JP4252853B2 - シートベルト装置の制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両等に搭載され、乗員拘束用のウエビングをモータの駆動力で巻き取るシートベルト装置に適用されるシートベルト装置の制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
乗用車等の車両には、長尺帯状のウエビングによって座席に着座した乗員を拘束するシートベルト装置が取り付けられており、このうち所謂3点式のシートベルト装置には、ウエビングを引出し可能に巻き取った状態で格納するリトラクタ(ウエビング巻取装置)が設けられている。
【0003】
リトラクタは、ウエビングを巻き回した巻取軸がフレームに回転自在に支持されると共に該ウエビングの巻取方向に付勢されて構成されており、ウエビングを先端側から引張ると該ウエビングが巻取軸を回転させつつ引き出され、この引張力を除去するとウエビングが巻取軸に巻き戻されるようになっている。これにより、ウエビングの不使用時には該ウエビングを巻取軸に巻き取ってリトラクタに格納しておくことができる。
【0004】
このようなリトラクタには、車両衝突時に巻取軸を強制的に巻取方向に回転してウエビングを巻取り衝突初期の慣性による乗員の前方への移動を抑制するプリテンショナ機構や、車両衝突時に巻取軸の引出方向の回転を阻止するロック機構、プリテンショナ機構やロック機構の作動後にウエビングの引出を許容しつつエネルギ吸収を行なうフォースリミッタ機構等が、適宜組み合わされて設けられている。
【0005】
さらに、このようなリトラクタにおいて、衝突等の危険を検知したときに、巻取軸をモータの駆動力で巻取方向に強制的に回転することで、ウエビングによる拘束性能を向上させたモータリトラクタ(モーター式シートベルトリトラクター)が考えられている(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
そして、このようなモータリトラクタを、車両の危険度を乗員に報知する警報装置として用いることが考えられている(例えば、特許文献2参照)。具体的には、特許文献2記載の乗員拘束保護装置では、前車との距離及び乗員の居眠り運転の可能性を検出し、これらの検出結果から危険があると判断した場合には、モータリトラクタのモータを巻出方向と巻取方向とに交互に回転し、乗員に注意を喚起するようになっている。そして、この乗員拘束保護装置では、上記検出結果に基づく危険度(の大きさ)に応じて、上記モータを巻出方向または巻取方向に交互に回転する時間パターンまたは巻取時の締結力の大きさを変動させることで、乗員に十分に注意を促すことができる。
【0007】
【特許文献1】
特開2001−347923号公報
【特許文献2】
特開2000−6759号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献2記載の乗員拘束保護装置では、運転席用のモータリトラクタに対する制御、すなわち危険と判断された場合に運転席用のウエビングによる拘束力を変化させて注意喚起を行なう制御のみが記載されており、例えば助手席や後部座席等については何ら考慮されていなかった。すなわち、車両の異なる2以上の座席にそれぞれ設けられたモータリトラクタを危険報知に用いることについて、特許文献2では何ら考慮されていなかった。一方、上記運転席のシートベルト装置に対する制御と同様の制御を他の座席に対し行なうと、該座席に着座し車両の運転には直接的に関与しない乗員に対する警報が強すぎたり冗長だったりして、該乗員に不快感を与える場合がある。
【0009】
本発明は、上記事実を考慮して、車両の異常状態を座席に応じて適切に報知するシートベルト装置の制御装置を得ることが目的である。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1記載の発明に係るシートベルト装置の制御装置は、一端部が車両に係止された長尺帯状のウエビングと、前記ウエビングの他端部が係止されると共に該ウエビングが引出し巻取り可能に巻き回され、且つモータの駆動力で該ウエビングを巻取り可能な巻取装置と、をそれぞれ備えた運転席用のシートベルト装置及び該運転席以外の座席用のシートベルト装置を制御するシートベルト装置の制御装置であって、運転者の運転操作によって回避可能な車両の異常運転状態を予測または検出したときに、運転者に前記異常運転状態を報知するように、前記運転席用の前記巻取装置を構成する前記モータに給電して該運転席用の前記ウエビングを巻き取らせ、且つ、乗員が着座している前記運転席以外の座席用の前記巻取装置を構成する前記モータには給電しないか、または、該モータに前記運転席用のモータに給電する電流よりも小さい電流を給電して該運転席以外の座席用の前記ウエビングを巻き取らせるかする、ことを特徴としている。
【0011】
請求項1記載のシートベルト装置の制御装置では、車両の異常運転状態(例えば、前車との距離が所定値以下の状態、走行すべき車線を逸脱した状態等)を検出または予測すると、運転席用のシートベルト装置の巻取装置を構成するモータに給電し、該運転席用のウエビングをモータの駆動力で巻き取らせる。このウエビングによる運転者の拘束力(の変化)よって、運転者は異常運転状態を報知されて注意が促される。
【0012】
