JP2003300723A - 粒状石炭灰のゼオライト化改質方法及び装置 - Google Patents

粒状石炭灰のゼオライト化改質方法及び装置

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Abstract

(57)【要約】 【課題】効率的に粒状ゼオライトを製造することのでき
る製造技術を提供する。 【解決手段】アルカリ溶液の移動相中に粒状石炭灰を維
持して石炭灰とアルカリとの水熱反応を実施する工程
と、前記水熱反応工程の反応相から反応生成物を分離す
る工程、とを備える方法により粒状ゼオライトを製造す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、石炭灰造粒物を
ゼオライトに改質する方法及び/又は装置に関し、特
に、石炭灰を造粒して取得した粒状石炭灰を、造粒形態
を破壊することなく、維持してゼオライトに改質し、粒
状ゼオライトを得る技術に関する。
【0002】
【従来の技術】石炭灰の利用方法として、石炭灰に水酸
化ナトリウムなどのアルカリ溶液を加えてスラリー化
し、水熱処理することにより多孔性物質であるゼオライ
トに改質する技術が特開昭59−86687号公報など
に開示されている。このような改質ゼオライトは、人工
ゼオライトとも言われ、ゼオライトの一種として、イオ
ン交換能力、吸着能力、触媒能力、分子ふるい能力など
の各種機能を有することから、多くの産業においてその
利用が期待されている。
【0003】しかしながら、上記多孔性物質たる人工ゼ
オライトの利用方法を考えたとき、水中での利用あるい
はガスの吸着に利用する場合などには、粒状であること
が好ましい。また、石炭灰の利用法として石炭灰を造粒
して路盤材や骨材への用途があるが、サイズ規格外など
の理由により造粒工程において10〜30%の粒状体が
副次的に産出されている。これらの副次生産物の有効な
利用法が期待されている。かかる粒状石炭灰を、そのま
まゼオライト化できれば好都合である。
【0004】ゼオライトの造粒物の製造方法としては、
特開平3−40915号公報、特開平6−321528
号公報などが提案されている。これらは、いずれも粉体
の石炭灰をゼオライト化した後、造粒工程に導入する方
法を採用している。これは、以下の理由から、一般的な
ゼオライト化の方法を粒状石炭灰に適用することができ
ないからである。 (1)水熱反応工程において混合手段である攪拌機の羽
根により造粒物が破壊されたり、また固液混合物をタン
クからタンクへと移送する際、造粒物が破壊されたりす
ることの他、閉塞を起こす。 (2)一方、粒状物を攪拌することなく静置してゼオラ
イト化の反応を行った場合、反応槽内でアルカリ濃度が
不均一になりやすく、製品品質が不均一になるととも
に、反応時間が長くなる。この場合、反応時間を短縮す
るためのアルカリ濃度を増加させた場合には、洗浄工程
で必要となる水量と時間が増大し、結果としてコスト高
となる。
【0005】一方、特開2000−281332では、
石炭灰を水酸化アルカリ水溶液に浸漬するなどのアルカ
リ処理した後、造粒し、成形し、次いで水熱反応工程を
実施する方法を開示している。しかしながら、この方法
は、以下の問題を含んでいる。 (1)粒子内部にアルカリが残留しやすく、残留したア
ルカリにより周囲を汚染する可能性を否定できない。 (2)アルカリ浸漬後に造粒、成形するため、アルカリ
脱液後水熱反応工程に先立って、適正な水分への調整が
必要となる。 (3)反応温度が120℃〜200℃と高温であるた
め、圧力容器を必要となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明では、
上記した従来の問題点に鑑み、効率的に粒状ゼオライト
を製造することのできる製造技術を提供することを、そ
の目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、粒状の石
炭灰の破壊を抑制しその形状を維持しつつ、石炭灰とア
ルカリとの水熱反応を有効に達成できる技術を検討した
結果、粒状石炭灰とアルカリと水熱反応は、アルカリ溶
液たる液体の移動相を利用することで均一でかつ確実に
達成できることを見出し、本発明を完成した。すなわ
ち、本発明によれば以下の手段が提供される。
【0008】(1)粒状ゼオライトの製造方法であっ
て、アルカリ溶液の移動相中に粒状石炭灰を維持して石
炭灰とアルカリとの水熱反応を実施する工程と、前記水
熱反応工程の反応相から反応生成物を分離する工程、と
を備える、方法。 (2)前記アルカリ溶液の移動相は、アルカリ溶液の上
昇流によって構成されている、(1)記載の方法。 (3)前記アルカリ溶液は循環経路内を循環して前記水
熱反応工程に供給される、(1)又は(2)に記載の方
法。 (4)粒状ゼオライトの製造方法であって、アルカリ溶
液の循環経路を備える反応槽において、アルカリ溶液の
移動相中に粒状石炭灰を維持する工程と、前記水熱反応
工程の反応相から反応生成物を分離する工程、とを備え
る、方法。 (5)前記移動相は、前記反応槽の下部から供給され上
部から排出される、(4)記載の方法。 (6)前記移動相は、アルカリ濃度が1wt%以上8w
t%以下である、(1)〜(5)のいずれかに記載の方
法。 (7)前記移動相を沸点を超えない温度で供給する、
