JP4251784B2 - 電子ビーム露光装置、照射位置算出方法 - Google Patents

電子ビーム露光装置、照射位置算出方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子ビーム露光装置、露光方法に関する。特に本発明は、露光に必要な露光データの処理を極めて少なくすることができる電子ビーム露光装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子ビームを用いてウェハにパターンを露光する電子ビーム露光装置として、複数の電子ビームを用いた電子ビーム露光装置がある。複数の電子ビームを用いてウェハに露光処理を行う従来の電子ビーム露光装置は、各電子ビームがウェハに対して露光すべき領域が異なる。即ち、複数の電子ビームを用いた従来の電子ビーム露光装置は、露光処理において各電子ビームを制御する制御系が、各電子ビームがウェハに対して露光すべき領域における露光パターンに合わせて、各電子ビーム毎にそれぞれ露光データを生成し、各電子ビーム毎に生成した露光データを格納する。即ち、従来の電子ビーム露光装置は、各電子ビームを制御する露光データを格納する露光データ格納部を各電子ビーム毎に有し、更に各電子ビームに対して異なる露光データをそれぞれ個別に読み出す。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
近年の半導体デバイスの微細化に伴い、1つの半導体デバイスが有する素子数が極めて増大しており、1つの半導体デバイスを露光するための露光データも当該素子数に比例して増大する。例えば1ショット当たり6バイトのデータ量を持ち、1つの半導体デバイスを露光するのに4ギガショットのショット数が必要である場合に、1つの半導体デバイスを露光するのに必要な露光データのデータ量は24ギガバイトになる。
【0004】
上述の通り、従来の電子ビーム露光装置は、各電子ビームに対して異なる露光データを生成し、それぞれの露光データを個別に格納する必要がある。特に半導体デバイスのサイズと電子ビームとの間隔が一致しない場合には、ウェハ上において複数の電子ビームが露光すべき複数の領域に渡って、1つの半導体デバイスが設けられるため、各電子ビーム毎に全く異なる露光データを持つ必要がある。特に、昨今の半導体デバイスの他品種化に伴い、電子ビーム露光装置が露光する半導体デバイスのサイズは多種多様である。
【0005】
また、半導体デバイスを形成するウェハは大口径化が進んでおり、それにつれて必要な電子ビームの本数も増加する。例えば上述の場合に150本の電子ビームを用いてウェハを露光する場合には、3400ギガバイトの露光データが必要となる。これでは電子ビーム露光装置が処理するデータ量が膨大であり、露光データを高速処理することが難しく、半導体デバイスを量産する上で必要不可欠であるスループットの向上が極めて困難である。
【0006】
更に、電子ビーム露光装置の半導体デバイスの量産での利用に向け、安価な電子ビーム露光装置の市場への提供が望まれている。しかしながら、従来の電子ビーム露光装置では、膨大な量のハードディスクや半導体メモリ等の記憶素子が必要となるため、電子ビーム露光装置の量産デバイスへの実用化に向けての更に大きな障壁となっている。
【0007】
また、各電子ビームが通過する経路であるコラムは、精密機械加工等により形成されるため、加工誤差を含む場合がある。そのため、多数の電子ビームを用いる場合に、各コラムが設けられる間隔は必ずしも等間隔にならない。この様な場合に各電子ビームに対して露光データを生成するのは更に困難である。
【0008】
そこで本発明は、上記の課題を解決することのできる電子ビーム露光装置、露光方法を提供することを目的とする。この目的は特許請求の範囲における独立項に記載の特徴の組み合わせにより達成される。また従属項は本発明の更なる有利な具体例を規定する。
【0009】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明の第1の形態によると、複数の電子ビームを用いてウェハにパターンを露光する電子ビーム露光装置であって、複数の電子ビームを発生する電子ビーム発生部と、複数の電子ビームをそれぞれ独立に偏向する偏向部と、ウェハを載置するウェハステージと、ウェハに露光すべき露光領域においてそれぞれの電子ビームが露光すべき領域である個別露光領域に含まれ偏向部が電子ビームを偏向可能な偏向幅より小さい領域である部分露光領域において、電子ビームが露光すべきショットパターンの位置であるショット位置を示すショット位置データを格納する複数の個別露光データ格納部と、それぞれの個別露光領域における部分露光領域を示す部分領域データ、及び部分露光領域における所定の位置である部分領域位置を示す部分領域位置データを格納する個別レイアウトデータ格納部と、部分領域データに基づいて、電子ビームが露光すべき部分露光領域に含まれるショット位置データを、個別露光データ格納部から読み出し、ウェハステージの位置であるステージ位置と部分領域位置との相対位置、及び部分領域位置とショット位置との相対位置に基づいて、電子ビームを照射すべき位置を示す照射位置データを算出する照射位置算出部と、照射位置データに基づいて、偏向部を制御する偏向制御部とを備えたことを特徴とする電子ビーム露光装置を提供する。
【0010】
また、個別露光領域は、複数の部分露光領域を含む複数のストライプ露光領域を有し、個別レイアウトデータ格納部は、個別露光領域に含まれるストライプ露光領域を示すストライプ領域データ、及びストライプ露光領域における所定の位置であるストライプ位置を示すストライプ位置データを更に格納し、照射位置算出部は、ストライプ領域データに更に基づいて、ショット位置データを、個別露光データ格納部から読み出し、ステージ位置とストライプ位置との相対位置、及びストライプ位置と部分領域位置との相対位置に更に基づいて、照射位置データを算出することが好ましい。
【0011】
また、個別露光データ格納部は、ショットパターンの形状を示すショット形状データを更に格納しており、個別露光データ格納部から、ショット形状データを読み出し、当該ショット形状データに基づいて、複数の電子ビームのそれぞれの断面形状を独立して成形する電子ビーム成形手段を更に備えることが好ましく、更に、電子ビーム成形手段は、複数の電子ビームの断面形状を成形する複数の第1成形開口部を有する第1成形部材と、第1成形部材において成形された複数の電子ビームを成形する第2成形開口部を有する第2成形部材と、第1開口部を通過した複数の電子ビームを、それぞれ独立に偏向する成形偏向部と、ショット形状データに基づいて、成形偏向部を制御する成形偏向制御部とを有することが好ましい。
【0012】
また、第2成形部材は、異なる形状を有する開口部である複数のブロック成形開口部を更に有してよく、更に、個別露光データ格納部は、ショットパターンをウェハに露光する時間を示す露光時間データを更に格納し、それぞれの電子ビームをウェハに照射するか否かを独立に切り替える照射切替手段と、ショット時間データに基づき、タイミングに応じて照射切替手段を制御する露光タイミング制御部とを備えてもよい。
【0013】
また、個別レイアウトデータ格納部は、ストライプ露光領域における所定の部分露光領域を示す部分領域データ、及び所定の部分領域から連続して配置された電子ビームが露光すべき部分露光領域の数を示す部分領域数データを更に格納し、照射位置算出部は、当該部分領域データ及び当該部分領域数データに基づいて、部分露光領域に含まれるショット位置データを読み出し、照射位置データを算出してもよい。
【0014】
また、所定の部分露光領域は、当該所定の部分露光領域が含まれるストライプ露光領域において最外周に位置する部分露光領域であってよい。
