JP4254299B2 - 満水装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、揚水ポンプ用の満水装置に関し、特に乾式真空ポンプが用いられている満水装置およびそれを用いた揚水ポンプ機場に関する。
【0002】
【従来の技術】
揚水ポンプは、例えば大量の降雨や河川の氾濫による不時の出水などを排水するための排水設備場の排水ポンプなどとして用いられる。このような揚水ポンプは横軸ポンプの形態であるのが一般的である。横軸ポンプは、ポンプ羽根車が内部に配置されたポンプケーシングを備えており、揚水を開始するにあたって、そのポンプケーシング内に外部からの力で水を満たしてやる必要がある。そのために揚水ポンプには満水装置が補機として付属している。すなわち揚水ポンプ用の満水装置は、揚水ポンプによる揚水の開始に際して揚水ポンプのポンプケーシング内を負圧状態にして満水にするのに用いられる補機であり、ポンプケーシング内の負圧状態形成のために真空ポンプを備えている。
【0003】
従来の満水装置では、その真空ポンプとして、水封式真空ポンプが用いられていた。それは、満水操作時に水(これは濁水である場合が多い)を吸入しても水封式真空ポンプであればその性能を低下させることがないというのが大きな理由になっている。しかし水封式真空ポンプには、貯水槽や給水ポンプなどの封水供給設備を必要とし、そのために満水装置が大型化し、真空ポンプ自体の価格は比較的安いものの、装置全体として高コストになるという欠点がある。また、揚水ポンプを排水ポンプとして用いる場合には、不時の出水対策用であることから、一般的にその運転頻度が低く、そのために満水装置も運転が停止されている期間が長く、その間に真空ポンプのロータなどが水分により錆びて固着するなど、より一層の信頼性向上が望まれていた。
【0004】
このようなことから、満水装置の無水化に対する要求が高まり、最近は真空ポンプとして乾式真空ポンプを用いた満水装置が採用される例が増える傾向にある。しかし乾式真空ポンプにも問題はある。すなわち、乾式真空ポンプは基本的に水分を嫌うことから、そこへ水が吸入されるのを防止するための機構を十分に整える必要があるということである。そのような要求に応える満水装置を補機とした揚水ポンプの例が特許文献1や特許文献2に開示されている。
【0005】
特許文献1に開示の揚水ポンプ(横軸ポンプ)では、揚水ポンプのポンプケーシングと満水装置の真空ポンプをつなぐ吸気管に十分な立ち上がり部を設け、この立ち上がり部により真空ポンプの吸水を防止するようにしている。このため真空ポンプに乾式真空ポンプを用いることが可能となる。一方、特許文献2に開示の揚水ポンプ(横軸ポンプ)では、揚水ポンプのポンプケーシングと満水装置の真空ポンプをつなぐ配管の途中に真空タンクを設け、この真空タンクに気液分離機能を発揮させることで、真空ポンプの吸水を防止するようにしている。
【0006】
【特許文献1】
特開平2002−206494号公報(図1)
【特許文献2】
特開平2002−138982号公報(図1)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1における揚水ポンプのように吸気管に十分な立ち上がり部を設ける構造では、揚水ポンプにおける揚水高以上の高さの立ち上がり部を必要とする。揚水ポンプが設置される一般的な揚水ポンプ機場における揚水高は例えば6m前後ある。したがって6m以上で立ち上がり部を設ける必要があることになる。この結果、揚水ポンプ機場の建屋が大きくなり、大幅なコスト増を招きかねないことになる。
【0008】
これに対して、特許文献2における揚水ポンプのように、気液分離機能を有する真空タンクを介在させて吸水の防止をなす方式はその構造をコンパクトなものに収めることが可能である。しかし、この方式にも問題が残されている。それは真空ポンプの吸水防止に不安定要因があるということである。すなわち気液分離機能を有した真空タンクによる方式では、真空タンクへ大量の水が侵入してその気液分離機能が十分に働かなくなると、真空ポンプが吸水するおそれがある。そこで、特許文献2の揚水ポンプでは、満水検出手段を設け、この満水検出手段がポンプケーシングの満水を検出すると真空ポンプを停止させるようにすることにより、真空タンクへの大量な水の侵入を防ぐようにしている。ところで、このような機構の確実な作動を保障するには、満水検出手段に用いられる水位センサなどに高精度なものが必要である。しかるに、満水検出手段が作動する際には多くの場合に濁水に接触する。その結果、一回作動すると故障要因を抱え込む可能性が高くなる。そして次の揚水ポンプ運転時に満水検出手段が故障していると、ポンプケーシングの満水後にも真空ポンプが作動し続けて真空タンクへ大量の水が侵入し、それにより真空ポンプが吸水して排水作業の継続中に故障するおそれがある。このことは揚水ポンプにとって大きな問題である。すなわち、揚水ポンプは排水ポンプとして水害時の排水のように緊急的な状態で使用される場合が多いことから、必要時におけるその作動の確実性に高いものが要求され、できるだけ故障要因を減らすことが求められるからである。
