JP2012001076A - 車両の減衰力制御装置及び減衰力制御方法 - Google Patents

車両の減衰力制御装置及び減衰力制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】車体4と乗員1との一体感を向上させることで、乗員1の乗り心地を向上可能な車両の減衰力制御の技術を目的とする。
【解決手段】車体4と車輪6との間に設置された減衰力可変型のショックアブソーバ5の減衰力を減衰力目標値に制御する際に、車体4に対する乗員1の相対変位が大きい場合には、上記相対変位が小さい場合に比べて、上記減衰力目標値を大きく設定する。
【選択図】 図4

Description

本発明は、減衰力可変型のショックアブソーバを備えた車両の減衰力制御の技術に関する。
減衰力可変型のショックアブソーバを備えた車両の減衰力制御装置としては、例えば特許文献1に記載の装置がある。この減衰力制御装置は、車体振動を示す信号から高周波成分と低周波成分とを抽出する。そして、この減衰力制御装置は、その高周波成分及び低周波成分に基づき減衰力目標値を設定して減衰力可変型のショックアブソーバの減衰力を可変制御する。
特開平8−58338号公報
しかし、特許文献1に記載の減衰力制御装置では、車体の振動が低減できても、車両に対する乗員の相対移動までは低減できないという課題があった。
本発明は、上記のような点に着目してなされたもので、車体と乗員との一体感を向上させることで、乗員の乗り心地を向上可能な車両の減衰力制御の技術を目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、車体と車輪との間に設置された減衰力可変型のショックアブソーバの減衰力を減衰力目標値に制御する際に、車体に対する乗員の相対変位が大きい場合には、上記相対変位が小さい場合に比べて、上記減衰力目標値を大きく設定する。
本発明によれば、乗員の振動を低減して車体と乗員との一体感が向上することで、乗員の安心感が向上する。この結果、乗員の乗り心地を向上させることが出来る。
本発明に基づく実施形態に係る車両の構成を示す模式的構造図である。 本発明に基づく実施形態に係る減衰力可変型のショックアブソーバを説明する概念図である。 本発明に基づく実施形態に係る振動モデルの一例を示す概念図である。 本発明に基づく第1実施形態に係る減衰力コントローラの構成を示す図である。 本発明に基づく第1実施形態に係る減衰力モード設定部14Cの処理を説明する図である。 本発明に基づく第1実施形態に係る減衰力目標値をマップで設定する場合に使用するマップの一例を示す図である。 実施例における車体の左右振動を示す図である。 実施例における乗員の左右絶対振動を示す図である。 実施例における乗員の左右相対振動を示す図である。 本発明に基づく第1実施形態に係る変形例を説明する図である。 車速とゲインGvとの関係の一例を示す図である。 本発明に基づく第2実施形態に係る相対変位取得手段の構成を示す図である。
次に本発明に係る実施形態について図面を参照して説明する。
本実施形態の車両は、模式図である図1に示すように、各輪6を揺動可能に支持するサスペンション装置が配置され、その各サスペンション装置の一部としてショックアブソーバ5が設けられている。
図1における符号1は、運転席2に着座した乗員(運転者)を表している。また符号3は上記運転者1を撮像するカメラである。カメラ3は、乗員1の前方且つ斜め上方に位置する車体4のピラー等に取り付けられている。カメラ3は、撮像した画像を後述の減衰力コントローラ10に出力する。また、車速センサ7が車両に搭載されている。車速センサ7は、検出した車速情報を減衰力コントローラ10に出力する。車速センサ7は、例えば各輪6の車輪速から車速を検出する。
上記各ショックアブソーバ5は、図2に示すように、車両のバネ上(車体4)とバネ下(対応する車輪6)との間に介装される。具体的には、ショックアブソーバ5の下端部は、車輪6、若しくは車輪6と車体4とを連結するサスペンション部材に連結する。ショックアブソーバ5の上端部は車体4に連結する。
上記ショックアブソーバ5は、減衰力可変型のショックアブソーバ5である。すなわち、ショックアブソーバ5は、オリフィスの大きさを変更して減衰力を変更するためのアクチュエータ13を備える。アクチュエータ13は、例えば、ロータリソレノイドなどから構成してショックアブソーバ5内に配置したコントロールシャフトを回転変位させることで、減衰力を変化する。上記アクチュエータ13は、減衰力コントローラ10からの指令に応じて回転変位量を調整する。もっとも、減衰力可変の機構はこれに限定されない。
