で反応槽40内に配置することもできるが、アルカリ溶液の移動を妨げない程度に粒状石炭灰の上方位置を規制する手段を設けることもできる。
【0036】
さらに、かかる区画手段42として、可撓性を有する膜状、ネット状、あるいはメッシュ状体を採用することもできる。この場合、このような区画手段42によって粒状石炭灰を載置支持してもよいし、また、かかる区画手段42によって内包される粒状石炭灰を反応槽40の内部にその吊り下げるようにして配置することもできる。
【0037】
このような区画手段42は、小規模装置の場合においては、容器状に形成することが好ましい。容器状に形成することで、反応槽40から、区画手段42を出し入れすることで、粒状石炭灰の供給や生成した粒状ゼオライトを取り出すことが容易となる。容器形態は、例えば、剛性体で区画手段42が構成される場合には、上部に開口する容器状(開閉可能な蓋体を備えていてもよい)や、可撓性体で区画手段42が構成される場合には、袋状体とすることができる。
【0038】
反応槽40は、好ましくは、アルカリ溶液の貯留手段6よりも高い位置に設置され、ポンプ24によって下方から搬送され反応槽40に供給されるアルカリ溶液の上昇流が供給されるとともに、自然流下により反応槽40の上部から循環経路4にアルカリ溶液が排出されるようになっている。このような供給形態であると、粒状石炭灰をアルカリ溶液の移動相に対して容易に維持することができる。
【0039】
さらに、反応槽40には、前述したように、他の手段を備えることもできる。すなわち、反応槽40内のアルカリ溶液を主として、振動、攪拌、混合して移動相を形成する手段、あるいは移動相の形成を補助するため手段として、アルカリ溶液の噴流を反応槽内で形成するアルカリ溶液の吐出手段、攪拌羽根などの機械的攪拌手段、超音波などの液体振動による攪拌手段、エア供給による攪拌手段を備えることができる。さらに、粒状石炭灰の破損や磨耗が許容される範囲内において、粒状石炭灰に外力を粒状石炭灰に付与して移動させる手段として、攪拌羽根などの機械的手段、超音波などによる液体振動手段、エア供給による気泡供給手段、アルカリ溶液の噴流供給手段などを備えることができる(図1及び図2参照)。
【0040】
次に、このようにして構成した装置2を用いて本発明の粒状ゼオライトの製造工程を実施する動作について説明する。
まず、反応槽40に粒状石炭灰を投入する。粒状石炭灰の供給量は、その粒状石炭灰の上限が配管22の開口よりも下方に位置にする程度とする。また、アルカリ溶液の貯留手段6には、所定の濃度のアルカリ溶液を調製して投入し、加熱手段8により所定温度に加熱する。
【0041】
所定温度に加熱されたアルカリ溶液をアルカリ溶液の循環経路4の配管群20を介して、駆動手段24により反応槽40に連続的に供給する。アルカリ溶液は、反応槽40内において上昇流として供給され、移動相を構成する。このとき、区画手段42に載置支持された粒状石炭灰は、その自重によりおおよそ一定位置に載置された状態を維持したままアルカリ溶液の移動相に曝される。このようなアルカリ移動相との接触状態により、アルカリ溶液と粒状石炭灰との水熱反応が進行する。
なお、アルカリ溶液の移動相に対して、反応槽40内で変化を付与したい場合などは、上記したアルカリ溶液移動相の形成補助手段などを使用することができる。
【0042】
水熱反応工程を実施する間、アルカリ溶液の濃度は、水熱反応の進行度合いによって変動する。このため、貯留手段6に附属されたアルカリ濃度検出手段10によって、アルカリ濃度をモニタリングすることが好ましい。モニタリングにより、アルカリ濃度が許容範囲以下の濃度になったことが検出された場合には、アルカリ原液供給手段12を利用してアルカリ濃度を一定に保持するようにする。本形態においては、アルカリ溶液が循環されているため、容易にアルカリ溶液の濃度をモニタリングし、かつ調整することができる。
【0043】
なお、本形態の水熱反応工程においては、アルカリ溶液の移動相そのものにより、粒状石炭灰の相互の接触状態を変化させる程度の外力が粒状石炭灰に付与され、粒状石炭灰の表面において均一に反応を進行させることができる。この形態に限らず、適切に粒状石炭灰を移動させるには、上記した各種外力付与手段を使用することができる。
【0044】
このようにして所定時間水熱反応工程を実施後、バルブ26を閉じ、バルブ28を開放して、反応相をアルカリ溶液貯留手段6に排出する。これにより、反応槽40内には、反応生成物である粒状ゼオライトが残留することになる。この状態で、次いで、バルブ26を開放し、バルブ28を閉じ、三方バルブ25を配管34側と配管21bとが連通するように操作し、駆動手段38を駆動させることにより、洗浄液がその貯留手段32から反応槽40に供給される。
