JP4252253B2 - 遊技機及び遊技機の検査ユニット - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、遊技盤面に設けられた入賞口への遊技球の入賞に基づいて所定数の賞球を発生させる遊技機の賞球率を容易に検査することを可能とする遊技機及び遊技機の検査ユニットに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のパチンコ遊技機においては、始動口に遊技球(パチンコ球)が入球したことを契機に、内部抽選処理が行われ、大当たり又ははずれ、いずれの図柄変動パターンを選択するか、いずれの図柄の組み合わせで変動図柄を停止させるかを決定し、後に、表示画面部において、これらの決定に従って、数字、文字、図形等からなる図柄を変動させる可変表示ゲームを行い、キャラクタ画像や背景画像を用いた演出を行いながら、図柄を内部抽選で決定された組み合わせで停止させるようになされている。
【0003】
この図柄を変動させる従来の可変表示ゲームは、スロットマシンにおいてなされる遊技を模したゲームであり、複数の図柄を表示装置に表示し、その各々が変動するように表示した後、所定のタイミングでこれらの図柄が順次停止するように表示し、全ての図柄が停止したときにおける図柄の組み合わせが所定の組み合わせとなったときに、パチンコ遊技を遊技者に有利な状態に移行するためのゲームであり、この変動表示と停止表示とを1つの工程(1サイクル)として実行されるゲームである。
【0004】
そして、停止した図柄の組み合わせが所定の組み合わせとなった場合に、大当たりとなって多くの賞球が払い出されるようになされている。従って、遊技者は、大当たりとなることを目標にパチンコ遊技を行うのが一般的である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このように、大当たりとなって一度に多くの賞球を獲得することが可能なパチンコ遊技機においては、その賞球率を制限することによって、ギャンブル性に歯止めをかけるようにしている。
【0006】
この場合、所定期間(例えば、1時間)におけるパチンコ遊技機の遊技盤面上に打ち出された遊技球の打球数の累計と、当該打球が入賞口に入った際に払い出される賞球数の累計数との割合である賞球率は、規則により所定の範囲内(例えば、33〜300%)に収まっていることが決められており、パチンコ遊技機は試験機関で実射試験が行われることにより、この規則が守られているか否かについて検査されている。
従って、実際に遊技場(所謂パチンコホール)に設置されたパチンコ遊技機における出球率は、規則により定められた範囲内に収まっている。
【0007】
しかし、全てのパチンコ遊技機において、いかなるときも出球率が規定された範囲内に収まるとは限らず、ごく稀に出球率が規定された範囲から下回ったり、超えてしまったりする場合があった。
【0008】
このような問題を解消するためには、出球率が規定の範囲内に収まっているか否かを定期的に試験することが望ましいものの、遊技場の営業時間の合間にパチンコ遊技機に試射試験装置等を取り付けてデータを取り、また試射試験装置等を取り外して営業開始の準備をするということは、実際には極めて困難であった。
さらに、長時間における賞球率(30時間あたりの遊技盤面上に打ち出された遊技球の打球数の累計と、当該打球が入賞口に入った際に払い出される賞球数の累計数との割合)の測定は、遊技場の営業を休まなければ測定することが困難であるという問題があった。
【0009】
なお、賞球率を把握して、これを報知する従来のパチンコ遊技機としては、入賞発生に対応して払い出される賞球数情報を集中管理装置に対して出力する外部接続端子を有するもの(特開平6−71041号公報)、各入賞口に配置した入賞球検出スイッチによって賞球数を算出し、大当たり中の賞球数を減算し、大当たり中以外の時の打ち込み球に対する賞球数のデータを正確に算出するもの(特開平7−80145号公報)、賞球率と、予め定められた賞球率の予定値とをもとに、賞球率の変化値を求め、賞球率が予定値となるように変化させるもの(特開平7−308448号公報)、賞球総数又は入賞球総数と、打球数との割合が、限界割合を下回った場合に、異常を知らせて遊技停止等の必要な対応をとるもの(特開平8−712218号公報)、各入賞口への入賞個数と、賞球率とから賞球数を算出するもの(特開平10−314404号公報)等があるが、いずれも賞球率の検査を目的としたものではなく、依然として手間のかかる検査を行わなければならなかった。
【0010】
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、その目的は、賞球率等の検査を一段と簡単に行うことができるようにすることにより、試験機関における賞球率の検査を省力可能とするとともに、特別に賞球率の検査を行うための試験期間を設けることなく定期的に出球率の検査を行うことが可能な遊技機及び遊技機の検査ユニットを提案することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
以上のような目的を達成するために、本発明は、所定期間における、遊技盤面上に打ち出された前記遊技球の打球数の累計と、賞球数の累計数との割合を賞球率として算出し、賞球率を検査する検査ユニットを着脱自在とする接続手段に接続された当該検査ユニットに対して、算出された賞球率を出力するようにしたことを特徴とする。
【0012】
より具体的には、本発明は、以下のものを提供する。
【0013】
(1)遊技盤面に設けられた入賞口への遊技球の入賞に基づいて所定数の賞球を発生させる遊技機であって、所定期間における、前記遊技盤面上に打ち出された前記遊技球の打球数の累計と、前記賞球数の累計数との割合を賞球率として算出する賞球率算出手段と、前記賞球率を検査する検査ユニットを着脱自在とする接続手段と、前記算出された賞球率を、前記接続された検査ユニットに対して出力する出力制御手段と、を備えることを特徴とする遊技機。
【0014】
(1)の発明によれば、遊技機に対して着脱自在な検査ユニットを用いることにより、当該検査ユニットを遊技機に対して装着させ、遊技機から出力される賞球率を検査ユニットに入力させるだけで、簡単に遊技機の検査を行うことができる。特に、遊技機において、賞球率が算出されることにより、検査ユニットでは、当該算出された賞球率を入力するだけで簡単に検査を行うことが可能となる。
【0015】
(2)前記接続された検査ユニットからの制御信号に基づいて、前記打球数の累計及び前記賞球数の累計の測定、並びに当該累計に基づく前記賞球率の算出を実行する制御手段を備えることを特徴とする(1)記載の遊技機。
【0016】
(2)の発明によれば、遊技機に対して着脱自在な検査ユニットを用いることにより、当該検査ユニットを遊技機に対して装着させ、遊技機から出力される賞球率を検査ユニットに入力させるだけで、簡単に遊技機の検査を行うことができる。特に、遊技機に対して検査ユニットから送信される制御信号によって賞球率が算出されることにより、遊技機では、検査ユニットが接続された状態でのみ検査用として賞球率が算出されることとなる。これにより、予め改ざんされたデータを用意しておくといった不正を防止することができる。
【0017】
