JP4252319B2 - 重層化判定方法及び重層化判定装置 - Google Patents

重層化判定方法及び重層化判定装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、培養細胞の重層化の程度を判定する方法及びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
特許文献1には、細胞をインビトロ(in vitro)で培養することにより得られる培養細胞シートが開示されている。このような培養細胞シートは、1980年頃より臨床で利用されるようになっている。
【0003】
特許文献2には、CCDカメラで容器底面を観察することで培養状態を観察する装置が開示されている。この装置によれば、単層培養時の培養状態を観察することが可能である。
【0004】
【特許文献1】
特公平2−23191号公報
【特許文献2】
特開2001−275659号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献2では、単層培養時の培養状態を観察できるものの、容器底面を観察する手法であるため、三次元的な層を成す重層培養時の培養状態を観察することはできなかった。つまり、これまでは別途観察用の組織切片を作製しなければ重層化の程度を知ることはできなかったため、組織の一部を切除して組織切片に利用したり、組織切片の作製に手間が掛かったりした。
【0006】
本発明は上述した問題に鑑みなされたものであり、培養細胞にダメージを与えることなく非侵襲かつ容易に重層化の程度を認識することのできる重層化判定方法及び重層化判定装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
本発明の第1は、培養細胞の重層化の程度を判定する方法であって、
前記培養細胞の培養液を採取する採取工程と、
前記採取工程で採取した培養液に含まれる細胞生存関連成分の少なくとも一つを分析する分析工程と、
前記分析工程で得られた前記細胞生存関連成分の分析結果に基づいて培養細胞の重層化の程度を判定する判定工程と
を含むものである。
【0008】
この重層化判定方法によれば、培養細胞の培養液に含まれる細胞生存関連成分の分析結果から重層化の程度を判定するため、培養細胞にダメージを与えることなく非侵襲かつ容易に重層化の程度を認識することができる。
【0009】
ここで、「培養細胞」としては、重層化する性質を有する細胞であればどのような細胞であってもよいが、接着依存性細胞(培養面に直接又は間接的に接着したあとその接着面積を広げていき、その後細胞分裂する細胞、足場依存性細胞ともいう)が好ましく、ヒト、マウス、ラット、モルモット、ハムスター、ニワトリ、ウサギ、ブタ、ヒツジ、ウシ、ウマ、イヌ、ネコ、サル等の温血動物から採取された種々の接着依存性細胞が特に好ましい。この種の細胞としては、例えば、角化細胞(ケラチノサイト)、上皮細胞、粘膜細胞、内皮細胞、線維芽細胞などが挙げられる。また、「細胞生存関連成分」とは、細胞が生存(増殖、維持、移動等)するうえで消費するか排出する成分であり、このような成分としては、例えばグルタミン、グルコース、グルタミン酸、アンモニア(アンモニウムイオンを含む、以下同じ)、乳酸などが挙げられる。このうち、グルタミンは細胞に消費される成分であり細胞の代謝によってグルタミン酸やアンモニアとして排出され、グルコースは細胞に消費される成分であり細胞の代謝によって乳酸として排出される。したがって、グルタミンとグルタミン酸とアンモニアは同じ代謝系であり、グルコースと乳酸は同じ代謝系である。
【0010】
なお、「重層化の程度」とは、例えば、重層化が終点に達したか否かとか、重層した層数がどの程度であるかとか、重層した層数が上限に達したか否か等が挙げられる。また、本明細書における「重層化の終点」とは、重層化した培養細胞シートの基底層での細胞増殖と角質層での細胞剥離とがほぼ平衡に達し、それ以上に層が形成されない状態を云うものとする。
【0011】
