JP4253756B2 - スプリンクラ消火設備 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、スプリンクラ消火設備に係り、さらに詳しくは、マンションなどの集合住宅におけるスプリンクラ消火設備に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、マンションなどの集合住宅においては、各住戸の天井等に火災感知器とスプリンクラヘッドが設置されており、火災感知器は各住戸ごとに室内に設置された住宅情報盤に接続され、スプリンクラヘッドは流水検知装置を介して給水源に接続されている。また、流水検知装置からの流水信号は、住宅情報盤に入力するようになっている。
【0003】
また、各住宅情報盤は、例えばドアホンの如く住戸外において玄関の近傍に設置された戸外表示器に接続されると共に、管理人室等に設置された住棟受信機にそれぞれ接続されている。さらに、住棟受信機には、各階の共用部(例えば、廊下)に設置された火災感知器及びスピーカーが接続されている。
【0004】
そして、ある階の住戸で火災が発生して火災感知器から当該住戸の住宅情報盤に火災感知器の作動信号が送られると、これを受信した住宅情報盤は、例えば「火災感知器が作動しました。確認して下さい。」というような音声メッセージを発すると共に、戸外表示器に信号を送りランプを点滅させる。
住戸内の人間は、この音声メッセージを聞いたときは室内を点検し、若し火災が発生していないときは、住宅情報盤に設けた復旧スイッチを押して、火災感知器からの信号をOFFする。これにより、戸外表示器のランプの点滅も終了する。
【0005】
一方、火災が発生していることがわかった場合は、住戸の人間が住宅情報盤の火災断定スイッチを押し、また、人間が不在等で火災断定スイッチが押されない場合は、火災感知器が作動してから所定の時間(例えば2分〜5分)経過したときは、住宅情報盤は火災の発生を確認してその旨を音声で知らせると共に、戸外表示器も音声メッセージを発して他の住戸の人間に知らせる。
【0006】
また、当該住戸内のスプリンクラヘッドが火災により作動したときは、直ちに消火水を放水する。
さらに、住宅情報盤は住棟受信機に火災信号を送り、これを受信した住棟受信機は、出火階及びその直上階の各住戸の住宅情報盤及び共用部のスピーカーに火災信号を送り、音声により火災の発生を知らせる。
火災が鎮火したときは、管理人などが給水源とスプリンクラヘッドとの間に設けられた止水弁を閉じれば、放水を終らせることができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような従来の共同住宅におけるスプリンクラ消火設備は、誤報に対処するために、火災感知器が作動しても直ちに火災と判断せず、住戸内の人が火災を確認して住宅情報盤に設けた火災断定スイッチを押すか、又は火災感知器が作動してから数分間なんらの処理もなされなかったときに、はじめて火災と断定して以後の処理を行うようになっており、この間無為に数分間を経過するため、迅速な処理を行うことができなかった。
【0008】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたもので、住宅情報盤とスプリンクラヘッド(又は火災検出手段)との間に制御装置を設けることにより、火災が発生したときは、直ちにこれを確認して起動弁を開放し、スプリンクラヘッドが動作すると直ちに放水することができ、また、制御装置に複数の表示灯を設けて起動弁などの状態を容易に確認できるようにした信頼性の高い集合住宅におけるスプリンクラ消火設備を提供することを目的としたものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るスプリンクラ消火設備は、住戸内に設けられた火災検出手段を有するスプリンクラヘッド及び住宅情報盤と、前記住戸の玄関の近傍に設けられ前記住宅情報盤に接続された戸外表示器とを備え、前記住宅情報盤は、前記スプリンクラヘッドの火災検出手段の状態が変化したときに出力される火災信号を受けて、前記戸外表示器に設けた表示部を点灯させるスプリンクラ消火設備であって、前記スプリンクラヘッド、住宅情報盤、及び戸外表示器を複数の住戸に対応してそれぞれ設け、また、前記複数の住戸内に設けられた前記スプリンクラヘッドが接続される配管の基端側に設けられた常閉の起動弁と、該起動弁