JP4251468B2 - 二成分現像剤および画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はトナーをキャリアと呼ばれる媒体に分散させたいわゆる二成分現像剤に関し、とりわけ画質および耐久性を著しく改良した二成分現像剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子写真複写機等の画像形成装置が広く普及するに従い、その用途も多種多様に広がるとともに、高精細、高画質化の要求が市場では高まっている。当該技術分野では、トナーの粒径を細かくして高画質化を達成しようという試みがなされているが、それに伴ってキャリアの小粒径化も必然となってきている。
【0003】
これまでに、画質をよくするという目的のために、いくつかの現像剤が提案されている。
キャリアの平均粒径や粒度分布を示唆したものとして、特開昭51−3238号公報、特開昭58−144839号公報、特開昭61−204646号公報がある。特開昭51−3238号公報は大まかな粒度分布についてだけ言及している。しかしながら、現像剤の現像性や現像装置内での搬送性に密接に関係している磁気特性については具体的に開示していない。さらに実施例中のキャリアは全て250メッシュ以上が約80重量%以上もあり、平均粒径も60μm以上というものである。
【0004】
また、特開昭58−144839号公報は、単に平均粒径のみを開示するものであって感光体へのキャリア付着に影響を及ぼす微粉量や画像の鮮鋭性に影響を与える粗粉量まで言及し詳細にその分布まで記載してはいない。さらに、特開昭61−204646号公報は複写装置と適当な現像剤の組合せを発明の骨子としており、キャリアの粒度分布や磁気特性については具体的に述べられていない。さらには、該現像剤がなぜその複写装置に有効なのかさえも開示されていない。
【0005】
また、特開昭58−23032号公報に記載されているフェライトキャリアは、多孔性の空孔の多い材料についてのものであり、このようなキャリアはエッジ効果が発生しやすく耐久性に乏しいものである。
【0006】
今まで、少量の現像剤で、画像面積の大きい画像を連続複写することが可能であり、耐久後もエッジ効果が生じないという特性をも満足しうる現像剤が待望されてきている。現像剤及びキャリアに関して検討が行われているが、ほとんどベタ画像に近い20%以上の画像面積をもつ画像を複写しつづける能力やエッジ効果の軽減、一枚の複写物中での画像濃度の一様性を保持しうる能力を有するキャリアが待望されている。
【0007】
そこで、特開平2−281280号公報(特許2854317)では、微粉の存在量および粗粉の存在量をコントロールした粒度分布の狭いキャリアを提案しているが、現像特性に影響が大きい その形状および流動性については何ら言及していない。
【0008】
本発明者らは、画像形成方法の画像濃度、ハイライト再現性、細線再現性について鋭意検討した結果、特定の粒度分布を有し、かつ流動性の高いキャリアを使用したときに、高画像濃度、ハイライト再現、細線再現等に優れた高画質化が達成できることを見出したのである。
【0009】
まず、キャリアとトナーを小粒径化した場合に生じる弊害として、現像剤としての流動性が低下し、現像器中の現像剤が循環しにくくなることがあげられる。この対策として現像器中の撹拌強度を高めるなどの装置条件の変更があげられるが、現像剤の耐久寿命を短かくするなどの問題を生じるため、好ましいものではない。そこで、現像剤として一定レベルの流動性を確保する事が重要である。現像剤の流動性確保の為には、いくつかの手段が考えられる。
【0010】
本発明者らはその一つとしてキャリアの形状を制御する事が効果的である事を見い出した。即ち、キャリア粒子の球状率を上げる事によって流動性を向上するものである。
【0011】
キャリアの球形化に関しては特開昭59−222847号公報において述べられているが、球形化の度合いの定義が不明確であり、実際にどのレベルのものが使用可能かを知る事ができない。
【0012】
また、特開昭63−41864号公報においては、キャリアの球形化度Ψw が定義されているが、これは弾性ブレードコート現像法について言及したものである。
【0013】
本発明者らはまた、現像剤の流動性の向上のためには、さらに樹脂被覆キャリアの被覆樹脂に高流動性のものを含有させておく事も有効である事を見い出した。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上述のごとき問題点を解決した二成分現像剤および画像形成装置を提供するものである。
【0015】
さらに、本発明の目的は、鮮明でかつ階調性の優れた二成分現像剤および画像形成装置を提供するものである。
【0016】
