JP4255156B2 - 空気入りタイヤおよび空気入りタイヤの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、釘踏み等によるトレッドの刺傷からの空気漏れを抑制しうるチューブレスの空気入りタイヤおよび空気入りタイヤの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術、及び発明が解決しようとする課題】
釘踏み等による刺傷部からエアー漏れが発生するのを防止する手段の一つとして、例えば特開平8−323875号公報に示される如く、タイヤ内腔に臨むインナーライナゴムとその内側に付設される封止ゴムシートとの間に袋状部を形成し、タイヤの加硫成形後に、この袋状部内にパンクシール剤を注射器等の注入器を用いて注入するものが提案されている。
【0003】
この袋状部は、生タイヤの形成工程において、前記封止ゴムシートとインナーライナゴムとを重ね合わせる際、封止ゴムシートの内面にその両側部分を残してタルク等の粉末状又は液状の離型剤を予め塗布しておき、加硫成型時に前記封止ゴムシートの両側部分とインナーライナゴムとが加硫接着することにより、離型剤の塗布部分のみが剥離することで形成される。
【0004】
しかしながら、このような離型剤の塗布によって前記袋状部を形成するものでは、塗布作業の際に離型剤を塗り過ぎる傾向となりやすい。その結果、封止ゴムシート自身の接着代が過小となって接着不良或いは接着強度不足を招くなど、必要な強度を有する袋状部を安定して形成することが難しい。また離型剤の塗布作業により、タイヤ製造時の作業能率が低下する一方、離型剤の塗布厚さなどにばらつきが生じるため、時に袋状部内に剥離しない部位が部分的に形成されるなど、パンクシール剤の充填が不均一となるなどの問題も発生し易い。
【0005】
そこで本発明は、充分な接着強度を有する袋状部(非接着部分)を、容易にかつ安定して形成することができ、シール剤を充填したタイヤを高品質を有して歩留まり良くかつ能率良く生産しうる空気入りタイヤの製造方法の提供を目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明のうち請求項1記載の発明は、トレッド部の両端から半径方向内方にのびるサイドウォール部を経てビード部を設けたトロイド状をなし、かつ前記トレッド部内方のタイヤ内腔面に周方向に延在する封止ゴムシートにより封止したパンク防止用のシール剤を配する空気入りタイヤであって、前記封止ゴムシートは、タイヤ内腔面をなすインナーライナゴムと一体に接着する接着部と、この接着部の間に設けられかつゴム離型性を有する防着シートをタイヤ内腔面との間に介在することによって前記インナーライナゴムとの接着が防止された非接着部分とを具え、かつこの非接着部分において、前記タイヤ内腔面と封止ゴムシートとがなす袋状部内に前記シール剤を封止するとともに、前記防着シートは、小巾の防着テープを、その側縁が互いに重なる重なり部を有してタイヤ周方向に対して螺旋巻きすることにより形成されたことを特徴としている。
【0007】
また請求項2記載の発明では、トレッド部の両端から半径方向内方にのびるサイドウォール部を経てビード部を設けたトロイド状をなし、かつ前記トレッド部内方のタイヤ内腔面に周方向に延在する封止ゴムシートにより封止したパンク防止用のシール剤を配する空気入りタイヤの製造方法であって、封止ゴムシートにシール剤を注入するための注入孔を設けて孔付の封止ゴムシートを形成するシート穿設工程、この封止ゴムシートを成形フォーマ上に貼着する取付工程、ゴム離型性を有しかつ小巾の防着テープをその側縁が互いに重なる重なり部を有してタイヤ周方向に対して螺旋巻きすることにより前記封止ゴムシートよりも巾狭の防着シートを、この封止ゴムシートの上面かつ両側縁から距離を隔てる位置に形成し防着シート付きの封止ゴムシートを形成する防着テープ螺旋巻き工程、前記防着シート付きの封止ゴムシートの上面に、インナーライナゴムを貼着するインナーライナゴム貼着工程、前記インナーライナゴム上に、カーカス、ビードコアを含むタイヤ基体構造材を付加して生カバー体を形成する生カバー体形成工程、及びこの生カバー体を加硫した後、前記注入孔から、前記防着シートが介在することによって接着が防止された前記インナーライナゴムと封止ゴムシートとの間の非接着部分に、シール剤を注入する注入工程を含むことを特徴としている。