(3)前記検査ユニットが接続されたことを検出する検出手段と、前記検出手段の検出結果に基づいて、前記打球数の累計及び前記賞球数の累計の測定、並びに当該累計に基づく前記賞球率の算出を実行する制御手段と、を備えることを特徴とする(1)記載の遊技機。
【0018】
(3)の発明によれば、遊技機に対して着脱自在な検査ユニットを用いることにより、当該検査ユニットを遊技機に対して装着させ、遊技機から出力される賞球率を検査ユニットに入力させるだけで、簡単に遊技機の検査を行うことができる。特に、遊技機に対して検査ユニットを遊技機に接続したことを検出して、賞球率が算出されることにより、遊技機では、検査ユニットが接続された状態でのみ検査用として賞球率が算出されることとなる。これにより、予め改ざんされたデータを用意しておくといった不正を防止することができる。また、検査ユニットが遊技機に接続されたことに基づいて賞球率の算出及び当該算出結果の検査ユニットへの出力が行われることにより、検査を一段と容易にすることが可能となる。
【0019】
(4)遊技盤面に設けられた入賞口への遊技球の入賞に基づいて所定数の賞球を発生させる遊技機であって、所定の期間における、前記遊技盤面上に打ち出された前記遊技球の打球数の累計と、前記賞球数の累計との割合を賞球率として算出する賞球率算出ユニットを着脱自在とする接続手段と、前記遊技盤面上に打ち出された前記遊技球の打球数及び前記賞球数を表す情報を、前記賞球率を算出するための情報として、前記接続手段に接続された賞球率算出ユニットに対して出力する出力制御手段と、を備えることを特徴とする遊技機。
【0020】
(4)の発明によれば、遊技機に対して着脱自在な検査ユニットを用いることにより、当該検査ユニットを遊技機に対して装着させ、遊技機から出力される賞球率を算出するための情報を検査ユニットに入力させるだけで、簡単に遊技機の検査を行うことができる。特に、検査ユニットにおいて、賞球率が算出されることにより、遊技機では、装着された検査ユニットに対して賞球率を算出するための情報を出力するだけでよく、遊技機に賞球率を検査用に算出するための手段を設けることなく、簡単に検査を行うことが可能となる。
【0021】
(5)前記出力制御手段は、前記接続された賞球率算出ユニットからの制御信号に基づいて、前記打球数及び前記賞球数を表す情報を、前記接続された賞球数算出ユニットに対して出力開始することを特徴とする(4)記載の遊技機。
【0022】
(5)の発明によれば、遊技機に対して着脱自在な検査ユニットを用いることにより、当該検査ユニットを遊技機に対して装着させ、遊技機から出力される賞球率を算出するための情報を検査ユニットに入力させるだけで、簡単に遊技機の検査を行うことができる。特に、遊技機に対して検査ユニットから送信される制御信号によって、その時の賞球率を算出するための情報が出力されることにより、遊技機では、検査ユニットが接続された状態でのみ検査用としてその時の情報(打球数及び賞球数)が出力されることとなる。これにより、予め改ざんされたデータを用意しておくといった不正を防止することができる。
【0023】
(6)前記賞球率算出ユニットが接続されたことを検出する検出手段を備え、前記出力制御手段は、前記検出手段の検出結果に基づいて、前記打球数及び前記賞球数を表す情報を前記接続された賞球率算出ユニットに対して出力開始することを特徴とする(4)記載の遊技機。
【0024】
(6)の発明によれば、遊技機に対して着脱自在な検査ユニットを用いることにより、当該検査ユニットを遊技機に対して装着させ、遊技機から出力される賞球率を算出するための情報を検査ユニットに入力させるだけで、簡単に遊技機の検査を行うことができる。特に、遊技機に対して検査ユニットを遊技機に接続したことを検出して、その時の賞球率を算出するための情報が出力されることにより、遊技機では、検査ユニットが接続された状態でのみ、検査用としてその時の賞球率を算出するための情報(打球数及び賞球数)が出力されることとなる。これにより、予め改ざんされたデータを用意しておくといった不正を防止することができる。また、検査ユニットが遊技機に接続されたことに基づいて賞球率を算出するための情報の検査ユニットへの出力が行われることにより、検査を一段と容易にすることが可能となる。
【0025】
(7)遊技盤面に設けられた入賞口への遊技球の入賞に基づいて所定数の賞球を発生させる遊技機の賞球率を検査する検査ユニットであって、前記遊技機に対して着脱自在とする接続手段と、所定期間における、前記遊技盤面上に打ち出された前記遊技球の打球数の累計と、前記賞球数の累計数との割合を賞球率として前記接続された遊技機から入力する入力制御手段と、を備えることを特徴とする遊技機の検査ユニット。
【0026】
(7)の発明によれば、遊技機に対して着脱自在な検査ユニットを用いることにより、当該検査ユニットを遊技機に対して装着させ、遊技機から出力される賞球率を検査ユニットに入力させるだけで、簡単に遊技機の検査を行うことができる。特に、遊技機において、賞球率が算出されることにより、検査ユニットでは、当該算出された賞球率を入力するだけで簡単に検査を行うことが可能となる。
(8)遊技盤面に設けられた入賞口への遊技球の入賞に基づいて所定数の賞球を発生させる遊技機であって、
前記遊技盤面上に打ち出された遊技球の打球数の累計を測定する打球数測定手段と、
前記賞球数の累計を測定する賞球数測定手段と、
前記打球数測定手段により測定された打球数の累計、及び、前記賞球数測定手段により測定された賞球数の累計を経過時間とともに保存する保存手段と、
前記保存手段により経過時間とともに保存された打球数の累計及び賞球数の累計に基づいて、所定期間における、前記打球数の累計と前記賞球数の累計との割合を賞球率として算出する賞球率算出手段と、
前記賞球率を検査する検査ユニットを着脱自在とする接続手段と、
前記賞球率算出手段により算出された賞球率を、前記接続手段に接続された検査ユニットに対して出力する出力制御手段と、
を備えることを特徴とする遊技機。
(9)前記接続手段に接続された検査ユニットからの制御信号に基づいて、前記打球数の累計及び前記賞球数の累計の測定、並びに当該累計に基づく前記賞球率の算出を実行する制御手段を備えることを特徴とする(8)記載の遊技機。
(10)前記検査ユニットが接続されたことを検出する検出手段と、
前記検出手段の検出結果に基づいて、前記打球数の累計及び前記賞球数の累計の測定、並びに当該累計に基づく前記賞球率の算出を実行する制御手段と、を備えることを特徴とする(8)記載の遊技機。
(11)遊技盤面に設けられた入賞口への遊技球の入賞に基づいて所定数の賞球を発生させる遊技機であって、
前記遊技盤面上に打ち出された遊技球の打球数の累計を測定する打球数測定手段と、
前記賞球数の累計を測定する賞球数測定手段と、
前記打球数測定手段により測定された打球数の累計、及び、前記賞球数測定手段により測定された賞球数の累計を経過時間とともに保存する保存手段と、
所定期間における、打球数の累計と賞球数の累計との割合を賞球率として算出する賞球率算出ユニットを着脱自在とする接続手段と、
前記保存手段により経過時間とともに保存された打球数の累計及び賞球数の累計を表す情報を、前記賞球率を算出するための情報として、前記接続手段に接続された賞球率算出ユニットに対して出力する出力制御手段と、を備えることを特徴とする遊技機。
