JP4253381B2 - 顕微鏡用電子カメラ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、顕微鏡による観察像を電子的に撮影する電子カメラを含む顕微鏡システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、デジタル技術の発展に伴い、顕微鏡分野でも、デジタル写真を用いる場合が増えてきた。デジタル写真は、銀塩写真に比べて、現像する手間が省けて手軽に写せる利点があり、またデジタル写真データは、パーソナルコンピュータ等にデータとして保存することができるので、銀塩写真のネガのように劣化することが無く、また保存のための場所が別途必要としない等の利点がある。
【0003】
以前、デジタル写真は画質の面で銀塩に劣り、低画質のために実用に耐えられない場合も多かった。しかし、撮像素子(CCD)の発達で、デジタル写真は、銀塩写真に対して全く遜色ないほど画質は向上したため、今後さらに顕微鏡分野においても普及するものと考えられる。
【0004】
従来の顕微鏡用の電子カメラ(デジタルカメラ)には、図16に示されるものがある。通常、顕微鏡本体1には三眼鏡筒10が装着され、双眼の接眼鏡筒20を介して検鏡者90は像を観察する。三眼鏡筒10は上部にもう一つの光路(ポート)を持っており、このポートを利用して写真やテレビモニタ用画像を得るわけである。
【0005】
このポートにはテレビカメラ用アダプター30が装着され、さらにその上にはCCDカメラ80が装着される。電子カメラはテレビモニタ用のCCDビデオカメラと構造的には近いため、普通のカメラのアダプターでなく、テレビカメラ用のアダプターを使うことが多い。このテレビカメラ用アダプター30は、三眼鏡筒10から出てきた像をリレーしてCCDカメラ80内のCCDに正しく結像させるための光学系が内蔵された、筒状のユニットである。
【0006】
CCDカメラ80からの信号は、ケーブルを介してテレビモニタ81に送られ、像をモニタすることができる。撮られる写真の最終的なフレーミングやピント合わせは、このモニタ81を通じて行われる。これをテレビモニタ81でなくパーソナルコンピュータ82につなげれば、画像をそのままパーソナルコンピュータ82にファイルとして保存できる。CCDカメラ80の操作は、パーソナルコンピュータ82につなげられた場合はキーボード83からパーソナルコンピュータ82を介して行うことができるし、モニタ81につなぐ場合はハンドスイッチ51が付いていてこれで行う。撮った写真はCCDカメラ80内のメモリー装置に蓄えて、後で何らかの方法でパーソナルコンピュータに取り込むか、パーソナルコンピュータにつないでいる場合は直接パーソナルコンピュータ82に送り、パーソナルコンピュータ82のメモリー装置に蓄えることとなる。
【0007】
従来の顕微鏡電子カメラの問題点としてシステムの多さによる机上の占有スペースの増大があげられる。顕微鏡はただでさえ多様化して周辺機器が増えた結果机上が煩雑になり、スペースがなくなっているのに、ハンドスイッチ51やパーソナルコンピュータ82、キーボード83などが設置されれば当然机上の作業性は悪くなってしまう。写真撮影をするのに少なくともテレビモニタ81は顕微鏡の近くに置かねばならず、これは、逆に言えば、机上スペースの関係でテレビモニタ81が顕微鏡の近くに置けなければ、撮影時のフレーミングやピント合わせに支障をきたすという問題点にもなりうる。
【0008】
また、電子カメラを構成する部品点数が多いため、ちょっと別の顕微鏡や別の部屋で電子カメラを使いたいといったときのフレキシブルさに欠ける。つまり、テレビモニタ81、パーソナルコンピュータ82、キーボード83などをすべて運ばなければならないのである。
【0009】
もうひとつの問題はシステムのコストの面である。CCDカメラ80とハンドスイッチ51を買っただけでは写真撮影はできない。フレーミングやピント合わせのためだけに高価なテレビモニタ81やパーソナルコンピュータ82を買わなくてはならないのである。
【0010】
一方、顕微鏡では標本を観察する場合に、その観察の目的に応じて各種フィルタや光学素子が多く使用されている。このときの顕微鏡での観察像を電子カメラで撮像する場合、好適な画像を得るために各種フィルタや光学素子を用いたときの各種の観察状態に応じた各種の画像処理を電子カメラにより得られた映像信号に対して施す必要がある。
【0011】
このような観察状態に応じた各種の画像処理として例えばホワイトバランス補正では、観察に適した光量で標本を観察する場合、標本への照明光の光量を調整するとき、この光量調整に伴う照明光の色温度変化によらずに一定のホワイトバランスを得るような補正が必要である。そこで、照明光の光路上に対するフィルタ挿抜や照明用光源の光量変化により照明光に色温度変化が生じると、その都度ホワイトバランスをセットして観察している。
【0012】
これに対して、例えば、特開平6−351027号公報に記載されているように顕微鏡の初期化時にホワイトバランス補正用の補正データを作成する技術がある。この技術は、顕微鏡の初期化時に照明用光源の光量を変化させ、かつ使用するフィルタを順次挿抜しながら撮像素子により得られる映像信号を基に分光透過特性を測定し、照明用光源の光量とフィルタとの全ての組合わせでのホワイトバランス補正データを作成する。そして、標本観察時には、そのときの照明用光源の光量とフィルタの状態に応じたホワイトバランス補正データに基づいてホワイトバランスを行うものとなっている。
【0013】
しかしながら、このようにホワイトバランス補正データに基づいてホワイトバランスを行う技術は、顕微鏡の透過観察時において利用できるものであり、落射観察時にホワイトバランス補正データを作成することが難しい。このため、落射観察時には、必ずしも適正な補正により標本を撮像できるとは限らない。また、撮像処理系を介して測定しているために必ずしも照明光色温度に対する補正量と一致するとは限らない。更に近年では、例えば特開平7−199077号公報に記載されているように検鏡法の設定など顕微鏡全般の制御を行える顕微鏡もある。ところが、好適な画像を得ようとする場合、観察者は多岐に亘る処理を検鏡法等の観察状態に応じて行わなければならない。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、省スペースで安価な構成であり、簡単にデジタル写真の撮れる顕微鏡用電子カメラを提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記課題は次のような顕微鏡用電子カメラにより達成できる。すなわち、本発明は、顕微鏡に装着される電子カメラであって、撮像素子と、撮像素子からの信号を処理する信号処理部と、撮像した画像データを記録するメモリ手段と、撮像素子で受光した画像を表示する表示手段と、を一体的に設けている。表示手段は、液晶モニタであり、その表示面が接眼レンズ側に傾斜し、検鏡者の接眼レンズを見込む視線方向と表示手段を見込む視線方向とのなす角度が25度乃至70度となるように設けられている。
【0017】
このような構成によって、本発明による顕微鏡用電子カメラは、撮像素子からの信号は信号処理部で処理され、一体的に設けられた表示手段によって表示される。従って、この表示手段の画像を見ながら操作をすることにより、別個のテレビモニタやパーソナルコンピュータ等を必要とすることなくデジタル写真の撮影が可能となる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
【0021】
(第1実施形態)