このとき、例えば助手席や後部座席等の運転席以外の座席であって乗員が着座してウエビングを装着している座席では、該座席用のシートベルト装置の巻取装置を構成するモータに給電しないか、または、該モータに運転席用のモータよりも弱い電流を供給して該座席用のウエビングを運転席用のウエビングよりも弱い駆動力で巻き取らせる。すなわち、車両の異常運転状態、換言すれば、運転者の運転操作によって回避可能な異常状態では、運転席以外の乗員にウエビングの拘束力による危険報知(警告、注意喚起)を行なわないか、または軽度の刺激で危険報知を行なう。
【0013】
これにより、運転席以外の座席の乗員には、異常報知のための拘束力変化に基づく不快感が全くないか、または異常を報知されつつ不快感が緩和(抑制)される。また例えば、異常運転による危険度が低い場合には運転者以外の乗員に危険報知を行なず不快感を与えないようにし、危険度が比較的高い場合には運転者以外の乗員にも危険を報知しつつ該乗員に与える不快感を抑制することができる。
【0014】
このように、請求項1記載のシートベルト装置の制御装置では、車両の異常状態を座席に応じて適切に報知する。なお、運転席用、運転席以外の座席用のモータへの給電は、例えば、給電ON/OFFを所定周期で繰り返す断続的な給電パターン、給電ON状態を維持しつつ高荷重と低荷重とを所定周期で繰り返す給電パターン、時間に対し一定または連続的に変化する給電パターン等を採ることができる。また、運転席用のモータと、運転席以外の座席用のモータとで、給電パターンが異なっても良いことは言うまでもない。
【0022】
請求項2記載の発明に係るシートベルト装置の制御装置は、請求項1記載のシートベルト装置の制御装置において、前記運転席用のモータに給電して該運転席用の前記ウエビングを巻き取らせるときに、チャイルドシートが装着されている前記運転席以外の座席用の前記巻取装置を構成する前記モータには給電しないか、または、該モータに連続的な電流を給電する、ことを特徴としている。
【0023】
請求項2記載のシートベルト装置の制御装置は、車両の異常運転状態を検出若しくは予測し、運転席用のモータに給電して該運転席用の前記ウエビングを巻き取らせるときに、運転席以外の座席であってチャイルドシートがウエビングの拘束力によって装着されている座席用の巻取装置を構成するモータには給電しないか、または、該モータに連続的に(時間に対し略一定の)電流を供給して該座席用のウエビングを連続的に巻き取らせる。これにより、車両の異常運転状態を報知されても異常回避に関与できず、ウエビング拘束力の変化に基づく不快感のみ感得してしまう恐れのある子供乗員に対し、該不快感を与えることを防止することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態に係るシートベルト装置の制御装置80ついて、図1乃至図5に基づいて説明する。先ず、制御装置80によって制御されるシートベルト装置10、該シートベルト装置10を構成する巻取装置としてのモータリトラクタ11について説明し、次いで制御装置80について説明することとする。
【0025】
(シートベルト装置の構成)
図1には、本発明の一実施の形態に係るシートベルト装置10の概略システム構成が示されている。この図に示される如く、シートベルト装置10は、車両Sの運転席102Rに設けられた運転席用シートベルト装置100Rと、助手席102Lに設けられた助手席用シートベルト装置100Lとを備えて構成されている。
【0026】
なお、以下の説明では、運転席用シートベルト装置100R、助手席用シートベルト装置100Lをそれぞれ構成するモータリトラクタ11を区別するときは、運転席用シートベルト装置100Rを構成するモータリトラクタ11をモータリトラクタ11R、助手席用シートベルト装置100Lを構成するモータリトラクタ11をモータリトラクタ11Lということとする。
【0027】
運転席用シートベルト装置100Rは、運転席102Rに対し車幅方向外側の下部(Bピラー下部)に配置されたモータリトラクタ11Rと、モータリトラクタ11R近傍で車両に固定されたアンカ部材106Rと、一端部がアンカ部材106Rに係止されると共に他端部がモータリトラクタ11Rに係止された乗員拘束用のウエビング28Rと、モータリトラクタ11Rの上方で車両Sに固定されウエビング28Rの中間部が巻き掛けられたスルーアンカ104Rと、ウエビング28Rのアンカ部材106Rとスルーアンカ104Rとの間の部分が挿通されたタングプレート107Rと、運転席102Rに対し車幅方向内側の下部に配置されタングプレート107Rを係脱可能なバックル装置108Rとを主要構成要素として構成されている。
【0028】
同様に、助手席用シートベルト装置100Lは、助手席102Lに対し車幅方向外側の下部に配置されたモータリトラクタ11Lと、モータリトラクタ11L近傍で車両に固定されたアンカ部材106Lと、一端部がアンカ部材106Lに固定的に係止されると共に他端部がモータリトラクタ11Lに係止された乗員拘束用のウエビング28Lと、モータリトラクタ11Lの上方で車両Sに固定されウエビング28Lの中間部が巻き掛けられたスルーアンカ104Lと、ウエビング28Lのアンカ部材106Lとスルーアンカ104Lとの間の部分が挿通されたタングプレート107Lと、助手席102Lに対し車幅方向内側の下部に配置されタングプレート107Lを係脱可能なバックル装置108Lとを主要構成要素として構成されている。