また、上記ショックアブソーバ5と共にサスペンションスプリング9を配置する。
また、平面視において対象とするショックアブソーバ近傍位置の車体4に、バネ上用の上下加速度センサ11を設ける。バネ上用の上下加速度センサ11は、バネ上の上下加速度を検出し、検出信号を減衰力コントローラ10に出力する。バネ上用の上下加速度センサ11の設定位置は、平面視において、対象とするショックアブソーバ5に近い位置である。
また、車輪6側に、バネ下用の上下加速度センサ12を設ける。バネ下用の上下加速度センサ12は、バネ下の上下加速度を検出し、検出信号を減衰力コントローラ10に出力する。
ここで、図3に、本実施形態の車両各輪におけるモデルを示す。x0は、路面の上下変位を示す。x1は、バネ下の変位を示す。x2は、バネ上の変位を示す。
なお、以下の説明では、「′」は1回微分を表す。「″」は2回微分を表す。
次に、本実施形態の減衰力コントローラ10について説明する。
減衰力コントローラ10は、減衰力可変型のショックアブソーバ5の減衰力を減衰力目標値に制御する。この減衰力コントローラ10は、図4に示すように、乗員振動演算部10Aと減衰力設定部10Bとを備える。
乗員振動演算部10Aは、車体4に対する乗員1の相対変位の情報である相対変位情報を取得する相対変位取得手段を構成する。本実施形態の乗員振動演算部10Aは、所定の制御サイクルでカメラ3からの画像を入力する。そして、乗員振動演算部10Aは、入力画像から乗員1における観測位置を抽出する。そして、乗員振動演算部10Aは、連続的に抽出する観測位置の情報に基づき、連続的に入力する画像における乗員1の移動(車体4に対する乗員1の相対移動)の情報である振動偏差Hを求める。この振動偏差Hが相対変位情報となる。
ここで、振動偏差Hを求める際における乗員1の観測位置は、例えば頭や目線とする。乗員1の安定感という観点からは目線の方が好ましい。なお、観測位置を胸部と頭部などの2点以上とし、その2点以上の観測位置での情報から振動偏差Hを求めるようにしても良い。
振動偏差Hは、例えば、予め設定した設定時間における振幅(例えば左右への相対移動量)や周波数の平均値とする。若しくは、振動偏差Hは、上記設定時間当たりの観測位置の動きの総軌跡長や、その軌跡で囲まれる総面積とする。
上記減衰力設定部10Bは、積分手段14A、復元力演算部14B、減衰力モード設定部14C、スカイフック要求減衰力演算部14D、及び要求減衰力演算部14Eを備える。
積分手段14Aは、バネ上上下速度演算部14Aa、バネ下上下速度演算部14Ab、ストローク速度演算部14Ac、及びストローク演算部14Adを備える。
バネ上上下速度演算部14Aaは、バネ上用の上下加速度センサ11が検出する上下加速度を積分することで、バネ上の上下速度x2′を演算する。
バネ下上下速度演算部14Abは、バネ下用の上下加速度センサ12が検出する上下加速度を積分することで、バネ下の上下速度x1′を演算する。
ストローク速度演算部14Acは、バネ上上下速度演算部14Aa及びバネ上上下速度演算部14Aaが演算した、バネ上及びバネ下の各上下速度の偏差から、サスペンションのストローク速度(x2′−x1′)を演算する。
ストローク演算部14Adは、ストローク速度演算部14Acが演算したストローク速度を積分することで、サスペンションのストローク量(x2−x1)を演算する。
ここで、上記ストローク量及びストローク速度は、次のようにしても求めても良い。すなわち、サスペンションの上下ストロークを検出するストローク検出手段を設ける。ストローク検出センサは、車体4に対する車輪6の上下ストローク量を検出して、検出信号を減衰力コントローラ10に出力する。上記上下ストローク量は、サスペンションリンクの上下方向の揺動角や、ショックアブソーバ5のストローク量を検出することで取得可能とである。このストローク検出手段によって、サスペンションのストローク量を演算する。更に、ストローク量を微分処理することでストローク速度を演算する。