【0015】
また、個別レイアウトデータ格納部は、所定の部分露光領域を示す部分領域データが格納されている個別露光データ格納部のアドレスを示すアドレスデータを更に格納し、照射位置算出部は、アドレスデータ及び部分領域数データに基づいて、個別露光データ格納部から部分領域データを読み出してもよい。
【0016】
また、個別露光領域における部分露光領域に含まれるショット位置データ及び部分領域データを格納する露光データ格納部を更に備え、個別露光データ格納部は、露光データ格納部から個別露光領域に含まれるショット位置データ及び部分領域データを読み出し、格納してもよく、またこの場合において露光データ格納部を少なくとも1つ更に備えてもよい。
【0017】
また、複数の電子ビームが所定の部分露光領域を露光可能な場合において、複数の電子ビームのうち、所定の部分露光領域を露光することができる面積が最も大きい電子ビームに対応する個別レイアウトデータ格納部が、所定の部分露光領域を示す部分領域データ及び部分領域位置を格納してもよく、また、部分露光領域は、ストライプ露光領域の短手方向の長さが、偏向部が電子ビームを偏向可能な偏向距離と略等しい長さに、且つ、部分露光領域の1辺が、偏向距離の略整数分の1になるように形成されてもよい。
【0018】
また、ウェハステージは、ストライプ露光領域の長手方向に沿って部分露光領域を露光すべくウェハを連続移動させ、ウェハステージが連続移動している場合において、所定の電子ビームは、当該所定の電子ビームと長手方向に隣接する他の電子ビームが露光するストライプ露光領域と同一直線上にないストライプ露光領域を露光してもよい。
【0019】
また、それぞれの個別レイアウトデータ格納部は、ストライプ露光領域の長手方向に対して略垂直な方向において、電子ビームの照射されるべき理想照射位置と、実際に電子ビームが照射される実照射位置との距離に基づいて、所定の電子ビーム及び他の電子ビームが露光すべきストライプ露光領域に含まれる部分領域データを格納してもよい。
【0020】
連続移動方向に対して略垂直な所定の方向における理想照射位置と照射位置との距離が最も大きい電子ビームを、当該電子ビームが露光すべき個別露光領域における所定の方向と反対方向の端部に位置するストライプ露光領域に最初に照射してもよく、また、複数の個別レイアウトデータ格納部のうち、少なくとも1つの個別レイアウトデータ格納部は、少なくとも1つのストライプ露光領域に含まれる複数の部分露光領域のうち、一部の部分領域データを格納してもよい。
【0021】
本発明の第2の形態によると、複数の電子ビームを用いてウェハにパターンを露光する露光方法であって、複数の電子ビームを発生するステップと、ウェハをウェハステージに載置するステップと、ウェハに露光すべき露光領域においてそれぞれの電子ビームが露光すべき領域である個別露光領域に含まれ、偏向部が電子ビームを偏向可能な偏向幅より小さい領域である部分露光領域に分解するステップと、部分露光領域において電子ビームが露光すべきショットパターンの位置を示すショット位置データを、部分露光領域毎に格納するステップと、それぞれの個別露光領域における部分露光領域を示す部分領域データ、及び部分露光領域における所定の位置である部分領域位置を示す部分領域位置データを格納するステップと、部分領域データに基づいて、電子ビームが露光すべき部分露光領域に含まれるショット位置データを、個別露光データ格納部から読み出し、ウェハステージの位置であるステージ位置と部分領域位置との相対位置、及び部分領域位置とショット位置との相対位置に基づいて、電子ビームを照射すべき位置を示す照射位置データを算出するステップと、照射位置データに基づいて、複数の電子ビームをそれぞれ独立に偏向するステップとを備えたことを特徴とする露光方法を提供する。
【0022】
なお上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではなく、これらの特徴群のサブコンビネーションも又発明となりうる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態はクレームにかかる発明を限定するものではなく、又実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0024】
図1は、本発明の一実施形態に係る電子ビーム露光装置100の構成を示す。電子ビーム露光装置100は、電子ビームによりウェハ44に所定の露光処理を施す露光部150と、露光部150に含まれる各構成の動作を制御する制御系140を備える。
【0025】
露光部150は、筐体8内部において複数の電子ビームを発生し、電子ビームの断面形状を所望に成形する電子ビーム成形手段110と、複数の電子ビームをウェハ44に照射するか否かを、それぞれの電子ビームに対して独立に切替える照射切替手段112と、ウェハ44に転写されるパターンの像の向き及びサイズを調整するウェハ用投影系114を含む電子光学系を備える。また、露光部150は、パターンを露光すべきウェハ44を載置するウェハステージ46と、ウェハステージ46を駆動するウェハステージ駆動部48とを含むステージ系を備える。
【0026】
電子ビーム成形手段110は、複数の電子ビームを発生させる複数の電子銃10と、電子ビームを通過させることにより、照射された電子ビームの断面形状を成形する複数の開口部を有する第1成形部材14及び第2成形部材22と、複数の電子ビームをそれぞれ独立に集束し、複数の電子ビームの焦点を調整する第1多軸電子レンズ16と、第1成形部材14を通過した複数の電子ビームを独立に偏向する第1成形偏向部18及び第2成形偏向部20とを有する。第1成形偏向部18及び第2成形偏向部20は、各電子ビームが通過する経路(以下においてコラムと呼ぶ)の周囲に設けられた複数の偏向器を有する。
【0027】
照射切替手段112は、複数の電子ビームを独立に集束し、複数の電子ビームの焦点を調整する第2多軸電子レンズ24と、複数の電子ビームをそれぞれ独立に偏向させることにより、それぞれの電子ビームをウェハ44に照射するか否かを、それぞれの電子ビームに対して独立に切替えるブランキング電極アレイ26と、電子ビームを通過させる複数の開口部を含み、ブランキング電極アレイ26で偏向された電子ビームを遮蔽する電子ビーム遮蔽部材28とを有する。他の例においてブランキング電極アレイ26は、ブランキング・アパーチャ・アレイ・デバイスであってもよい。
【0028】
ウェハ用投影系114は、複数の電子ビームをそれぞれ独立に集束し、電子ビームの照射径を縮小する第3多軸電子レンズ34と、複数の電子ビームをそれぞれ独立に集束し、複数の電子ビームの焦点を調整する第4多軸電子レンズ36と、複数の電子ビームをウェハ44の所望の位置に、それぞれの電子ビームに対して独立に偏向する偏向部38と、ウェハ44に対する対物レンズとして機能し、複数の電子ビームをそれぞれ独立に集束する第5多軸電子レンズ52とを有する。
【0029】
制御系140は、統括制御部130及び個別制御部120を備える。個別制御部120は、電子ビーム制御部80と、多軸電子レンズ制御部82と、成形偏向制御部84と、ブランキング電極アレイ制御部86と、偏向制御部92と、ウェハステージ制御部96とを有する。統括制御部130は、例えばワークステーションであって、個別制御部120に含まれる各制御部を統括制御する。電子ビーム制御部80は、電子銃10を制御する。多軸電子レンズ制御部82は、第1多軸電子レンズ16、第2多軸電子レンズ24、第3多軸電子レンズ34、第4多軸電子レンズ36及び第5多軸電子レンズ52に供給する電流を制御する。
【0030】