本発明の重層化判定方法において、前記判定工程では、前記培養細胞の重層化の程度として重層化の終点を判定してもよい。こうすれば、重層化の終点だと判定されたときに細胞培養を終了すればよく、無駄に細胞培養を続けてしまうことがない。このとき、前記判定工程では、前記分析工程で得られた前記細胞生存関連成分の分析結果を、予め経験的に求めた培養細胞の重層化の終点と前記細胞生存関連成分の分析結果との関係に照らして前記培養細胞の重層化の終点か否かを判定してもよい。こうすれば、重層化の終点を的確に判定することができる。
【0012】
本発明の重層化判定方法において、前記判定工程では、前記分析工程で得られた前記細胞生存関連成分の分析結果として、前記細胞生存関連成分の時間変化量を用いてもよい。このとき、例えば、予め経験的に重層化の終点における細胞生存関連成分の時間変化量を求めておき、その値と培養中の細胞生存関連成分の時間変化量とを比較して重層化の終点を判定してもよいし、細胞生存関連成分の時間変化量が実質ゼロになった時点を重層化の終点と判定してもよい。
【0013】
本発明の重層化判定方法において、前記細胞生存関連成分は、細胞が消費するグルコース、細胞が排出するアンモニア及び乳酸からなる群より選ばれた少なくとも一つとしてもよい。これらの成分の分析結果は、実験の再現性が高いため、判定精度が高まる。
【0014】
本発明の重層化判定方法において、前記判定工程では、前記分析工程で得られた前記細胞生存関連成分の分析結果として、異なる代謝系における細胞が消費する成分と細胞が排出する成分との比を用いてもよい。この比は、重層化の終点が停止するという代謝が変わるときの良好な判断指標となり得る。また、この比として、異なる代謝系における細胞が消費する成分の時間変化量と細胞が排出する成分の時間変化量との比を用いることが好ましい。更に、異なる代謝系における細胞が消費する成分と細胞が排出する成分は、それぞれグルコースとアンモニアであることが好ましい。
【0015】
本発明の第2は、培養細胞の重層化の程度を判定する装置であって、
前記培養細胞の培養液を採取する採取手段と、
前記採取手段によって採取された培養液に含まれる細胞生存関連成分の少なくとも一つを分析する分析手段と、
前記分析手段によって得られた前記細胞生存関連成分の分析結果に基づいて培養細胞の重層化の程度を判定する判定手段と
を備えたものである。
【0016】
この重層化判定装置では、培養細胞の培養液に含まれる細胞生存関連成分の分析結果から重層化の程度を判定するため、培養細胞にダメージを与えることなく非侵襲かつ容易に重層化の程度を認識することができる。
【0017】
この重層化判定装置において、前記判定手段は、前記培養細胞の重層化の程度として重層化の終点を判定してもよい。このとき、前記判定手段は、前記細胞生存関連成分の分析結果を、予め経験的に求めた培養細胞の重層化の終点と前記細胞生存関連成分の分析結果との関係に照らして前記培養細胞の重層化の終点か否かを判定してもよい。また、前記細胞生存関連成分の分析結果として、前記細胞生存関連成分の時間変化量を用いてもよい。更に、前記細胞生存関連成分は、細胞が消費するグルコース、細胞が排出するアンモニア及び乳酸からなる群より選ばれた少なくとも一つを選択することが好ましい。あるいは、前記判定手段は、前記分析工程で得られた前記細胞生存関連成分の分析結果として、異なる代謝系における細胞が消費する成分と細胞が排出する成分との比を用いることが好ましく、異なる代謝系における細胞が消費する成分の時間変化量と細胞が排出する成分の時間変化量との比を用いることがより好ましい。このとき、異なる代謝系における細胞が消費する成分と細胞が排出する成分は、それぞれグルコースとアンモニアであることが好ましい。
【0018】
【実施例及び発明の実施の形態】
[実施例]
1.使用細胞
本実験系では細胞として、ヒトテロメラーゼ逆転写酵素(hTERT)を安定に発現するinfinityTMテロメラーゼ不死化細胞株hTERT−HME1(クロンテック社)を用いた。このhTERT−HME1は、ヒト乳腺上皮由来の角化細胞(keratinocyte)であり、テロメアの長さを維持し、細胞が正常な機能と表現型を保持したまま、無期限に分裂することを可能とする。
【0019】
2.前培養
細胞懸濁液から細胞を75cm2T型フラスコへ接種し、ヒト角化細胞用無血清培地(HuMedia−KG2、クラボウ社)を深さが4mmとなるように加えた。そのT型フラスコを5%CO2濃度の加湿空気で充填された温度37℃のCO2インキュベータ(MCO−17AIC、三洋電機社)内に静置し培養を行った。培養中、培地交換は72時間毎に行い、細胞がサブコンフルエントの状態に達したところで、次の継代を行い、同様に継代培養を繰り返していった。なお、ヒト角化細胞用無血清培地は、カルシウムイオン濃度が0.15mmol/lである。