【0009】
本発明は以上のような従来の事情を背景になされたものであり、その目的は、装置全体での経済性が高くなる乾式真空ポンプを用いた満水装置として、より故障要因が少なくて必要時の作動確実性の高い満水装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明では、揚水ポンプによる揚水の開始に際して前記揚水ポンプのポンプケーシング内に水を満たすための負圧状態を形成するのに用いられ、前記負圧状態形成用の乾式の真空ポンプを備えている満水装置において、前記真空ポンプにより前記ポンプケーシング内の空気を吸引する際、空気流とともに侵入してくる水を前記真空ポンプが吸水するのを防止するために空気流から水を分離して貯水する緩衝槽と、前記ポンプケーシングと前記緩衝槽の間を接続する配管と、前記ポンプケーシングに近接するように前記配管に設けられ、かつ前記ポンプケーシングの満水状態を検知する第1の満水検出手段と、前記第1の満水検知手段と直列になるように前記緩衝槽内に設けられ、かつ前記第1の満水検知手段により前記ポンプケーシングの満水状態検知がなされなかった場合に前記ポンプケーシングの満水状態を検知するようにした第2の満水検知手段と、を具備したことを特徴としている。
【0012】
また本発明では、上記のような満水装置について、前記ポンプケーシングの満水状態検知がなされた後に前記真空ポンプの乾燥運転を行なえるようにしている。
【0013】
また本発明では、上記のような満水装置について、前記真空ポンプに乾式2段ルーツ形真空ポンプを用いるようにしている。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。図1に、一実施形態による満水装置を補機とした揚水ポンプの構成を模式化して示す。図の揚水ポンプは横軸ポンプである。また図の揚水ポンプは、吸込水槽11から吸上げた水を吐出水槽12に吐出させるのに用いる例としてある。揚水ポンプはポンプケーシング13を有している。ポンプケーシング13の上流側には吸込エルボ14を介して吸込管15が接続され、この吸込管15の先端部の吸込口16が吸込水槽11の水面下に没するようにされている。一方、ポンプケーシング13の下流側には吐出管17が接続され、この吐出管17の先端部の吐出口18が吐出水槽12の水面下に没するようにされている。またポンプケーシング13にはその内部にポンプ羽根車19が組み込まれている。そしてこのポンプ羽根車19は、吸込エルボ14の壁を横方向に貫通する主軸20の一端に固定されている。一方、主軸20の他端は、減速機21を介して駆動電動機22に連結されている。ここで、ポンプケーシング13下流側に吐出弁を設ける構成とすることも可能で、その場合にはルーズ短管を介して吐出弁を設け、その吐出弁に吐出管17を接続することになる。
【0016】
満水装置はポンプケーシング13の上部に設けられた開口部31を介して揚水ポンプに接続されている。この満水装置は、ポンプケーシング13の側から順に配管で接続されて配置される第1の満水検知手段32、緩衝槽33、ストレーナ34、逆止弁35、および乾式の真空ポンプ36を備えている。
【0017】
第1の満水検知手段32は、例えば水位センサなどが用いられる検知部37を満水検知容器38に取り付けた構造とされている。その検知部37は、点線で示す信号線により制御手段39に電気的に接続され、後述のようにしてポンプケーシング13の満水を検知すると制御手段39に検知信号を伝えるようにされている。一方、その満水検知容器38には、その内に真空ポンプ36で形成される負圧状態を破壊するための真空破壊手段として第1の真空ブレーク弁40が接続されている。
【0018】
緩衝槽33には基本として二つの機能がある。その一つは、真空ポンプ36で吸引される空気流とともに第1の満水検知手段32における満水検知容器38を越えて侵入してくる水を真空ポンプ36が吸水するのを防止するために空気流から分離して貯水する緩衝用であり、それに必要な容量と形状を有している。具体的には、満水検知容器38から緩衝槽33の胴部に接続する配管Paを通して緩衝槽33に流れ込む水分混入の空気流から急激な膨張により水分を分離させることができるサイズで横断面円形状の縦長容器の形態で形成してある。他の一つの機能は、第1の満水検知手段32をバックアップするための第2の満水検知手段42としての機能である。すなわち緩衝槽33は第1の満水検知手段32における満水検知容器38と同様に機能し、また緩衝槽33の胴部に取り付けられている検知部42sが第1の満水検知手段32における検知部37と同様に機能する。