復元力演算部14Bは、下記式のように、ストローク量にバネ定数K1を乗算することで復元力成分fksを算出する。なお、ストローク量に対し復元力成分fksが線形でない場合には、関数若しくはマップを使用し、ストローク量をパラメータとして復元力成分fksを演算する。
ks = K1×(x2 −x1)
減衰力モード設定部14Cは、車体及び乗員の振動情報から車両の減衰力モードを設定する。
減衰力モード設定部14Cは、例えば所定の制御サイクルで図5に示すような処理を実施する。すなわち、まずステップS10にて、車体4の動きの量が、予め設定した車体動き閾値ΔSより大きいか否かを判定する。車体4の動きの量が車体動き閾値ΔSより大きい場合にはステップS20に移行する。一方、車体4の動きの量が車体動き閾値ΔS以下の場合には、ステップS30に移行する。
車体4の動きの量は、例えばバネ上上下速度演算部14Aaが演算したバネ上の上下速度x2′とする。この場合には、4輪の各バネ上の上下速度の平均値や乗員1の着差位置でのバネ上の上下速度を算出して使用する。若しくは、車体4に別途加速度センサを設け、その加速度センサの検出値を車体4の動きの量としても良い。
また、車体動き閾値ΔSは、予め感応試験などによって、それを越える車体動きがあると乗員1に不快感を与えるという上限値を推定して設定する。
ステップS20では、乗員振動演算部10Aが求めた振動偏差Hが予め設定した偏差閾値ΔHを越えるか否かを判定する。振動偏差Hが偏差閾値ΔHより小さい場合には、ステップS40に移行する。一方、振動偏差Hが偏差閾値ΔH以上の場合には、ステップS50に移行する。
ステップS30では、ソフトモードのスカイフック減衰係数CLLをスカイフック減衰係数Cskyに設定する。
ステップSS40では、ハードモードのスカイフック減衰係数CHHをスカイフック減衰係数Cskyに設定する。減衰係数CHHは、減衰係数LLよりも大きな値とする。
また、ステップS50では、中間モードのスカイフック減衰係数CHLをスカイフック減衰係数Cskyに設定する。減衰係数CHLは、減衰係数LLよりも大きいが、減衰係数CHHよりも小さい値とする。
すなわち、減衰係数は下記の関係になっている。
CHH > CHL > CLL ・・・(1)
ここで、中間モードの減衰係数CHLは、(1)の条件を満足する範囲で、振動偏差Hが大きいほど小さくなるように設定変更しても良い。
次に、スカイフック要求減衰力演算部14Dは、スカイフック制御則に基づくスカイフック要求減衰力を演算する。すなわち、スカイフック要求減衰力演算部14Dは、バネ上の上下速度を抑える減衰力目標値を算出する。
具体的には、下記式のいずれかに基づき、バネ上の上下速度に対してスカイフック減衰係数Cskyを乗算して、スカイフック要求減衰力fdemを演算する。
dem =Csky×x2′(t) −fks
dem =Csky×(x2′(t)−x1′(t))−fks
ここで、tは時間を示す。
要求減衰力演算部14Eは、スカイフック要求減衰力演算部14Dが算出した減衰力目標値に対応した指令値を、対応するアクチュエータ13に出力する。
上述のような減衰力制御は、各輪のショックアブソーバ5毎に実施する。
ここで、上記説明では、減衰力モード設定部14Cにおいて、減衰係数Cskyを減衰力モードに応じて設定し、スカイフック要求減衰力演算部14Dで減衰力目標値を演算する場合で説明した。これに代えて、減衰力モードとバネ上の上下速度(若しくバネ上とバネ下の上下速度の差)とを入力値として、予め設定したマップから減衰力目標値を求めても良い。
例えば、図6のようなマップを用意しておき、減衰力モード設定部14Cで設定した減衰係数(ハードモード、中間モード、ソフトモード)に応じて、上限値を設定するようにしても良い。
(動作・作用)
各輪のショックアブソーバ5毎に次の減衰力制御を実施する。
減衰力制御を行う減衰力コントローラ10は、予め設定した制御周期毎に作動して、バネ上の上下速度x2′(t)若しくはバネ上とバネ下の上下速度の差から、バネ上の変位を抑えるためのスカイフック要求減衰力fdemを演算する。そして、演算したスカイフック要求減衰力fdemを、ショックアブソーバ5の減衰力目標値として制御する。
このとき、本実施形態では、ショックアブソーバ5の減衰力として、3種類の減衰力モードを考える。3種類の減衰モードは、ソフトモード、ハードモード、及びその中間の減衰力である中間モードである。