図1に示すように、顕微鏡本体1には、テレビカメラ用アダプター30を介して電子カメラ40が装着されている。電子カメラ40の前方には、検鏡者90の視線に向けて、顕微鏡で得られた像をモニタするための液晶カラーモニタ45が設けられる。検鏡者90は接眼レンズ21で像を検鏡しながら、写真を撮るときにはその場で少し眼を上方に向けるだけで、液晶カラーモニタ45の画像を見ながらフレーミングやピント合わせの作業が行え、ハンドスイッチ51を操作することでデジタル写真を撮影することができる。
【0022】
以下、本発明の第1実施形態を詳細に説明する。すなわち、図1に示すように、顕微鏡本体1は、側面がコの字形状をなし、ベース部1a、コラム部1b、アーム部1cを有している。コラム部1bには、焦準機構を介して標本Sを載置するステージ3が上下動可能なように支持されている。焦準機構は焦準ハンドル2によって操作され、標本Sのピント合せが行われる。アーム部1c、ベース部1aには、光源4,5からの光により標本Sを照明するための透過照明光学系、落射照明光学系がそれぞれ配置されている。またアーム部1cの下面には複数の対物レンズ6が装着可能な回転レボルバ7が備えられ、対物レンズ6を任意に切換可能となっている。
【0023】
アーム部1c上面には、光路分割プリズム(ビームスプリッタ)11を内蔵する三眼鏡筒10が装着されている。その三眼鏡筒10の前面には接眼レンズ21を有する接眼鏡筒20が装着され、また三眼鏡筒10の上面にはテレビカメラ用アダプター30を介して電子カメラ40が装着されている。テレビカメラ用アダプター30内の結像レンズ31によって、対物レンズ6からの観察光は電子カメラ40内の撮像素子としてのCCD43に結像するようになっている。テレビカメラ用アダプター30には結像レンズ31を光軸方向に位置調節する同焦調節機構が備えられ、これによって結像位置を調節することができる。
【0024】
電子カメラ40を図2の(a),(b)と、図3とに示す。液晶カラーモニタ 45は、接眼レンズ31の近傍に位置するようにケーシング40Aに設けられている。具体的には、液晶カラーモニタ45は、検鏡者90の視線の方向を向くように表示面が下向きに角度をつけられた状態で、ケーシング40Aの前面(検鏡者90側の面)に一体に設けられている。表示面の傾斜角Uは、5度又は10度から25度の範囲にて設定する。本実施形態のシステムでは、像の観察の容易性及びスイッチ等の操作の利便性を向上する最も好ましい角度として15度に設定している。ケーシング40Aは、アダプター30からの光像を導入する穴40A1が空けられた底板40A2に、箱体40A3を、ビス40A4で固定した構造 である。ケーシング40Aの外側の右側面には、ハンドスイッチ接続用の端子41や、画像データを保存するメモリカード用のスロット42が配置されている。ケーシング40Aの内部には、撮像素子としてのCCD43及びこのCCDからの出力信号を処理するための信号処理部44等が配置されている。符号40A5は、CCD43を載置するためのスペーサである。
【0025】
ここで、液晶カラーモニタ45は接眼レンズ31に近接しているが、像の観察及びスイッチ等の操作の利便性を考慮して、接眼レンズ21と電子カメラ40の液晶カラーモニタ45とは、図4に示す関係に設定している。接眼鏡筒20の傾斜角Wは、20度又は30度から45度の範囲に設定する。表示面の傾斜角Uは、既に述べたように、5度又は10度から25度までの範囲にて設定する(本実施形態のシステムでは、15度に設定している。)。接眼レンズ21における光軸(検鏡者90の視線の方向の軸)301と液晶カラーモニタ45の表示面に直角な軸302とが交差する第1交点V1と、液晶カラーモニタ45における表示面と軸302とが交差する第2交点V2と、接眼レンズ21における接眼点V3と、で三角形を形成し、光軸301と軸302との成す角度Xと、接眼レンズ21における接眼点V3と液晶カラーモニタ45における交点V2とを結ぶ線303と軸302との成す角度Yと、光軸301と線303との成す角度Zとしたとき、
接眼鏡筒20の傾斜角Wを20度から45度までの範囲とし、液晶カラーモニタ45の傾斜角Uを5度から25度までの範囲としたとき、図4の角度Xは、25度から75度までの範囲のある値をとることになる。
【0026】
一方、角度Yは、接眼鏡筒20と電子カメラ45との配置関係(両者の高さ関係や両者の前後関係)により左右されるが、一例として、20度から60度までの範囲とする。角度Zは、180−(X+Y)度として算出される。従って、これらをまとめると次のようになる。
【0027】
角度W=20度〜45度
角度U=5度〜25度
角度X=25度〜70度
角度Y=20度〜60度
次に図5を参照して電子カメラ40の電気回路を説明する。電子カメラ40は、撮像素子(CCD)43、撮像素子(CCD)43からの信号を処理する信号処理部44、表示部45を有する。また信号処理部44はバスライン46に接続され、同じくバスライン46に接続されたシステム制御部47により制御される。さらに、このバスライン46には記録媒体(メモリカード)49、スイッチインターフェース48、外部インターフェース50が接続されている。
【0028】
信号処理部44は、図5に示すように、撮像素子としてのCCD43からの信号をサンプリングするサンプルホールド部441、A/D変換を行なうA/D変換部442、画像データを一時的に記憶するメモリ443とのデータの入出力を制御するメモリコントローラ444、D/A変換を行なうD/A変換部445が順に接続され、CCD43からの信号を液晶カラーモニタ45に出力するようになっている。また、タイミングジェネレータ446からの出力信号はCCD43及びサンプルホールド部441に入力され、シンクジェネレータ447からの出力信号はA/D変換部442、D/A変換部445及びメモリコントローラ444に入力される。タイミングジェネレータ446、シンクジェネレータ447はそれぞれバスライン46に接続されており、このバスライン46を介しシステム制御部47からの指令を受けてタイミング信号を出力することにより、各ブロックの動作を制御する。
【0029】
システム制御部47は、CPU471と、動作プログラムが内蔵されたROM473と、作業用のRAM472を有し、それぞれ個々にバスライン46に接続されている。CPU471はROM473に格納された動作プログラムにしたがって、電子カメラ40の各種の制御を行なう。
【0030】
記録媒体(メモリカード)49は、バスライン46を介して画像データの保存、読み出しが行われる。もちろん、メモリカード以外の記録媒体を用いることも可能である。
【0031】
スイッチインターフェース48は、バスライン46を介してハンドスイッチ51をシステム制御部47に接続し、ハンドスイッチ51によりレリーズなどの各種操作指示をシステム制御部47に伝達する。外部インターフェース50は、外部のパーソナルコンピュータとのデータのやり取り等を行なうためのものである。
【0032】
次に、このように構成された第1実施形態の動作について説明する。すなわち、透過照明または落射照明によって照明された標本Sからの観察光は、対物レンズ6によって集められ、ハーフミラー8を介して光路分割プリズム11に入射する。ここで観察光は2方向に分けられる。一方は接眼鏡筒20の方向で、これは接眼レンズ21を介して直接検鏡者90により検鏡される。もう一方は三眼鏡筒10上部のマウントに取り付けられたテレビカメラ用アダプター30を介して電子カメラ40に導かれる。
【0033】