成形偏向制御部84は、第1成形偏向部18及び第2成形偏向器20を制御する。ブランキング電極アレイ制御部86は、ブランキング電極アレイ26に含まれる偏向電極に印加する電圧を制御する。偏向制御部92は、偏向部38に含まれる複数の偏向器が有する偏向電極に印加する電圧を制御する。ウェハステージ制御部96は、ウェハステージ駆動部48を制御し、ウェハステージ46を所定の位置に移動させる。
【0031】
本実施形態において電子ビーム制御部80、成形偏向制御部84、ブランキングアレイ電極制御部86、及び偏向制御部92は、各コラムを通過する電子ビームを独立して制御するコラム制御系を構成する。コラム制御系に含まれる各制御部は、各コラムに対してそれぞれ設けられてもよい。
【0032】
図2は、ウェハ44に照射する複数の電子ビームの照射位置、及びそれぞれの電子ビームが照射すべき個別露光領域の一例を示す。本実施例においてウェハステージ46は、ウェハ44を所定の方向に連続移動し、当該所定の方向と略垂直な方向に段階的に移動する。図2において、ウェハステージ46が連続的に移動する方向をy軸方向、また、段階的に移動する方向をx軸方向とする。
【0033】
コラム位置202は、各コラムセルが配置される位置を示す。また、個別露光領域200は、それぞれの電子ビームが露光すべき領域を示す。各コラムセルは、複数の電子ビームがウェハに対して格子状に照射されるように、設けられるのが好ましい。複数の電子ビームは、ウェハにおいて1つのチップが形成される領域の1辺の長さの略整数倍又は略整数分の1の間隔を隔てて照射されるのが更に好ましい。
【0034】
図3は、個別露光領域200を示す。それぞれの個別露光領域200は、複数のストライプ露光領域204を有する。ストライプ露光領域204は、矩形領域であることが望ましい。また、ストライプ露光領域204は、x軸方向に所定の長さを有し、y軸方向において個別露光領域200の一端から他端まで設けられた領域であることが好ましい。当該所定の長さは、ウェハステージ46が、y軸方向に連続移動する間に電子ビームが露光することができる長さであることが好ましい。本実施例においてストライプ露光領域204は、x軸方向に偏向部38がそれぞれの電子ビームを偏向可能な長さを有する。
【0035】
そして、y軸に沿って所定の方向にウェハステージ46がウェハ44を連続移動させることにより、所定のストライプ露光領域204を露光する。当該所定のストライプ露光領域204を露光し終えた後、ウェハステージ46がウェハ44をx軸方向に所定の距離移動する。当該所定の距離は、ストライプ露光領域204のx軸方向の長さと略等しい距離であるのが好ましい。そして、ウェハステージ46は、ウェハ44をy軸方向に当該所定の方向と反対方向に連続移動することにより、当該所定のストライプ領域204に隣接するストライプ領域204を露光する。以上、ウェハステージ46がウェハ44をy軸方向に連続移動する動作と、x軸方向に段階的に移動する動作とを繰り返すことにより、個別露光領域200を露光する。他の例においてウェハステージ46はウェハ44を一定の方向に移動することにより、複数のストライプ露光領域204を露光してもよい。
【0036】
図4は、ストライプ露光領域204を示す。それぞれのストライプ露光領域204は、ウェハ44に露光すべき領域である露光領域を偏向部38が電子ビームを偏向可能な偏向距離より小さい領域に分解した複数の部分露光領域206を有する。部分露光領域206は、矩形領域であることが好ましく、また、1辺の長さが当該偏向距離の略整数分の1であることが好ましい。本実施例において個別露光領域200は正方形であって、部分露光領域206は個別露光領域200の相似形状を有する。
【0037】
図5は、部分露光領域206を示す。それぞれの部分露光領域206は、電子ビームをウェハ44に照射するか否かを切り替える照射切替手段により、当該電子ビームがウェハ44に照射される毎に、ウェハ44に露光するパターンであるショットパターン208を有する。ショットパターン208は、ウェハに露光すべき露光パターンを、電子ビーム成形手段が成形可能な電子ビームの断面形状に基づいて分解することにより決定される。電子ビームは、所定の部分露光領域206において露光すべきショットパターン208を露光した後、他の部分露光領域206において露光すべきショットパターン208を露光するのが好ましい。また、ストライプ露光領域204においてショットパターン208を有しない部分露光領域206があってもよい。
【0038】
図6は、制御系140の構成の一例を示す。統括制御部130は、制御系140全般の制御を行う中央処理部170と、露光データを格納する露光データ格納部172と、個別レイアウトデータを格納するレイアウトデータ格納部174とを有する。偏向制御部92は、各々の電子ビームを偏向する偏向器を制御する複数の個別偏向制御部256を有する。また、個別偏向制御部256は、露光データ格納部172に格納された露光データの少なくとも一部を格納する個別露光データ格納部258と、制御すべき電子ビームがウェハ44を露光する個別露光領域200に対応する個別レイアウトデータを格納する個別レイアウトデータ格納部260と、個別露光データ格納部258に格納された露光データ、個別レイアウトデータ格納部260に格納された個別レイアウトデータ、及びウェハステージ46のステージ位置に基づいて電子ビームの照射位置、及び当該照射位置に基づいて偏向部38を制御する制御データを算出する照射位置算出部262と、当該制御データを偏向部38に含まれる偏向電極に印加する電圧に対応するアナログ電圧データに変換するディジタル・アナログ(D/A)変換部264とを有する。
【0039】
各々の個別偏向制御部256は、露光データ格納部172に格納された同一の露光データをシェアするのが好ましい。また、各々の個別偏向制御部256は、レイアウトデータ格納部174から、各個別偏向制御部256が制御すべきコラムのデータを読み出し、個別レイアウトデータ格納部260に格納するのが好ましい。他の例において制御系140は、複数の露光データ格納部172を有してもよい。このとき、各露光データ格納部172は、同一の露光データを格納するのが好ましく、また、複数の個別偏向制御部256が、1つの露光データ格納部172から露光データを読み出すのが好ましい。例えば1つの露光データ格納部172に対して、4つの個別偏向制御部256がデータを読み出してよい。
【0040】
次に、露光データ格納部172及びレイアウトデータ格納部174が格納するデータの一例について説明する。
【0041】
図7は、露光データ格納部172及びレイアウトデータ格納部174に格納されるデータを示す。図7(a)は、露光データ格納部172が格納する露光データの一例を示す。露光データ格納部172は、ウェハ44に繰り返しパターンを露光する場合において、当該繰り返しパターンにおける単位パターンに含まれる露光データを格納するのが好ましい。本実施例において露光データは、ウェハ44に形成される1つの電子デバイスが形成される露光領域において必要な露光データである。露光データは、当該露光領域に含まれる複数の部分露光領域206を露光するためのデータである複数の部分露光データを含む。また、部分露光データは、部分露光領域206を識別するためのデータである部分領域番号、及び部分露光領域206に含まれるショットパターン208を露光するためのデータであるショットデータを含む。また、全てのショットパターン208は、いずれかの部分露光領域206に含まれるように部分露光領域206を構成するのが好ましい。
【0042】
ショットデータは、ショット位置データ、ショット形状データ、及びショット時間データを含む。また、ショットデータは、それぞれのショットデータを識別するためのショット識別データを更に含むのが好ましい。
【0043】