さらに本発明の目的は、現像器内での搬送性の良好な二成分現像剤および画像形成装置を提供するものである。
【0017】
さらに、本発明の目的は、デジタル画像信号による画像形成装置においても、解像性、階調性、細線再現性に優れたトナー画像を形成し得る二成分現像剤および画像形成装置を提供するものである。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明は、少なくとも着色剤含有樹脂粒子と外添剤を有するトナーとキャリアとを含有する二成分現像剤において、該キャリアについて、重量平均粒径が35〜55μmであり、22μmより小さいキャリア粒子が0〜15%であり、88μm以上のキャリア粒子が0〜5%であり、該キャリアは樹脂被覆キャリアであって、被覆樹脂の主成分が官能基(ただし、Si(OR1 )基(R1 は、水素原子、低級アルキル基またはアシル基を表す)を除く)を有する有機化合物(A)、該有機化合物(A)が有する官能基と反応し得る官能基およびSi(OR1)基(R1 は前記と同じ意味)を有する化合物(B)および/またはその加水分解縮合物、
下記一般式(I)で示される有機ケイ素化合物(C)および/またはその加水分解縮合物、
Si(OR2 )4 …(I)
(式中、R2 は同一または異なっていてもよく、水素原子、低級アルキル基またはアシル基を表す)
から生成される樹脂であり、芯材の流動度がt1(秒/50g)、該キャリアの流動度がt2(秒/50g)であるとき、−1.2≦t 1 −t 2 ≦3.5であり、20≦t 2 ≦40であることを特徴とする二成分現像剤にある。
そして又、かかるニ成分現像剤を使用した画像形成装置である。
【0019】
本発明についてさらに詳しく説明する。
キャリアとしてはキャリアの重量平均粒径が35〜55μmであり、22μmより小さいキャリア粒子が0〜15%、好ましくは0〜10%、より好ましくは0〜6%である。
【0020】
キャリアの平均粒径が35μm未満では、キャリアが潜像保持体上に現像され易くなり、潜像保持体やクリーニングブレードや帯電ローラを傷つけ易くなる。一方、キャリアの平均粒径が55μmより大きいと、特に小粒径トナーとの組合せにおいては、キャリアのトナー保持能力(トナーを保持できる キャリア上の表面積)が低下し、ベタ画像の濃度ムラ、トナー飛散、地肌汚れ等が発生し易くなる。
【0021】
微粉の存在量が上記値を超えると、キャリア付着が発生しやすく、またトナーとの円滑な帯電を妨げられる。
【0022】
88μm以上のキャリア粒子が0〜5%であることが好ましい。粗粉の存在量が上記値を超えると、現像ローラ上の磁気ブラシが粗となりやすく、鮮鋭な画像が得られにくい。
【0023】
前述の様にキャリアを小粒径化した場合に生じる弊害として現像剤としての流動性が低下し、現像器中の現像剤が循環しにくくなることがあげられる。この対策として現像器中の撹拌強度を高めるなどの装置条件の変更があげられるが、現像剤および現像装置の耐久寿命を短かくするなどの問題を生じるため、好ましいものではない。そこで、現像剤としてあるレベルの流動性を確保する事が重要である。現像剤の流動性確保の手段として、流動性の高いキャリアの被覆樹脂を選択することが挙げられる。更に高流動性の被覆樹脂の効果を最大限活かす為に芯材の表面性および球形度等を調整する必要がある。
【0024】
本発明のキャリア用被覆樹脂の主成分は、官能基(ただし、Si(OR1 )基(R1 は、水素原子、低級アルキル基またはアシル基を表す)を除く)を有する有機化合物(A)、該有機化合物(A)が有する官能基と反応し得る官能基およびSi(OR1 )基(R1 は前記と同じ意味)を有する化合物(B)および/またはその加水分解縮合物、下記一般式(I)で示される有機ケイ素化合物(C)および/またはその加水分解縮合物、
Si(OR2 )4 …(I)
(式中、R2 は同一または異なっていてもよく、水素原子、低級アルキル基またはアシル基を表す)
から生成される樹脂である。
【0025】
キャリアに正帯電性を持たせる為に有機化合物(A)はアミノ基を含有することが好ましい。