の上流側で前記配管に接続された常開で、かつ開閉を手動で行う止水弁と、前記スプリンクラヘッドの火災検出手段、起動弁及び止水弁に接続され、前記複数の住戸内に設けられた前記スプリンクラヘッドの火災検出手段の状態が変化したときに出力される火災信号を受けて前記起動弁を開放させる制御装置とを備え、前記起動弁、止水弁及び制御装置を前記複数の住戸の外部近傍に設けると共に、前記制御装置に前記起動弁が開放したときに点灯する起動弁開表示灯、及び該制御装置から前記起動弁に開放信号を送出したのち所定の時間内に前記起動弁からの応答信号を受信できないときに点灯する起動弁故障表示灯を設け、さらに、前記制御装置に、前記起動弁を開放状態から閉止状態に復帰させる復旧スイッチと、前記止水弁を閉じたときに点灯する止水弁閉表示灯とを設けたものである。
【0010】
また、上記のスプリンクラ消火設備において、前記複数の住戸内に設けられた住宅情報盤と、該複数の住宅情報盤が接続されて該住宅情報盤と信号のやりとりを行う住棟受信機とを備え、前記制御装置は、前記スプリンクラヘッドの火災検出手段の状態が変化したときに出力される火災信号を受けて該火災信号を前記住宅情報盤と前記住棟受信機にそれぞれ送出し、また前記起動弁及び止水弁の状態を前記住棟受信機に表示するようにしたものである。
【0011】
また、上記のスプリンクラ消火設備において、前記制御装置に、前記複数の住戸内に設けられた前記スプリンクラヘッドの火災検出手段の状態を擬似的に変化させて前記起動弁の試験を行う試験スイッチを設けたものである。
【0015】
【発明の実施の形態】
[実施の形態1]
図1は本発明の実施の形態1に係る集合住宅におけるスプリンクラ消火設備の説明図、図2はその一部の拡大図である。
図において、1は集合住宅の特定の階の一部を示すもので、複数の住戸2a,2b,2c,……(以下、単に2と記すことがある)が設けられている。3は各階の床下に設置されて水道配管(図示せず)に接続された給水本管で、各住戸2にはこの給水本管3から分岐した給水管を介して蛇口その他の給水栓(図示せず)が設けられている。4は各住戸2ごとに給水本管3に設けられた減圧弁、5は同じくメータである。
【0016】
6は複数の住戸2ごとに給水本管3から分岐して立設されたスプリンクラ消火設備用の立上り管で、上部には天井裏に配管された枝管7が接続されており、この枝管7には各住戸2ごとに火災検出手段を備えたスプリンクラヘッド15が接続されている。
図3に上記のスプリンクラヘッド15の一例を示す。16はスプリンクラヘッドの本体(以下、本体という)で、感熱部であるグラスバルブ17を天井板45に設けた開口部46から室内に突出させ、枝管7に設けた継手7aに接続されている。20は室内において本体16を覆うカバーで、以下の説明では、本体16とカバー20を合わせてスプリンクラヘッド15ということがある。
【0017】
19は一方の片がグラスバルブ17を支持するフレーム18に取付けられたほぼL字状のデフレクタで、スプリンクラヘッド15の放水口から放水された消火水が室の全域に散水できるような形状になっている。
21は金属材料からなりカバー20を構成する取付部材で、円筒部とフランジ部とからなり、本体16を囲繞してフランジ部が天井板45の開口部46の外周に固定されている。
【0018】
22は金属材料からなり取付部材21と共にカバー20を構成する有底円筒状のカバー部材で、取付部材21に嵌合させ、グラスバルブ17の破裂温度より低い温度で溶融する低融点合金(はんだ)により接合されている。なお、カバー部材22は、熱気流等が内部に侵入し易いように網状に形成してもよく、あるいは複数の穴を設けてもよい。23はデフレクタ19とカバー部材22との間に介装されたばねで、カバー部材22を常時外方(取付部材21から離れる方向)に付勢している。
【0019】
24は火災の発生を検知してその火災信号を後述の制御装置に送信する火災検出手段で、取付部材21の円筒部の内壁に取付けたリードスイッチ25と、カバー部材22の外壁にリードスイッチ25と対向して取付けられた永久磁石26とからなり、リードスイッチ25の可動接片は、永久磁石26に吸引されて常時閉成している。
【0020】
再び図1,図2において、8は住戸2外において立上り管6の基端側に接続され、モータ9によって開閉される常閉の起動弁、10は住戸2外において起動弁8の上流側に接続された常開の止水弁、11は住戸2外において起動弁8の下流側に接続された逆止弁である。