ショット位置データは、ウェハ44にショットパターン208を露光する位置を示す。また、ショット位置データは、ショットパターン208が含まれる部分露光領域206におけるショットパターン208の相対的な位置を示すのが望ましい。本実施例においてショット位置データは、部分露光領域206の中心位置からの相対的な位置を示す。
【0044】
ショット形状データは、ウェハ44に露光するショットパターン208の形状を示す。ショットパターン208は、x軸方向に略平行な1辺と、y軸方向に略平行な1辺とを有する矩形形状を有することが望ましい。本実施例においてショット形状データは、x軸方向に略平行な1辺の長さと、y軸方向に略平行な1辺の長さを規定するデータである。ショット時間データは、ショットパターン208を露光すべくウェハ44に電子ビームを照射する照射時間を示す。
【0045】
露光データ格納部172が、露光データを偏向部38が偏向可能な偏向幅より小さい部分露光領域に分割して格納することにより、各コラムを制御するコラム制御系のそれぞれが、露光データ格納部172に格納された露光データを共有することができる。即ち、各コラム制御系が、各々の電子ビームに対して露光データを持つ必要がないため、電子ビーム露光装置に必要なメモリなどの記憶装置を大幅に削減することができる。ひいては電子ビーム露光装置のコストを大幅に低減させることができる。更に、露光データ格納部172は、部分露光領域を単位としてショットデータを格納するため、露光データをショットデータに展開する回数、及び露光データの転送回数を大幅に低減させることができる。即ち、露光データを極めて効率よく処理することができるため、露光処理の速度を大きく向上させることができる。
【0046】
図7(b)は、レイアウトデータ格納部174が格納する複数の個別レイアウトデータの一例を示す。レイアウトデータ格納部174は、それぞれの電子ビームに対応する個別レイアウトデータを格納する。即ち、個別レイアウトデータは、それぞれの電子ビームが露光する領域である個別露光領域200を露光するためのデータを含む。
【0047】
個別レイアウトデータは、個別露光領域200に含まれるストライプ露光領域204を露光するためのデータであるストライプ露光データを含む。ストライプ露光データは、それぞれのストライプ露光領域204を識別するためのストライプ領域番号、ストライプ露光領域204における所定の位置であるストライプ位置を示すストライプ位置データ、ストライプ露光領域204に含まれる部分露光領域206を示す部分領域データを含む。当該所定の位置は、個別露光領域200における当該ストライプ露光領域204の位置を示すのが好ましい。本実施例において当該所定の位置は、ストライプ露光領域204の中心位置であって、個別露光領域200に対する当該中心位置の相対的な位置を示す。
【0048】
部分領域データは、ウェハ44に形成される複数のチップにおいて、当該部分露光領域206が含まれるチップを識別するチップ番号、当該部分露光領域206を識別するための部分領域番号、及び当該部分露光領域206における所定の位置である部分領域位置を示す部分領域位置データを含む。当該所定の位置は、ストライプ露光領域204における当該部分露光領域206の位置を示すのが好ましい。本実施例において当該所定の位置は、部分露光領域206の中心位置であって、ストライプ位置に対する当該中心位置の相対的な位置を示す。
【0049】
また、個別レイアウトデータは、それぞれのストライプ露光領域204に含まれる所定の部分露光領域206を指示する部分領域指示データと、当該部分領域指示データから連続して配置されており、電子ビームが露光すべき部分露光領域206の数を指示する部分領域数データを更に含むのが好ましい。このとき、当該所定の部分露光領域206は、ストライプ露光領域204において最外周に配置された部分露光領域であるのが好ましい。
【0050】
個別レイアウトデータが、部分領域数データを含むことにより、個別レイアウトデータ格納部260は、電子ビームが露光すべき全ての露光領域の部分領域番号を格納する必要がない。そのため、個別レイアウトデータ格納部260が格納すべきデータ量を大幅に削減することができる。従って、照射位置算出部262が、電子ビームの照射位置を算出する時間を短縮することができ、ひいては電子ビーム露光装置のスループットを向上させることができる。
【0051】
図1を参照して本実施形態に係る電子ビーム露光装置100の動作について説明する。まず、複数の電子銃10が、複数の電子ビームを生成する。第1成形部材14は、複数の電子銃10により発生し、第1成形部材14に照射された複数の電子ビームを、第1成形部材14に設けられた複数の開口部を通過させることにより成形する。他の例においては、電子銃10において発生した電子ビームを複数の電子ビームに分割する手段を更に有することにより、複数の電子ビームを生成してもよい。
【0052】
第1多軸電子レンズ16は、矩形に成形された複数の電子ビームを独立に集束し、第2成形部材22に対する電子ビームの焦点を、電子ビーム毎に独立に調整する。成形偏向制御部84は、第2成形部材22において電子ビームをショット形状データに基づく矩形形状に成形すべく第1成形偏向部18及び第2成形偏向部20を制御する。成形偏向制御部84は、コラム制御系が動作するための基準クロックに応じて動作するのが好ましい。
【0053】
第1成形偏向部18は、成形偏向制御部84からの指示に基づいて、第1成形部材14において矩形形状に成形された複数の電子ビームを、第2成形部材における所望の位置に照射するように、それぞれ独立に偏向する。また、第2成形偏向部20は、成形偏向制御部84からの指示に基づいて、第1成形偏向部18で偏向された複数の電子ビームを、第2成形部材22に対して略垂直な方向にそれぞれ偏向し、第2成形部材22に照射する。そして矩形形状を有する複数の開口部を含む第2成形部材22は、第2成形部材22に照射された矩形の断面形状を有する複数の電子ビームを、ウェハ44に照射すべき所望の断面形状を有する電子ビームに更に成形する。
【0054】
第2多軸電子レンズ24は、複数の電子ビームを独立に集束して、ブランキング電極アレイ26に対する電子ビームの焦点を、それぞれ独立に調整する。そして、第2多軸電子レンズ24により焦点がそれぞれ調整された複数の電子ビームは、ブランキング電極アレイ26に含まれる複数のアパーチャを通過する。
【0055】
ブランキング電極アレイ制御部86は、ブランキング電極アレイ26における各アパーチャの近傍に設けられたブランキング電極に電圧を印加するか否かを制御する。また、ブランキング電極アレイ制御部86は、コラム制御系を動作させるための基準クロックを発生する。そして、ブランキング電極アレイ制御部86は、ショット時間データに基づいて、各ブランキング電極に対する基準クロックを遅延させることにより、各ブランキング電極に電圧をする時間を制御する。そして、ブランキング電極アレイ26は、ブランキング電極アレイ制御部86からの当該指示に基づいて、電子ビームをウェハ44に照射させるか否かを切替える。
【0056】
ブランキング電極アレイに26により偏向されない電子ビームは、第3多軸電子レンズ34を通過する。そして第3多軸電子レンズ34は、第3多軸電子レンズ34を通過する電子ビームの電子ビーム径を縮小する。縮小された電子ビームは、電子ビーム遮蔽部材28に含まれる開口部を通過する。また、電子ビーム遮蔽部材28は、ブランキング電極アレイ26により偏向された電子ビームを遮蔽する。電子ビーム遮蔽部材28を通過した電子ビームは、第4多軸電子レンズ36に入射される。そして第4多軸電子レンズ36は、入射された電子ビームをそれぞれ独立に集束し、偏向部38に対する電子ビームの焦点をそれぞれ調整する。第4多軸電子レンズ36により焦点が調整された電子ビームは、偏向部38に入射される。
【0057】
続いて、偏向部38に入射された電子ビームをウェハ44の所望の位置に照射すべく、偏向部38が電子ビームを偏向する動作について説明する。