【0020】
3.本培養(単層培養及び重層培養)
ここでは、培養面として親水性テフロンフィルム(Teflon FEP Fluorocarbon Film Type C−20,デュポン社製、テフロンは登録商標)を用いた、面積4cm2の4穴の小型の培養容器(以下、小型容器という)を使用した。また、本培養の概要は次のとおりである。即ち、単層培養時には上記2.で述べた継代サイクル中に使用していたものと同じ培地(以下、通常培地という)を用いた。増殖が進行し、培養面が細胞でほぼコンフルエントの状態に達した後には、重層培養に切り替えるべく、分化を誘導する培地として、通常培地にカルシウムイオンを濃度1.2mmol/lとなるように添加した培地(以下、カルシウム添加培地という)を作製し、使用した。
【0021】
本培養の詳細は次のとおりである。まず、上記2.で示す75cm2T型フラスコで継代サイクル中の細胞をサブコンフルエントの状態になるまで前培養した。フラスコ内部を少量のリン酸緩衝液(PBS)で2回洗浄後、0.1%トリプシン1:250(シグマ社製)と0.02%EDTA(シグマ社製)からなるトリプシン溶液を約1.5ml滴下して37℃インキュベータ内で5分、インキュベートし、フラスコに適度な物理的衝撃を与えることによって細胞をフラスコから剥離した。酵素反応を停止させるために、細胞が剥離した細胞懸濁液に0.1%トリプシンインヒビター(シグマ社製)溶液をトリプシン溶液と同量滴下した。得られた細胞懸濁液を15ml遠沈管に移し、さらにフラスコ内に残った細胞をPBSで洗浄しながら、遠沈管に回収した。この遠沈管を室温の下、1000rpmで8分間遠心分離し、細胞を底部に集積させて上澄み液を捨てた。得られた細胞を約10mlの通常培地で再懸濁し、この細胞懸濁液のうち0.2mlを採取し、トリパンブルー染色法により死細胞を染色し、血球計算盤上にて生存細胞数をカウントすることで、懸濁液中の生存細胞濃度を算出した。求めた濃度から、細胞懸濁液を小型容器に接種細胞濃度X0=1.0×104cells/cm2となるように接種し、通常培地を加え、液深さを4mmとするために全体として1.6mlとした。この小型容器を37℃インキュベータ内に設置して培養を行った。小型容器では細胞がほぼコンフルエント(約90%)の状態に達した培養時間t=120hからは、培地を通常培地からカルシウム添加培地に交換し、重層培養を行った。
【0022】
培地成分濃度の測定は以下のようにして行った。即ち、培養中の培地成分濃度Ci[mol/l](i:グルタミン(Gln)、グルコース(Gluc)、アンモニウムイオン(NH4 +)、グルタミン酸(Glu)、乳酸(Lac))は、培地をエッペンドルフチューブにサンプルとして採取し、培地成分分析装置(BioProfile200、ヤマト科学社製)により測定した。実際の培地成分濃度は、培地交換が行われるごとに初期値にリセットされてしまうため、計算上の培地成分濃度として、今回の濃度から前回の濃度を減じた値ΔCGln、ΔCGluc、ΔCNH4+、ΔCGlu、ΔCLacを求め、その累積値ΣΔCGln、ΣΔCGluc、ΣΔCNH4+、ΣΔCGlu、ΣΔCLacを採用した。ここで、グルタミンとグルコースは細胞が消費する成分であるため、これらの累積値ΣΔCGln、ΣΔCGlucは負の数となり、一方、NH4 +とグルタミン酸と乳酸は細胞より排出される成分であるため、これらの累積値ΣΔCNH4+、ΣΔCGlu、ΣΔCLacは正の数となる。また、細胞の代謝系について説明すると、グルタミンを消費してグルタミン酸とNH4 +とを排出するという代謝系と、グルコースを消費して乳酸を排出するという代謝系とが存在する。
【0023】
単層培養時の接着細胞濃度は以下のようにして算出した。即ち、小型容器のうち細胞が接着している培養面(底面)をCCDカメラを付設した位相差顕微鏡によって撮影し、得られた画像をパソコンに取り込み、画像上の細胞をカウントして細胞数を測定し、数1式に基づき、カウントされた細胞数と撮像面積とで培養中の接着細胞濃度を算出した。なお、数1式中、Xa:接着細胞濃度[cells/cm2]、N:画像中の細胞数[cells]、A:撮像面積[cm2]である。画像は1つの培養面に対して異なる位置で3点ずつ撮影し、それぞれ3つのXaの平均値をとった。