【0045】
洗浄液は、アルカリ溶液とほぼ同様に反応槽40の下方から供給され、反応槽40の上方から流出される。流出された洗浄排水は配管36を介して排水処理装置に導入される。
このような洗浄工程によれば、洗浄液の移動相に対して粒状ゼオライトを維持することが容易にできるため、洗浄液と粒状ゼオライトとの十分な接触が得られて洗浄効果を得ることができるとともに、洗浄による粒状形態の破損を抑制することができる。反応槽40と洗浄槽を兼用し、洗浄工程の実施に際して、粒状ゼオライトの移動を伴なわないため、粒状ゼオライトの破損を抑制できる。
【0046】
洗浄工程を実施後は、バルブ39aを開放して、洗浄排水を反応槽40から排出させる。さらに、反応槽40を反転させるかあるいは粒状ゼオライトの取りだし手段を用いて反応槽40から粒状ゼオライトを搬出する。なお、排出前において、必要に応じてイオン交換工程を実施することができる。
【0047】
なお、本装置2においては、アルカリ溶液の循環経路を備える形態で説明したが、これに限定する趣旨でなく、アルカリ溶液が直接には循環しない供給経路を備える形態であってもよい。すなわち、供給したアルカリ溶液を連続的あるいは断続的あるいは一括で排出する形態とし、さらに排出させたアルカリ溶液を一旦貯留するようにすることもできる。貯留したアルカリ溶液は、再利用することができる。
【0048】
以上説明したように、本装置2によれば、本発明方法を効率的に実施することができる。特に、反応槽40を洗浄槽やイオン交換槽としても利用できる点、アルカリ溶液の循環経路4を洗浄液の供給経路と兼用できる点、アルカリ濃度を検出し調整できる点は、反応槽40内において区画手段42を備えるようにして、アルカリ溶液の移動相及び/又は洗浄液の移動相に対して粒状石炭灰あるいは粒状ゼオライトを維持し、あるいは容易に投入・取り出しできる点は、本形態の装置において有用である。
【0049】
【実施例】
(実施例)
反応槽に4kgの粒状石炭灰(粒径1mm〜5mm)を入れ2.5wt%の水酸化ナトリウム水溶液を温度97℃で毎分3Lの流量で、8時間水熱反応を行なった。得られた粒状ゼオライトの陽イオン交換容量を、酢酸アンモニウム法により測定したところ、表1に示すように、粒径2mm以下のものが87meq/100g、2mm超のものが61meq/100gであった。
また、粒状石炭灰と得られた粒状ゼオライトとの粒度分布を比較してみると、表2に示すように、粒状石炭灰は、2mm以下45.98%、2mm超が54.02%、水熱反応後の粒径2mm以下が46.77%、2mm超が53.23%であった。
なお、この時の反応槽内における、粒状石炭灰:アルカリ溶液の重量比は1:1であった。
【表1】
Figure 0004255240
【表2】
Figure 0004255240
【0050】
(比較例1)
比較例として実施例で使用した粒状石炭灰を使い反応槽に重量比が粒状石炭灰:アルカリ溶液=1:4になるように粒状石炭灰とアルカリ溶液(濃度:12%)を投入し、静置した状態で90℃、8時間で水熱合成した。得られた粒状ゼオライトの陽イオン交換容量を実施例と同様の方法により測定したところ、表1に示すように、陽イオン交換容量は粒径2mm以下が71meq/100g、2mm超が36meq/100gであった。
また、得られた粒状ゼオライトとの粒度分布は、表2に示すように、2mm以下52.45%、2mm超47.55%であった。
【0051】
(比較例2)
比較例2として実施例で使用した粒状石炭灰を使い反応槽に重量比が粒状石炭灰:アルカリ溶液=1:4になるように粒状石炭灰とアルカリ溶液(濃度:8%)を投入し、比較例1と同一条件で攪拌を行ないながら90℃、8時間で水熱合成した。得られた粒状ゼオライトの粒度分布は、表2に示すように、2mm以下58.72%、2mm超41.28%であった。
【0052】
本発明によれば、上述のように本願発明の粒状石炭灰のゼオライト化改質方法はアルカリ溶液中のアルカリ濃度を1〜8重量%とし、沸点以下の温度で粒状石炭灰を静置(或いは粒相互の接触部の位置関係を変える程度の攪拌或いは振動を含む)しアルカリ溶液を加熱・循環することにより効率よくゼオライト化転換反応を進行させることが可能になる。
【0053】
また、アルカリ溶液の温度を沸点以下にすることで水、熱の損失を少なくすることにより低コストで粒状石炭灰のゼオライト化転換反応を進行させることが可能になる。