【0029】
詳細は後述するが、モータリトラクタ11R、11Lは、それぞれウエビング28R、28Lの他端部を車両Sに対し回転可能なスプール20に係止すると共に、該ウエビング28R、28Lをスプール20に巻き回すことで、ウエビング28R、28Lの巻取り引出しを可能としている。
【0030】
これにより、運転席用シートベルト装置100Rでは、運転者が運転席102Rに着座した状態で、ウエビング28Rをモータリトラクタ11Rから引き出してタングプレート107Rをバックル装置108Rに係止すると、運転者がウエビング28を装着した状態となる構成である。同様に、助手席用シートベルト装置100Lでは、乗員(運転者以外の乗員)が助手席102Lに着座した状態で、ウエビング28Lをモータリトラクタ11Lから引き出してタングプレート107Lをバックル装置108Lに係止すると、この乗員がウエビング28を装着した状態となる構成である。
【0031】
また、各バックル装置108R、108Lには、それぞれ図示しないバックルスイッチが内蔵されている。そして、バックル装置108Rは、タングプレート107Rの係止/離脱に応じてON/OFF信号を出力するようになっている。一方、バックル装置108Lは、タングプレート107Lの係止/離脱に応じてON/OFF信号を出力するようになっている。
【0032】
(モータリトラクタの構成)
上記運転席用シートベルト装置100R、助手席用シートベルト装置100Lをそれぞれ構成するモータリトラクタ11について説明する。なお、以下の説明でモータリトラクタ11Rとモータリトラクタ11Lとを区別していないときには、ウエビング28Rとウエビング28Lとを区別せず、単にウエビング28ということとする。
【0033】
図2には、ウエビング巻取装置であるモータリトラクタ11の概略全体構成が一部切欠いた正面図にて示されている。この図に示される如く、モータリトラクタ11は、フレーム12を備えている。フレーム12は略板状の背板14を備えており、背板14がボルト等の図示しない締結手段によって車両Sに固定されることで、各モータリトラクタ11が車体に取り付けられる構成となっている。
【0034】
また、フレーム12は、それぞれ背板14の幅方向両端から略面直方向に延出され互いに対向する一対の脚板16、18を備えている。これらの脚板16、18間には、ダイカスト等によって製作された巻取軸としてのスプール20が軸心廻りの回転可能に配置されている。
【0035】
スプール20は、略円筒形状に形成されたスプール本体22と、スプール本体22の軸方向両端部からそれぞれ径方向外側に環状に延設された一対のフランジ部24、26とによって構成されており、全体としては鼓形状をなしている。スプール20は、その軸線方向を脚板16、18の対向方向に一致させた状態で、フランジ部24を脚板16側、フランジ部26を脚板18側にそれぞれ位置させている。
【0036】
このスプール20のスプール本体22には、長尺帯状に形成されたウエビング28が、その基端部(上記した他端部)を固定的に係止させた状態で層状に巻き回されている。これにより、スプール20をその軸心廻りの一方側へ回転すると、ウエビング28がスプール本体22の外周部に層状に巻き取られ、ウエビング28をその先端側から引張ると、該ウエビング28はスプール20を軸心廻りの他方側に回転させつつスプール本体22から引き出される構成である。なお、以下の説明では便宜上、上記ウエビング28を巻き取るスプール20の軸心廻り一方側の回転方向を「巻取方向」と称し、巻取方向とは反対の回転方向を「引出方向」ということとする。
【0037】
また、スプール20は、フランジ部24側の端部から同軸的に突出した支軸部29を備えている。支軸部29は、脚板16に形成された円孔30を略同軸的に貫通してフレーム12の外部に突出しており、該脚板16の外面に開口端を突き当てた状態で固定された略カップ状のケース32によって回転自在に軸支されている。
【0038】
このケース32の内部には、付勢部材としての渦巻きばね(ぜんまいばね)34が配置されている。渦巻きばね34は、その外端がケース32に係止されると共にその内端がスプール20の支軸部29に係止されている。そして、この渦巻きばね34は、スプール20を巻取方向へ付勢しており、スプール20から引き出すためにウエビング28に付与した引張力を解除すると、その付勢力によってスプール20を巻取方向へ回転させる構成である。この渦巻ばね34の付勢力によって、上記ウエビング28Rまたは28Lを装着した乗員が弱く拘束されるようになっている。
【0039】
さらに、図示は省略するが、スプール20はフランジ部26側の端部から同軸的に突出した支軸部を備えている。この支軸部は、脚板18に形成された貫通孔を略同軸的に貫通してフレーム12の外部に突出しており、該脚板18の外面に開口端を突き当てた状態で固定された略カップ状のケース40によって回転自在に軸支されている。
【0040】
ケース40はロック機構を構成しており、ロック機構38は、通常はスプール20が巻取方向または引出方向に自由に回転することを許容し、車両急減速時にはスプール20の引出方向の回転を阻止するものである。なお、ロック機構によって引出方向の回転が直接的に阻止される部材とスプール20との間にトーションバーを連結して、上記ロック後にトーションバーを捩りつつスプール20の引出方向の回転を許容してエネルギ吸収を果たす(フォースリミッタ機能を果たす)構成としても良い。