観察光は電子カメラ40内のCCD43に入射し、電気信号に変換される。この信号は、順にサンプルホールド、A/D変換の処理を受けてメモリコントローラ444に送られ、一旦メモリ443に格納される。液晶カラーモニタ45に表示させる場合には、メモリ443に格納された画像データがメモリコントローラ444により読み出され、D/A変換処理を受けて液晶カラーモニタ45に送られ、画像が表示される。写真を撮影する場合は、ハンドスイッチ51を操作することによりスイッチインターフェース48を介してシステム制御部47に撮影指示がなされ、撮影が行なわれる。画像データは、メモリ443または記録媒体(メモリカード)49に格納される。
【0034】
このように本実施の形態によれば、電子カメラ撮影時には電子カメラ40に入ってくる像は液晶カラーモニタ45に映し出される。検鏡者90は通常の検鏡時は接眼鏡筒20をのぞいているが、電子カメラ撮影時は検鏡姿勢を変化させることなく視線を上方に移すだけでこれから撮影する画像を見て、フレーミングやピント合わせを行うことができる。
【0035】
もちろん、接眼レンズ21と液晶カラーモニタ45での像との同焦が一致するようにあらかじめテレビカメラ用アダプター30の同焦調節機構を用いて調整しておくことにより、接眼レンズ21で電子カメラのピント合わせを代用することもできるが、テレビカメラ用アダプター30の倍率は種類によってさまざまで、ズーム機能を備えた物もあるので、フレーミングを接眼レンズ21で行うことはできない。
【0036】
本発明によれば、電子カメラ40を装着した顕微鏡本体だけによってデジタル写真撮影が可能になり、パーソナルコンピュータ82(及びテレビモニタ81、キーボード83)を顕微鏡の近くに置く必要がなくなるので、例えば蛍光観察などのように検鏡作業を暗室で行なう場合でも、暗室の占有スペースを最小限に抑えることがきる。撮影されたデータに画像処理等の加工を行なう場合は、撮像した画像データが記録されたメモリカードにより顕微鏡とは別の場所に設置されたパーソナルコンピュータに読み込ませて処理を行なえば良い。
【0037】
また、メモリカードに記録された画像データを読み出して紙やOHPシート、35mmフィルムサイズのスライド等に出力可能なプリンタ84を別途用意することにより、画像処理は不要で単に画像データをプリントアウトしたい場合には、このプリンタだけで出力処理が可能になる。(テレビモニタ81、パーソナルコンピュータ82、キーボード83は必要ない。)この場合、プリンタ84のスロット85に画像データが記録されたメモリカードを挿入してデータの読み出しや書き込みを行なう。もちろんこの場合もプリンタ84は顕微鏡の近くに設置する必要はない。
【0038】
電子カメラ40の操作はハンドスイッチ51で行い、電子カメラ40の内部のメモリー装置によってデジタル写真のデータが保存される。電子カメラ40を外部インターフェース50を介してパーソナルコンピュータ82と接続して直接パーソナルコンピュータ82とやりとりをしたり、パーソナルコンピュータ82から電子カメラ40を操作することも可能である。この場合でも、写真を撮るときにパーソナルコンピュータ82やテレビモニタ81が顕微鏡本体1の近くにある必要がないため、顕微鏡本体1の周りのスペースを広く取ることができる。
【0039】
さらに、電子カメラ40やハンドスイッチ51を購入するだけでデジタル写真が撮れるため、画像処理などの必要がなければ、わざわざ高価なパーソナルコンピュータ82やテレビモニタ81を購入しなくてもよい。違う顕微鏡や別の部屋の顕微鏡に電子カメラをセッティングするときも、パーソナルコンピュータ82やテレビモニタ81を持ち運ぶ必要がないため、非常に楽である。液晶カラーモニタ45は見る角度によって明るさが変わったり、見えなくなったりする物もあるが、下向きに検鏡者90側に傾けることで、視線が液晶画面に対して斜めに入って見づらくなってしまうことを防ぐことができる。
【0040】
図6は第1実施形態の変形例を示したものである。普通電子カメラ40の操作にはハンドスイッチ51を用いるか、パーソナルコンピュータ82に接続してキーボード83に入力したりパーソナルコンピュータ82の図示しないマウスなどの入力装置によって行われるが、いずれにしても電子カメラ40にケーブルを接続することによってその作業をなし得るのであって、ケーブルやハンドスイッチ51でさえ机上で邪魔になり、電子カメラのコンパクトさを阻害することもある。
【0041】
図6では電子カメラ40のケーシング側面に操作スイッチ64を設け、電子カメラのシステムをシンプルでコンパクトにしている。また、ハンドスイッチ51やパーソナルコンピュータ82によってレリーズ動作を行わず、液晶カラーモニタ45に非常に近い位置にレリーズスイッチを設けているため、フレーミングやピント合わせをした後、目をそらさずにすぐにレリーズ操作が行えるということがある。レリーズスイッチをフェザータッチの物にしておけば、レリーズ操作によって顕微鏡本体1が振動して写真がぼける不具合を防止できる。
【0042】
(第2実施形態)
図7は第2実施形態を示したものである。テレビカメラ用アダプター30に装着された電子カメラ40の検鏡者90側の下辺に、適度な重さを持って液晶カラーモニタ45の角度を変化させることができるような蝶番部材61を設けてある。蝶番部材61を介して電子カメラ40と液晶カラーモニタ45は接続されており、検鏡者90は蝶番部材61を支点として矢印のように自由に液晶カラーモニタ45の角度を変えることが可能である。このとき蝶番部材61には適度な重さがあるので、角度を決めた後、液晶カラーモニタ45が動いてしまうことはない。
【0043】
電子カメラ40は様々な顕微鏡に用いられるため、取り付けられる高さは一定とは限らない。実施の形態1では液晶カラーモニタ45を傾ける角度は一定だったが、検鏡者90の背の高さ、テレビカメラ用アダプター30の長さによって電子カメラ40を取り付ける高さが変わったときに本実施の形態は液晶カラーモニタ45の角度を微調整する事により、より鮮明な画像を得ることができるため、簡単で正確なフレーミングとピント合わせに有効である。
【0044】
(第3実施形態)
図8は第3実施形態を示したものである。液晶カラーモニタ45を蝶番部材62によって電子カメラ40に接続している所までは第2の実施の形態と同様であるが、第2の実施の形態が液晶カラーモニタ45と電子カメラ40との電気的接続を図示しない蝶番部材61内部のケーブルで行っているのに対し、第3の実施の形態では液晶カラーモニタ45と電子カメラ40の電気的接続を、外部を通してカールコード63によって行っている点が異なる。
【0045】
またもう一つの相違点は液晶カラーモニタ45が蝶番部材62と着脱可能に締結されていて、検鏡者90は必要があれば液晶カラーモニタ45を蝶番部材62から取り外し、角度だけでなく、向きや位置さえも変えることができる。これは例えば倒立型顕微鏡のようにテレビカメラ用アダプター30を装着するポート(光路)が本体横側についている場合などに有効となる。この場合テレビカメラ用アダプター30と電子カメラ40も横向きに取り付けられるので、液晶カラーモニタ45が見にくくなってしまう。このようなとき、液晶カラーモニタ45を取り外して向きや位置を検鏡者90の見やすいように変えれば、フレーミングやピント合わせの作業が非常に楽に行える。液晶カラーモニタ45にフックやストラップ、液晶カラーモニタ45を貼り付けるマグネットなどの固定手段を設けるか、別途モニタ用のスタンドなどを用意しておけば、検鏡者90の見やすい位置に容易に液晶カラーモニタ45を固定することもできる。カールコード63は普段は短く縮まっているが、位置を変えるときには伸ばすことができるので、蝶番部材62に液晶カラーモニタ45を取り付けている状態でも邪魔になることはない。