すなわち、減衰力モード設定部14Cは、車両の動きの量(振動の大きさ)が車体動き閾値ΔS以下であるために、乗員1と車体4との一体感が無くなる可能性が小さい(不快感の発生可能性が小さい)と判定した場合には、減衰力モードとしてソフトモードを採用する。この結果、ショックアブソーバ5の減衰力が小さく設定される。すなわち、この場合には車体4の振動が小さいので、減衰力目標値を低い減衰力に設定して、乗員1に対する快適性を向上させる。
一方、減衰力モード設定部14Cは、車両の動きの量(振動の大きさ)が車体動き閾値ΔSよりも大きい場合には、車体の振動を低減するために、ソフトモードよりも減衰力が大きい減衰力モードであるハードモード又は中間モードを選択する。この結果、ソフトモードが選択された場合よりも高い減衰力目標値に設定して、車体4の振動を抑制するようにする。
このとき、減衰力モード設定部14Cは、乗員1の振動偏差Hが偏差閾値ΔH以下の場合には、乗員1は車体4と一体感があると推定されるので、減衰力モードとして減衰力傾向が一番高いハードモードを選択する。これによって車両の振動をより確実に抑制する。
一方、減衰力モード設定部14Cは、乗員1の振動偏差Hが偏差閾値ΔHよりも大きい場合には、車体4の振動抑制よりも乗員1の振動を低減させるために、減衰力モードとして、ソフトモードの場合よりも減衰力が大きいが、ハードモードよりも減衰力が小さい、中間モードを選択する。これによって、車体4振動の低減よりも、車体4に対する乗員1の相対移動の低減を優先するように、ハードモードの場合と比較して減衰力目標値を低めに設定することになる。このとき、ソフトモードの場合よりも減衰力が大きくなるので、車体4の振動低減も行われる。
例えば、減衰力コントローラ10は、車体4の振動が大きくなったときに、車体4に対する乗員1の相対移動が小さい場合には、ハードモードして減衰力を大きく設定して車体4の振動を抑えるようにショックアブソーバ5の減衰力を制御する。このときに、減衰力コントローラ10は、車体4に対する乗員1の相対移動が大きくなって車体4に対する乗員1の一体感が損なわれる恐れがあると判定すると、減衰力目標値を相対的に低くして、乗員1の車体4に対する一体感が無くなるのを抑えつつ、車体4の振動低減を行うようにショックアブソーバ5を制御する。
以上のように、車体4に対する乗員1の一体化が損なわれているか、損なわれる恐れがある場合には、減衰力コントローラ10は、車体4に対する乗員1の相対移動が低減可能なようにハードモードよりも減衰力目標値を小さく設定する。この結果、車体4に対する乗員1の相対振動を低減して車体4と乗員1との一体感が向上することで、乗員1の安心感が向上する。この結果、乗員1の乗り心地を向上させることが出来る。
ここで、車体4に対する乗員1の相対移動として左右方向(ロール方向)の相対移動を対象として、実際に上記説明した実施形態に基づき制御を実験してみた。後述の図7〜図9において、実線が実施例を、一点鎖線が比較を、破線が制御を行わない場合をそれぞれ示している。
すなわち、車体の左右振動を示す図7のように、車体4が左右方向に振られる路面の場合、車両中心での左右方向の振動が乗員1に入力する。
このような路面の場合、上記背景技術で説明した制御を採用した比較例(一点鎖線)の場合では、車体4の動きを抑えるため車両低周波の振動を抑えることで、車体4の動きは低減しており、図8のように、乗員1の絶対振動も、制御を行わない場合(破線)に比べれば低減する傾向にはある。
しかし、比較例では、車体4に対する乗員1の相対的な動き(車体に対する乗員の頭部で観測した。)をみると、制御を行わない場合(破線)と比較して、あまり改善が見られず、車体4との相対的な動きまでは低減できていないことが分かる。
一方、本実施形態を適用した実施例の場合(実線)では、乗員1の相対振動を検知し、車両と乗員1の振動を低減する為の減衰力を発生させることで、図7に示すように、車体4の左右振動の減衰効果は、比較例と同等の減衰効果を得つつも、図8及び図9に示すように、乗員1自体の振動(絶対変位)の比較例よりも向上していることが分かる。これは、乗員1と車両との相対的な振動が低減したことにより(図9参照)、乗員1が車両に遅れて振られなくなったためである。
