JP2004000420A - 遊技機、記憶媒体及びサーバ - Google Patents

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JP2004000420A JP2002258226A JP2002258226A JP2004000420A JP 2004000420 A JP2004000420 A JP 2004000420A JP 2002258226 A JP2002258226 A JP 2002258226A JP 2002258226 A JP2002258226 A JP 2002258226A JP 2004000420 A JP2004000420 A JP 2004000420A
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Kazuo Okada
岡田 和生
Nobuo Yaegashi
八重樫 信夫
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Abstract

【課題】出球率等の検査を省略し、抜き打ち検査のみで対応可能として、検査の負担を軽減することができ、さらに、遊技者に対して健全な遊技を提供することができる遊技機を提供すること。
【解決手段】投入遊技媒体数計測手段と、払出遊技媒体数計測手段と、これらの数から遊技媒体の数に関する数値を算出することができる遊技機であって、算出手段により得られた数値が、予め定められた上限値を基準とした所定の範囲内になったときには、第二大当たり又ははずれのみを発生させ、すでに発生している少なくとも一の第二大当たりに基づき、所定の利益及び/又は有利な状態を提供する際には、遊技媒体の数に関する数値又は当該数値の変化に応じて、全ての前記第二大当たりに基づき、前記所定の利益及び/又は有利な状態を連続的に提供することを特徴とする遊技機。
【選択図】   図8

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、遊技機、記憶媒体及びサーバに関する。
【0002】
【従来の技術】
通常、パチンコ遊技機では、発射ハンドルが操作されることにより遊技盤上に打ち出された遊技球が、遊技盤上に設けられた入賞口や始動口に入ると、遊技球が予め定められた払出数(例えば、5球)で払い出され、さらに、遊技球が始動口に入った場合には、遊技盤に設けられた表示装置において、所謂可変表示ゲームが開始される。この可変表示ゲームは、スロットマシンにおいてなされる遊技を模したゲームであり、複数の変動図柄を当該表示装置に表示し、その各々を変動表示させた後、所定のタイミングでこれらの図柄が順次停止するように表示し、全ての図柄の停止表示が確定したときの図柄の組み合わせが所定の組み合わせとなったとき、大当たり状態が発生するというゲームである。
【0003】
なお、実際には、遊技球が始動口に入った際に大当たり状態を発生させるか否かを決定するための抽選が行われ、この抽選結果に基づいて可変表示ゲームで停止表示される図柄の組み合わせが決定され、決定された図柄の組み合わせが表示装置で表示されるのである。
【0004】
そして、可変表示ゲームが終了した後、大当たり状態が発生した場合、大入賞口の近傍に設けられたシャッタが作動することにより、大入賞口が開放状態となり、その後、大入賞口に予め設定されている数の遊技球(例えば、10球)が入ったときや、所定の期間を経過したときには、再びシャッタが作動することにより大入賞口が閉鎖状態となる。このような大当たり状態では、大入賞口が開放状態となってから閉鎖状態となるまでを1回とする大当たり遊技が、所定の回数(例えば、15回)だけ繰り返されることとなる。この大当たり遊技が行われている間には、大入賞口へ入れた遊技球の数に応じて、予め定められた数の遊技球の払い出しが行われるため、遊技者は多くの遊技球を獲得することができる。
【0005】
ところで、このようなパチンコ遊技機は、遊技者の射倖心を極端に煽ったり、遊技店(所謂パチンコホール)側で不正な利益を得たりすることがないように、出球率、すなわち、単位時間(1時間)あたりの遊技盤上に打ち出された遊技球の数に対する払い出された遊技球の数の割合が、所定の範囲内(例えば、30〜300%)に収まるように設計されている。
【0006】
しかし、設計上、出球率が所定の範囲内に収まっていたとしても、製造過程で遊技盤上に植設される複数の釘の微妙な位置関係等によって、入賞口や始動口等への遊技球の入り易さが異なることがあり、このような場合には、出球率にばらつきが生じてしまう。そこで、通常、パチンコ遊技機は、遊技店に供給される前に、試験場において出球率について検査されている。
このように、パチンコ遊技機が検査されることにより、極端に出球率が高くなったり低くなったりするようなパチンコ遊技機が遊技店に供給されることがなくなるため、遊技者に対して健全な遊技を提供することが可能になる。
【0007】
しかしながら、このような検査は、パチンコ遊技機を試験場まで搬送し、上記試験場において、実際に所定時間にわたって遊技を継続して行い、各パチンコ遊技機について、遊技盤上に打ち出された遊技球の数や、払い出された遊技球の数等を計測することにより結果を得ているため、検査が煩雑であり、検査を行う側の手間がかかってしまうという問題があった。
【0008】
また、上述したような検査は、例えば、試験場まで搬送するときの衝撃、温度や湿度等の変化、設置する場所の傾き等、予測し難い外乱によって、意外な結果となるおそれがあるため、パチンコ遊技機を製造する遊技機メーカは、検査に対する準備のために大変な労力を要しなければならなかった。
【0009】
さらに、遊技盤上に植設された複数の釘は、遊技店側で、その傾き等を調整することが可能であるため、上述したような検査を行っていたとしても、遊技店側において、ある程度であれば出球率を調整することが可能である。
そのため、遊技店側の思惑によっては、パチンコ遊技機の出球率が極端に高くされたり、低くされたりするおそれがあり、そのような行為が行われた場合には、遊技者に対して健全な遊技を提供することが困難になるという問題があった。
【0010】
一方、上述した通常の抽選方法を用いた遊技方法と異なり、始動口に遊技球が入ると、大当たりを発生させるか否かを決定するための抽選(以下、第1抽選という)が行われ、また、打ち出された遊技球が所定数(例えば、10球)を超えると、当たりフラグをセットするか否か、すなわち大当たり状態を発生させるか否かを決定する抽選(以下、第2抽選という)が行われる遊技方法がある。
【0011】
このような遊技方法では、第1抽選に当選すると大当たりの権利Aを獲得することとなり、第2抽選に当選すると大当たり状態を発生させる権利Bを獲得することとなる。そして、権利Bが発生した(当たりフラグがセットされた)ときに権利Aが存在すると大当たり状態となり、また、当たりフラグがセットされている状態で、権利Aが発生すると大当たり状態となる。なお、大当たりの権利Aは、複数個ストックすることができ、当たりフラグがセットされたときに、複数の大当たりの権利Aが存在すると、その全てにつき、大当たり状態が発生するのである。
【0012】
具体的には、始動口に遊技球が入った際に第1抽選が行われ、大当たりの権利Aが発生するか否かが決定される。大当たりの権利Aが発生すると、第2抽選に基づく当たりフラグがセットされた状態であるか否かが判断され、当たりフラグがセットされていると、大当たり状態が発生する。
【0013】
また、第2抽選に基づく当たりフラグがセットされていない状態で、第1抽選に当選した際には、権利Aがストックされ、さらに第1抽選に当選すると権利Aのストック数が増加する。すなわち、当たりフラグがセットされていない状態で、第1抽選に当選すると、当選するごとに権利Aのストック数が加算されるのである。
【0014】
第2抽選に当選した際には、第1抽選に基づく大当たりの権利Aが存在するか否かが判断される。権利Aがストックされている場合、そのストック数全てに応じた大当たり状態が発生する。
【0015】
上述した遊技方法を用いたパチンコ遊技機によれば、その時点での権利Aのストック数の全てに応じて、大当たり遊技を行う時間が延長される。そのため、遊技者は、たとえ、始動口に入る遊技球の数が少ない状態であっても、遊技球を打ち出している限りは一度に相当量の出球を獲得できる可能性があり、上述した通常の抽選方法を用いたパチンコ遊技機よりも大きな期待感を抱きながら遊技を楽しむことができる。
【0016】
しかしながら、上述したような2種類の抽選結果を用いる遊技方法では、第2抽選に基づいて当たりフラグがセットされるまで、権利Aのストック数が際限なく累増する場合がある。そのような場合、大当たり状態が発生した際に、莫大な出球数が払い出される可能性があり、ひいては設計上定められた規定出球率をはるかに超える可能性もあるため、出球率を上限値から下限値までの範囲内に収まるようにする対策が必要とされていた。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、例えば、出球率等の検査を省略し、抜き打ち検査のみで対応可能とする等の方法をとることが可能であるため、検査の負担を軽減することができ、さらに、遊技者に対して健全な遊技を提供することができる遊技機、記憶媒体及びサーバを提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】
以上のような目的を達成するために、本発明は、所定の条件が満たされたことを受けて、大当たりを発生させるか否かを決定する遊技状態決定手段と、上記大当たりに基づいて、所定の利益及び/又は有利な状態の提供を行う大当たり実行手段とを備えるとともに、
遊技に用いられた遊技媒体の数を得るための投入遊技媒体数計測手段と、払い出される遊技媒体の数を得るための払出遊技媒体数計測手段と、これらの数から遊技媒体の数に関する数値を算出する算出手段とを具備する遊技機であって、
上記大当たりは、特定の発動条件が満たされなくても、所定のタイミングで所定の利益及び/又は有利な状態の提供が行われる第一大当たりと、上記発動条件が満たされるまで、所定の利益及び/又は有利な状態の提供が保留される第二大当たりとからなり、
上記遊技状態決定手段は、上記算出手段により得られた数値が、予め定められた上限値を基準とした所定の範囲内になったときには、上記第二大当たり又ははずれのみを発生させ、
上記大当たり実行手段は、すでに発生している少なくとも一の第二大当たりに基づき、保留された所定の利益及び/又は有利な状態を提供する際には、
上記遊技媒体の数に関する数値又は当該数値の変化に応じて、上記遊技媒体の数に関する数値が上限値を超えないように、全ての上記第二大当たりに基づき、上記所定の利益及び/又は有利な状態を連続的に提供することを特徴とする。
【0019】
より具体的には、本発明は、以下のようなものを提供する。
(1)所定の条件が満たされたことを受けて、大当たりを発生させるか否かを決定する遊技状態決定手段と、上記大当たりに基づいて、所定の利益及び/又は有利な状態の提供を行う大当たり実行手段とを備えるとともに、
遊技に用いられた遊技媒体の数を得るための投入遊技媒体数計測手段と、払い出される遊技媒体の数を得るための払出遊技媒体数計測手段と、これらの数から遊技媒体の数に関する数値を算出する算出手段とを具備する遊技機であって、
上記大当たりは、特定の発動条件が満たされなくても、所定のタイミングで所定の利益及び/又は有利な状態の提供が行われる第一大当たりと、上記発動条件が満たされるまで、所定の利益及び/又は有利な状態の提供が保留される第二大当たりとからなり、
上記遊技状態決定手段は、上記算出手段により得られた数値が、予め定められた上限値を基準とした所定の範囲内になったときには、上記第二大当たり又ははずれのみを発生させ、
上記大当たり実行手段は、すでに発生している少なくとも一の第二大当たりに基づき、保留された所定の利益及び/又は有利な状態を提供する際には、
上記遊技媒体の数に関する数値又は当該数値の変化に応じて、上記遊技媒体の数に関する数値が上限値を超えないように、全ての上記第二大当たりに基づき、上記所定の利益及び/又は有利な状態を連続的に提供することを特徴とする。
【0020】
(1)の発明によれば、遊技媒体の数に関する数値が、予め定められた上限値を基準として所定の範囲内になったときに、直ぐに所定の利益等が提供される第一大当たりが発生せず、所定の利益等の提供が保留される第二大当たり又ははずれのみが発生するので、第一大当たりの発生に基づき、多量の遊技媒体が払い出されることはなく、この多量の遊技媒体の払い出しに起因する大当たり状態となった場合の遊技媒体の数に関する数値の急激な上昇を抑制することができ、遊技媒体の数に関する数値が上限値を超えないようにすることができる。また、遊技媒体の数に関する数値又は遊技媒体の数に関する数値の変化に応じて、すでに発生している第二大当たりに基づき、保留された所定の利益及び/又は有利な状態が提供されるので、第二大当たりの発生に伴う急激な遊技媒体の数に関する数値の変化があった場合であっても、遊技媒体の数に関する数値を上限値から下限値までの範囲内に収まるようにすることができ、試験場において行う遊技媒体の数に関する数値の検査を省略することが可能であり、例えば、抜き打ち検査のみで対応可能とすることができる。
また、遊技機の軽微な調整等が行なわれた場合であっても、上述のように、遊技媒体の数に関する数値が上限値から下限値までの範囲内に収まるようにするため、上限値を超えたり下限値を下回ったりすることが殆どなく、遊技者に対して健全な遊技を提供することができる。
【0021】
さらに、発生した全ての第二大当たりに基づいて、所定の利益及び/又は有利な状態の提供を連続的に行うので、遊技媒体の数に関する数値が低下し、下限値に近づいている場合であっても、遊技媒体の数に関する数値を大幅に上昇させることが可能であり、遊技媒体の数に関する数値が下限値を下回ることをより確実に防止することができる。なお、発生した第二大当りは、複数であってもよく、1個であってもよい。
【0022】
本発明は、さらに以下のようなものを提供する。
(2)上記算出手段は、上記投入遊技媒体数計測手段及び上記払出遊技媒体数計測手段により得られた数から、遊技に用いられた遊技媒体の数と、払い出された遊技媒体の数との差を算出する。
【0023】
(2)の発明によれば、遊技媒体に関する数値として、遊技に用いられた遊技媒体の数と、払い出された遊技媒体の数との差を得ることができる。そして、遊技に用いられた遊技媒体の数と、払い出された遊技媒体の数との差が上限値を基準とした所定範囲内に入ったとき、第二大当たり又ははずれのみを発生させるとともに、遊技媒体の数に関する数値又は遊技媒体の数に関する数値の変化に応じて、すでに発生している第二大当たりに基づき保留された所定の利益及び/又は有利な状態が連続的に提供されるので、遊技に用いられた遊技媒体の数と、払い出された遊技媒体の数との差をより確実に上限値から下限値までの範囲内に収めることができる。このように、遊技に用いられた遊技媒体の数と、払い出された遊技媒体の数との差を上限値又は下限値を基準とした所定範囲内に収めることができれば、出球率等についても、概ね上限値又は下限値を基準とした所定範囲内に収めることができ、これにより、試験場において行われる出球率等の検査を省略することが可能となり、例えば、抜き打ち検査のみで対応可能とすることができる。
【0024】
本発明は、さらに以下のようなものを提供する。
(3)上記算出手段は、上記投入遊技媒体数計測手段及び上記払出遊技媒体数計測手段により得られた数から、遊技に用いられた遊技媒体の数に対する払い出された遊技媒体の数の割合を算出する。
【0025】
(3)の発明によれば、遊技媒体に関する数値として、遊技に用いられた遊技媒体の数に対する、払い出された遊技媒体の数の割合を得ることができる。そして、遊技に用いられた遊技媒体の数に対する、払い出された遊技媒体の数の割合が上限値を基準とした所定範囲内に入った際、第二大当たり又ははずれのみを発生させるとともに、遊技媒体の数に関する数値又は遊技媒体の数に関する数値の変化に応じて、すでに発生している第二大当たりに基づき保留された所定の利益及び/又は有利な状態が連続的に提供されるので、遊技に用いられた遊技媒体の数に対する払い出された遊技媒体の数の割合をより確実に上限値から下限値までの範囲内に収めることができる。このようにすることにより、試験場において行われる出球率等の検査を省略することが可能となり、例えば、抜き打ち検査のみで対応可能とすることができる。
【0026】
本発明は、以下のものを提供する。
(4)遊技盤に設けられ、複数の変動図柄の変動表示が開始されてから、複数の変動図柄が停止表示されるまでを1回のゲームとする可変表示ゲームを示す画面画像が表示される表示部と、
遊技球が入ったことを受けて大当たり又ははずれが発生するとともに、可変表示ゲームが開始される始動口とを備え、さらに、
打ち出された遊技球の数を得るための打出遊技球計測手段と、払い出された遊技球の数を得るための払出遊技球計測手段と、これらの数から出球率を算出する出球率算出手段とを具備する遊技機であって、
上記大当たりは、上記可変表示ゲームが終了した直後に所定の利益及び/又は有利な状態を提供する第一大当たりと、
上記可変表示ゲームが終了した際に所定の利益及び/又は有利な状態の提供が保留される第二大当たりとからなり、
上記出球率算出手段により得られた出球率が、予め定められた上限値を基準として所定の範囲内になったときには、上記第二大当たり又ははずれのみが発生するとともに、
すでに発生している第二大当たりに基づき、保留された所定の利益及び/又は有利な状態を提供する際には、
上記出球率又は出球率の変化に応じて、上記出球率が予め定められた上限値を超えないように、全ての上記第二大当たりに基づき、上記所定の利益及び/又は有利な状態を連続的に提供することを特徴とする。
【0027】
(4)の発明によれば、出球率が、予め定められた上限値を基準として所定の範囲内になったときに、直ぐに所定の利益等が提供される第一大当たりが発生せず、所定の利益等の提供が保留される第二大当たり又ははずれのみが発生するので、第一大当たりの発生に基づき、多量の遊技球が払い出されることはなく、この多量の遊技球の払い出しに起因する大当たり状態となった場合の出球率の急激な上昇を抑制することができ、出球率が上限値を超えないようにすることができる。また、出球率又は出球率の変化に応じて、すでに発生している第二大当たりに基づき、保留された所定の利益及び/又は有利な状態が提供されるので、第二大当たりの発生に伴う急激な出球率の変化があった場合であっても、出球率を上限値から下限値までの範囲内に収まるようにすることができ、試験場において行う出球率の検査を省略することが可能であり、例えば、抜き打ち検査のみで対応可能とすることができる。
また、遊技盤上に植設された複数の釘の傾き等が調整された場合であっても、上述のように、出球率が上限値から下限値までの範囲内に収まるようにするため、上限値を超えたり下限値を下回ったりすることが殆どなく、遊技者に対して健全な遊技を提供することができる。
【0028】
さらに、発生した全ての第二大当たりに基づいて、所定の利益及び/又は有利な状態の提供を連続的に行うので、出球率が低下し、下限値に近づいている場合であっても、出球率を大幅に上昇させることが可能であり、出球率が下限値を下回ることをより確実に防止することができる。なお、発生した第二大当りは、複数であってもよく、1個であってもよい。
【0029】
本発明は、さらに以下のものを提供する。
(5)端末機に、少なくとも遊技状況に応じて適宜、動画像、静画像又はこれらを組み合わせた画像を表示させる制御プログラムであって、
遊技盤画像、遊技球に相当する遊技球画像、複数の変動図柄の変動表示を開始させてから、複数の変動図柄を停止表示させるまでを1回のゲームとする可変表示ゲームを示す画面画像を含む表示部画像、並びに、上記遊技球画像がその画像と重なったとき、その画像内に遊技球画像が入ったと判断し、大当たり又ははずれを発生させるとともに、可変表示ゲームを開始させる始動口画像を表示させ、
上記端末機を、打ち出された遊技球の数を得るための打出遊技球計測手段と、払い出された遊技球の数を得るための払出遊技球計測手段と、これらの数から出球率を算出する出球率算出手段として機能させ、
上記大当たりを、上記可変表示ゲームを終了させた直後に所定の利益及び/又は有利な状態を提供させる第一大当たりと、上記可変表示ゲームを終了させた際に所定の利益及び/又は有利な状態の提供を保留させる第二大当たりとし、
上記出球率算出手段により得られた出球率が、予め定められた上限値から所定の範囲内になったときには、上記第二大当たり又ははずれのみを発生させるとともに、
すでに発生している第二大当たりに基づき、保留された所定の利益及び/又は有利な状態を提供する際には、
上記出球率又は出球率の変化に応じて、上記出球率が予め定められた上限値を超えないように、全ての上記第二大当たりに基づき、上記所定の利益及び/又は有利な状態を連続的に提供することを特徴とする。
【0030】
(5)の発明によれば、出球率が、予め定められた上限値を基準として所定の範囲内になったときに、第一大当たりを発生させず、第二大当たり又ははずれのみを発生させることにより、第一大当たりの発生に基づき、大当たり状態となった場合の出球率の急激な上昇を抑制することができる。
また、出球率又は出球率の変化に応じて、すでに発生している第二大当たりに基づき、保留された所定の利益及び/又は有利な状態が提供されることにより、第二大当たりの発生に伴う急激な出球率の変化があった場合であっても、出球率を上限値から下限値までの範囲内に収まるようにすることができ、試験場において行う出球率の検査を省略することが可能であり、例えば、抜き打ち検査のみで対応可能とすることができる。
また、遊技盤上に植設された複数の釘の傾き等が調整された場合であっても、上述のように、出球率が上限値から下限値までの範囲内に収まるようにするため、上限値を超えたり下限値を下回ったりすることが殆どなく、遊技者に対して健全な遊技を提供することが可能なプログラムを提供することができる。
【0031】
さらに、発生した全ての第二大当たりに基づいて、所定の利益及び/又は有利な状態の提供を連続的に行うので、出球率が低下し、下限値に近づいている場合であっても、出球率を大幅に上昇させることが可能であり、出球率が下限値を下回ることをより確実に防止することができる。なお、発生した第二大当りは、複数であってもよく、1個であってもよい。
【0032】
また、本発明は、以下のようなものを提供する。
(6)各端末機に、少なくとも遊技機の遊技状態を示す画像を表示させる制御を行うサーバであって、
遊技盤画像、遊技球に相当する遊技球画像、複数の変動図柄の変動表示を開始させてから、複数の変動図柄を停止表示させるまでを1回のゲームとする可変表示ゲームを示す画面画像を含む表示部画像、並びに、上記遊技球画像がその画像と重なったとき、その画像内に遊技球画像が入ったと判断し、大当たり又ははずれを発生させるとともに、可変表示ゲームを開始させる始動口画像を表示させ、
上記端末機を、打ち出された遊技球の数を得るための打出遊技球計測手段と、払い出された遊技球の数を得るための払出遊技球計測手段と、これらの数から出球率を算出する出球率算出手段として機能させる制御を端末機に対して行い、さらに、
上記大当たりを、上記可変表示ゲームを終了させた直後に所定の利益及び/又は有利な状態を提供させる第一大当たりと、上記可変表示ゲームを終了させた際に所定の利益及び/又は有利な状態の提供を保留させる第二大当たりとし、
上記出球率算出手段により得られた出球率が、予め定められた上限値から所定の範囲内になったときには、上記第二大当たり又ははずれのみを発生させるとともに、
すでに発生している第二大当たりに基づき、保留された所定の利益及び/又は有利な状態を提供する際には、
上記出球率又は出球率の変化に応じて、上記出球率が予め定められた上限値を超えないように、全ての上記第二大当たりに基づき、上記所定の利益及び/又は有利な状態を連続的に提供することを特徴とする。
【0033】
(6)の発明によれば、出球率が、予め定められた上限値を基準として所定の範囲内になったときに、第一大当たりを発生させず、第二大当たり又ははずれのみを発生させることにより、第一大当たりの発生に基づき、大当たり状態となった場合の出球率の急激な上昇を抑制することができる。
また、出球率又は出球率の変化に応じて、すでに発生している第二大当たりに基づき、保留された所定の利益及び/又は有利な状態が提供されることにより、第二大当たりの発生に伴う急激な出球率の変化があった場合であっても、出球率を上限値から下限値までの範囲内に収まるようにすることができ、試験場において行う出球率の検査を省略することが可能であり、例えば、抜き打ち検査のみで対応可能とすることができる。
また、遊技盤上に植設された複数の釘の傾き等が調整された場合であっても、上述のように、出球率が上限値から下限値までの範囲内に収まるようにするため、上限値を超えたり下限値を下回ったりすることが殆どなく、遊技者に対して健全な遊技を提供することが可能なサーバを提供することができる。
【0034】
さらに、発生した全ての第二大当たりに基づいて、所定の利益及び/又は有利な状態の提供を連続的に行うので、出球率が低下し、下限値に近づいている場合であっても、出球率を大幅に上昇させることが可能であり、出球率が下限値を下回ることをより確実に防止することができる。なお、発生した第二大当りは、複数であってもよく、1個であってもよい。
