JP4254325B2 - 鉄道車輌及びそれに用いる振動抑制制御装置と振動抑制制御方法 - Google Patents

鉄道車輌及びそれに用いる振動抑制制御装置と振動抑制制御方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、鉄道車輌及びそれに用いる振動抑制制御装置とその制御方法に関し、詳しくは、振動抑制制御装置を構成する振動計測手段の共振周波数を規定した鉄道車輌に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、鉄道車輌において、乗客の乗り心地の改善を図るために種々の振動抑制対策が施されている。図4はその基本的な振動抑制制御装置を模式的に示した図である。
【0003】
図4において、鉄道車輌は台車1と車体2より構成され、振動抑制制御装置を構成するアクチュエータ3は、台車1と車体2間に介在されその駆動源等は車体2に搭載されている。4は車体2の振動を計測する振動加速度計、5は制御器であり振動加速度計4からの計測信号を受信し、予め設定されている条件に従って信号処理し、サーボ弁6に作動信号を与え、アクチュエータ3のロッドの出退を制御したり、車輌外との通信をも行う。7は空気源であり、空気圧で作動するアクチュエータ3の駆動源となっている。
【0004】
このような構成で、車輌の走行中に振動加速度計4が車体2の振動を連続的に捉え、制御器5は測定された連続振動をサンプリング周期毎にサンプリングし、サンプリングされた値によって制御器5からサーボ弁6を介してアクチュエータ3を作動させる。制御器5からの信号でサーボ弁6が作動し、紙面で車体2が右側への揺れを検知した場合には、アクチュエータ3は、これを相殺する方向にすなわち台車1に対して車体2を左側方向に移動させるよう作動する。このような制御は、サンプリング周期が例えば100 Hzというような値であるため、乗客が揺れを感じる前に、車体2の揺れが抑制されていることになる(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
【特許文献1】
特開平5−213195号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来からの鉄道車輌のアクティブ制御においては、複数台の車輌に搭載していた振動抑制制御装置のうち、車輌ごとに制御装置の働きにばらつきがあったり、制御装置が作動をしているものの作動源である空気の使用量が増大したりする問題がある。
【0007】
本発明は、上記したような問題を解決せんとしてなされたものであり、振動抑制制御装置において高度な制御系を採用するのではなく、制御系におけるノイズの排除を狙ったもので、振動加速度計を含めた振動計測手段の共振周波数が適正になるように施された鉄道車輌及びそれに用いる振動抑制制御装置と振動抑制制御方法を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記した目的を達成するために、本発明に係る鉄道車輌の振動抑制制御装置は、振動計測手段の共振周波数を、そのサンプリング周波数との関係で発生するエイリアシングノイズのノイズ源とならないように変えるか、又は、エイリアシングノイズが発生したとしても振動抑制制御に悪影響の出ない周波数領域になるようにしている。そして、このようにすることで、発生している共振周波数が振動抑制制御系に何の悪影響も与えず、振動抑制制御を十分に行うことができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下本発明について詳細に述べる。
一般的な複数の車輌に振動抑制制御装置を搭載している一編成の列車では、特定の車輌で振動抑制制御装置の働きが他の車輌のものよりも劣っているものがあることが判明した。また、それら特定の車輌では、図4における空気源の空気使用量が多いことも判明した。
【0010】
この原因について、種々検討したところ、振動計測手段(以下、振動加速度計を一例として説明する。)に振動抑制制御装置のサンプリング周波数の1/2以下の周波数成分をもつ強力な振動加速度値が含まれていることが判明した。元々振動抑制制御装置には外部ノイズを減衰させる目的でアンチエイリアシングフィルターを組込んではいるものの、外部からの強力な振動加速度値を防止することができなかった。これは、振動抑制制御装置における制御周波数帯域にエイリアシングノイズが生成されたためと考えられ、このノイズに応じて無駄な制御作動を起こしてしまい、アクチュエータの空気消費量が多くなったと考えられる。
【0011】