(12)前記出力制御手段は、前記接続手段に接続された賞球率算出ユニットからの制御信号に基づいて、前記保存手段により経過時間とともに保存された打球数の累計及び賞球数の累計を表す情報を、前記接続手段に接続された賞球数算出ユニットに対して出力開始することを特徴とする(11)記載の遊技機。
【0027】
なお、検査ユニットとしては、以下のものであってもよい。
【0028】
遊技盤面に設けられた入賞口への遊技球の入賞に基づいて所定数の賞球を発生させる遊技機の賞球率を検査する検査ユニットであって、前記遊技機に対して着脱自在とする接続手段と、前記遊技盤面上に打ち出された前記遊技球の打球数及び前記賞球数を表す情報を、前記賞球率を算出するための情報として、前記接続された遊技機から入力する入力制御手段と、を備えることを特徴とする遊技機の検査ユニット。
【0029】
この発明によれば、遊技機に対して着脱自在な検査ユニットを用いることにより、当該検査ユニットを遊技機に対して装着させ、遊技機から出力される賞球率を算出するための情報を検査ユニットに入力させるだけで、簡単に遊技機の検査を行うことができる。特に、検査ユニットにおいて、賞球率が算出されることにより、遊技機では、装着された検査ユニットに対して賞球率を算出するための情報を出力するだけでよく、遊技機に賞球率を検査用に算出するための手段を設けることなく、簡単に検査を行うことが可能となる。
【0030】
遊技盤面に設けられた入賞口への遊技球の入賞に基づいて所定数の賞球を発生させる遊技機の賞球率を検査する検査方法であって、前記遊技機の賞球率を検査する検査ユニットを前記遊技機に対して着脱自在とし、所定期間における、前記遊技盤面上に打ち出された前記遊技球の打球数の累計と、前記賞球数の累計数との割合を賞球率として、前記遊技機に接続された検査ユニットに入力し、前記入力された賞球率に基づいて前記遊技機を検査することを特徴とする遊技機の検査方法。
【0031】
この発明によれば、遊技機に対して着脱自在な検査ユニットを用いることにより、当該検査ユニットを遊技機に対して装着させ、遊技機から出力される賞球率を検査ユニットに入力させるだけで、簡単に遊技機の検査を行うことができる。特に、遊技機において、賞球率が算出されることにより、検査ユニットでは、当該算出された賞球率を入力するだけで簡単に検査を行うことが可能となる。
【0032】
遊技盤面に設けられた入賞口への遊技球の入賞に基づいて所定数の賞球を発生させる遊技機の賞球率を検査する検査方法であって、前記遊技機の賞球率を検査する検査ユニットを前記遊技機に対して着脱自在とし、前記遊技盤面上に打ち出された前記遊技球の打球数及び前記賞球数を表す情報を、前記賞球率を算出するための情報として、前記遊技機に接続された検査ユニットに入力し、前記入力された情報に基づいて前記遊技機の賞球率を検査することを特徴とする遊技機の検査方法。
【0033】
この発明によれば、遊技機に対して着脱自在な検査ユニットを用いることにより、当該検査ユニットを遊技機に対して装着させ、遊技機から出力される賞球率を算出するための情報を検査ユニットに入力させるだけで、簡単に遊技機の検査を行うことができる。特に、検査ユニットにおいて、賞球率が算出されることにより、遊技機では、装着された検査ユニットに対して賞球率を算出するための情報を出力するだけでよく、遊技機に賞球率を検査用に算出するための手段を設けることなく、簡単に検査を行うことが可能となる。
【0034】
本発明に係る「図柄画像」とは、複数によって1つ又は複数の画像(背景に表示されるべき画像)を形成するものであり、文字、記号、絵柄又は模様(図柄)等の視覚によって識別可能な情報の断片をいう。
【0035】
また、「遊技機」とは、いわゆるパチンコ遊技機に限らず、パチンコ球を用いて遊技を行う種々の遊技機を広く含む概念である。
【0036】
「賞球率」とは、所定期間における遊技盤面上に打ち出された遊技球の打球数の累計と、賞球数の累計数との割合をいう。
上記賞球率のうち、1時間における遊技盤面上に打ち出された遊技球の打球数の累計と賞球数の累計数との割合は、短時間出球率とよばれるものであり、その範囲は規則により33〜300%に定められている。
また、上記賞球率のうち、30時間における遊技盤面上に打ち出された遊技球の打球数の累計と賞球数の累計数との割合は、長時間出球率とよばれるものであり、その範囲は規則により50〜200%に定められている。
【0037】
本発明の遊技機と検査ユニットとによれば、1時間における遊技盤面上に打ち出された遊技球の打球数の累計と賞球数の累計数との割合を算出することにより、短時間出球率を得ることが可能であり、また、30時間における遊技盤面上に打ち出された遊技球の打球数の累計と賞球数の累計数との割合を算出することにより、長時間出球率を得ることも可能である。
なお、以下の説明においては、特に区別しない限り、短時間出球率と長時間出球率とは、賞球率に含まれることとして説明することとする。
【0038】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施例について図面に基づいて説明する。
【0039】
[パチンコ遊技機の構成]
本発明による遊技機の概観を示す正面図を図1に示す。尚、以下において説明する実施例においては、本発明に係る遊技機に好適な実施例として本発明をパチンコ遊技機に適用した場合を示す。
【0040】
パチンコ遊技機10には、本体枠12と、本体枠12に組み込まれた遊技盤14と、遊技盤14の前面に設けられた本体枠12の窓枠16と、窓枠16の下側で本体枠12の前面に設けられた上皿20及び下皿22と、下皿22の右側に設けられた発射ハンドル26と、が配置されている。
【0041】
また、遊技盤14の前面には複数の障害釘(図示せず)が打ちこまれている。尚、釘を打ち込むような構成とせず、遊技盤14を樹脂素材で成形し、この樹脂素材の遊技盤14に金属製の棒状体を遊技盤14の前方向に突出するように植設する構成としてもよく、上述した如き構成したパチンコ遊技機10(パチコン機)にも本発明を適用することができる。尚、本明細書においては、パチンコ遊技機10とは、パチコン機をも含む概念である。
【0042】
更に、発射ハンドル26は本体枠12に対して回動自在に設けられており、遊技者は発射ハンドル26を操作することによりパチンコ遊技を進めることができるのである。発射ハンドル26の裏側には、発射モータ28が設けられている。発射ハンドル26が遊技者によって時計回り方向へ回動操作されたときには、発射モータ28に電力が供給され、上皿20に貯留された遊技球が遊技盤14に順次発射される。
【0043】
発射された遊技球は、遊技盤14上に設けられたガイドレール30に案内されて遊技盤14の上部に移動し、その後、上述した複数の障害釘との衝突によりその進行方向を変えながら遊技盤14の下方に向かって落下する。
【0044】
また、パチンコ遊技機10の本体枠12の内部には、後述する検査ユニット100が接続される外部接続端子111が設けられており、当該外部接続端子111に接続された検査ユニット100(後述)に対して、賞球率を表す情報を供給することができるようになされている。
【0045】
遊技盤14を拡大した拡大正面図を図2に示す。尚、上述した図1に示した構成要素と対応する構成要素には同一の符号を付した。また、図2は、上述した障害釘について省略したものを示した。
【0046】