【0008】
ここで、前記「防着テープ」は、特に限定されるものではないが、例えば10〜30mmの小巾をなすものが好ましい。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の空気入りタイヤおよびその製造方法の実施の一形態を、空気入りタイヤとして自動二輪車用タイヤを例にとり、図面に基づき説明する。図1は、自動二輪車用タイヤ(以下、単に「タイヤ」ということがある。)1を例示しており、タイヤ1は、トレッド部2の両端から半径方向内方にのびるサイドウォール部3の各内方端にビード部4を設けたトロイド状をなすとともに、トレッド部内方のタイヤ内腔面iで周方向に延在する封止ゴムシート5によりパンク防止用のシール剤6を封止している。
【0010】
またタイヤ1は、前記ビード部4、4間に架け渡されるカーカス8と、このカーカス8の半径方向外側かつトレッド部2の内方に配されるブレーカ9とを含むコード層によって補強され、必要なタイヤ強度及び剛性が付与される。なお前記ビード部4には、ビードコア10から半径方向外側にのびる断面三角形状のビードエーペックスゴム11が配されたものを例示している。
【0011】
前記カーカス8としては、カーカスコードを周方向に対して70〜90度の角度で配列したラジアル、セミラジアル構造、又は35〜70度の角度で配列したバイアス構造の1枚以上のカーカスプライ8aが用いられ、本例では1枚のカーカスプライ8aからなり、その両端が前記ビードコア10の廻りで折り返されて係止されたものが例示される。
【0012】
また前記ブレーカ9は、ブレーカコードを周方向に対して0〜70度の角度で配列した1枚以上のブレーカプライ9aから形成され、本例では1枚のブレーカプライ9aを具える。ただし、このブレーカ9は、要求するタイヤ性能に応じて省略することもできる。
【0013】
前記カーカス8の内面には、インナーライナゴム12と、その半径方向内側の前記封止ゴムシート5とが順次配設される。前記インナーライナゴム12は、ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム、臭素化ブチルゴム等のガス不透過性に優れるブチル系ゴム等も用いることができ、例えば0.5〜2.0mm程度の略均一な厚さを有するとともに、前記カーカス8の内面をほぼ全域に亘り被覆している。
【0014】
また、前記封止ゴムシート5は、本例では、トレッド内方領域Yの80%以上の巾を有して周方向に連続してのびる帯状のゴムシートから形成され、その両側縁部には、前記インナーライナゴム12と一体に、例えば加硫接着する接着部分5aを形成している。各接着部分5aの巾L0は、特に限定されるものではないが、例えば4.0〜10.0mm、より好ましくは5.0〜7.0mmとするのが望ましい。前記接着部分5aの巾L0が、4.0mmより小さくなると、接着強度が相対的に低下する傾向があり、逆に10.0mmをこえると、シール剤6の充填巾を不必要に減じる傾向がある。なお前記「トレッド内方領域Y」とは、トレッド縁Teにおいてトレッド面2Sに立てた法線N、Nで挟まれるタイヤ内腔面上の領域を意味する。
【0015】
また、前記封止ゴムシート5は、特に限定されるものではないが、例えば0.5〜2.0mmの厚さとすることが好ましい。この厚さが0.5mm未満になると、強度が相対的に不足して、例えばシール剤6の封止効果が低下したり、またタイヤ充填内圧をシール剤6に一様に付加することが困難となる傾向がある。逆に、封止ゴムシート5の厚さが2.0mmをこえると、タイヤ重量の不必要な増加を招く傾向がある。このような観点より、前記封止ゴムシート5の厚さは、例えば1.0〜1.5mmが特に好ましい。
【0016】