【0054】
また、粒状石炭灰を静置することによりスラリー中の粒状石炭灰とアルカリ溶液の比率並びに反応槽内容積に対する投入量、粒状ゼオライトの生産性を大幅に向上させることができる。
【0055】
【発明の効果】
本発明によれば、効率的に粒状ゼオライトを製造することのできる製造技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明において使用する攪拌手段を例示する図((a)〜(e))である。
【図2】本発明において使用する攪拌手段を例示する図((a)及び(b))である。
【図3】本発明の装置の一実施形態を示す図である。
【符号の説明】
2 製造装置
4 アルカリ溶液の循環経路
6 アルカリ溶液の貯留手段
8 加熱手段
10 アルカリ濃度検出手段
12 アルカリ原液供給手段
14 アルカリ原液貯留手段
16 バルブ
18 配管
20 アルカリ溶液循環経路を構成する配管群
21a、21b アルカリ溶液供給配管
22 アルカリ溶液返流配管
23 アルカリ溶液除去用配管
30 洗浄液の供給手段
32 洗浄液の貯留手段
34 洗浄液の搬送用配管
36 洗浄排水排出用配管
38 ポンプ
39 洗浄液除去用配管
40 反応槽
42 区画手段

Claims (17)

  1. 粒状ゼオライトの製造方法であって、
    アルカリ溶液の移動相中に粒状石炭灰を維持して石炭灰とアルカリとの水熱反応を実施する工程と、
    前記水熱反応工程の反応相から反応生成物を分離する工程、
    とを備える、方法。
  2. 前記アルカリ溶液の移動相は、アルカリ溶液の上昇流によって構成されている、請求項1記載の方法。
  3. 前記アルカリ溶液は循環経路内を循環して前記水熱反応工程に供給される、請求項1または2に記載の方法。
  4. 粒状ゼオライトの製造方法であって、アルカリ溶液の循環経路を備える反応槽において、アルカリ溶液の移動相中に粒状石炭灰を維持して石炭灰とアルカリとの水熱反応を実施する水熱反応工程と、
    前記水熱反応工程の反応相から反応生成物を分離する工程、とを備える、方法。
  5. 前記移動相は、前記反応槽の下部から供給され上部から排出される請求項4記載の方法。
  6. 前記移動相は、アルカリ濃度が1wt%以上8wt%以下である、請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
  7. 前記移動相を沸点を超えない温度で供給する、請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
  8. 前記水熱反応工程において、相互の接触部位を変化させる程度に粒状石炭灰を移動させる、請求項1〜7のいずれかに記載の方法。
  9. 前記水熱反応工程においては、連続的または断続的に粒状石炭灰を相互移動させる、請求項1〜7のいずれかに記載の方法。
  10. ゼオライトの製造装置であって、
    粒状石炭灰を内部に保持できる反応槽と、
    前記反応槽に付随して備えられるアルカリ溶液の供給経路、
    とを備え、
    前記反応槽では、前記アルカリ溶液の移動相中に粒状石炭灰が維持されるようになっている、装置。
  11. ゼオライトの製造装置であって、粒状石炭灰を内部に保持できる反応槽と、前記反応槽に付随して備えられるアルカリ溶液の循環経路、とを備え、前記反応槽では、前記循環経路によりアルカリ溶液が供給及び排出され、前記粒状石炭灰がアルカリ溶液の移動相中に維持されるようになっている、装置。
  12. 前記反応槽には、反応槽内で粒状石炭灰を相互移動させる手段を備える、請求項10又は11記載の装置。
  13. 前記循環径路は、前記アルカリ溶液が前記反応槽の底部近傍から供給され上部からオーバーフローするように備えられている、請求項11に記載の装置。
  14. 前記反応槽には、粒状石炭灰を保持するとともに、反応槽の底部近傍からの前記アルカリ溶液の流入を許容する底部区画部を備える、請求項10〜13のいずれかに記載の装置。
  15. 前記アルカリ溶液を沸点を超えない程度に加熱する加熱手段、を備える、請求項10〜14記載の装置。
  16. 前記反応槽内の反応生成物の洗浄液供給手段を備える、請求項10〜15のいずれかに記載の装置。
  17. 前記アルカリ溶液の濃度を検出する手段を備える請求項10〜16のいずれかに記載の装置。
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