遊技盤14の前面の略中央には、後述する如き表示部である表示装置32が設けられている。この表示装置32の上部の中央には、表示装置52が設けられている。この表示装置52は、例えば7セグメント表示器で構成されており、表示情報である普通図柄が、変動と停止とを繰り返すように可変表示される。
【0047】
表示装置32の左右の側部には、球通過検出器55a及び55bが設けられている。この球通過検出器55a又は55bは、その近傍を遊技球が通過したことを検出したときには、上述した表示装置52において、普通図柄の変動表示が開始され、所定の時間経過した後、普通図柄の変動表示を停止する。この普通図柄は、数字や記号等からなる情報であり、例えば「0」から「9」までの数字や「☆」等の記号である。
【0048】
この普通図柄が所定の図柄、例えば「7」となって停止して表示されたときには、後述する始動口44の左右の両側に設けられている可動片58a及び58bを駆動をするためのソレノイド57(図示せず)に電流を供給し、始動口44に遊技球が入りやすくなるように可動片58a及び58bを駆動し、始動口44を開放状態となるようにする。尚、始動口44を開放状態とした後、所定の時間が経過したときには、可動片を駆動し始動口44を閉鎖状態として、遊技球が入りにくくなるようにするのである。
【0049】
上述した表示装置52の左右の両側には4つの保留ランプ34a〜34dが設けられている。更に、表示装置52の上部には一般入賞口50が設けられている。また、遊技盤14の下部には、遊技球の大入賞口である可変入賞口38が設けられている。この可変入賞口38には、拾球片としてのシャッタ40が開閉自在に設けられている。シャッタ40は後述する可変表示ゲームが大当たり状態になったときには開放状態となるようにソレノイド48(図示せず)により駆動される。
【0050】
また、可変入賞口38の内部にはVゾーンと呼ばれる特定領域38vが設けられており、可変入賞口38に入球した遊技球が当該特定領域38vを通過すると、当該特定領域38vに設けられている球通過検出器55cがこれを検出し、後述するラウンドが継続するようになされている。
【0051】
上述した表示装置32の左右の両側には一般入賞口54a及び54bが設けられている。更に、表示装置32の下部の左右の両側には一般入賞口54c及び54dが設けられている。また、遊技盤14の左右の端部には、特別入賞口56a及び56bが設けられ、可変入賞口38の左右の両側には、特別入賞口56c及び56dが設けられている。
【0052】
また、後述する可変表示ゲームを開始させる契機となる球検知センサ42を有する始動口44が設けられている。上述した可変入賞口38、始動口44、一般入賞口54a〜54d及び特別入賞口56a〜56dに遊技球が入賞したときには、入賞口の種類に応じて予め設定されている数の遊技球が下皿22に払い出されるようになされている。
【0053】
更にまた、表示装置32の左右の両側には、遊技球の経路を所定の方向に誘導するための転動誘導部材59a及び59bも設けられている。また、遊技盤14の外側の上左側と上右側とには装飾ランプ36a及び36bが設けられている。
【0054】
尚、上述した表示装置32において後述する演出画像を表示する部分は、液晶ディスプレイパネルからなるものであってもブラウン管からなるものであってもよい。また、上述した例においては、表示装置32は、遊技機であるパチンコ遊技機10の遊技盤14の前面の略中央に設けられている場合を示したが、遊技者が見得るような位置であれば遊技機の何処の位置に表示装置32を設けることとしてもよい。
【0055】
[パチンコ遊技機の制御部の構成]
本発明の実施の形態であるパチンコ遊技機の制御回路を示すブロック図を図3に示す。
【0056】
上述した発射ハンドル26は、主制御回路60のインターフェイス回路群62に接続され、インターフェイス回路群62は、入出力バス64に接続されている。発射ハンドル26の回動角度を示す角度信号は、インターフェイス回路群62により所定の信号に変換された後、入出力バス64に供給される。入出力バス64は、中央処理回路(以下、CPUと称する)66にデータ信号又はアドレス信号が入出力されるようになされている。
【0057】
また、上述したインターフェイス回路群62には、球検知センサ42も接続されており、遊技球が始動口44を通過したときには、球検知センサ42は、検出信号をインターフェイス回路群62に供給する。更に、インターフェイス回路群62には、球通過検出器55も接続されており、球通過検出器55は遊技球がその近傍を通過したことを検出したときには、検出信号をインターフェイス回路群62に供給する。
【0058】
上述した入出力バス64には、ROM(リード・オンリー・メモリ)68及びRAM(ランダム・アクセス・メモリ)70も接続されている。ROM68は、パチンコ遊技機の遊技全体の流れを制御する制御プログラムを記憶している。更に、ROM68は、制御プログラムを実行するための初期データや、装飾ランプ36の点滅動作パターンを制御するプログラム等や、表示装置32において可変表示ゲームが実行される際に必要となる音データも記憶している。
【0059】
また、RAM70は、上述したプログラムで使用するフラグや変数の値を記憶する。例えば、新たな入力データやCPU66による演算結果や遊技の履歴を示す累積リーチデータ、累積変動数及び累積大当たり回数を記憶する。
【0060】
更に、入出力バス64には、インターフェイス回路群72も接続されている。インターフェイス回路群72には、スピーカ46、発射モータ28、ソレノイド48、保留ランプ34及び装飾ランプ36が接続されており、インターフェイス回路群72は、CPU66における演算処理の結果に応じて上述した装置の各々を制御すべく駆動信号や駆動電力を供給する。
【0061】
また、ソレノイド48は、上述した如きシャッタ40を開閉駆動するためのものである。更に、保留ランプ34は、表示装置32に表示する図柄の組み合わせが有効となった回数を示すものである。更にまた、装飾ランプ36は、遊技が大当たりとなったときやリーチとなったときに遊技者にその旨を示すべく点滅又は点灯するものである。
【0062】
更にまた、インターフェイス回路群72には、表示制御装置200も接続されており、表示制御装置200は、主制御回路60から発せられる画像表示命令に基づいて当該表示制御装置200に接続されている表示装置32を駆動するための駆動信号を発する。
【0063】
また、インターフェイス回路郡62には、後述する検査ユニット100を着脱自在に接続する外部接続端子111が設けられており、当該接続された検査ユニット100から供給される制御信号を受け取って、これをCPU66に供給するとともに、パチンコ遊技機10の賞球率を表す情報を検査ユニット100(後述)に対して供給するようになされている。
【0064】
主制御制御部60のRAMに格納される、賞球率を算出するための打球数及び賞球数の各累積数は、例えば、測定を開始してからの経過時間と、当該経過時間に対応して保存される。
【0065】
[パチンコ遊技機の表示制御装置の構成]
上述した表示制御装置200の回路を示すブロック図を図4に示す。
【0066】
インターフェイス回路202は、入出力バス204に接続されており、上述した主制御回路60から発せられた画像表示命令は、インターフェイス回路202を介して入出力バス204に供給される。入出力バス204は、中央処理回路(以下、CPUと称する)206にデータ信号又はアドレス信号が入出力されるようになされている。