ここで、制御に使用する乗員1の相対移動としては、左右方向(ロール方向)、前後方向、上下方向の3方向がある、この3方向の相対移動を個別に取得して、個別の偏差閾値ΔHに基づき1又は2以上の相対移動が大きいと判定した場合に、減衰力モードを中間モードに設定するようにすればよい。上記3方向のうち1方向だけを選択する必要がある場合には、左右方向を選択することが好ましい。前後方向、上下方向と比較して、シートベルトによる相対的に乗員1の拘束力が弱いためである。また、上述のように、所定時間当たりの移動軌跡の総軌跡長や軌跡内の面積を振動偏差Hとした場合には、複数方向の乗員1の相対変位の情報として取得したこととなる。また、車体の振動方向によって制御に使用する相対移動の方向を決定するようにしても良い。すなわち車体の振動が卓越する方向を、制御に使用する相対移動の方向としても良い。
ここで、乗員振動演算部10Aが相対変位取得手段を構成する。減衰力設定部10Bが減衰力目標値設定手段を構成する。
(本実施形態の効果)
(1)相対変位取得手段は、車体4に対する乗員1の相対変位の情報である相対変位情報を取得する。減衰力目標値設定手段は、上記相対変位取得手段が取得した相対変位情報に基づき、上記相対変位が大きい場合には、上記相対変位が小さい場合に比べて、上記減衰力目標値を大きく設定する。
乗員振動を低減するような減衰力目標値の設定を行なうことで、乗員振動が低減し且つ車体との一体感で確保されて、安心した運転感覚が得られる。
(2)このとき、減衰力コントローラ10は、車体4がある程度振動以上振動している場合にだけ、乗員1の相対変位が大きい時に減衰力目標を相対的に小さくする。
車体4の振動が小さい場合には、乗員1の振動も小さいか無い。この場合には、乗員1は安心感より快適性を求める為、減衰力目標値を下げることで、乗員1の快適性を確保可能となる。また、車両挙動が乱れた場合には、乗員1の動きを検知し、乗員振動を低減することで安心した運転感覚をもたらすことが出来る。
(変形例)
(1)上記説明では、相対変位取得手段は、車体4に取り付けたカメラ3が撮像した画像に基づき、車体4に対する乗員1の相対振動を相対移動情報として求めている。これに代えて若しくは併用して、次のようにして車体4に対する乗員1の振動を相対移動情報として求めても良い。
すなわち、図10に示すように、乗員1に装着するゴーグルや帽子に、乗員1の振動を計測する第1の加速度センサ50を取り付ける。また、車体4に対し第2の加速度センサ51を設ける。
そして、上記第1の加速度センサ50の検出値と、第2の加速度センサ51の検出値とから車体4に対する乗員1の振動を振動偏差Hとして求める。ここで、第1の加速度センサ50が乗員振動取得手段を構成する。第2の加速度センサ51が車体振動取得手段を構成する。
この場合には、乗員1の振動を直接計測することで、振動偏差Hの演算精度が向上する。
また、カメラ3で乗員1の振動情報を取得する場合、乗員1の3次元方向の振動を検出しようとすると、少なくとも2方向からカメラ3で乗員1を撮像する必要があり、その画像の合成処理など処理工数が大きくなる。この点、乗員1の振動を直接計測する場合には、構成が簡易となると共に2台以上のカメラ3を使用する場合と比べても検出精度が向上する。
また、乗員振動演算部10Aは、乗員1の着座する運転席2の着座部の荷重分布及び荷重の変化を使用して乗員1の振動を推定しても良い。例えば、乗員1の体が右に振れれば、右側の臀部の下方部分への負荷が増大方向に変化すると共に左側の臀部の下方部分への負荷が減少方向に変化することで左右方向の振動を検知可能である。また、着座部への臀部からの負荷が全体的に減少方向に変化している場合には、乗員1の上方への加速度が発生していることを検知可能である。
(2)このとき、乗員振動演算部10Aは、予め実験などで求めた数式モデルを使用して、車体4の振動から乗員1の振動を求めて、車体4に対する乗員1の振動情報を取得するようにしても良い。
例えば、3カ所以上のショックアブソーバ5における各バネ上の上下加速度に基づいて乗員1位置での上下、前後、及び左右方向の加速度を求め、その求めた加速度から乗員1の振動を推定する。
(3)また、減衰力目標値設定手段は、車速が小さい場合、車速が大きい場合と比較して、上記減衰力目標値を小さく設定するようにしても良い。
例えば、図11に示すように、車速が大きくなるほど大きな値となるゲインGvを使用して、上記スカイフック要求減衰力演算部14Dで、下記式のように、減衰係数CskyにゲインGvを乗算する。
Csky ← Gv ×Csky
ここで、乗員1は車速が低い領域では、快適性を求める為、減衰力が小さい方が良い。一方、車速が高い領域では安心感を求める為、減衰力を高めに設定する事が良い。このことを実現することが出来る。