(1)〜(6)のいずれかに記載の方法。 (8)前記水熱反応工程において、相互の接触部位を変
化させる程度に粒状石炭灰を移動させる、(1)〜
(7)のいずれかに記載の方法。 (9)前記水熱反応工程においては、連続的または断続
的に粒状石炭灰を相互移動させる、(1)〜(7)のい
ずれかに記載の方法。 (10)ゼオライトの製造装置であって、粒状石炭灰を
内部に保持できる反応槽と、前記反応槽に付随して備え
られるアルカリ溶液の供給経路、とを備え、前記反応槽
では、前記アルカリ溶液の移動相中に粒状石炭灰が維持
されるようになっている、装置。 (11)ゼオライトの製造装置であって、粒状石炭灰を
内部に保持できる反応槽と、前記反応槽に付随して備え
られるアルカリ溶液の循環経路、とを備え、前記反応槽
では、前記循環経路によりアルカリ溶液が供給及び排出
され、アルカリ溶液の移動相中に維持されるようになっ
ている、装置。 (12)前記反応槽には、反応槽内で粒状石炭灰を相互
移動させる手段を備える、(10)又は(11)記載の
装置。 (13)前記循環径路は、前記アルカリ溶液が前記反応
槽の底部近傍から供給され上部からオーバーフローする
ように備えられている、(11)に記載の装置。 (14)前記反応槽には、粒状石炭灰を保持するととも
に、反応槽の底部近傍からの前記アルカリ溶液の流入を
許容する底部区画部を備える、(10)〜(13)のい
ずれかに記載の装置。 (15)前記アルカリ溶液を沸点を超えない程度に加熱
する加熱手段、を備える、(10)〜(14)のいずれ
かに記載の装置。 (16)前記反応槽内の反応生成物の洗浄液供給手段を
備える、(10)〜(15)のいずれかに記載の装置。 (17)前記アルカリ溶液の濃度を検出する手段を備え
る(10)〜(16)のいずれかに記載の装置。
【0009】本発明の製造方法によれば、アルカリ溶液
の移動相によりアルカリ溶液と粒状ゼオライトとの接
触、反応が実施される。またこの移動相は、アルカリ濃
度を均一化するための混合手段としての機能する。この
ため、粒状石炭灰の形状を維持しつつゼオライト化する
ことができる。また、本発明の装置によれば、効率的に
粒状石炭灰とアルカリ溶液との水熱反応を達成すること
ができる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て詳細に説明する。本発明の粒状ゼオライトの製造方法
は、アルカリ溶液の移動相に粒状石炭灰を維持すること
により、石炭灰とアルカリとの水熱反応を実施する工程
と、前記水熱反応工程の反応相から反応生成物を分離す
る工程、とを備えている。また、本発明の粒状ゼオライ
トの製造装置は、粒状ゼオライトの製造に適した装置で
あって、反応槽と、この反応槽に付随して備えられるア
ルカリ溶液の供給経路、とを備え、前記反応槽では、前
記アルカリ溶液の移動相中に粒状石炭灰が維持されるよ
うになっている。
【0011】以下、本発明の製造技術につき、まず、製
造工程について説明し、次いで、この製造工程を実施す
るのに適した装置について説明する。 (水熱反応工程)本発明における水熱反応工程は、アル
カリ溶液の移動相に粒状石炭灰を維持することによって
実施する。本発明を適用する粒状石炭灰は、石炭灰が粒
状となっているものである。形態は特に限定しない。不
定形の塊状、円柱状、タブレット状など各種形態を採り
得る。大きさとしては、具体的には、粒径が1mm以上
20mm程度であることが多い。粒状体であれば、造粒
体であっても産出時において粒状のものであってもよ
い。反応効率などの観点から、粒径は約2mm〜約15
mmのものを使用することが好ましい。
【0012】アルカリ溶液は、従来の石炭灰の水熱反応
に用いることのできるアルカリの溶液を特に限定するこ
となく用いることができる。たとえば、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウムなどを用いることができる。
【0013】アルカリ溶液におけるアルカリ濃度は、特
に限定しないが、1wt%以上8wt%以下であること
が好ましい。1wt%未満であると、得られる反応生成
物である粒状ゼオライトの陽イオン交換容量(CEC)
が小さすぎ、あるいは反応所要時間が長くなりすぎる。
また、8wt%を超えると、アルカリ付着残量が多くな
りすぎて反応生成物の洗浄に要する水量と時間が増大す
るからである。より好ましくは、2wt%以上5wt%
以下である。なお、アルカリ濃度がこのような低濃度で
ある場合には、水熱反応によるアルカリ消費による反応
性低下の影響が顕著であるため、アルカリ濃度検出手段
によってアルカリ濃度を検出するとともに、その濃度を
一定に保持するアルカリ供給を実施することが好まし
い。なお、アルカリ濃度を検出するには、特に限定しな
いが、連続計測などの点から電気伝導度を利用する検出
手段を採用することが好ましい。
【0014】アルカリ溶液の温度も特に限定しないが、
沸点を超えない温度で供給することが好ましい。沸点を
超えないことにより、反応雰囲気を高圧化しなくてもよ
いからである。また、常圧の反応雰囲気で実施できるこ
とにより、アルカリ溶液の移動相(特に循環径路を介し
た)を反応媒体として使用することが始めて可能とな
る。好ましくは、アルカリ溶液の温度は、90℃以上9
8℃以下である。90℃未満の場合には、水熱反応の所
要時間が長くなりすぎ、98℃を超えると蒸発による熱
の損失が大きくなるからである。より好ましくは、95