ここで、エイリアシングノイズの発生仕組みを、図1により簡単に説明する。図1(a)〜(d)において、横軸は振動数(周波数)、縦軸は振動加速度計による振動加速度値を示している。
(a)は、サンプリング周波数を考慮しないで表した振動加速度計の計測値の図であり、図中範囲Aは、制御周波数帯域を表している。この時、紙面右側の周波数の高い所に振動加速度計の共振振動が表れている。この共振振動は制御周波数帯域Aより遙かに隔たっているため、制御周波数にとってなんの問題もない。
(b)は、ノイズを減衰させるためにアンチエイリアシングフィルターを設けたことにより、前記共振振動近傍部分Bの振動加速度値が低下した状態を示している。一般に、アンチエイリアシングフィルターを設けた場合は、振動数の高い範囲の低減率は大きいが、特別に低減率の高いフィルターを使用すると、制御周波数帯域Aに悪影響を与えることになる。制御周波数帯域Aに悪影響を与えず、ノイズだけを大幅に低減させるフィルターは現在開発されていない。
(c)は、(b)の振動加速度値をYHzの周波数でサンプリングすることにより、その半分のY/2 Hzの位置で折り返えされ、あたかもその周波数に共振による周波数があるかのように偽の共振周波数が現れるサンプリング理論の状態を示す図である。
(d)は、その結果、共振振動が制御周波数帯域Aに達し、これがノイズとなり、いわゆるエイリアシングノイズが発生していることを示したものである。
【0012】
エイリアシングノイズが原因で振動抑制制御装置に悪影響を与えているとすれば、エイリアシングノイズを発生させている共振周波数を制御周波数帯域に生成させない構成とすればよい。そこで、振動抑制制御装置の性能が劣っている車輛において、振動加速度の検出軸方向の共振周波数をエイリアシングノイズを発生させないように変更させるために、その手段として、例えば振動加速度計のケースに錘り(4kg)を取付けて、共振周波数、車輌あたり2つ設けられたアクチュエータでの空気消費量及び乗り心地レベルの各々を調べた。表1にその結果を示す。なお、乗り心地レベルは鉄道車輛における乗り心地の指数であり、振動抑制制御の性能と対応する。
【0013】
【表1】
Figure 0004254325
【0014】
表1から錘りにより共振周波数の低下効果が大きいこと、および同じ乗り心地レベルを保った状態で空気消費量が大幅に低減することが判明した。
なお、エイリアシングノイズ対策として、サンプリング周期を短くする(周波数を上げる)方法では、高価な演算ユニットを購入し、しかも一層複雑なソフト開発等が必要となり、また、アンチエイリアシングフィルターを調整する方法では制御周波数帯域とのトレードオフが発生する。従って、共振周波数の変更(低下)が最も効率的であることが判明した。
【0015】
そこで、本発明における鉄道車輌及びそれに用いる振動抑制制御装置は、エイリアシングノイズを発生させている振動計測手段の共振周波数を制御周波数帯域に生成させない構成となるように一例として、車体の振動を計測する例えば振動加速度計と、この振動加速度計による計測値により振動抑制するよう作動するアクチュエータとを少なくとも有し、前記振動加速度計により計測された振動加速度の計測値をサンプリングするサンプリング周波数をYHz、および、前記車体を前記アクチュエータにより振動抑制制御する制御周波数帯域をa〜bHzとした場合に、前記振動加速度計の共振周波数XHzが、下記算出式から求められる周波数範囲を除外するように、車体に前記振動加速度計を設置する。
X=(mY+a)〜(mY+b) ・・・・(1)式
X=(nY−b)〜(nY−a) ・・・・(2)式
ただし、0≦a<b<Y
m:0、1、2、3、・・・
n:1、2、3、4、・・・
ここで、前記共振周波数XHzが、前記振動加速度計の検出軸方向での値を示す場合、より効果的にエイリアシングノイズによるノイズを制御周波数帯域から除くことができるので好ましい。
【0016】
また、前記振動加速度計の共振周波数XHzが、前記(1)、(2)式から求められる周波数範囲を除外するためには、振動加速度計自身に錘りを付けるなど、構造や枠体を調節する方法が容易で望ましく、この場合、振動抑制制御する制御周波数帯域a〜bHzより大きく、且つ前記振動加速度計により計測された計測値からサンプリングするサンプリング周波数YHzの75%以下に調節するのが望ましい。
これは、制御周波数帯域a〜bHzが比較的低周波数帯域で使用され、一方サンプリング周波数YHzが前記制御周波数帯域a〜bHzよりもはるかに高い周波数域あることと、エイリアシングノイズの発生メカニズムおよび過去の経験や実験結果などに基づいている。
なお、振動抑制のためには、振動抑制制御装置のアクチュエータを、台車に対して車体を移動させる位置に設けるのが好ましいことは言うまでもない。
