JP4253857B2 - インクジェットヘッドの製造方法 - Google Patents

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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)
  • Coating Of Shaped Articles Made Of Macromolecular Substances (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はインクジェットヘッドの製造方法に関し、特にノズルプレートの表面に撥水膜を設けたインクジェットヘッドの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット記録装置用インクジェットヘッドの吐出ノズル近傍にインク滴やゴミが付着すると、ノズル口が汚れ、吐出するインク滴の方向が曲がったり、吐出量が低下したり、吐出しなくなる等のトラブルが起り、画像の解像度を著しく低下させる。又、付着したインクがノズル口全面を覆うと、インク滴が吐出不能になることが知られている。また、ノズル表面がインクで濡れていると、媒体、例えば、紙や布の微細な繊維が付着して、それがノズル口に接触すると吐出を妨げることがある。ノズル口の汚れる原因は、インクに掛けた圧力が、吐出後に残留して、ノズル内のインクを振動させ、インクがノズル口から溢れ出ることや、媒体と衝突したインクが飛び散り微少な滴となって跳ね返り、ノズル表面に付着したり、吐出したインク滴の尾が千切れて、生成したサテライトが付着したり、ヘッドを搭載したキャリッジの作動範囲の末端で、ヘッドが急に加速、減速されるため、加速度の大きな変化を生じて、慣性力でインクがノズル口から溢れ出すこと等が原因と考えられる。
【0003】
特に、残留振動や慣性力により、ノズル口から溢れでたインクが、ノズル口の円周上に不均一に付着すると、吐出インク滴に曲がりを生じ、画像を酷く劣化させるので、ノズル口の周囲を撥水処理して、インクがノズル口から溢れ出にくくしたり、溢れ出たインクが撥水面上で、はじかれて微少な液滴となり、コロコロ転がってノズル口から遠ざかることにより、次のインク滴の吐出を阻害しないことが望ましい。
【0004】
ノズル口表面に付着したインクやホコリは、次第に堆積して、大きなインク滴に成長すると、ノズル口に接触するようになるので、時々吐出を中止して、ヘッドをサービスステーションに移して、多孔性材料でヘッド表面をワイピングして、付着したインクやゴミを取り去ることが行われる。この時、ノズル口がワイピングにより傷ついたりすると、更にゴミ付着等を促進することとなる。
【0005】
このために、ノズル口近傍にインクが付着しないよう撥水処理することが行われてきている。
【0006】
インクジェットヘッドのノズル口の表面に撥水処理を施す方法については、これまでに種々の方法が提案されている。
【0007】
例えば、特開平6−55739号、同6−106727号、同6−122204号、同6−155752号等には、ノズル口の表面を、パーフルオロ溶剤に可溶な、パーフルオロ構造を持つ、非晶質熱可塑性cyclopolymerでノズル口を撥インク処理する技術が開示されている。これは、パーフルオロ樹脂のため、撥インク性能は非常に高いものが得られた。しかしながら、フッ素樹脂層を塗布後、150℃に加熱する方法が採られてはいるが、インクジェットヘッドのノズルプレートに対するフッ素樹脂層の密着性は未だ十分ではなかった。
【0008】
一方、特開平6−171094号、特開平6−328688号には、金属ノズル板の上にアルミナやジルコニューム層を形成して、その上にフルオロアルキルシラン層を形成して、耐久性を向上させる技術が開示されている。フルオロアルキルシラン層はcyclopolymer層ほど撥水性が高くなくインク付着性を完全に解決できるものではなかった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
即ち、本発明の目的は、インクジェット記録用ヘッドの製造方法において、ノズル口の周辺がインクによる汚れが少なく、インクの吐出に悪影響を与えず、高精度の画像を形成することができ、かつ耐久性の高いインクジェットヘッドの製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、下記の構成により解決することができた。