【0041】
また、モータリトラクタ11は、車両衝突時にスプール20を強制的に巻取方向に回転してウエビング28を巻き取る図示しないプリテンショナ機構を備えている。プリテンショナ機構は、車両衝突時にガスジェネレータを作動して生じた燃焼ガスの圧力をラック&ピニオン機構によってスプール20の回転力に変換する、所謂火薬式プリテンショナ機構とされている。
【0042】
さらに、モータリトラクタ11は、モータ60を備えている。モータ60は、フレーム12の一対の脚板16、18間におけるスプール20の下方に配置されており、該フレーム12に対し固定的に保持されている(図示省略)。このモータ60は、正逆回転可能とされ、その出力軸62にはギヤ64が同軸的且つ一体的に設けられている。
【0043】
ギヤ64の上方には、該ギヤ64よりも大径のギヤ66が配置されている。ギヤ66は、脚板16、18間に設けられた支持板68と脚板16とによりスプール20と平行な軸廻りに回転自在に軸支された状態で、ギヤ64に噛み合っている。また、ギヤ66の側方には、該ギヤ66よりも小径のギヤ70がギヤ66に対して同軸的且つ一体的に設けられている。
【0044】
さらに、ギヤ70の上方には、クラッチ72が設けられている。クラッチ72は、リング状に形成された外歯のギヤ74を備えている。ギヤ74は、脚板16とフランジ部24との間で、スプール20に対し同軸的で且つ相対回転可能に設けられており、その軸方向両端は図示しない円盤状部材により閉止されている。
【0045】
また、クラッチ72は、スプール側部材であるアダプタ76を備えている。アダプタ76は、スプール20におけるフランジ部24と支軸部29との間に同軸的且つ一体的に設けられると共に、ギヤ74の上記円盤状部材を摺接可能に貫通してギヤ74を回転可能に軸支している。
【0046】
ギヤ74の内側には図示しない連結部材が収容されており、クラッチ72は、ギヤ74の巻取方向または引出方向への回転(モータ60の正転または逆転)によって連結部材がギヤ74とアダプタ76とを回転伝達可能に結合するようになっている。一方、クラッチ72は、モータ60への給電停止(連結部材に作用する負荷解消)によって、上記連結部材による機械的結合が解除され、スプール20とモータ60とが切り離された状態に復帰する構成である。
【0047】
(制御装置の構成)
以上説明したシートベルト装置10は、マイコン等で構成された制御装置(ECU)80によって制御されるようになっている。図1及び図2に示される如く、制御装置80は、それぞれドライバ82を介してモータリトラクタ11R、11Lの各モータ60と電気的に接続されている。また、車両Sに搭載されたバッテリ84がそれぞれドライバ82を介して各モータ60と電気的に接続されている。そして、制御装置80は、バッテリ84から各モータ60へのドライバ82を介した給電の有無、供給電流の方向、大きさを後述する如くそれぞれ制御する構成とされている。
【0048】
また、図1に示される如く、制御装置80は、上記各バックル装置108R、108L(に内蔵したバックルスイッチ)、及びCRS検出装置86と電気的に接続されている。CRS検出装置86は、例えば、ウエビング28Lに作用する張力を検出したり該張力の相違によって接点を接離(ON/OFF)させたりすることで、助手席102Lにチャイルドシート(CRS)が装着されているか否かに応じた信号を制御装置80に出力するようになっている。
【0049】
以上により、制御装置80は、バックル装置108Rから入力するON/OFF信号に基づいて、運転席102Rに着座した運転者が運転席用シートベルト装置100Rのウエビング28Rを装着した否かを検知するようになっている。また、制御装置80は、バックル装置108Rから入力するON/OFF信号とCRS検出装置86から入力する信号とに基づいて、助手席102L上に搭載されたチャイルドシートがウエビング28Lによって固定されている状態、助手席102Lに着座した乗員がウエビング28Lを装着した状態、助手席102Lに乗員もチャイルドシートも存在しない空席の状態(に相当しモータリトラクタ11Lの制御を要しない状態)の何れかの状態を検知するようになっている。
【0050】
さらに、制御装置80は、車両情報検出部88、運転者情報検出部90とそれぞれ電気的に接続されている。車両情報検出部88は、車両前方の対象物(例えば、走行中または停止中の車両、壁、ガードレール等の物の他、車両前方を歩行中の人を含む)との距離、車両の走行速度、車幅方向における走行位置等を検出し(または、これらの検出信号が入力され)、該検出結果と所定の判定基準との比較に基づいて正常運転状態であると判断したときはLowレベル信号を、例えば前車との異常接近や車線逸脱等の異常運転状態であると判断したときはHighレベル信号を制御装置80に出力する構成である。
【0051】
一方、運転者情報検出部90は、車両Sの蛇行、運転者の眼(瞳の動き等)の状態変化等を検出し(または、これらの検出信号が入力され)、該検出結果から例えば運転者の居眠りや脇見等、該運転者の意識低下の有無を推定し、運転者の意識が低下していないと判断したときにはLowレベル信号を、運転者の意識が低下していると判断したときにはHighレベル信号を制御装置80に出力する構成である。