【0017】
そして、鉄道車輌の車体の振動を計測するサンプリング周波数をYHz、前記車体をアクチュエータにより振動抑制する振動抑制制御装置の制御周波数帯域をa〜bHzとした場合に、前記振動を計測する振動計測手段の持つ共振周波数XHzが、前記(1)式、(2)式から求められる周波数範囲を除外するステップと、
前記振動計測手段によって鉄道車輌の車体の振動を計測するステップと、
前記計測された車体の振動の値に応じて該振動を打ち消すように鉄道車輌の台車に対して前記車体をアクチュエータによって移動させるステップとは、
車体に取付け該車体の振動を計測する振動加速度計と、前記振動加速度計の出力に応じて能動的に前記車体の振動を抑制するための信号を出力する制御器と、空気源と、前記制御器の信号に応じて前記空気源からの空気流量を制御するサーボ弁と、前記サーボ弁によって制御された空気流量で前記車体の振動抑制をするよう作動するアクチュエータとを備えた装置により実施される。
【0018】
次いで、上記(1)式、(2)式について、図2を基にして説明する。
図2において、サンプリング周波数をYHz、振動抑制する振動抑制制御装置の制御周波数帯域をa〜bHzとし、横軸にこれらの周波数を表し、( )内は、周波数の値を導き出すための仮想の式を示している。サンプリング周波数はYHzであることから、サンプリング理論における折り返し位置はY/2と0Hzの位置である。従って、Y/2、Y、3Y/2、2Y、・・・・の位置で折り返される(エイリアシングされる)ことになる。なお、Y/2、Y、3Y/2、2Yを中心にして左右の‖、○記号は等距離を表す。
【0019】
この図2で、横軸上の太い実線Z部分が、制御周波数帯域とその制御周波数帯域に基づく振動加速度計を含む振動計測手段が規制されるべき共振周波数領域であり、この部分へのノイズの発生が許されない部分である。
すなわち、図2ではノイズの発生が許されない部分は、
(a)〜 (b)、
(Y−b)〜 (Y−a)、
(Y+a)〜 (Y+b)、
(2Y−b)〜(2Y−a)、
(2Y+a)〜(2Y+b)、
(3Y−b)〜(3Y−a)、



(mY+a)〜(mY+b) ・・・(1)式
(nY−b)〜(nY−a) ・・・(2)式
ただし、0≦a<b<Y
m:0、1、2、3、・・・・
n:1、2、3、4、・・・・
となる。
ちなみに、例えば、a=0、m=n=1とすると、サンプリング周波数前後で制限される周波数は連続し、(Y−b)〜(Y+b)Hzが振動加速度計の除外される共振周波数となる。
【0020】
以下、本発明に係る振動抑制制御装置を備えた鉄道車輌を具体例に基づいて説明する。
図3は、本発明の動抑制制御装置を模式的に例示している図である。
図3において、台車1と車体2より構成さる鉄道車輌の車体2に、本発明の振動抑制制御装置を搭載している。
4は車体2の振動を計測する振動加速度計であり、この図3では、特に、車体2の幅方向(紙面で左右方向)の振動を計測(検出軸方向)するように車体2に固定されている。
【0021】
この振動加速度計4には共振周波数XHzがあり、この共振周波数XHzと後述の制御器5のサンプリング周波数YHzとの関係から計測される計測信号にノイズが付加されることがある。従って、共振周波数XHzの値を好適な低い周波数とするために、振動加速度計4のケースに錘り41を取付けている。ここで、錘り41を用いず、そのかわりに振動加速度計4のケースを厚く重い部材にしてもよい。このように振動加速度計4には特別な機器を取付けず、錘り41等で振動加速度計4自身の共振周波数XHzを低下させている。このようにすることにより、前記振動加速度計4の共振周波数XHzは、振動加速度計4の計測値をサンプリングする制御器5のサンプリング周波数をYHz、および振動抑制制御する制御周波数帯域をa〜bHzとした時、前記(1)式、(2)式の範囲を除外するように調整されている。
【0022】
前記振動加速度計4からの計測信号は制御器5で受信される。制御器5は予め設定されているサンプリング周波数YHzでサンプリングし制御周波数帯域で制御信号を出力している。制御器5は、サーボ弁6に対しサンプリングした計測値に応じて、車体の振動を打ち消すように作動信号を与えている。
【0023】
サーボ弁6は、アクチュエータ3と該アクチュエータ3に空気を供給する空気源7の間に介在され、空気源7からアクチュエータ3への単位時間当たりの空気流量を調整する。
【0024】