【0012】
(1)ポリイミドフィルム上に、シランカップリング剤、アルコキシシラン化合物及びフルオロアルキルシラン化合物を用いてシリコンレジン層を形成し、該シリコンレジン層上にフッ素樹脂を用いてフッ素樹脂層を形成したノズルプレートを有するインクジェットヘッドの製造方法であって、前記ポリイミドフィルム上に、前記シリコンレジン層および前記フッ素樹脂層を塗布した後、200〜300℃の加熱処理を行うことを特徴とするインクジェットヘッドの製造方法
【0013】
(2)前記加熱処理の後、エキシマレーザーによりノズル口加工を行うことを特徴とする(1)に記載のインクジェットヘッドの製造方法。
【0014】
即ち、本発明は、複数のノズル口を有するインクジェットヘッドのノズルプレートの形成方法として、有機フィルム上に、シリコンレジン層を形成し、更に該シリコンレジン層上にフッ素樹脂層を形成することにより、ノズル口周辺の撥水、撥油性が高く、インクによるよごれを防止し、インク液の付着やゴミ等の付着による、インク吐出精度の劣化がなく、かつ耐久性の高いインクジェットヘッドを形成することにより、長期にわたり高精度の画像を形成することができるものである。
【0015】
特に、本発明は、パーフルオロ溶剤に可溶な、パーフルオロ構造を持つ、非晶質熱可塑性フッ素樹脂cyclopolymerの接着性を改良することにより、撥インク性が極めて高く、高濃度の顔料インクを使用しても汚れにくく、耐久性の高い撥インク層を形成することができるものである。
【0016】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0017】
インクジェットヘッドのインクノズル口を有する面を形成する板状のものをノズルプレートと呼ぶ。通常、複数個のノズル口を有するノズルプレートの外表面、特にノズル口の周りには、ノズルからのインク滴の吐出を精度良く行うためには、汚れのないことが必要であり、インクが付着しないことが必要である。
【0018】
一般に、固体表面へ液体が付着するとき、その付着強さ、即ち付着仕事(w)は、
w=σ(1+cosθ)
で計算できる。
【0019】
ここで、σ:付着する液体の表面張力、θ:接触角を表す。
【0020】
即ち、固体表面にインクが付着することを防ぐには、インクの表面張力が低く、接触角が大きいことが有利になる。
【0021】
インクの表面張力が一定の時、ノズル口表面にインクを付着し難くするには、ノズル口表面に対するインクの接触角が最大になるように、ノズル口表面を処理すればよい。
【0022】
接触角が大きいと、ノズルからインクが溢れ出にくくなることのほか、ノズル口表面にインクが付着しても濡れ広がらないので、汚れる範囲が狭くなり好都合である。
【0023】
一般に、固体表面に置いたインク滴が、濡れ広がるか、弾かれて収縮するかは固体表面の持つ表面自由エネルギーと、インクの持つ表面自由エネルギーで決まる。
【0024】
インクジェットヘッドのノズルプレートの表面自由エネルギーを、インクの表面自由エネルギー以下にすれば、該プレートがインクを引っ張って広げようとする力より、インクが寄り集まろうとする力の方が大きくなるので、インクは該プレート表面を広がらない。
【0025】
インクの表面自由エネルギーは30〜50dyne/cmであるので、該プレートの表面自由エネルギーは30dyne/cm以下が好ましい。更に好ましくは20dyne/cm以下である。
【0026】
インクジェットヘッドのノズルプレートには、金属や樹脂が使用される。例えばステンレス、ポリイミド、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン等である。
【0027】
樹脂の表面自由エネルギーは40〜50dyne/cm程度であり、金属の表面自由エネルギーは100dyne/cmを越えるので、インクジェットヘッドプレート表面にインクが濡れ広がってしまう。
【0028】
このため、該プレート表面に、表面自由エネルギーを低下させる作用の強い、フッ素やメチルシリコン等の層を設けて、表面自由エネルギーを30dyne/cm以下、好ましくは20dyne/cm以下まで下げる必要がある。
【0029】
固体の表面自由エネルギーは、水とジヨードメタンの接触角から計算できる。又は、表面張力の異なる液体の接触角から臨界表面張力を求めても良い。