【0019】
この緩衝槽33には、後述するような機能を有する分離弁41が配管Paを介して接続されるとともに、緩衝槽33の真空破壊手段である第2の真空ブレーク弁43が接続され、さらに緩衝槽33に溜まった水を引き抜くためのドレン弁44が接続されている。
【0020】
ストレーナ34は、真空ポンプ36が吸引空気とともに異物を吸入するのを防止する。逆止弁35は、真空ポンプ36がその運転中に異常停止した場合に、当該逆止弁35から先の上流側の負圧状態を保持するのに機能する。
【0021】
以上の第1の真空ブレーク弁40、分離弁41、第2の真空ブレーク弁43、およびドレン弁44には電動弁が用いられている。そしてこれらの電動弁は、それぞれ信号線で電気的に制御手段39に接続され、それぞれの開閉状態信号を制御手段39に与え、また制御手段39からは開閉操作信号をそれぞれが与えられることで制御手段39による制御を受けるようになっている。
【0022】
制御手段39は、第1の満水検知手段32や第2の満水検知手段42からの信号などを受けて、例えばリレーまたはシーケンサによるシーケンス制御により、真空ポンプ36の運転操作や上記各電動弁の開閉動作などを制御する。その詳細については後述する。なお図示はしていないが、真空ポンプ36や制御手段39それに上記各電動弁は電力供給のために動力電源に電線で接続されている。
【0023】
以下では上記のような構成による満水装置と揚水ポンプの運転制御について説明する。図2に運転制御における処理の流れを示す。ステップ101で運転を開始する。なお、運転開始にあたっての満水装置の初期状態は、機器異常:無し、真空ポンプ36:停止、第1の満水検知手段32:未検知、第2の満水検知手段42:未検知、分離弁41:閉、第1の真空ブレーク弁40:開、第2の真空ブレーク弁43:開、ドレン弁44:開の状態であり、この初期状態が確認された後に運転が開始される。運転が開始されると、並列的なステップ102〜104で第1の真空ブレーク弁40、第2の真空ブレーク弁43、およびドレン弁44それぞれを閉じる動作が同時的に実施される。これらはAND条件であり、それが満たされていれば、ステップ105で分離弁41の開動作が実施され、分離弁41を境にした下流側と上流側が連通する。ここで、分離弁41を境にした「下流側」と「上流側」とは、真空ポンプ36による吸引における空気の流れを基準にしたもので、下流側は真空ポンプ36の側となり、上流側は第1の満水検知手段32の側となる。ステップ106では、真空ポンプ36の満水用運転のための起動がなされる。この真空ポンプ36の満水用運転により緩衝槽33と満水検知容器38、それに揚水ポンプのポンプケーシング13が負圧状態になり、それに応じてポンプケーシング13に吸込水槽11から水が吸上げられる。そしてポンプケーシング13が満水状態になると、第1の満水検知手段32の満水検知容器38にも水が吸い上げられ、それが検知部37で検知されて満水検知がなされる。
【0024】
ステップ107とステップ108は何れも満水についての判断処理で、並列的になされる。ステップ107では第1の満水検知手段32による満水の検知がなされた否かを判断する。第1の満水検知手段32による満水の検知がなされていた場合にはそれが制御手段39に伝えられる。この満水検知を受けた制御手段39はタイマにより所定の時間をカウントする。ステップ109ではこの所定時間のカウントがなされたか否かを判断する。このような処理を設けたのは、ポンプケーシング13が満水になっていない状態でも水が満水検知容器38の内部に跳ね上がってそれを検知部37が検知することで誤作動する可能性があるということから、満水検知から真空ポンプ36を停止させるまでに適当なクッションを置くためである。ステップ109で所定時間のカウントがなされたと判断されると、ステップ110で真空ポンプ36が停止させられる。
【0025】