アクチュエータ3は、復動式シリンダーによって構成され、取付け部材9を介し、台車1の上部と車体2の床下との間に、台車1に対して車体2を移動させる位置に取付けられている。そして、アクチュエータ3はサーボ弁6を介して送られてくる空気の圧力で検出された振動の大きさに比例して作動し、その振動を打ち消すように作動する。なお、8は空気流通管である。
【0025】
ここで1編成中のA、B、Cの3車輌に各2箇所ずつ設置している振動抑制制御装置において、サンプリング周波数を 100Hzとして、また、制御周波数帯域を0〜10Hzとし、振動抑制制御を行う例に基づいて以下にさらに詳述する。
この鉄道車輌を数日実走行させて1車輌あたり2箇所に設けられたアクチュエータでの空気消費量及び乗り心地レベルを調べ、同時に車輌に搭載したこの装置における振動加速度計の計測軸方向の共振周波数XHzをハンマリングして調べたところ、表2の対策前の欄に記載の通りであった。
【0026】
【表2】
Figure 0004254325
【0027】
対策前の車輌ではこの表2に記載のように、A号車、B号車のアクチュエータにおける空気消費量は、C号車のアクチュエータにおける空気消費量に比べ2倍以上で、無駄な制御が成されていた。同時にA号車の取付位置▲2▼、B号車の取付位置▲1▼の計測軸方向の共振周波数も高い。
一方、制御周波数帯域を0〜10Hzとし数式のaを0、bを10に、そしてサンプリング周波数を100Hz として数式のYを100 にし、本発明の数式で検証した振動加速度計の計測軸方向の共振周波数XHzの不適合範囲を表3に例示している。
【0028】
【表3】
Figure 0004254325
【0029】
この表3より求めた共振周波数XHzの不適合範囲と、前記表2の対策前の欄におけるハンマリングによる共振周波数XHzを比較すると、A号車の取付位置▲2▼、B号車の取付位置▲1▼のハンマリングによる共振周波数XHzは、求められた共振周波数XHzの不適合範囲である表3のケース(ロ)に含まれていることが判る。
【0030】
本発明に基づき、A号車の取付位置▲2▼およびB号車の取付位置▲1▼の振動加速度計のケースに約4kgの錘りを取付け、その結果をハンマリングにより共振周波数XHzを確認したところ、表2の本発明に基づく対策後の欄に記載の通りとなり、この値は表3の不適合範囲から外れた。これにより、この鉄道車輌の実走行結果(空気消費量、乗り心地レベルの少なくともいずれか一方)が改善されている。
なお、A号車の乗り心地レベルが大きいのは揺れの大きい最後尾車輌であること、B号車の空気消費量が多いのは、他の車輌にくらべて重い車輌であるためである。
【0031】
この具体例では、振動加速度計の計測軸方向の共振周波数XHzを変更する方法として、振動加速度計のケースに錘りを取付ける方法を述べたが、この方法以外に、
▲1▼、振動加速度計のケースの材質を変更する方法、
▲2▼、振動加速度計のケースの取付け架台強度、ケース強度を変更する方法、
▲3▼、振動加速度計のケースの車体からの取付け距離を変更する方法等種々の方法でも良く、これらの方法も本発明の範囲に含まれる。
【0032】
本発明による錘りを取付ける、ケース材質を軟らかいものにする、ケースを重いものにする、あるいはケース取付け部にダンパーを用いたり、取付け距離を長くするなどの各方法は、共振周波数を低下させる。つまりこれらの手段は、振動加速度計の共振周波数を低下させる手段の一例を示すものであり、これらによって、本具体例に示されているように、大幅に振動特性が改善される。
【0033】
ところで、A号車の取付位置▲2▼およびB号車の取付位置▲1▼以外の他の振動加速度計の共振周波数は、元々20Hz〜60Hzでありサンプリング周波数の20〜60%とエイリアシングノイズが発生しないか、発生したとしても問題のない領域にある。
【0034】
A号車の取付位置▲2▼の振動加速度計の共振周波数については、対策前が100Hzであったが対策後は56Hzとサンプリング周波数100Hzに対して100%から56%に低下している。また、B号車の取付位置▲1▼の振動加速度計の共振周波数については、対策前が110Hzであったが対策後は74Hzとサンプリングに対して110%から74%に低下している。これらの事実及び発明者の経験により振動加速度計の共振周波数は、サンプリング周波数の75%以下であれば、問題となるエイリアシングノイズの発生を避けられることが判った。勿論図1(d)に模式的に示しているように、制御周波数帯域に本当の共振周波数が入ってしまうことは望ましくなく、通常は制御周波数帯域の方が振動加速度計の共振周波数よりも低いので、この振動加速度計の共振周波数は、制御周波数帯域よりも高いことが望ましい。
また、本発明では、サンプリング周波数Hzで表示したが、サンプリング周波数を時間に変えmsecで表示することができる。この場合はWHzは103/Wmsecに相当する。