【0058】
図8は、電子ビームの照射位置を算出する方法の概略図を示す。以下、図6から図8を用いて、ウェハステージ46が所定の位置であるステージ位置210にある場合において、次に露光すべきショットパターン208の照射位置を算出することにより、偏向部38が電子ビームを当該照射位置に偏向する動作について説明する。
【0059】
まず、ウェハステージ制御部96は、照射位置算出部262に、ウェハステージ46のステージ位置210を通知する。ステージ位置210は、各コラム又は各電子ビームのウェハ44に対する相対的な位置であることが好ましい。また、照射位置算出部262は、個別レイアウトデータ格納部260に格納された個別レイアウトデータに基づいて、ステージ位置210と、電子ビームが露光すべきショットパターン208が含まれるストライプ露光領域204のストライプ位置212との相対的な位置を算出する。更に照射位置算出部262は、個別レイアウトデータに基づいて、ストライプ位置212と、露光すべきショットパターン208が含まれる部分露光領域206の部分領域位置214との相対的な位置を算出する。そして、照射位置算出部262は、個別露光データ格納部258から読み出した、ショットパターン208が含まれる部分露光領域206のショットデータに基づいて、部分領域位置214と、ショットパターン208との相対的な位置を算出する。
【0060】
照射位置算出部262は、ステージ位置210とストライプ位置212との相対的な位置、ストライプ位置212と部分領域位置214との相対的な位置、及び部分領域位置214とショットパターン208との相対的な位置に基づいて、ショットパターンを208を露光するために電子ビームを偏向すべき方向及び偏向すべき距離を示すショットベクトル216を算出する。そして、照射位置算出部262は、ショットベクトル216に基づいて、偏向部38がショットパターン208を露光すべく電子ビームを偏向させる偏向量を指示する偏向データを算出する。当該偏向データは、偏向部38において当該電子ビームが通過するコラムの周囲に設けられた偏向電極に印加する電圧を示すデータであることが好ましい。D/A変換部264は、受け取った偏向データを、偏向電極に印加するアナログ電圧値に変換し、偏向部38に供給する。
【0061】
偏向部38に含まれる複数の偏向器は、偏向制御部92からの指示に基づき、ウェハ44の所定の位置にショットパターン208を露光すべく、ショット形状データに基づき成形された電子ビームを偏向する。また、第5多軸電子レンズ52は、第5多軸電子レンズ52を通過するそれぞれの電子ビームのウェハ44に対する焦点を調整する。そして電子ビームは、ウェハ44に対して照射すべき所望の位置に照射され、ウェハ44の所定の位置にショットパターン208が露光される。
【0062】
図9は、部分露光領域206における部分領域位置214及びショットパターン208の一例を示す。照射位置算出部262は、個別レイアウトデータに基づいて電子ビームを照射すべき部分露光領域206を定めた後、個別露光データ格納部258に格納されたショットデータに基づいて、部分露光領域206に含まれるショットパターン(208−1〜208−8)を露光すべく、電子ビームの照射位置を順次定めることにより、所定の部分露光領域206に含まれるショットパターン208を露光する。その後、照射位置算出部262は、個別レイアウトデータに基づいて指示された他の部分露光領域に対応するショットデータを、個別露光データ格納部258から読み出す。そして同様に、当該他の部分露光領域に含まれるショットパターンを露光する。
【0063】
露光処理中、ウェハステージ駆動部48は、ウェハステージ制御部96からの指示に基づき、一定方向にウェハステージを移動させるのが好ましい。そして、ウェハ44の移動に合わせて、各電子ビームは、上述した動作によりストライプ露光領域204に含まれる露光すべき部分露光領域206を露光する。そしてウェハステージ46は、x軸方向にウェハ44をストライプ露光領域204のx軸方向の幅と略同一の幅移動させた後、当該一定方向と反対の方向にウェハ44を連続的に移動させることにより、他のストライプ露光領域を露光する。上述の動作を繰り返し、各電子ビームは対応する個別露光領域200を露光することにより、ウェハ44の所定の領域に所望のパターンを露光することができる。
【0064】
本発明による電子ビーム露光装置100は、部分露光領域を単位として露光データを格納しているため、ウェハに設けられる電子デバイスのサイズと各電子ビームの間隔とが一致しない場合や、ウェハに設けられる電子デバイスのレイアウト(配置)の間隔と各電子ビームの間隔とが一致しない場合であっても、ウェハにおいて各電子ビームが露光すべき全ての領域に対応する露光データを各電子ビーム毎に生成し、格納する必要がない。従って、各電子ビームがウェハを露光するのに必要なデータを極めて容易に生成することができる。更に、露光データを格納する格納部の容量を大幅に低減させることができるため、電子ビーム露光装置のコストを非常に安価に抑えることができ、ひいては電子デバイスの製造コストを低減させることができる。
【0065】
図10は、電子ビームが通過する経路であるコラムの位置、及び各コラムを通過する電子ビームが露光する個別露光領域200を示す。図10(a)は、図2で線Aで示した直線上において、コラムが理想的に設けられた場合のコラムの位置である理想コラム位置202’、及び実際に各コラムが設けられている位置である実コラム位置202を示す。
【0066】
図10(b)は、各電子ビームが露光すべき個別露光領域200及び個別露光領域200に含まれるストライプ露光領域204を示す。各実コラム位置(202a、202b、202c)を通過する電子ビームは、対応する個別露光領域(200a、200b、200c)を露光する。
【0067】
各コラムはウェハ44に対して格子状に設けられることが好ましく(図2参照)、この場合において各列を形成する複数のコラムは、同一直線上に設けられることが望ましい。また、各コラムが理想コラム位置(202a’ 202b’ 202c’)に設けられた場合において、当該コラムを通過する電子ビームのウェハ44に対する照射位置である理想照射位置は、理想コラム位置(202a’ 202b’ 202c’)と略等しい。
【0068】
しかし、各コラムを構成し、多軸電子レンズ等に設けられた電子ビームが通過する開口部は、精密機械加工あるいは半導体プロセス等により形成されており、当該開口部を形成する位置にずれを生じる場合がある。各コラムを構成する開口部等にずれが生じた場合に、各コラムが実際に設けられる位置は、理想コラム位置(202a’ 202b’ 202c’)からずれを生じる。即ち、各コラムを通過する電子ビームのウェハ44に対する照射位置は、実コラム位置(202a、202b、202c)と略等しいため、理想照射位置からずれを生じる。
【0069】
以下、上記のような場合において線A上に配置されたコラムを通過した3本の電子ビームが、各電子ビームが対応する個別露光領域200を露光する動作の一例について具体的に説明する。図10(a)において、実コラム位置202aは理想コラム位置202a’からx軸方向にプラス60マイクロメートル(μm)、実コラム位置202bは理想コラム位置202b’からx軸方向にマイナス120μmずれており、実コラム位置202cは理想コラム位置202c’にあるものとする。実コラム位置202は、予めウェハに所定のパターンを露光し、当該ウェハに露光されたパターンに基づいて算出し、予め格納されてよい。
【0070】