アミノ基を有する有機化合物(A)の具体例としては、アリルアミン、ジアリルアミン、イソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、イミノビスプロピルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、2−エチルヘキシルアミン、3−エトキシプロピルアミン、ジイソブチルアミン、3−ジエチルアミノプロピルアミン、ジ−2−エチルヘキシルアミン、ジブチルアミノプロピルアミン、プロピルアミン、ジメチルアミノプロピルアミン、メチルイミノビスプロピルアミン、3−メトキシプロピルアミン、エチレンジアミン、1,4−ジアミノブタン、1,2−ジアミノプロパン、1,3−ジアミノプロパン、ヘキサメチレンジアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン等のアミノ基を1個以上有する低分子有機化合物;ポリエチレンイミン類、例えば日本触媒社製エポミンシリーズ(エポミンSP−003、エポミンSP−006、エポミンSP−012、エポミンSP−018、エポミンSP−103、エポミンSP−110、エポミンSP−200、エポミンSP−300、エポミンSP−1000、エポミンSP−1020等)、ポリアリルアミン類(例えば日東紡績社製PAA−L、PAA−H等)、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のアミノ基含有(メタ)アクリレートのホモポリマーや、これらのアミノ基含有(メタ)アクリレートと他の(メタ)アクリレート類や(メタ)アクリル酸とのコポリマー、ポリオキシエチレンアルキルアミン類等のアミノ基含有高分子有機化合物が挙げられる。
【0026】
化合物(B)は、有機化合物(A)と有機ケイ素化合物(C)とを結合させるものであり、前記した有機化合物(A)が有する官能基と反応し得る官能基とSi(OR1 )基(R1 の意味は前記と同じ)を有する化合物である。具体的には、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリイソプロポキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルメチルジメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリイソプロポキシシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン等のエポキシ基含有化合物;あるいはγ−イソシアノプロピルトリメトキシシラン、γ−イソシアノプロピルトリエトキシシラン、γ−イソシアノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−イソシアノプロピルメチルジエトキシシラン等のイソシアネート基含有化合物;等が挙げられ、これらの1種または2種以上を用いることができる。
【0027】
本発明に用いられる有機ケイ素化合物(C)としては、下記一般式(I)で表されるものであれば特に限定されない。
Si(OR2 )4 …(I)
(式中、R2 は同一または異なっていてもよく、水素原子、低級アルキル基またはアシル基を表す)
【0028】
具体例としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラブトキシシラン等のシラン化合物が挙げられ、これらの1種または2種以上を用いることができる。中でも、形成されたコート膜が良好な耐湿性を示す点から、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシランが好ましい。
【0029】
本発明のキャリアに使用する被覆樹脂としては、詳細な理由が分からないが、上述した構成のものが好ましい。本発明のキャリアの被覆樹脂は、従来から知られているシリコーンレジンとは全く異なるものであり、その構成成分から見てもシリカ、或いはガラスに近いものであり、それをコーティングしたキャリアは非常に流動性が良好である。そして、この流動性の良さが本発明の二成分現像剤およびそれを用いた画像形成装置とマッチする。
【0030】
次に二成分現像剤の流動性を向上させる手段としては、一例としてキャリア形状を制御する事が効果的である。即ち、キャリア粒子の球状率を上げる事によって流動性を向上するものである。
【0031】
本発明においては、キャリアの形状を以下のように規定する。本発明でいうワーデルの実用球径度Ψwは以下の式で求められる値である。Ψw=(粒子の投影面積に等しい円の直径)/(粒子の投影像に外接する最小円の直径)
【0032】
本発明のキャリアはΨwが0.6以上であることが好ましい。より好ましくはΨwが0.75以上である。この範囲を超えて球形から外れた異形化キャリアにおいては、前述の様に現像剤の流動性および撹拌効率に問題を生じる。
【0033】
一般に、キャリアを小粒径にするに従って球形度を上げる事は困難になるが、球形度の度合いを前述の様に調節する為には、製造条件の調整、例えばスプレードライ法を用いる場合には、スラリーの粘度の調節、温度、添加物の利用も可能であるが特に限定されず、他の方法においても焼成温度の調整などによって行う事が可能である。
【0034】
前述したような種々の方法により、芯材の表面性および球形度 等を適正化することにより、芯材の流動性を損なわない(或いはキャリアの流動度が上回り)、本発明の高流動のキャリアとなる。