【0024】
【数1】
Xa=N/A
【0025】
重層化培養時の接着細胞濃度は以下のようにして算出した。即ち、複数の小型容器を用いて同条件下で培養を行い、接着細胞濃度の測定時期に至るごとにそのうちの一つを取り出して以下の処理を行った。即ち、まず接着細胞にトリプシン溶液を適量滴下し、細胞を培養面から剥離及び細胞間の結合を切断し、個々の細胞を分離した。酵素反応をトリプシン溶液と同量のトリプシンインヒビター溶液によって停止させ、PBSで洗浄しながら15ml遠沈管に回収した。この遠沈管を室温の下、1000rpmで8分間遠心分離し、細胞を底部に集積させて上澄み液を捨てた。得られた細胞を所定量の通常培地で再懸濁し、懸濁液の細胞濃度を血球計算盤を用いて計測し、元の接着細胞濃度を算出した。
【0026】
4.結果
図1は培養時間tと接着細胞濃度Xaとの関係を表すグラフであり、図2(a)〜(e)は培養時間tと培地成分濃度ΣΔCi(iは前出のとおり)との関係を表すグラフである。これらのグラフから明らかなように、培養時間tと培地成分濃度ΣΔCiとの関係を表すグラフはいずれも培養時間tと接着細胞濃度Xaとの関係を表すグラフと相関が見られた。また、培養時間tとアンモニウムイオン濃度ΣΔCNH4+、培養時間tとグルコース濃度ΣΔCGluc、培養時間tと乳酸濃度ΣΔCLacとの関係を表すグラフ(図2(a),(d),(e)参照)は、培養時間tと接着細胞濃度Xaとの関係と良好な相関が見られたばかりでなく、同様の実験を繰り返した際の再現性も良好であった。
【0027】
ここで、接着細胞濃度Xaの時間変化分(例えば今回と前回の接着細胞濃度Xaの差分)が実質的にゼロになった時点では、重層化した培養細胞シートの基底層での細胞増殖と角質層での細胞剥離とがほぼ平衡に達したとみなすことができる。このため、その時点に対応する培地成分濃度の時間変化分ΔCi(iは前出のとおり)をグラフから求め、そのΔCiを重層化の終点を判断する際の閾値Kiとし、次回細胞培養を行う際に培地成分濃度の時間変化分ΔCiをモニタリングしながら細胞培養を行い、そのΔCiが閾値Ki以下になったときを重層化の終点とみなして細胞培養を中止することが可能となる。ここで、適格性や再現性を考慮すれば、ΔCNH4+、ΔCGluc、ΔCLacのうちのいずれかをモニタリングするのが好ましい。なお、培地成分濃度の時間変化分としては、上述したようにΔCiを用いてもよいが、それ以外に単位時間当たりの濃度変化分を用いてもよいし、培地成分濃度の時間微分値を用いてもよい。
【0028】
図3は、培養時間tと比率Rとの関係を表すグラフであり、比較しやすいように培養時間tと接着細胞濃度Xaとの関係を表すグラフも併記した。比率Rは、グルコース濃度の時間変化分ΔCglucに対するNH4 +濃度の時間変化分ΔCNH4+の比ΔCNH4+/(−ΔCgluc)であるが、分母にマイナスを付すことで比率Rを正の数として表した。ここで、グルコースを消費する代謝系では乳酸が排出され、グルタミンを消費する代謝系ではNH4 +とグルタミン酸が排出されることから、グルコースとNH4 +とは異なる代謝系の成分である。このグラフから明らかなように、培養時間tと比率Rとの関係を表すグラフは培養時間tと接着細胞濃度Xaとの関係を表すグラフと良好な相関が見られた。
【0029】
ここでも、接着細胞濃度Xaの時間変化分が実質的にゼロになった時点では、重層化した培養細胞シートの基底層での細胞増殖と角質層での細胞剥離とがほぼ平衡に達したとみなすことができるため、その時点に対応する比率Rの時間変化分ΔR(今回と前回の比率Rの差分)をグラフから求め、そのΔRを重層化の終点を判断する際の閾値KRとし、次回細胞培養を行う際に比率Rの時間変化分ΔRをモニタリングしながら細胞培養を行い、そのΔRが閾値KR以下になったときを重層化の終点とみなして細胞培養を中止することが可能となる。このように、異なる代謝系の消費成分と排出成分とを組み合わせた比率Rが重層化の停止の判断指標となり得ることが明らかとなった。
【0030】