31は各住戸2内に設置された住宅情報盤、32は各住戸2の戸外(例えば玄関ドアの近傍)に設置された戸外表示器(ドアホン)で、住宅情報盤31との間で信号をやりとりする。
33は必要に応じて住戸外に設置される中継器、34は例えば管理人室等に設置された住棟受信機で、各住宅情報盤31との間で中継器33を介して信号をやりとりする。
【0021】
35は立上り管6に対応して複数の住戸2ごとに起動弁8と共に戸外の近傍に設けられた制御装置、36は制御装置35に接続された非常用電源である。
この制御装置35には、各住戸2のスプリンクラヘッド15の火災検出手段24からの信号線が接続されて、火災検出手段24からの火災信号を受信し、また、各住宅情報盤31と信号線で接続されて、制御信号を送出する。さらに、起動弁8のモータ9及び中継器33とそれぞれ信号線で接続されて、制御信号を出力し、また、止水弁10に接続されてその閉信号を受信する。
【0022】
また、この制御装置35には、図2に示すように、起動弁開表示灯37、起動弁故障表示灯38、回線状態灯(例えば、各住戸2ごとに3回線)39、復旧スイッチ40、試験スイッチ(表示灯つき)41、止水弁閉表示灯42等が設けられている。
【0023】
次に、上記のように構成した本実施の形態の作用を説明する。
初期状態においては、止水弁10は開放されており、制御装置35を操作し又は手動により起動弁8を開放して、給水本管3内の水道水(圧力水)を立上り管6から逆止弁11を経て枝管7に送水し、枝管7まで充水されたときは起動弁8を閉じる。これにより、監視時には給水本管3から起動弁8までは圧力水(水道水)が、また、逆止弁11の二次側から枝管7まではほぼ無圧状態の水道水がそれぞれ充水されている。
また、各スプリンクラヘッド15の火災検出手段24を構成するリードスイッチ25の可動接片は永久磁石26に吸引されて閉じており、制御装置35から常時又は間欠的に通電されている。
【0024】
次に、火災発生時の作用を、図1〜図3及び図4のフローチャートを用いて説明する。
ある住戸(例えば2a)で火災が発生すると、その火炎あるいは熱気流によってスプリンクラヘッド15の取付部材21及びカバー部材22が加熱され、その熱によって両者を接合している低融点合金が溶融し、カバー部材22はばね23の付勢力によって永久磁石26と共に押し出され、落下する。これにより、リードスイッチ25の可動接片が開放されるため、制御装置35からリードスイッチ25への通電が停止し、制御装置34の住戸2aの部分の回線状態灯39が点灯する。なお、この状態は、スプリンクラヘッド15が作動したことを示すものではなく、間もなく作動することを予告するものである。
【0025】
このように、スプリンクラヘッド15のカバー部材22が落下すると、すなわち、スプリンクラヘッド15の火災検出手段24の状態が変化したときに出力される火災信号を受けて、制御装置35は回線状態灯39を点灯させ、ついで、起動弁8のモータ9、住宅情報盤31及び住棟受信機34にそれぞれ火災信号を送り、これによって起動弁8等は次の動作を開始する。
【0026】
(1)起動弁8
制御装置35から起動弁8のモータ9に火災信号(起動弁開放信号)を送出すると、これを受信した起動弁8が開放する。起動弁8には弁体の軸と対向してリミットスイッチが設けられ、その弁体が全開したときに軸の一部がリミットスイッチをONするようになっているので、起動弁8が開放すると制御装置35の起動弁開表示灯37が点灯する。
若し、制御装置35から起動弁8に弁開放信号を送出したのち、所定時間(例えば、10〜20秒間)経過してもリミットスイッチがONされず起動弁8が作動しなかったとき(応答がなかったとき)は、制御装置35は起動弁開表示灯37の代りに起動弁故障表示灯38を点灯させる。そして、制御装置35は異常状態の発生を知らせる異常信号を中継器33を介して住棟受信機34に送信し、その表示部に設けられた図示しない起動弁故障表示灯を点灯させる。これを確認した管理人等は、火災現場に出向いて手動により起動弁8を開放する。起動弁8が開放されると圧力水が枝管7まで送水される。
【0027】
(2)住宅情報盤31
制御装置35は、火災が発生した住戸2aの住宅情報盤31に火災信号を送信して表示器を点灯させ、住人に火災の発生を知らせると共に、住宅情報盤31は戸外表示器32に火災信号を送り、戸外表示器32の表示部(ランプ)を点灯させる。これにより、集合住宅の住人はどの住戸でスプリンクラヘッド15が作動するのか、云いかえると、スプリンクラヘッド15の動作を事前に外部から識別することができる。