【0030】
水の表面自由エネルギーは72dyne/cmであり、有機物の表面自由エネルギーはCH3が表面に並んだとき最も低くなり、約22dyne/cmである。
【0031】
従って、インクジェットヘッドのノズルプレート表面の表面自由エネルギーを20dyne/cm以下に低下させれば、水も油も弾く、所謂、撥水、撥油面を形成できる。
【0032】
フッ素原子が表面に配向すると10〜20dyne/cm程度の低エネルギー表面を形成するので、撥インク性や、汚れ防止性に優れるが、フッ素高分子膜は、基材に対する接着性が悪い。
【0033】
一方、シリコン樹脂は、表面にメチル基を配向させて、表面自由エネルギーが22dyne/cm程度の撥水皮膜を形成する。シリコンは非常に硬い膜を形成するので、インクジェットヘッドの撥水膜として有効であるが、フッ素樹脂に比べて、表面自由エネルギーが高いため、有機物で汚れやすく、完全な撥油面を形成するとはいえない。
【0034】
インクジェットヘッドプレート表面に付着したインクやホコリは、次第に堆積して、大きなインク滴に成長すると、ノズル口に接触するようになるので、時々吐出を中止して、ヘッドをサービスステーションに移して、多孔性材料でヘッド表面をワイピングして、付着したインクやゴミを取り去る必要がある。
【0035】
従って、撥水層がワイピングにより剥がれたり傷ついたりすると、撥水効果が低減する。
【0036】
また、ヘッドと媒体間の距離は、約1mm程度であるから、印刷中に、媒体とヘッドが接触することがあるので、撥水層は媒体と接触しても、傷がついてはならない。
【0037】
この様にフッ素樹脂は、表面自由エネルギーが低いため、撥水、撥油面を形成するので、汚れが付着せず、好ましいが、接着性が悪いため、その効果が長続きしない欠点がある。
【0038】
一方、シリコン樹脂は、表面自由エネルギーの低下能力はフッ素樹脂程ではないが、接着性が極めて良いことが分かった。
【0039】
インクジェットヘッドの寿命は、10億滴以上正常に吐出することが要求されるので、この間に撥水層が損傷を受けてはならない。
【0040】
ノズル口周辺に傷がつき撥水膜が不均一に剥がれて下地の親水面が表れると、インクが親水部に引き込まれるため、メニスカスが歪み、吐出曲がりや不吐出が生じる。
【0041】
このように、フッ素樹脂は撥水性は高いが、接着性が悪いため、その効果が長続きしないという問題があった。一方、シリコン樹脂は接着性が極めて良いが撥水性がフッ素樹脂に比べ劣るというものであった。
【0042】
通常、フッ素樹脂は結晶性が高く、溶剤に溶解しないので、コーティングで被膜を形成することができなかった。又、他物質と相互作用しないので、接着性が極めて悪いという欠点を有するものであった。
【0043】
そこで、これらの欠点を改良したのが、本発明に用いられる溶剤可溶性フッ素樹脂である。
【0044】
その一つは、パーフルオロオレフィンと、水酸基を導入したビニールエーテル、又はビニールエステルを交互重合した化合物が挙げられる。
【0045】
これらの化合物の内、代表的なものとしては、FEVE(Fluoro Ethylene Vinyl Ether)樹脂と呼ばれ、フッ素塗料として使用されており、例えばルミフロン(旭硝子社製)、フルオネート(大日本インキ社製)、セフラルコート(セントラル硝子社製)等が挙げられる。
【0046】
これらの化合物は溶剤に溶解するので、コーティングが可能であり、又官能基を有することから、反応性を利用して架橋することが可能であり、耐久性に優れた被膜を形成することができる。
【0047】
耐久性を改良する技術としては、特開平9−11465号には、FEVE樹脂とブロックイソシアネートで表面処理する技術が開示されている。これにより耐久性に優れた撥水層が得られるが、FEVEが部分フッ素化樹脂のため、表面自由エネルギーがパーフルオロ樹脂に比べて高く、表面自由エネルギーは20〜30dyne/cm程度である。水をはじくが有機物を完全にははじかず、有機性の汚れが残ることがあり、長期間使用すると有機物汚れが付着し易く、特に高濃度の顔料インクを使用した場合に汚れやすいという欠点を持っているものであった。
【0048】
一方、溶剤可溶性のフッ素樹脂として、パーフルオロ構造を持つ非晶質熱可塑性フッ素樹脂cyclopolymerがある。
【0049】