【0046】
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態について説明する。図9は顕微鏡用電子カメラの構成図である。本実施形態の顕微鏡用電子カメラ102は、標本に対する観察状態を各種設定変更する機能を有する顕微鏡101に装着され、顕微鏡101による観察像を撮像する装置である。
【0047】
顕微鏡101には、透過観察用光学系として透過照明用光源103が設けられ、この透過照明用光源103から出力される透過照明光の光路上に、透過照明光を集光するコレクタレンズ104と、透過照明用光源103の色温度を変えずに調光するための複数毎のNDフィルタと照明光色温度を変換する複数毎の色温度変換フィルタから成る透過用フィルタユニット105と、透過視野絞り106と、反射ミラー107とが配置されている。さらに、この反射ミラー107の反射光路上に透過開口絞り108、コンデンサ光学素子ユニット109、トップレンズユニット110が配置されている。
【0048】
また、落射観察用光学系として落射照明用光源111が設けられ、この落射照明用光源111から出力される落射照明光の光路上に、落射照明用光源111の色温度を変えずに調光するための複数毎のNDフィルタと照明光色温度を変換する複数毎の色温度変換フィルタから成る落射用フィルタユニット112、落射シャッタ113、落射視野絞り114及び落射開口絞り115が配置されている。
【0049】
そして、これら透過観察用と落射観察用との重なる観察光路上には、標本を載せる試料ステージ116、複数装着された対物レンズを回転動作で選択するレボルバ117、検鏡法を切り替えるためのキューブユニット118及び光路を接眼レンズ側と撮像側とに分岐するビームスプリッタ119が配置されている。
【0050】
このような顕微鏡において透過観察用光学系には透過照明色温度検出部120が配置されると共に落射観察用光学系には落射照明色温度検出部121が配置されている。透過照明色温度検出部120は標本に対する透過照明光の色温度を検出するものであり、落射照明色温度検出部121は標本に対する落射照明光の色温度を検出するものである。
【0051】
顕微鏡コントロール部122は、顕微鏡101の全体動作を制御する機能を有するもので、透過照明用光源103、落射照明用光源111、透過照明色温度検出部120、落射照明色温度検出部121及び駆動部123が接続されている。この顕微鏡コントロール部122は、観察倍率の切り替えや調光、検鏡法の切り替えなどの操作に従い、透過照明用光源103や落射照明用光源111に対して調光制御を行い、駆動部123に対して制御指示を発する機能を有している。
【0052】
また、顕微鏡コントロール部122は、観察倍率の切り替えや調光、検鏡法の切り替えなどの操作を受けて顕微鏡101における観察状態の設定変更を認識し、かつ透過照明色温度検出部120により検出された透過照明光の色温度情報又は落射照明色温度検出部121により検出された落射照明光の色温度情報を電子カメラ102に送出する機能を有している。
【0053】
一方、電子カメラ102には、顕微鏡101からの観察像を撮像する撮像素子124が設けられている。この撮像素子124の出力端子には、前置処理部125が接続されており、この前置処理部125により撮像素子124の出力信号が映像信号化されてRGBの各色信号に分離される。この前置処理部125の出力のうちR出力端子とB出力端子とには、それぞれ映像信号のホワイトバランスを調整するための各増幅部126、127が接続されている。そして、前置処理部125のG出力端子と各増幅部126、127の各出力端子には、A/D変換部128を介して一時画像記憶部129が接続されている。
【0054】
撮像コントロール部130は、電子カメラ102の動作を制御するもので、ゲイン設定部131、一時画像記憶部129、画像記録媒体132、さらには顕微鏡101内の顕微鏡コントロール部122が接続されている。このうちゲイン設定部131は、各増幅部126、127のゲインを設定する機能を有している。
【0055】
また、撮像コントロール部130は、顕微鏡コントロール部122から送出される透過照明光又は落射照明光の色温度情報を受け、この色温度情報に応じてゲイン設定部131のゲインを設定変更する機能を有している。
【0056】
また、撮像コントロール部130は、静止画取得指示が与えられた場合、一時画像記憶部129に記憶されている画像データを画像記録媒体132に記録する機能を有している。
【0057】
次に上記の如く構成された装置の作用について説明する。
【0058】
透過明視野観察を行う場合について説明すると、観察者は、顕微鏡コントロール部122に対して検鏡法として、透過明視野の設定、観察倍率及び調光の設定を行う。この顕微鏡コントロール部122は、調光の設定を受けて透過照明用光源103を観察者の設定された明るさに点灯する。なお、このとき落射照明用光源111は消灯している。これと共に顕微鏡コントロール部122は、指示された検鏡法及び観察倍率に顕微鏡101の観察状態を設定するように駆動部123に対して制御指令を発する。
【0059】
この駆動部123は、顕微鏡コントロール部122からの制御指令を受け、指示された観察倍率の対物レンズを観察光路内に挿入するようにレボルバ117を駆動制御するとともに透過観察用にキューブユニット118を駆動制御する。さらに駆動部123は、透過開口絞り108、コンデンサ光学素子ユニット109及びコンデンサトップレンズユニット110を制御し、さらに透過用フィルタユニット105、透過視野絞り106を駆動制御する。
【0060】
このような顕微鏡101の観察状態において、透過照明用光源103から出力された透過照明光は、集光するコレクタレンズ104により集光され、透過用フィルタユニット105、透過視野絞り106を通って反射ミラー107で反射し、さらに透過開口絞り108、コンデンサ光学素子ユニット109及びトップレンズユニット110を経て試料ステージ116上に載置された標本に照射される。
【0061】
このとき透過照明色温度検出部120は、標本に対する透過照明光の色温度を検出してその色温度情報を顕微鏡コントロール部122に送出する。
【0062】
標本を透過した光は、対物レンズ、キューブユニット118及びビームスプリッタ119を経て撮像素子124に投影される。この撮像素子124は、投影された観察像を光電変換して出力する。前置処理部125は、撮像素子124の出力信号を映像信号化し、RGBの各色信号に分離して出力する。
【0063】
一方、顕微鏡コントロール部122は、観察倍率の切り替えや調光、検鏡法の切り替えなどの操作を受けて顕微鏡101における観察状態の設定変更を認識し、かつ透過照明色温度検出部120により検出された透過照明光の色温度情報を撮像コントロール部130に送出する。
【0064】
この撮像コントロール部130は、顕微鏡コントロール部122から送出される透過照明光の色温度情報を受け、この色温度情報に応じて適正なホワイトバランスを保つようにゲイン設定部131のゲインを設定変更する。このゲイン設定部131は、各増幅部126、127のゲインを変更されたゲインに設定する。
【0065】
しかるに、前置処理部125から分離出力されたRの色信号とBの各色信号とは、それぞれ各増幅部126、127により設定変更されたゲインにより増幅される。これにより、増幅部126から増幅出力されたRの色信号、前置処理部125から分離出力されたGの色信号、増幅部127から増幅出力されたBの色信号は、標本に照射される透過照明光の色温度に応じて適正なホワイトバランスに保たれた映像信号となる。