【0052】
なお、車両情報検出部88、運転者情報検出部90は、上記各情報を検出する部分(センサ部分)を除き、制御装置80に組み込まれて構成されても良い。
【0053】
そして、制御装置80は、バックル装置108RからON信号が入力されている状態で、車両情報検出部88または運転者情報検出部90からHighレベル信号が入力されたときは、運転席用シートベルト装置100Rを構成するモータリトラクタ11Rのモータ60に、スプール20を巻取方向に回転駆動させる方向の電流(以下、巻取方向電流という)を供給するようになっている。より具体的には、制御装置80は、スプール20が断続的に巻取方向に回転して断続的に(高荷重と0荷重とを周期的に繰り返すように)ウエビング28Rを巻き取るように、図3(A)、図4(A)または図5(A)に示される如く、上記モータ60に対し断続的に給電する構成である。
【0054】
このときの電流値は、ウエビング28Rに作用する荷重(張力)が比較的高荷重(例えば、50N乃至100N)となるように設定されている。これにより、運転者には、ウエビング28Rによる拘束力の比較的大幅な増加によって、車両Sの運転状態に係る異常または運転者自身の居眠りや脇見等の意識障害に係る異常が報知されるようになっている。またこのとき、上記拘束力が増加したウエビング28Rが運転者を高荷重で拘束して、予備的拘束状態となっている。
【0055】
一方、上記入力されていたHighレベル信号がLowレベル信号に切り換わると、制御装置80は、スプール20を引出方向に回転駆動させる方向の電流(以下、引出方向電流という)をモータ60に供給し、該スプール20を少なくともモータ60によって巻取方向に回転した分だけ引出方向に回転させてウエビング28Rによる拘束力を緩和するようになっている。このときの電流値は、巻取時の電流値に対応する必要はない。
【0056】
また、制御装置80は、上記バックル装置108L、CRS検出装置86からの入力信号に基づいて助手席102Lに乗員が着座していることを検知している場合において、車両情報検出部88からHighレベル信号が入力されると共に運転者情報検出部90からLowレベル信号が入力されたときは、助手席用シートベルト装置100Lを構成するモータリトラクタ11Lのモータ60に、巻取方向電流を供給するようになっている。より具体的には、制御装置80は、スプール20が断続的に巻取方向に回転して断続的にウエビング28Lを巻き取るように、図3(B)に示される如く、上記モータ60に対し断続的に給電する構成である。
【0057】
このときの電流値は、ウエビング28Lに作用する荷重が比較的低荷重(例えば、50N以下)となるように設定されている。これにより、助手席乗員には、ウエビング28Lによる拘束力の比較的小幅な変化によって、車両Sの運転状態に係る異常が報知されるようになっている。すなわち、車両Sの運転操作に係る異常が生じたときに助手席用のウエビング28Lに作用させる荷重(異常報知用の刺激)は、運転席用のウエビング28Rに作用させる荷重よりも小とされる構成である。またこのとき、上記拘束力が増加したウエビング28Lが助手席乗員を拘束して、予備的拘束状態となっている。
【0058】
一方、上記入力されていたHighレベル信号がLowレベル信号に切り換わると、制御装置80は、引出方向電流をモータ60に供給し、該スプール20を少なくともモータ60によって巻取方向に回転した分だけ引出方向に回転させてウエビング28Lによる拘束力を緩和するようになっている。このときの電流値は、巻取時の電流値に対応する必要はない。
【0059】
さらに、制御装置80は、上記バックル装置108L、CRS検出装置86からの入力信号に基づいて助手席102Lに乗員が着座していることを検知している場合において、運転者情報検出部90からHighレベル信号が入力されたときは、車両情報検出部88から入力される信号に依らず、助手席用シートベルト装置100Lを構成するモータリトラクタ11Lのモータ60に、巻取方向電流を供給するようになっている。より具体的には、制御装置80は、スプール20が断続的に巻取方向に回転して断続的にウエビング28Lを巻き取るように、図4(B)に示される如く、上記モータ60に対し断続的に給電する構成である。
【0060】
このときの電流値は、ウエビング28Lに作用する荷重が比較的高荷重(例えば、50N乃至100N)となるように設定されている。これにより、助手席乗員には、ウエビング28Lによる拘束力の比較的大幅な変化によって、運転者の意識障害に係る異常が報知されるようになっている。すなわち、運転者の意識障害に係る異常が生じたときに助手席用のウエビング28Lに作用させる荷重(警報)は、運転席用のウエビング28Rに作用させる荷重と同等とされる構成である。またこのとき、上記拘束力が増加したウエビング28Lが助手席乗員を高荷重で拘束して、予備的拘束状態となっている。
【0061】
一方、上記入力されていたHighレベル信号がLowレベル信号に切り換わると、車両情報検出部88からLowレベル信号が入力されていることを条件に、制御装置80は、引出方向電流をモータ60に供給し、該スプール20を少なくともモータ60によって巻取方向に回転した分だけ引出方向に回転させてウエビング28Lによる拘束力を緩和するようになっている。このときの電流値は、巻取時の電流値に対応する必要はない。なお、上記Highレベル信号がLowレベル信号に切り換わったときに車両情報検出部88からHighレベル信号が入力されている場合は、該入力されている間、上記巻取りによって拘束力が高まった予備的拘束状態が維持される。