この樹脂だけでは、高い撥水性、撥油性の高い樹脂層は得られるが耐久性の高い樹脂層を得ることはできなかった。
【0050】
本発明はこれらの溶剤可溶性フッ素樹脂を用いることにより、撥水性が高く、かつ接着性が高く、耐久性の高い被膜を形成する新たな方法を見いだしたものである。
【0051】
即ち、参考例のインクジェットヘッドは、ノズルプレート基材として有機フィルムを用い、該有機フィルム上に、シランカップリング剤及びアルコキシシラン化合物を用いてシリコンレジン層を形成し、その上に溶剤可溶性フッ素樹脂とフルオロアルキルシラン化合物を用いてフッ素樹脂層を形成したノズルプレートを有することを特徴とする。
【0052】
また、本発明のインクジェットヘッドは、ノズルプレート基材として有機フィルムを用い、該有機フィルム上に、シランカップリング剤、アルコキシシラン化合物及びフルオロアルキルシラン化合物を用いてシリコンレジン層を形成し、該シリコンレジン層上に溶剤可溶性フッ素樹脂を用いてフッ素樹脂層を形成したノズルプレートを有することを特徴とする。
【0053】
シリコンレジン層は、少なくともシランカップリング剤とアルコキシシラン化合物を用いて形成され、フッ素樹脂層は、少なくとも溶剤可溶性フッ素樹脂を用いて形成し、フルオロアルキルシラン化合物はシリコンレジン層に用いることにより、シリコンレジン層は有機フィルム基材と強く接着し、且つ上層に形成されたフッ素樹脂層とも強く接着するので、撥水性が高く、耐久性の高いインクジェットヘッドのノズルプレートを形成することができたものである。
【0054】
アルコキシシラン化合物は、溶液中の水分や空気中の水分によって部分的に加水分解してシラノール基を形成し、シラノールの脱水縮合や脱アルコール縮合、シランカップリング剤との反応により、相互に結合して強固な被膜を形成することができるものと考えられる。さらに加熱することにより、この反応を促進、完了させることができる。
【0055】
本発明においては、上記の架橋反応の促進及び、フッ素原子やメチル基は疎水性が強いので固体と空気の界面に局在する傾向が強く、加熱してより撥水性の高い被膜表面を形成するために、200〜300℃で加熱処理することが特に好ましい。
【0056】
また、本発明に用いられるフルオロアルキルシラン化合物は、上記シリコンレジン層に添加することにより、本発明のシリコンレジン層とフッ素樹脂層との接着性を著しく向上させる効果を有している。
【0057】
本発明のシリコンレジン層及びフッ素樹脂層の膜厚は、各々0.01〜10μmの範囲であることが好ましく、前記2層の膜厚の合計は、1〜10μmの範囲であることが好ましい。総膜厚が、1μm以下では被膜強度が十分には得られないことがあり、又10μmを越えると膜厚のむらが生じやすく好ましくない。
【0058】
本発明のインクジェットヘッドのノズルプレートを形成する有機フィルムとしては、ポリイミド、ポリフェニルキノキサリン、ポリサルホン等の200℃以上の耐熱性を持つ樹脂フィルムが挙げられる。有機フィルムの膜厚としては、10〜500μm程度のフィルムを用いることが好ましい。
【0059】
本発明にフッ素樹脂層に用いられる溶剤可溶性非晶質フッ素樹脂としては、デュポン社製テフロンAF、旭ガラス社製サイトップ等を挙げることができる。
【0060】
本発明に用いられるシランカップリング剤としては、下記一般式(1)で表される化合物が好ましい。
【0061】
一般式(1)
RSi(X1)(X2)(X3)
式中、X1、X2、X3はアルキル基、アルコキシ基又はハロゲン原子の何れかを表し、Rは末端にエポキシ基、ビニル基、アジリジニル基又はアミノ基を有するアルキル基を表す。
【0062】
前記一般式(1)で表される化合物の具体例を下記に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0063】
【化1】
Figure 0004253857
【0064】
本発明に用いられるアルコキシシラン化合物としては、下記一般式(2)で表される化合物が好ましい。
【0065】
一般式(2)
Si(X4)(X5)(X6)(X7)
式中、X4、X5、X6、X7はメチル基、フェニル基、アルコキシ基又はハロゲン原子の何れかを表す。但し、X4、X5、X6、X7のうちの少なくとも1つは、アルコキシ基である。
【0066】
前記一般式(2)で表される化合物の具体例を下記に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0067】