また、偏向部38が電子ビームを偏向可能な距離は80μmとし、各個別露光領域200は、1辺が22ミリメートル(mm)の矩形領域であって、各ストライプ露光領域204の幅は80μmとする。即ち、各個別露光領域200は、275本のストライプ露光領域204と等しい面積を有する。更に、各ストライプ露光領域204は、1辺が10μmの複数の部分露光領域206を有する。即ち、各ストライプ露光領域204は、x軸方向に8個、また、y軸方向に2200個の部分露光領域206を有する。
【0071】
また、本実施例において、各個別露光領域200は、1つのチップが形成される領域であって、部分露光領域206は、当該1つのチップを分割した領域である。そして、露光データ格納部172が格納する露光データは、個別露光領域200を単位とする露光データ、即ち、ウェハ44に形成される1チップを露光するためのデータである。
【0072】
まず、中央処理部170が、1チップ分の領域である個別露光領域200を部分露光領域に分解する。この場合において個別露光領域200は、部分露光領域206が全て同じサイズになるように分解されるのが望ましい。他の例において個別露光領域200は、異なるサイズの個別露光領域206を含むように分解されてもよい。また、個別露光領域200は、部分露光領域206の一部においてのみ部分露光データを含む部分露光領域206を含むように分解されてもよい。
【0073】
次に中央処理部170は、予め与えられた各コラムの実コラム位置(202a、202b、202c)に基づいて、各ストライプ露光領域204に部分露光領域206を振り分けることにより、個別レイアウトデータを生成し、レイアウトデータ格納部174に格納する。この場合において中央処理部170は、まず、実コラム位置(202a、202b、202c)に基づいて、x軸方向における実コラム位置202の理想コラム位置202’からのずれに基づいて、全ての電子ビームが個別露光領域200を露光するのに必要なストライプ露光領域、即ち、ウェハステージ46がウェハ44をx軸方向に段階的に移動させる移動回数を算出する。
【0074】
具体的には、ウェハステージ46がウェハ44を段階的に移動させる方向と反対方向、即ち、x軸の正の方向における実コラム位置202と理想コラム位置202’ との位置の差(オフセット)が最大となるコラムのオフセットである最大オフセットOxmax、x軸方向の負の方向において当該オフセットが最大となるコラムのオフセットである最小オフセットOxmin、隣接する理想コラム位置202’の間隔をL、ストライプ露光領域204のx軸方向の幅をPとすると、移動回数Nは下式により定められる。
N=(L+Oxmax−Oxmin)/P
【0075】
各電子ビームは、他の電子ビームがストライプ露光領域204を照射されている場合に、個別露光領域200のx軸方向における個別露光領域200の外部の一方又は双方において、ウェハ44に照射されない場合があってよい。つまり、N回ウェハステージ46がy軸方向に連続的に移動する間において、露光可能なストライプ露光領域数は、Nストライプであって、当該ストライプ露光領域数には各個別露光領域200に含まれないストライプ露光領域204が含まれてよい。各個別露光領域200に含まれないストライプ露光領域204の総面積に対応するストライプ露光領域204の数であるダミーストライプ領域数Mは下式により定められる。
M=(Oxmax−Oxmin)/P
【0076】
本実施例において移動回数Nは278回、即ち、N回ウェハステージ46がy軸方向に連続的に移動する間において、露光可能なストライプ露光領域数は、278ストライプであって、そのうちダミーストライプ領域数Mは、3ストライプである。
【0077】
続いて中央処理部170は、全ての個別露光領域200に含まれるストライプ露光領域204のうち、最初に電子ビームを照射すべきストライプ露光領域204を定める。具体的には中央処理部170は、最大オフセットを持つコラムを通過する電子ビームを、対応する個別露光領域200においてx軸の負の方向の端部に設けられたストライプ露光領域204に最初に照射させるように、個別露光領域200とN個のストライプ露光領域204とを対応づけるのが望ましい。
【0078】
本例においては、実コラム位置202aが最大オフセットを持つため、中央処理部170は、当該コラムを通過する電子ビームが、ストライプ露光領域(204a−1)を最初に露光するように個別露光領域200とN個のストライプ露光領域204とを対応づける(図10(b)参照)。
【0079】
具体的には、中央処理部170は、ストライプ露光領域(204a−1)の端部と、個別露光領域200aのx軸の負の方向の端部とが一致するように、個別露光領域200aとストライプ露光領域(204a−1〜204a−278)とを対応づける。即ち、個別露光領域200aは、全ての部分露光領域が露光されるストライプ露光領域(204a−1〜204a−275)を含み、また、個別露光領域200aの外部において、当該コラムを通過する電子ビームにより露光されないストライプ露光領域(204a−276〜204a−278)が存在する。
【0080】
実コラム位置202bに設けられたコラムを通過する電子ビームが露光する個別露光領域200bと、ストライプ露光領域(204b−1〜204b−278)とは、個別露光領域200aと実コラム位置202aとの対応関係に基づいて対応づけられる。具体的には、n番目(nは整数)のストライプ露光領域(204b−n)は、ストライプ露光領域(204a−n)に対してx軸方向において、実コラム位置202aと実コラム位置202bとの距離(Oxmax−Oxmin)ずれて位置する。本実施例においてOxmax−Oxminは、180μmであって、ストライプ露光領域(204b−n)は、ストライプ露光領域(204a−n)に対して、x軸の負の方向に180μmずれて位置する。即ち、個別露光領域200bは、全ての部分露光領域206が露光されるストライプ露光領域(204b−4〜204b−277)と、個別露光領域200bの両端に位置するストライプ露光領域(204b−3、204b−278)の一部とを含む。また、個別露光領域200bの外部において、露光されないストライプ露光領域(204b−1、204b−2)、及びストライプ露光領域(204b−3、204b−278)の他の部分とが存在する。
【0081】
同様に、実コラム位置202cに設けられたコラムを通過する電子ビームが露光する個別露光領域200cは、全ての部分露光領域206が露光されるストライプ露光領域(204c−2〜204c−275)と、個別露光領域200cの両端に位置するストライプ露光領域(204c−1、204c−276)の一部とを含む。また、個別露光領域200cの外部において、露光されないストライプ露光領域(204c−277、204c−278)、及びストライプ露光領域(204c−1、204c−276)の他の部分とが存在する。
【0082】
中央処理部170は、ストライプ露光領域204を定めた後、各ストライプ露光領域204に部分露光領域206を割り当てる。このとき、所定の部分露光領域206が、一の個別露光領域と他の個別露光領域との境界に渡って位置する場合、いずれか一方の個別露光領域を露光する電子ビームが露光するように、部分露光領域206をストライプ露光領域204に割り当てるのが望ましい。この場合において中央処理部170は、当該所定の部分露光領域206を、当該所定の部分露光領域206が含まれる面積が大きい個別露光領域に割り当てるのが好ましい。
【0083】
中央処理部170は、各ストライプ露光領域204に部分露光領域206を割り当てた後、当該ストライプ露光領域及び部分露光領域に基づいて、各電子ビームが個別露光領域200を露光するシーケンスである個別レイアウトデータを生成する。個別レイアウトデータは、上述した個別露光領域200とストライプ露光領域204との対応付けにより、電子ビームが露光すべきストライプ露光領域204、及び当該ストライプ露光領域204において露光すべき部分露光領域206を指示するデータを含む。続いて各電子ビームは、個別レイアウトデータに基づいて、対応する個別露光領域200に対して露光を開始する。