【0066】
そして、これらRの色信号、Gの色信号、Bの色信号は、A/D変換部128によりA/D変換され、画像データとして一時画像記憶部129に記憶される。
【0067】
ここで、観察像を静止画として保存するために撮像コントロール部130に対して画像記録操作がされると、この撮像コントロール部130は、一時画像記憶部129に記憶されている画像データを画像記録媒体132に記録し静止画として保存する。
【0068】
次に、観察者が同じ標本を同じ検鏡法で観察倍率を変更して観察し、かつその観察像を静止画として記録する場合について説明する。
【0069】
観察者は、顕微鏡コントロール部122に対して観察倍率の設定変更を行う。この顕微鏡コントロール部122は、変更指示された観察倍率に顕微鏡101の観察状態を設定するように駆動部123に対して制御指令を発する。
【0070】
この駆動部123は、顕微鏡コントロール部122からの制御指令を受け、指示された観察倍率の対物レンズを観察光路内に挿入するようにレボルバ117を駆動制御する。これと共に駆動部123は、変更した対物レンズに合わせて必要であれば透過開口絞り108、コンデンサ光学素子ユニット109及びコンデンサトップレンズユニット110を駆動制御する。
【0071】
ここで、対物レンズの倍率を変更した場合、標本に照射する光量を変更しないと、最適な光量で標本を観察できないことがある。このとき観察者は、透過照明用光源103の光量を変えたり、又は透過用フィルタユニット105内のフィルタを光路から挿抜することによって、観察に適正な観察光量を得る。
【0072】
このような操作を顕微鏡コントロール部122に対して行うことで、この顕微鏡コントロール部122は、透過照明用光源103から出力される透過照明光の光量を調整し、かつ駆動部123を介して透過用フィルタユニット105を駆動制御する。
【0073】
ところが、このような調光により標本に照射される透過照明光の色温度は、調整前の色温度と異なるものになる。このような場合、透過照明色温度検出部120は、標本に対する透過照明光の色温度を検出してその色温度情報を顕微鏡コントロール部122に送出するので、この顕微鏡コントロール部122は、観察倍率の切り替えの操作を受けて顕微鏡101における観察状態の設定変更を認識し、かつ透過照明色温度検出部120により検出された透過照明光の色温度情報を撮像コントロール部130に送出する。
【0074】
この撮像コントロール部130は、上記同様に色温度情報に応じて適正なホワイトバランスを保つようにゲイン設定部131を介して各増幅部126、127のゲインを設定変更する。しかるに、前置処理部125から分離出力されたRの色信号とBの各色信号とは、それぞれ各増幅部126、127により設定変更されたゲインにより増幅され、これら増幅部126から増幅出力されたRの色信号、前置処理部125から分離出力されたGの色信号、増幅部127から増幅出力されたBの色信号は、標本に照射される透過照明光の色温度に応じて適正なホワイトバランスに保たれた映像信号となる。そして、観察像を静止画として保存するために撮像コントロール部130に対して画像記録操作がされると、この撮像コントロール部130は、一時画像記憶部129に記憶されている画像データを画像記録媒体132に記録し静止画として保存する。
【0075】
次に観察者が同じ標本を同じ検鏡法で落射明視野観察に変更して観察し且つその観察像を静止画として記録する場合について説明する。
【0076】
観察者は、顕微鏡コントロール部122に対して落射明視野観察の設定変更を行う。この顕微鏡コントロール部122は、駆動部123に対して制御指令を発し、透過照明用光源103を消灯し、落射照明用光源111を所定の光量で点灯するように制御する。さらに顕微鏡コントロール部122は、駆動部123を介して落射用フィルタユニット112、落射シャッタ113、落射視野絞り114及び落射開口絞り115を駆動制御し、かつ落射照明色温度検出部121により検出された透過照明光の色温度情報を撮像コントロール部130に送出する。
【0077】
この撮像コントロール部130は、上記同様に色温度情報に応じて適正なホワイトバランスを保つようにゲイン設定部131を介して各増幅部126、127のゲインを設定変更する。しかるに、前置処理部125から分離出力されたRの色信号とBの各色信号とは、それぞれ各増幅部126、127により設定変更されたゲインにより増幅され、これら増幅部126から増幅出力されたRの色信号、前置処理部125から分離出力されたGの色信号、増幅部127から増幅出力されたBの色信号は、標本に照射される透過照明光の色温度に応じて適正なホワイトバランスに保たれた映像信号となる。そして、観察像を静止画として保存するために撮像コントロール部130に対して画像記録操作がされると、この撮像コントロール部130は、一時画像記憶部129に記憶されている画像データを画像記録媒体132に記録し静止画として保存する。
【0078】
このように上記第1実施形態においては、標本に対する照明の色温度を色温度検出部120、121により検出し、調光の変更の観察状態の変更を認識すると、色温度検出部120、121により検出された照明の色温度情報に応じて電子カメラ102の映像信号に対するゲインを変更するので、観察倍率、調光の設定変更、さらには透過明視野観察又は落射明視野観察への設定変更などの観察状態の変更が行われても観察者が画像に対する調整を行うことなく自動的に適正なホワイトバランスに保たれた観察像を得て静止画として記録できる。
【0079】
なお、上記第1実施形態では、観察倍率を変更した場合の調光を顕微鏡コントロール部130に対する観察者の操作により行っているが、これに対して観察倍率を変更した後一時画像記憶部129に記憶されている画像データを撮像コントロール部130で読み込み、画像データの輝度が適性値になるように撮像コントロール部130に指示を発するようにしてもよい。これにより、観察者は、観察倍率の変更のみの操作で適正な光量と適正なホワイトバランスの保たれた静止画を記録できる。
【0080】
(第5実施形態)
次に、本発明の第5実施形態について図10を参照して説明する。なお、図10においては、図9と同一部分には同一符号を付して説明を省略し、特に顕微鏡1ついては同一構成であることからその図示は省略する。
【0081】
図10は顕微鏡用電子カメラの構成図である。
【0082】
電子カメラ102におけるA/D変換部128と一時画像記憶部129との間には、RGBの各色信号に対して輪郭強調の処理を行うフィルタ回路140が接続され、フィルタ設定部141によりフィルタ係数が設定されるようになっている。
【0083】
撮像コントロール部142は、電子カメラ102の動作を制御するもので、ゲイン設定部131、一時画像記憶部129、画像記録媒体132、フィルタ設定部141及び顕微鏡101内の顕微鏡コントロール部122が接続されている。
【0084】
この撮像コントロール部142は、顕微鏡コントロール部122から送出される観察倍率又は標本の変更の情報を受け、この情報に応じてゲイン設定部131のゲインを設定変更するとともにフィルタ設定部141に対してフィルタ係数の設定変更を行う機能を有している。
【0085】
次に上記の如く構成された装置の作用について説明する。
【0086】