【0067】
上述した入出力バス204には、ROM(リード・オンリー・メモリ)208及びRAM(ランダム・アクセス・メモリ)210も接続されている。ROM208は、主制御回路60から発せられた画像表示命令に基づいて表示装置32に供給する駆動信号を生成するための表示制御プログラムを記憶している。一方、RAM210は、上述したプログラムで使用するフラグや変数の値を記憶する。
【0068】
更に、入出力バス204には、画像データプロセッサ(以下、VDPと称する)212も接続されている。このVDP212は、いわゆるスプライト回路、スクリーン回路、及びパレット回路等の回路を含み、表示装置32に画像を表示させるための種々の処理を行うことができる処理装置である。
【0069】
上述したVDP212には、主制御回路60から発せられた画像表示命令に応じた画像データを記憶するためのビデオRAM214と、背景画像のデータや、当該背景の前面に表示される図柄画像データや、種々の演出を行うキャラクタの画像データ等の各種画像データを記憶する画像データ用ROM216と、が接続されている。更に、VDP212には、表示装置32を駆動するための駆動信号を発する駆動回路218も接続されている。
【0070】
上述したCPU206は、ROM208に記憶されている表示制御プログラムを読み出して実行することにより、主制御回路60から発せられた画像表示命令に応じて表示装置32に表示する画像データをビデオRAM214に記憶させる。主制御回路60から発せられる画像表示命令には、背景表示命令や、図柄画像表示命令、キャラクタ表示命令等の表示命令が含まれる。
【0071】
また、画像データ用ROM216は、上述した如く、図柄画像の画像データや、演出画面として表示される動体物等のキャラクタのキャラクタ画像データ、表示装置32の背景を構成する背景画像データ等の画像データ、さらには、遊技履歴情報や現在のラウンド数を記憶する。
【0072】
このような、図柄画像のデータ構成と表示装置32における表示例については図5に示すようになる。
【0073】
図5(a)は、図柄画像D1、D2及びD3のデータ構成のイメージを示したものであり、D11,D12,・・・,D1X,D21,・・・,DYXという画像データ用ROM216のセルに図柄画像のデータが保存されており、D11,D12,・・・,D1Xという複数の識別情報によって図柄画像D1が構成され、D21,D22,・・・,D2Xという複数の識別情報によって図柄画像D2が構成され、というようになっている。すなわち、D11,D12,・・・,D1Xのセルに相当するアドレスをCPU206の制御により指定し、指定されたアドレス通りに順次呼び出し、さらにこれをビデオRAM214の表示すべき位置に対応したアドレス領域に格納する。
【0074】
図5(b)は、表示装置32上に図柄画像D1、D2及びD3を表示した一例を示す図である。このように、表示装置32上には、図柄画像D1、D2及びD3が遊技に応じて表示され、遊技の演出内容によってスロットマシンのように上下方向にスクロールされる演出が行われるのである。
【0075】
次に、上述したビデオRAM214に生成される画像データの概念を示す概略図を図6に示す。
【0076】
図6に示す如く、画面表示命令によってビデオRAM214に生成される画像データの大きさ(以下、画面画像領域R1と称する)は、表示装置32に表示される表示領域R2より大きくなるように設定されている。尚、図6においては、画面画像領域R1は、実線で囲まれた領域を示し、表示領域R2は、破線で囲まれた領域を示す。このように設定することにより、表示装置32に表示すべき画像を円滑にスクロール表示させることができるのである。
【0077】
主制御回路60から図柄表示命令が発せられたときには、VDP212は、例えば図柄画像D1〜D3の各々の画像データを画像データ用ROM216から読み出した後、表示装置32の表示すべき位置に対応するビデオRAM214におけるアドレス位置に配置する。
【0078】
また、主制御回路60からキャラクタ表示命令が発せられたときには、VDP212は、キャラクタ画像C1〜C3の各々の画像データを画像データ用ROM216から読み出した後、表示装置32の表示すべき位置に対応するビデオRAM214におけるアドレス位置に配置する。
【0079】
更に、主制御回路60から背景表示命令が発せられたときには、VDP212は、背景画像B1の画像データを画像データ用ROM216から読み出した後、表示装置32に背景画像B1を表示すべき位置に対応するビデオRAM214における位置に読み出した画像データを配置する。
【0080】
VDP212は、ビデオRAM214に画像データを生成した後、表示領域R2に記憶されている画像データのみをビデオRAM214から読み出し、これを表示信号として駆動回路218に供給するのである。
[パチンコ遊技機の動作]
【0081】
以下においては、パチンコ遊技機10は起動しており、上述したCPU66において用いられる変数は所定の値に初期化され、定常動作しているものとする。
【0082】
上述した主制御回路60において実行される遊技球を検出するサブルーチンを図7に示す。尚、このサブルーチンは、予め実行されているパチンコ遊技機10のパチンコ遊技を制御する制御プログラムから所定のタイミングで呼び出されて実行されるものである。
【0083】
最初に、入賞口に遊技球が入った否かを検出する(ステップS11)。この入賞口は、例えば、上述した図2に示した例においては、一般入賞口50及び54a〜54d並びに特別入賞口56a〜56dである。ステップS11において、入賞口に遊技球が入ったと判別したときには、入賞口の種類に応じて予め定められた数の遊技球を払い出す処理を実行する(ステップS12)。
【0084】
次に、始動口に遊技球が入ったか否かを判断する(ステップS13)。この始動は、例えば、上述した図2に示した例においては、始動口44である。このステップS13において、始動口に遊技球が入ったと判別したときには、後述する可変表示ゲームを実行する(ステップS14)。
【0085】
更に、球通過検出器を遊技球が通過したか否かを判断する(ステップS15)。この球通過検出器は、例えば上述した図2に示した例においては、球通過検出器55a及び55bである。このステップS15において、球通過検出器を遊技球が通過したと判別したときには、図2について上述した如く、表示装置52において普通図柄を変動表示させる処理を実行する(ステップS16)。尚、上述した如く、変動表示された普通図柄が停止したときに所定の図柄となったときには、可動片58a及び58bを駆動して始動口44を開放状態となるようにして、始動口44に遊技球が入りやすくなるようにするのである。
【0086】
上述したステップS14において呼び出されて実行される可変表示ゲーム処理を行なうサブルーチンを図8に示す。尚、これらのサブルーチンにおいて用いられるフラグや変数は、予め初期化されているものとする。
【0087】
本サブルーチンが呼び出されることにより、表示装置32において表示されていた固定画面を通常画面へと切り替え、可変表示ゲームを開始するのである。ここで、可変表示ゲームとは、表示装置32において、図柄画像D1、D2及びD3が表示され、当該図柄画像D1、D2及びD3がスロットマシンのリールに設けられた図柄のように上下方向にスクロールされ、順次所定の図柄で停止する表示ゲームである。