2−1 Si(OMe)4
2−2 MeSi(OMe)3
2−3 MeSi(OEt)3
2−4 Me2Si(OEt)2
2−5 PhSi(OMe)3
2−6 Ph2Si(OMe)2
本発明に用いられるフルオロアルキルシラン化合物としては、下記一般式(3)で表される化合物が好ましい。
【0068】
一般式(3)
RfSi(X8)(X9)(X10)
式中、Rfはフッ素含有アルキル基を表す。X8、X9、X10はアルキル基、アルコキシ基又はハロゲン原子の何れかを表す。
【0069】
前記一般式(3)で表される化合物の具体例を下記に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0070】
3−1 CF3CH2CH2Si(OMe)3
3−2 CF3(CF25CH2CH2Si(OMe)3
3−3 CF3(CF25CH2CH2SiCl3
3−4 CF3(CF27CH2CH2Si(OMe)3
3−5 CF3(CF27CH2CH2(Me)Si(OMe)2
【0071】
【実施例】
以下に具体的実施例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0072】
実施例1
(1)厚さ50μmのポリイミドフィルム上に下記塗布液1を乾燥膜厚が1μmとなるようにワイヤーバーでコーティングした。
【0073】
塗布液1
化合物3−2 5重量部
化合物2−1 20重量部
カップリング剤1−4 5重量部
酢酸 5重量部
水 10重量部
イソプロピルアルコール 55重量部
(2)常温で15分間乾燥した後、120℃で3時間加熱処理する。
【0074】
(3)加熱処理して得られた(2)上に塗布液2を乾燥膜厚1μmとなるようにワイヤーバーでコーティングした。
【0075】
塗布液2
デュポン社製AF1601 6%溶液
(4)常温で15分間乾燥した後、250℃で30分間加熱処理する。
【0076】
(5)エキシマレーザーによりノズル口加工を行い、64穴のノズルプレートを作製した。(以下も同様にした。)
(6)インクジェットヘッドのインク吐出面にノズルプレートを貼り付ける。
【0077】
実施例2
(1)厚さ100μmのポリイミドフィルム上に下記塗布液1を乾燥膜厚が0.5μmとなるようにワイヤーバーでコーティングした。
【0078】
塗布液1
化合物3−4 5重量部
化合物2−3 20重量部
カップリング剤1−2 5重量部
酢酸 5重量部
水 10重量部
イソプロピルアルコール 55重量部
(2)常温で15分間乾燥した後、120℃で3時間加熱処理する。
【0079】
(3)加熱処理して得られた(2)上に塗布液2を乾燥膜厚3μmとなるようにワイヤーバーでコーティングした。
【0080】
塗布液2
旭硝子社製CTX109A
(4)常温で15分間乾燥した後、250℃で30分間加熱処理する。
【0081】
(5)エキシマレーザーによりノズル口加工を行う。
【0082】
(6)インクジェットヘッドのインク吐出面にノズルプレートを貼り付ける。
【0089】
参考例1
(1)厚さ50μmのポリイミドフィルム上に下記塗布液1を乾燥膜厚が1μmとなるようにワイヤーバーでコーティングした。
【0090】
塗布液1
化合物2−1 25重量部
カップリング剤1−4 5重量部
酢酸 5重量部
水 10重量部
イソプロピルアルコール 55重量部
(2)常温で15分間乾燥した後、120℃で3時間加熱処理する。
【0091】
(3)加熱処理して得られた(2)上に塗布液2を乾燥膜厚1μmとなるようにワイヤーバーでコーティングした。
【0092】
塗布液2
化合物3−2 2重量部
デュポン社製AF1601 6%溶液
(4)常温で15分間乾燥した後、250℃で30分間加熱処理する。
【0093】
(5)エキシマレーザーによりノズル口加工を行う。
【0094】
(6)インクジェットヘッドのインク吐出面にノズルプレートを貼り付ける。
【0095】
比較例1
(1)厚さ50μmのポリイミドフィルム上に下記塗布液1を乾燥膜厚が1μmとなるようにワイヤーバーでコーティングした。
【0096】
塗布液1
デュポン社製AF1601 6%溶液
(2)常温で15分間乾燥した後、250℃で30分間加熱処理する。
【0097】
(3)エキシマレーザーによりノズル口加工を行う。
【0098】