【0035】
すなわち、本発明において望ましいキャリアの流動度は20〜40(秒/50g)である。40秒より大きい場合、流動性が悪く、補給されたトナーに帯電付与を円滑に行うことができず、画像劣化を生じる。また20秒より小さい場合、現像剤の摩擦抵抗を利用した現像剤の搬送が上手くいかず、現像剤の搬送性に問題が生じる。
【0036】
ところで、キャリアはその磁気特性で現像スリーブに内蔵されたマグネットローラーによってスリーブ表面に担持され、現像剤として攪拌・循環され、現像剤の現像特性及び搬送性に大きく影響を及ぼすものである。
【0037】
本発明ではキャリアの飽和磁化(1kエルステッド)が40〜120emu/gのとき、複写画像の均一性や階調再現性にすぐれ好適であることが分かっている。
【0038】
飽和磁化が120emu/g(1000エルステッドの印加磁場に対し)を超える場合であると、現像時感光体上の静電潜像に対向した現像スリーブ上のキャリアとトナーにより構成される磁気ブラシが固く締った状態となり、階調性や中間調の再現が悪くなる。また、40emu/g未満であると、現像剤を現像スリーブ上に良好に保持することが困難になり、キャリア付着やトナー飛散が悪化するという問題点が発生しやすくなる。
【0039】
本発明ではキャリアの飽和磁化(1kエルステッド)が70〜120emu/gのとき、複写画像の均一性や階調再現性にすぐれていることに加え、比較的磁化が高いことからトナーに対して摩擦帯電量の付与効果が高く、地肌汚れの改善効果が極めて高いことが分かっている。
【0040】
近年、トナーの小粒径化傾向に伴い、トナーの重量あたりの表面積が増大し、摺擦による過剰帯電を生じやすくなる。これに対して帯電を制御し、流動性を付与できる酸化チタン微粒子の効果は大きい。本発明に好適な酸化チタンの含有量は0.5〜5重量%、好ましくは0.7〜3重量%、より好ましくは1.0〜2.5重量%である。
【0041】
本発明に係るトナーには、荷電特性を安定化するために荷電制御剤を配合しても良い。その際トナーの色調に影響を与えない無色又は淡色の荷電制御剤が好ましいが、各トナーの色特性をそこなわない限り、限定はうけない。その際の負荷電制御剤としては例えばアルキル置換サリチル酸の金属錯塩(例えばジ−tert−ブチルサリチル酸のクロム錯塩又は亜鉛錯塩又は鉄錯塩)の如き有機金属錯塩が挙げられる。負荷電制御剤をトナーに配合する場合には結着樹脂100重量部に対して0.1〜10重量部、好ましくは0.5〜2重量部添加するのが良い。
【0042】
本発明に係るトナーとキャリアとの混合比率は現像剤中のトナー濃度として、2〜30重量%、好ましくは3〜9重量%にすると通常良好な結果が得られる。トナー濃度が2重量%未満では画像濃度が低く実用不可となり、30重量%を超えると磁性トナーであっても地肌汚れや機内飛散を増加せしめ、現像剤の耐用寿命を縮める。
【0043】
本発明に使用される着色剤としては、公知の染顔料、例えばフタロシアニンブルー、インダスレンブルー、ピーコックブルー、カーボンブラック等広く使用することができる。その含有量としては、OHPフィルムの透過性に対し敏感に反映するよう結着樹脂100重量部に対して12重量部以下であり、好ましくは0.5〜9重量部である。
【0044】
本発明のトナーには必要に応じてトナーの特性を損ねない範囲で添加剤を混合しても良いが、そのような添加剤としては、例えばテフロン、ステアリン酸亜鉛、ポリフッ化ビニリデンの如き滑剤、あるいは定着助剤(例えば低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレンなど)、有機樹脂粒子等がある。
【0045】
本発明に使用されるトナーが磁性トナーである場合、磁性粒子としては、公知のものが使用でき、5〜35重量%であることが好ましい。5重量%未満であると、磁性トナーとして機能せず、地肌汚れが改善できない。一方、35重量%を超えると、トナーとして適した現像能力を失ってしまう。
【0046】
本発明のトナーの製造にあたっては、構成材料を混合した後、熱ロール、ニーダー、エクストルーダー等の熱混練機によって構成材料を良く混練した後、機械的な粉砕、分級によって得る方法、或は結着樹脂溶液中に着色剤等の材料を分散した後、噴霧乾燥することにより得る方法、又は、結着樹脂を構成すべき単量体に所定材料を混合した後、この乳化懸濁液を重合させることにより得られるトナー、分散重合法により得られるトナー等の重合トナー製造法等それぞれの方法が応用できる。
【0047】
本発明のトナーに使用する結着物質としては、従来電子写真用トナー結着樹脂として知られる各種の材料樹脂が用いられる。
【0048】
例えば、スチレン・アクリル共重合体、ポリエステル樹脂、ポリオール樹脂等である。また、いずれの樹脂もその製造方法等は特に制約されるものではない。