また封止ゴムシート5としては、前記インナーライナゴム12と略同一のブチル系ゴムが好適であるが、他のゴム、例えば臭素化ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム、さらには加硫熱によりインナーライナゴム12と接着しうるゴム組成物であれば、スチレン・ブタジエン等のジエン系ゴムを混合した配合ゴムなども用いうる。
【0017】
また封止ゴムシート5の前記両側縁部に形成された接着部分5a、5aの間には、防着シート13の介在によって前記インナーライナゴム12との接着が防止された非接着部分5bが形成されるとともに、この非接着部分5bがなすインナーライナゴム12と封止ゴムシート5との間の袋状部内に前記シール剤6が封止されて例えば気密に保持される。そして、前記防着シート13は、図2に誇張して示す如く、小巾の防着テープ14を、その側縁14eが互いに重なる重なり部16を有してタイヤ周方向に対して螺旋巻きすることにより形成されたことを特徴の一つとしている。
【0018】
このように防着シート13を、小巾の防着テープ14の螺旋巻きすることにより形成したことによる利点は次の通りである。先ず、図8(A)に示す如く、巾広かつ1枚のゴム離型性を有するシート材料にて防着シート13を形成する場合には、防着シートの巻始め端S1と、巻終わり端S2とがタイヤ半径方向に重なる重ね継ぎ部jを設けて封止ゴムシート5に巻き付けしタイヤ生カバーを成形する。このような生カバーを加硫すると、加硫中の膨張変形に際して、前記防着シート13は、通常、粘着性を有しておらず、またゴムに比して伸び率も小さいため、図8(B)に示す如く、生カバーの膨張につれて重ね継ぎ部jを減じる向きに互いにすべりが生じる。
【0019】
このとき、防着シート13の巻始め端S1と封止ゴムシート5とは加硫時の圧力により圧着されて互いに密着しているため、巻始め端S1の前記すべり移動とともに該巻始め端S1に密着している封止ゴムシート5の部分が局部的に大きなタイヤ周方向の引張力を受け、この部分の封止ゴムシートの厚さが局部的にかつ過度に減少した凹部Dなどが形成されてしまい、該封止ゴムシート5に破れ等を生じさせる不具合がある。
【0020】
これに対して、本発明では、前記防着シート13は、小巾の防着テープ14を、図2、図4に示す如く、その側縁14eが互いに重なる重なり部16を有してタイヤ周方向に対して螺旋巻きすることにより形成されているため、防着シート13として、前述のような特定の重ね継ぎ部分jが形成されないこととなる。従って、重ね継ぎ部分において生じていた防着シート間の大きなすべり等を抑制でき、防着テープ14を全体的に延伸させて膨張変形に対応し得るなど、封止ゴムシート5の厚さの不均一や破れ等を効果的に防止しうる。
【0021】
ここで、前記防着テープ14は、特に限定されるものではないが、例えば10〜30mmの小巾をなすリボン状のものが好ましい。また、前記重なり部16は、その重なり量が小さすぎると、膨張時に側縁14e同士が離間してしまい、前記非接着部分5bが効果的に形成されず、シール剤6の充填も不均一となりやすい。このような観点より、タイヤ製造時において、好ましくは3mm以上、より好ましくは5〜10mmの重なり量を有する重なり部を設けることにより、成形後に前記防着テープ14の側縁14eが離間していないものとするのが望ましい。
【0022】
また、このような防着テープ14の螺旋巻きによって形成される防着シート13は、例えば前記封止ゴムシート5より8〜20mm程度の巾狭としたタイヤ周方向に連続する帯状体をなす。また本例では防着テープ14がゴム離型性を有する高分子フィルムからなることにより、防着シート13もゴムに対する離型性を有することとなる。
【0023】
ここで、前記防着テープ14は、生タイヤ成形および加硫成型の際に、周囲ゴムとともに膨張変形しうる伸び性能を有することが特に好ましい。そのためには、特に限定されるものではないが、例えばテープ巾8mm当たりの荷重400gに対する伸びを20%以上有するものが特に好ましいものとなる。
【0024】