透過明視野観察を行う場合は上記第1実施形態と同様なのでその作用については省略する。この透過明視野観察のとき、観察倍率が比較的高倍率の場合には、既に設定されている顕微鏡1の観察状態でも標本の輪郭がはっきり観察できる。しかるに、撮像コントロール部142は、顕微鏡コントロール部122から送出される観察倍率の情報を受け、この情報に応じてゲイン設定部131のゲインを設定変更するとともにフィルタ設定部141に対して画像中に含まれるノイズ除去効果のあるフィルタ係数の設定変更を行う。
【0087】
この観察状態に、撮像素子124は、投影された観察像を光電変換して出力し、前置処理部125は、撮像素子124の出力信号を映像信号化し、RGBの各色信号に分離して出力する。この前置処理部125から分離出力されたRの色信号とBの各色信号とは、それぞれ各増幅部126、127により設定変更されたゲインにより増幅され、これにより、増幅部126から増幅出力されたRの色信号、前置処理部125から分離出力されたGの色信号、増幅部127から増幅出力されたBの色信号は、標本に照射される透過照明光の色温度に応じて適正なホワイトバランスに保たれた映像信号となる。
【0088】
そして、これらRの色信号、Gの色信号、Bの色信号は、A/D変換部128によりA/D変換され、この後にフィルタ回路140により画像データに含まれるノイズ除去が行われ、画像データとして一時画像記憶部129に記憶される。そして、撮像コントロール部142は、一時画像記憶部129に記憶されている画像データを画像記録媒体132に記録し静止画として保存する。
【0089】
次に、観察者が同じ標本を同じ検鏡法でマクロ像として観察し、かつその観察像を静止画として記録する場合について説明する。
【0090】
観察者は、顕微鏡コントロール部122に対してマクロ観察を行うために観察倍率を低倍率に変更するように操作する。この顕微鏡コントロール部122は、駆動部123に対して制御指令を発し、マクロ像として観察するための観察倍率の対物レンズを観察光路内に挿入するようにレボルバ117を駆動制御するとともにキューブユニット118、透過開口絞り108、コンデンサ光学素子ユニット109、コンデンサトップレンズユニット110、透過用フィルタユニット105、透過視野絞り106を駆動制御する。
【0091】
また、撮像コントロール部142は、透過照明色温度検出部120により検出された色温度情報に応じて適正なホワイトバランスを保つようにゲイン設定部131を介して各増幅部126、127のゲインを設定変更し、標本に照射される透過照明光の色温度に応じて適正なホワイトバランスに保たれた映像信号とする。
【0092】
ところで、マクロ観察では、標本の細かい部位についてその輪郭がはっきり観察できない場合がある。この場合、撮像コントロール部142は、顕微鏡コントロール部122から送出される観察倍率又は標本の変更の情報を受け、この情報に応じてフィルタ設定部141に対して輪郭強調効果のあるフィルタ係数の設定変更を行う。
【0093】
しかるに、標本に照射される透過照明光の色温度に応じて適正なホワイトバランスに保たれたRの色信号、Gの色信号、Bの色信号は、A/D変換部128によりA/D変換され、この後にフィルタ回路140により輪郭強調が行われ、画像データとして一時画像記憶部129に記憶される。そして、撮像コントロール部142は、一時画像記憶部129に記憶されている画像データを画像記録媒体132に記録し静止画として保存する。
【0094】
以上の説明では、観察倍率の変更により自動的に記録画像の輪郭を補正しているが、これに対して顕微鏡コントロール部122に観察中の標本種別を設定することによって、標本種別に応じた輪郭補正を施すことができる。
【0095】
例えば、標本として酵素抗体があるが、これは通常観察では観察像の輪郭がはっきりせず観察が困難である。そこで、顕微鏡コントロール部122に対して顕微鏡1の観察状態を設定するとともに標本種別も同時に設定する。この顕微鏡コントロール部122は、標本種別情報を撮像コントロール部142に送出することにより、この撮像コントロール部142は、標本種別情報に応じて酵素抗体を観察するに適した輪郭強調効果のあるフィルタ係数をフィルタ設定部141に設定する。これにより、観察者は、標本種別により生じる画像に対する調整を行うことなく、自動的に輪郭補正の施された観察像を記録できる。
【0096】
このように上記第2実施形態においては、観察倍率又は標本の変更が認識されると、電子カメラ102の映像信号に対して輪郭強調の処理を行うフィルタ回路140のフィルタ係数を変更するので、酵素抗体等の標本に変更されても、その標本種別により生じる画像に対する調整を行うことなく自動的に輪郭補正の施された観察像を記録できる。また、観察倍率などの観察状態の変更が行われても観察者が画像に対する調整を行うことなく自動的に適正なホワイトバランスに保たれた観察像を得て静止画として記録できる。
【0097】
(第6実施形態)
次に本発明の第6実施形態について図11を参照して説明する。なお、図11においては、図9及び図10と同一部分には同一符号を付して説明を省略し、特に顕微鏡1ついては同一構成であることからその図示は省略する。
【0098】
図11は顕微鏡用電子カメラの構成図である。
【0099】
電子カメラ102におけるA/D変換部128と一時画像記憶部129との間には、RGBの各色信号に対して電子カメラの映像信号に対して階調補正を行う階調レベルの変換テーブルを有し、この変換テーブルを用いて映像信号の階調レベルを変更するLUT回路150が接続され、LUT設定部151により変換テーブルが設定されるようになっている。
【0100】
撮像コントロール部152は、電子カメラ102の動作を制御するもので、ゲイン設定部131、一時画像記憶部129、画像記録媒体132、LUT設定部151及び顕微鏡101内の顕微鏡コントロール部122が接続されている。
【0101】
この撮像コントロール部152は、顕微鏡コントロール部122から送出される照明色温度情報、検鏡法情報又は標本の変更の情報を受け、この情報に応じてゲイン設定部131のゲインを設定変更するとともにLUT設定部151の変換テーブルを設定変更する機能を有している。
【0102】
次に上記の如く構成された装置の作用について説明する。
【0103】
先ず、蛍光観察を行い、その観察像を静止画として記録する場合について説明する。
【0104】
観察者は、顕微鏡コントロール部122に対して蛍光観察の設定変更を行う。この顕微鏡コントロール部122は、駆動部123に対して制御指令を発し、落射照明用光源111を所定の光量で点灯するように制御するとともにキューブユニット118を落射照明用光源111から放射される落射照明光のうち所望の励起光による観察ができるように制御し、さらに落射用フィルタユニット112、落射シャッタ113、落射視野絞り114及び落射開口絞り115を駆動制御し、かつ落射照明色温度検出部121により検出された落射照明光の色温度情報を撮像コントロール部152に送出する。
【0105】
また、顕微鏡コントロール部122は、指定された蛍光観察としての検鏡法の情報を撮像コントロール部152に送出する。この撮像コントロール部152は、検鏡法情報に応じてLUT設定部151に対して適切な明るさの画像が得られる変換テーブルへの設定を行う。これにより、LUT回路150には、例えば励起光に対して発光しない低輝度部の輝度レベルを下げ中輝度部の輝度レベルを上げる変換テーブルが設定される。
【0106】
しかるに、撮像素子124は、投影された観察像を光電変換して出力し、前置処理部125は、撮像素子124の出力信号を映像信号化し、RGBの各色信号に分離して出力する。この前置処理部125から分離出力されたRの色信号とBの各色信号とは、それぞれ各増幅部126、127により設定変更されたゲインにより増幅され、これら増幅部126から増幅出力されたRの色信号、前置処理部125から分離出力されたGの色信号、増幅部127から増幅出力されたBの色信号は、標本に照射される透過照明光の色温度に応じて適正なホワイトバランスに保たれた映像信号となる。