【0088】
なお、上述した固定画面とは、表示装置32において実行される可変表示ゲームは実行されておらず、パチンコ遊技機10においてパチンコ遊技のみが進行している際に表示装置32に表示される画面をいう。また、通常画面とは、表示装置32において上述した可変表示ゲームが開始され、当該可変表示ゲームがリーチに至るまでの間や、大当たりとなるまでの間に表示装置32に表示される演出画面をいう。
【0089】
なお、リーチでの演出とは、表示装置32においてスクロールする3つの図柄画像D1、D2及びD3のうち、2つの図柄が同じ図柄で停止し、残りの1つの図柄画像がスクロールしている状態をいう。
【0090】
リーチ演出においてスクロールしている残りの1つの図柄画像が他の2つの図柄画像と同じ図柄で停止すると、大当たりとなる。このように大当たりとなり遊技者に有利になるような状態に移行したときには、上述したソレノイド48に電流を供給して遊技盤14の前面に設けられている可変入賞口38のシャッタ40を開放し遊技球を可変入賞口38に入り易くするのである。
【0091】
[可変表示ゲームの動作]
上述した如き可変表示ゲームが開始されると、当該可変表示ゲーム処理プログラムを実行するCPU66は、図8に示されるステップS21に移って、内部抽選処理を実行する。この内部抽選処理は、図柄画像D1、D2及びD3をスクロールさせた場合に、当該3つの図柄画像が同じ図柄で停止するか否かを予め定めておく処理であり、CPU66は、後述する如く、内部抽選処理により定められた状態となるような演出を行うのである。因みに、この内部抽選処理においては、後述するリーチ演出に移行するか否かの抽選も行なうようになされている。
【0092】
この内部抽選処理を実行することにより、遊技結果を「はずれ」とするか「大当たり」とするかが、定められるのである。また、表示装置32において表示する演出表現も、遊技結果を「はずれ」とするか「大当たり」とするかに応じて定められる。このようにすることにより、内部抽選処理により遊技結果が定められたときには、その遊技結果に応じた演出表現が定められ、その演出表現に応じた図柄画像や、キャラクタ画像や、背景画像が表示されることとなるのである。
【0093】
ステップS21における内部抽選処理が行なわれると、CPU66はステップS22に移って、通常画面における背景画像B1を選択する。この選択処理において、CPU66は、主制御回路60のROM68に予め格納されている複数の背景画像のなかからランダムに1つを選択し、当該選択された背景画像を通常画面の背景画像として用いる。
【0094】
ステップS22における背景画像の選択処理が終了すると、CPU66はステップS23に移って、通常画面に登場させるキャラクタ画像を選択する。この選択処理において、CPU66は、ROM68に予め格納されている複数のキャラクタのなかからランダムに1つを選択し、当該選択されたキャラクタ画像を通常画面に登場するキャラクタ画像として用いる。この実施形態の場合、ROM68には、各キャラクタごとに複数の動作形態画像(例えばキャラクタが歩いている動画を表現する際に、左足が前に出された状態を表す動作形態画像、右足が前に出された状態を表す動作形態画像が通常画面演出用のプログラムによって交互に読み出されて表示されるのである)が格納されており、CPU66は選択されたキャラクタの各動作形態画像を通常画面の演出プログラムに応じて読み出して、これを後述する通常画面演出において表示する。
【0095】
ステップS23におけるキャラクタ画像の選択処理が終了すると、CPU66は、ステップS24に移って、通常画面演出プログラムに従って通常画面演出を行なう。この通常画面演出においては、上述のステップS22及びステップS23において選択された背景画像B11及びキャラクタ画像を用いて通常画面演出を行ない、当該演出結果を表示装置32に表示させる。
【0096】
この通常画面において、図柄画像D1、D2及びD3は通常画面演出プログラムによってスクロールを開始する。通常画面演出が開始された後、CPU66はステップS25に移って、通常画面演出を終了すべきか否かを判断する。ここで否定結果が得られると、このことは可変表示ゲーム処理ルーチンS14が開始された際にカウントが開始されたタイマ(図示せず)のカウント結果が所定の値に至っていないことを意味しており、このときCPU66は上述のステップS24に戻って通常画面演出を続行する。これに対してステップS25において肯定結果が得られると、このことはタイマのカウント値が所定の値に達したことを意味しており、このときCPU66はステップS26に移って、上述のステップS21における内部抽選結果がリーチに至るものであるか否かを判断する。
【0097】
ここで肯定結果が得られると、このことは内部抽選結果が「大当たり」である場合、又はリーチとなった後「はずれ」となる場合の2通りのいずれかであることを意味しており、このときCPU66はステップS27に移って、内部抽選結果に基づいてリーチ演出を選択する。この場合、リーチ演出(ROM68に格納されているリーチ演出プログラム)として用意されているものとしては、ノーマルリーチ画面演出、各リーチ画面から移行し大当たりとなる可能性が高くなることを示す発展型リーチ画面演出又は各リーチ画面において前記図柄画像が一旦はずれとなるような嵌めこみ状態となった後に前記発展型リーチ画面へ移行する逆転発展型リーチ画面演出(主に大当たりとなる内部抽選結果に対応して選択される可能性が高いようになされている)等があり、ステップS27におけるリーチ演出処理においてCPU66は、これら複数種類のリーチ演出のなかから1つを選択し、続くステップS28において当該選択されたリーチ演出(プログラム)を実行する。かくして、表示装置32には、ステップS27において選択されたリーチ演出に基づくリーチ演出画面が表示されることとなる。因みに、各リーチ演出のなかから1つを選択する方法としては、選択対象である各リーチ演出に対してそれぞれ所定数の乱数を割り当てておき、このとき発生した乱数が割り当てられているリーチ演出を選択する方法を用いる。このようにすれば、内部抽選処理(ステップS21)において「大当たり」が選択された際に、逆転発展型リーチ画面演出に対してより多くの乱数を割り当てることとすることで、逆転発展型リーチ画面演出から「大当たり」となる可能性を高くすることが可能となるのである。また、各リーチ演出として、発展型リーチ画面演出や逆転発展型リーチ画面演出が選択された場合、これらのなかに基準となるノーマルリーチ状態を含むものとし、当該ノーマルリーチから各発展型リーチに移行するような演出がなされるものとする。
【0098】
ステップS28においてリーチ演出を実行した後、CPU66はステップS29に移り、上述のステップS21における内部抽選結果に基づいて全ての図柄画像D1、D2及びD3のスクロールを停止させる。これにより、内部抽選結果が「大当たり」である場合には、全ての図柄画像D1、D2及びD3が同じ図柄で停止した状態となり、またこれに対して、内部抽選結果が、リーチとなった後「はずれ」となるものである場合には、3つの図柄画像D1、D2及びD3のうち2つの図柄画像が同じ図柄で停止した後、残りの1つの図柄画像が異なる図柄で停止することとなる。