【0035】
[用語の定義等]
本明細書において、以下で用いる「識別情報」とは、文字、記号、絵柄又は模様等の視覚によって識別可能な情報をいう。
「変動表示」とは、識別情報が順次変化する場合、例えば、1つの識別情報である図柄「7」から他の識別情報である図柄「8」へ変化する場合や、図柄「9」から他の図柄「☆」へ変化する場合のほか、識別情報を表示し得る表示領域において1つの識別情報が表示されたままその識別情報が移動して表示されるような場合、例えば、1つの図柄「7」が表示領域内において表示されつつ移動する場合等を含む概念である。
【0036】
本明細書において、「遊技機」とは、特に限定されず、例えば、パチスロ遊技機、スロットマシン、パチンコ遊技機等をいう。
上記パチスロ遊技機は、一般的に、筐体正面の表示窓内に複数の図柄を変動表示する回転リールを複数配列して構成した機械的変動表示装置や、リール上の図柄を画面に表示する電気的変動表示装置を有するとともに、遊技者の操作により、上記変動表示装置を駆動制御して各リールを回転させるためのスタートレバーや、遊技者の操作により、各リールの回転を順次停止させるための停止ボタンを有する。
このパチスロ遊技機による遊技は、まず、遊技者が遊技用のメダル又はコイン(以下、単にメダルという)を投入することによって開始される。そして、遊技者のスタート操作に応じて変動表示装置を駆動制御して各リールを回転させることにより、図柄を変動表示させる。このとき、表示窓内に現れた各リールの図柄が特定の組み合わせ(入賞図柄)になった場合には、メダルを払い出すことによって遊技者に利益を付与する。
【0037】
このようなパチスロ遊技機においては、有効化された入賞ラインに沿って停止表示される図柄の組み合わせは、内部的な抽選処理(以下、内部抽選という)を行い、この抽選結果と遊技者の停止操作のタイミングとに基づいて決定されている。つまり、メダルが払い出される入賞が成立するためには、上述の内部抽選により入賞役に当選(以下、内部当選という)し、かつ、その内部当選した入賞役(以下、内部当選役という)の入賞成立を示す図柄組み合わせを有効ラインに停止できるタイミングで遊技者が停止操作を行うことが要求される。つまり、いくら内部当選したとしても、遊技者が、入賞成立を示す図柄組み合わせを有効ラインに停止できるタイミングで停止操作を行わなければ、入賞を成立させることができない。
【0038】
上述のようなパチスロ遊技機には、通常、一般遊技状態と、所定の入賞が成立したときに1回のメダルの払い出しに終わらず、所定期間の間、一般遊技状態よりも遊技者にとって条件のよい遊技状態(ボーナスゲーム)となる大当たり遊技状態とがある。上記一般遊技状態は、例えば「チェリー」や「ベル」といった入賞図柄に係る内部当選役(以下、小役と称する)に入賞することにより、所定枚数のメダルの払い出しが行われたり、再遊技をすることができる権利を得ることかできる遊技状態である。なお、上記再遊技の入賞が成立すると、入賞が成立した次のゲームにおいて、入賞が成立したゲームで投入したメダルの枚数と同数のメダルが既に投入された状態となるので、遊技者は、メダルを消費することなく遊技を行うことができる。
以下の説明においては、再遊技に入賞した場合、再遊技に入賞したゲームで投入したメダルの数と同数のメダルが払い出され、次のゲームにおいて、再遊技が入賞したゲームで投入したメダルの数と同数のメダルを投入してゲームを行うものとして扱う。
【0039】
一方、大当たり遊技状態には、ビッグボーナス(以下、「BB」という)遊技状態、レギュラーボーナス(以下、「RB」という)遊技状態といった複数の遊技状態があり、BB遊技状態におけるメダルの払い出し枚数は、通常、RB遊技状態におけるメダル払い出し枚数よりも多くなるように設定されている。
上記RB遊技状態においては、メダルを1枚賭けにして遊技を行い、所定の入賞図柄(例えば、「Replay−Replay−Replay」)が揃うことで、一般遊技状態と比較して多数のメダルが払い出されるゲームが、所定回数行われる。なお、上記RB遊技状態では、上記入賞図柄に係る入賞役が内部当選しやすい状態となっている。
また、上記BB遊技状態においては、所定回数の上記BB遊技状態のゲーム中に所定の入賞図柄(例えば、「Replay−Replay−Replay」)が揃うことでRB遊技状態への移行が発生する。そして、RB遊技状態が終了すると、BB遊技状態に移行する。
なお、上記RB遊技状態への移行は上記BB遊技状態中に所定回数(例えば、3回)発生する。これにより、遊技者は多くのメダルを獲得することができる。
【0040】
また、大当たり遊技状態に移行するための抽選方法として、上述した1種類の抽選方法により、大当たり遊技状態に移行するか否かを決定する抽選方法以外に、スタートレバーを操作することによって、大当たりを発生させるか否かを決定するための内部抽選が行われ、一方、行われたゲームが所定数(例えば、10ゲーム)を超えると、大当たり状態を発生させるか否かを決定するための抽選が行われる抽選方法もある。
【0041】
上記パチンコ遊技機とは、一般的に、遊技者が発射ハンドルを操作することにより、遊技盤内に遊技球を発射し、落下する過程で障害釘等に当たることにより、落下速度が抑えられたり、進行方向が変えられたりした遊技球が、遊技盤上に設けられた各種入賞口、始動口等に入ったときに、賞球として遊技球が払い出される遊技機である。
なお、上記パチンコ遊技機に関しては、後に図面を用いて詳細に説明することとする。
【0042】
「入賞口」とは、遊技球が入ることができるように遊技盤上に設けられた開口であり、この入賞口に遊技球が入ると、遊技球が所定の払出数(例えば、5球)で払い出される。
【0043】
本明細書において、始動口とは、遊技球が入ることができるように遊技盤上に設けられた開口であり、この始動口に遊技球が入ると、遊技球が所定の払出数(例えば、5球)で払い出されるとともに、パチンコ遊技機内に設けられた制御部において大当たりとなるか否かを決定する抽選が行われる。また、遊技盤上に設けられた表示装置において変動図柄が変動表示し、可変表示ゲームが開始される。上記入賞口と始動口との相違点は、遊技球が入ることにより大当たりとなるか否かを決定する抽選が行われるか否かであり、その他の構成要素等については同じであってもよく、異なっていてもよい。
なお、本明細書において、上記始動口は、上述した「入賞口」に含むものとし、大当たり状態が発生している間に所定の周期で断続的に開放状態となる大入賞口についても、上述した「入賞口」に含むものとする。ただし、遊技球が入ったことを受けて、大当たりとなるか否かを決定する抽選は行われるが、遊技球が入ったことのみにより遊技球が払い出されることのない始動口は、本発明に係るパチンコ遊技機に設けられた入賞口に該当しない。
【0044】
「遊技媒体」とは、上述したような遊技機の外部と内部との間で、遊技を行うために必要な遊技価値を媒介するものをいう。上記遊技媒体としては、例えば、遊技球、メダル、コイン、トークン等のほか、遊技者に付与された遊技価値の情報を記憶したカード等が挙げられる。
なお、以下の説明については、主にパチスロ遊技機やスロットマシンに関する事項について記載することとし、パチンコ遊技機に関する事項については、後に詳述することとする。
【0045】
「投入遊技媒体数」とは、遊技に用いられた遊技媒体の数をいい、例えば、パチスロ遊技機やスロットマシンにおいて、単位ゲーム数(100ゲーム)あたりに、遊技を行うために遊技機に投入されたメダルの枚数をいう。なお、上記パチスロ遊技機等が、クレジット機能を有するものである場合には、クレジットされたメダルの中から、一のゲームを行うために賭けられたメダルの枚数も上記投入遊技媒体数に含むものとする。
ここで、「クレジット機能」とは、予めメダルを投入して遊技価値として蓄積しておくか、又は、遊技媒体として付与されるメダルを遊技価値として蓄積しておくことにより、ゲームを開始する前に、遊技機にメダルを投入することなく、予め蓄積されている遊技価値を使用して遊技を行うことできる機能のことをいう。また、「一のゲーム」とは、遊技者がスタート操作を行ってから、全てのリールが停止するか、又は、遊技媒体の払い出しがなされるまでの期間において行われる遊技をいう。
【0046】
「投入遊技媒体数計測手段」とは、投入された遊技媒体の数を計測するための手段のことをいい、例えば、メダル投入口に投入されたメダルが通過するメダル取込径路に設置された投入メダル通過検出器や、上記投入メダル通過検出器からの検出信号を受信する制御部等は、投入遊技媒体数計測手段として機能する。
なお、上記投入メダル通過検出器としては、機械的なものであってもよく、メダルの通過を光で検知する透過式又は反射式の光センサによるものであってもよい。また、上記パチスロ遊技機等が、クレジット機能を有するものである場合は、クレジットされたメダルの中から、一のゲームを行うために賭けられたメダルの枚数に関する検出信号を制御部に送信する手段等についても、上記投入遊技媒体計測手段に含むものとする。
【0047】
「払出遊技媒体数」とは、払い出される遊技媒体の数をいい、例えば、パチスロ遊技機やスロットマシンにおいて、表示窓内に現れた各リールの図柄が、特定の組み合わせとなることにより、実際に払い出されたメダルの枚数をいう。なお、上記パチスロ遊技機等がクレジット機能を有するものである場合には、各リールの図柄が、特定の組み合わせとなること(以下、入賞ともいう)により、クレジットされたメダルの枚数についても上記投入遊技媒体数に含むものとする。
【0048】
「払出遊技媒体数計測手段」とは、払い出された遊技媒体の数を計測するための手段のことをいい、例えば、入賞が成立した場合に応じて、遊技者に対してメダルの払い出しを行うメダル払出装置に設置された払出メダル検出器や、上記払出メダル検出器からの検出信号を受信する制御部等は、払出遊技媒体数計測手段として機能する。
なお、上記パチスロ遊技機等が、クレジット機能を有するものである場合は、クレジットされたメダルの枚数に関する検出信号を制御部に送信する手段等についても、上記払出遊技媒体計測手段に含むものとする。
【0049】
「払出数」とは、上記パチスロ遊技機の場合は、RB遊技状態において入賞役に入賞した場合や、BB遊技状態や一般遊技状態において小役に入賞した場合に払い出されるメダルの数をいう。
以下の説明においては、RB遊技状態において、入賞により払い出されるメダルの数を、RB遊技状態における入賞の払出数ともいうこととする。一般遊技状態における小役の入賞と、BB遊技状態における小役の入賞とについても同様に、それぞれ、一般遊技状態における入賞の払出数、BB遊技状態における入賞の払出数ということとする。
BB遊技状態における入賞の払出数、RB遊技状態における入賞の払出数及び一般遊技状態における入賞の払出数は、特に限定されるものではなく、また、全ての払出数が同じであってもよく、異なっていてもよい。
【0050】
また、上記パチンコ遊技機の場合は、上述した入賞口や始動口に遊技球が入ったことを受けて、払い出される遊技球の数をいう。なお、始動口については、1つの遊技球が入ったことを受けて、遊技球が払い出されるように設定されていてもよく、払い出されないように設定されていてもよい。
以下の説明においては、入賞口に1つの遊技球が入ったことを受けて払い出される遊技球の数を、入賞口の払出数ともいうこととする。大入賞口と始動口とについても同様に、それぞれ大入賞口の払出数、始動口の払出数ということとする。入賞口の払出数、大入賞口の払出数及び始動口の払出数は、特に限定されるものではなく、また、全ての払出数が同じであってもよく、異なっていてもよい。
【0051】
「遊技媒体の数に関する数値」とは、上述した投入遊技媒体数や払出遊技媒体数に基づいて定められる数値をいい、例えば、投入遊技媒体数と払出遊技媒体数との差を算出した数値や、投入遊技媒体数に対する払出遊技媒体数の割合を算出した数値等を挙げることができる。また、遊技媒体の数に関する数値は、上記投入遊技媒体数及び上記払出遊技媒体数をも含むものとする。上記投入遊技媒体数及び上記払出遊技媒体数は、上記遊技媒体の数に関する数値を算出するための基になる情報であり、密接に関連するからである。
以下、遊技媒体の数に関する数値として、投入遊技媒体数と払出媒体数との差を算出した数値と、投入遊技媒体数に対する払出遊技媒体数の割合を算出した数値とについて説明するが、本発明において、遊技媒体の数に関する数値は、これらの数値に限定されるわけではない。
例えば、投入遊技媒体数及び払出遊技媒体数を基に算出することができる他の数値(具体的には、パチスロ遊技機におけるゲーム数等)についても、遊技媒体の数に関する数値ということができる。上述したように、上記遊技媒体の数に関する数値には、上記投入遊技媒体数及び払出遊技媒体数が含まれ、他の数値(パチスロ遊技機におけるゲーム数等)は、これらの投入遊技媒体数及び払出遊技媒体数を基に算出することができる数値だからである。
【0052】
「投入遊技媒体数と払出遊技媒体数との差を算出した数値」とは、例えば、上記パチスロ遊技機において、単位ゲーム数(例えば、100ゲーム)あたりに投入されたメダルの枚数に対する払い出されたメダルの枚数の差のことをいい、本明細書では、上記数値のことを差枚数ともいうこととする。
【0053】
ここで、単位ゲーム数(100ゲーム)あたりの、投入されるメダルの数をD(枚)、払い出されるメダルの数をE(枚)とした場合、差枚数W(枚)は下記(1)式を用いて算出することができる。
W=E−D・・・(1)
【0054】
なお、RB遊技状態における入賞の払出数をF(枚)、入賞回数をG(回)とする場合、RB遊技状態において、払い出されるメダルの数はF×G(枚)となる。
また、BB遊技状態における入賞の払出数をH(枚)とし、入賞回数をI(回)とし、また、BB遊技状態中に、RB遊技状態に移行する回数をL(回)とする場合、BB遊技状態において、払い出されるメダルの数は(H×I)+(F×G)×L(枚)となる。
【0055】
また、単位ゲーム数あたり、BB遊技状態及びRB遊技状態以外の一般遊技状態の場合に、払出数U(枚)の小役にV(回)入賞することとし、BB遊技状態がM(回)、RB遊技状態がN(回)発生することとする場合、払い出されるメダルの数Eは、下記(2)の式を用いて算出することができる。
E={(H×I)+(F×G)×L}×M+(F×G)×N+(U×V)・・・(2)
なお、BB遊技状態及び/又は一般遊技状態において、小役の種類が、複数種類存在する場合もあるが、ここでは、BB遊技状態及び一般遊技状態において、小役の種類が1種類であるとして説明している。
【0056】
また、払出数U(枚)の小役に入賞する回数V、BB遊技状態に当選する回数M、及び、RB遊技状態に当選する回数Nは、遊技者がゲームを開始することを受けて行なわれる抽選に当選する確率によるものであるが、当該抽選に当選する確率は予め定められている。
なお、遊技が行われていないときであれば、上記BB遊技状態に当選する回数M、及び、RB遊技状態に当選する回数Nは、パチスロ遊技機内部の設定を変更することにより調整可能である。
【0057】
上記差枚数は、単位ゲーム数(例えば、100ゲーム)ごとに、投入されたメダルの数Dと、払い出されたメダルの数Eとを測定して、投入された遊技球の数Dと、払い出された遊技球の数Eとから算出することが可能である。
また、上記差枚数は、以下のようにして算出することも可能である。
【0058】
例えば、10ゲームを行う際に投入されたメダルの数Dと、払い出されたメダルの数Eとを測定し、その後、10ゲームごとに、投入されたメダルの数D、D、・・・と、払い出されたメダルの数E、E、・・・とを測定していく。そして、100ゲーム経過後、すなわち、D10とE10とを測定したとき、D〜D10をDとし、E〜E10をEとして、単位ゲーム数(100ゲーム)あたりの差枚数を算出する。
その後、10ゲームを経過したとき、すなわち、D11とE11とを測定したとき、D〜D11をDとし、E〜E11をEとして、単位ゲーム数(100ゲーム)あたりの差枚数を算出するのである。
このように、10ゲームごとに100ゲームあたりの差枚数を算出した場合、100ゲームごとに、投入されたメダルの数Dと払い出されたメダルの数Eとを測定して差枚数を算出する方法と比べると、時間の間隔を細かくして差枚数を算出することができ、細かく算出した差枚数に基づいて、第二大当たり又ははずれのみを発生させるとともに、遊技媒体の数に関する数値又は遊技媒体の数に関する数値の変化に応じて、すでに発生している第二大当たりに基づき保留された所定の利益及び/又は有利な状態が連続的に提供されるので、差枚数をより確実に上限値から下限値の範囲内に収めることができる。
また、予め定められる差枚数の上限値又は下限値を基準とした所定の範囲としては、特に限定されるものではなく、適宜設定することができる。
【0059】
上記パチスロ遊技機において、上記差枚数を算出する方法としては、例えば、パチスロ遊技機内に設けられた制御部から送信する命令信号、すなわち、メダルを使用するための命令信号と、メダルを払い出すための命令信号とに基づいて差枚数を算出する方法等を挙げることができる。
【0060】
上記パチンコ遊技機の場合、「投入遊技媒体数と払出遊技媒体数との差を算出した数値」とは、例えば、単位時間(1時間)あたりの遊技盤上に打ち出される遊技球と払い出される遊技球の数との差をいう。なお、本明細書では、上記数値のことを差球数ともいうこととする。
【0061】
単位時間(1時間)あたりの遊技盤上に打ち出される遊技球の数をA(球)、払い出される遊技球の数をB(球)とした場合、差球数X(球)は下記(3)式を用いて算出することができる。
X=B−A(球)・・・(3)
なお、遊技盤上に打ち出される遊技球の数Aは、単位時間あたりの最大数が定められており、その数を超えて遊技盤上に遊技球を打ち出すことができないように設定されている。
【0062】
大当たり状態が発生しているときには、大入賞口が開放状態となってから、該大入賞口に予め設定されている数の遊技球が入るまで、又は、所定の期間が経過するまでを1回とする大当たり遊技が、複数回繰り返される。
大入賞口の払出数がJ球であるとき、K回繰り返される大当たり遊技の全てにおいて、大入賞口にL球の遊技球を入れることができた場合、払い出される遊技球の数は(J×L)×K球となる。
【0063】
なお、複数回繰り返される大当たり遊技により払い出される遊技球の数の合計の最大値を、賞球数(C)ということとすると、上述した例によれば、大入賞口がL球の遊技球を入れることにより閉鎖状態となる場合、賞球数(C)は(J×L)×Kとなる。
【0064】
また、入賞口の払出数がP球であり、始動口の払出数がQ球である場合、単位時間(1時間)あたりに、入賞口に遊技球がR回、始動口に遊技球がS回入るとし、大当たり状態がT回発生することとすると、払い出される遊技球の数Bは、下記(4)式を用いて算出することができる。
B={(J×L)×K}×T+(P×R)+(Q×S)・・・(4)
なお、大入賞口に遊技球が入る回数L、入賞口に遊技球が入る回数R、及び、始動口に遊技球が入る回数Sは、遊技盤に植設された複数の釘の位置関係により変化するものであり、遊技が行われていないときに、上記複数の釘の角度等を変更することにより、或る程度であれば調整することが可能である。
【0065】
また、大当たり状態が発生する回数Tは、始動口に遊技球が入ったことを受けて行われる抽選に当選する確率によるものであるが、当該抽選に当選する確率は予め定められている。また、大当たり状態が発生しているときに繰り返される大当たり遊技の回数Kについても、予め定められている。
【0066】
上記差球数は、単位時間(例えば、1時間)ごとに、打ち出された遊技球の数Aと、払い出された遊技球の数Bとを測定して、打ち出された遊技球の数Aと、払い出された遊技球の数Bとから算出することが可能である。
また、上記差球数は、以下のようにして算出することも可能である。
【0067】
例えば、10分間で打ち出された遊技球の数Aと、払い出された遊技球の数Bとを測定し、その後、10分ごとに、打ち出された遊技球の数A、A、・・・と、払い出された遊技球の数B、B、・・・とを測定していく。そして、1時間を経過したとき、すなわち、AとBとを測定したとき、A〜AをAとし、B〜BをBとして、単位時間(1時間)あたりの差球数を算出する。
その後、10分を経過したとき、すなわち、AとBとを測定したとき、A〜AをAとし、B〜BをBとして、単位時間(1時間)あたりの差球数を算出するのである。
このように、10分ごとに1時間あたりの差球数を算出した場合、1時間ごとに、打ち出された遊技球の数Aと払い出された遊技球の数Bとを測定して差球数を算出する方法と比べると、時間の間隔を細かくして差球数を算出することができ、細かく算出した差球数に基づいて、第二大当たり又ははずれのみを発生させるとともに、遊技媒体の数に関する数値又は遊技媒体の数に関する数値の変化に応じて、すでに発生している第二大当たりに基づき保留された所定の利益及び/又は有利な状態が連続的に提供されるので、差球数をより確実に上限値から下限値の範囲内に収めることができる。
また、予め定められる差球数の上限値又は下限値を基準とした所定の範囲としては、特に限定されるものではなく、適宜設定することができる。
【0068】
上記パチンコ遊技機において、上記差球数を算出する方法としては、例えば、実際に、遊技盤上に打ち出される遊技球を検知することができるセンサと、払い出される遊技球を検知することができるセンサとを設け、それぞれのセンサが検知した遊技球の数に基づいて、差球数を算出する方法(以下、遊技球を検知して差球数を算出する方法ともいう)や、パチンコ遊技機内に設けられた制御部から送信する命令信号、すなわち、遊技盤上に遊技球を打ち出すための命令信号と、遊技球を払い出すための命令信号とに基づいて差球数を算出する方法(以下、制御部内のみで差球数を算出する方法ともいう)等を挙げることができる。
【0069】
「投入遊技媒体数に対する払出遊技媒体数の割合を算出した数値」とは、例えば、上記パチスロ遊技機において、単位ゲーム数(例えば、100ゲーム)あたりに投入されたメダルの枚数に対する払い出されたメダルの枚数の割合のことをいい、本明細書では、上記数値のことを払戻率ともいうこととする。
また、上記パチンコ遊技機における「投入遊技媒体数に対する払出遊技媒体数の割合を算出した数値」は、例えば、単位時間(1時間)あたりの遊技盤上に打ち出される遊技球の数に対する払い出される遊技球の数の割合のことをいい、本明細書では上記数値のことを出球率ということとする。なお、出球率については、後の記載において詳述することとする。
【0070】
単位ゲーム数(100ゲーム)あたりの、投入されるメダルの数をD(枚)、払い出されるメダルの数をE(枚)とした場合、払戻率Z(%)は下記(5)式を用いて算出することができる。
Z=(E/D)×100(%)・・・(5)
なお、単位ゲーム数あたりに投入されるメダルの数Dは、一のゲームに使用するメダルの数を一定枚数(例えば、3枚)にすることにより、常に一定数以下とすることができる。
【0071】
なお、単位ゲーム数あたりに払い出されるメダルの数Eは、上述した(2)式により求めることができる。
【0072】
上記払戻率は、単位ゲーム数(例えば、100ゲーム)ごとに、投入されたメダルの数をD、払い出されたメダルの数をEとを測定して、投入されたメダルの数Dと、払い出されたメダルの数Eとから算出することが可能である。
また、上記払戻率は、以下のようにして算出することも可能である。
【0073】
例えば、最初の10ゲームで投入されたメダルの数Dと、払い出されたメダルの数Eとを測定し、その後、10ゲームごとに、投入されたメダルの数D、D、・・・と、払い出された遊技球の数E、E、・・・とを測定していく。そして、100回遊技が行われたとき、すなわち、D10とE10とを測定したとき、D〜D10をとし、E〜E10をEとして、単位ゲーム数(100ゲーム)あたりの払戻率を算出する。その後、10ゲーム遊技が行われたとき、すなわち、D11とE11とを測定したとき、D〜D11をDとし、E〜E11をEとして、単位ゲーム数(100ゲーム)あたりの払戻率を算出するのである。
このように、10ゲームごとに100ゲームあたりの払戻率を算出した場合、100ゲームごとに、投入されたメダルの数Dと払い出されたメダルの数Eとを測定して払戻率を算出する方法と比べると、時間の間隔を細かくして払戻率を算出することができ、細かく算出した払戻率に基づいて、第二大当たり又ははずれのみを発生させるとともに、遊技媒体の数に関する数値又は遊技媒体の数に関する数値の変化に応じて、すでに発生している第二大当たりに基づき保留された所定の利益及び/又は有利な状態が連続的に提供されるので、払戻率をより確実に上限値から下限値の範囲内に収めることができる。
また、予め定められる払戻率の上限値又は下限値を基準とした所定の範囲としては、特に限定されるものではなく、適宜設定することができる。
【0074】
本発明において、上記払戻率を算出する方法としては、例えば、パチスロ遊技機内に設けられた制御部から送信する命令信号、すなわち、メダルを使用するための命令信号と、メダルを払い出すための命令信号とに基づいて差枚数を算出する方法等を挙げることができる。
【0075】