すなわち、車速が低い場合には快適性が得られる方向に減衰力目標値を設定し、高速時には安心感が得られる方向に減衰力目標値を設定することが可能となる。
(4)また、上記実施形態では、一つの偏差閾値ΔHによって、当該振動偏差Hが偏差閾値ΔH以上の場合には、中間モードを選択し、振動偏差Hが偏差閾値ΔH未満の場合にはハードモードを選択するようにしている。
これに代えて、減衰力モード設定部14Cは、偏差閾値ΔHとして第1の偏差閾値ΔH1と、第1の偏差閾値ΔH1よりも大きな第2の偏差閾値ΔH2を使用して、第1の偏差閾値ΔH1と第2の偏差閾値ΔH2との間の値を不感帯としても良い。
そして、減衰力モード設定部14Cは、振動偏差Hが第2の偏差閾値ΔH2以上の場合には、ソフトモードを選択する。振動偏差Hが第1の偏差閾値ΔH1以下の場合には、ハードモードを選択する。振動偏差Hが第1の偏差閾値ΔH1よりも大きく且つ第2の偏差閾値ΔH2よりも小さい場合には、前回値の減衰力目標値を採用する。
この場合には、偏差閾値ΔH付近でのハンチング発生を小さくすることが可能となる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について図面を参照して説明する。なお、上記実施形態と同様な装置などについては同一の符号を付して説明する。
本実施形態の基本構成は、上記第1実施形態と同様である。
ただし、本実施形態では、乗員1の振動から、車体4に対する乗員1の相対移動の情報である相対移動情報を求め、その求めた相対移動情報から、低周波成分と高周波成分とを抽出し、その抽出した低周波成分と高周波成分とを比較して減衰力モードを選択する。
その他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
すなわち、本実施形態では、上記相対変位取得手段は、車両の乗員1に発生している振動の高周波成分及び低周波成分をそれぞれ抽出する成分抽出手段を備え、上記高周波成分及び低周波成分を上記相対変位情報とし、上記低周波成分が高周波成分よりも大きい場合、上記高周波成分が低周波成分よりも大きい場合と比較して、乗員1の上記相対変位が大きいと判定する。
(構成)
本実施形態の減衰力コントローラ10は、図12に示すように、乗員振動取得部15と、成分抽出手段16とを備える。成分抽出手段16は、低周波成分演算部16Aと、高周波成分演算部16Bとを備える。
乗員振動取得部15は、乗員1の振動を取得する。乗員振動取得部15は、例えば、乗員1に装着する装着物(ゴーグルなど)に取り付けた加速度センサから構成する。または、上述のように予め実験などで求めた数式モデルを使用して、車体4の振動から乗員1の振動を求めて、車体4に対する乗員1の相対移動に関する相対移動情報を求めるようにしても良い。または、上述のように、3カ所以上のショックアブソーバ5におけるバネ上の上下加速度に基づいて、乗員1位置での上下、前後、及び左右方向の加速度を求め、その求めた加速度から乗員1の振動を推定する。また、上述のように乗員1の着座部のおける荷重分布の変化及び荷重の変化から乗員1の振動を推定しても良い。
低周波成分演算部16Aは、乗員振動取得部15が取得した振動のうちの低周波成分(例えば0.5Hz〜2Hz)をバンドパスフィルタによって抽出する。さらに、低周波成分演算部16Aは、抽出した低周波成分に対して所定サンプリング時間でのピーク値をサンプリングする。
高周波成分演算部16Bは、乗員振動取得部15が取得した振動のうちの高周波成分(例えば2Hz〜20Hz)をバンドパスフィルタによって抽出する。さらに、高周波成分演算部16Bは、抽出した高周波成分に対して所定サンプリング時間でのピーク値をサンプリングする。
また、減衰力モード設定部14CにおけるステップS20の判断ステップにおいて、低周波成分演算部16Aが求めた低周波成分のピーク値と高周波成分演算部16Bが求めた高周波成分のピーク値とを比較する。そして、低周波成分のピーク値の方が相対的に大きい場合には、ステップS40に移行してハードモードを選択する。一方、高周波成分のピーク値の方が相対的に大きい場合には、ステップS50に移行して中間モードを選択する。
その他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