℃以上98℃以下である。
【0015】アルカリ溶液の移動相は、アルカリ溶液が
移動しているのであれば、その態様を問うものではな
い。すなわち、アルカリ溶液がポンプなどの駆動手段に
よって供給(噴出を含む)、循環、さらには排出される
ような状況においてアルカリ溶液の移動相が形成されて
いるということができる。したがって、アルカリ溶液の
移動相は、アルカリ溶液が供給されて循環あるいは移動
する、カラム、管路および反応槽内において、当該部位
にアルカリ溶液の移動相が存在しているといえる。
【0016】アルカリ溶液の移動相の供給形態は特に問
わない。反応槽の形態に応じて選択することができる
が、上昇流、下降流、拡散流、渦流などとして供給する
ことができる。好ましい供給形態の一つは、上昇流であ
る。下方から上方への上昇流であると、反応槽内部に保
持される粒状石炭灰に対して均一にアルカリ溶液を供給
することができ(下降流の場合、重力作用で粒状石炭灰
中にアルカリ溶液の通過経路が形成されやすい)、ま
た、粒径の小さいものや破損や磨耗によって粉状体が発
生しても、上昇流によって目詰まりを防止できるからで
ある。また、反応槽の中央側から内壁に向かい、オーバ
ーフローするように供給する拡散流も好ましい供給形態
である。この場合、反応槽の中央寄りに粒状石炭灰を保
持部を形成し、粒状石炭灰の保持部位の中央にその深さ
にわたる複数の高さ位置でアルカリ溶液を供給できるよ
うなアルカリ溶液供給配管を構成とし、反応槽の上部端
縁からアルカリ溶液がオーバーフローさせるようにす
る。また、循環経路などを介して循環する供給形態も好
ましい形態である。循環径路によれば、循環流によって
移動相が形成されるとともに、アルカリ溶液濃度の管理
も可能であり、常時必要な濃度のアルカリを供給できる
からである。
【0017】本発明においては、アルカリ溶液の移動相
中に粒状石炭灰を維持する、という点から、アルカリ溶
液自体の移動がアルカリと粒状ゼオライトとの接触・両
者の混合手段の主体となるように当該移動相が供給され
ることが好ましい。したがって、アルカリ溶液を主とし
て攪拌、混合して移動相を形成し、あるいは移動相の形
成を補助するために、アルカリ溶液の噴流を反応槽内で
形成するアルカリ溶液の吐出手段、攪拌羽根などの機械
的攪拌手段を利用することができる。また、同様の観点
から、超音波などの液体振動による攪拌手段、エア供給
による攪拌手段も用いることができる。
【0018】また、アルカリ溶液の移動相中に粒状石炭
灰を維持するとは、アルカリ溶液の移動相中において、
処理しようとする粒状石炭灰の移動を制限して保持する
こと、あるいは粒状石炭灰を実質的に攪拌することなく
保持することを意味する。すなわち、石炭灰の粒を移動
相とともに移動させず、移動相に対して相対的に固定す
ることを意味する。例えば、攪拌羽根などの攪拌部材や
振動などの外力によって粒状石炭灰とともにアルカリ溶
液を攪拌することで形成される状態、すなわち、粒状石
炭灰の群が反応槽内をアルカリ溶液とともに連続的に流
動あるいは移動するような状態は「粒状石炭灰を維持す
る」という語句からは排除されている。
【0019】アルカリ溶液の移動相中に粒状石炭灰を維
持する場合において、粒状石炭灰の相互接触位置を変位
させる、あるいは粒状石炭灰を相互移動させることは、
粒状体の表面において均一にゼオライト化させるために
重要である。すなわち、同じ接触状態で粒状石炭灰が充
てんないし維持されていると、接触部位はアルカリと接
触しにくいために、水熱反応が進行しにくくなるからで
ある。したがって、相互に接触する粒状石炭灰の接触位
置を変える程度に粒状石炭灰を変位ないし移動させるこ
とが好ましい。以上のことから、互いに接触する粒の接
触状態を変える程度に粒状石炭灰が移動するような場合
は、「粒状石炭灰を維持する」という語句に包含されて
いる。
【0020】このような粒状石炭灰の移動を達成するた
めに、粒状石炭灰の破損や磨耗が許容される範囲内にお
いて、粒状石炭灰に外力を粒状石炭灰に付与することが
できる。かかる外力付与手段としては、本来的に供給さ
れているアルカリ溶液の移動相の相流の他、振動機や攪
拌羽根などの機械的手段、超音波などによる液体振動手
段、エア供給による気泡供給手段、アルカリ溶液の噴流
供給手段などを用いることができる。また、これらの外
力は、水熱反応工程において連続的に粒状石炭灰に付与
してもよいし、断続的に付与してもよい。粒状石炭灰の
破損などを効果的に抑制する観点からは、断続的に付与
することが好ましい。
【0021】アルカリ溶液の移動相中に粒状石炭灰を維
持する形態は、例えば、以下のようにして構成すること
ができる。(1)カラム内に粒状石炭灰を充てんし、保
持しておき、このカラムにアルカリ溶液を供給し、排出
させる、(2)反応槽内に粒状石炭灰を静置しておき、
反応槽下部からアルカリ溶液を供給し、反応槽上部から
オーバーフローさせる(3)外部からアルカリ溶液が供
給され排出可能な孔部を多数有する外壁を有する容器に
粒状石炭灰を充てんし、この容器をアルカリ溶液が循環
あるいは移動する槽あるいは流路にさらす、などの形態
を採用することができる。いずれの形態においても、粒
状石炭灰が浮上したり攪拌されたりしない程度にアルカ
リ溶液を供給するようにする。なかでも、上記(2)を
採用することが好ましい。この場合、粒状石炭灰はその
自重により上昇する移動相に抗して移動相中に維持され