【0084】
まず、個別露光領域200aを露光すべき電子ビームが、ストライプ露光領域(204a−1)を露光する位置に、ウェハステージ46がウェハ44を移動する。このとき、個別露光領域200b及び個別露光領域200cを露光すべき電子ビームは、それぞれストライプ露光領域(204b−1)及びストライプ露光領域(204c−1)を露光する位置にある。そして、ウェハステージ46は、y軸の正の方向にウェハ44を移動させる。ウェハステージ46が、y軸方向にウェハ44を連続的に移動させながら、前述した動作により、個別露光領域200aを露光すべき電子ビームは、ストライプ露光領域(204a−1)を全て露光し、個別露光領域200bを露光すべき電子ビームは、ストライプ露光領域(204b−1)を露光せず、また、個別露光領域200cを露光すべき電子ビームは、ストライプ露光領域(204c−1)のうち個別露光領域200cに含まれる部分露光領域206、即ち、隣接するストライプ露光領域(204c−2)との境界から20μmの範囲にある部分露光領域206を露光する。
【0085】
各電子ビームが、ストライプ露光領域(204a−1、204b−1、204c−1)を露光した後、ウェハステージ46は、x軸方向にストライプ露光領域204のx軸方向における幅と略等しい距離、ウェハ44を移動する。そして、各電子ビームがストライプ露光領域(204a−2、204b−2、204c−2)を露光可能な位置にウェハ44は移動する。そしてウェハステージ46は、ウェハ44をy軸の負の方向に連続移動させながら、前述した動作と同様の動作を行うことによりストライプ露光領域204を、個別レイアウトデータに基づいて順番に露光する。この場合において、複数の電子ビームが、それぞれx軸方向においてずれた位置にあるストライプ露光領域204、即ち、同一軸上にないストライプ露光領域204を露光してもよい。
【0086】
電子ビーム露光装置100は、各コラムの位置が理想的な位置からずれた場合であっても、各コラムの位置に基づいて、各電子ビームに対してストライプ露光領域及び部分露光領域を割り振ることができるため、非常に少ないデータ処理回数で、極めて効率よくウェハにパターンを露光することができる。
【0087】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることができる。その様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0088】
【発明の効果】
上記説明から明らかなように、本発明によれば、電子ビーム露光装置において露光に必要な露光データの処理を極めて少なくすることができる。また、露光データを格納する格納部の容量を大幅に削減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る電子ビーム露光装置100の構成を示す。
【図2】ウェハ44に照射する複数の電子ビームの照射位置、及びそれぞれの電子ビームが照射すべき個別露光領域の一例を示す。
【図3】個別露光領域200を示す。
【図4】ストライプ露光領域204を示す。
【図5】部分露光領域206を示す。
【図6】制御系140の構成の一例を示す。
【図7】露光データ格納部172及びレイアウトデータ格納部174に格納されるデータを示す。
【図8】電子ビームの照射位置を算出する方法の概略図を示す。
【図9】部分露光領域206における部分領域位置214及びショットパターン208の一例を示す。
【図10】電子ビームが通過する経路であるコラムの位置、及び各コラムを通過する電子ビームが露光する個別露光領域200を示す。
【符号の説明】
8・・筐体 10・・電子ビーム発生部
14・・第1成形部材 16・・第1多軸電子レンズ
18・・第1成形偏向部 20・・第2成形偏向部
22・・第2成形部材 24・・第2多軸電子レンズ
26・・ブランキング電極アレイ 28・・電子ビーム遮蔽部材
34・・第3多軸電子レンズ 36・・第4多軸電子レンズ
38・・偏向部 44・・ウェハ
46・・ウェハステージ 48・・ウェハステージ駆動部
52・・第5多軸電子レンズ 80・・電子ビーム制御部
82・・多軸電子レンズ制御部 84・・成形偏向制御部
86・・ブランキング電極アレイ制御部
92・・偏向制御部 96・・ウェハステージ制御部
100・・電子ビーム露光装置 120・・個別制御系
130・・統括制御部 140・・制御系
150・・露光部 170・・中央処理装置
172・・露光データ格納部
174・・レイアウトデータ格納部 200・・個別露光領域
202・・コラム位置 204・・ストライプ露光領域
206・・部分露光領域 208・・ショットパターン
210・・ステージ位置 212・・ストライプ位置
214・・部分領域位置 216・・ショットベクトル
256・・個別偏向制御部
258・・個別露光データ格納部
260・・個別レイアウトデータ格納部 262・・照射位置算出部
264・・D/A変換部

Claims (21)

  1. 複数の電子ビームを用いてウェハにパターンを露光する電子ビーム露光装置であって、
    前記ウェハに露光すべき露光領域においてそれぞれの前記電子ビームが露光すべき領域である個別露光領域に含まれ偏向部が前記電子ビームを偏向可能な偏向幅より小さい領域である部分露光領域において、前記電子ビームが露光すべきショットパターンの位置であるショット位置を示すショット位置データを格納する複数の個別露光データ格納部と、
    それぞれの前記個別露光領域における前記部分露光領域を示す部分領域データ、及び前記部分露光領域における所定の位置である部分領域位置を示す部分領域位置データを格納する個別レイアウトデータ格納部と、
    前記部分領域データに基づいて、前記電子ビームが露光すべき前記部分露光領域に含まれる前記ショット位置データを、前記個別露光データ格納部から読み出し、ウェハステージの位置であるステージ位置と前記部分領域位置との相対位置、及び前記部分領域位置と前記ショット位置との相対位置に基づいて、前記電子ビームを照射すべき位置を示す照射位置データを算出する照射位置算出部と、
    を備えた電子ビーム露光装置。
  2. 前記個別露光データ格納部は、前記ショットパターンの形状を示すショット形状データを更に格納しており、
    前記個別露光データ格納部から、前記ショット形状データを読み出し、当該ショット形状データに基づいて、前記複数の電子ビームのそれぞれの断面形状を独立して成形する電子ビーム成形手段を更に備えた請求項1記載の電子ビーム露光装置。
  3. 前記電子ビーム成形手段は、
    前記複数の電子ビームの断面形状を成形する複数の第1成形開口部を有する第1成形部材と、
    前記第1成形部材において成形された前記複数の電子ビームを成形する第2成形開口部を有する第2成形部材と、
    前記第1成形開口部を通過した前記複数の電子ビームを、それぞれ独立に偏向する成形偏向部と、
    前記ショット形状データに基づいて、前記成形偏向部を制御する成形偏向制御部と
    を有する請求項2に記載の電子ビーム露光装置。
  4. 前記第2成形部材は、異なる形状を有する開口部である複数のブロック成形開口部を更に有する請求項3に記載の電子ビーム露光装置。
  5. 前記個別露光データ格納部は、前記ショットパターンを前記ウェハに露光する時間を示すショット時間データを更に格納し、
    それぞれの前記電子ビームを前記ウェハに照射するか否かを独立に切り替える照射切替手段と、
    前記ショット時間データに基づき、タイミングに応じて前記照射切替手段を制御する露光タイミング制御部と