一方、ステップ108では第2の満水検知手段42による満水の検知がなされた否かを判断する。通常はポンプケーシング13が満水になれば、上記のようにそれを第1の満水検知手段32が検知して真空ポンプ36の停止がなされる。しかし第1の満水検知手段32が故障などにより正常に作動しない場合がある。その場合には満水検知容器38が水で満たされても真空ポンプ36が停止せずに満水装置側への水の吸い上げが続き、その水は緩衝槽33まで達する。そして緩衝槽33の水位が検知部42sに達すると、それが検知部42sで検知される。これが第2の満水検知手段42による満水検知である。この満水検知手段42による満水検知と、上記第1の満水検知手段32による満水の検知+所定時間のカウントとはOR条件であり、何れかが満たされればステップ110で真空ポンプ36が停止させられる。
【0026】
真空ポンプ36が停止すると、ステップ111で分離弁41が閉じられ、これにより分離弁41を境にした下流側と上流側が分離する。分離弁41の閉に続いて、並列的に処理されるステップ112〜114がある。ステップ112では揚水ポンプを起動して揚水が開始され、ステップ113では第2の真空ブレーク弁43が開となって緩衝槽33内が大気圧となり、ステップ114ではドレン弁44が開となって緩衝槽33に貯まっている水が自然流下で排出される。この緩衝槽33の貯留水排出完了は、制御手段39においてタイマで所定時間をカウントすることでなされる。その所定時間カウントはステップ115で判断される。この所定時間カウントと第2の真空ブレーク弁43の開はAND条件で、これが満たされると、ステップ116で真空ポンプ36が乾燥用運転のために起動させられる。この乾燥用運転は制御手段39においてタイマで設定されている所定時間だけ継続される。そのためにステップ117でその所定時間カウントがなされたか否かを判断する。所定時間カウントがなされたと判断されれば、ステップ118で真空ポンプ36の乾燥用運転が停止される。なお真空ポンプ36の乾燥は真空ポンプ36の乾燥用運転による自己発熱でなされる。
【0027】
一方、この間に揚水ポンプによる揚水が終了とするとステップ119で揚水ポンプの停止がなされる。それからこの揚水ポンプ停止と、上記所定時間カウント+真空ブレーク弁43開のAND条件満足とをAND条件として、ステップ120で第1の真空ブレーク弁40の開が実施され、ポンプケーシング13を満たしていた水が吸込水槽11に落水する。そしてこの真空ブレーク弁40開と上記真空ポンプ36の乾燥用運転停止をAND条件として、運転終了となる(ステップ121)。
【0028】
なお以上の運転制御では、緩衝槽33からの水の排出を時間のカウントで判断するようにしていたが、これに代えて緩衝槽33に水位スイッチや水位センサを設け、この水位スイッチや水位センサで水の排出を判断する形態とすることも可能である。
【0029】
以上の実施形態では、揚水ポンプのポンプケーシング13に近接して設けられる第1の満水検知手段32に加えて、緩衝槽33を利用した第2の満水検知手段42を設けるようにしている。このため、第1の満水検知手段32に故障を生じて満水検知をなすことができなくても第2の満水検知手段42でバックアップすることができ、真空ポンプ36が吸水する危険性を大幅に低減させることができる。したがって本実施形態によれば、乾式の真空ポンプ36が用いられた満水装置の必要時の作動確実性を大幅に高めることができ、ひいては揚水ポンプの必要時の作動確実性も大幅に高めることができる。また真空ポンプ36の満水用運転の停止後に、分離弁41によりその下流側と上流側を分離した状態で揚水ポンプの揚水運転を行ない、その間に真空ポンプ36の乾燥用運転を行なって真空ポンプ36の内部を十分に乾燥した状態にし、これを条件に運転終了とするようにしている。このため、たとえ運転中に真空ポンプ36へ水分が侵入してもそれを残留させることがなく、揚水ポンプの休止中に真空ポンプ36の内部に錆などが発生して生じる可能性のある故障要因を排除することができる。そしてこのことでも満水装置の必要時の作動確実性をさらに高めることができる。さらに本実施形態によれば、真空ポンプ30の吸水防止用である緩衝槽33を利用して第2の満水検知手段42を形成するようにしたことにより、装置のコンパクト化を図れる。
【0030】
次に、真空ポンプ36に適用する乾式真空ポンプの好ましいタイプについて説明する。表1に、それぞれ同程度の吸引性能を有する水封式真空ポンプ、乾式サイドチャンネル形真空ポンプおよび乾式2段ルーツ形真空ポンプを価格、設置面積および駆動電動機容量の各項目について比較した結果を示す。これから判るように、乾式2段ルーツ形真空ポンプは、価格と設置面積で水封式真空ポンプに及ばないまでも駆動電動機容量は同等であり、無水化により封水供給設備のコストや設置面積が削減されることを考慮すれば、十分に経済性があると言える。また、乾式2段ルーツ形真空ポンプは少量であれば吸水があっても直ぐに故障につながるようなことがなく、このことでも水にきわめて弱い乾式サイドチャンネル形真空ポンプに優ると言える。したがって図1の満水装置における乾式の真空ポンプ36には乾式2段ルーツ形真空ポンプを用いるのが最も好ましいことになる。