るからである。
【0022】また、互いに接触する粒状石炭灰の接触状
態を変える程度に粒状石炭灰が移動させるための形態
は、たとえば、以下のようにして構成することができ
る。図1(a)及び(b)に示すように反応槽内に、オ
ーガ100,102を備えたり、図1(c)に示すよう
に攪拌羽根104などの攪拌手段を備えたりすることが
できる。また、図1(d)及び(e)に示すように、振
動機105aや超音波発生手段105bなどの振動手段
を備えることもできる。図2(a)及び(b)に示すよ
うに、反応槽内にエア通気手段106、108を備えた
りすることができる。
【0023】アルカリ溶液の移動相中に粒状石炭灰を維
持することによって、アルカリ溶液と石炭灰とが接触さ
れ、両者の間で水熱反応が行われ、ゼオライトが生成す
る。アルカリ溶液との接触と反応により表面からゼオラ
イト化し、多孔質化するため、徐々に、石炭灰内部にま
で反応が進行する。また、粒状石炭灰の移動が制限さ
れ、あるいは実質的に攪拌されないため、粒状石炭灰が
損傷するのが抑制され、粒状形態が維持された状態で反
応が進行する。この結果、粒状ゼオライトを得ることが
できる。
【0024】(粒状ゼオライトの分離工程)このような
水熱反応を一定時間行った後、反応相から反応生成物
(粒状ゼオライト)を分離する。アルカリ溶液は移動相
として反応系に供給されていたことから、通常、反応相
からアルカリ溶液を容易に排除することができる。分離
回収した反応溶液は、アルカリ濃度を調整することによ
り再利用することができる。
【0025】(洗浄工程)分離された粒状ゼオライトに
対しては、好ましくは、アルカリ分を除去するために洗
浄工程を実施する。本発明によれば、アルカリ移動相に
替えて洗浄液(典型的には水である)を供給すること
で、粒状ゼオライトを洗浄することができる。すなわ
ち、アルカリ溶液の供給形態を利用して洗浄液の移動相
中に粒状ゼオライトを維持する形態で洗浄工程を実施す
ることができる。このような洗浄工程によれば、容易に
かつその粒状形態を維持して洗浄することができる。ま
た、洗浄工程の実施のために、粒状ゼオライトを移送す
る作業も排除できるため、かかる作業によって粒状ゼオ
ライトが破損することが排除される他、作業効率も向上
する。洗浄工程に伴って発生する洗浄排水は、アルカリ
を含むため、排水処理工程に供給されるか、あるいは、
濃度調整して水熱反応のためのアルカリ溶液の一部とし
て再利用する。
【0026】また、洗浄工程後に、イオン交換工程を実
施することができる。イオン交換工程は、洗浄液に替え
て交換しようとする陽イオン(Ca2+など)を含有する
溶液を供給することによって実施する。イオン交換液も
洗浄液と同様、アルカリ溶液の供給形態(経路)を利用
して、イオン交換液の移動相中に粒状ゼオライトを維持
する形態で供給することにより、イオン交換工程を実施
できる。
【0027】アルカリ溶液の移動相中に粒状体を維持す
る反応工程、あるいはこれに加えて洗浄工程および/ま
たはイオン交換工程を実施することにより、高い生産効
率を達成することができるとともに、工程中の粒状体
は、反応工程、分離工程、洗浄工程においていずれも破
損が抑制されており、反応前の粒径と形状がよく維持さ
れた粒状ゼオライトを得ることができる。さらに、アル
カリ溶液の温度調整やアルカリ溶液の濃度の調整などに
より、より高い生産効率とゼオライトの高品質化を達成
することができる。また、上記反応工程、さらには洗浄
工程が実施されることにより、粒状体内部に未反応のア
ルカリ成分が残留することが抑制されており、使用時に
おいてアルカリによる悪影響の発生が回避されている。
【0028】次に、このような粒状ゼオライトの製造工
程を実施するのに適した装置について説明する。図3に
は、本発明の装置の一形態の概略構成を示している。本
装置2は特に、アルカリ溶液の移動相をアルカリ溶液が
上方に向かう上昇流として供給する形態を採用してい
る。装置2は、アルカリ溶液の循環経路4とその一部に
備えられる反応槽40とを備えている。循環経路4は、
アルカリ溶液の貯留手段6とアルカリ溶液の貯留手段6
から反応槽40にアルカリ溶液を供給・排出する配管群
20とを備えている。アルカリ溶液貯留手段6には、内
部に貯留されるアルカリ溶液を加熱可能に加熱手段8が
備えられている。加熱手段8の種類は特に限定しないで
公知の加熱手段を採用することができる。なお、アルカ
リ溶液を沸点を超えない程度に加熱できればよいので、
アルカリ溶液貯留手段6には特別な加圧手段を要しな
い。
【0029】アルカリ溶液貯留手段6には、アルカリ溶
液のアルカリ濃度を検出する手段10を備えている。当
該手段10は、従来公知のアルカリ成分検出手段を用い
ることができるが、被験液を連続的に計測する観点から
は、好ましくは電気伝導度による検出手段を採用する。
この検出手段10によって検出されたアルカリ濃度に関
する信号は、図示しない制御手段に伝達され、制御手段
において水熱反応のために設定された所定のアルカリ濃
度とが比較され、所定のアルカリ濃度となるように制御
される。すなわち、必要に応じて所定量のアルカリ成分
を添加するように制御される。このようなアルカリ濃度
調整は、自動制御されることが好ましく、アルカリ溶液
貯留手段6には、図示しない制御装置によって制御され
るアルカリ原液の供給手段12を備えることが好まし