【0028】
(3)住棟受信機34
住棟受信機34が制御装置35から火災発生住戸のアドレス情報が付加された火災信号を受信すると、これに設けたスプリンクラヘッド15の起動表示灯及び火災が発生した住戸の住戸番号を表示する。そして、住棟受信機34は、火災の発生階及びその直上階の各住戸2の住宅情報盤31に地区音響信号を出力すると共に、共用部のスピーカーにより、ブザーを鳴動させて火災の発生を知らせる。
【0029】
ここで、火災が発生した住戸2aの住宅情報盤31には、制御装置35からの火災信号と、住棟受信機34からの地区音響信号との2つの信号が入力される。これにより、この住宅情報盤31では、室内で本当に火災が発生しているものとして本火災の警報を行う。これに対して、火災階及び直上階にある他の住宅情報盤31は、地区音響信号しか入力されていないため、近くの住戸で火災が発生したことを示す警報を行う。
【0030】
前述のように、従来、住宅情報盤は火災感知器から火災信号を受信しても、火災感知器からの第1報では火災と判断しなかった。これは、火災感知器の誤報に対応した処理であり、住戸内の人間が住宅情報盤に設けた火災断定スイッチを押して、2報目の信号(火災断定信号)が入力されるか、又は数分間何の処理もなく、2報目の信号としてのタイムアップ信号が入力しないと火災と判断しないように遅延機能をもたせていた。
本実施の形態においては、低融点合金の溶融によって動作する火災検出手段24を備えたスプリンクラヘッド15を使用しているため、火災感知器に比べて動作の信頼性が高いので、火災が発生したときは制御装置35から第1報目の信号を住宅情報盤31に送り、また、住棟受信機34から第2報目の信号(地区音響信号)を住宅情報盤31に送出させることで、住宅情報盤31は、スプリンクラヘッド15のカバー部材22が落下すると、すなわち、火災検出手段24の状態が変化するとほぼ同時に2つの信号を受信することにより、直ちに火災が発生したことを判断することができる。
【0031】
スプリンクラヘッド15のカバー部材22が落下してある程度経過すると、火炎あるいは熱気流によってグラスバルブ17が破裂し、スプリンクラヘッド15が開栓して消火水を放水し、消火する。鎮火が確認されると、図5のフローチャートに示すように制御装置35の復旧スイッチ40を操作する。
これにより、制御装置35から起動弁8に起動弁閉信号が送られ、起動弁8が閉止し、制御装置35の起動弁開表示灯37が消灯する。また、住棟受信機34のスプリンクラヘッド15の起動表示灯が消灯し、火災階及び直上階の住宅情報盤31及び共用部のスピーカーの鳴動が停止する。なお、この際、火災検出手段24から再度信号が出力されないようにするために、電源を必要に応じて遮断しておくか、または、後述の止水弁10を閉止してから新らしいスプリンクラヘッドと交換する。
【0032】
このように、制御装置35には、起動弁8が開放したときは起動弁開表示灯37が点灯し、閉止したときは消灯する。また、起動弁8が作動しなかったときは起動弁故障表示灯38が点灯するので、起動弁8の状態を容易かつ確実に確認することができる。また、起動弁8の状態は、住棟受信機34にも表示されるので、万が一起動弁8が開放しなくても、管理人が現場に行って手動で開くことができる。
また、起動弁8は戸外において復旧スイッチを押すことで手動により閉止できる。このため、火災鎮火後に住戸内の人や付近の住民が直ちに起動弁8を閉じることができるので、火災鎮火後の水損を減らすことができる。
【0033】
次に、止水弁10の作用について説明する。前述のように、この止水弁10は常開でかつ開閉を手動で行うようにしたものである。火災が鎮火したときは、前述のように制御装置35の復旧スイッチ40を操作することにより起動弁8が閉止し、スプリンクラヘッド15からの放水を停止させる。しかしながら、このような操作を知っている人が付近に居ない場合は、鎮火しても依然としてスプリンクラヘッド15から放水されるため、大きな水損を生じることになる。そこで、起動弁8の上流側に手動の止水弁10を設けて、誰でも開閉できるようにしたものである。
【0034】