ところで、重層化が進行している培養細胞シートの見かけの層数nappは、接着細胞濃度Xaを1層の接着細胞濃度Xa,1 で除した値(Xa/Xa,1)として表すことができる。このため、前出の重層化の終点は、重層化の層数の上限に達した時点と見ることもできる。
【0031】
[実施形態]
次に、培養細胞の重層化の程度を判定するのに適した一実施形態である、組織培養装置10について説明する。図4は、組織培養装置10の概略説明図である。この組織培養装置10は、主として、リアクタ12と、このリアクタ12を支持する傾斜ステージ14と、リアクタ12の底面を撮影するカメラ16と、このカメラ16を支持する電動キャリア18と、培地交換時に作動する培地交換ポンプP1及び第1〜第3培地交換バルブV1〜V3と、サンプリング時に作動する第1〜第3サンプリングバルブV4〜V6及びサンプリングポンプP2と、培地成分分析装置20と、コンピュータ22とを備えたものである。
【0032】
リアクタ12は、ボンベ24から5%炭酸ガス含有エアが加湿器26を介して供給されるように配管され、また、リアクタ12中の排ガス成分を外部へ放出可能なように配管されている。このリアクタ12は、小型容器と同じ親水性テフロンフィルム(Teflon FEP Fluorocarbon Film Type C−20,デュポン社製)からなる培養面を持ち、その培養面の面積は25cm2である。
【0033】
傾斜ステージ14は、コンピュータ22から制御信号が入力されると、図示しない電動シリンダが作動してリアクタ12を支持する支持面を水平位置か傾斜位置のいずれかに位置決めする。
【0034】
カメラ16は、周知のCCDカメラであり、LEDランプ28がリアクタ12の上方からリアクタ12を照らし出している状態でコンピュータ22から制御信号が入力されると、リアクタ12の底面を撮影し、撮影した画像データをコンピュータ22へ出力する。
【0035】
電動キャリア18は、カメラ16を移動可能に支持しており、コンピュータ22から制御信号が入力されるとカメラ16をリアクタ12の下方のうち制御信号に応じた指定位置に位置決めする装置である。
【0036】
培地交換時に作動する培地交換ポンプP1は、リアクタ12と第1〜第3培地交換バルブV1〜V3との途中に設けられ、コンピュータ22からの制御信号に応じてリアクタ12から第1〜第3培地交換バルブV1〜V3側へ送液するか第1培地交換バルブV1〜V3側からリアクタ12へ送液するかが切り替わる。各培地交換バルブV1〜V3は次のように作動する。第1培地交換バルブV1は、リアクタ12から培地が抜き出されるときに開放され、それ以外のときには閉鎖されている。第2培地交換バルブV2は、通常培地ボトル32からリアクタ12へ通常培地を送液するときに開放され、それ以外のときには閉鎖される。第3培地交換バルブV3は、カルシウム添加培地ボトル34からリアクタ12へカルシウム添加培地を送液するときに開放され、それ以外のときには閉鎖される。リアクタ12から培地を抜き取る際には、第1培地交換バルブV1を開放し第2,第3培地交換バルブV2,V3を閉鎖する。また、リアクタ12へ通常培地を供給する際には、第1,第3培地交換バルブV1,V3を閉鎖し第2培地交換バルブV2を開放する。更に、リアクタ12へカルシウム添加培地を供給する際には、第1,第2培地交換バルブV1,V2を閉鎖し第3培地交換バルブV3を開放する。なお、通常培地は、前出のとおり単層培養時に用いられる培地であり、カルシウム添加培地は、前出のとおり重層培養時に用いられる培地で通常培地にカルシウムイオンを濃度が1.2mmol/lになるように添加した培地である。
【0037】
サンプリング時に作動するサンプリングポンプP2は、コンピュータ22からの制御信号に応じて培地成分分析装置20のサンプリングセル21に液体を供給するかサンプリングセル21から液体を排出するかが切り替わる。各サンプリングバルブV4〜V6は次のように作動する。即ち、リアクタ12から培地を採取してサンプリングセル21へ供給するときには、第1サンプリングバルブV4はリアクタ12と第2サンプリングバルブV5とを連通させ、第2サンプリングバルブV5は第1サンプリングバルブV4とサンプリングポンプP2とを連通させる。また、サンプリングセル21の液体を廃液ボトル36に捨てるときには、第2サンプリングバルブV5はサンプリングポンプP2と廃液ボトル36とを連通させる。更に、洗浄液をサンプリングセル21へ供給するときには、第3サンプリングバルブV6は洗浄液ボトル38と第1サンプリングバルブV4とを連通させ、第1サンプリングバルブV4は第3サンプリングバルブV6と第2サンプリングバルブV5とを連通させ、第2サンプリングバルブV5は第1サンプリングバルブV4とサンプリングポンプP2とを連通させる。なお、洗浄時には、サンプリングセル21の液体を廃液ボトル36に捨てる操作と、洗浄液をサンプリングセル21へ供給する操作を何度か繰り返す。
