JP4254978B2 - 布貼り中空成形品 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ラゲージフロア等に用いられる布貼り中空成形品に関する。
【0002】
【従来の技術】
ステーションワゴンやRV車の荷台には、近年、荷台の下にも荷物等を収容できるようボックスOが設置されるようになってきた。そのため、図5,図6のような、ボックスの蓋を兼ねるラゲージフロアLFが設けらている。符号Tはスペアタイヤを示す。
通常、ラゲージフロアLFは車両フロアとして使用されており、荷物等をボックスOに収納する時或いは取り出す時にこのラゲージフロアが開けられることになる。そうしたなか、軽量化を図るため、ラゲージフロアLFは、ブロー成形品からなる基材に、見栄えを良くするためのカーペット等の布が一体成形される布貼り中空成形品がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかるに、布貼り中空成形品にした場合、製品の外観不良対策を講じる必要があった。すなわち、▲1▼コーナ,角部3(図2参照)の布が薄くなり基材が透けて見える、▲2▼コーナ,角部3の布が破れる等の問題があり、使用すべき布の重量を設定するために試行錯誤を繰り返さねばならなかった。また、コーナ部の金型設計においても試行錯誤が繰り返され、修正トライの工数が多大になっていた。
【0004】
本発明は、上記問題点を解決するもので、試行錯誤を繰り返さずに良品を得ることのできる布貼り中空成形品を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成すべく、請求項1記載の発明の要旨は、所定厚みを有しコーナアール,エッジアール,斜度が形成される盤状の中空成形品の片面に布がブロー成形で一体成形されてなる布貼り中空成形品において、布の目付重量Wが200〜500g/m2の範囲にあり、さらに中空成形品との関係で、次式を満たす目付重量W[g/m2]の布を用いて一体化されることを特徴とする布貼り中空成形品にある。
500≧W≧2100/A
ここで、A=2(CR+ER)S/Hで、CRはコーナアール[mm]、ERはエッジアール[mm]、Sは斜度[゜]、Hは中空成形品の厚みに布の分を足した高さ[mm]とし、且つ、3≦CR≦50、0≦ER≦50、3≦S≦45、10≦H≦50の範囲内とする。
【0006】
本発明のごとく、3≦CR≦50、0≦ER≦50、3≦S≦45、10≦H≦50、200≦W≦500で、500≧W≧2100/Aとすると、経験則的に布の生地が透けて中空成形品が表に現われてくる不具合やコーナ部で破れてしまう領域部分が全て取り除かれることになり、布貼り中空成形品の良品を造り出す範囲になる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る布貼り中空成形品の実施形態について詳述する。図1〜図3は本発明の布貼り中空成形品の一形態を表し、図1はその全体斜視図、図2は図1のII−II線断面図、図3は中空成形品のコーナアール等の説明図、図4は他形態の布貼り中空成形品を示す。
【0008】
布貼り中空成形品は中空成形品1の片面に布2をブロー成形で一体成形したものである(図1)。
中空成形品1は、ブロー成形品で、蓋体としての所定厚みをもたせた合成樹脂製の平盤状体になっている(図2)。軽量化を図るべく樹脂部11が空所12をつくる。盤状の該中空成形品1の上面(片面)にカーペット等の布2が一体成形で貼着されるが、コーナ部3においても所定厚みを保持して布貼りがなされている。所定厚みを保って且つ見栄え良く布貼りできるよう、中空成形品1のコーナ部3での形状は以下のような範囲とする。
【0009】
すなわち、コーナ部3では製品のおさまり状態を良くするためにアール等が設けられるが(図3)、コーナアールCR[mm]は、
3≦CR≦50 … (1)式
とする。エッジアールER[mm]は、
0≦ER≦50 … (2)式
とする。斜度S[゜]については
3≦S≦45 … (3)式
の範囲内とする。
【0010】
また、高さH[mm]については、中空成形品1の厚みに布2の厚み分を足した高さで、
10≦H≦50 … (4)式
の範囲内とする。CR,ER,S,Hに関し、上述の各下限値より小さいと、布貼り中空成形品の製品として切立つ形状になりすぎ、一方、上述の各上限値より大きくなると、アールが大きくなって製品がボケてしまいスッキリ感がなくなってしまう。
【0011】
布2は織布等からなる装飾用カーペット(敷物)で、ブロー成形品の上面側を覆うようにしてその上面に一体化成形される。
本発明の布貼り中空成形品に使用される布2は、その目付重量W[g/m2]が
200≦W≦500 … (5)式