【0062】
さらにまた、制御装置80は、上記バックル装置108L、CRS検出装置86からの入力信号に基づいて助手席102Lにチャイルドシートが装着されていることを検知している場合において、車両情報検出部88または運転者情報検出部90からHighレベル信号が入力されたときは、助手席用シートベルト装置100Lを構成するモータリトラクタ11Lのモータ60に、巻取方向電流を供給するようになっている。より具体的には、制御装置80は、スプール20が連続的に巻取方向に回転して連続的にウエビング28Lを巻き取るように、図5(B)に示される如く、上記モータ60に対し連続的に給電する構成である。
【0063】
このときの電流値は、ウエビング28Lに作用する荷重が比較的低荷重(例えば、50N以下)となるように設定されている。また、上記入力されていたHighレベル信号がLowレベル信号に切り換わっても、制御装置80は、モータ60に引出方向電流を供給しない。これにより、ウエビング28Lによるチャイルドシートの拘束に緩み(弛み)が生じないようになっている。
【0064】
なお、制御装置80は、助手席102Lが空席である(バックル装置108LからOFF信号が入力されている)場合には、助手席用シートベルト装置100Lのモータリトラクタ11Lのモータ60に対する給電を行なわないように構成されている。
【0065】
次に、本実施の形態の作用を、助手席102Lに乗員が着座している場合と、助手席102Lにチャイルドシートが装着されている場合とに分けて説明する。
【0066】
(助手席に乗員が着座している場合)
上記構成の制御装置80が適用されたシートベルト装置10では、運転者が運転席102Rに着座してウエビング28Rを装着すると共に、乗員が助手席102Lに着座してウエビング28Lを装着した状態では、これらのウエビング28R、28Lは、それぞれ渦巻ばね34の付勢力によって弱く運転者、乗員を拘束している。
【0067】
ここで、運転者情報検出部90からLowレベル信号が入力されている状態で車両情報検出部88からHighレベル信号が入力されると、制御装置80は、図3(A)に示される如き断続的且つ比較的大きな巻取方向電流を運転席用のモータ60に供給すると共に、図3(B)に示される如き断続的且つ比較的小さな巻取方向電流を助手席用のモータ60に供給する。
【0068】
すると、運転席用のスプール20がウエビング28Rを断続的且つ比較的高荷重で巻き取り、ウエビング28Rによる拘束力の断続的な増加によって、運転者を予備的に拘束すると共に、例えば前車との異常接近や車線逸脱等の異常運転状態にあることを運転者に報知する。また同時に、助手席用のスプール20がウエビング28Lを断続的且つ比較的低荷重で巻き取り、ウエビング28Lによる拘束力の断続的な増加によって、助手席乗員を予備的に拘束すると共に、上記異常運転状態にあることを助手席乗員に弱い拘束力で報知する。
【0069】
そして、車両情報検出部88からの入力信号がLowレベル信号に切り換わると、換言すれば、上記異常運転状態が回避されると、制御装置80は、各モータ60にそれぞれ引出方向電流を供給し、ウエビング28R、28Lによる運転者、助手席乗員の拘束力を緩和させる。各モータ60への給電を停止すると、クラッチ72の連結部材による結合が解除されて各モータリトラクタ11R、11Lは、ウエビング28R、28Lの引出し巻取り自在の状態に復帰する。
【0070】
またここで、運転者情報検出部90からHighレベル信号が入力されると、制御装置80は、図4(A)に示される如き断続的且つ比較的大きな巻取方向電流を運転席用のモータ60に供給すると共に、図4(B)に示される如き断続的且つ運転席用のモータ60に供給するのと同等の比較的大きな巻取方向電流を助手席用のモータ60に供給する。
【0071】
すると、運転席用のスプール20がウエビング28Rを断続的且つ比較的高荷重で巻き取り、ウエビング28Rによる拘束力の断続的な増加によって、運転者を予備的に拘束すると共に、例えば居眠りや脇見等意識低下状態にあることを運転者に報知する。また同時に、助手席用のスプール20がウエビング28Lを断続的且つ比較的高荷重で巻き取り、ウエビング28Lによる拘束力の断続的な増加によって、助手席乗員を予備的に拘束すると共に、上記運転者が意識低下状態にあることを運転者に対するのと同等の拘束力で助手席乗員に報知する。このため、仮に運転者が居眠り等している場合に、該居眠り状態を助手席乗員に報知することで、助手席乗員による運転者の覚醒が期待できる。
【0072】
そして、運転者情報検出部90からの入力信号がLowレベル信号に切り換わると、換言すれば、上記運転者の意識低下状態が回避されると、制御装置80は、各モータ60にそれぞれ引出方向電流を供給し、ウエビング28R、28Lによる運転者、助手席乗員の拘束力を緩和させる。各モータ60への給電を停止すると、クラッチ72の結合が解除されて各モータリトラクタ11R、11Lは、ウエビング28R、28Lの引出し巻取り自在の状態に復帰する。
【0073】