【表1】
【0031】
以下では、参考までに水封式真空ポンプと乾式2段ルーツ形真空ポンプの性能比較について説明する。図3は、同一の駆動電動機容量において水封式真空ポンプと乾式2段ルーツ形真空ポンプの性能を比較したグラフである。その横軸は負圧であり、縦軸は吸込風量である。この比較から判るように、同一の駆動電動機容量において、乾式2段ルーツ形真空ポンプDは水封式真空ポンプWの吸込風量をほぼカバーすることができ、水封式真空ポンプに代えて用いても十分な性能を持った満水装置を構成することが可能となる。
【0032】
次に、本発明による満水装置を複数台の揚水ポンプが設けられている揚水ポンプ機場に適用する場合の実施形態について説明する。複数台の揚水ポンプに本発明による満水装置を適用する場合、揚水ポンプ1台毎に満水装置1台ずつ設ける方式と満水装置を部分的に共有させて複数台の揚水ポンプの満水操作を行なう方式が可能である。揚水ポンプ1台毎に満水装置1台ずつ設ける方式とする場合には、図1の構成を並列に並べることと同じである。この場合には複数台の揚水ポンプに対して同時に満水操作を行なうことができるという利点がある。一方、満水装置を部分的に共有させる方式では、複数台の揚水ポンプに対して順番に満水操作を行なうことになるものの、揚水ポンプ機場全体のコストを大幅に低減できるという利点がある。本発明による満水装置を部分共有方式とするについては、図1の満水装置の場合であれば、分離弁41より下流側を共有とし、分離弁41とそれより上流側を揚水ポンプ1台ごとに設ける形態とするのが好ましい。この形態における満水操作は、図2の運転制御処理にしたがって複数台の揚水ポンプに対して順に満水操作を施し、それを全部の揚水ポンプに完了した後に真空ポンプ36の乾燥用運転を行なうことになる。なお揚水ポンプ停止後に行なわれる第1の真空ブレーク弁40の開は、揚水ポンプごとに実施するようにしてもよく、また全揚水ポンプの停止を受けて全揚水ポンプに一斉に実施するようにしてもよい。
【0033】
【発明の効果】
以上説明したように本発明では、揚水ポンプのポンプケーシングに近接して設けられる第1の満水検知手段に加えて、その下流側に設けられた緩衝槽内に第2の満水検知手段を第1の満水検知手段と直列になるように設けるようにしている。このため、第1の満水検知手段に故障を生じて満水検知をなすことができなくても第2の満水検知手段でバックアップすることができ、真空ポンプが吸水する危険性を大幅に低減させることができる。したがって本発明によれば、乾式の真空ポンプが用いられた満水装置の必要時の作動確実性を大幅に高めることができ、ひいては揚水ポンプの必要時の作動確実性も大幅に高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明一実施形態による満水装置とそれを適用した揚水ポンプの構成を模式化して示す図である。
【図2】図1の満水装置と揚水ポンプの運転制御における処理の流れを示すフローチャート図である。
【図3】水封式真空ポンプと乾式2段ルーツ形真空ポンプの性能比較についてのグラフを示す図である。
【符号の説明】
13 ポンプケーシング
32 第1の満水検知手段
33 緩衝槽
36 真空ポンプ
41 分離弁
42 第2の満水検知手段
Claims (3)
- 揚水ポンプによる揚水の開始に際して前記揚水ポンプのポンプケーシング内に水を満たすための負圧状態を形成するのに用いられ、前記負圧状態形成用の乾式の真空ポンプを備えている満水装置において、前記真空ポンプにより前記ポンプケーシング内の空気を吸引する際、空気流とともに侵入してくる水を前記真空ポンプが吸水するのを防止するために空気流から水を分離して貯水する緩衝槽と、前記ポンプケーシングと前記緩衝槽の間を接続する配管と、前記ポンプケーシングに近接するように前記配管に設けられ、かつ前記ポンプケーシングの満水状態を検知する第1の満水検出手段と、前記第1の満水検知手段と直列になるように前記緩衝槽内に設けられ、かつ前記第1の満水検知手段により前記ポンプケーシングの満水状態検知がなされなかった場合に前記ポンプケーシングの満水状態を検知するようにした第2の満水検知手段と、を具備したことを特徴とする満水装置。
- 前記ポンプケーシングの満水状態検知がなされた後に前記真空ポンプの乾燥運転を行なうようにされている請求項1に記載の満水装置。
- 前記真空ポンプとして、乾式2段ルーツ形真空ポンプを用いた請求項1または2に記載の満水装置。
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