【0107】
これらRの色信号、Gの色信号、Bの色信号は、A/D変換部128によりA/D変換され、この後にLUT回路150により階調レベルの変更が行われる。これにより、画像データは、励起光に対して発光していない部位のノイズが抑えられ、発光部位のみがはっきり観察できる階調補正が施される。そして、この画像データは一時画像記憶部129に記憶される。撮像コントロール部152は、一時画像記憶部129に記憶されている画像データを画像記録媒体132に記録し静止画として保存する。
【0108】
次に、検鏡法を透過又は落射明視野観察に変更し、その観察像を静止画として記録する場合について説明する。
【0109】
観察者は、顕微鏡コントロール部122に対して例えば落射明視野観察の設定変更を行う。この顕微鏡コントロール部122は、駆動部123に対して制御指令を発し、落射照明用光源111を所定の光量で点灯するように制御するとともにキューブユニット118を落射照明用光源111から放射される落射照明光で観察ができるように制御し、さらに落射用フィルタユニット112、落射シャッタ113、落射視野絞り114及び落射開口絞り115を駆動制御し、かつ落射照明色温度検出部121により検出された落射照明光の色温度情報を撮像コントロール部152に送出する。
【0110】
また、顕微鏡コントロール部122は、指定された落射明視野観察としての検鏡法の情報を撮像コントロール部152に送出する。この撮像コントロール部152は、検鏡法情報に応じてLUT設定部151に対して適切な明るさの画像が得られる変換テーブルへの設定を行う。これにより、LUT回路150には、例えば落射明視野観察において暗部も観察できるように低輝度部から中輝度部の輝度レベルを上げる変換テーブルが設定される。
【0111】
しかるに、撮像素子124は、投影された観察像を光電変換して出力し、前置処理部125は、撮像素子124の出力信号を映像信号化し、RGBの各色信号に分離して出力する。この前置処理部125から分離出力されたRの色信号とBの各色信号とは、それぞれ各増幅部126、127により設定変更されたゲインにより増幅され、これら増幅部126から増幅出力されたRの色信号、前置処理部125から分離出力されたGの色信号、増幅部127から増幅出力されたBの色信号は、標本に照射される透過照明光の色温度に応じて適正なホワイトバランスに保たれた映像信号となる。
【0112】
これらRの色信号、Gの色信号、Bの色信号は、A/D変換部128によりA/D変換され、この後にLUT回路150により階調レベルの変更が行われる。これにより、画像データは、落射明視野で観察できる階調補正が施される。そして、この画像データは一時画像記憶部129に記憶される。撮像コントロール部142は、一時画像記憶部129に記憶されている画像データを画像記録媒体132に記録し静止画として保存する。
【0113】
このように上記第3実施形態においては、検鏡法の変更が認識されると、電子カメラ102の映像信号に対して階調補正を行うようにしたので、例えば検鏡法を透過又は落射明視野観察に変更しても自動的に映像信号に対する階調補正が施され、最適な観察像が得られる。
【0114】
(第7実施形態)
以下、本発明の第7実施形態について図12を参照して説明する。なお、図12においては、図9〜図11と同一部分には同一符号を付して説明を省略し、特に顕微鏡1ついては同一構成であることからその図面は省略する。
【0115】
図12に示すように、本発明の第7実施形態は、本発明の第6実施形態に、フィルタ設定部141及びフィルタ回路140を追加した回路となっている。
【0116】
この構成により、照明色温度情報、検鏡法情報又は標本の変更の情報を受け、この情報に応じてゲイン設定部131のゲインを設定変更するとともにLUT設定部151の変換テーブルを設定変更することができるほか、標本種別情報に応じて酵素抗体を観察するに適した輪郭強調効果のあるフィルタ係数をフィルタ設定部141に設定することができるので、観察者は、標本種別により生じる画像に対する調整を行うことなく、自動的に輪郭補正の施された観察像を記録できる。
【0117】
(第8実施形態)
次に、本発明の第8実施形態について図13を参照して説明する。なお、図13においては、図9と同一部分には同一符号を付して説明を省略し、特に顕微鏡1ついては同一構成であることからその図面は省略する。
【0118】
図13に示すように、顕微鏡コントロール部122と撮像コントロール部130,142,152との間に外部インタフェース160を接続し、これにパーソナルコンピュータ(PC)161を接続してもよい。そして、このパーソナルコンピュータ161により顕微鏡101の観察状態の設定や電子カメラ102への記録指示を外部インタフェース160を通して顕微鏡コントロール部122又は撮像コントロール部130、142、152に送出するようにしてもよい。なお、符号162は、前置処理部125、増幅部126、127、一時画像記憶部129、ゲイン設定部131、画像記録媒体132、さらにはフィルタ回路140、フィルタ設定部141、LUT回路150、LUT設定部151を一括した回路を示している。
【0119】
(第9実施形態)
次に、本発明の第9実施形態について図14,図15を参照して説明する。なお、図14,図15においては、図5及び図9〜図12と同一部分には同一符号を付して説明を省略しする。
【0120】
図14及び図15に示すように、本発明の第9実施形態の電子カメラ200は、図5に示す電子カメラ40に、増幅部448A1、ゲイン設定部448A2、フィルタ回路448B1、フィルタ設定部448B2、LUT回路448C1、LUT設定部448C2、撮像コントロール部152を追加した回路となっている。
【0121】
このような構成によると、第1実施形態の利点である、検鏡者は接眼レンズ21で像を検鏡しながら、写真を撮るときにはその場で少し眼を上方に向けるだけで、液晶カラーモニタ45の画像を見ながらフレーミングやピント合わせの作業が行え、ハンドスイッチ51を操作することでデジタル写真を撮影することができる。
【0122】
また、照明色温度情報、検鏡法情報又は標本の変更の情報を受け、この情報に応じてゲイン設定部448A2のゲインを設定変更することができる。
【0123】
さらに、LUT設定部448C2の変換テーブルを設定変更することができる。
【0124】
またさらに、標本種別情報に応じて酵素抗体を観察するに適した輪郭強調効果のあるフィルタ係数をフィルタ設定部448B2に設定することができ、観察者は、標本種別により生じる画像に対する調整を行うことなく、自動的に輪郭補正の施された観察像を記録できる。
【0125】
以上まとめると、本発明は、対物レンズと、該対物レンズから光像を分岐する光路分割プリズムと、この光路分割プリズムにより分岐された一の光像を導入する接眼レンズとを少なくとも有する顕微鏡に装着され、前記光路分割プリズムにより分岐された他の光像を撮像する電子カメラであって、前記光路分割プリズムにより分岐された他の光像を撮像する撮像素子と、この撮像素子からの撮像信号を処理する信号処理部と、この信号処理部により信号処理された撮像信号に基づく画像データを記録するメモリ手段と、前記信号処理部により信号処理された撮像信号に基づく画像を表示するものであって、前記接眼レンズに近接した表示手段と、前記撮像素子、信号処理部、メモリ手段及び表示手段を一体的に設けるケーシングとを具備することを特徴とする顕微鏡用電子カメラであるが、前記表示手段は液晶モニタを具備することができ、また前記表示手段はその表示面が前記接眼レンズ側に傾斜するように前記ケーシングに設けることができる。