い。アルカリ原液供給手段12は、アルカリ原液貯留手
段14と、供給量の調整手段でもあるバルブ16と配管
18とから構成することができる。この場合、バルブ1
6が図示しない制御装置によってその開閉が制御される
ことになる。
【0030】配管群20は、アルカリ溶液貯留手段6か
ら反応槽40に到達する配管21a、21bと、反応槽
40から貯留手段6へと返流される配管22とを備えて
いる。貯留手段6から反応槽40への配管には、アルカ
リ溶液の搬送手段としてのポンプ24が備えられてい
る。本形態においては、配管21aと配管21bとの接
続部分と、配管21b上、配管22上にバルブ25、2
6、27を備えている。これらのバルブ25,26、2
7によりアルカリ溶液の供給形態あるいは供給量を調整
することができる。また、これらのバルブは図示しない
制御装置によって制御され、一定量の流量を維持できる
ようになっている。なお、本実施形態においては、必要
時、具体的には水熱反応工程終了後に、反応槽40から
アルカリ溶液を除去するための除去用配管23を備えて
いる。本形態においては、供給用配管21bの途中に接
続して設けられている。この配管23上に備えられるバ
ルブ28と配管21b上のバルブ26とによってアルカ
リ溶液の除去タイミングが制御される。
【0031】特に、本実施形態においては、アルカリ溶
液循環経路4に加えて、洗浄液の供給手段30を備えて
いる。この洗浄液供給手段30は、洗浄液の貯留手段3
2と洗浄液を反応槽40へと搬送する洗浄液供給用配管
34と、反応槽40の上部から洗浄液を排出する洗浄排
水排出用配管36とを備えている。搬送用配管34上に
は、洗浄液の搬送手段としてのポンプ38を備えてい
る。本実施形態においては、特に、アルカリ溶液の循環
経路4の一部において三方バルブ25を採用すること
で、搬送用配管34をアルカリ溶液循環経路4に接続
し、この循環経路4を一部利用する形態で反応槽40に
洗浄液を供給できるようになっている。この形態によれ
ば、水熱反応工程終了後の洗浄工程において、アルカリ
溶液と同じ供給形態、すなわち、アルカリ溶液の移動相
を反応槽40へ供給するように、洗浄液の移動相を反応
槽40へ供給することができる。なお、洗浄液の反応槽
40への供給形態はこれに限定するものでなく、アルカ
リ溶液の循環経路4とは独立した供給経路を備えること
により、洗浄液の移動相を反応槽40に供給することも
できる。なお、本実施形態においては、必要時、具体的
には洗浄工程終了後に、反応槽40から洗浄液を除去す
るための除去用配管39を備えている。この配管39上
に備えられるバルブ39aによって洗浄液の除去タイミ
ングが制御される。排出用配管36、除去用配管39を
通過する洗浄排水は、排水処理装置へ供給されるように
することができる。洗浄排水の排出用配管36は、アル
カリ溶液の返流用配管22よりもその開口が高い位置に
形成されている。
【0032】また、製造装置2には、イオン交換液を反
応槽40に供給できるようにすることができる。この場
合、イオン交換液を貯留する貯留手段を備えるように
し、この貯留手段から反応槽40へイオン交換液を供給
し排出する経路を構成する配管群を備えるようにする。
洗浄液の供給・排出と同様に、イオン交換液について
も、アルカリ溶液の供給経路を一部利用することができ
る。この場合、洗浄液の貯留手段32からの洗浄液の供
給と切替可能にイオン交換液の貯留手段を備えるように
することができる。必要に応じて、イオン交換液の搬送
ポンプを備えるようにすることもできる。なお、他のイ
オンの混在を回避するには、イオン交換液を独立の経路
で反応槽40に供給するようにすることが好ましい。
【0033】反応槽40は、内部に粒状石炭灰を保持可
能な形態を備え、アルカリ溶液循環経路4の一部に備え
られている。反応槽40の形態は特に限定しないが、図
1に示すような上方に開口する容器形態とすることがで
きる。反応槽40には、その底部近傍にアルカリ溶液循
環経路4の配管21bが接続されてアルカリ溶液が供給
されるようになっているとともに、その上部には、アル
カリ溶液循環経路4の返流用配管22へアルカリ溶液が
流出できるようになっている。
【0034】反応槽40の底部側の配管21bが接続さ
れる近傍には、当該配管21bの開口を含んで適度な大
きさを備える区画手段42を備えることが好ましい。こ
の区画手段42は、粒状石炭灰の保持領域を規制し、区
画手段42の上部側に粒状石炭灰を保持し、区画手段4
2の底部側は、粒状石炭灰が保持されない領域とに区分
けする手段である。また、この区画手段42は、底部側
の反応槽40内に流入したアルカリ溶液を区画手段42
外、すなわち、粒状石炭灰が保持される領域に供給でき
るようになっている。この区画手段42によれば、反応
槽40に流入したアルカリ溶液の流入圧力を緩衝させる
ことができる。また、区画手段の上方に保持される粒状
石炭灰に対して均一にアルカリ溶液を供給させることが
できる。また、当該手段42で区画を形成することによ
り、反応槽40の底部近傍のいずれの箇所にアルカリ溶
液の流入用の開口を設けても、均一に粒状石炭灰にアル
カリ溶液を供給することができるようになる。
【0035】区画手段42の形態は特に限定しないが、
アルカリ溶液の通過を許容するとともに、粒状石炭灰を
保持できる程度の多孔状体であることが好ましい。多孔
状体としては、メッシュ状体、貫通孔を多数有する板状