「出球率」とは、単位時間(1時間)あたりの遊技盤上に打ち出される遊技球の数に対する払い出される遊技球の数の割合をいう。
単位時間(1時間)あたりの遊技盤上に打ち出される遊技球の数をA(球)、払い出される遊技球の数をB(球)とした場合、出球率X(%)は下記(6)式を用いて算出することができる。
X=(B/A)×100(%)・・・(6)
なお、遊技盤上に打ち出される遊技球の数Aは、単位時間あたりの最大数が定められており、その数を超えて遊技盤上に遊技球を打ち出すことができないように設定されている。
また、単位時間(1時間)あたりに払い出される遊技球の数(B)は、上述した(4)式により求めることができる。
【0076】
上記出球率は、単位時間(例えば、1時間)ごとに、打ち出された遊技球の数Aと、払い出された遊技球の数Bとを測定して、打ち出された遊技球の数Aと、払い出された遊技球の数Bとから算出することが可能である。
また、上記出球率は、以下のようにして算出することも可能である。
【0077】
例えば、10分間で打ち出された遊技球の数Aと、払い出された遊技球の数Bとを測定し、その後、10分ごとに、打ち出された遊技球の数A、A、・・・と、払い出された遊技球の数B、B、・・・とを測定していく。そして、1時間を経過したとき、すなわち、AとBとを測定したとき、A〜AをAとし、B〜BをBとして、単位時間(1時間)あたりの出球率を算出する。
その後、10分を経過したとき、すなわち、AとBとを測定したとき、A〜AをAとし、B〜BをBとして、単位時間(1時間)あたりの出球率を算出するのである。
このようにした場合、1時間ごとに、打ち出された遊技球の数Aと払い出された遊技球の数Bとを測定して出球率を算出する方法と比べると、時間の間隔を細かくして出球率を算出することができ、細かく算出した出球率に基づいて、第二大当たり又ははずれのみを発生させるとともに、遊技媒体の数に関する数値又は遊技媒体の数に関する数値の変化に応じて、すでに発生している第二大当たりに基づき保留された所定の利益及び/又は有利な状態が連続的に提供されるので、出球率をより確実に上限値から下限値の範囲内に収めることができる。
【0078】
また、予め定められる出球率の上限値又は下限値を基準とした所定の範囲としては、特に限定されるものではなく、出球率の下限値が30%、上限値が300%である場合は、例えば、上限値を基準とした所定範囲を270〜300%、下限値を基準とした所定範囲を30〜35%等とすることができる。
【0079】
本発明に係るパチンコ遊技機において、上記出球率を算出する方法としては、例えば、実際に、遊技盤上に打ち出される遊技球を検知することができるセンサと、払い出される遊技球を検知することができるセンサとを設け、それぞれのセンサが検知した遊技球の数に基づいて、出球率を算出する方法(以下、遊技球を検知して出球率を算出する方法ともいう)や、パチンコ遊技機内に設けられた制御部から送信する命令信号、すなわち、遊技盤上に遊技球を打ち出すための命令信号と、遊技球を払い出すための命令信号とに基づいて出球率を算出する方法(以下、制御部内のみで出球率を算出する方法ともいう)等を挙げることができる。なお、遊技球を検知して出球率を算出する方法、及び、制御部内のみで出球率を算出する方法については、後述することとする。
【0080】
「大当たり」とは、遊技者に所定の利益及び/又は有利な状態を提供する権利をいい、後述する第一大当たりと第二大当たりとを含む。
上記パチスロ遊技機において、上記大当たりとは、遊技者がスタートレバーを操作したことを受けてパチスロ遊技機の制御部において行なわれる抽選の結果により発生する権利であり、遊技においてその権利を得た遊技者は、将来的に当該権利に基づいて、所定の利益及び/又は有利な状態の提供を受けることができる。
【0081】
また、上記パチンコ遊技機において、上記大当たりは、始動口に1つの遊技球が入ったことを受けてパチンコ遊技機内の制御部において行われる抽選の結果により発生する権利であり、遊技においてその権利を得た遊技者は、将来的に当該権利に基づいて、所定の利益及び/又は有利な状態の提供を受けることができる。
【0082】
「遊技状態決定手段」とは、将来的に起こり得る遊技状態を決定するための手段、すなわち、大当たりやはずれ等を発生させるか否か決定するための手段のことをいい、例えば、上記パチスロ遊技機において、遊技者がスタートレバーを操作した際に行なわれるコンピュータによる内部抽選を行なう制御部等は、遊技状態決定手段として機能する。
【0083】
また、上記パチンコ遊技機において、例えば、始動口に遊技球が入った際に行なわれるコンピュータによる内部抽選を行なう制御部等は、遊技状態決定手段として機能する。
なお、上記遊技状態には、通常、一般遊技状態と大当たり遊技状態とがあり、上記大当たり状態には、後述する第一大当たり状態と第二大当たり状態とがある。
【0084】
また、上記内部抽選は、例えば、遊技機内に設けられた制御部等のROM(ReadOnly Memory)等に、予め、乱数に対応して、大当たり、小役、及び、はずれのいずれか1を発生させることについて定めた確率テーブルを記憶しておき、上記制御部等のRAM(Random Access Memory)等に必要な確率テーブルを設定し、その後、上記制御部により乱数のサンプリングを行うこと等により行うことができる。
【0085】
「第一大当たり」とは、上記パチスロ遊技機の場合、上記大当たりのうち、所定のタイミングとなったことを受けて、遊技者に対して所定の利益及び/又は有利な状態を提供する権利をいい、従来のパチスロ遊技機において、遊技者が、変動表示された各リールを大当たりを示す図柄組み合わせで停止することができた場合に、RB遊技状態が発生する権利(以下、単にRBともいう)や、RB遊技状態が発生する権利(以下、単にBBともいう)に相当する。
【0086】
また、上記パチンコ遊技機において、上記第一大当たりとは、始動口に遊技球が入ったことを受けて開始される可変表示ゲームが終了した直後に、遊技者に対して所定の利益及び/又は有利な状態を提供する権利をいい、従来のパチンコ遊技機における通常の大当たりに相当する。
しかしながら、保留され得る可変表示ゲームの上限回数が予め定められているとともに、その回数を超えて可変表示ゲームが保留されないパチンコ遊技機において、保留された可変表示ゲームの回数が上記上限回数に達しているときに始動口に遊技球が入った場合は、可変表示ゲームが保留されないため、当該可変表示ゲームが終了した直後に所定の利益及び/又は有利な状態が提供される権利である第一大当たりは発生しない。
【0087】
「所定のタイミング」とは、第一大当たりに基づく、所定の利益及び/又は有利な状態の提供が行なわれるタイミングをいい、上記パチスロ遊技機においては、通常、第一大当たりの発生後に、遊技者が停止操作を行なうことにより、変動表示されている各リールの図柄を、第一大当たりを示す図柄組み合わせで停止することができるタイミングをいう。
従って、上記パチスロ遊技機では、上記内部抽選により、第一大当たりが発生した場合であっても、遊技者が第一大当たりを示す図柄組合わせを有効ラインに停止できるタイミングで停止操作を行わなければ、第一大当たり状態を発生させることができない。
【0088】
すなわち、上記内部抽選により、第一大当たりの入賞役に当選することは、一般的に「内部当選」と呼ばれ、第一大当たりを示す図柄組み合わせが有効ライン上に揃うことが許可されただけである。従って、第一大当たり状態を発生させるためには、変動表示されている図柄を有効ライン上に停止することができるタイミング(通常は4コマ以内)で操作すること、いわゆる「目押し」が必要であり、このタイミングで停止操作を行わなければ、第一大当たりが発生しているにも関わらず第一大当たり状態が発生しない。
本明細書では、このような状態を「図柄はずれ」といい、上記内部抽選で第一大当たり、第二大当たり等の大当たりを発生させる入賞役や、小役の入賞役以外が抽選された場合の「はずれ」とは区別することとする。なお、上記パチスロ遊技機では、通常、第一大当たりが発生している状態を以後のゲームに持ち越すことができるようになっている。
また、上記内部抽選において、小役の入賞役に当選した場合についても、同様に「目押し」が必要となる。
【0089】
さらに、上記パチンコ遊技機において、上記所定のタイミングは、一般的に、可変表示ゲームが終了した直後であり、このようなタイミングで、上記第一大当たりに基づく、所定の利益及び/又は有利な状態の提供が行なわれる。
また、上記パチンコ遊技機において、「はずれ」とは、上述した内部抽選の結果、上記第一大当たりや後述する第二大当たり等の大当たり以外が抽選された場合のことをいう。
以下の説明において、第一大当たりに基づいて所定の利益及び/又は有利な状態が提供されている状態を、第一大当たり状態ともいうこととする。
【0090】
「第二大当たり」とは、上記パチスロ遊技機の場合、遊技者がスタートレバーを操作したことを受けて行なわれる内部抽選に当選した場合に、特定の条件を満たすまで、遊技者に対して所定の利益及び/又は有利な状態を提供が保留される権利をいう。
従って、上記パチスロ遊技機においては、上記遊技状態決定手段により、第二大当たりの入賞役に当選し、かつ、遊技者が第二大当たりを示す図柄組み合わせを有効ライン上に停止することができた場合であっても、特定の条件が満たされていないときは、第二大当たり状態の発生が保留されることとなる。
なお、上述のように、第二大当たりは発生しているが、特定の条件が満たされていない場合には、制御部により、各リールを停止制御して、第二大当たりを示す図柄組み合わせに停止しないようにすることにより、遊技者に対して所定の利益及び/又は有利な状態を提供が保留することとしてもよい。
【0091】
なお、上述した第一大当たり、第二大当たり及びはずれは、一のパチスロ遊技機において、同時に1つのみ発生するものではなく、複数発生し得るものである。例えば、遊技者がスタートレバーを操作したことを受けて、第二大当たりが発生し、上記第二大当たりが保留されている間に、次のゲームが開始され、内部抽選が行なわれた結果、第一大当たりが発生し、遊技者の停止操作により第一大当たりを示す図柄組み合わせに停止せず、さらに、その後に開始されるゲームにおいて、内部抽選の結果がはずれとなったとき、はずれが発生する場合がある。このとき、第一大当たり、第二大当たり及びはずれが同時に発生していることになる。
【0092】
さらに、その後に開始されるゲームで、遊技者の停止操作により、各リールが第一大当たりを示す図柄組み合わせで停止すると、以前のゲームにおいて発生した第一大当たりに基づいて第一大当たり状態が発生する。
上記第一大当たり状態が終了しても、第二大当たり状態の発生が保留されることになるため、第二大当たり状態は発生せず、第二大当たり状態の発生が保留されている間に、開始されるゲームにおいて、内部抽選の結果がはずれとなった場合には、第二大当たり及びはずれが同時に発生していることになる。
その後、上記はずれに基づいてはずれ状態が発生したとき、第二大当たりのみが発生していることになる。
そして、特定の発動条件で、上記第二大当たりに基づいて第二大当たり状態が発生する。
【0093】
一方、上記パチンコ遊技機において、上記第二大当たりとは、始動口に1つの遊技球が入ったことを受けて開始される可変表示ゲームが終了した際に所定の利益及び/又は有利な状態の提供が保留される権利をいう。
以下の説明において、第二大当たりに基づいて所定の利益及び/又は有利な状態が提供されている状態を、第二大当たり状態ともいうこととする。
【0094】
なお、上述した第一大当たり、第二大当たり及びはずれは、一のパチンコ遊技機において、同時に1つのみ発生するものではなく、複数発生し得るものである。例えば、遊技球Aが始動口に入ったことを受けて可変表示ゲームAが実行されている間に、始動口に3つの遊技球B、C及びDが入った場合、3つの遊技球B、C及びDに対応する3回の可変表示ゲームB、C及びDが保留されるとともに、遊技球Bが入ったことを受けて第一大当たりが発生し、遊技球Cが入ったことを受けて第二大当たりが発生し、遊技球Dが入ったことを受けてはずれが発生することがある。このとき、第一大当たり、第二大当たり及びはずれが同時に発生していることになる。
【0095】
その後、可変表示ゲームAが終了し、さらに、その後に開始される可変表示ゲームBが終了すると、遊技球Bが入ったことを受けて発生した第一大当たりに基づいて第一大当たり状態が発生する。
上記第一大当たり状態が終了した後、可変表示ゲームCが開始されるのであるが、第二大当たりは、可変表示ゲームが終了した際に第二大当たり状態の発生が保留されることになるため、可変表示ゲームCが終了しても、第二大当たり状態は発生せず、可変表示ゲームDが開始される。このとき、第二大当たり及びはずれが同時に発生していることになる。
その後、可変表示ゲームDが終了し、遊技球Dが入ったことを受けて発生したはずれに基づいてはずれ状態が発生し、当該はずれ状態が終了して可変表示ゲームA〜Dが終了する。このとき、第二大当たりのみが発生していることになる。
そして、特定の発動条件で、上記第二大当たりに基づいて第二大当たり状態が発生する。
【0096】
「特定の発動条件」とは、発生した第二大当たりに基づいて、第二大当たり状態を発動させるための条件をいう。上記パチスロ遊技機において、上記特定の発動条件としては、例えば、払戻率が下限値を基準として所定の範囲内にあること等の条件が挙げられる。このような条件を設定することにより、払戻率が下限値を下回らないようにすることができ、払戻率を上限値から下限値の範囲内に収めることが可能となるからである。
【0097】
他の発動条件としては、例えば、上記パチスロ遊技機の停止ボタンが、左リール停止用、中リール停止用、右リール停止用の三種類である場合、その操作順序別に「左停止、中停止、右停止」、「左停止、右停止、中停止」、「右停止、左停止、中停止」、「中停止、右停止、左停止」、「中停止、左停止、右停止」の六種類の操作順序のうち、乱数抽選で決定された操作順序の通りに操作すること等の条件を挙げることができる。
また、上記パチスロ遊技機において行なわれるゲームにおいて、大当たり以外を示す図柄組み合わせで停止表示された回数が、特定の回数(例えば、1000回)に到達することを条件とすることができる。長時間にわたって大当たり状態(第一大当たり状態)が発生していない場合であっても、遊技の行方に期待感を抱かせることができるからであり、連続的に上記のような図柄で停止表示された回数が特定の回数に達したときには、第二大当たりに基づく第二大当たり状態を発生させることにより、遊技者のうんざり感を払拭させることができるという効果が得られる。
さらに、特定の発動条件として、抽選を行うこととし、当該抽選に当選した場合、第二大当たりに基づいて第二大当たり状態を発生させることとしてもよい。
【0098】
また、上記パチスロ遊技機では、第二大当たり状態において提供される所定の利益及び/又は有利な状態が、第一大当たり状態において提供される所定の利益及び/又は有利な状態と同じであってもよく、異なっていてもよい。
例えば、第一大当たり状態が、特定の入賞役が内部当選しやすい状態であるRB遊技状態やBB遊技状態とすることにより、遊技者に対して有利な状態を提供する状態であって、特定の図柄組み合わせが揃ったとき、予め定められた数のメダルを払い出すことにより、遊技者に対して所定の利益を提供する状態である場合、第二大当たり状態は、第一大当たり状態と同じ状態であってもよく、単に、所定の数のメダルを払い出し、遊技者に対して所定の利益を提供する状態であってもよい。
ただし、以下の説明において、第一大当たり状態と第二大当たり状態とにおいて提供される所定の利益及び/又は有利な状態は同じであるとし、また、特に両者を区別しない場合には、第一大当たり状態と第二大当たり状態とを、単に、大当たり状態ともいうこととする。
【0099】
また、上記パチスロ遊技機は、第二大当たりが発生した後、当該第二大当たりに基づく第二大当たり状態が発生する前に、遊技者に対して第二大当たりが発生したことを告知するように構成されていてもよい。遊技者に対して第二大当たりが発生したことを告知することにより、遊技者に対して将来的に大当たり状態(第二大当たり状態)が発生することを認識させることができるため、長時間にわたって大当たり状態(第一大当たり状態)が発生していない場合であっても、遊技の行方に期待感を抱かせることができるからである。
【0100】
遊技者に対して第二大当たりが発生したことを告知する方法としては、例えば、パチスロ遊技機に備えられた装飾ランプ等を点灯させる方法や、パチスロ遊技機に備えられたスピーカから第二大当たりが発生したことを告知する音を出力する方法や、停止表示される変動図柄の図柄の組み合わせにより告知する方法等を挙げることができる。
また、複数の第二大当たりを発生させ得るパチスロ遊技機であれば、例えば、パチスロ遊技機に備えられたLED表示装置等に、第二大当たりが発生している数に相当する数字を表示させることにより、第二大当たりが発生したことを告知することも可能である。
【0101】
上述した第二大当たりが発生したことを告知する方法のなかでは、停止表示される変動図柄の図柄の組み合わせにより告知する方法が望ましい。停止表示される変動図柄の図柄の組み合わせは、遊技者が最も注目するものの1つであり、停止表示される変動図柄の図柄の組み合わせで、第二大当たりが発生したことを告知することにより、遊技者に対して将来的に大当たり状態(第二大当たり状態)が発生することを、より確実に認識させることができるからである。
【0102】
また、上記パチンコ遊技機において、上記特定の発動条件としては、例えば、出球率が下限値を基準として所定の範囲内にあるときに、第二大当たり状態を発生させる場合等が挙げられる。このような場合、出球率が下限値を下回らないようにすることができ、出球率を上限値から下限値の範囲内に収めることが可能となるからである。
【0103】
他の発動条件としては、例えば、可変表示ゲームにおいて連続的にはずれ図柄で停止表示された回数が特定の回数(例えば、1000回)に到達するという条件や、遊技盤上に備えられた入賞口等に、特定の期間(例えば、5秒)内に、特定の数(例えば、2球)の遊技球を入れるという条件等を挙げることができる。長時間にわたって大当たり状態(第一大当たり状態)が発生していない場合であっても、遊技の行方に期待感を抱かせることができるからであり、連続的にはずれ図柄で停止表示された回数が特定の回数に達したときには、第二大当たりに基づく第二大当たりを発生させることにより、遊技者のうんざり感を払拭させることができるからである。
また、特定の発動条件として、抽選を行うこととし、当該抽選に当選した場合、第二大当たりに基づいて第二大当たり状態を発生させることとしてもよい。
【0104】
また、本発明に係るパチンコ遊技機において、第二大当たり状態において提供される所定の利益及び/又は有利な状態は、第一大当たり状態において提供される所定の利益及び/又は有利な状態と同じであってもよく、異なっていてもよい。例えば、第一大当たり状態が、遊技盤上に設けられた大入賞口を断続的に開放状態とすることにより、遊技球が入りやすくなるようにして遊技者に対して有利な状態を提供する状態であって、大入賞口に遊技球が入ったとき、予め定められた数の遊技球を払い出すことにより、遊技者に対して所定の利益を提供する状態である場合、第二大当たり状態は、第一大当たり状態と同じ状態であってもよく、単に、所定の数の遊技球を払い出し、遊技者に対して所定の利益を提供する状態であってもよい。
【0105】
また、本発明に係るパチンコ遊技機は、第二大当たりが発生した後、当該第二大当たりに基づく第二大当たり状態が発生する前に、遊技者に対して第二大当たりが発生したことを告知するように構成されていてもよい。遊技者に対して第二大当たりが発生したことを告知することにより、遊技者に対して将来的に大当たり状態(第二大当たり状態)が発生することを認識させることができるため、長時間にわたって大当たり状態(第一大当たり状態)が発生していない場合であっても、遊技の行方に期待感を抱かせることができるからである。
【0106】
遊技者に対して第二大当たりが発生したことを告知する方法としては、例えば、パチンコ遊技機に備えられた装飾ランプ等を点灯させる方法や、パチンコ遊技機に備えられたスピーカから第二大当たりが発生したことを告知する音を出力する方法や、可変表示ゲームにおいて停止表示される変動図柄の図柄の組み合わせにより告知する方法等を挙げることができる。
また、複数の第二大当たりを発生させ得るパチンコ遊技機であれば、例えば、パチンコ遊技機に備えられたLED表示装置等に、第二大当たりが発生している数に相当する数字を表示させることにより、第二大当たりが発生したことを告知することも可能である。
【0107】
上述した第二大当たりが発生したことを告知する方法のなかでは、可変表示ゲームにおいて停止表示される変動図柄の図柄の組み合わせにより告知する方法が望ましい。可変表示ゲームにおいて停止表示される変動図柄の図柄の組み合わせは、遊技者が最も注目するものの1つであり、停止表示される変動図柄の図柄の組み合わせで、第二大当たりが発生したことを告知することにより、遊技者に対して将来的に大当たり状態(第二大当たり状態)が発生することを、より確実に認識させることができるからである。
なお、可変表示ゲームにおいて停止表示される変動図柄の図柄の組み合わせにより、遊技者に対して第二大当たりが発生したことを告知する方法については、後で詳述することにする。
【0108】
「少なくとも一の第二大当たりに基づき、保留された所定の利益及び/又は有利な状態(以下、所定利益等ともいう)を提供する」とは、発生し得る第二大当たりが一のみである遊技機においては、その一の第二大当たりに基づいて所定利益等を提供することを意味し、複数の第二大当たりが発生し得る遊技機においては、発生した複数の第二大当たりの中から少なくとも一の第二大当たりに基づいて所定利益等を提供することを意味する。この場合、特定の一又は二以上の第二大当たりに基づいて所定利益等が提供されることにより、当該第二大当りは消滅するが、所定利益等の提供がなかった第二大当たりは、消滅せず、この後、残留した第二大当たりに基づいて所定の利益等が提供される。
なお、本発明の遊技機は、複数の第二大当たりが発生し得るように構成されていることが望ましい。遊技媒体の数に関する数値又は遊技媒体の数に関する数値の変化に応じて、第二大当たり状態を発生させる回数や時期等についても調整することにより、遊技媒体の数に関する数値を上限値から下限値までの範囲内に収まるようにするという本発明の効果をより顕著に発揮することができるからである。
【0109】
「遊技媒体の数に関する数値又は当該数値の変化に応じて、遊技媒体の数に関する数値が上限値を超えないように、所定の利益及び/又は有利な状態を提供する」とは、遊技媒体の数に関する数値と上限値との差や、遊技媒体の数に関する数値の変化等に関連付けて、所定の利益及び/又は有利な状態を提供することをいい、複数の第二大当たりが発生し得る遊技機においては、これらに関連付けて、第二大当たり状態を発生させる回数や時期等についても調整し、所定の利益及び/又は有利な状態を提供することをいう。
【0110】
「遊技媒体の数に関する数値に応じて」とは、例えば、上記パチスロ遊技機において、合計二つの第二大当たりが発生している場合に、差枚数又は払戻率が下限値を基準とした所定の範囲に入ったとき、一つの第二大当たりに基づいて、第二大当たり状態を一回発生させることとし、差枚数又は払戻率がさらに下限値に近づいたときには、二つの第二大当たりに基づいて、第二大当たり状態を二回発生させるというように、差枚数又は払戻率と上限値との差に関連付けて、段階的に第二大当たり状態を発生させる回数や第二大当たり状態を発生させる時期を調整することをいう。
このように、第二大当たり状態を発生させる回数や時期を調整することにより、過剰に差枚数又は払戻率が上昇して、差枚数又は払戻率が予め定められた上限値を超えてしまうことを防止することができるとともに、より効果的に差枚数又は払戻率を上昇させることができ、差枚数又は払戻率が予め定められた下限値を下回ることを回避することが可能となる。
【0111】
また、上記パチンコ遊技機の場合は、例えば、出球率の下限値が30%である場合に、下限値を基準とした所定の範囲を設定(例えば、30〜35%)し、出球率がその範囲内に入ったときに、発生した第二大当たりに基づき、第二大当たり状態を発生させることや、複数の第二大当たりが発生し得る遊技機においては、出球率の下限値が30%である場合に、出球率が50%になったときに、一つの第二大当たりに基づいて、第二大当たり状態を一回発生させ、出球率が40%になったときには、二つの第二大当たりに基づいて、第二大当たり状態を二回発生させるというように、出球率と上限値との差に関連付けて、段階的に第二大当たり状態を発生させる回数や第二大当たり状態を発生させる時期を調整することをいう。
このように、第二大当たり状態を発生させる回数や時期を調整することにより、過剰に差球数又は出球率が上昇して、差球数又は出球率が予め定められた上限値を超えてしまうことを防止することができるとともに、より効果的に差球数又は出球率を上昇させることができ、差球数又は出球率が予め定められた下限値を下回ることを回避することが可能となる。
【0112】