他方、上記異常運転状態または運転者の意識低下状態から車両Sが実際の衝突に至ると、上記火薬式のプリテンショナ機構が作動し、スプール20が強制的に巻取方向に回転する。このとき、上記予備的拘束によりウエビング28R、28Lの弛みが解消されているため、ウエビング28R、28Lは迅速且つ効果的に運転者、助手席乗員をそれぞれ拘束する。これにより、シートベルト装置10では、衝突初期における乗員拘束性能が高く、該衝突初期の慣性による運転者、助手席乗員のそれぞれの前方への移動が効果的に抑制される。さらに、このとき既にロック機構が作動してスプール20の引出方向の回転が阻止されている。そして、フォースリミッタ機能を備える場合、スプール20の引出方向の回転に伴ってエネルギ吸収が果たされる。
【0074】
(助手席にチャイルドシートが装着されている場合)
上記構成の制御装置80が適用されたシートベルト装置10では、運転者が運転席102Rに着座してウエビング28Rを装着すると共に、チャイルドシートがウエビング28Lの拘束力によって助手席102Lに装着された状態では、ウエビング28Rは渦巻ばね34の付勢力によって運転者を弱く拘束し、ウエビング28Lは、チャイルドシートを強く拘束している。
【0075】
ここで、車両情報検出部88または運転者情報検出部90からHighレベル信号が入力されると、制御装置80は、図5(A)に示される如き断続的且つ比較的大きな巻取方向電流を運転席用のモータ60に供給すると共に、図5(B)に示される如き連続的且つ比較的小さな巻取方向電流を助手席用のモータ60に供給する。
【0076】
すると、運転席用のスプール20がウエビング28Rを断続的且つ比較的高荷重で巻き取り、ウエビング28Rによる拘束力の断続的な増加によって、運転者を予備的に拘束すると共に、異常運転状態にあること若しくは運転者の意識状態が低下していることを運転者に報知する。また同時に、助手席用のスプール20がウエビング28Lを連続的に巻き取って、チャイルドシートをの拘束力を一層高める。
【0077】
そして、上記制御装置80への入力信号がHighレベル信号からLowレベル信号に切り換わると、換言すれば、上記異常運転状態または運転者の意識低下状態が回避されると、制御装置80は、助手席用のモータリトラクタ11Lを構成するモータ60への給電を停止すると共に、運転席用のモータリトラクタ11Rを構成するモータ60に引出方向電流を供給する。これにより、ウエビング28Rによる運転者の拘束力は緩和されるが、ウエビング28Lによるチャイルドシートの拘束力は維持される。
【0078】
なお、上記異常運転状態または運転者の意識低下状態から車両Sが実際の衝突に至った場合は、上記助手席に乗員が着座した場合と基本的に同様に作用するため、その説明を省略する。
【0079】
ここで、シートベルト装置10の制御装置80では、前車との異常接近や車線逸脱等の車両運転異常については、換言すれば、基本的に運転者の操作等により回避可能な異常については、運転者に高い拘束力(の変化)で確実に報知する一方、助手席乗員には弱い拘束力で報知するため、助手席乗員に与える不快感が抑制される。具体的には、例えば、助手席乗員の睡眠や集中を不用意に妨げることが防止される。また、運転者のみならず助手席乗員の拘束力を予備的に高めてプリテンショナ機構による初期衝突性を向上させることも実現される。
【0080】
一方、運転者の居眠りや脇見等、該運転者の意識低下(異常)については、助手席乗員にも高い拘束力で確実に報知することで、運転者自身が異常を認識困難な場合に、該助手席乗員による運転者に対する注意喚起、覚醒促進等を期待することができる。
【0081】
さらに、助手席102Lにチャイルドシートが装着されている場合には、助手席用シートベルト装置100Lのモータリトラクタ11Lのモータ60に連続的且つ略一定の電流を供給するため、チャイルドシートに着座する子供乗員に拘束力向上に伴う不快感を与えることがない。
【0082】
このように、本実施の形態に係るシートベルト装置10の制御装置80では、車両または運転者の異常状態を座席に応じて適切な報知する。
【0083】
なお、上記の実施の形態では、車両Sが異常運転状態であるときに助手席用のモータ60に巻取方向の電流を供給する構成としたが、本発明はこれに限定されず、例えば、図3(B)または図5(B)に破線にて示される如く、車両Sが異常運転状態であるときには助手席用のモータ60に給電しなくても、すなわち助手席乗員に異常を報知したり該乗員やチャイルドシートを予備的に強く拘束したりしなくても良い。また、助手席102Lにチャイルドシートが装着されている状態で運転者の意識低下が生じたときについても、助手席用のモータ60に給電しなくて良い。
【0084】
また、上記の実施の形態では、制御装置80が予め設定された一定のパターンでモータ60に給電する構成としたが、本発明はこれに限定されず、例えば、制御装置80は、車両情報検出部88から車両Sの異常運転状態に基づく危険度に応じた段階的な信号が入力されるようにし、または車両情報検出部88から入力される情報に基づいて危険度を推定し、危険度のレベルに応じて巻取方向電流の大きさを変えたり、図3(B)または図5(B)に実線にて示す給電パターンと、破線にて示す給電パターン(無給電)とを選択する構成としても良い。これにより、危険度が低いときに助手席乗員に対する異常報知を省略して拘束力増加に基づく不快感を防止することも可能である。また、各モータ60への給電パターンは、上記の如き断続的な好ましいパターンに限定されることはなく、高荷重と低荷重とを繰り返すようにしても良く、時間に対し一定または連続的に変化するようにしても良く、各モータ60ごとに異なるものとしても良い。