【0038】
培地成分分析装置20は、細胞培養プロセスをモニターするための自動分析装置として市販されているBioProfile(ヤマト科学)であり、コンピュータ22からの制御信号に応じてサンプリングセル21に採取された培地の培地成分としてグルコース、グルタミン、アンモニウムイオン、乳酸、グルタミン酸の濃度を分析し、得られた分析結果をコンピュータ22へ出力する。
【0039】
コンピュータ22は、周知のパーソナルコンピュータであり、傾斜ステージ14、カメラ16、電動キャリア18、培地交換ポンプP1、第1〜第3培地交換用バルブV1〜V3、サンプリングポンプP2、第1〜第3サンプリングバルブV4〜V6及び培地成分分析装置20に信号を出力可能なように接続され、カメラ16及び培地成分分析装置20から信号を入力可能なように接続されている。
【0040】
次に、組織培養装置10を使用例について説明する。まず、上述した実施例と同様にして細胞懸濁液を接種細胞濃度X0=1.0×104[cells/cm2]となるようにリアクタ12に接種し、通常培地を加えて液深さを4mmとする。このリアクタ12を37℃のインキュベータに設置し、ボンベ24から5%炭酸ガス含有エアを加湿器26を介してリアクタ12へ供給し、培養を開始する。
【0041】
単層培養における培地交換は定期的な作業として次のように行う。即ち、培地交換時期になると、図5に示すように、コンピュータ22は、傾斜ステージ14を傾斜位置に位置決めし(ステップS100)、培地交換ポンプP1に接続された配管の先端がリアクタ12内の培地に浸かるようにしたあと、第1培地交換バルブV1を開き第2及び第3培地交換バルブV2,V3を閉じて培地交換ポンプP1を作動させ、リアクタ12内の培地を廃培地ボトル30へ抜き取る(ステップS110)。続いて、コンピュータ22は、傾斜ステージ14を水平位置に位置決めし(ステップS120)、第2培地交換バルブV2を開き第1及び第3培地交換バルブV1,V3を閉じて培地交換ポンプP1を作動させ、通常培地ボトル32から所定量の通常培地を吸い上げてリアクタ12内へ供給し(ステップS130)、このルーチンを終了する。
【0042】
単層培養から重層培養への切替は次にように行う。即ち、細胞がほぼコンフルエントの状態(約90%)に達したか否かを判定し、細胞がほぼコンフルエントの状態に達したとき、コンピュータ22は、通常培地からカルシウム添加培地に培地を切り換えることにより、単層培養から重層培養へ移行する。このときの培地交換は、図6に示すようにコンピュータ22が単層培養とほぼ同様の手順により実行する(ステップS200〜S230)が、通常培地ではなくカルシウム添加培地を使用するため、ステップS230では第3培地交換バルブV3を開き第1及び第2培地交換バルブV1,V2を閉じて培地交換ポンプP1を作動させることにより、カルシウム添加培地ボトル34から所定量のカルシウム添加培地をリアクタ12内へ供給する。また、その後の重層培養における定期的な培地交換も図6に示すルーチンにしたがって実行される。なお、コンフルエントの状態に達したか否かは、カメラ16で得られた画像データを解析することによりコンピュータ22が判断してもよいし、オペレータが目視により判断してもよい。後者の場合には、オペレータがキーボード又はマウスを操作してコンピュータ22に重層培養への切換を指示する。
【0043】