「遊技媒体の数に関する数値の変化」とは、例えば、X軸に経過時間、Y軸に遊技媒体の数に関する数値を表した場合のグラフにおけるグラフの傾きのことをいい、グラフの傾き(平均変化率)とは、遊技媒体の数に関する数値の変化量/経過時間の変化量のことをいう。なお、この遊技媒体の数に関する数値の変化は、一定時間毎に算出する遊技媒体の数に関する数値をプロットすることにより得られるため、本発明では、上記遊技媒体の数に関する数値に基づき上記のような演算処理を行って傾きを求める。
ここで、「遊技媒体の数に関する数値の変化に応じて」とは、例えば、第二大当たりに基づく所定の利益及び/又は有利な状態の提供を行う場合に、グラフの傾きがどの程度マイナスかを、第二大当たりを発生させる発動条件の判断要素に加えることをいう。この際、例えば、グラフのマイナスの傾きの急激さに応じて、第二大当たり状態の発生回数を変化させてもよい。グラフの傾きを調整し、上限値及び下限値を超えない一定の範囲に収まるようにするためである。
このように、遊技媒体の数に関する数値又は遊技媒体の数に関する数値の変化に応じて、所定の利益及び/又は有利な状態の提供することにより、効果的に遊技媒体の数に関する数値を上昇させることが可能となり、遊技媒体の数に関する数値が下限値を下回ってしまう事態を確実に回避することができ、さらに、遊技媒体の数に関する数値の変化の程度を比較的穏やかなものとすることができる。
【0113】
「遊技媒体の数に関する数値が予め定められた上限値を超えないように」とは、本発明において、遊技媒体の数に関する数値又は遊技媒体の数に関する数値の変化に応じて、第二大当たりに基づく所定の利益及び/又は有利な状態を提供する場合には、大量の遊技媒体が払い出されることにより、遊技媒体の数に関する数値が急激に上昇することとなるが、このような場合であっても、遊技媒体の数に関する数値が予め定められた上限値を超えないようにしなければならないこととしたものである。
従って、第二大当たりに基づく所定の利益及び/又は有利な状態を提供する発動条件については、払い出される遊技媒体数等を勘案し、適切な条件を設定する。遊技媒体の数に関する数値又は遊技媒体の数に関する数値の変化に応じてという条件のみでは、例えば、遊技媒体の数に関する数値は、上限値に近い数値であるが、傾きがマイナスであるような場合に、所定の利益及び/又は有利な状態を提供することとすると、遊技媒体の数に関する数値が予め定められた上限値を超えてしまう事態が発生することがあり得るからである。
ただし、以下の説明において、第一大当たり状態と第二大当たり状態とにおいて提供される所定の利益及び/又は有利な状態は同じであるとし、また、特に両者を区別しない場合には、第一大当たり状態と第二大当たり状態とを、単に、大当たり状態ともいうこととする。
【0114】
「連続的に提供する」とは、複数の第二大当たりに基づき、第二大当たり状態を発生させる場合に、一の第二大当たり状態と続いて発生する他の第二大当たり状態との間に間隔を置かずに、第二大当たり状態を継続して発生させることをいう。
複数の第二大当たりに基づいて、所定の利益及び/又は有利な状態の提供を連続的に行うことにより、下限値を基準とした所定の範囲内に入った遊技媒体の数に関する数値を大幅に上昇させることが可能となり、より確実に遊技媒体の数に関する数値が予め定められた下限値を下回ることを回避することができるからである。
【0115】
上記パチスロ遊技機において、遊技者がスタートレバーを操作したことを受けて行なわれる内部抽選の結果、第二大当たりに3回当選し、かつ、その間に上記特定の発動条件が満たされなかった場合には、3つの第二大当たりが発生することもあり得る。このような場合、ゲームが終了した後、特定の発動条件で、3つの第二大当たりに基づいて、第二大当たり状態を連続的に3回発生させることにより、複数の第二大当たりに基づく、所定の利益及び/又は有利な状態を連続的に提供することができる。
【0116】
さらに、上記パチンコ遊技機においては、遊技球Aが始動口に入ったことを受けて可変表示ゲームAが実行されている間に、始動口に3つの遊技球B、C及びDが入った場合、3つの遊技球B、C及びDに対応する3回の可変表示ゲームB、C及びDが保留されるとともに、遊技球B、C及びDが入ったことを受けて、3つの第二大当たりが発生することもあり得る。このような場合、可変表示ゲームA〜Dが終了した後、特定の発動条件で、3つの第二大当たりに基づいて、第二大当たり状態を連続的に3回発生させることにより、複数の第二大当たりに基づく、所定の利益及び/又は有利な状態を連続的に提供することができる。
【0117】
本発明では、上述したような第1抽選及び第2抽選の抽選結果に基づき、第一大当たり状態を発生させる遊技方法を用いたパチンコ遊技機であっても、差球数や出球率が上限値を基準とした所定の範囲内になったときには、第二大当たり又ははずれのみを発生させるとともに、差球数や出球率、又は、差球数や出球率の変化に応じて、すでに発生している第二大当たりに基づき保留された所定の利益及び/又は有利な状態が連続的に提供されるので、差球数や出球率を上限値から下限値の範囲内に収まるようにすることができる。
【0118】
また、パチスロ遊技機においても、遊技者が所定のスタートレバーを操作することで、RBやBB等の第一大当たりを発生させるか否かを決定するための第1抽選と、投入されたメダルが所定数(例えば、10枚)を超えると、当たりフラグをセットするか否かを決定するための第2抽選を行い、これらの抽選結果に基づき、第一大当たり状態を発生させるか否かを決定するものがある。
【0119】
このような遊技方法を用いたパチスロ遊技機では、第一大当たり状態が発生した際、莫大な数のメダルが払い出される可能性があり、ひいては設計上定められた規定の差枚数や払戻率をはるかに超えるおそれもあるが、本発明では、上記のような遊技方法を用いたパチスロ遊技機であっても、差枚数や払戻率が上限値を基準とした所定の範囲内になったときには、第二大当たり又ははずれのみを発生させるとともに、差枚数や払戻率、又は、差枚数や払戻率に関する数値の変化に応じて、すでに発生している第二大当たりに基づき保留された所定の利益及び/又は有利な状態が連続的に提供されるので、差枚数や払戻率を上限値から下限値の範囲内に収まるようにすることができる。
【0120】
【発明の実施の形態】
本発明の実施例について図面に基づいて説明する。
以下の説明においては、複数の第二大当たりが発生し得るように構成されたパチンコ遊技機について説明することにする。
【0121】
図1は、本発明に係るパチンコ遊技機を模式的に示す正面図である。なお、以下において説明する実施例においては、本発明に係るパチンコ遊技機の好適な実施例として、本発明をパチンコ遊技機に適用した場合を示す。
【0122】
パチンコ遊技機10には、本体枠12と、本体枠12に組み込まれた遊技盤14と、遊技盤14の前面に設けられた本体枠12の窓枠16と、窓枠16の下側で本体枠12の前面に設けられた上皿20及び下皿22と、下皿22の右側に設けられた発射ハンドル26と、が配置されている。
【0123】
また、遊技盤14の前面には複数の障害釘(図示せず)が打ちこまれている。なお、釘を打ち込むような構成とせず、遊技盤14を樹脂素材で成形し、この樹脂素材の遊技盤14に金属製の棒状体を遊技盤14の前方向に突出するように植設する構成としてもよく、上述したようなパチンコ遊技機10(パチコン機)にも本発明を適用することができる。なお、本明細書において、パチンコ遊技機10とは、パチコン機をも含む概念である。
【0124】
さらに、発射ハンドル26は本体枠12に対して回動自在に設けられており、遊技者は発射ハンドル26を操作することによりパチンコ遊技を進めることができるのである。発射ハンドル26の裏側には、発射モータ28が設けられている。発射ハンドル26が遊技者によって時計回り方向へ回動操作されたときには、発射モータ28に電力が供給され、上皿20に貯留された遊技球が遊技盤14に順次発射される。ここでは、発射モータ28を用いているが、遊技球の打ち出しを行うための打ち出しソレノイドを用いることも可能である。
なお、遊技盤14上に遊技球を打ち出すための手段、及び、打ち出された遊技球を検知する手段については、後で図面を用いて説明する。
【0125】
発射された遊技球は、遊技盤14上に設けられたガイドレール30に案内されて遊技盤14の上部に移動し、その後、上述した複数の障害釘との衝突によりその進行方向を変えながら遊技盤14の下方に向かって落下する。
【0126】
図2は、遊技盤14を模式的に示す拡大正面図である。なお、上述した図1に示した構成要素と対応する構成要素には同一の符号を付した。また、図2は、上述した障害釘について省略したものを示した。
【0127】
遊技盤14の前面の略中央には、後述する如き表示部である表示装置32が設けられている。この表示装置32の上部の中央には、表示装置52が設けられている。この表示装置52は、例えば、7セグメント表示器で構成されており、表示情報である普通図柄が、変動と停止とを繰り返すように可変表示される。表示装置32の左右の側部には、球通過検出器55a及び55bが設けられている。この球通過検出器55a又は55bは、その近傍を遊技球が通過したことを検出したときには、上述した表示装置52において、普通図柄の変動表示が開始され、所定の時間経過した後、普通図柄の変動表示を停止する。この普通図柄は、数字や記号等からなる情報であり、例えば、「0」から「9」までの数字や「☆」等の記号である。この普通図柄が所定の図柄、例えば、「7」となって停止して表示されたときには、後述する始動口44の左右の両側に設けられている可動片58a及び58bを駆動するためのソレノイド57(図示せず)に電流を供給し、始動口44に遊技球が入りやすくなるように可動片58a及び58bを駆動し、始動口44を開放状態となるようにする。なお、始動口44を開放状態とした後、所定の時間が経過したときには、可動片を駆動し始動口44を閉鎖状態として、遊技球が入りにくくなるようにするのである。
【0128】
上述した表示装置52の左右の両側には4つの保留ランプ34a〜34dが設けられている。さらに、表示装置52の上部には一般入賞口50が設けられている。また、遊技盤14の下部には、遊技球の大入賞口38が設けられている。この大入賞口38の近傍には、シャッタ40が開閉自在に設けられている。シャッタ40は可変表示ゲームが大当たり状態になったときには開放状態となるようにソレノイド48(図示せず)により駆動される。
【0129】
上述した表示装置32の左右の両側には一般入賞口54a及び54bが設けられている。さらに、表示装置32下部の左右の両側には一般入賞口54c及び54dが設けられている。また、遊技盤14の左右の端部には、特別入賞口56a及び56bが設けられ、大入賞口38の左右の両側には、特別入賞口56c及び56dが設けられている。
【0130】
また、後述する可変表示ゲームが開始されて表示装置32に表示される複数、例えば、3つの識別情報である図柄を変動表示状態に移行する契機となる始動口44が設けられている。上述した大入賞口38、始動口44、一般入賞口50及び54a〜54d、並びに、特別入賞口56a〜56dには、球検知センサ42が設けられており、遊技球が入ったとき、すなわち、遊技球が通過したことを球検知センサ42が検知したときには、払出装置59(図示せず)により、入賞口の種類に応じて予め設定されている数の遊技球が下皿22に払い出されるようになされている。また、払出装置59には、払い出される遊技球を検知する払出球検知センサ53が設けられている。
【0131】
さらにまた、表示装置32の左右の両側には、遊技球の経路を所定の方向に誘導するための転動誘導部材60a及び60bも設けられている。また、遊技盤14の外側の上左側と上右側とには装飾ランプ36a及び36bが設けられている。
【0132】
なお、上述した表示装置32において後述する演出画像を表示する部分は、液晶ディスプレイパネルからなるものであってもブラウン管からなるものであってもよい。また、上述した例においては、表示装置32は、遊技機であるパチンコ遊技機10の遊技盤14において、前面の略中央に設けられている場合を示したが、遊技者が見ることができるような位置であればパチンコ遊技機の何処の位置に表示装置32を設けることとしてもよい。
【0133】
図3は、遊技盤14上に遊技球を打ち出すための手段、及び、打ち出された遊技球を検知する手段を模式的に示す説明図である。なお、図3では、遊技盤14上に遊技球を打ち出すための手段として、打ち出しソレノイドが設けられている場合について説明する。
【0134】
ガイドレール30の下端には、打ち出しソレノイドSが設けられており、打ち出しソレノイドSが動作することにより、遊技球を遊技盤14上に打ち出すことができる。打ち出しソレノイドSの近傍のガイドレール30には、発射球通過検出器61が設けられており、これは機械的な発射球通過検知スイッチとすることが可能である。また、発射球通過検出器61として、遊技球の通過を光で検知する透過式又は反射式の光センサが設けられていてもよい。
【0135】
ガイドレール30の途中部分には、打ち出しソレノイドSによって遊技盤14に打ち出された遊技球が打ち出しソレノイドSの打ち出し力不足や2個の遊技球を打ち出したときにガイドレール30に沿って逆戻りする遊技球を排出する排出口63が設けられており、さらに、排出口63から排出される遊技球を検知する戻り球検知スイッチ65が設けられている。この戻り球検知スイッチ65の遊技球の検知により、実際に遊技球が打ち出された遊技球の数を確実にカウントすることができる。
【0136】
図4は、本発明の実施例であるパチンコ遊技機の制御回路を示すブロック図である。図4では、遊技盤14上に遊技球を打ち出す手段として、発射モータ28が設けられている場合について説明する。
【0137】
上述した発射ハンドル26は、制御回路60のインターフェイス回路群62に接続され、インターフェイス回路群62は、入出力バス64に接続されている。発射ハンドル26の回動角度を示す角度信号は、インターフェイス回路群62により所定の信号に変換された後、入出力バス64に供給される。入出力バス64は、演算処理装置である中央処理回路(以下、CPUと称する)66にデータ信号又はアドレス信号が入出力されるようになされている。また、上述したインターフェイス回路群62には、球検知センサ42も接続されており、遊技球が大入賞口38、始動口44、一般入賞口50及び54a〜54d、並びに、特別入賞口56a〜56dを通過したときには、球検知センサ42は、検出信号をインターフェイス回路群62に供給する。さらに、インターフェイス回路群62には、球通過検出器55も接続されており、球通過検出器55は遊技球がその近傍を通過したことを検出したときには、検出信号をインターフェイス回路群62に供給する。
【0138】
また、入出力バス64には、払出球検出センサ53、発射球通過検出器61、及び、戻り球検知スイッチ65が接続されており、それぞれ遊技球を検出したときには、検出信号をインターフェイス回路群62に供給する。
【0139】
上述した入出力バス64には、ROM68及びRAM70も接続されている。ROM68は、パチンコ遊技機の遊技全体の流れを制御する制御プログラムを記憶する。さらに、ROM68は、表示装置32において可変表示ゲームが実行される際に、変動表示や停止表示される変動図柄の画像データ、演出画面として表示される動体物からなるキャラクタ画像データ、表示装置32の背景を構成する背景画像データ及び動画映像画像データ、遊技に用いる音データ、並びに、入賞口や始動口の払出数に関するデータ、制御プログラムを実行するための初期データや、装飾ランプ36の点滅動作パターンを制御するプログラム等を記憶する。
さらに、ROM68は、大当たりが発生するか否かを決定する抽選に用いられる確率テーブルや、上記確率テーブルを用いて抽選を行うためのプログラム等を記憶する。
【0140】
上述した図柄画像データは、表示装置32において図柄を変動表示するときや、停止表示する際に用いるものであり、多様の表示態様、例えば、拡大した画像、縮小した画像、変形した画像等に応じた画像データを含むものである。また、上述した動体物からなるキャラクタ画像データ、背景画像データ及び動画映像画像データは、遊技を演出するように、動画像、静画像若しくはこれらの組み合わせた画像を画面画像として表示装置32に表示するためのものである。さらに、上述した動体物からなるキャラクタ画像データは、キャラクタの動作を表示すべく動作の各々に対応した画像データを含むものである。
さらに、音データも遊技を演出するためのものであり、後述するスピーカ46から効果音等の音声を発するために用いるものである。
【0141】
また、RAM70は、上述したプログラムで使用するフラグや変数の値を記憶する。例えば、新たな入力データやCPU66による演算結果や遊技の履歴を示す累積リーチデータ、累積変動数及び累積大当たり回数を記憶する。
さらに、遊技盤上に打ち出された遊技球の数と、払い出された遊技球の数とを記憶し、遊技盤上に打ち出された遊技球の数と払い出された遊技球の数とに基づいて算出される出球率を記憶する。
【0142】
制御部であるCPU66は、所定のプログラムを呼び出して実行することにより演算処理を行い、この演算処理の結果に基づいて動体物からなるキャラクタ画像データ、背景画像データ、動画映像画像データ及び変動図柄画像データ、並びに、音データを電子データとして伝送その他の制御を行うのである。
【0143】
また、CPU66は、上述した識別情報である変動図柄の画像データを読み出して、表示装置32において図柄が変動表示されるように制御したり、複数の識別情報である図柄の相互の組み合わせ状態が表示装置32において所定のタイミングで停止表示されるように制御するのである。
【0144】
さらに、入出力バス64には、インターフェイス回路群72も接続されている。インターフェイス回路群72には、表示装置32、スピーカ46、発射モータ28、ソレノイド48及び57、保留ランプ34、装飾ランプ36、並びに、払出装置59が接続されており、インターフェイス回路群72は、CPU66における演算処理の結果に応じて上述した装置の各々を制御すべく駆動信号や駆動電力を供給する。
【0145】
表示部である表示装置32の画面画像は、変動図柄が表示される識別画像と演出画面が表示される演出画像とからなり、CPU66の制御によりこれらの2つの画像を重ね合わせて合成することにより、一つの画像として表示する。
【0146】
このように複数の画像、例えば、図柄画像と演出画像とを重ね合わせて合成することによりに、演出画像を背景として、図柄が変動するシーンを演出することができ、多彩な表示形態が可能となるのである。
【0147】
ソレノイド48は、上述した如きシャッタ40を開閉駆動するためのものであり、ソレノイド57は、始動口44の左右の両側に設けられた可動片58a及び58bを開閉駆動するためのものである。
保留ランプ34は、表示装置32に表示する図柄の組み合わせが有効となった回数を示すものであり、装飾ランプ36は、遊技が大当たりとなったときやリーチとなったときに遊技者にその旨を示すべく点滅又は点灯するものである。
払出装置59は、CPU66からの制御信号により、遊技状況(例えば入賞口等に遊技球が入ったこと等)に応じて、上皿20又は下皿22に、予め定められた数の遊技球を払い出すものである。
【0148】
上述した演算処理装置(CPU66)から制御部が構成され、表示装置32から表示部が構成され、パチンコ遊技機10から遊技機が構成される。
なお、本明細書では、制御部に含まれる演算処理装置が1つであるとして説明しているが、本発明に係るパチンコ遊技機では、制御部に含まれる演算処理装置は1つである必要はなく、上記制御部は、例えば、主にパチンコ遊技機10の各部を主導的に制御することにより遊技を進行させる演算処理装置Pと、演算処理装置Pからの命令信号等に基づいて、主に表示部に表示させる画像を生成する演算処理装置Qとを含んで構成されていてもよい。また、上記制御部に含まれるROM及びRAMも、必ずしも1つである必要はない。
【0149】
以下においては、パチンコ遊技機10は起動しており、上述したCPU66において用いられる変数は所定の値に初期化され、定常動作しているものとする。
また、出球率を算出する方法として、遊技球を検知して出球率を算出する方法が用いられるパチンコ遊技機について説明することとする。
【0150】
次に、上述した制御回路において実行されるサブルーチンの一例について、図5〜図12に示すフローチャートを用いて説明する。
なお、以下においては、打ち出された遊技球又は払い出された遊技球を計測する際に実行される打出遊技球計測処理ルーチン、払出遊技球計測処理ルーチン(図5、図7参照)、始動口に遊技球が入ったこと等を検出する遊技球検出ルーチン(図6参照)、全ての第二大当たりに基づき、連続的に第二大当たりが実行される第二大当たり処理ルーチン(図8参照)、上記始動口に遊技球が入ったことを受けて実行される抽選実行処理ルーチン(図9、図10参照)、当該抽選実行処理における抽選結果に基づいて可変表示ゲームを行う可変表示ゲーム処理ルーチン(図11参照)、及び、大当たり状態が発生したときに実行される大当たり実行処理ルーチン(図12参照)について説明する。
なお、上記抽選実行処理ルーチンについては、抽選処理を行うことにより、第一大当たり、第二大当たり及びはずれのいずれか1の結果を発生させる処理方法と、第一抽選を行い、第一大当たり及びはずれのいずれか1の結果を発生させ、第一抽選の結果、第一大当たりを発生させると決定したときには、保留抽選を行い、第一大当たりを、第二大当たりに変更するか否かを決定する処理方法との2通りのパターンに分けて説明することとする。
【0151】
図5は、遊技盤上に打ち出された遊技球の数を計測するために実行されるサブルーチンを示すフローチャートである。なお、このサブルーチンは、予め実行されているパチンコ遊技機10のパチンコ遊技を制御する制御プログラムから所定のタイミングで呼び出されて実行されるものである。
【0152】
まず、RAM70に記憶された、遊技盤上に打ち出された遊技球の数(発射検知数A)を0とする(ステップS100)。
次に、発射モータ28により打ち出された遊技球が、発射球通過検出器61により、検出されたか否かを判断する(ステップS101)。
検出されていないと判断した場合には、処理をステップS101に戻す。
【0153】
発射球通過検出器61により検出されたと判断した場合には、次に、打ち出された遊技球が戻り検知スイッチ65により検出されたか否かを判断する(ステップS102)。戻り検出スイッチ65により遊技球が検出されたと判断した場合、処理をステップS101に戻す。
一方、戻り検出スイッチ65により遊技球が検出されていないと判断した場合には、RAM70に記憶された発射検知数Aに1を加算(インクリメント)し、A+1として、RAM70に累積記憶する(ステップS103)。
【0154】
次に、ステップS100の処理を実行してから所定の期間が経過したか否かについて判断する(ステップS104)。所定の期間が経過していないと判断した場合、処理をステップS101に戻し、再びステップS101〜S103の処理を実行する。
なお、上述したステップS104に代えて、ステップS101〜S103の処理が実行されている間に、所定の期間が経過したとき、強制的に、後述するステップS105の処理を実行して、本サブルーチンを終了することとしてもよい。
【0155】
このように、ステップS104において所定の期間が経過したと判断するまで、ステップS101〜S103の処理を繰り返し実行することにより、所定の期間内に打ち出された遊技球の数を計測することが可能となる。
ステップS104において、所定の期間が経過したと判断した場合には、所定の期間内における発射検知数AをRAM70に記憶させて(ステップS105)、本サブルーチンを終了する。
【0156】
図6は、上述した制御回路60において実行される遊技球を検出するサブルーチンを示すフローチャートである。なお、このサブルーチンは、予め実行されているパチンコ遊技機10のパチンコ遊技を制御する制御プログラムから所定のタイミングで呼び出されて実行されるものである。
【0157】
最初に、入賞口に遊技球が入った否かを検出する(ステップS11)。この入賞口は、例えば、上述した図2に示した例においては、一般入賞口50及び54a〜54d並びに特別入賞口56a〜56dである。ステップS11において、入賞口に遊技球が入ったと判断したときには、払出装置59を駆動させ、遊技球を所定の払出数Pで払い出す処理を実行する(ステップS12)。なお、払出数Pは、入賞口の種類に応じて、個別に設定されていてもよく、全て同じであってもよい。
【0158】
次に、始動口に遊技球が入ったか否かを判断する(ステップS13)。この始動口は、例えば、上述した図2に示した例においては、始動口44である。このステップS13において、始動口に遊技球が入ったと判断したときには、払出装置59を駆動させ、遊技球を所定の払出数Qで払い出す処理を実行し(ステップS17)。
【0159】
次に、CPU66は、抽選実行処理を実行する(ステップS14)。上記確率テーブルの変更等を含む抽選実行処理については、後で詳述することにする。
【0160】
さらに、球通過検出器を遊技球が通過したか否かを判断する(ステップS15)。この球通過検出器は、例えば、上述した図2に示した例においては、球通過検出器55a及び55bである。
【0161】