体などの各種形態、あるいはこれらを組み合わせた形態
を採用することができる。例えば、反応槽40の内部の
底部近傍に、粒状石炭灰よりも大きい孔径を有する板状
体とその上に重ねられる粒状石炭灰がおおよそ通過しな
い程度の大きいメッシュサイズを有するメッシュ状体を
重ねることができる。このような孔の大きさの異なる多
孔状体を利用することで、粒状石炭灰の保持性とアルカ
リ溶液の通過性との双方を容易に確保することができ
る。また、アルカリ溶液の流入圧力の緩衝と均一供給も
達成されやすくなる。なお、このような多孔状体は、剛
性を有しており、反応槽40内部において粒状石炭灰を
載置支持可能な形態を採ることが好ましい。このような
形態であると、粒状石炭灰の相互の接触する部位を移動
させる程度には粒状石炭灰を移動させやすいからであ
る。また、このような場合、特に、載置支持した粒状石
炭灰の上方は何ら規制されないフリーの状態で反応槽4
0内に配置することもできるが、アルカリ溶液の移動を
妨げない程度に粒状石炭灰の上方位置を規制する手段を
設けることもできる。
【0036】さらに、かかる区画手段42として、可撓
性を有する膜状、ネット状、あるいはメッシュ状体を採
用することもできる。この場合、このような区画手段4
2によって粒状石炭灰を載置支持してもよいし、また、
かかる区画手段42によって内包される粒状石炭灰を反
応槽40の内部にその吊り下げるようにして配置するこ
ともできる。
【0037】このような区画手段42は、小規模装置の
場合においては、容器状に形成することが好ましい。容
器状に形成することで、反応槽40から、区画手段42
を出し入れすることで、粒状石炭灰の供給や生成した粒
状ゼオライトを取り出すことが容易となる。容器形態
は、例えば、剛性体で区画手段42が構成される場合に
は、上部に開口する容器状(開閉可能な蓋体を備えてい
てもよい)や、可撓性体で区画手段42が構成される場
合には、袋状体とすることができる。
【0038】反応槽40は、好ましくは、アルカリ溶液
の貯留手段6よりも高い位置に設置され、ポンプ24に
よって下方から搬送され反応槽40に供給されるアルカ
リ溶液の上昇流が供給されるとともに、自然流下により
反応槽40の上部から循環経路4にアルカリ溶液が排出
されるようになっている。このような供給形態である
と、粒状石炭灰をアルカリ溶液の移動相に対して容易に
維持することができる。
【0039】さらに、反応槽40には、前述したよう
に、他の手段を備えることもできる。すなわち、反応槽
40内のアルカリ溶液を主として、振動、攪拌、混合し
て移動相を形成する手段、あるいは移動相の形成を補助
するため手段として、アルカリ溶液の噴流を反応槽内で
形成するアルカリ溶液の吐出手段、攪拌羽根などの機械
的攪拌手段、超音波などの液体振動による攪拌手段、エ
ア供給による攪拌手段を備えることができる。さらに、
粒状石炭灰の破損や磨耗が許容される範囲内において、
粒状石炭灰に外力を粒状石炭灰に付与して移動させる手
段として、攪拌羽根などの機械的手段、超音波などによ
る液体振動手段、エア供給による気泡供給手段、アルカ
リ溶液の噴流供給手段などを備えることができる(図1
及び図2参照)。
【0040】次に、このようにして構成した装置2を用
いて本発明の粒状ゼオライトの製造工程を実施する動作
について説明する。まず、反応槽40に粒状石炭灰を投
入する。粒状石炭灰の供給量は、その粒状石炭灰の上限
が配管22の開口よりも下方に位置にする程度とする。
また、アルカリ溶液の貯留手段6には、所定の濃度のア
ルカリ溶液を調製して投入し、加熱手段8により所定温
度に加熱する。
【0041】所定温度に加熱されたアルカリ溶液をアル
カリ溶液の循環経路4の配管群20を介して、駆動手段
24により反応槽40に連続的に供給する。アルカリ溶
液は、反応槽40内において上昇流として供給され、移
動相を構成する。このとき、区画手段42に載置支持さ
れた粒状石炭灰は、その自重によりおおよそ一定位置に
載置された状態を維持したままアルカリ溶液の移動相に
曝される。このようなアルカリ移動相との接触状態によ
り、アルカリ溶液と粒状石炭灰との水熱反応が進行す
る。なお、アルカリ溶液の移動相に対して、反応槽40
内で変化を付与したい場合などは、上記したアルカリ溶
液移動相の形成補助手段などを使用することができる。
【0042】水熱反応工程を実施する間、アルカリ溶液
の濃度は、水熱反応の進行度合いによって変動する。こ
のため、貯留手段6に附属されたアルカリ濃度検出手段
10によって、アルカリ濃度をモニタリングすることが
好ましい。モニタリングにより、アルカリ濃度が許容範
囲以下の濃度になったことが検出された場合には、アル
カリ原液供給手段12を利用してアルカリ濃度を一定に
保持するようにする。本形態においては、アルカリ溶液
が循環されているため、容易にアルカリ溶液の濃度をモ
ニタリングし、かつ調整することができる。
【0043】なお、本形態の水熱反応工程においては、
アルカリ溶液の移動相そのものにより、粒状石炭灰の相
互の接触状態を変化させる程度の外力が粒状石炭灰に付
与され、粒状石炭灰の表面において均一に反応を進行さ
せることができる。この形態に限らず、適切に粒状石炭
灰を移動させるには、上記した各種外力付与手段を使用
することができる。
【0044】このようにして所定時間水熱反応工程を実
施後、バルブ26を閉じ、バルブ28を開放して、反応