(動作)
減衰力コントローラ10は、乗員振動の低周波成分が大きい場合、乗員1そのものの変位が大きく、車体4も大きく振動しているものと推定される。このとき減衰力モードとしてハードモードを採用することで、車体4の振動を優先して低減する。
一方、減衰力コントローラ10は、乗員1の高周波成分が大きい場合、車両と位相を伴う動きが大きく、車体4に対する乗員1の相対変位が大きいと推定される。このとき減衰力モードとして中間モードを採用することで、乗員1の相対変位を低減する。
(本実施形態の効果)
(1)上記成分抽出手段16は、車両の乗員1に発生している振動の高周波成分及び低周波成分をそれぞれ抽出する。その上記高周波成分及び低周波成分は上記相対変位情報となる。そして、減衰力コントローラ10は、上記低周波成分が高周波成分よりも大きい場合、上記高周波成分が低周波成分よりも大きい場合と比較して、乗員1の上記相対変位が大きいと判定する。
これによって、乗員1の振動だけから適切な減衰力モードを選択することが可能である。
1 乗員
2 運転席
3 カメラ
4 車体
5 ショックアブソーバ
6 車輪
9 サスペンションスプリング
7 車速センサ
11 上下加速度センサ
12 上下加速度センサ
13 アクチュエータ
10 減衰力コントローラ
10A 乗員振動演算部(相対変位取得手段)
10B 減衰力設定部(減衰力目標値設定手段)
14A 積分手段
14Aa バネ上上下速度演算部
14Ab バネ下上下速度演算部
14Ac ストローク速度演算部
14Ad ストローク演算部
14B 復元力演算部
14C 減衰力モード設定部
14D スカイフック要求減衰力演算部
14E 要求減衰力演算部
15 乗員振動取得部
16 成分抽出手段
16A 低周波成分演算部
16B 高周波成分演算部
50 第1の加速度センサ(乗員振動取得手段)
51 第2の加速度センサ(車体振動取得手段)
Csky スカイフック減衰係数
dem スカイフック要求減衰力(減衰力目標値)

Claims (5)

  1. 車体と車輪との間に設置された減衰力可変型のショックアブソーバの減衰力を減衰力目標値に制御する減衰力制御装置であって、
    車体に対する乗員の相対変位の情報である相対変位情報を取得する相対変位取得手段と、
    上記相対変位取得手段が取得した相対変位情報に基づき、上記相対変位が大きい場合には、上記相対変位が小さい場合に比べて、上記減衰力目標値を大きく設定する減衰力目標値設定手段と、を備えることを特徴とする車両の減衰力制御装置。
  2. 上記相対変位取得手段は、
    乗員に発生する振動の情報である乗員振動情報を取得する乗員振動取得手段と、車体振動の情報である車体振動情報を取得する車体振動取得手段と、を備え、乗員振動取得手段が取得した乗員振動情報と車体振動取得手段が取得した車体振動情報とに基づき上記相対変位情報を求めることを特徴とする請求項1に記載した車両の減衰力制御装置。
  3. 上記相対変位取得手段は、乗員に発生する振動の情報である乗員振動情報を取得する乗員振動取得手段と、車両の乗員に発生している振動の高周波成分及び低周波成分をそれぞれ抽出する成分抽出手段とを備えて、上記高周波成分及び低周波成分を上記相対変位情報とし、
    上記低周波成分が高周波成分よりも大きい場合、上記高周波成分が低周波成分よりも大きい場合と比較して、乗員の上記相対変位が大きいと判定することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載した車両の減衰力制御装置。
  4. 車速を検出する車速検出手段を備え、
    減衰力目標値設定手段は、車速が小さい場合、車速が大きい場合と比較して、上記減衰力目標値を小さく設定することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載した車両の減衰力制御装置。
  5. 車体と車輪との間に設置された減衰力可変型のショックアブソーバの減衰力を減衰力目標値に制御する減衰力制御方法であって、
    車体に対する乗員の相対変位を取得し、その取得した相対変位に基づき、上記相対変位が大きい場合には、上記相対変位が小さい場合に比べて、上記減衰力目標値を大きく設定することを特徴とする車両の減衰力制御方法。
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