このステップS15において、球通過検出器を遊技球が通過したと判断したときには、上述したように、表示装置52において普通図柄を変動表示させる処理を実行する(ステップS16)。なお、上述したように、変動表示された普通図柄が停止したときに所定の図柄となったときには、可動片58a及び58bを駆動して始動口44を開放状態となるようにして、始動口44に遊技球が入りやすくなるようにするのである。
【0162】
図7は、払い出された遊技球の数を計測するために実行されるサブルーチンを示すフローチャートである。なお、このサブルーチンは、予め実行されているパチンコ遊技機10のパチンコ遊技を制御する制御プログラムから、例えば、図5に示した打出遊技球計測処理ルーチンが実行されると同時に、呼び出されて実行されるものである。
【0163】
まず、RAM70に記憶された、払い出された遊技球の数(払出検知数B)を0とする(ステップS110)。
次に、払出球検知センサ53により遊技球が検知されたか否かを判断する(ステップS111)。検知されていないと判断した場合には、処理をステップS111に戻す。
【0164】
払出球検知センサ53により検知されたと判断した場合には、RAM70に記憶された払出検知数Bに1を加算(インクリメント)し、B+1として、RAM70に累積記憶する(ステップS113)。
次に、ステップS110の処理を実行してから所定の期間が経過したか否かについて判断する(ステップS114)。なお、ここでいう所定の期間は、図5を用いて説明したサブルーチンにおける所定の期間と、同じであってもよく、異なっていてもよい。
所定の期間が経過していないと判断した場合、処理をステップS111に戻し、再びステップS111及びS113の処理を実行する。
【0165】
このように、ステップS114において所定の期間が経過したと判断するまで、ステップS111及びS113の処理を繰り返し実行することにより、所定の期間に払い出された遊技球の数を計測することが可能になる。
ステップS114において、所定の期間が経過したと判断した場合には、所定の期間内における払出検知数BをRAM70に記憶させて(ステップS115)、本サブルーチンを終了する。
【0166】
図8は、上述した制御回路60において実行される抽選実行処理において用いられる確率テーブルの変更、及び、第二大当たりに基づき第二大当たりを実行する際のサブルーチンを示すフローチャートである。なお、このサブルーチンは、図6等に示すサブルーチンとは無関係に呼び出されて実行されるサブルーチンである。
【0167】
まず、CPU66は、所定のタイミングで(例えば、10分ごと)、上述したステップS105においてRAM70に記憶させた発射検知数A、及び、ステップS115においてRAM70に記憶させた払出検知数Bを読み出し、上記(6)式により出球率を算出する処理を行う(ステップS120)。
このステップS120において、制御部(CPU66)は、打ち出された遊技球の数と、払い出された遊技球の数とから出球率を算出する出球率算出手段として機能する。
【0168】
次に、算出した出球率が、上限値を基準とした所定範囲内に入ったか否かを判断する(ステップS121)。例えば、短時間における出球率の上限値が300%である場合には、出球率が270〜300%の範囲に入ったか否かを判断する。この判断は、上記所定の範囲に相当する値(所定範囲の最大値と最小値)と出球率とを比較することにより行うことができる。
【0169】
出球率が上記所定の範囲に入ったと判断したときには、第二大当たりかはずれのみが発生するように確率テーブルを変更する(ステップS122)。本発明において、第二大当たりかはずれのみを発生させるためには、例えば、図9に示す抽選実行処理ルーチンと図10に示す抽選実行処理ルーチンの2つの実施形態をとることができ、その実施形態については、後で詳述する。ここでは、用いる確率テーブルについて、簡単に説明する。
まず、図9に示す抽選実行処理ルーチンでは、ステップS401において、抽選処理に用いる確率テーブルを、第一大当りの確率が0%で第二大当りかはずれのみが発生する確率テーブルに変更する。
即ち、抽選処理に用いる確率テーブルとして、例えば、「0」〜「419」の数値のうち、「17」及び「19」に第二大当たりを対応させ、その他の数値、すなわち、「0」〜「16」、「18」及び「20」〜「419」に、はずれを対応させた確率テーブルをROM68に記憶しておき、上記の場合には、初期の確率テーブルに代えて、この確率テーブルをRAM70に設定する。
この確率テーブルを用いて抽選処理を行った場合、第一大当たりが発生する確率は0%であり、第二大当たりが発生する確率は1/210である。
【0170】
ちなみに、変更する前の初期の確率テーブルとしては、例えば、「0」〜「419」の数値のうち、「17」に第一大当たりを対応させ、「19」に第二大当たりを対応させ、その他の数値、すなわち、「0」〜「16」、「18」及び「20」〜「419」に、はずれを対応させた確率テーブルが挙げられる。
なお、この確率テーブルを用いて抽選処理を行った場合、第一大当たりが発生する確率は1/420であり、第二大当たりが発生する確率は1/420である。
【0171】
また、出球率が上記所定の範囲に入ったと判断したときには、図10に示す抽選実行処理ルーチンでは、ステップS423において、保留抽選処理に用いる確率テーブルについても、第一大当たりの確率が0%、すなわち全ての乱数を第二大当たりに対応させた確率テーブルに変更を行う。
【0172】
即ち、上述した例では、「0」〜「419」の数値のうち、「0」〜「419」の全てを第二大当たりを対応させた確率テーブルをRAM70に設定する。
従って、この場合には、保留抽選処理において、第二大当たりのみが発生することとなり、発生している第一大当たりは全て第二大当たりに変更されることとなる。
【0173】
一方、出球率が上記所定の範囲に入ったと判断しなかったときには、図9の抽選処理及び図10の保留抽選処理に用いる確率テーブルとしては、上述した初期の確率テーブルを使用する(ステップS123)。
なお、図9及び図10の抽選実行処理ルーチンについては、後に詳述することとする。
【0174】
次に、RAM70に記憶された第二大当たりが存在するか否かを判断する(ステップS124)。また、記憶された第二大当たりが存在すると判断した場合は、同時に記憶された第二大当たりの数についても判断する。
【0175】
次に、RAM70に記憶された第二大当たりが存在すると判断したときは、第二大当たりに基づく所定の利益及び/又は有利な状態の提供を行うタイミングか否かを判断する(ステップS125)。
第二大当たりに基づく所定の利益及び/又は有利な状態の提供を行うタイミングか否かの判断は、上述したように、出球率又は出球率の変化に応じて、上限値を超えないように、所定利益等の提供を行うことができるか否かを基準に行う。
【0176】
具体的には、予めRAM70に、一回又は二回以上の第二大当たりに基づく所定利益等を連続的に提供することによりどの程度の遊技球が払い出され、それによりどの程度出球率が上昇するか等を記憶させるとともに、さらに、これに基づいて出球率がどの程度になったとき(どのタイミングで)、全ての第二大当たりに基づいて所定利益等の提供を行ってよいかを算出して記憶させ、CPU66が、ステップS120においてRAM70に記憶させた出球率に関する遊技情報や上記出球率に基づき算出された出球率の変化に関する情報と、上記タイミングに関する情報とを比較することにより行う。
【0177】
例えば、発生している全ての第二大当たりに基づく所定利益等の提供を行った際に、出球率がどの程度上昇するかを算出し、出球率の上昇により上限値を超えないレベル(例えば、短時間における出球率の下限値が33〜60%の範囲)となったときには、発生している全ての第二大当たりに基づく所定の利益及び/又は有利な状態の提供を行う。
【0178】
この際、出球率の変化についても判断の対象に入れ、出球率が穏やかに下降していると判断した場合には、発生している第二大当たりに基づいて所定利益等を提供せず、一方、出球率が急激に下降していると判断した場合には、発生している全ての第二大当たりに基づいて所定利益等を提供することとしてもよい。
ただし、出球率の変化に応じて、発生している全ての第二大当たりに基づき、第二大当たり状態を発生させる場合には、出球率が上限値を超えないようにすることは勿論である。また、短時間における出球率の下限値が33%である場合、出球率が40%以上であっても、傾きがマイナスで急であり、所定の時間以内に下限値に近くなると予想できる場合には、第二大当たり状態を発生させることができる。一方、出球率が40%に近くても、傾きがプラスである場合には、第二大当たり状態を発生させない場合もある。
【0179】
さらに、上述するステップS125において、第二大当たりに基づく所定の利益及び/又は有利な状態を提供するタイミングであると判断した場合は、後述する可変表示ゲームの実行とは無関係に、直ちに第二大当たりに基づく所定の利益及び/又は有利な状態を提供することとしてもよい。このようにすることにより、出球率の低下等に迅速に対応することができ、確実に出球率が下限値を下回ることを回避することができるからである。
【0180】
第二大当たりに基づく所定の利益及び/又は有利な状態の提供を行うタイミングであると判断した場合、発生している全ての第二大当たりに基づき大当たり実行処理を行い(ステップS126)、第二大当たりに基づく第二大当たり状態を発生させ、遊技者に対して所定の利益及び/又は有利な状態の提供を連続的に行う。
従って、ステップS126における大当たり実行処理は、ステップS124において確認された第二大当たりの数と同様の回数だけ連続的に行われる。
【0181】
ステップS124において、記憶された第二大当たりが存在しないと判断した場合、ステップS125において、第二大当たりに基づく所定の利益及び/又は有利な状態を提供するタイミングでないと判断した場合、又は、ステップS126において、第二大当たりに基づき大当たり実行処理を実行した場合は、本サブルーチンを終了する。
【0182】
次に、始動口に遊技球が入ったことを受けて実行される抽選実行処理について、図9、図10を用いて説明する。
なお、上記抽選実行処理については、図9に、抽選処理を行うことにより、第一大当たり、第二大当たり及びはずれのいずれか1の結果を発生させる処理方法について記載し、図10に、上記抽選実行処理において、第一抽選を行い、第一大当たり及びはずれのいずれか1の結果を発生させ、第一抽選の結果、第一大当たりを発生させると決定したときには、保留抽選を行い、第一大当たりを、第二大当たりに変更するか否かを決定する処理方法について記載している。
【0183】
図9は、上述したステップS14において呼び出されて実行される抽選実行処理を行うサブルーチンを示すフローチャートである。
図9では、上述した抽選実行処理が開始されると、まず、CPU66の演算処理による抽選処理を実行する(ステップS400)。この抽選処理は、第一大当たり、第二大当たり及びはずれのうちのいずれか1の結果を発生させることを決定する抽選を行う処理である。すなわち、CPU66は、ROM68に記憶された抽選処理に用いられる確率テーブルをRAM70に設定するとともに、乱数のサンプリングを行う。ただし、図8のステップS123において、出球率が上限値を基準とした所定の範囲内であると判断した場合には、第一大当たりの発生する確率は0%となる。
【0184】
次に、第一大当たり、第二大当たり及びはずれのうち、どの結果が得られたかについて判断する(ステップS401)。すなわち、CPU66は、RAM70に設定した確率テーブル中で、乱数のサンプリングを行った結果により得られた数値に対応するデータを、抽選結果とする。
ステップS401において、はずれの結果が得られたと判断した場合、CPU66は、はずれに対応する抽選データをRAM70に記憶する(ステップS402)。このとき、はずれが発生したことになる。
なお、この抽選データは、後述する可変表示ゲームを実行する際に用いられるデータであり、CPU66は、当該抽選データに基づき、後述する可変表示ゲーム処理ルーチンのステップS200において、停止表示される変動図柄の組み合わせを定める内部抽選処理を実行する。
【0185】
ステップS401において、第一大当たりの結果が得られたと判断した場合、CPU66は、第一大当たりに対応する抽選データをRAM70に記憶し(ステップS403)、さらに、第一大当たり情報を記憶する(ステップS404)。このとき、第一大当たりが発生したことになる。
【0186】
ステップS401において、第二大当たりの結果が得られたと判断した場合、CPU66は、第二大当たりに対応する抽選データをRAM70に記憶し(ステップS405)、さらに、第二大当たり情報を記憶する(ステップS406)。このとき、第二大当たりが発生したことになる。
なお、上述したように、出球率が上限値を基準とした所定の範囲内に入ったときには、第一大当りが発生する確率は0%となり、第二大当たり又ははずれのみが発生することとなる。
【0187】
ステップS402、S403又はS405の処理を実行した場合、次に、大当たり状態が発生しているか否かを判断する(ステップS407)。大当たり状態が発生していると判断した場合、本サブルーチンを終了する。
ただし、上述したステップS401において、第一大当たりの結果が得られたと判断し、さらに、ステップS407において、大当たり状態が発生していると判断した場合、CPU66は、ステップS403においてRAM70に記憶した第一大当たりに対応する抽選データを、第二大当たりに対応する抽選データに変更するとともに、ステップS404においてRAM70に記憶した第一大当たり情報を、第二大当たり情報に変更することとしてもよい。
【0188】
ステップS407において、大当たり状態が発生していないと判断した場合、実行(進行)中の可変表示ゲームが存在するか否か判断する(ステップS408)。なお、進行(表示)中の可変表示ゲームとは、現在、表示装置32に表示され、遊技者が見ることが可能な状態にあり、変動図柄が停止表示される前の可変表示ゲームである。すなわち、進行(表示)中の可変表示ゲームが存在するということは、既に、一の遊技球が始動口に入り、後述する可変表示ゲーム処理ルーチンが実行されているということである。
【0189】
ステップS408において、進行(表示)中の可変表示ゲームが存在しないと判断した場合、後述する可変表示ゲームを実行する(ステップS409)。
一方、進行(表示)の可変表示ゲームが存在すると判断した場合、本サブルーチンを終了する。
【0190】
図10は、上述したステップS14において呼び出されて実行される抽選実行処理を行うサブルーチンを示すフローチャートである。なお、図10に示したフローチャートは、図9に示したフローチャート内のステップにおける処理と同様の処理を行うステップには同一の符号を付した。
図10では、上述した抽選実行処理が開始されると、CPU66の演算処理による第一抽選処理を実行する(ステップS420)。この第一抽選処理は、第一大当たり及びはずれのうちのいずれか1の結果を発生させることを決定する抽選を行う処理である。すなわち、CPU66は、ROM68に記憶された第一抽選に用いられる確率テーブルをRAM70に設定するとともに、乱数のサンプリングを行う。例えば、第一抽選に用いる確率テーブルとして、「0」〜「419」の数値のうち、「17」及び「19」に第一大当たりを対応させ、その他の数値、すなわち、「0」〜「16」、「18」及び「20」〜「419」に、はずれを対応させた確率テーブルをROM68に記憶しておき、必要に応じてRAM70に確率テーブルを設定する。
【0191】
なお、確率テーブルをRAM70に設定する処理は、ステップS424を実行するたびに行う必要はなく、常にRAM70に設定しておいてもよい。また、ROM68に第一抽選に用いられる確率テーブルを複数記憶させておき、必要に応じて異なる確率テーブルをRAM70に設定することとして、第一大当たりを発生させる確率を変更させることができる。
【0192】
次に、第一抽選に当選したか否か、すなわち、第一大当たりを発生させることを決定したか否かを判断する(ステップS421)。すなわち、CPU66は、RAM70に設定した確率テーブル中で、乱数のサンプリングを行った結果により得られた数値に対応するデータを、抽選結果とする。
ステップS421において、第一抽選に当選していないと判断した場合、すなわち、はずれを発生させることを決定した場合、CPU66は、はずれに対応する抽選データをRAM70に記憶する(ステップS402)。このとき、はずれが発生したことになる。
【0193】
一方、ステップS421において、第一抽選に当選したと判断した場合、CPU66の演算処理による保留抽選処理を実行する(ステップS423)。この保留抽選処理は、上記第一抽選の結果、第一大当たりを発生させることを決定したとき、当該第一大当たりを、第二大当たりに変更するか否かを決定する抽選を行う処理である。すなわち、CPU66は、ROM68に記憶された保留抽選に用いられる確率テーブルをRAM70に設定するとともに、乱数のサンプリングを行う。
ただし、図8のステップS123において、出球率が上限値を基準とした所定の範囲内であると判断した場合には、第一大当たりの確率が0%、すなわち全ての乱数を第二大当たりに対応させた確率テーブルに変更して保留抽選を行う。
【0194】
次に、保留抽選に当選したか否か、すなわち、第一大当たりを第二大当たりに変更するか否かを判断する(ステップS424)。すなわち、CPU66は、RAM70に設定した確率テーブル中で、乱数のサンプリングを行った結果により得られた数値に対応するデータを、抽選結果とする。
ステップS427において、保留抽選に当選していないと判断した場合、すなわち、第一大当たりを第二大当たりに変更しないと判断した場合、CPU66は、第一大当たりに対応する抽選データをRAM70に記憶し(ステップS403)、さらに、第一大当たり情報を記憶する(ステップS404)。このとき、第一大当たりが発生したことになる。
【0195】
一方、ステップS427において、保留抽選に当選したと判断した場合、すなわち、第一大当たりを第二大当たりに変更すると判断した場合、CPU66は、第二大当たりに対応する抽選データをRAM70に記憶し(ステップS405)、さらに、第二大当たり情報を記憶する(ステップS406)。このとき、第二大当たりが発生したことになる。
なお、上述したように、出球率が上限値を基準とした所定の範囲内に入ったときには、第一大当りが発生する確率は0%となり、すべて保留抽選に当選したと判断し、第一大当りを第二大当たりに変更することとなる。
【0196】
ステップS402、S403又はS405の処理を実行した場合、次に、大当たり状態が発生しているか否かを判断する(ステップS407)。大当たり状態が発生していると判断した場合、本サブルーチンを終了する。
ただし、上述したステップS424において、第一大当たりを第二大当たりに変更しないと判断し、さらに、ステップS407において、大当たり状態が発生していると判断した場合、CPU66は、ステップS407においてRAM70に記憶した第一大当たりに対応する抽選データを、第二大当たりに対応する抽選データに変更するとともに、ステップS404においてRAM70に記憶した第一大当たり情報を、第二大当たり情報に変更することとしてもよい。
【0197】
ステップS407において、大当たり状態が発生していないと判断した場合、実行(進行)中の可変表示ゲームが存在するか否か判断する(ステップS408)。進行(表示)中の可変表示ゲームが存在しないと判断した場合、後述する可変表示ゲームを実行する(ステップS409)。一方、進行(表示)の可変表示ゲームが存在すると判断した場合、本サブルーチンを終了する。
【0198】
図11は、図9、図10に示すステップS409において呼び出されて実行される可変表示ゲーム処理を行うサブルーチンを示すフローチャートである。
本サブルーチンが呼び出されることにより、表示装置32において表示されていた固定画面を通常画面へと切り替え、可変表示ゲームを開始するのである。ここで、可変表示ゲームは、スロットマシンにおいてなされる遊技を模したゲームであり、複数の識別情報である複数の図柄を表示装置32に表示し、その各々が変動するように表示した後、所定のタイミングでこれらの図柄が順次停止するように表示するゲームであり、複数の変動図柄の変動表示が開始されてから、複数の変動図柄が停止表示されるまでを1回とするゲームである。
また、可変表示ゲームにおいて停止表示された変動図柄の図柄の組み合わせが、所定の組み合わせに合致したとき、第一大当たり状態が発生し、遊技者に対して所定の利益及び/又は有利な状態の提供が行われる。
【0199】
例えば、「1」、「2」、…、「12」からなる12個の数字からなる図柄の1つの組として、これらの12個の図柄を表示装置32に順次表示し、その図柄が移動するように表示しつつ、図柄自身が変化するように表示する。例えば、表示装置32において、図柄の「1」を表示装置32の上から下へスクロールするように表示した後、図柄の「2」を上から下へスクロールするように表示し、続いて図柄の「3」を同様に上から下へスクロールするように表示するのである。図柄の「1」から図柄の「12」までをこのような態様で表示した後、再び図柄の「1」をスクロールするように表示し、同様の表示を順次繰り返すのである。
【0200】
表示装置32においてこのように図柄を表示することにより、「1」から「2」へと、「2」から「3」へと、図柄がスクロールされながら図柄が順次変化するように「12」まで表示され、次に再び「1」が表示されることとなるのである。このように1つの図柄の位置を移動させつつ図柄自体が順次変化するように図柄を表示する態様を変動表示という。また、ある図柄を停止させて表示する態様を停止表示という。
【0201】
なお、1つの組に属する図柄を表示装置32に表示する際において、表示される図柄は、組に属する1つの図柄のみに限られることはなく、複数、例えば2〜3個の図柄を同時に表示することとしてもよい。例えば、図柄「5」を表示装置32に変動表示しているときに、図柄「5」の下方に図柄「4」の一部又は全体を変動表示し、図柄「5」の上方に図柄「6」の一部又は全体を変動表示することとしてもよい。なお、上述した図柄の組は、スロットマシンにおいて用いられる1本のリールに表示された図柄の組に対応する概念である。
【0202】
更に、可変表示ゲームが表示装置32において実行されるときには、複数の組の各々に属する図柄を表示する。例えば、3つの組に属する図柄の各々を横方向に表示することとした場合には、1つの組に属する図柄は表示装置32の左側に表示され、他の組に属する図柄は表示装置32の中央に表示され、残りの組に属する図柄は表示装置32の右側に表示されるのである。
【0203】
このように識別情報である図柄を表示することにより、表示部である表示装置32には複数の識別情報が表示されることとなるのである。例えば、1つの組に属する図柄のうちの1つの図柄のみを常に表示するように変動表示することとした場合には、表示装置32には3つの図柄、即ち左側に1つの図柄が表示され、中央に1つの図柄が表示され、右側に1つの図柄が表示されることとなるのである。また、可変表示ゲームが実行される際における組の数は、3つに限られることはなく、3以外の複数個の組に属する図柄を表示装置32に表示することとしてもよい。
【0204】
上述したように、このように図柄を表示することにより、複数の図柄、即ち複数の識別情報が表示部である表示装置32に表示されることとなるのである。更に、上述したように、1つの組に属する図柄について複数個の図柄を表示することとしてもよく、例えば、1つの組に属する2つの図柄を同時に変動表示するように表示することとし、3つの組について表示することとした場合には、表示装置32には、合計6個の図柄が変動表示されることとなるのである。
【0205】
複数の組に属する図柄を変動表示した後、変動表示されていた全ての図柄を所定のタイミングで停止表示した際に、これらの図柄の組み合わせが所定の組み合わせに合致して停止表示されたときには、可変表示ゲームが大当たり(第一大当たり)に当選したとして、第一大当たり状態が発生し、遊技者に対して所定の利益及び/又は有利な状態の提供が行われることになる。
【0206】
例えば、3つの組に属する図柄を表示装置32に表示するとした場合に、1つの組に属する図柄が「7」で停止表示され、他の組に属する図柄も「7」で停止表示され、残りの組に属する図柄も「7」で停止表示されたときには、図柄の組み合わせは、所定の組み合わせ「7」−「7」−「7」に合致し、可変表示ゲームが大当たり(第一大当たり)に当選したとして、第一大当たり状態が発生し、遊技者に対して所定の利益及び/又は有利な状態の提供が行われる。第一大当たり状態が発生したときには、上述したソレノイド48に電流を供給して遊技盤14の前面に設けられている大入賞口38のシャッタ40を開放し遊技球を大入賞口38に入り易くするのである。
【0207】
なお、本発明では、上述したように、可変表示ゲームにおいて停止表示される変動図柄の図柄の組み合わせにより、第二大当たりが発生したことを告知することが望ましい。遊技者に対して将来的に大当たり状態(第二大当たり状態)が発生することを、確実に認識させることができるからである。