の範囲とする。布2の目付重量が200g/m2未満になると、他の条件を満足しても布2が薄くなって基材たる中空成形品1が透けて見える場合が出てくる。一方、布2の目付重量が500g/m2を越えると、ブロー成形圧力で布2を押圧して一体成形しても押しきれず、コーナ部3(図3)でのラインがボヤケ製品価値が劣ってしまう。
【0012】
さらに、本発明の布貼り中空成形品においては、次の(6)式を満足する範囲内で造られる布貼り中空成形品とする。
500≧W≧2100/A … (6)式
ここで、A=2(CR+ER)S/Hで、既述のごとく、CRはコーナアール[mm]、ERはエッジアール[mm]、Sは斜度[゜]、Hは中空成形品1の厚みに布2の分を足した高さ[mm]である。
本発明者は、布貼り中空成形品の良品を造り出すなかで試行錯誤を繰り返し、経験則として(6)式を見出した。
【0013】
例えば、表1は布貼り中空成形品の各寸法に典型的な数値を用いたものである。(1)〜(4)式を満たし、布重量すなわち目付重量が(5)式の200〜500g/m2の範囲内にあっても、中空成形品1の形状が影響を及ぼし布貼り中空成形品の良否が分かれている。(1)〜(5)式に加え、(6)式を満たすものが良品になる。表2は限界値の数値を用いたもので、ここでも布重量すなわち目付重量が200〜500g/m2の範囲内にあっても布貼り中空成形品の良否が分かれている。(1)〜(6)式を満たしたものが良品になる。そうでないものは良品にならない。
【0014】
【表1】
【0015】
【表2】
【0016】
表1,表2で、判定の○印は良品であることを示す。判定の×印は、形状出しがうまくいかなかったり下の基材たる中空成形品1が透けたりする一目で判る不具合があることを示す。判定の△印は、一目では判らないが良品には至らず製品出荷が困難なものをいう。様々な条件とそれら判定結果から、経験的に(6)式を導き出した。前述の(1)〜(5)式の条件に加え、(6)式を満足する構成の本発明の布貼り中空成形品は確実に良品になる。
【0017】
このように構成した布貼り中空成形品は、布が薄くなったり破れたりする不具合部分のない製品となる。製造に際し、布仕様或いは中空成形品1の仕様を楽に選定できる。例えば、中空成形品1の形状が決まればどのような布2の目付重量のものを選択すべきかは、(1)〜(5)式に加え、(6)式で求められる布仕様のものを使用すれば、良品の布貼り中空成形品を間違いなく得ることができる。従来のようにトライアンドエラーを繰り返すことがなく、簡単に設定でき、これに費やす工数,時間を大幅に短縮できる。
また、逆に使用すべき布2の目付重量がコスト指標等から決められた場合にあっても、(1)〜(5)式に加え、(6)式が成立する値の中空成形品1を求めることにより金型設計ができ、金型の修正や従来のごとく試行錯誤を繰り返さなくても済むようになる。
さらに、布2と中空成形品1との(1)〜(6)式の相関関係を得たことにより、従来困難視されてきた製品形状に欠け4のある図4のような形状についても適用できるようになり、布貼りブロー成形の自由度を増大させることができる。
【0018】
尚、本発明においては、前記実施形態に示すものに限られず、目的,用途に応じて本発明の範囲で種々変更できる。ブロー成形品1,布2,コーナ部3等の形状,大きさ等は用途に合わせて適宜選択できる。
【0019】
【発明の効果】
以上のごとく、本発明の布貼り中空成形品は、試行錯誤を繰り返さずに良品が得られるしくみになっており、極めて有益となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る布貼り中空成形品の一形態で、その全体斜視図である。
【図2】図1のII−II線断面図である。
【図3】中空成形品のコーナアール等の説明図である。
【図4】図1とは異なる他形態の布貼り中空成形品である。
【図5】従来技術の説明図である。
【図6】従来技術の説明図である。
【符号の説明】
1 中空成形品
2 布
CR コーナアール
ER エッジアール
H 高さ
S 斜度
Claims (1)
- 所定厚みを有しコーナアール,エッジアール,斜度が形成される盤状の中空成形品の片面に布がブロー成形で一体成形されてなる布貼り中空成形品において、布の目付重量Wが200〜500g/m2の範囲にあり、さらに中空成形品との関係で、次式を満たす目付重量W[g/m2]の布を用いて一体化されることを特徴とする布貼り中空成形品。
500≧W≧2100/A
ここで、A=2(CR+ER)S/Hで、CRはコーナアール[mm]、ERはエッジアール[mm]、Sは斜度[゜]、Hは中空成形品の厚みに布の分を足した高さ[mm]とし、且つ、3≦CR≦50、0≦ER≦50、3≦S≦45、10≦H≦50の範囲内とする。
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