JP4252651B2 - カッター - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、回転刃を有するスライダーを下方に押圧しながらレールに沿って摺動させることにより紙を切断するペーパー用カッターに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、回転刃を有するスライダーを下方に押圧しながらレールに沿って摺動させることにより回転刃が基台にセットされた紙を押し付けた状態で回転し、これにより紙を切断することができるペーパー用カッターは知られており、例えば、米国特許5,322,001号、特開平10−34592号などに開示されている。この種のペーパー用カッターは、基台の前後両端に回動自在に取り付けられた支持具にてレールを保持し、そのレールに回転刃を有するスライダーを摺動自在かつ昇降自在に装着してあるもので、そのスライダーは弾発部材により常時は上方に弾発支持されており、回転刃の刃先は常時はレールの下端よりも上方に位置しているものである。そして、切断しようとする紙を基台にセットしたりスライダーに保持された回転刃を交換する作業は、支持具を回動させてレールを上方に位置させた状態で行うものとしており、紙をセットした後や回転刃を交換した後には、再度支持具を回動させてレールを下方に位置させるものとしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、従来のこの種のペーパー用カッターではスライダーがレールに対して常に昇降自在となっているため、支持具を回動させてレールを上方もしくは下方に位置させる時や、紙を基台にセットしたり回転刃を交換する時に、例えばスライダーを手で握るようにして持つなどして、スライダーを常時上方に弾発支持している弾発部材の弾発力に抗する力がスライダーに少しでも加わると、スライダーが下降して回転刃の刃先がレールの下端より突出してしまい、その刃先で指を傷つけてしまう恐れがあった。そこで、本発明はそのような問題点を解消して、基台に紙をセットする時や回転刃を交換する時において指を傷つける恐れのない安全性の高いペーパー用カッターを提供することを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
基台の前後両端に回転自在に取り付けられた支持具にスライダーが摺動するレールを取り付け、更に前記スライダーには回転刃を取りつけ、常時は弾性部材により上方に弾発支持されレール下方端面より前記回転刃を露呈することはなく、また、切断時にはスライダーを下方に押しやることで回転刃をレール下方端面より露呈し切断物を切断可能とするカッターにおいて、スライダー内壁面とレール上面の空間Hに、弧状分銅を取り付けた軸をスライダーの内壁面の前後面に回転可能に架設し、スライダー内壁面に切欠を設け、前記切欠に分銅が回転挿入されるとともにスライダーが下向きに押圧された時、回転刃がレール下方端面から露呈しないことを特徴とするカッターである。
【0005】
【実施例】
本発明の実施例について図1、図2、図3、図4、図5、図6より詳細に説明する。
1は、基台であり前後端に支持具2を回転可能に設けている。また、前記基台1の上面には回転刃5を保護する保護シートが設けられ、更に紙合わせ様に目盛が設けられている。(目盛は図示せず)この保護シートは張り替え自在であり、回転刃5の切断作業において回転刃5の保護をするものである。
3は、略コ字状のレールであり、両端を支持具2に取りつけられている。上辺は、下辺より短くなっている。更に、下辺には弾性部材6を誘導案内する辺を設けてもよい。
【0006】
4は、スライダーであり、レール3のコ字内に誘導部9を挿入させ、コ字下辺内面に弾発部材6にて前記レール3のコ字内に挿入された誘導部9を上辺内面に押圧して、スライダー4全体を弾発保持しており、前記レール3を前後に摺動する。また、レール3のコ字側に回転刃5が、カバー7によりほとんどを覆い隠し、前記回転刃5をスライダー4に回転可能に保持している。前記スライダー4の上部には押圧力を受ける作動部8が設けられている。
前記カバー7とスライダー4の固定方法は、着脱自在であれば圧入固定、クリック嵌合、仮接着固定であろうと問わない。
【0007】
この時、レール3の上辺の上面とスライダー4の内壁面10で空間Hが作られる。
また、前記スライダー4の内壁面には、レール方向で平行に軸11が回転可能に架設され、前記軸11に弧状分銅12を弧の内側(凹側)で固定されている。
前記スライダー4の内壁面10の上面13には切欠17が設けられており、切欠17の天面14は回転刃5側にテーパーを有している。
【0008】
5は、回転刃であり中心に取付軸15を設けており、前記取付軸15はカバー7とスライダー4に設けられた支持穴16により回転可能に支持されており、同時に回転刃5を取り替えする際に手等で摘み取ることが出来る。
6は、前記したように弾性部材であり、本発明の実施例は板状でハ字形のプラスチック製のばねであるが、スプリングバネ等、常にスライダー4の誘導部9をコ字状でレールの上辺の内面に押圧でき、スライダー4全体を上方に弾発支持しておればよい。
【0009】
12は、軸11に取り付けられた弧状の分銅であり、金属性が望ましい。
本実施例は、直接軸11に分銅12を取りつけているが、第2の分銅12Aの実施例は軸11Aから離し錨形状にして取りつけても良い(図7に示す)。