【0126】
さらに、前記メモリ手段は、画像データが記録される記録媒体を前記ケーシングから着脱する手段を具備することができる。
【0127】
また、前記顕微鏡は、標本に対し所定関係で配置される光源及び対物レンズと、鏡筒と、この鏡筒内に設けられ前記対物レンズから光像を分岐する光路分割プリズムと、この光路分割プリズムにより分岐された一の光像を導入する接眼レンズとを含むことができる。
【0128】
さらに、前記光源は、前記標本を透過光で照明するための透過光源と、前記標本を反射光で照明するための反射光源とを具備することができる。
【0129】
また、前記接眼レンズと前記表示手段との配置関係は、前記接眼レンズにおける光軸と前記表示手段の表示面に直角な軸とが交差する第1交点と、前記表示手段における表示面と前記軸とが交差する第2交点と、前記接眼レンズにおける接眼点と、で三角形を形成し、前記接眼レンズにおける光軸と前記表示手段の表示面に直角な軸との成す角度Xと、前記表示手段の表示面に直角な軸と前記接眼レンズにおける接眼点と前記表示手段における第2交点とを結ぶ線との成す角度Yと、前記接眼レンズにおける光軸と前記接眼レンズにおける接眼点と前記表示手段における第2交点とを結ぶ線との成す角度Zとしたとき、
角度X=25度〜70度、
角度Y=20度〜60度、
角度Z=180−(X+Y)度、
に設定され得る。
【0130】
さらに、前記顕微鏡における観察状態の設定が変更されたとき、該設定変更された情報を認識する認識手段を更に具備し、
前記信号処理手段は、前記認識手段により与えられる情報に従って前記撮像素子から出力される映像信号を信号処理する手段を具備することができる。
【0131】
また、前記認識手段は、前記標本に対する照明の色温度を検出する色温度検出手段を具備し
前記信号処理手段は、前記色温度検出手段による色温度検出情報に従い、前記映像信号に対するゲインを変更する手段を具備することができる。
【0132】
さらに、前記認識手段は、前記観察倍率の変更及び前記標本の変更のうち少なくとも一方の情報を得る手段を具備し、
前記信号処理手段は、前記手段により得た情報に従い、前記映像信号に対する輪郭強調処理のためのフィルタ係数を変更する手段を具備することができる。
【0133】
また、前記認識手段は、検鏡法の変更の情報を得る手段を具備し、
前記信号処理手段は、前記手段により得た検鏡法の変更の情報に従い、前記映像信号の階調レベルを変更する手段を具備することができる。
【0134】
本発明は、標本に対する観察状態を設定変更する機能を有する顕微鏡に装着され、前記標本の観察像を撮像素子により撮像する顕微鏡用電子カメラにおいて、
前記顕微鏡における前記観察状態の設定が変更されたとき、該設定変更された情報を認識する認識手段と、
この認識手段により与えられる情報に従って、前記撮像素子から出力される映像信号を信号処理する信号処理手段と
を具備する。
【0135】
ここに、前記認識手段は、前記標本に対する照明の色温度を検出する色温度検出手段を具備し
前記信号処理手段は、前記色温度検出手段による色温度検出情報に従い、前記映像信号に対するゲインを変更する手段を具備することができる。
【0136】
また前記認識手段は、前記観察倍率の変更及び前記標本の変更のうち少なくとも一方の情報を得る手段を具備し、
前記信号処理手段は、前記手段により得た情報に従い、前記映像信号に対する輪郭強調処理のためのフィルタ係数を変更する手段を具備することができる。
【0137】
さらに、前記認識手段は、検鏡法の変更の情報を得る手段を具備し、
前記信号処理手段は、前記手段により得た検鏡法の変更の情報に従い、前記映像信号の階調レベルを変更する手段を具備することができる。
【0138】
【発明の効果】
以上詳述した如く本発明によれば、顕微鏡用の電子カメラのシステムを省スペースでかつ安価に構成できるとともに、撮影時のフレーミングやピント合わせを簡単に精度良く行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態による電子カメラ及び顕微鏡を示す図。
【図2】電子カメラの正面図及び側面図。
【図3】電子カメラの断面図。
【図4】顕微鏡の接眼レンズと電子カメラの表示面との関係を示す図。
【図5】本発明の第1実施形態による電子カメラのブロック図。
【図6】本発明の第1実施形態による電子カメラの変形例を示す側面図。
【図7】本発明の第2の実施形態による電子カメラを示す側面図。
【図8】本発明の第3の実施形態による電子カメラを示す側面図。
【図9】本発明に係る顕微鏡用電子カメラ及び顕微鏡の第4実施形態を示すブロック図。
【図10】同第5実施形態の顕微鏡用電子カメラを示すブロック図。
【図11】同第6実施形態の顕微鏡用電子カメラを示すブロック図。
【図12】同第7実施形態の顕微鏡用電子カメラを示すブロック図。
【図13】本発明に係る顕微鏡用電子カメラ及び顕微鏡の第8実施形態を示すブロック図。
【図14】本発明に係る顕微鏡用電子カメラ及び顕微鏡の第9実施形態を示すブロック図。
【図15】図14における顕微鏡用電子カメラを示すブロック図。
【図16】従来の電子カメラによる顕微鏡写真撮影システムを示す図。
【符号の説明】
1…顕微鏡本体、10…三眼鏡筒、20…接眼鏡筒、30…テレビカメラ用アダプタ、40…デジタルカメラユニット、51…ハンドスイッチ、90…検鏡者、S…標本、101…顕微鏡、102…撮像装置、103…透過照明用光源、105…透過用フィルタユニット、109…コンデンサ光学素子ユニット、110…トップレンズユニット、111…落射照明用光源、112…落射用フィルタユニット、116…試料ステージ、117…レボルバ、118…キューブユニット、120…透過照明色温度検出部、121…落射照明色温度検出部、122…顕微鏡コントロール部、123…駆動部、124…撮像素子、125…前置処理部、126,127…増幅部、129…一時画像記憶部、130,142,152…撮像コントロール部、131…ゲイン設定部、132…画像記録媒体、140…フィルタ回路、141…フィルタ設定部、150…LUT回路、151…LUT設定部。

Claims (1)

  1. 対物レンズと、該対物レンズから光像を分岐する光路分割プリズムと、この光路分割プリズムにより分岐された一の光像を導入する接眼レンズとを少なくとも有する顕微鏡に装着され、前記光路分割プリズムにより分岐された他の光像を撮像する電子カメラであって、
    前記光路分割プリズムにより分岐された他の光像を撮像する撮像素子と、
    この撮像素子からの撮像信号を処理する信号処理部と、
    この信号処理部により信号処理された撮像信号に基づく画像データを記録するメモリ手段と、
    前記信号処理部により信号処理された撮像信号に基づく画像を表示するものであって、前記接眼レンズに近接した表示手段と、
    前記撮像素子、信号処理部、メモリ手段及び表示手段を一体的に設けるケーシングとを具備し、
    前記表示手段は、液晶モニタであり、その表示面が前記接眼レンズ側に傾斜し、検鏡者の前記接眼レンズを見込む視線方向と前記表示手段を見込む視線方向とのなす角度が25度乃至70度となるように前記ケーシングに設けられていることを特徴とする顕微鏡用電子カメラ。
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