    を更に備えた請求項1から4のいずれかに記載の電子ビーム露光装置。
  6. 前記個別露光領域における前記部分露光領域に含まれる前記ショット位置データを格納する露光データ格納部と
    前記個別露光領域における前記部分領域を示す前記部分領域データを格納するレイアウトデータ格納部と
    を更に備え、
    前記個別露光データ格納部は、前記露光データ格納部から個別露光領域に含まれる前記ショット位置データを読み出し格納し、
    前記個別レイアウトデータ格納部は、前記レイアウトデータ格納部から個別露光領域に含まれる前記部分領域データを読み出して格納する請求項1から5のいずれかに記載の電子ビーム露光装置。
  7. 前記露光データ格納部を少なくとも1つ更に備えた請求項6に記載の電子ビーム露光装置。
  8. 複数の前記電子ビームが所定の前記部分露光領域を露光可能な場合において、前記複数の電子ビームのうち、前記所定の部分露光領域を露光することができる面積が最も大きい前記電子ビームに対応する前記個別レイアウトデータ格納部が、前記所定の部分露光領域を示す前記部分領域データ及び前記部分領域位置を格納する請求項1に記載の電子ビーム露光装置。
  9. 前記個別露光領域は、複数の前記部分露光領域を含む複数のストライプ露光領域を有し、
    前記個別レイアウトデータ格納部は、前記個別露光領域に含まれる前記ストライプ露光領域を示すストライプ領域データ、及び前記ストライプ露光領域における所定の位置であるストライプ位置を示すストライプ位置データを更に格納し、
    前記照射位置算出部は、前記ストライプ領域データに更に基づいて、前記ショット位置データを、前記個別露光データ格納部から読み出し、前記ステージ位置と前記ストライプ位置との相対位置、及び前記ストライプ位置と前記部分領域位置との相対位置に更に基づいて、前記照射位置データを算出する請求項1から8のいずれかに記載の電子ビーム露光装置。
  10. 前記個別レイアウトデータ格納部は、前記ストライプ露光領域における所定の前記部分露光領域を示す前記部分領域データ、及び前記所定の部分領域から連続して配置された前記電子ビームが露光すべき前記部分露光領域の数を示す部分領域数データを更に格納し、
    前記照射位置算出部は、当該部分領域データ及び当該部分領域数データに基づいて、前記部分露光領域に含まれる前記ショット位置データを読み出し、前記照射位置データを算出する請求項に記載の電子ビーム露光装置。
  11. 前記所定の部分露光領域は、当該所定の部分露光領域が含まれる前記ストライプ露光領域において最外周に位置する前記部分露光領域である請求項10に記載の電子ビーム露光装置。
  12. 前記個別レイアウトデータ格納部は、前記所定の部分露光領域を示す前記部分領域データが格納されている前記個別露光データ格納部のアドレスを示すアドレスデータを更に格納し、
    前記照射位置算出部は、前記アドレスデータ及び前記部分領域数データに基づいて、前記個別露光データ格納部から前記部分領域データを読み出す請求項10または11に記載の電子ビーム露光装置。
  13. 前記部分露光領域は、前記ストライプ露光領域の短手方向の長さが、前記偏向部が前記電子ビームを偏向可能な偏向距離と略等しい長さに、且つ、前記部分露光領域の1辺が、前記偏向距離の略整数分の1になるように形成された請求項9から12のいずれかに記載の電子ビーム露光装置。
  14. 前記ウェハステージは、前記ストライプ露光領域の長手方向に沿って前記部分露光領域を露光すべく前記ウェハを連続移動させ、
    前記ウェハステージが連続移動している場合において、所定の電子ビームは、当該所定の電子ビームと前記長手方向に隣接する他の電子ビームが露光する前記ストライプ露光領域と同一直線上にない前記ストライプ露光領域を露光する請求項9から13のいずれかに記載の電子ビーム露光装置。
  15. それぞれの前記個別レイアウトデータ格納部は、前記ストライプ露光領域の前記長手方向に対して略垂直な方向において、前記電子ビームの照射されるべき理想照射位置と、実際に前記電子ビームが照射される実照射位置との距離に基づいて、前記所定の電子ビーム及び前記他の電子ビームが露光すべき前記ストライプ露光領域に含まれる前記部分領域データを格納する請求項14に記載の電子ビーム露光装置。
  16. 前記連続移動方向に対して略垂直な所定の方向における前記理想照射位置と前記照射位置との距離が最も大きい前記電子ビームを、当該電子ビームが露光すべき前記個別露光領域における前記所定の方向と反対方向の端部に位置する前記ストライプ露光領域に最初に照射することを特徴とする請求項15に記載の電子ビーム露光装置。
  17. 前記複数の個別レイアウトデータ格納部のうち、少なくとも1つの前記個別レイアウトデータ格納部は、少なくとも1つの前記ストライプ露光領域に含まれる前記複数の部分露光領域のうち、一部の前記部分領域データ
    を格納する請求項9から16のいずれかに記載の電子ビーム露光装置。
  18. 複数の電子ビームの照射位置を算出する照射位置算出方法であって、
    ウェハに露光すべき露光領域においてそれぞれの電子ビームが露光すべき領域である個別露光領域に含まれ、偏向部が前記電子ビームを偏向可能な偏向幅より小さい領域である部分露光領域に分解するステップと、
    前記部分露光領域において前記電子ビームが露光すべきショットパターンの位置を示すショット位置データを、前記部分露光領域毎に格納する個別露光データ格納ステップと、
    それぞれの前記個別露光領域における前記部分露光領域を示す部分領域データ、及び前記部分露光領域における所定の位置である部分領域位置を示す部分領域位置データを格納する個別レイアウトデータ格納ステップと、
    前記部分領域データに基づいて、前記個別露光データ格納ステップにより格納された前記電子ビームが露光すべき前記部分露光領域に含まれる前記ショット位置データを読み出し、ウェハステージの位置であるステージ位置と前記部分領域位置との相対位置、及び前記部分領域位置と前記ショット位置との相対位置に基づいて、前記電子ビームを照射すべき位置を示す照射位置データを算出する照射位置算出ステップと、
    を備えた照射位置算出方法
  19. 前記個別露光領域は、複数の前記部分露光領域を含む複数のストライプ露光領域を有し、
    前記個別レイアウトデータ格納ステップは、前記個別露光領域に含まれる前記ストライプ露光領域を示すストライプ領域データ、及び前記ストライプ露光領域における所定の位置であるストライプ位置を示すストライプ位置データを更に格納し、
    前記照射位置算出ステップは、前記ストライプ領域データに更に基づいて、前記個別露光データ格納ステップにより格納された前記ショット位置データを読み出し、前記ステージ位置と前記ストライプ位置との相対位置、及び前記ストライプ位置と前記部分領域位置との相対位置に更に基づいて、前記照射位置データを算出する請求項18に記載の照射位置算出方法。
  20. 前記個別レイアウトデータ格納ステップは、前記ストライプ露光領域における所定の前記部分露光領域を示す前記部分領域データ、及び前記所定の部分領域から連続して配置さ れた前記電子ビームが露光すべき前記部分露光領域の数を示す部分領域数データを更に格納し、
    前記照射位置算出ステップは、当該部分領域データ及び当該部分領域数データに基づいて、前記部分露光領域に含まれる前記ショット位置データを読み出し、前記照射位置データを算出する請求項19に記載の照射位置算出方法。
  21. 前記所定の部分露光領域は、当該所定の部分露光領域が含まれる前記ストライプ露光領域において最外周に位置する前記部分露光領域である請求項20に記載の照射位置算出方法。
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