このような防着テープ14としては、例えばテフロン(デュポン社の商標)であるポリフルオルエチレン樹脂が好ましく、その厚さを0.05mm〜0.15mm、例えば0.1mm程度とすることにより必要かつ十分な伸び性能が得られる。また防着テープ14には、このようなポリフルオルエチレン樹脂に代えて、例えばより安価な材料としてナイロンフィルムなども用いることができる。このナイロンフィルムとしては、例えばナイロン6を主原料としたもの(商品名「レイファンNO」、東レ合成フィルム(株)社製)が伸び性能、ゴム離型性の観点から特に好ましい。このようなナイロンフィルムの物性を表1に示す。
【0025】
【表1】
【0026】
発明者らの種々の実験の結果、このようなナイロンフィルムを防着シートとして使用した場合、その厚さが例えば25μ程度であっても良好な防着性と伸び性能を示していることが確認されている。なお、防着テープ14は、これらの例に限定されることなく、例えばポリエチレンフィルム等にゴム離型剤を含浸させたもの、あるいはゴム離型性の表面処理を施したものなど、種々の材料を使用しうるのは言うまでもない。
【0027】
また前記袋状部内に充填されるシール剤6としては、常温(20℃)において液状を呈する、例えば粘性率を2.0〜10.0mPa・s(温度20゜C)とした粘性材料が好適に使用できる。この他にも、−20℃〜60℃の温度範囲で釘穴をシールしうるものであれば、種々の液状のパンクシール剤を使用することができる。
【0028】
次に、このような空気入りタイヤ1の製造方法の一例について説明する。
本実施形態の製造方法は、シート穿設工程、取付工程、防着テープ螺旋巻き工程、インナーライナゴム貼着工程と、生カバー体形成工程及び注入工程を含んでいる。
【0029】
前記シート穿設工程は、図3に略示する如く、所定巾及び所定長さに裁断した封止ゴムシート5、又は裁断中の封止ゴムシート5に、前記シール剤6を注入するための注入孔15を設けて孔付の封止ゴムシート5Aを形成する。前記注入孔15として、本例では、直径2〜8mmのものが、封止ゴムシート5の巾方向中央部分に穿設される。
【0030】
また、前記取付工程は、図4(A)、(B)に略示する如く、円筒状の成形フォーマ20上かつトレッド内方領域Yに相当する位置に、前記封止ゴムシート5Aを巻き付けて貼着する。
【0031】
また前記防着テープ螺旋巻き工程は、図4(A)、(B)に略示する如く、前記ゴム離型性を有しかつ小巾の防着テープ14をその側縁14eが互いに重なる重なり部16を有してタイヤ周方向に対して螺旋巻きすることにより前記封止ゴムシート5Aよりも巾狭の防着シート13を、この封止ゴムシート5Aの上面かつ両側縁から本例では等距離LO、LOを隔てる位置に形成し、防着シート付きの封止ゴムシート5Bを形成する。このように、本発明では、従来では離型剤をいちいち塗布していた工程が、小巾の防着テープ14を螺旋巻きして封止ゴムシート5に貼付けするという簡単な作業に置き換えしうる。
【0032】
なお、防着テープ14は、例えば予め巻始め端、巻終わり端を、斜辺状に形成しておくことにより、防着テープにたるみ、しわなどを生じさせることなく、防着シート13の側縁部をタイヤ周方向に整一させつつ小さなリードで螺旋巻きすることが可能となり、このとき、精度の良い接着部、非接着部の寸法管理が可能となる。なお、防着テープ14のタイヤ周方向に対する角度は、例えば3°以下が好ましい。
【0033】
また前記インナーライナゴム貼着工程は、図5に略示する如く、前記防着シート付きの封止ゴムシート5Bの上面に、インナーライナゴム12を貼着する。さらに、前記生カバー体形成工程は、図6に略示する如く、前記インナーライナゴム12上に、カーカスプライ8a、ビードコア10を含むタイヤ基体構造材21を付加しかつ、例えば成形フォーマ20による拡径によって生カバー体1Aを形成する。ここでタイヤ基体構造材21としては、本例では、他にビードエーペックスゴム11、ブレーカプライ9a、トレッドゴム2G、サイドウオールゴム3Gなどを含み、前記拡径に先立ちカーカスプライ8aの両端の折返しなどが行われる。
【0034】