相をアルカリ溶液貯留手段6に排出する。これにより、
反応槽40内には、反応生成物である粒状ゼオライトが
残留することになる。この状態で、次いで、バルブ26
を開放し、バルブ28を閉じ、三方バルブ25を配管3
4側と配管21bとが連通するように操作し、駆動手段
38を駆動させることにより、洗浄液がその貯留手段3
2から反応槽40に供給される。
【0045】洗浄液は、アルカリ溶液とほぼ同様に反応
槽40の下方から供給され、反応槽40の上方から流出
される。流出された洗浄排水は配管36を介して排水処
理装置に導入される。このような洗浄工程によれば、洗
浄液の移動相に対して粒状ゼオライトを維持することが
容易にできるため、洗浄液と粒状ゼオライトとの十分な
接触が得られて洗浄効果を得ることができるとともに、
洗浄による粒状形態の破損を抑制することができる。反
応槽40と洗浄槽を兼用し、洗浄工程の実施に際して、
粒状ゼオライトの移動を伴なわないため、粒状ゼオライ
トの破損を抑制できる。
【0046】洗浄工程を実施後は、バルブ39aを開放
して、洗浄排水を反応槽40から排出させる。さらに、
反応槽40を反転させるかあるいは粒状ゼオライトの取
りだし手段を用いて反応槽40から粒状ゼオライトを搬
出する。なお、排出前において、必要に応じてイオン交
換工程を実施することができる。
【0047】なお、本装置2においては、アルカリ溶液
の循環経路を備える形態で説明したが、これに限定する
趣旨でなく、アルカリ溶液が直接には循環しない供給経
路を備える形態であってもよい。すなわち、供給したア
ルカリ溶液を連続的あるいは断続的あるいは一括で排出
する形態とし、さらに排出させたアルカリ溶液を一旦貯
留するようにすることもできる。貯留したアルカリ溶液
は、再利用することができる。
【0048】以上説明したように、本装置2によれば、
本発明方法を効率的に実施することができる。特に、反
応槽40を洗浄槽やイオン交換槽としても利用できる
点、アルカリ溶液の循環経路4を洗浄液の供給経路と兼
用できる点、アルカリ濃度を検出し調整できる点は、反
応槽40内において区画手段42を備えるようにして、
アルカリ溶液の移動相及び/又は洗浄液の移動相に対し
て粒状石炭灰あるいは粒状ゼオライトを維持し、あるい
は容易に投入・取り出しできる点は、本形態の装置にお
いて有用である。
【0049】
【実施例】(実施例)反応槽に4kgの粒状石炭灰(粒
径1mm〜5mm)を入れ2.5wt%の水酸化ナトリ
ウム水溶液を温度97℃で毎分3Lの流量で、8時間水
熱反応を行なった。得られた粒状ゼオライトの陽イオン
交換容量を、酢酸アンモニウム法により測定したとこ
ろ、表1に示すように、粒径2mm以下のものが87m
eq/100g、2mm超のものが61meq/100
gであった。また、粒状石炭灰と得られた粒状ゼオライ
トとの粒度分布を比較してみると、表2に示すように、
粒状石炭灰は、2mm以下45.98%、2mm超が5
4.02%、水熱反応後の粒径2mm以下が46.77
%、2mm超が53.23%であった。なお、この時の
反応槽内における、粒状石炭灰:アルカリ溶液の重量比
は1:1であった。
【表1】
【表2】
【0050】(比較例1)比較例として実施例で使用し
た粒状石炭灰を使い反応槽に重量比が粒状石炭灰:アル
カリ溶液=1:4になるように粒状石炭灰とアルカリ溶
液(濃度:12%)を投入し、静置した状態で90℃、
8時間で水熱合成した。得られた粒状ゼオライトの陽イ
オン交換容量を実施例と同様の方法により測定したとこ
ろ、表1に示すように、陽イオン交換容量は粒径2mm
以下が71meq/100g、2mm超が36meq/
100gであった。また、得られた粒状ゼオライトとの
粒度分布は、表2に示すように、2mm以下52.45
%、2mm超47.55%であった。
【0051】(比較例2)比較例2として実施例で使用
した粒状石炭灰を使い反応槽に重量比が粒状石炭灰:ア
ルカリ溶液=1:4になるように粒状石炭灰とアルカリ
溶液(濃度:8%)を投入し、比較例1と同一条件で攪
拌を行ないながら90℃、8時間で水熱合成した。得ら
れた粒状ゼオライトの粒度分布は、表2に示すように、
2mm以下58.72%、2mm超41.28%であっ
た。
【0052】本発明によれば、上述のように本願発明の
粒状石炭灰のゼオライト化改質方法はアルカリ溶液中の
アルカリ濃度を1〜8重量%とし、沸点以下の温度で粒
状石炭灰を静置(或いは粒相互の接触部の位置関係を変
える程度の攪拌或いは振動を含む)しアルカリ溶液を加
熱・循環することにより効率よくゼオライト化転換反応
を進行させることが可能になる。
【0053】また、アルカリ溶液の温度を沸点以下にす
ることで水、熱の損失を少なくすることにより低コスト
で粒状石炭灰のゼオライト化転換反応を進行させること
が可能になる。
【0054】また、粒状石炭灰を静置することによりス
ラリー中の粒状石炭灰とアルカリ溶液の比率並びに反応
槽内容積に対する投入量、粒状ゼオライトの生産性を大
幅に向上させることができる。
【0055】
【発明の効果】本発明によれば、効率的に粒状ゼオライ
トを製造することのできる製造技術を提供することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明において使用する攪拌手段を例示する図
((a)〜(e))である。
【図2】本発明において使用する攪拌手段を例示する図