例えば、3つの組に属する図柄が、表示装置32に表示されるとし、3つの組に属する図柄が全て同一の図柄からなる図柄の組み合わせ(例えば、「1」−「1」−「1」、「2」−「2」−「2」、「7」−「7」−「7」、「9」−「9」−「9」等)となるように停止表示された直後に、第一大当たり状態が発生する場合には、停止表示された3つの組に属する図柄を、例えば、異なる奇数の図柄からなる図柄の組み合わせ(「3」−「5」−「7」、「7」−「3」−「7」、「7」−「5」−「3」)等、規則性を有する図柄の組み合わせであり、かつ、第一大当たりの発生を告知する図柄の組み合わせと異なる図柄の組み合わせとすることにより、遊技者に対して第二大当たりが発生したことを告知することができる。
【0208】
また、この可変表示ゲームが実行されている際には、背景画像やキャラクタ画像等による演出画面も表示装置32に表示される。なお、上述した固定画面とは、表示装置32において実行される可変表示ゲームは実行されておらず、パチンコ遊技装置10においてパチンコ遊技のみが進行している際に表示装置32に表示される画面をいう。
【0209】
また、通常画面とは、表示装置32において可変表示ゲームが開始され表示装置32に表示される図柄が変動表示されてから、可変表示ゲームがリーチとなったり大当たりとなったときに至るまでのあいだに、表示装置32に表示される演出画面をいう。
【0210】
上述した可変表示ゲームが開始されると、まず、CPU66の演算処理による内部抽選処理を実行する(ステップS201)。この内部抽選処理は、上述したステップS402、S403又はS405においてRAM70に記憶した抽選データに基づいて、変動表示されていた複数の組に属する図柄を全て停止表示させて図柄が確定したときにおける図柄の組み合わせを予め定める処理であり、CPU66は、後述するように、内部抽選処理により定められた図柄の組み合わせで図柄が停止表示されるように図柄の変動表示と停止表示との処理を行うのである。
【0211】
次に、選択された背景画像の画面構成情報がRAM70に生成される(ステップS202)。すなわち、上記内部抽選処理が実行された後、CPU66によって、内部抽選処理の結果や、可変表示ゲームの進行状況等に応じて、背景画像を選択する制御プログラムが、ROM68から呼び出され実行される。
【0212】
次に、CPU66によって、実行され得られた結果に基づいて、選択された背景画像の画面構成情報が、随時、CPU66によって、RAM70に生成される。上記背景画像としては、特に限定されるものではなく、可変ゲームの進行状況や、上記内部抽選処理の結果に基づいて、CPUによって、適宜選択される。
【0213】
次に、選択された動物体からなるキャラクタ画像の画面構成情報がRAM70に生成される(ステップS203)。すなわち、上記制御プログラムの実行結果に基づいて、CPU66により選択されたキャラクタ画像の画面構成情報が、RAM70に生成される。
【0214】
このとき、例えば、1/60秒や、1/30秒等毎の一定間隔の周期(フレームスパン)で、キャラクタ画像の先頭位置が所定の移動量分ずれるように制御することにより、キャラクタ画像に動きを与えて表示させることができる。
なお、キャラクタを示す画像については、必ずしも常に表示装置上に表示されている必要はない。上記キャラクタ画像としては、例えば、図13に示すような豚を示す画像等を挙げることができる。
【0215】
次いで、識別情報である変動図柄の画面構成情報が、上記制御プログラムの実行結果に基づいて、CPU66によって、RAM70に生成される(ステップS204)。
【0216】
上記変動図柄を構成する各図柄となる画像の画面構成情報は、上述した制御プログラムに基づいて、CPU66によって、例えば、1/60秒や、1/30秒等毎の一定間隔の周期(フレームスパン)で、同一の識別情報を有する変動図柄となる画像について、画面構成情報の先頭位置を、所定の移動量分ずれるようにし、また、各変動図柄となる画像を、所定の順序で順次生成するように制御することにより、変動図柄の変動表示を行うことができる。
【0217】
さらに、フレームスパンや、画面構成情報の読み出しの先頭位置等を調整することによって、変動図柄の変動速度を制御することができるため、背景画像において、展開されている物語等に応じて、変動図柄の変動を滑らかにさせ、背景画像と、変動図柄との融合を図ることも可能である。
【0218】
なお、ROM68に、同一の変動図柄について、異なる形状となる複数の画像データを記憶させ、随時、CPU66から読み出し、表示装置32に送信することにより、変動表示中に、該変動図柄の形状が経時的に変化していくように表示させることも可能である。
【0219】
次に、一つの変動図柄を停止表示させるタイミングであるか否かを判断する(ステップS205)。すなわち、複数、例えば、三つの組のうち、一つの組に属する図柄を停止表示させるタイミングであるか否かを判断する。
変動図柄を停止表示させるタイミングであると判断したときには、CPU66によって、一つの変動図柄を停止表示させる態様で変動図柄画像が選択され、該変動図柄画像の画面構成情報がRAM70に生成される(ステップS206)。
【0220】
次いで、ステップS202〜206において、RAM70に生成された画面構成情報に基づいて、CPU66によって、ROM68から、上記画面構成情報に対応する各画像データが読み出される。
その後、上記画面構成情報内の表示される優先順位や、位置等に関する情報によって、表示装置32に表示される画像データとされた後、表示装置32に送信され、表示される(ステップS207)。
【0221】
上述したステップS202〜S207の処理は、後述するステップS208において複数の組に属する図柄の全てが停止表示されたと判別されるまで繰り返し実行される。このように処理を繰り返し実行することにより、所定の態様でスクロールするように図柄を変動表示することができ、また、キャラクタ画像も所定の動作をするように表示することができる。
【0222】
ステップS207の処理を実行した後、複数の組に属する図柄の全てが停止表示されたか否かを判断する(ステップS208)。
複数の組に属する図柄の全てが停止表示されていないと判断したときには、処理をステップS202に戻す。一方、複数の組に属する図柄の全てが停止表示されていないと判断したときには、RAM70に記憶された第一大当たり情報が存在するか否かを判断する(ステップS209)。
第一大当たり情報が存在すると判断した場合、後述する大当たり実行処理を行い(ステップS210)、第一大当たりに基づく第一大当たり状態を発生させ、遊技者に対して所定の利益及び/又は有利な状態の提供を行う。
【0223】
ステップS209において、記憶された第一大当たり情報が存在しないと判断した場合、又は、ステップS210の大当たり実行処理を実行した場合、次に、RAM70に記憶された抽選データが存在するか否かを判断する(ステップS211)。RAM70に記憶された抽選データが存在しないと判断した場合、保留された可変表示ゲームは存在しないことになるので、本サブルーチンを終了する。
【0224】
一方、ステップS211において、RAM70に記憶された抽選データが存在すると判断した場合、保留された可変表示ゲームが存在することになるので、RAM70に記憶された抽選データのうち、最も古い抽選データを読み出し(ステップS212)、処理をステップS200に戻す。その後、CPU66は、ステップS200において、読み出した抽選データに基づいて内部抽選処理を実行し、その内部抽選処理の結果に基づいて、ステップS202〜S208の処理を繰り返し実行することになる。
【0225】
次に、図8に示すステップS126又は図11に示すステップS210において、大当たり状態が発生した際に実行される大当たり実行処理ルーチンについて、図12を用いて説明する。
なお、以下の説明では、大当たり状態において断続的に15回の大当たり遊技が提供されることとする。また、当該大当たり遊技は、大入賞口が開放状態となってから、当該大入賞口に10球の遊技球が入るまで、又は、所定の時間が経過するまでを1回とする遊技であるとする。さらに、1回の大当たり遊技を、1ラウンドともいうこととする。
【0226】
この大当り実行処理ルーチンにおいては、まず、大当たり遊技の回数であるnをn=1に設定する(ステップS301)。すなわち、CPU66は、RAM70に設けられた大当たり遊技の回数を記憶するテーブル(ラウンド数記憶テーブル)にn=1であることを記憶させる。
【0227】
次いで、大入賞口38が開放状態となるタイミングであるか否かを判断する(ステップS302)。
上記大入賞口38が開放状態となるタイミングであると判断したときは、大入賞口38を開放する(ステップS303)。
すなわち、CPU66は、インターフェイス回路群72を介して、ソレノイド48に駆動信号を供給することにより、大入賞口38を開放状態とする。これにより、遊技者が大入賞口38へ遊技球を入れることが可能となる。
一方、上記大入賞口38が開放状態となるタイミングでないと判断したときは、ステップS302に戻す。
【0228】
次に、大入賞口38に遊技球が入ったか否かを判断する(ステップS304)。遊技球が大入賞口38に入ったか否かは、例えば、大入賞口38に設けられたセンサにより遊技球が検出されたか否かにより判断される。
そして、大入賞口38に設けられたセンサにより遊技球が検出された際には、検出信号をインターフェイス回路群に供給する。この検出信号を受け取ったCPU66は、RAM70に設けられた大入賞口に入った遊技球の数を記憶するテーブル(大入賞口遊技球記憶テーブル)に遊技球の数を記憶させ(ステップS305)、予め定められた数の遊技球を払い出す処理を実行する(ステップS306)。
【0229】
ステップS304において、大入賞口38に遊技球が入っていないと判断した場合、又は、ステップS306において遊技球を払い出す処理を実行したとき、次に、大入賞口38に所定の数の遊技球が入ったか否かを判断する(ステップS307)。すなわち、CPU66は、大入賞口遊技球記憶テーブルに記憶された遊技球の数とRAMの別の領域に記憶された所定の遊技球の数(10球)とを比較し、大入賞口38に入った遊技球が所定の数(10球)となっているか否かを判断する。
【0230】
大入賞口38に所定の数の遊技球が入っていないと判断したときは、大入賞口38が開放状態となってから所定の時間が経過したか否かを判断する(ステップS308)。すなわち、CPU66は、ステップS302において開始した経過時間のカウントが、所定の時間に達したか否かについて判断する。
大入賞口38が開放状態となってから所定の時間が経過していないと判断したときは、処理をステップS304に戻す。
【0231】
一方、ステップS307において、大入賞口38に所定の数の遊技球が入ったと判断したとき、又は、ステップS308において所定の時間が経過したと判断したときには、大入賞口38を閉鎖する(ステップS309)。
このように大入賞口38の開放時間は、大入賞口38に入った遊技球の数か、時間かのいずれかの要素により判断され、大入賞口38に所定の数の遊技球が入れば、所定の時間に達しなくとも大入賞口38は閉鎖され、一方、大入賞口38に入った遊技球の数が所定の値に達していなくても、所定の時間が経過すれば、大入賞口38は閉鎖されるのである。
また、大入賞口38の閉鎖は、インターフェイス回路群72を介して、ソレノイド48に駆動信号を供給することにより行う。
【0232】
次に、大当たり遊技の回数であるnに1を加算して、n=n+1とするように設定する(ステップS310)。すなわち、CPU66は、RAM70に設けられたラウンド数記憶テーブルにn=n+1となるように大当たり遊技の回数を記憶させる。
そして、大当たり遊技の回数nが15以下であるか否かを判断する(ステップS311)。すなわち、CPU66は、まず、ラウンド数記憶テーブルに記憶された大当たり遊技の回数を読み出し、この回数とRAMの別の領域に記憶されたn=15のデータとを比較し、大当たり遊技の回数nがn≦15であるか否かを判断する。大当たり遊技の回数nがn≦15であると判断したときには、処理をステップS302に戻す。従って、本サブルーチンでは、nが15を超えるまで、繰り返し大当たり遊技が行われることとなる。
そして、大当たり遊技の回数であるnが15を超えるときは、本サブルーチンを終了する。
なお、本サブルーチンでは、nの最大数を15としたが、nは自然数であれば限定されず、15より大きくても、小さくてもよい。
また、上述した大当たり実行処理ルーチンが実行されている間、表示装置32では、大当たり状態が発生していることを遊技者に認識させるとともに、遊技を盛り上げるための演出画像が表示される。
【0233】
次に、パチンコ遊技機10の表示装置32に表示される画面画像について、図13(a)〜(e)を用いて説明する。
図13に示す画面画像では、3つの変動図柄が、それぞれ画面左上、上側中央及び右上に表示され、該変動図柄の下側に、キャラクタ画像等からなる演出画像が表示される。上記演出画像は、キャラクタである4匹の豚が、大きな宝箱を発見し、その中身を確認するという演出画像である。
【0234】
まず、可変表示ゲームが開始されると、図13(a)に示すように、変動図柄の変動表示が開始されるとともに、キャラクタである4匹の豚が、大きな宝箱のあるところまで到達する演出画像が表示される。
その後、4匹の豚が上記宝箱を開けるために悪戦苦闘する演出画像が表示されるとともに、3つの変動図柄が、順次停止表示されていく。
【0235】
そして、図13(b)に示すように、3つの変動図柄が、第一大当たり状態が発生する図柄の組み合わせ「7」−「7」−「7」で停止表示された場合、4匹の豚が驚き、宝箱の上にエクスクラメーションマークが登場する演出画像が表示され、その後、第一大当たりに基づく第一大当たり状態が発生する。
第一大当たり状態では、図13(c)に示すように、停止表示された変動図柄「7」−「7」−「7」が縮小されて、さらに画面上側に移動し、その画像に代えて「大当たり」を示す画像が表示される。また、宝箱が開いて、該宝箱から、たくさんの財宝が出てきて、4匹の豚が大喜びする演出画像が表示される。
【0236】
一方、図13(d)に示すように、3つの変動図柄が、はずれ状態が発生する図柄の組み合わせ「1」−「8」−「4」で停止表示された場合、宝箱が開いて、該宝箱から、たくさんの蛇が出てきて、4匹の豚が逃げ出してしまうという演出画像が表示される。
【0237】
また、図13(e)に示すように、3つの変動図柄が、第二大当たりの発生を告知する図柄の組み合わせ「7」−「5」−「3」で停止表示された場合、4匹の豚が驚くが、宝箱の上にクエスチョンマークが登場する演出画像が表示される。その後、上記宝箱が開くことなく、再び図13(a)に示したような画面画像が表示され、他の可変表示ゲームが開始される。
このとき、第二大当たりに基づく第二大当たり状態の発生が保留されたことになる。また、遊技者は、図13(e)に示すような画面画像を見ることにより、第二大当たりが発生しており、将来的に、この第二大当たりに基づく第二大当たり状態が発生することを認識することができる。
【0238】
このようにして遊技が継続して行われていき、例えば、出球率が下限値を基準として所定の範囲内となったときには、第二大当たりに基づく第二大当たり状態が連続して発生し、図13(c)に示した画面画像と略同様の画像が表示される。
【0239】
以上のように、本発明に係るパチンコ遊技機では、出球率が、予め定められた上限値を基準として所定の範囲内になったときに、直ぐに所定の利益等が提供される第一大当たりが発生せず、所定の利益等の提供が保留される第二大当たり又ははずれのみが発生するので、第一大当たりの発生に基づき、多量の遊技球が払い出されることはなく、この多量の遊技球の払い出しに起因する大当たり状態となった場合の出球率の急激な上昇を抑制することができ、出球率が上限値を超えないようにすることができる。また、出球率又は出球率の変化に応じて、すでに発生している第二大当たりに基づき、保留された所定の利益及び/又は有利な状態が提供されるので、第二大当たりの発生に伴う急激な出球率の変化があった場合であっても、出球率を上限値から下限値までの範囲内に収まるようにすることができ、試験場において行う出球率の検査を省略することが可能であり、例えば、抜き打ち検査のみで対応可能とすることができる。
また、遊技盤上に植設された複数の釘の傾き等が調整された場合であっても、上述のように、出球率が上限値から下限値までの範囲内に収まるようにするため、上限値を超えたり下限値を下回ったりすることが殆どなく、遊技者に対して健全な遊技を提供することができる。
【0240】
さらに、発生した全ての第二大当たりに基づいて、所定の利益及び/又は有利な状態の提供を連続的に行うので、出球率が低下し、下限値に近づいている場合であっても、出球率を大幅に上昇させることが可能であり、出球率が下限値を下回ることをより確実に防止することができる。なお、発生した第二大当りは、複数であってもよく、1個であってもよい。
【0241】
上述した実施例においては、パチンコ遊技を制御するプログラムや、図5〜図12を用いて説明したサブルーチンを実行するためのプログラム、すなわち、打ち出された遊技球の数を計測するプログラムや、遊技球の検出するためのプログラムや、払い出された遊技球の数を計測するプログラムや、出球率を算出して確率テーブルを変更させたり、第二大当たり状態を発生させるプログラム、抽選実行処理を行うためのプログラム、可変表示ゲームを実行するプログラムや、大当たり状態を発生させるためのプログラムをパチンコ遊技機10のROM68やRAM70に記憶されている場合を示したが、サーバに通信可能に接続された端末機を操作者が操作することによりパチンコ遊技を行うことができる構成とした場合においては、上述したプログラムやこれらのプログラムで用いるデータをサーバや端末機が有することとしてもよい。
【0242】
このようにサーバと端末機とからなる構成とした場合には、サーバは、打ち出された遊技球の数を計測するプログラムや、遊技球の検出するためのプログラムや、払い出された遊技球の数を計測するプログラムや、出球率を算出して確率テーブルを変更させたり、第二大当たり状態を発生させるプログラム、抽選実行処理を行うためのプログラム、可変表示ゲームを実行するプログラムや、大当たり状態を発生させるためのプログラムを、予め記憶しておき、所定のタイミングでこれらのプログラムを端末機に送信するのである。
【0243】
一方、端末機は、これらの送信されたプログラムを一旦記憶し、記憶したプログラムを適宜読み出して実行することによりパチンコ遊技を進行させるのである。また、パチンコ遊技を制御するプログラムや、打ち出された遊技球の数を計測するプログラムや、遊技球の検出するためのプログラムや、払い出された遊技球の数を計測するプログラムや、出球率を算出して確率テーブルを変更させたり、第二大当たり状態を発生させるプログラム、抽選実行処理を行うためのプログラム、可変表示ゲームを実行するプログラムや、大当たり状態を発生させるためのプログラムをサーバ側で実行し、その実行結果に応じて生成した命令を制御信号や制御情報として端末機に送信することとしてもよい。この場合には、端末機は、送信された制御信号や制御情報に従ってパチンコ遊技を行うための画像を選択したり生成したり、その画像を表示部に表示するのである。
【0244】
図14は、上述した如き構成としたときにおける端末機の一例を示す正面図である。
図14に示した例においては、端末機100は汎用のパーソナルコンピュータであり、端末機100に接続されている入力装置102、例えば、キーボードから遊技者の入力操作が入力される。また、端末機100の制御部130は、後述するようなCPU108、ROM110、RAM112等からなり、この制御部130においてパチンコ遊技を制御するプログラムや、可変表示ゲームを制御するプログラムが実行されるのである。
【0245】
また、この制御部130は通信用インターフェイス回路120(図示せず)をも有しており、制御部130は通信用インターフェイス回路120を介して後述するサーバとの通信を行い、サーバから送信される制御信号又は制御情報や、プログラムや、データに基づいてパチンコ遊技の制御をしたり、可変表示ゲームの制御をするのである。
【0246】
さらに、端末機100に接続されている表示装置116には、図14に示すようなパチンコ遊技機を模したパチンコ遊技機画像が表示され、このパチンコ遊技機画像上においてパチンコ遊技が行われるのである。このパチンコ遊技機画像上においては、上述した可変表示ゲームが実行される表示部132が画像として表示される。この表示部132において、上述したような識別情報である図柄の画像が表示されるのである。
【0247】
また、後述するように、図5〜図12に示したサブルーチンや、図18〜図23に示すようなサブルーチンが、制御部130において実行された際には、発生する大当たりが、可変表示ゲームが終了した直後に所定の利益及び/又は有利な状態を提供する第一大当たりと、可変表示ゲームが終了した際に所定の利益及び/又は有利な状態の提供が保留される第二大当たりとからなり、制御部130は、出球率算出手段により得られた出球率が、予め定められた上限値を基準として所定の範囲内になったときには、上記第二大当たり又ははずれのみを発生させるとともに、すでに発生している第二大当たりに基づき、保留された所定の利益及び/又は有利な状態を提供する際には、上記出球率又は出球率の変化に応じて、上記出球率が予め定められた上限値を超えないように、全ての上記第二大当たりに基づき、上記所定の利益及び/又は有利な状態を連続的に提供するのである。
【0248】
図15は、端末機の他の例を示す正面図である。なお、図14に示した構成要素と対応する構成要素には同一の符号を付した。
図15の例は、携帯型の端末機140を示すもので、端末機140に設けられている入力装置102、例えば、スイッチから遊技者の入力操作が入力される。また、制御部130(図示せず)は、端末機140の内部に設けられており、後述するようなCPU108、ROM110、RAM112等からなり、この制御部130においてパチンコ遊技や可変表示ゲームを制御するプログラムが実行される。
【0249】
また、この制御部130は通信用インターフェイス回路120(図示せず)も有し、制御部130は通信用インターフェイス回路120を介して後述するサーバとの通信を行い、サーバから送信される制御信号又は制御情報や、プログラムや、データに基づいてパチンコ遊技や可変表示ゲームを制御するのである。
【0250】
さらに、端末機140の上面に設けられている表示装置116は、液晶ディスプレイパネルからなり、図15に示したように、パチンコ遊技機を模したパチンコ遊技機画像が表示され、このパチンコ遊技機画像上においてパチンコ遊技が行われるのである。このパチンコ遊技機画像上においては、上述した可変表示ゲームが実行される表示部132が画像として表示される。この表示部132において、上述したような識別情報である図柄の画像が表示されるのである。
【0251】
また、後述するように、図5〜図12に示したサブルーチンや、図18〜図23に示すようなサブルーチンが、制御部130において実行された際には、発生する大当たりが、可変表示ゲームが終了した直後に所定の利益及び/又は有利な状態を提供する第一大当たりと、可変表示ゲームが終了した際に所定の利益及び/又は有利な状態の提供が保留される第二大当たりとからなり、制御部130は、出球率算出手段により得られた出球率が、予め定められた上限値を基準として所定の範囲内になったときには、上記第二大当たり又ははずれのみを発生させるとともに、すでに発生している第二大当たりに基づき、保留された所定の利益及び/又は有利な状態を提供する際には、上記出球率又は出球率の変化に応じて、上記出球率が予め定められた上限値を超えないように、全ての上記第二大当たりに基づき、上記所定の利益及び/又は有利な状態を連続的に提供するのである。
【0252】
上述したように、図15に示した端末機100においては、表示装置116は制御部130から別体となって構成されており、サーバから送信された表示制御信号等の各種の制御信号又は制御情報は端末機100の制御部130に供給され、制御部130は供給された制御信号又は制御情報に基づいて表示信号を生成し、生成した表示信号を表示装置116に供給するのである。
【0253】
一方、図15に示した端末機140は、表示装置116と一体となって構成されており、サーバから送信された表示制御信号等の制御信号又は制御情報は端末機140の制御部130に供給され、制御部130は供給された制御信号又は制御情報に基づいて表示信号を生成し、生成した表示信号を表示装置116に供給するのである。以下に示す実施例は、端末機の制御部と表示装置とが別体となった構成であっても、一体となった構成であっても、適用することができる。
【0254】
図16は、上述した端末機100又は140(以下、パチンコ遊技用端末装置と称する)の構成を示すブロック図である。また、図16は、このパチンコ遊技用端末装置と通信回線を介して接続され、種々の制御信号又は制御情報やデータをパチンコ遊技用端末装置に供給するサーバ80の構成を示すブロック図である。
【0255】