重層培養におけるサンプリングは予め決められたサンプリング時期に至るごとに次の作業を行う。即ち、サンプリング時期になると、図7に示すように、コンピュータ22は、傾斜ステージ14を傾斜位置に位置決めし(ステップS300)、サンプリングポンプP2に接続された配管の先端がリアクタ12内の培地に浸かるようにしたあと、リアクタ12とサンプリングセル21とが第1,第2サンプリングバルブV4,V5及びサンプリングポンプP2を介して連通するように各バルブV4,V5を制御し、この状態でサンプリングポンプP2を作動させてリアクタ12内の培地を所定量(最低0.5ml)抜き取り、サンプリングセル21へ供給し(ステップS310)、傾斜ステージ14を元の水平位置に戻す(ステップS320)。その後、コンピュータ22は、培地成分分析装置20へサンプリングセル21内の培地の分析を開始するように指令する(ステップS330)。すると、培地成分分析装置20はサンプリングセル21内の培地につき、グルコース、グルタミン、アンモニウムイオン、乳酸、グルタミン酸の濃度を分析し、得られた分析結果をコンピュータ22へ出力する。この分析結果を入力したコンピュータ22は、この分析結果を図示しないHDDに保存し(ステップS340)、続いてサンプリングセル21と廃液ボトル36とがサンプリングポンプP2及び第2サンプリングバルブV5を介して連通するように第2サンプリングバルブV5を制御し、この状態でサンプリングポンプP2を作動させてサンプリングセル21内の培地を廃液ボトル36へ排出する(ステップS350)。その後、サンプリングセル21と洗浄液ボトル38とがサンプリングポンプP2、第1〜第3サンプリングバルブV4〜V6を介して連通するように各バルブV4〜V6を制御し、この状態でサンプリングポンプP2を作動させて洗浄液ボトル38から洗浄液をサンプリングセル21へ供給したあと、先ほどと同様の手順でサンプリングセル21内の洗浄液を廃液ボトル36へ排出する、という洗浄操作を数度繰り返し(ステップS360)、このルーチンを終了する。
【0044】
重層化の終点の判定は以下の手順で実行する。即ち、コンピュータ22は、培地成分分析装置20から新たに分析結果を入力すると、図8に示すように、その分析結果に基づいて各培地成分濃度の時間変化量ΔCiを求め(ステップS400)、これを予め実験で求めた重層化の終点と各培地成分濃度の時間変化量ΔCiとの関係に照らして重層化の終点に達したか否かを判定する。具体的には、培地成分の時間変化量ΔCiが予め経験的に求めておいた閾値Ki以下になったか否かを判定し(ステップS410)、ΔCiが閾値Kiより大きいときにはそのままこのルーチンを終了し、ΔCiが閾値Ki以下になったときには重層化が終了した旨をディスプレイに表示するかスピーカから出力することにより報知し(ステップS420)、このルーチンを終了する。なお、各培地成分濃度のうちの少なくとも1つについてステップS400、S410を実行すればよい。あるいは、コンピュータ22は、図9に示すように、その分析結果に基づいて比率Rの時間変化量ΔRを求め(ステップS500)、これを予め実験で求めた重層化の終点と比率Rの時間変化量ΔRとの関係に照らして重層化の終点に達したか否かを判定する。具体的には、比率Rの時間変化量ΔRが予め経験的に求めておいた閾値KR以下になったか否かを判定し(ステップS510)、ΔRが閾値KRより大きいときにはそのままこのルーチンを終了し、ΔRが閾値KR以下になったときには重層化が終了した旨をディスプレイに表示するかスピーカから出力することにより報知し(ステップS520)、このルーチンを終了する。オペレータは、ステップS420又はS520の報知によって重層化が終了したことを認識でき、細胞培養を終了する。
【0045】
以上詳述した組織培養装置10によれば、培養細胞の培地に含まれる細胞生存関連成分であるNH4 +、グルコース、グルタミン、グルタミン酸、乳酸の分析結果から重層化の程度を判定するため、培養細胞にダメージを与えることなく非侵襲かつ容易に重層化の程度を認識することができる。また、重層化の終点だと判定されたときに細胞培養を終了すればよいため、無駄に細胞培養を続けてしまうことがない。更に、細胞を重層化しているときの培地を取り出しその培地に含まれる各培地成分濃度の時間変化量ΔCiを求め、予め実験で求めた重層化の終点と各培地成分濃度の時間変化量ΔCiとの関係に照らして重層化の終点に至ったか否かを判定するため、重層化の終点を的確に判定することができる。更にまた、細胞生存関連成分としてグルコース、アンモニウムイオン、乳酸のうちの一つを選択すれば、実験の再現性が高いため判定精度が高まる。そしてまた、細胞が消費する成分であるグルコースと細胞が排出する成分であるアンモニウムイオンとは代謝系が異なる成分であるが、両濃度の時間変化量の比率R(ΔCNH4+/(−ΔCGluc))を重層化の終点の良好な判定指標として用いることができる。