(4)インクジェットヘッドのインク吐出面にノズルプレートを貼り付ける。
【0099】
比較例2
(1)厚さ50μmのポリイミドフィルム上に下記塗布液1を乾燥膜厚が1μmとなるようにワイヤーバーでコーティングした。
【0100】
塗布液1
化合物3−2 5重量部
化合物2−1 20重量部
カップリング剤1−4 5重量部
酢酸 5重量部
水 10重量部
イソプロピルアルコール 55重量部
(2)常温で15分間乾燥した後、120℃で3時間加熱処理する。
【0101】
(3)エキシマレーザーによりノズル口加工を行う。
【0102】
(4)インクジェットヘッドのインク吐出面にノズルプレートを貼り付ける。
【0103】
比較例3
(1)厚さ50μmのポリイミドフィルム上に下記塗布液1を乾燥膜厚が1μmとなるようにワイヤーバーでコーティングした。
【0104】
塗布液1
化合物3−2 5重量部
酢酸 5重量部
水 10重量部
イソプロピルアルコール 80重量部
(2)常温で15分間乾燥した後、120℃で3時間加熱処理する。
【0105】
(3)加熱処理して得られた(2)上に塗布液2を乾燥膜厚1μmとなるようにワイヤーバーでコーティングした。
【0106】
塗布液2
デュポン社製AF1601 6%溶液
(4)常温で15分間乾燥した後、250℃で30分間加熱処理する。
【0107】
(5)エキシマレーザーによりノズル口加工を行う。
【0108】
(6)インクジェットヘッドのインク吐出面にノズルプレートを貼り付ける。
【0109】
比較例4
(1)厚さ50μmのポリイミドフィルム上に下記塗布液1を乾燥膜厚が1μmとなるようにワイヤーバーでコーティングした。
【0110】
塗布液1
化合物3−2 2重量部
デュポン社製AF1601 6%溶液 98重量部
(2)常温で15分間乾燥した後、250℃で30分間加熱処理する。
【0111】
(3)エキシマレーザーによりノズル口加工を行う。
【0112】
(4)インクジェットヘッドのインク吐出面にノズルプレートを貼り付ける。
【0113】
以上の様にして得られた各インクジェットヘッドを用いて以下の評価を行った。
【0114】
〈インク吐出安定性〉
吐出周波数5kHzにて1時間連続吐出を行い、安定性を評価した
○:全ノズル問題なし
×:一部不射出があった。
【0115】
〈クリーニング耐久性〉
ウレタンゴムのブレードを用いたクリーニングにおいて、クリーニングによるダメージにて射出安定性が低下する(上記×レベル)までのクリーニング回数で評価した。実用的には5万回以上が必要である。
【0116】
評価結果を下記表1に示す。
【0117】
【表1】
Figure 0004253857
【0118】
表1から分かる様に、比較例1のフッ素樹脂単独では膜付きが悪く、クリーニング耐久性が低い。比較例2のシリコンレジン層のみではインクの吐出安定性が得られないことが分かる。比較例3のフルオロアルキルシラン化合物のみの下地層では上層のフッ素樹脂層との接着が不十分であることが分かる。又、比較例4のフルオロアルキルシラン化合物とフッ素樹脂との混合物だけではやはりフッ素樹脂層の膜付きが不十分でクリーニング耐久性が低いことが分かる。
【0119】
本発明の組み合わせにより、インク吐出精度が高く、クリーニング耐久性も高いインクジェットヘッドが得られることが分かる。
【0120】
【発明の効果】
有機フィルム上に、シランカップリング剤を用いてシリコンレジン層を形成し、その上にフッ素樹脂層を形成し、塗布後、200〜300℃の加熱処理を行うことによって、インク付着汚れがなく、クリーニング耐久性の優れたインクジェットヘッドを得ることができた。

Claims (2)

  1. ポリイミドフィルム上に、シランカップリング剤、アルコキシシラン化合物及びフルオロアルキルシラン化合物を用いてシリコンレジン層を形成し、該シリコンレジン層上にフッ素樹脂を用いてフッ素樹脂層を形成したノズルプレートを有するインクジェットヘッドの製造方法であって、前記ポリイミドフィルム上に、前記シリコンレジン層および前記フッ素樹脂層を塗布した後、200〜300℃の加熱処理を行うことを特徴とするインクジェットヘッドの製造方法
  2. 前記加熱処理の後、エキシマレーザーによりノズル口加工を行うことを特徴とする請求項1に記載のインクジェットヘッドの製造方法。
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