この止水弁10は、手動により閉じると、ハンドル(手動用のレバー)が本体に設けたリミットスイッチにあたって作動して閉信号を出力し、制御装置35に送ってその止水弁閉止灯42を点灯させる。これにより制御装置35は住棟受信機34に止水弁異常信号を送り、異常発生表示灯を点灯させる。これを知った管理人等が起動弁8を閉止すると共に止水弁10を開放すると、制御装置35の止水弁閉止灯42及び住棟受信機34の異常発生表示灯が消灯する。このように、止水弁10が閉じられたときに異常表示するのは、止水弁10は、通常時は開放状態にあるべきものであり、いたずらなどによって勝手に閉じられて、火災時に給水できなくなってしまう状態を防止するためである。
【0035】
次に、本発明に係るスプリンクラ消火設備の点検手順の一例を、図6のフローチャートを用いて説明する。
先ず、制御装置35の試験スイッチ41をONする(ステップS−1)。これにより、制御装置35の3住戸2a,2b,2cに対応した回線状態灯39が3つとも点灯する(ステップS−2)。なお、このとき、住棟受信機34は図示しない連動遮断スイッチを操作して制御装置35との連動を遮断する。これにより、制御装置35から火災信号を受信しても地区音響信号は出力されない。同様に、制御装置35に設けた連動遮断スイッチを押しておくことで、住宅情報盤31へ火災信号を出力させずにすむ。
【0036】
また、制御装置35の試験スイッチ41をONしたことにより、各スプリンクラヘッド15のカバー部材22の脱落信号(火災信号)の回路が短絡され(ステップS−3)、擬似的にカバー部材22が落下して、火災検出手段24のリードスイッチ25の可動接片を開放した場合と同じ状態が作り出される。
これにより、制御装置35は起動弁8に開信号を出力し、起動弁8を開放する(ステップS−4)。起動弁8が開放されたときは制御装置35の起動弁開表示灯37が点灯し(ステップS−5)また、住棟受信機34のスプリンクラ起動表示灯が点灯する(ステップS−7)。
【0037】
次に、制御装置35の復旧スイッチ40をONすると(ステップS−8)、起動弁8に閉信号が入力して起動弁8が閉止する(ステップS−9)と共に、起動弁8は起動弁閉応答信号を制御装置35に送出する(ステップS−10)。これにより制御装置35の起動弁開表示灯37及び回線状態灯39が消灯し(ステップS−11、S−12)また、住棟受信機34のスプリンクラ起動表示灯が消灯する(ステップS−13)。なお、このとき消灯する回線状態灯39は、試験を行った住戸2aの回線に対応した1つの回線状態灯39だけである。そして、住戸2aの回線の点検が終了したら、順次住戸2b,2cと自動的に試験を行っていき、試験回線の残りがないとき、つまり、3つの住戸すべての回線を点検したら(ステップS−14)、すべての試験が終了する。そして、このとき、すべての回線の試験が正常に終れば、回線状態灯39はすべて消灯する。もしいずれかの回線に異常があれば、その回線に対応した回線状態灯39だけ点滅する。
【0038】
一方、ステップS−5で応答がないとき(起動弁開信号37が点灯しなかったとき)は、制御装置35はステップS−15に進み、回線状態灯39を点滅させると共にブザーを鳴動させ、また、起動弁故障表示灯38を点灯させる。このとき、住棟受信機34の異常信号灯が点灯するので(ステップS−16)、試験を中止する。
また、ステップS−10で制御装置35から起動弁8に閉信号を出力しても起動弁開表示灯37が消灯しなかったときは、上記と同様にステップS−15に進み回線状態灯39を点滅させると共にブザーを鳴動させ、また起動弁故障表示灯38を点灯させるなどして試験を中止する。
なお、ステップS−14で試験回路の残りがあるときは、ステップS−1に戻って残った回路につき前記の試験を行う。
【0039】
このように、起動弁8の点検を行う場合も、制御装置35によって起動弁8の開放及び閉止を行うことができ、住棟受信機34からの制御は不要なので、点検が容易である。特に、制御装置35は複数の住戸ごとに設けられているので、1フロアに1人の点検作業者を配置すれば、集合住宅全体の点検を速やかに行うことができる。また制御装置35や起動弁8は、住戸の外のメータボックスなどに設けられるので、住戸内に入ることなく点検することができる。
また、起動弁8の点検時に、制御装置35により開閉の応答をみることができ、応答信号がないときは起動弁故障表示灯38を点灯させるようにしたので、起動弁8の故障を一目で確認することができる。
【0040】
[実施の形態2]