【0085】
さらに、上記の実施の形態では、異常運転または運転者の意識低下が解消されるまではウエビング28による拘束力が高まった状態が維持される構成としたが、本発明はこれに限定されず、拘束力の変化による異常報知の直後にモータ60に引出方向電流を供給して該拘束力を弱めても良い。すなわち、異常報知機能と予備的拘束機能とを別動作で果たすようにしても良い。また、報知すべき異常を検知するための情報(上記前車との距離や車幅方向位置等)と、予備的拘束の要否判断用の情報(例えば、急ブレーキ操作や前車との距離の時間変化率)とが異なるものであっても良い。
【0086】
さらにまた、上記の実施の形態では、シートベルト装置10が運転席用シートベルト装置100Rと助手席用シートベルト装置100Lとを備えた構成としたが、本発明はこれに限定されず、例えば、シートベルト装置10は、助手席用シートベルト装置100Lに代えて、または助手席用シートベルト装置100Lと共に後部座席用シートベルト装置等を備えて構成されても良い。シートベルト装置10が後部座席用シートベルト装置を備える場合、該後部座席用シートベルト装置は助手席用シートベルト装置100Lの上記した各制御と同様に制御されることが好ましい。
【0087】
さらに、上記の実施の形態では、制御装置80がシートベルト装置10を構成する例を示したが、本発明はこれに限定されず、制御装置80の一部または全部は車両Sの他の装置を制御する制御装置に組み込まれて構成されても良い。したがって、例えば、制御装置80は、エアバッグ装置を制御するエアバッグ制御装置や車両Sの各装置を統合的に制御する統合制御装置等に統合されても良い。
【0088】
【発明の効果】
以上説明したように本発明に係るシートベルト装置の制御装置は、車両または運転者の異常状態を座席に応じて適切に報知するという優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るシートベルト装置の制御装置が適用されたシートベルト装置の概略システム構成を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態に係るシートベルト装置の制御装置によって制御されるモータリトラクタの概略構成を示す一部切欠いた正面図である。
【図3】本発明の実施の形態に係るシートベルト装置の制御装置による車両運転異常時におけるモータへの給電パターンを示す図であって、(A)は運転席用のモータへの通電パターン、(B)は乗員が着座している助手席用のモータへの給電パターンをそれぞれ示す線図である。
【図4】本発明の実施の形態に係るシートベルト装置の制御装置による運転者意識状態低下時におけるモータへの給電パターンを示す図であって、(A)は運転席用のモータへの通電パターン、(B)は乗員が着座している助手席用のモータへの給電パターンをそれぞれ示す線図である。
【図5】本発明の実施の形態に係るシートベルト装置の制御装置による車両運転異常時または運転者意識状態低下時におけるモータへの給電パターンを示す図であって、(A)は運転席用のモータへの通電パターン、(B)はチャイルドシートが装着されている助手席用のモータへの給電パターンをそれぞれ示す線図である。
【符号の説明】
10 シートベルト装置
11 モータリトラクタ(巻取装置)
28 ウエビング
60 モータ
80 制御装置(シートベルト装置の制御装置)
100R 運転席用シートベルト装置
100L 助手席用シートベルト装置(運転席以外の座席用のシートベルト装置)
102R 運転席
102L 助手席(運転席以外の座席)
Claims (2)
- 一端部が車両に係止された長尺帯状のウエビングと、
前記ウエビングの他端部が係止されると共に該ウエビングが引出し巻取り可能に巻き回され、且つモータの駆動力で該ウエビングを巻取り可能な巻取装置と、
をそれぞれ備えた運転席用のシートベルト装置及び該運転席以外の座席用のシートベルト装置を制御するシートベルト装置の制御装置であって、
運転者の運転操作によって回避可能な車両の異常運転状態を予測または検出したときに、
運転者に前記異常運転状態を報知するように、前記運転席用の前記巻取装置を構成する前記モータに給電して該運転席用の前記ウエビングを巻き取らせ、
且つ、乗員が着座している前記運転席以外の座席用の前記巻取装置を構成する前記モータには給電しないか、または、該モータに前記運転席用のモータに給電する電流よりも小さい電流を給電して該運転席以外の座席用の前記ウエビングを巻き取らせるかする、
ことを特徴とするシートベルト装置の制御装置。 - 前記運転席用のモータに給電して該運転席用の前記ウエビングを巻き取らせるときに、
チャイルドシートが装着されている前記運転席以外の座席用の前記巻取装置を構成する前記モータには給電しないか、または、該モータに連続的な電流を給電する、
ことを特徴とする請求項1記載のシートベルト装置の制御装置。
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