前記注入工程は、図7に略示する如く、前記生カバー体1Aを加硫した後、前記注入孔15から、前記防着シート13によって接着が防止された前記インナーライナゴム12と封止ゴムシート5との間の非接着部分5bに、シール剤6を注入する工程である。この注入は、注射器状の注入器を用いて、規定量注入することによって、図1、図2に示す如く、所定厚さに膨らんだシール剤の層が形成される。なお、注入後の注入孔15は、本例では、接着剤を塗布した未加硫または既加硫のゴムシート等によって適宜封止される。
【0035】
以上のように本実施形態の空気入りタイヤの製造方法では、離型剤の塗布に代わり、小巾の防着テープ14を螺旋巻きして形成される防着シート13を封止ゴムシート5の上に設けているため、作業能率に優れ、しかも両端の接着部分5aの巾L0を高精度で管理することが可能となる。その結果、袋状部の接着強度を高くかつ安定化しうるとともに、非接着部分5bの巾すなわちシール剤6が注入される袋状部の容積もバラ付きがなくなり、シール剤6の層の厚さが均一化した空気入りタイヤを得ることができる。
【0036】
また防着シートが、小巾の防着テープ14の螺旋巻きによって形成されるため、防着シート13として、特定の重ね継ぎ部分が形成されないこととなる。従って、重ね継ぎ部分において生じがちな防着シートの大きなすべり等を防止し、防着テープ14を全体的にかつ均一に延伸させて膨張変形に対応し得るなど、封止ゴムシート5の厚さの不均一や破れ等を効果的に防止しうる。
【0037】
さらに本発明の製造方法では、従来の離型剤の塗りムラ等に起因する剥離不良も効果的に抑制しうる。又注入器先端を刺入れてシール剤6を注入する際、封止ゴムシート5に注入孔15が予め設けられしかも防着シート13がインナーライナゴム12を保護するため、このインナーライナゴム12に刺傷を生じさせる危険性が排除される。このように高品質のタイヤを歩留まり良く、かつ能率良く生産しうる。
【0038】
【実施例】
図1の基本構造をなす、タイヤサイズ3.00−10の自動二輪車用タイヤを、前記製造方法を用いて試作し、防着シートの形成方法は表2に示す仕様とし、加硫中での封止ゴムシートの破れや、タイヤ成形後に、前記袋状部内に空気を注入して成形精度などを目視により確認した。なおカーカスは、840dtex/2のコード繊度を有するナイロンコードを、タイヤ赤道に対して42゜の角度で傾けて配列してビードコアの回りを折り返す2枚のカーカスプライにて形成し、ブレーカは省略した。
テストの結果を表2に示す。
【0039】
【表2】
【0040】
表2に示すように、防着テープを螺旋巻きしたものでは、いずれも封止ゴムシートが破れることなく、かつ精度の良い空気入りタイヤが得られたが、防着シートとして巾広の1枚ものを用いたものでは、封止ゴムシートに破れが生じていた。
【0041】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1記載の発明では、シール剤を封止する封止ゴムシートが、インナーライナゴムと一体に接着する接着部と、この接着部の間にゴム離型性を有する防着シートの介在によって前記インナーライナゴムとの接着が防止された非接着部分とを具え、かつこの非接着部分がなすインナーライナゴムと封止ゴムシートとの間の袋状部内に前記シール剤を封止したことにより、シール剤が注入される袋状部の容積のばらつきをなくし、シール剤の層の厚さを均一化した精度の良い空気入りタイヤを得ることができる。
【0042】
また前記防着シートは、小巾の防着テープを、その側縁が互いに重なる重なり部を有してタイヤ周方向に対して螺旋巻きすることにより形成されているため、防着シートとして、特定の重ね継ぎ部分が形成されないこととなる。従って、防着シートの重ね継ぎ部分において生じがちな防着シート同士の大きなすべり等を効果的に抑制することができ、防着テープを全体的にかつ均一に延伸させて加硫中の膨張変形に対応し得るなど、封止ゴムシートの厚さが不均一になることや薄肉化による破れ等が生じるのを効果的に防止しうる。
【0043】