【0099】
また上述のステップS26において否定結果が得られると、このことは、上述のステップS21における内部抽選結果がリーチに至らずに「はずれ」となるものであることを意味しており、このときCPU66はステップS29に移って、リーチ演出を行うことなく、3つの図柄画像D1、D2及びD3がそれぞれ異なる図柄で停止させ演出を終了させる。
【0100】
[検査ユニットの構成]
図9は、パチンコ遊技機10の検査を行う検査ユニット100の構成を示すブロック図である。この図9に示されるように、検査ユニット100は、バス101に接続されたCPU121によって、ROM125に格納されている検査プログラムを実行するようになされている。
【0101】
すなわち、キースイッチ等からなる操作部124を検査者が操作することにより、当該操作部124から入力された制御コマンドは、インターフェイス回路122を介してCPU121に供給される。この制御コマンドを受け取ったCPU121は、当該制御コマンドに従って、ROM125のプログラムを実行する。
【0102】
検査を開始するコマンドは、CPU121からインターフェイス回路127及びコネクタ128に供給され、当該コネクタ128に接続されたパチンコ遊技機10側のコネクタ111(図1)を介して、パチンコ遊技機10の主制御回路60に供給される。また、当該検査コマンドに従ってパチンコ遊技機10の主制御回路60から出力された賞球率を表す賞球率データは、パチンコ遊技機10のコネクタ111から、当該コネクタ111に接続された検査ユニット100のコネクタ128を介してCPU121に供給され、一旦RAM126に格納される。
【0103】
RAM26に格納された賞球率データは、ROM125に格納されている検査プログラムに従って、CPU121により分析され、当該分析結果は、インターフェイス回路122を介して、液晶パネル等から構成される表示装置123に供給され、可視表示される。これにより、検査者は、表示装置124に表示された分析結果によって検査結果を容易に確認することができる。
【0104】
因みに、図10は、パチンコ遊技機10に対して検査ユニット100を接続した状態を示す。この図10に示されるように、パチンコ遊技機10の前面に設けられたコネクタ111に対して、検査ユニット100のコネクタ128を接続するだけで、簡単にパチンコ遊技機10の賞球率を検査することが可能となっている。
【0105】
図11は、検査ユニット100において、CPU121によって実行される検査処理手順を示すフローチャートである。この図11に示されるように、CPU121は、電源(図示せず)が投入されたことを契機にステップS30から検査処理手順に入り、ステップS31において操作部124が操作されるのを待ち受ける。
【0106】
そして、検査者が操作部124を操作して、検査開始コマンドを入力すると、CPU121は、ステップS32において肯定結果を得ることにより、続くステップS33に移って、検査を行うための制御信号をコネクタ128を介して、当該コネクタ128に接続されているパチンコ遊技機10に対して送信する。
【0107】
これにより、パチンコ遊技機10において賞球率の測定が開始され、検査ユニット100はパチンコ遊技機10から検査結果が供給されるのをステップS34において待ち受ける。パチンコ遊技機10から検査結果が供給されると、CPU121は、ステップS35において肯定結果を得ることにより、続くステップS36に移って、このときパチンコ遊技機10から供給された検査結果を一旦RAM126に格納した後、当該格納された検査結果を分析する。
【0108】
この実施の形態の場合、パチンコ遊技機10からは、所定期間における賞球率を表す賞球率データが検査ユニット100に対して供給されるので、検査ユニット100では、当該賞球率データに基づいて、賞球率データの時間ごとの変化を表すグラフを作成する等の分析を行い、当該分析結果を表示装置123に表示させる。
【0109】
因みに、この実施の形態の場合、パチンコ遊技機10から供給される検査結果は、賞球率を表す賞球率データであるが、本発明はこれに限らず、所定期間における遊技盤面上に打ち出された遊技球の打球数の累計と、前記賞球数の累計数とを検査結果としてパチンコ遊技機10から検査ユニット100に対して供給するようにしてもよい。この場合、検査ユニット100のCPU121は、図11に示されるステップS36において、パチンコ遊技機10から供給された打球数の累計及び賞球数の累計に基づいて、賞球率を算出する。算出方法としては、打球数の累計を賞球数の累計で割り算すればよい。
【0110】
図12は、パチンコ遊技機10における賞球率の測定処理手順を示すフローチャートである。この図12に示されるように、パチンコ遊技機10のCPU66は、電源が投入されることにより、ステップS40の測定処理ルーチンを開始し、ステップS41において検査ユニット100からの制御信号を待ち受ける。
【0111】
パチンコ遊技機10のコネクタ111に接続された検査ユニット100から、図11のステップS33において送信される検査を開始するための制御信号を受け取ると、ステップS42において肯定結果を得ることにより、CPU121は続くステップS43に移って、内部タイマのカウントを開始させるとともに、パチンコ遊技における打球数の累計と、賞球数の累計を測定する。打球数は、球発射部に設けられた発射センサ(図示せず)によって測定され、また、賞球数は、図8について上述した可変表示ゲーム処理ルーチンにおいて、CPU66が実行した賞球数の払い出し数を当該CPU66がプログラムに従って計数し、その結果をRAM70に格納して行く。
【0112】
これにより、RAM70には、ゲームの進行に伴って増加する打球数と、賞球数の累積値が保存されることとなる。
【0113】
CPU66は、ステップS44に移って、予め設定されている測定時間が経過したか否かを判断する。
なお、この測定時間は、所定の値に固定されていてもよく、任意に設定することが可能であってもよい。この測定時間を1時間とすることにより、短時間出球率の算出が可能であり、また、この測定時間を30時間とすることにより、長時間出球率の算出が可能である。
また、ここで否定結果が得られると、このことは、予め設定されている所定時間が経過していないことを意味しており、CPU66は上述のステップS43に戻って、打球数及び賞球数の測定を続行する。
【0114】
これに対してステップS44において肯定結果が得られると、このことは、測定を開始してから、予め設定されている所定時間が経過したことを意味しており、このときCPU66は、続くステップS45に移って、このときまでにRAM70に格納された打球数と賞球数の各累積数に基づいて、例えば、打球数の累積数を賞球数の累積数で割り算することにより、賞球率を算出する。
【0115】
そして、CPU66は、続くステップS46に移って、上述のステップS45において算出された賞球率を表す賞球率データを、このときコネクタ111に接続されている検査ユニット100に対して送信する。かくして、パチンコ遊技機10は、検査ユニット100に対して、所定時間測定した打球数及び賞球数に基づく賞球率を供給することができる。
【0116】