【0035】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、鉄道車輛に設けた振動抑制制御装置を構成する振動加速度計の共振周波数を規定することにより、振動抑制制御装置の制御周波数帯域にノイズ混入するのを防げ、振動抑制の大幅向上とこれに伴うアクチュエータの誤作動の大幅防止も可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】エイリアシングノイズの発生仕組みを説明する図である。
【図2】サンプリング周波数YHzと振動制御する制御周波数帯域a〜bHzから、共振周波数XHzを除外のための一般式算出を説明する図である。
【図3】本発明の振動抑制制御装置を模式的に例示した図である。
【図4】従来における振動抑制制御装置を模式的に示した図である。
【符号の説明】
1 台車
2 車体
3 アクチュエータ
4 振動加速度計
41 錘り
5 制御器
6 サーボ弁
7 空気源
8 空気流通管
9 取付け部材

Claims (6)

  1. 鉄道車輌の車体に取付け該車体の振動を計測する振動計測手段と、
    この振動計測手段による計測値により振動抑制するよう作動するアクチュエータとを少なくとも有し、
    前記振動計測手段により計測された振動の計測値をサンプリングするサンプリング周波数をYHz、および、前記車体を前記アクチュエータにより振動抑制制御する制御周波数帯域をa〜bHzとした場合に、前記振動計測手段の共振周波数XHzが下記算出式から求められる周波数範囲を除外するようにしたことを特徴とする鉄道車輌の振動抑制制御装置。
    XHz=(mY+a)〜(mY+b)
    XHz=(nY−b)〜(nY−a)
    ただし、0≦a<b<Y
    m:0、1、2、3、・・・・
    n:1、2、3、4、・・・・
  2. 鉄道車輌の車体に取付け該車体の振動を計測する振動計測手段と、
    前記振動計測手段による計測値に応じて能動的に前記車体の振動を抑制するための信号を出力する制御器と、
    空気源と、
    前記制御器から出力される信号に応じて前記空気源からの空気流量を制御するサーボ弁と、
    前記サーボ弁によって制御された空気流量で前記車体の振動抑制をするよう作動するアクチュエータとを備え、
    前記振動計測手段により計測された振動の計測値をサンプリングするサンプリング周波数をY Hz 、および、前記車体を前記アクチュエータにより振動抑制制御する制御周波数帯域をa〜b Hz とした場合に、前記振動計測手段の共振周波数X Hz が下記算出式から求められる周波数範囲を除外するようにしたことを特徴とする鉄道車輌の振動抑制制御装置。
    Hz =(mY+a)〜(mY+b)
    Hz =(nY−b)〜(nY−a)
    ただし、0≦a<b<Y
    m:0、1、2、3、・・・・
    n:1、2、3、4、・・・・
  3. 前記振動計測手段、該振動計測手段自身の共振周波数低下手段を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の鉄道車輌の振動抑制制御装置。
  4. 記振動計測手段の共振周波数を、振動制御する制御周波数帯域より大きく、且つ前記振動計測手段により計測された振動計測値をサンプリングするサンプリング周波数の75%以下にすることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の鉄道車輌の振動抑制制御装置。
  5. 求項1乃至のいずれかに記載の振動抑制制御装置を備えたことを特徴とする鉄道車輌。
  6. 鉄道車輌の車体の振動を計測するサンプリング周波数をYHz、前記車体をアクチュエータにより振動抑制する振動抑制制御装置の制御周波数帯域をa〜bHzとした場合に、前記振動を計測する振動計測手段の持つ共振周波数XHzが、下記算出式から求められる周波数範囲を除外するステップと、
    前記振動計測手段によって鉄道車輌の車体の振動を計測するステップと、
    前記計測された車体の振動の値に応じて該振動を打ち消すように鉄道車輌の台車に対して前記車体をアクチュエータによって移動させるステップとを含むことを特徴とする鉄道車輌の振動抑制制御方法。
    XHz=(mY+a)〜(mY+b)
    XHz=(nY−b)〜(nY−a)
    ただし、0≦a<b<Y
    m:0、1、2、3、・・・・
    n:1、2、3、4、・・・・
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