【0046】
なお、本発明は上述した実施例や実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の技術的範囲を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 培養時間tと接着細胞濃度Xaとの関係を表すグラフである。
【図2】 培養時間tと培地成分濃度ΣΔCiとの関係を表すグラフである。
【図3】 培養時間tと比率Rとの関係を表すグラフである。
【図4】 組織培養装置10の概略説明図である。
【図5】 単層培養の培地交換のフローチャートである。
【図6】 重層培養の培地交換のフローチャートである。
【図7】 重層培養のサンプリングのフローチャートである。
【図8】 重層化判定のフローチャートである。
【図9】 重層化判定のフローチャートである。
【符号の説明】
10 組織培養装置、12 リアクタ、14 傾斜ステージ、16 カメラ、18 電動キャリア、20 培地成分分析装置、21 サンプリングセル、22 コンピュータ、24 ボンベ、26 加湿器、28 LEDランプ、30 廃培地ボトル、32 通常培地ボトル、34 カルシウム添加培地ボトル、36 廃液ボトル、38 洗浄液ボトル、P1 培地交換ポンプ、P2 サンプリングポンプ、V1〜V3 第1〜第3培地交換バルブ、V4〜V6 第1〜第3サンプリングバルブ。

Claims (6)

  1. 培養細胞の重層化の程度を判定する方法であって、
    前記培養細胞の培養液を採取する採取工程と、
    前記採取工程で採取した培養液に含まれる細胞生存関連成分として、細胞に消費される成分であるグルタミンと、該グルタミンとは異なる代謝系で細胞が排出する成分である乳酸とを分析するか、細胞に消費される成分であるグルコースと、該グルコースとは異なる代謝系で細胞が排出する成分であるグルタミン酸又はアンモニア(アンモニウムイオンを含む)とを分析する分析工程と、
    前記分析工程で得られた前記細胞生存関連成分の分析結果として、異なる代謝系における細胞が消費する成分と細胞が排出する成分との比を用いて培養細胞の重層化の程度を判定する判定工程と
    を含む重層化判定方法。
  2. 前記判定工程では、前記培養細胞の重層化の程度として重層化の終点を判定する、請求項1に記載の重層化判定方法。
  3. 前記判定工程では、前記分析工程で得られた前記細胞生存関連成分の分析結果を、予め経験的に求めた培養細胞の重層化の終点と前記細胞生存関連成分の分析結果との関係に照らして前記培養細胞の重層化の終点か否かを判定する、請求項2に記載の重層化判定方法。
  4. 前記判定工程では、前記分析工程で得られた前記細胞生存関連成分の分析結果として、異なる代謝系における細胞が消費する成分の時間変化量と細胞が排出する成分の時間変化量との比を用いる、請求項1〜3のいずれかに記載の重層化判定方法。
  5. 前記異なる代謝系における細胞が消費する成分と細胞が排出する成分は、それぞれグルコースとアンモニアである、請求項1〜4のいずれかに記載の重層化判定方法。
  6. 培養細胞の重層化の程度を判定する装置であって、
    前記培養細胞の培養液を採取する採取手段と、
    前記採取工程によって採取された培養液に含まれる細胞生存関連成分として、細胞に消費される成分であるグルタミンと、該グルタミンとは異なる代謝系で細胞が排出する成分である乳酸とを分析するか、細胞に消費される成分であるグルコースと、該グルコースとは異なる代謝系で細胞が排出する成分であるグルタミン酸又はアンモニア(アンモニウムイオンを含む)とを分析する分析手段と、
    前記分析手段によって得られた前記細胞生存関連成分の分析結果として、異なる代謝系における細胞が消費する成分と細胞が排出する成分との比を用いて培養細胞の重層化の程度を判定する判定手段と
    を備えた 重層化判定装置。
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