なお、上述の実施の形態においては、パチンコ遊技機10において賞球率を算出する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、検査ユニット100側で賞球率を算出する場合には、パチンコ遊技機10のCPU66は、ステップS44において肯定結果が得られた後、ステップS45の賞球率の算出を行うことなく、このときRAM70に格納されている打球数の累積数と、賞球数の累積数とを直接検査ユニット100に送信するようにすればよい。検査ユニット100は、パチンコ遊技機10から供給された打球数の累積数と、賞球数の累積数とに基づいて、賞球数の累積数とに基づいて、賞球率を算出する。
【0117】
因みに、図13は、パチンコ遊技機10のRAM70に格納される打球数の累積数と、賞球数の累積数を表し、これらの情報は、経過時間とともに保存される。CPU66は、この保存された情報に基づいて、賞球率を算出するのである。
【0118】
かくして、検査ユニット100を用いて、パチンコ遊技機10の賞球率を検査することにより、当該検査ユニット100をパチンコ遊技機10の着脱自在のコネクタ111に接続するだけで簡単に賞球率を検査することができる。
【0119】
なお、上述の実施の形態においては、パチンコ遊技機10に接続された検査ユニット100からパチンコ遊技機10に対して、制御信号を送信することにより、検査(測定)が開始される場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば、検査ユニット100をコネクタ111に接続した際に、パチンコ遊技機10が当該接続状態を検出することにより、検査(測定)を開始するようにしてもよい。
【0120】
この場合、図14に示されるように、パチンコ遊技機10のコネクタ111として、信号線L1及びL2が開放された状態のものを用い、検査ユニット100側のコネクタ128として、これらの開放された信号線L1及びL2を接続する信号線L11を有する構成とし、当該コネクタ111及び128が接続された状態において、開放状態にあった信号線L1及びL2が短絡した状態となるようにする。そして、信号線L1に供給されている電圧をL2において検出することにより、打球数及び賞球数の測定を開始する。これにより、検査者が検査ユニット100の操作部124を操作することなく、検査が自動的に開始されることとなり、検査を一段と容易にすることが可能となる。
【0121】
【発明の効果】
本発明によれば、遊技機に対して着脱自在な検査ユニットを用いることにより、当該検査ユニットを遊技機に対して装着させ、遊技機から出力される賞球率を検査ユニットに入力させるだけで、簡単に遊技機の検査を行うことができる。特に、遊技機において、賞球率が算出されることにより、検査ユニットでは、当該算出された賞球率を入力するだけで簡単に検査を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明によるパチンコ遊技機の概観を示す正面図である。
【図2】 本発明によるパチンコ遊技機の遊技盤面の拡大正面図である。
【図3】 本発明の実施の形態におけるパチンコ遊技機の主制御回路を示すブロック図である。
【図4】 本発明の実施例であるパチンコ遊技機の表示制御装置を示すブロック図である。
【図5】 図柄の画像のデータ構成のイメージを示した図である。
【図6】 表示制御装置のビデオRAMにおける画像データの配置の概念を示す概略図である。
【図7】 パチンコ遊技機において実行される遊技球を検出する処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図8】 図7に示したフローチャートのステップS14において呼び出されて実行される可変表示ゲーム処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図9】 検査ユニットの構成を示すブロック図である。
【図10】 検査ユニットの接続状態を示す斜視図である。
【図11】 検査ユニットにおける検査処理ルーチンを示すフローチャートである。
【図12】 パチンコ遊技機における測定処理ルーチンを示すフローチャートである。
【図13】 打球数及び賞球数の累積数の保存状態を示す略線図である。
【図14】 他の実施の形態におけるコネクタの構成を示す略線図である。
【符号の説明】
10 パチンコ遊技機(遊技機)
32 表示装置(可変表示装置)
38 可変入賞口
40 シャッタ
46a、46b、46c、46d スピーカ
60 主制御回路
66 CPU(制御部)
64 入出力バス
68、125 ROM
70、126 RAM
100 検査ユニット
111、128 コネクタ
123 表示装置
124 操作部
Claims (5)
- 遊技盤面に設けられた入賞口への遊技球の入賞に基づいて所定数の賞球を発生させる遊技機であって、
前記遊技盤面上に打ち出された遊技球の打球数の累計を測定する打球数測定手段と、
前記賞球数の累計を測定する賞球数測定手段と、
前記打球数測定手段により測定された打球数の累計、及び、前記賞球数測定手段により測定された賞球数の累計を経過時間とともに保存する保存手段と、
前記保存手段により経過時間とともに保存された打球数の累計及び賞球数の累計に基づいて、所定期間における、前記打球数の累計と前記賞球数の累計との割合を賞球率として算出する賞球率算出手段と、
前記賞球率を検査する検査ユニットを着脱自在とする接続手段と、
前記賞球率算出手段により算出された賞球率を、前記接続手段に接続された検査ユニットに対して出力する出力制御手段と、
を備えることを特徴とする遊技機。 - 前記接続手段に接続された検査ユニットからの制御信号に基づいて、前記打球数の累計及び前記賞球数の累計の測定、並びに当該累計に基づく前記賞球率の算出を実行する制御手段を備えることを特徴とする請求項1記載の遊技機。
- 前記検査ユニットが接続されたことを検出する検出手段と、
前記検出手段の検出結果に基づいて、前記打球数の累計及び前記賞球数の累計の測定、並びに当該累計に基づく前記賞球率の算出を実行する制御手段と、を備えることを特徴とする請求項1記載の遊技機。 - 遊技盤面に設けられた入賞口への遊技球の入賞に基づいて所定数の賞球を発生させる遊技機であって、
前記遊技盤面上に打ち出された遊技球の打球数の累計を測定する打球数測定手段と、
前記賞球数の累計を測定する賞球数測定手段と、
前記打球数測定手段により測定された打球数の累計、及び、前記賞球数測定手段により測定された賞球数の累計を経過時間とともに保存する保存手段と、
所定期間における、打球数の累計と賞球数の累計との割合を賞球率として算出する賞球率算出ユニットを着脱自在とする接続手段と、
前記保存手段により経過時間とともに保存された打球数の累計及び賞球数の累計を表す情報を、前記賞球率を算出するための情報として、前記接続手段に接続された賞球率算出ユニットに対して出力する出力制御手段と、を備えることを特徴とする遊技機。 - 前記出力制御手段は、前記接続手段に接続された賞球率算出ユニットからの制御信号に基づいて、前記保存手段により経過時間とともに保存された打球数の累計及び賞球数の累計を表す情報を、前記接続手段に接続された賞球数算出ユニットに対して出力開始することを特徴とする請求項4記載の遊技機。
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