((a)及び(b))である。
【図3】本発明の装置の一実施形態を示す図である。
【符号の説明】
2 製造装置 4 アルカリ溶液の循環経路 6 アルカリ溶液の貯留手段 8 加熱手段 10 アルカリ濃度検出手段 12 アルカリ原液供給手段 14 アルカリ原液貯留手段 16 バルブ 18 配管 20 アルカリ溶液循環経路を構成する配管群 21a、21b アルカリ溶液供給配管 22 アルカリ溶液返流配管 23 アルカリ溶液除去用配管 30 洗浄液の供給手段 32 洗浄液の貯留手段 34 洗浄液の搬送用配管 36 洗浄排水排出用配管 38 ポンプ 39 洗浄液除去用配管 40 反応槽 42 区画手段
フロントページの続き (72)発明者 酒井 俊三 愛知県名古屋市港区新茶屋五丁目3011番地 株式会社吉田鉄工所内 Fターム(参考) 4G066 AA13A AA61B AA78A BA09 FA14 FA21 FA37 4G073 AA01 AA03 FB04 FB18 FC24 FC25 FD02 FD04 FD05

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】粒状ゼオライトの製造方法であって、 アルカリ溶液の移動相中に粒状石炭灰を維持して石炭灰
    とアルカリとの水熱反応を実施する工程と、 前記水熱反応工程の反応相から反応生成物を分離する工
    程、とを備える、方法。
  2. 【請求項2】前記アルカリ溶液の移動相は、アルカリ溶
    液の上昇流によって構成されている、請求項1記載の方
    法。
  3. 【請求項3】前記アルカリ溶液は循環経路内を循環して
    前記水熱反応工程に供給される、請求項1または2に記
    載の方法。
  4. 【請求項4】粒状ゼオライトの製造方法であって、 アルカリ溶液の循環経路を備える反応槽において、アル
    カリ溶液の移動相中に粒状石炭灰を維持する工程と、 前記水熱反応工程の反応相から反応生成物を分離する工
    程、とを備える、方法。
  5. 【請求項5】前記移動相は、前記反応槽の下部から供給
    され上部から排出される請求項4記載の方法。
  6. 【請求項6】前記移動相は、アルカリ濃度が1wt%以
    上8wt%以下である、請求項1〜5のいずれかに記載
    の方法。
  7. 【請求項7】前記移動相を沸点を超えない温度で供給す
    る、請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
  8. 【請求項8】前記水熱反応工程において、相互の接触部
    位を変化させる程度に粒状石炭灰を移動させる、請求項
    1〜7のいずれかに記載の方法。
  9. 【請求項9】前記水熱反応工程においては、連続的また
    は断続的に粒状石炭灰を相互移動させる、請求項1〜7
    のいずれかに記載の方法。
  10. 【請求項10】ゼオライトの製造装置であって、 粒状石炭灰を内部に保持できる反応槽と、 前記反応槽に付随して備えられるアルカリ溶液の供給経
    路、とを備え、 前記反応槽では、前記アルカリ溶液の移動相中に粒状石
    炭灰が維持されるようになっている、装置。
  11. 【請求項11】ゼオライトの製造装置であって、 粒状石炭灰を内部に保持できる反応槽と、 前記反応槽に付随して備えられるアルカリ溶液の循環経
    路、とを備え、 前記反応槽では、前記循環経路によりアルカリ溶液が供
    給及び排出され、アルカリ溶液の移動相中に維持される
    ようになっている、装置。
  12. 【請求項12】前記反応槽には、反応槽内で粒状石炭灰
    を相互移動させる手段を備える、請求項10又は11記
    載の装置。
  13. 【請求項13】前記循環径路は、前記アルカリ溶液が前
    記反応槽の底部近傍から供給され上部からオーバーフロ
    ーするように備えられている、請求項11に記載の装
    置。
  14. 【請求項14】前記反応槽には、粒状石炭灰を保持する
    とともに、反応槽の底部近傍からの前記アルカリ溶液の
    流入を許容する底部区画部を備える、請求項10〜13
    のいずれかに記載の装置。
  15. 【請求項15】前記アルカリ溶液を沸点を超えない程度
    に加熱する加熱手段、を備える、請求項10〜14記載
    の装置。
  16. 【請求項16】前記反応槽内の反応生成物の洗浄液供給
    手段を備える、請求項10〜15のいずれかに記載の装
    置。
  17. 【請求項17】前記アルカリ溶液の濃度を検出する手段
    を備える請求項10〜16のいずれかに記載の装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104492372A (zh) * 2014-11-27 2015-04-08 山东省科学院新材料研究所 一种用于吸附废水中重金属材料的制备方法及其应用

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN104492372A (zh) * 2014-11-27 2015-04-08 山东省科学院新材料研究所 一种用于吸附废水中重金属材料的制备方法及其应用

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