実施の形態1では、火災検出機能を備えたスプリンクラヘッドを使用した場合を示したが、本実施の形態は、スプリンクラヘッドと別個に火災検出手段としての火災感知器を設けたもので、この場合は、火災検出手段の火災信号を制御装置35に送出するようにすればよい。
その他の作用効果は、実施の形態1の場合と同様である。
【0041】
上記の説明では、図3により火災検出手段24を有するスプリンクラヘッド15を説明したが、本発明はこれに限定するものではなく、他の構造又は方式の火災検出手段、例えば、カバーの落下をリミットスイッチなどで検出するようにしたスプリンクラヘッドを用いてもよい。また、本発明は集合住宅ではなく、戸建ての住宅にも実施することができる。
【0042】
【発明の効果】
本発明に係るスプリンクラ消火設備によれば、火災が発生したときは、短時間で確実に起動弁を開放することができる。
また、火災が鎮火したときは、住戸内の人又は付近の住民が直ちに起動弁を閉じることができ、火災鎮火後の水損を減らすことができる。さらに、起動弁の開放及び起動弁及び止水弁が正常に閉止したかを容易に確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1に係る集合住宅におけるスプリンクラ消火設備の説明図である。
【図2】 図1の一部拡大図である。
【図3】 図1のスプリンクラヘッドの一例の説明図である。
【図4】 実施の形態1の火災発生時の作用を説明するためのフローチャートである。
【図5】 実施の形態1の鎮火時の作用を説明するためのフローチャートである。
【図6】 実施の形態1の点検手順を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
1 集合住宅のある階の一部を示す、2 住戸、3 給水本管、6 立上り管、7 枝管、8 起動弁、10 止水弁、11 逆止弁、15 火災検出手段を備えたスプリンクラヘッド、24 火災検出手段、31 住宅情報盤、32 戸外表示器、33 中継器、34 住棟受信機、35 制御装置、37 起動弁表示灯、38 起動弁故障表示灯、39 回線状態灯、40 復旧スイッチ、41 試験スイッチ、42 止水弁閉表示灯。
Claims (3)
- 住戸内に設けられた火災検出手段を有するスプリンクラヘッド及び住宅情報盤と、前記住戸の玄関の近傍に設けられ前記住宅情報盤に接続された戸外表示器とを備え、前記住宅情報盤は、前記スプリンクラヘッドの火災検出手段の状態が変化したときに出力される火災信号を受けて、前記戸外表示器に設けた表示部を点灯させるスプリンクラ消火設備であって、
前記スプリンクラヘッド、住宅情報盤、及び戸外表示器を複数の住戸に対応してそれぞれ設け、
また、前記複数の住戸内に設けられた前記スプリンクラヘッドが接続される配管の基端側に設けられた常閉の起動弁と、
該起動弁の上流側で前記配管に接続された常開で、かつ開閉を手動で行う止水弁と、
前記スプリンクラヘッドの火災検出手段、起動弁及び止水弁に接続され、前記複数の住戸内に設けられた前記スプリンクラヘッドの火災検出手段の状態が変化したときに出力される火災信号を受けて前記起動弁を開放させる制御装置と
を備え、
前記起動弁、止水弁及び制御装置を前記複数の住戸の外部近傍に設けると共に、前記制御装置に前記起動弁が開放したときに点灯する起動弁開表示灯、及び該制御装置から前記起動弁に開放信号を送出したのち所定の時間内に前記起動弁からの応答信号を受信できないときに点灯する起動弁故障表示灯を設け、さらに、前記制御装置に、前記起動弁を開放状態から閉止状態に復帰させる復旧スイッチと、前記止水弁を閉じたときに点灯する止水弁閉表示灯とを設けた
ことを特徴とするスプリンクラ消火設備。 - 前記複数の住宅情報盤が接続されて該住宅情報盤と信号のやりとりを行う住棟受信機とを備え、
前記制御装置は、前記スプリンクラヘッドの火災検出手段の状態が変化したときに出力される火災信号を受けて該火災信号を前記住宅情報盤と前記住棟受信機にそれぞれ送出し、また前記起動弁及び止水弁の状態を前記住棟受信機に表示することを特徴とする請求項1記載のスプリンクラ消火設備。 - 前記制御装置に、前記複数の住戸内に設けられた前記スプリンクラヘッドの火災検出手段の状態を擬似的に変化させて前記起動弁の試験を行う試験スイッチを設けたことを特徴とする請求項1又は2記載のスプリンクラ消火設備。
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