また請求項2記載の発明では、離型剤の塗布に代えて、防着シートを封止ゴムシートに貼付けするため、作業能率に優れ、封止ゴムシートの両端の接着部分の巾を高精度で管理することが可能となり、その結果、袋状部の接着強度を高くかつ安定化しうるとともに、非接着部分の巾すなわちシール剤が注入される袋状部の容積もバラ付きがなくなり、シール剤の層の厚さが均一化した空気入りタイヤを容易に製造しうる。また前記防着シートが、小巾の防着テープを、その側縁が互いに重なる重なり部を有してタイヤ周方向に対して螺旋巻きすることにより形成される防着テープ螺旋巻き工程を含むものであるため、防着シートとして、特定の重ね継ぎ部分が形成されず、防着シートの重ね継ぎ部分において生じがちであった防着シート同士の大きなすべり等を効果的に抑制しうる。これにより、防着テープを全体的にかつ均一に延伸させて加硫中の膨張変形に対応し得るなど、封止ゴムシートの厚さが不均一になることや薄肉化による破れ等が生じるのを効果的に防止しうる空気入りタイヤを製造しうる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の空気入りタイヤの一実施形態を示す断面図である。
【図2】そのトレッド部を拡大する断面図である。
【図3】シート穿設工程を説明する略図である。
【図4】取付工程、及び防着テープ螺旋巻き工程を説明する図であり、(A)は概略平面図、(B)は概略断面図である。
【図5】インナーライナゴム貼着工程を説明する概略断面図である。
【図6】生カバー体形成工程を説明する概略断面図である。
【図7】注入工程を説明する略図である。
【図8】(A)、(B)は、防着シートのすべりを説明するタイヤ周方向の部分断面図である。
【符号の説明】
1 タイヤ
1A 生カバー体
5 封止ゴムシート
5b 非接着部分
6 シール剤
8 カーカス
10 ビードコア
12 インナーライナゴム
13 防着シート
14 防着テープ
14e 防着テープの側縁
15 注入孔
16 防着テープの重なり部
20 成形フォーマ
Claims (2)
- トレッド部の両端から半径方向内方にのびるサイドウォール部を経てビード部を設けたトロイド状をなし、かつ前記トレッド部内方のタイヤ内腔面に周方向に延在する封止ゴムシートにより封止したパンク防止用のシール剤を配する空気入りタイヤであって、
前記封止ゴムシートは、タイヤ内腔面をなすインナーライナゴムと一体に接着する接着部と、この接着部の間に設けられかつゴム離型性を有する防着シートをタイヤ内腔面との間に介在することによって前記インナーライナゴムとの接着が防止された非接着部分とを具え、
かつこの非接着部分において、前記タイヤ内腔面と封止ゴムシートとがなす袋状部内に前記シール剤を封止するとともに、
前記防着シートは、小巾の防着テープを、その側縁が互いに重なる重なり部を有してタイヤ周方向に対して螺旋巻きすることにより形成されたことを特徴とする空気入りタイヤ。 - トレッド部の両端から半径方向内方にのびるサイドウォール部を経てビード部を設けたトロイド状をなし、かつ前記トレッド部内方のタイヤ内腔面に周方向に延在する封止ゴムシートにより封止したパンク防止用のシール剤を配する空気入りタイヤの製造方法であって、
封止ゴムシートにシール剤を注入するための注入孔を設けて孔付の封止ゴムシートを形成するシート穿設工程、
この封止ゴムシートを成形フォーマ上に貼着する取付工程、
ゴム離型性を有しかつ小巾の防着テープをその側縁が互いに重なる重なり部を有してタイヤ周方向に対して螺旋巻きすることにより前記封止ゴムシートよりも巾狭の防着シートを、この封止ゴムシートの上面かつ両側縁から距離を隔てる位置に形成し防着シート付きの封止ゴムシートを形成する防着テープ螺旋巻き工程、
前記防着シート付きの封止ゴムシートの上面に、インナーライナゴムを貼着するインナーライナゴム貼着工程、
前記インナーライナゴム上に、カーカス、ビードコアを含むタイヤ基体構造材を付加して生カバー体を形成する生カバー体形成工程、
及びこの生カバー体を加硫した後、前記注入孔から、前記防着シートが介在することによって接着が防止された前記インナーライナゴムと封止ゴムシートとの間の非接着部分に、シール剤を注入する注入工程を含むことを特徴とする空気入りタイヤの製造方法。
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