空間Hが大きければ図7の分銅を使用することも可能である。
前記軸11はスライダー4の内壁面10の前後面に回転可能に設けられている。本発明の分銅12は、弧状の凹側に軸11を設けており、重力方向に対して常に凹側が上にくるように作動する。
【0010】
本発明の作動について詳細に説明する。(重力方向は図の上から下に向かっている。)
常時(レール3及び支持具2を基台1に近づけ、回転刃5を基台1に対して垂直位置にした状態では)、分銅12は回転刃5側の端面を上面13に当接しない状態でバランスを保っており(図2の状態で)スライダー4とともに上下動可能としている。
従って、空間Hの上下間隔が短くなれば回転刃5がレール3の下端面から露呈し、紙等の切断物を切断(カット)可能となり、この状態でレール3に沿ってスライダー4を動かせば切断(カット)出来る。
【0011】
回転刃5を交換する際には、図3のごとくレール3及び支持具2を回転させ、基台1から離す(回転刃5と基台1は、垂直関係から外れることになる。)。すなわち、重力方向からわずかに回転刃5がずれることになる。
こうした時、回転刃5が重力方向から少しずつずれていくので、そのずれに伴って分銅12が軸11を中心にしてバランスを取るために回転運動を開始する。
【0012】
すると、分銅12の回転刃5より離れた端面はスライダー4の上面13に設けられた切欠17にのぞむことになる。ここで例えば、スライダー4を回転刃5がレール3の下端面から露呈するように押圧すると、切欠17の天面14にテーパーが回転刃5の方向に向かってついているので、分銅12は天面14に押圧され図2でいうと時計の回転方向に導かれて、結果的に図4の状態になる。
こうして、極わずか重力方向からずれただけでも、分銅12は切欠17内に導かれスライダー4がレール3に沿って上下動する動きを不可能にする。
【0013】
最終的に、支持具2、レール3、スライダー4が図3の状態になると、スライダー4に設けられた回転刃5は重力方向に対して水平関係に近くなり、スライダー4の内部では分銅12が完全に切欠17の天面14のテーパーが設けられ狭い位置に位置し、スライダー4がレール3の下端面から回転刃5を露呈する方向への押圧作用に対してロックされる。
こうして空間Hは、分銅12により塞がれスライダー4が押圧力を受けても、レール3の下端面から回転刃5を露呈することがない。
【0014】
従って、安全に回転刃5の交換作業が行えるとともに、不用意に触っても回転刃5が露呈しないので手等を傷つけることもない。
また本発明の構成では、回転刃5が基台1に垂直関係にあっても、基台1が置かれている場所が斜めの場合(回転刃5が重力方向からずれている状態)であると、分銅12は切欠17にのぞむことになりスライダー4に押圧力が作用しても、回転刃5がレール3の下端面より露呈することはない。従って、不安定な場所で作業できないようになり安全性を確保できる。
【0015】
材質は、回転刃5は鋼であり、レール3はスチール、分銅12はスチールが好ましい。
プラスチック部材は、スライダー4と基台1、支持部2で作られている。
【0016】
【効果】
以上の様な構成であるので、回転刃5を交換する際、少しレール3及び支持具2を基台1より持上げると分銅12が作用して空間Hを塞ぎ、不用意にスライダー4に触り、スライダー4は回転刃5がレール3の下端面から露呈する方向に作用しても回転刃5がレール3から露呈することはない。
また回転刃5が基台1に垂直関係にあっても、基台1が置かれている場所が斜めで不安定であると、分銅12は切欠17にのぞむことになりスライダー4に押圧力が作用しても、回転刃5がレール3の下端面より露呈することはない。従って、不安定な場所で作業できないようになり安全性を確保できるカッターである。
【0017】
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の全体斜視図。
(回転刃5と重力方向が垂直関係である。)
【図2】実施例の図1にある時のスライダー略断面説明図。
【図3】実施例の支持具及びレールを作用させた時の一部斜視図。
(回転刃5と重力方向が水平方向に移っている場合)
【図4】実施例の図3の状態のスライダー略断面説明図。
【図5】分銅と軸の拡大斜視図。
【図6】スライダーの背面説明図
【図7】分銅の第2の実施例である説明図。
【符号の説明】
1:基台
2:支持具
3:レール
4:スライダー
5:回転刃
6:弾性部材
7:カバー
8:作動部
9:誘導部
10:内壁面
11:軸
12:分銅
13:上面
14:天面
15:取付軸
16:支持穴
17:切欠

Claims (1)

  1. 基台の前後両端に回転自在に取り付けられた支持具にスライダーが摺動するレールを取り付け、更に前記スライダーには回転刃を取りつけ、常時は弾性部材により上方に弾発支持されレール下方端面より前記回転刃を露呈することはなく、また、切断時にはスライダーを下方に押しやることで回転刃をレール下方端面より露呈し切断物を切断可能とするカッターにおいて、スライダー内壁面とレール上面の空間Hに、弧状分銅を取り付けた軸をスライダーの内壁面の前後面に回転可能に架設し、スライダー内壁面に切欠を設け、前記切欠に分銅が回転挿入されるとともにスライダーが下向きに押圧された時、回転刃がレール下方端面から露呈しないことを特徴とするカッター。
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