遊技者の操作を入力するための入力装置102、例えば、キーボードやスイッチは、パチンコ遊技用端末装置100のインターフェイス回路104に接続され、インターフェイス回路104は、入出力バス106に接続されている。この入出力バス106を介し、中央処理回路(以下、CPUと称する)108にデータ信号又はアドレス信号が入出力されるようになされている。入出力バス106には、ROM110及びRAM112も接続されている。ROM110及びRAM112は、後述するようなプログラムや表示装置116に表示するための画像のデータを記憶する。
【0256】
また、入出力バス106には、インターフェイス回路群114も接続されている。インターフェイス回路群114には、表示装置116及びスピーカ118が接続されており、インターフェイス回路群114は、CPU108における演算処理の結果に応じて表示装置116及びスピーカ118の各々に表示信号や音声信号を供給する。
【0257】
さらに、入出力バス106には、通信用インターフェイス回路120も接続されている。この通信用インターフェイス回路120は、公衆電話回線網やローカルエリアネットワーク(LAN)等の通信回線を介して後述するサーバ80との通信をするためのものである。
【0258】
一方、サーバ80は、図17に示すように、ハードディスクドライブ88と、CPU82と、ROM84と、RAM86と、通信用インターフェイス回路90と、から構成されている。ハードディスクドライブ88は、パチンコ遊技用端末装置との通信をするためのプログラムや、パチンコ遊技用端末装置から発せられた情報を受信するためのプログラムや、パチンコ遊技を制御するプログラムや、可変表示ゲームを制御するプログラムを記憶する。通信用インターフェイス回路90は、公衆電話回線網やローカルエリアネットワーク(LAN)等の通信回線を介して上述したパチンコ遊技用端末装置100や140との通信をするためのものである。
【0259】
上述したような構成とした場合においては、図14や図15に示したパチンコ遊技機を模したパチンコ遊技機画像を、パチンコ遊技用端末装置100の表示装置116に表示し、遊技盤面、保留ランプ、装飾ランプ、可変表示ゲームを行うための表示部132や普通図柄を表示するための表示部152等の装置を示す画像や、遊技球を示す画像が表示装置116に表示される。この可変表示ゲームを実行するための表示部132においては、可変表示ゲームが実行された際には識別情報である図柄の画像が表示されるのである。
【0260】
以下、パチンコ遊技用端末装置及びサーバの各々で実行処理されるサブルーチンを、図18〜図23に示す。
【0261】
以下においては、パチンコ遊技用端末装置100又は140及びサーバ80は予め起動されて定常動作しているものとする。また、上述したCPU108やCPU82において用いられる変数は所定の値に初期化されているものとする。なお、以下の説明においては、入賞口、始動口、球通過検出器等の装置や遊技球の各々は、表示装置116において画像として表示される。
【0262】
パチンコ遊技を制御するためのプログラムや、可変表示ゲームを実行するためのプログラムをパチンコ遊技用端末装置100又は140のROM110に予め記憶させておき、パチンコ遊技が進行するに従って必要となる各種の画像データのみをサーバ80から適宜送信する構成とした場合において、パチンコ遊技用端末装置100又は140、及びサーバ80において実行されるサブルーチンを図18〜図23に示す。
【0263】
図18は、パチンコ遊技用端末装置100又は140において実行されるサブルーチンであり、以下の説明においては、メインルーチンから所定のタイミングでROM110から読み出されて実行されているものとする。なお、このメインルーチンは、サーバ80との通信が可能であるか否かを判断するためのプログラム等のサーバ80との通信をする際に必要となるプログラムを予め含んでいるものとする。
【0264】
最初に、遊技者の操作によりパチンコ遊技が開始されて、遊技プログラムが実行処理される(ステップS32)。この遊技プログラムは、パチンコ遊技を制御する遊技プログラムと、出球率を算出し、算出した出球率により抽選実行処理における確率テーブルを変更させたり、第二大当たりに基づき第二大当たり状態を発生させるためのプログラムと、抽選実行処理、可変表示ゲーム及び大当たり実行処理を行うためのプログラムと、を含むものであり、また、パチンコ遊技機を模したパチンコ遊技機画像や、背景画像や変動図柄の画像やキャラクタ画像等を表示装置116に表示するためのものである。
【0265】
また、パチンコ遊技用端末装置100又は140において遊技プログラムが実行された際には、遊技者が入力装置102を操作したことを検出する。遊技者が入力装置102を操作したと検出したときには、上述したように、パチンコ遊技用端末装置100又は140の表示装置116にはパチンコ遊技機を模したパチンコ遊技機画像が表示され、このパチンコ遊技機画像上に可変表示ゲームを表示する表示部132も表示されるのである。
【0266】
さらに、遊技者が遊技球を発射すべく入力装置102を操作したときには、遊技球が遊技盤面上を移動するように視認できる遊技球の画像をパチンコ遊技機画像上に表示するのである。
【0267】
次に、入賞口に遊技球が入ったか否かを判断する(ステップS33)。この入賞口は、上述した図2に示した一般入賞口50及び54a〜54d並びに特別入賞口56a〜56dに対応する画像部分である。
【0268】
入賞口に遊技球が入ったと判断したときには、遊技球を所定の払出数Pで払い出す処理を実行する(ステップS34)。なお、払出数Pは、入賞口の種類に応じて、個別に設定されていてもよく、全て同じであってもよい。また、このステップS34の処理は、パチンコ遊技用端末装置100又は140においては、遊技球の数を表示装置116の何処かの位置に表示することとしても、遊技球の数をRAM112に記憶することとしてもよい。
【0269】
次に、始動口に遊技球が入ったか否かを判断する(ステップS35)。この始動口は、例えば、上述した図2に示した始動口44に対応する画像部分である。
【0270】
このステップS35において、始動口に遊技球が入ったと判断したときには、遊技球を所定の払出数Qで払い出す処理を実行し(ステップS41)、抽選実行処理ルーチンを呼び出し実行する(ステップS36)。この場合において抽選実行処理ルーチンが実行されたときには、発生する大当たりが、可変表示ゲームが終了した直後に所定の利益及び/又は有利な状態を提供する第一大当たりと、可変表示ゲームが終了した際に所定の利益及び/又は有利な状態の提供が保留される第二大当たりとからなることになるのである。
【0271】
上記抽選実行処理については、図9に、抽選処理を行うことにより、第一大当たり、第二大当たり及びはずれのいずれか1の結果を発生させる処理方法について記載し、図10に、上記抽選実行処理において、第一抽選を行い、第一大当たり及びはずれのいずれか1の結果を発生させ、第一抽選の結果、第一大当たりを発生させると決定したときには、保留抽選を行い、第一大当たりを、第二大当たりに変更するか否かを決定する処理方法について記載している。
なお、ステップS36において実行される抽選実行処理のサブルーチンについては、図9、図10に示した抽選実行処理と略同様であり、既に説明済であるので、ここでの説明は省略する。
【0272】
さらに、球通過検出器を遊技球が通過したか否かを判断する(ステップS37)。この球通過検出器は、例えば、上述した図2に示した球通過検出器55a及び55bに対応する画像部分である。
【0273】
このステップS37において、球通過検出器を遊技球が通過したと判断したときには、表示装置52において普通図柄を変動表示させる処理を実行する(ステップS38)。なお、上述したように、変動表示された普通図柄が停止したときに所定の図柄となったときには、可動片58a及び58bを駆動して始動口44を開放状態となるように視認できる画像を表示して、始動口44に遊技球が入りやすくなるようにするのである。
【0274】
次に、遊技が終了したか否かを判断する(ステップS39)。遊技が終了したか否かの判断は、遊技者が遊技を終了すべく入力装置102を操作したことを検出したときや、遊技球が予め定められた数だけ遊技盤面に発射されたことを判断したときに、遊技が終了したと判断するのである。遊技が終了していないと判断したときには、上述したステップS32に処理を戻す。
【0275】
一方、遊技が終了したと判断したときには、発射した遊技球の数や払い戻した遊技球の数等を示す遊技結果や、遊技が終了したことを示す遊技終了情報をサーバ80に送信し(ステップS40)、本サブルーチンを終了する。
【0276】
図19は、発射遊技球数A及び払出遊技球数Bを検知するために実行されるサブルーチンであり、パチンコ遊技用端末装置100又は140において実行されるサブルーチンである。このサブルーチンは、メインルーチンから所定のタイミングでROM110から読み出されて実行されるものである。
【0277】
まず、RAM112に記憶された、遊技盤上に打ち出された遊技球の数(発射検知数A)を0とし(ステップS150)、さらに、払い出された遊技球の数(払出検知数B)を0とする(ステップS151)。
【0278】
次に、遊技球が打ち出されたか否かを判断する(ステップS152)。すなわち、CPU108が、端末機100又は140に備えられた入力装置102から、遊技者の入力操作が入力されたか否かを判断する。
遊技球が打ち出されたと判断した場合、RAM112に記憶された発射検知数Aに1を加算(インクリメント)し、A+1として、RAM112に累積記憶する(ステップS153)。
【0279】
次に、遊技球が払い出されたか否かを判断する(ステップS154)。すなわち、上述したステップS34若しくはS41の処理が実行されることにより、遊技球が払い出されたか、又は、図20に示すステップS306の処理が実行されることにより、遊技球が払い出されたかを判断する。
遊技球が払い出されたと判断した場合、RAM112に記憶された払出検知数Bに1を加算(インクリメント)し、B+1として、RAM112に累積記憶する(ステップS155)。
【0280】
次に、ステップS151の処理を実行してから所定の期間が経過したか否かについて判断する(ステップS156)。所定の期間が経過していないと判断した場合、処理をステップS152に戻し、再びステップS152〜S155の処理を実行する。一方、ステップS156において、所定の期間が経過したと判断した場合、所定の期間における打出検知数AをRAM112に記憶させ(ステップS157)、さらに、所定の期間における払出検知数BをRAM112に記憶させて(ステップS158)、本サブルーチンを終了する。
【0281】
このように、ステップS156において所定の期間が経過したと判断するまで、ステップS152〜S156の処理を繰り返し実行することにより、所定の期間に打ち出された遊技球の数と、払い出された遊技球の数とを計測することが可能になる。
【0282】
図20は、図18のステップS36において実行される抽選実行処理において用いられる確率テーブルの変更、及び、第二大当たりに基づく第二大当たりの実行のサブルーチンを示すフローチャートである。なお、このサブルーチンは、図18等に示すサブルーチンとは無関係に呼び出されて実行されるサブルーチンである。また、図20に示したフローチャートは、図11に示したフローチャート内のステップにおける処理と同様の処理を行うステップには同一の符号を付した。
【0283】
まず、CPU108は、所定のタイミングで(例えば、10分ごと)、上述したステップS157においてRAM112に記憶させた発射検知数A、及び、ステップS158においてRAM112に記憶させた払出検知数Bを読み出し、上記(6)式により出球率を算出する処理を行う(ステップS120)。
このステップS120において、制御部(CPU108)は、打ち出された遊技球の数と、払い出された遊技球の数とから出球率を算出する出球率算出手段として機能する。
【0284】
次に、算出した出球率が、上限値を基準とした所定範囲内に入ったか否かを判断する(ステップS121)。例えば、短時間における出球率の上限値が300%である場合には、出球率が270〜300%の範囲に入ったか否かを判断する。この判断は、上記所定の範囲に相当する値(所定範囲の最大値と最小値)と出球率とを比較することにより行うことができる。
【0285】
出球率が上記所定の範囲に入ったと判断したときには、第二大当たりかはずれのみが発生するように確率テーブルを変更する(ステップS122)。上述したように、本発明において、第二大当たりかはずれのみを発生させるためには、例えば、図9に示す抽選実行処理ルーチンと図10に示す抽選実行処理ルーチンの2つの実施形態をとることができる。
図9に示す抽選実行処理ルーチンでは、図9のステップS401において、抽選処理に用いる確率テーブルを、第一大当りの確率が0%で第二大当りかはずれのみが発生する確率テーブルに変更する(ステップS122)。
【0286】
また、出球率が上記所定の範囲に入ったと判断したときには、図10のステップS423において、保留抽選処理に用いる確率テーブルについても、第一大当たりの確率が0%、すなわち全ての乱数を第二大当たりに対応させた確率テーブルに変更を行う。
【0287】
一方、出球率が上記所定の範囲に入ったと判断しなかったときには、図9の抽選処理及び図10の保留抽選処理に用いる確率テーブルとしては、上述した初期の確率テーブルを使用する(ステップS123)。
【0288】
次に、RAM112に記憶された第二大当たりが存在するか否かを判断する(ステップS124)。また、記憶された第二大当たりが存在すると判断した場合は、同時に記憶された第二大当たりの数についても判断する。
【0289】
次に、RAM112に記憶された第二大当たりが存在すると判断したときは、第二大当たりに基づく所定の利益及び/又は有利な状態の提供を行うタイミングか否かを判断する(ステップS125)。
第二大当たりに基づく所定の利益及び/又は有利な状態の提供を行うタイミングか否かの判断は、上述したように、出球率又は出球率の変化に応じて、上限値を超えないように、所定利益等の提供を行うことができるか否かを基準に行う。
【0290】
具体的には、予めRAM112に、一回又は二回以上の第二大当たりに基づく所定利益等を連続的に提供することによりどの程度の遊技球が払い出され、それにより、平均してどの程度出球率が上昇するか等を記憶させるとともに、さらに、これに基づいて出球率がどの程度になったとき(どのタイミングで)、全ての第二大当たりに基づいて所定利益等の提供を行ってよいかを記憶させ、CPU108が、ステップS120においてRAM112に記憶させた出球率に関する遊技情報や上記出球率に基づき算出された出球率の変化に関する情報と、上記タイミングに関する情報を比較することにより行う。
【0291】
例えば、発生している全ての第二大当たりに基づく所定利益等の提供を行った際に、出球率がどの程度上昇するかを算出し、出球率の上昇により上限値を超えないレベル(例えば、短時間における出球率の下限値が33〜60%の範囲)となったときには、発生している全ての第二大当たりに基づく所定の利益及び/又は有利な状態の提供を行う。
【0292】
この際、出球率の変化についても判断の対象に入れ、出球率が穏やかに下降していると判断した場合には、発生している第二大当たりに基づいて所定利益等を提供せず、一方、出球率が急激に下降していると判断した場合には、発生している全ての第二大当たりに基づいて所定利益等を提供することとしてもよい。
ただし、出球率の変化に応じて、発生している全ての第二大当たりに基づき、第二大当たり状態を発生させる場合には、出球率が上限値を超えないようにすることは勿論である。
また、短時間における出球率の下限値が33%である場合、出球率が40%以上であっても、傾きがマイナスで急であり、所定の時間以内に下限値に近くなると予想できる場合には、第二大当たり状態を発生させることができる。一方、出球率が40%に近くても、傾きがプラスである場合には、第二大当たり状態を発生させない場合もある。
【0293】
さらに、上述するステップS125において、第二大当たりに基づく所定の利益及び/又は有利な状態を提供するタイミングであると判断した場合は、後述する可変表示ゲームの実行とは無関係に、直ちに第二大当たりに基づく所定の利益及び/又は有利な状態を提供することとしてもよい。このようにすることにより、出球率の低下等に迅速に対応することができ、確実に出球率が下限値を下回ることを回避することができるからである。
【0294】
第二大当たりに基づく所定の利益及び/又は有利な状態の提供を行うタイミングであると判断した場合、第二大当たりに基づき大当たり実行処理を行い(ステップS126)、第二大当たりに基づく第二大当たり状態を発生させ、遊技者に対して所定の利益及び/又は有利な状態の提供を連続的に行う。
従って、ステップS126における大当たり実行処理は、ステップS124において確認された第二大当たりの数と同様の回数だけ連続的に行われる。
【0295】
ステップS124において、記憶された第二大当たりが存在しないと判断した場合、ステップS125において、第二大当たりに基づく所定の利益及び/又は有利な状態を提供するタイミングでないと判断した場合、又は、ステップS126において、第二大当たりに基づき大当たり実行処理を実行した場合は、本サブルーチンを終了する。
【0296】
図21は、図18に示したサブルーチンのステップS36において、図9又は図10に示すような抽選実行処理が実行され、さらに、当該抽選実行処理ルーチンのステップS410において呼び出されて実行される可変表示ゲームを処理するサブルーチンを示すフローチャートである。
なお、図21に示したフローチャートには、図11に示したフローチャートのステップと同様の処理をするステップには同一の符号を付した。
【0297】
最初に、本サブルーチンが呼び出されて可変表示ゲームが実行開始された旨を示す情報をサーバ80に送信する(ステップS61)。
次に、可変表示ゲームにおいて必要とされる識別情報画像である変動図柄の画像や、背景画像や、キャラクタ画像となる画像データ及び制御プログラム等をサーバ80から受信する(ステップS62)。
また、後述するステップS210において、大当たり実行処理が開始されて大当たり状態が発生したときに表示部132に表示される演出画像等となる画像データ及び制御プログラム等を、このステップS62において、サーバ80から受信する。
なお、大当たり実行処理が開始されたときに用いられる画像データ及び制御プログラムは、大当たり実行処理が開始される際に、サーバ80から受信することとしてもよい。
【0298】
次いで、パチンコ遊技用端末装置100又は140のCPU108の演算処理による内部抽選処理を実行する(ステップS201)。この内部抽選処理は、図9、図10に示したような抽選実行処理が実行された際にRAM112に記憶した抽選データに基づいて、変動表示される複数の組に属する図柄を全て停止表示させて図柄が確定したときにおける図柄の組み合わせを予め定める処理であり、CPU108は、後述するように、内部抽選処理により定められた図柄の組み合わせで図柄が表示部132において停止表示されるように図柄の変動表示と停止表示との処理を行うのである。
【0299】
次いで、CPU108によって、上記制御プログラムが実行され、その結果に基づいて、背景画像が選択されるとともに、背景画像の画面構成情報が生成され(ステップS202)、キャラクタ画像が選択されるとともに、キャラクタ画像の画面構成情報が生成され(ステップS203)、識別情報である変動図柄の画面構成情報が生成される(ステップS204)。
【0300】
次に、複数、例えば、3つの組のうち、1つの組に属する図柄を停止表示させるタイミングであるか否かを判断する(ステップS205)。図柄を停止表示させるタイミングであると判断したときには、1つの図柄が停止表示される態様で、変動図柄画像を選択し、画面構成情報を生成する(ステップS206)。
【0301】
そして、生成された画面構成情報に基づいて、ステップS62において受信した上記画像データのうち、必要な画像データが読み出され、表示部132に表示される画像データとされた後、表示部に表示される(ステップS207)。
【0302】
上述したステップS202〜S207の処理が繰り返し実行されることにより、表示装置116に表示した表示部132において、背景画像やキャラクタ画像からなる通常画像が表示されるのである。
【0303】
次に、複数の組に属する図柄の全てが停止表示されたか否かを判断する(ステップS208)。複数の組に属する図柄の全てが停止表示されていないと判断したときには、処理をステップS202に戻す。
一方、ステップS208において、複数の組に属する図柄の全てが停止表示されたと判断した場合には、1つの遊技球が始動口に入ったことによる可変表示ゲームが終了したことになり、次に、RAM112に記憶された第一大当たり情報が存在するか否かを判断する(ステップS209)。
第一大当たり情報が存在すると判断した場合、後述する大当たり実行処理を行い(ステップS210)、第一大当たりに基づく第一大当たり状態を発生させ、遊技者に対して所定の利益及び/又は有利な状態の提供を行う。
【0304】
ステップS209において、記憶された第一大当たり情報が存在しないと判断した場合、又は、ステップS210の大当たり実行処理を実行した場合、次に、RAM112に記憶された抽選データが存在するか否かを判断する(ステップS211)。RAM112に記憶された抽選データが存在しないと判断した場合、保留された可変表示ゲームは存在しないことになるので、本サブルーチンを終了する。
【0305】
一方、ステップS211において、RAM112に記憶された抽選データが存在すると判断した場合、保留された可変表示ゲームが存在することになるので、RAM112に記憶された抽選データのうち、最も古い抽選データを読み出し(ステップS212)、処理をステップS200に戻す。その後、CPU66は、ステップS200において、読み出した抽選データに基づいて内部抽選処理を実行し、その内部抽選処理の結果に基づいて、ステップS202〜S208の処理を繰り返し実行することになる。
【0306】
ステップS209において、記憶された第一大当たり情報が存在しないと判断した場合、又は、ステップS210の大当たり実行処理を実行した場合、次に、RAM112に記憶された抽選データが存在するか否かを判断する(ステップS211)。RAM112に記憶された抽選データが存在しないと判断した場合、保留された可変表示ゲームは存在しないことになるので、可変表示ゲームが終了した旨を示す情報、及び、可変表示ゲームの結果情報をサーバ80に送信し(ステップS64)、本サブルーチンを終了する。なお、ステップS64の処理は、上述したステップS211において、RAM112に記憶された抽選データが存在すると判断した後、ステップS212の処理を実行する前に行うこととしてもよい。
【0307】
また、上述したステップS210において大当たり実行処理を行った場合には、ステップS64において、大当たり状態における遊技の結果情報をサーバ80に送信する。なお、大当たり状態における遊技の結果情報は、後述する大当たり実行処理が終了したとき、サーバ80に送信することとしてもよい。
【0308】
次に、図20に示すステップS126又は図21に示すステップS210において呼び出されて実行される大当たり処理ルーチンについて、図22を用いて説明する。なお、図22に示したフローチャートは、図12に示したフローチャート内のステップにおける処理に相当する処理を行うステップには同一の符号を付した。
以下の説明では、大当たり状態において断続的に15回の大当たり遊技が提供されることとする。また、当該大当たり遊技は、大入賞口が開放状態となってから、当該大入賞口に10球の遊技球が入るまで、又は、所定の時間が経過するまでを1回とする遊技であるとする。さらに、1回の大当たり遊技を、1ラウンドともいうこととする。
【0309】
この大当り処理ルーチンにおいては、まず、大当たり遊技の回数であるnをn=1に設定する(ステップS301)。すなわち、CPU108は、RAM112に設けられた大当たり遊技の回数を記憶するテーブル(ラウンド数記憶テーブル)にn=1であることを記憶させる。
【0310】
次いで、大入賞口画像が開放状態となるタイミングであるか否かを判断する(ステップS302)。
上記大入賞口画像が開放状態となるタイミングであると判断したときは、大入賞口画像を開放状態の態様で表示する(ステップS303)。これにより、遊技者が大入賞口へ遊技球を入れることが可能となる。
一方、上記大入賞口画像が開放状態の態様となるタイミングでないと判断したときは、ステップS302に戻す。
【0311】
次に、大入賞口画像に遊技球画像が重なったか否かを判断する(ステップS304)。そして、大入賞口画像に遊技球画像が重なったと判断した際には、CPU108は、RAM112に設けられた大入賞口に入った遊技球の数を記憶するテーブル(大入賞口遊技球記憶テーブル)に遊技球の数を記憶させる(ステップS305)。
次いで、大入賞口遊技球記憶テーブルに記憶された大入賞口に入った遊技球の数に応じて、予め定められた数の遊技球を払い出す処理を実行する(ステップS306)。なお、このステップS306の処理は、パチンコ遊技用端末装置100又は140においては、遊技球の数を表示装置116の何処かの位置に表示することとしても、遊技球の数をRAM112に記憶することとしてもよい。
【0312】
一方、大入賞口画像に遊技球が重なっていないと判断したときは、次に、大入賞口に所定の数の遊技球が入ったか否かを判断する(ステップS307)。すなわち、CPU108は、大入賞口遊技球記憶テーブルに記憶された遊技球の数とRAMの別の領域に記憶された所定の遊技球の数(10球)とを比較し、大入賞口に入った遊技球が所定の数(10球)となっているか否かを判断する。
【0313】
大入賞口に所定の数の遊技球が入っていないと判断したときは、大入賞口画像が開放状態の態様となってから所定の時間が経過したか否かを判断する(ステップS308)。すなわち、CPU108は、ステップS302において開始した経過時間のカウントが、所定の時間に達したか否かについて判断する。
大入賞口画像が開放状態の態様となってから所定の時間が経過していないと判断したときは、処理をステップS304に戻す。
【0314】
一方、ステップS307において、大入賞口に所定の数の遊技球が入ったと判断したとき、又は、ステップS308において所定の時間が経過したと判断したときには、大入賞口画像を閉鎖状態の態様とする(ステップS309)。
このように大入賞口画像の開放時間は、大入賞口に入った遊技球の数か、時間かのいずれかの要素により判断され、大入賞口に所定の数の遊技球が入れば、所定の時間に達しなくとも大入賞口画像は閉鎖状態の態様とされ、一方、大入賞口に入った遊技球の数が所定の値に達していなくても、所定の時間が経過すれば、大入賞口画像は閉鎖状態の態様とされるのである。
【0315】
次に、大当たり遊技の回数であるnに1を加算して、n=n+1とするように設定する(ステップS310)。すなわち、CPU108は、RAM112に設けられたラウンド数記憶テーブルにn=n+1となるようにを記憶させる。
そして、大当たり遊技の回数nが15以下であるか否かを判断する(ステップS311)。すなわち、CPU108は、まず、ラウンド数記憶テーブルに記憶された大当たり遊技の回数を読み出し、この回数とRAMの別の領域に記憶されたn=15のデータとを比較し、大当たり遊技の回数nがn≦15であるか否かを判断する。大当たり遊技の回数nがn≦15であると判断されたときには、処理をステップS302に戻す。従って、本サブルーチンでは、nが15を超えるまで、繰り返し大当たり遊技が行われることとなる。
そして、大当たり遊技の回数であるnが15を超えるときは、本サブルーチンを終了する。
なお、上述した大当たり実行処理ルーチンが実行されている間、表示部132では、大当たり状態が発生していることを遊技者に認識させるとともに、遊技を盛り上げるための演出画像が表示される。
【0316】
図23は、図18に示した如きパチンコ遊技用端末装置100又は140において実行される端末側処理ルーチンに対応して、サーバ80において実行されるサブルーチンを示すフローチャートである。サーバ80は、予め起動されており、図21に示すサブルーチンは、予め実行されているメインルーチンから呼び出されて実行されるものとする。
【0317】
最初に、パチンコ遊技用端末装置100又は140において可変表示ゲームが開始された旨を示す情報を受信したか否かを判断する(ステップS71)。可変表示ゲームが開始された旨を示す情報を受信していないと判断したときには、本サブルーチンを直ちに終了する。
【0318】
一方、可変表示ゲームが開始された旨を示す情報を受信したと判断したときには、可変表示ゲームにおいて必要とされる識別情報画像である変動図柄の画像や、背景画像や、キャラクタ画像となる画像データ及び制御プログラム等をパチンコ遊技用端末装置100又は140に送信する(ステップS72)。このステップS72は、上述した図21に示したステップS62の処理に対応するものである。
【0319】
次に、可変表示ゲームを終了した旨を示す情報を受信したか否かを判断する(ステップS75)。このステップS75の処理は、上述した図21のステップS64の処理に対応する処理である。ステップS75において、可変表示ゲームを終了した旨を示す情報を受信していないと判断したときには、処理をステップS75に戻す。一方、可変表示ゲームを終了した旨を示す情報を受信したと判断したときには、本サブルーチンを終了する。
【0320】
上述した構成とした場合には、端末機であるパチンコ遊技用端末装置100又は140の表示装置116に表示された表示部132において、大当たりが、可変表示ゲームが終了した直後に所定の利益及び/又は有利な状態を提供する第一大当たりと、可変表示ゲームが終了した際に所定の利益及び/又は有利な状態の提供が保留される第二大当たりとからなるようにするとともに、第一大当たりに基づく第一大当たり状態や、第二大当たりに基づく第二大当たり状態が発生したことを示す画像を表示させるように、識別情報画像である変動図柄の画像や、背景画像や、キャラクタ画像となる画像データ及び制御プログラム等をサーバ80はパチンコ遊技用端末装置100又は140に対して送信し、サーバ80は端末機であるパチンコ遊技用端末装置100又は140を制御するのである。
【0321】
また、パチンコ遊技用端末装置100又は140が備えた記憶媒体には、大当たりが、可変表示ゲームが終了した直後に所定の利益及び/又は有利な状態を提供する第一大当たりと、可変表示ゲームが終了した際に所定の利益及び/又は有利な状態の提供が保留される第二大当たりとからなるようにするとともに、制御部130は、出球率算出手段により得られた出球率が、予め定められた上限値を基準として所定の範囲内になったときには、上記第二大当たり又ははずれのみを発生させるとともに、すでに発生している第二大当たりに基づき、保留された所定の利益及び/又は有利な状態を提供する際には、上記出球率又は出球率の変化に応じて、上記出球率が予め定められた上限値を超えないように、全ての上記第二大当たりに基づき、上記所定の利益及び/又は有利な状態を連続的に提供するプログラムが格納されているのである。
【0322】
本発明では、図18〜図23を用いて説明したように、パチンコ遊技を制御するためのプログラムや、可変表示ゲーム及び大当たり実行処理を実行するためのプログラムをパチンコ遊技用端末装置100又は140のROM110に予め記憶させておき、パチンコ遊技が進行するに従って必要となる各種の画像データや音データのみをサーバ80から適宜送信する構成とすることが可能であるが、さらに、本発明では、サーバ80のハードディスクドライブ88等の記憶媒体に記憶されている各種のプログラムをサーバ80がパチンコ遊技用端末装置100又は140に供給し、パチンコ遊技用端末装置100又は140において供給されたプログラムを実行する構成とすることが可能である。
【0323】
上述したような構成とした場合には、パチンコ遊技用端末装置100又は140において遊技が開始される前に、パチンコ遊技を実行するためのプログラム及び各種の画像データがサーバ80から常に送信されるため、サーバ80においてプログラムや画像データが更新されたときには、遊技者は常に最新の遊技を楽しむことができるのである。
【0324】
このような構成とした場合には、大当たりが、可変表示ゲームが終了した直後に所定の利益及び/又は有利な状態を提供する第一大当たりと、可変表示ゲームが終了した際に所定の利益及び/又は有利な状態の提供が保留される第二大当たりとからなり、出球率算出手段により得られた出球率が、予め定められた上限値を基準として所定の範囲内になったときには、上記第二大当たり又ははずれのみを発生させるとともに、すでに発生している第二大当たりに基づき、保留された所定の利益及び/又は有利な状態を提供する際には、上記出球率又は出球率の変化に応じて、上記出球率が予め定められた上限値を超えないように、全ての上記第二大当たりに基づき、上記所定の利益及び/又は有利な状態を連続的に提供するプログラムや、遊技を実行するために必要な各種の画像データが、サーバ80のハードディスクドライブ88等のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に格納されているのである。
【0325】
また、本発明では、パチンコ遊技を制御する遊技プログラムや、可変表示ゲームを実行するためのプログラムのみがサーバ80から送信され、画像データや音データは、パチンコ遊技用端末装置100又は140のROM110に予め記憶されており、必要となる画像データや音データをROM110から適宜読み出す構成とすることも可能である。
【0326】
このような構成とした場合には、端末機であるパチンコ遊技用端末装置100又は140において、大当たりが、可変表示ゲームが終了した直後に所定の利益及び/又は有利な状態を提供する第一大当たりと、可変表示ゲームが終了した際に所定の利益及び/又は有利な状態の提供が保留される第二大当たりとからなり、出球率算出手段により得られた出球率が、予め定められた上限値を基準として所定の範囲内になったときには、上記第二大当たり又ははずれのみを発生させるとともに、すでに発生している第二大当たりに基づき、保留された所定の利益及び/又は有利な状態を提供する際には、上記出球率又は出球率の変化に応じて、上記出球率が予め定められた上限値を超えないように、全ての上記第二大当たりに基づき、上記所定の利益及び/又は有利な状態を連続的に提供するプログラムが、サーバ80のハードディスクドライブ88等のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶されているのである。
【0327】
また、可変表示ゲームが開始されたときには、可変表示ゲームを実行するための制御プログラムを常にダウンロードするため、遊技者は最新の可変表示ゲームを楽しむことができると共に、画像データや音データについてはダウンロードする必要がないが故に、パチンコ遊技用端末装置100又は140の表示装置116において演出画像を速やかに表示することができ、スピーカ118から遊技状況に応じた音を速やかに出力することができるのである。
【0328】
さらに、本発明では、パチンコ遊技を制御するためのプログラムや、可変表示ゲームを実行するためのプログラム等のプログラムをサーバ80が記憶し、パチンコ遊技や可変表示ゲームが必要とする画像データをパチンコ遊技用端末装置100又は140のROM110が記憶する構成とすることも可能である。
このとき、パチンコ遊技の進行はサーバ80が行い、パチンコ遊技用端末装置100又は140は、サーバ80において行われたパチンコ遊技の進行に従って送信される制御信号又は制御情報に応じて画像を選択し、選択された画像を表示装置116に表示することになる。
【0329】
このような構成とした場合には、端末機であるパチンコ遊技用端末装置100又は140において、大当たりが、可変表示ゲームが終了した直後に所定の利益及び/又は有利な状態を提供する第一大当たりと、可変表示ゲームが終了した際に所定の利益及び/又は有利な状態の提供が保留される第二大当たりとからなり、出球率算出手段により得られた出球率が、予め定められた上限値を基準として所定の範囲内になったときには、上記第二大当たり又ははずれのみを発生させるとともに、すでに発生している第二大当たりに基づき、保留された所定の利益及び/又は有利な状態を提供する際には、上記出球率又は出球率の変化に応じて、上記出球率が予め定められた上限値を超えないように、全ての上記第二大当たりに基づき、上記所定の利益及び/又は有利な状態を連続的に提供するように、サーバ80はパチンコ遊技用端末装置100又は140を制御するのである。
【0330】
なお、上述した図18から図23に示した実施例においては、表示装置116に表示されたパチンコ遊技機を模したパチンコ遊技機の画像上に表示された表示部132のみにおいて、変動図柄の画像と、背景画像と、キャラクタ画像が表示される場合を示したが、表示装置116の全面において変動図柄の画像と、背景画像と、キャラクタ画像を表示することとしてもよい。
【0331】
【発明の効果】
遊技媒体の数に関する数値が、予め定められた上限値を基準として所定の範囲内になったときに、直ぐに所定の利益等が提供される第一大当たりが発生せず、所定の利益等の提供が保留される第二大当たり又ははずれのみが発生するので、第一大当たりの発生に基づき、多量の遊技媒体が払い出されることはなく、この多量の遊技媒体の払い出しに起因する大当たり状態となった場合の遊技媒体の数に関する数値の急激な上昇を抑制することができ、遊技媒体の数に関する数値が上限値を超えないようにすることができる。また、遊技媒体の数に関する数値又は遊技媒体の数に関する数値の変化に応じて、すでに発生している第二大当たりに基づき、保留された所定の利益及び/又は有利な状態が提供されるので、第二大当たりの発生に伴う急激な遊技媒体の数に関する数値の変化があった場合であっても、遊技媒体の数に関する数値を上限値から下限値までの範囲内に収まるようにすることができ、試験場において行う遊技媒体の数に関する数値の検査を省略することが可能であり、例えば、抜き打ち検査のみで対応可能とすることができる。
また、遊技機の軽微な調整等が行なわれた場合であっても、上述のように、遊技媒体の数に関する数値が上限値から下限値までの範囲内に収まるようにするため、上限値を超えたり下限値を下回ったりすることが殆どなく、遊技者に対して健全な遊技を提供することができる。
【0332】
さらに、発生した全ての第二大当たりに基づいて、所定の利益及び/又は有利な状態の提供を連続的に行うので、遊技媒体の数に関する数値が低下し、下限値に近づいている場合であっても、遊技媒体の数に関する数値を大幅に上昇させることが可能であり、遊技媒体の数に関する数値が下限値を下回ることをより確実に防止することができる。
【0333】
また、本発明に係るパチンコ遊技機によれば、出球率が、予め定められた上限値を基準として所定の範囲内になったときに、直ぐに所定の利益等が提供される第一大当たりが発生せず、所定の利益等の提供が保留される第二大当たり又ははずれのみが発生するので、第一大当たりの発生に基づき、多量の遊技球が払い出されることはなく、この多量の遊技球の払い出しに起因する大当たり状態となった場合の出球率の急激な上昇を抑制することができ、出球率が上限値を超えないようにすることができる。また、出球率又は出球率の変化に応じて、すでに発生している第二大当たりに基づき、保留された所定の利益及び/又は有利な状態が提供されるので、第二大当たりの発生に伴う急激な出球率の変化があった場合であっても、出球率を上限値から下限値までの範囲内に収まるようにすることができ、試験場において行う出球率の検査を省略することが可能であり、例えば、抜き打ち検査のみで対応可能とすることができる。
また、遊技盤上に植設された複数の釘の傾き等が調整された場合であっても、上述のように、出球率が上限値から下限値までの範囲内に収まるようにするため、上限値を超えたり下限値を下回ったりすることが殆どなく、遊技者に対して健全な遊技を提供することができる。
【0334】
さらに、発生した全ての第二大当たりに基づいて、所定の利益及び/又は有利な状態の提供を連続的に行うので、出球率が低下し、下限値に近づいている場合であっても、出球率を大幅に上昇させることが可能であり、出球率が下限値を下回ることをより確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるパチンコ遊技機を模式的に示す正面図である。
【図2】本発明によるパチンコ遊技機の遊技盤面を模式的に示す拡大正面図である。
【図3】本発明によるパチンコ遊技機における発射球検知と戻り球検知とについて説明するための説明図である。
【図4】本発明の実施例であるパチンコ遊技機の制御回路を示すブロック図である。
【図5】打ち出された遊技球の数を計測する処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図6】パチンコ遊技機において実行される遊技球を検出する処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図7】払い出された遊技球の数を計測する処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図8】パチンコ遊技機において、抽選用確率テーブルの変更及び第二大当たりを実行する処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図9】抽選処理を備えたパチンコ遊技機において、図6に示したフローチャートのステップS14で呼び出されて実行される抽選実行処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図10】第一抽選処理及び保留抽選処理を備えたパチンコ遊技機において、図6に示したフローチャートのステップS14で呼び出されて実行される抽選実行処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図11】抽選処理を備えたパチンコ遊技機、又は、第一抽選処理及び保留抽選処理を備えたパチンコ遊技機において、抽選実行処理のステップS409で呼び出されて実行される可変表示ゲーム処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図12】可変表示ゲーム処理のサブルーチンのなかの大当たり実行処理ルーチンを示すフローチャートである。
【図13】本発明に係る画面画像の一例を示す図である。
【図14】パチンコ遊技用の端末機の一例を示す概観図である。
【図15】パチンコ遊技用端末機の他の例を示す概観図である。
【図16】本発明の実施例であるパチンコ遊技用端末装置の制御回路を示すブロック図である。
【図17】本発明の実施例であるサーバの制御回路を示すブロック図である。
【図18】パチンコ遊技用端末装置100又は140において実行されるサブルーチンを示すフローチャートである。
【図19】パチンコ遊技用端末装置100又は140において実行される払出数等を検知させる処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図20】パチンコ遊技用端末装置100又は140において実行される抽選用確率テーブルの変更及び第二大当たりを実行する処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図21】パチンコ遊技用端末装置100又は140において実行される可変表示ゲームの処理を行うサブルーチンを示すフローチャートである。
【図22】パチンコ遊技用端末装置100又は140において実行される大当たり処理を行うサブルーチンを示すフローチャートである。
【図23】本発明の実施例であるサーバ80において、実行されるサブルーチンを示すフローチャートである。
【符号の説明】
10 パチンコ遊技機
32 表示装置(表示部)
59 払出装置
60 制御回路
66 CPU(制御部)
64 入出力バス
68 ROM
70 RAM
80 サーバ
100 パチンコ遊技用端末装置(端末機)
132 表示部
140 パチンコ遊技用端末装置(端末機)

Claims (6)

  1. 所定の条件が満たされたことを受けて、大当たりを発生させるか否かを決定する遊技状態決定手段と、前記大当たりに基づいて、所定の利益及び/又は有利な状態の提供を行う大当たり実行手段とを備えるとともに、
    遊技に用いられた遊技媒体の数を得るための投入遊技媒体数計測手段と、払い出される遊技媒体の数を得るための払出遊技媒体数計測手段と、これらの数から遊技媒体の数に関する数値を算出する算出手段とを具備する遊技機であって、
    前記大当たりは、特定の発動条件が満たされなくても、所定のタイミングで所定の利益及び/又は有利な状態の提供が行われる第一大当たりと、前記発動条件が満たされるまで、所定の利益及び/又は有利な状態の提供が保留される第二大当たりとからなり、
    前記遊技状態決定手段は、前記算出手段により得られた数値が、予め定められた上限値を基準とした所定の範囲内になったときには、前記第二大当たり又ははずれのみを発生させ、
    前記大当たり実行手段は、すでに発生している少なくとも一の第二大当たりに基づき、保留された所定の利益及び/又は有利な状態を提供する際には、
    前記遊技媒体の数に関する数値又は当該数値の変化に応じて、前記遊技媒体の数に関する数値が上限値を超えないように、全ての前記第二大当たりに基づき、前記所定の利益及び/又は有利な状態を連続的に提供することを特徴とする遊技機。
  2. 前記算出手段は、前記投入遊技媒体数計測手段及び前記払出遊技媒体数計測手段により得られた数から、遊技に用いられた遊技媒体の数と、払い出された遊技媒体の数との差を算出する請求項1に記載の遊技機。
  3. 前記算出手段は、前記投入遊技媒体数計測手段及び前記払出遊技媒体数計測手段により得られた数から、遊技に用いられた遊技媒体の数に対する払い出された遊技媒体の数の割合を算出する請求項1に記載の遊技機。
  4. 遊技盤に設けられ、複数の変動図柄の変動表示が開始されてから、複数の変動図柄が停止表示されるまでを1回のゲームとする可変表示ゲームを示す画面画像が表示される表示部と、
    遊技球が入ったことを受けて大当たり又ははずれが発生するとともに、可変表示ゲームが開始される始動口とを備え、さらに、
    打ち出された遊技球の数を得るための打出遊技球計測手段と、払い出された遊技球の数を得るための払出遊技球計測手段と、これらの数から出球率を算出する出球率算出手段とを具備する遊技機であって、
    前記大当たりは、前記可変表示ゲームが終了した直後に所定の利益及び/又は有利な状態を提供する第一大当たりと、
    前記可変表示ゲームが終了した際に所定の利益及び/又は有利な状態の提供が保留される第二大当たりとからなり、
    前記出球率算出手段により得られた出球率が、予め定められた上限値を基準として所定の範囲内になったときには、前記第二大当たり又ははずれのみが発生するとともに、
    すでに発生している第二大当たりに基づき、保留された所定の利益及び/又は有利な状態を提供する際には、
    前記出球率又は出球率の変化に応じて、前記出球率が予め定められた上限値を超えないように、全ての前記第二大当たりに基づき、前記所定の利益及び/又は有利な状態を連続的に提供することを特徴とする遊技機。
  5. 端末機に、少なくとも遊技状況に応じて適宜、動画像、静画像又はこれらを組み合わせた画像を表示させる制御プログラムであって、
    遊技盤画像、遊技球に相当する遊技球画像、複数の変動図柄の変動表示を開始させてから、複数の変動図柄を停止表示させるまでを1回のゲームとする可変表示ゲームを示す画面画像を含む表示部画像、並びに、前記遊技球画像がその画像と重なったとき、その画像内に遊技球画像が入ったと判断し、大当たり又ははずれを発生させるとともに、可変表示ゲームを開始させる始動口画像を表示させ、
    前記端末機を、打ち出された遊技球の数を得るための打出遊技球計測手段と、払い出された遊技球の数を得るための払出遊技球計測手段と、これらの数から出球率を算出する出球率算出手段として機能させ、
    前記大当たりを、前記可変表示ゲームを終了させた直後に所定の利益及び/又は有利な状態を提供させる第一大当たりと、前記可変表示ゲームを終了させた際に所定の利益及び/又は有利な状態の提供を保留させる第二大当たりとし、
    前記出球率算出手段により得られた出球率が、予め定められた上限値から所定の範囲内になったときには、前記第二大当たり又ははずれのみを発生させるとともに、
    すでに発生している第二大当たりに基づき、保留された所定の利益及び/又は有利な状態を提供する際には、
    前記出球率又は出球率の変化に応じて、前記出球率が予め定められた上限値を超えないように、全ての前記第二大当たりに基づき、前記所定の利益及び/又は有利な状態を連続的に提供することを特徴とするプログラム。
  6. 各端末機に、少なくとも遊技機の遊技状態を示す画像を表示させる制御を行うサーバであって、
    遊技盤画像、遊技球に相当する遊技球画像、複数の変動図柄の変動表示を開始させてから、複数の変動図柄を停止表示させるまでを1回のゲームとする可変表示ゲームを示す画面画像を含む表示部画像、並びに、前記遊技球画像がその画像と重なったとき、その画像内に遊技球画像が入ったと判断し、大当たり又ははずれを発生させるとともに、可変表示ゲームを開始させる始動口画像を表示させ、
    前記端末機を、打ち出された遊技球の数を得るための打出遊技球計測手段と、払い出された遊技球の数を得るための払出遊技球計測手段と、これらの数から出球率を算出する出球率算出手段として機能させる制御を端末機に対して行い、さらに、
    前記大当たりを、前記可変表示ゲームを終了させた直後に所定の利益及び/又は有利な状態を提供させる第一大当たりと、前記可変表示ゲームを終了させた際に所定の利益及び/又は有利な状態の提供を保留させる第二大当たりとし、
    前記出球率算出手段により得られた出球率が、予め定められた上限値から所定の範囲内になったときには、前記第二大当たり又ははずれのみを発生させるとともに、
    すでに発生している第二大当たりに基づき、保留された所定の利益及び/又は有利な状態を提供する際には、
    前記出球率又は出球率の変化に応じて、前記出球率が予め定められた上限値を超えないように、全ての前記第二大当たりに基づき、前記所定の利益及び/又は有利な状態を連続的に提供することを特徴とするサーバ。
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