【0049】
本発明に使用されるキャリアの芯材の材質としては、例えば表面酸化または未酸化の鉄、磁性体分散樹脂粒子、フェライト粒子、マグネタイト粒子等が使用できる。またその製造方法としては、特別な制約はない。又このようなキャリア芯材は、磁性材料のみから構成されていてもよく、また磁性材料と非磁性材料との結合体から構成されていてもよく、更には二種以上の磁性粒子の混合物であっても良い。
【0050】
前述したキャリア芯材の表面を上記被覆樹脂で被覆する方法としては、該樹脂を溶剤中に溶解もしくは懸濁せしめて芯材表面に塗布し、上記樹脂を磁性粒子等からなる芯材に付着せしめる方法が好ましいが特に限定されない。
【0051】
上記被覆樹脂の処理量は被覆材の成膜性や耐久性から一般に総量でキャリア芯材に対し1〜3重量%が望ましい。より好ましくは1.5〜2.5重量%が好ましい。1重量%未満であると、キャリア芯材の表面をほぼ一様に樹脂被覆できないため、現像領域でキャリア付着や絶縁破壊による白抜け等が発生する。一方、3重量%を超えても成膜性が向上するわけでもなく、かえって現像剤の流動性を低下させることとなる。
【0052】
以下に本発明現像剤に係る特性値の測定法について述べる。
(1)キャリアの磁気特性:測定装置は、BHU−60型磁化測定装置(理研測定製)を用いる。具体的に述べると測定試料は約1.0g秤量し、内径7mmφ、高さ10mmのセルにつめ、前記の装置にセットする。測定は印加磁場を徐々に加え最大3,000エルステッドまで変化させる。次いで印加磁場を減少せしめ、最終的に記録紙上に試料のヒステリシスカーブを得る。これより、飽和磁化を求める。
【0053】
(2)キャリアの粒度分布の測定:測定装置は、マイクロトラック粒度分析計(日機装株式会社)のSRAタイプを使用し、0.7〜125μmのレンジ設定で行った。
【0054】
(3)トナー粒度測定:粒度分布については、種々の方法によって測定できるが、本発明においてはコールターカウンターを用いて行った。
【0055】
(4)芯材、キャリア流動度測定方法:本実験において芯材、キャリアの流動度は、以下の様に測定した。
【0056】
即ち、試料を、温度23℃±3℃,湿度60%±5%の環境に24時間放置後、測定を行う。測定方法はJIS−Z 2504に基づく。
【0057】
【発明の実施の形態】
以下、実施例をもとに本発明を説明する。部は重量部を意味する。
芯材A
パウダーテック製F−300
芯材B
平均細孔径が約35000オングストロームであるCu-Zn-Fe系フェライト粒子
芯材C
同和鉄粉工業(株)製SM-350
芯材D
図1の表面性を持つマグネタイト粒子、表面性が著しく荒れており流動度が低下している。
芯材E
同和鉄粉工業(株)製球状鉄粉
芯材F
同和鉄粉工業(株)製板状鉄粉
芯材G〜I
各種粒度分布を持ったCu-Znフェライト粒子
【0058】
コート剤1の調製
攪拌機、温度計および冷却器を備えたフラスコに、ポリエチレンイミン「エポミンSP-018」(日本触媒製)1.64重量%、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン1.49重量%、エタノール47.05重量%を仕込み、50℃で窒素雰囲気下24時間攪拌した後、30℃に冷却し、水1.09重量%とエタノール5.53重量%の混合液を15分かけて滴下し、1時間攪拌した。さらにその反応液に、テトラメトキシシランオリゴマー「Mシリケート51」(多摩化学製)14.30重量%とエタノール28.88重量%を加え、20℃で24時間攪拌してキャリア用コート剤1を得た。
【0059】
キャリアの作成
芯材A〜I 5000部
コート剤1(不揮発分17%) 588部
流動床内に回転式底板ディスクと攪拌羽根を設けた、旋回流を形成させながらコートを行うコーティング装置を使用して、当該コート液を上述のキャリア芯材上に塗布した。得られたキャリアを電気炉で温度190℃で1時間 加熱し、キャリア粒子を得た。
【0060】
実施例1〜3、比較例1〜6
ポリエステル樹脂 80部
スチレンメチルアクリレート 20部
カーボンブラック(個数平均0.05μm) 5部
低分子量ポリプロピレン 5部
含金属アゾ化合物 1部
をヘンシェルミキサーにより十分予備混合を行い、2軸式押出し機で溶融混練し、冷却後ハンマーミルを用いて約1〜2mm程度に粗粉砕し、次いでエアージェット方式による微粉砕機で微粉砕した。さらに得られた微粉砕物を多分割分級装置で分級して本発明の粒度分布となるように2〜8μmを選択し、着色剤含有樹脂粒子を得た。
【0061】
この粒子に、外添剤としてR976(アエロジル製シリカ微粒子)0.5部とT805(アエロジル製チタニア微粒子)0.5部をヘンシェルミキサーで混合し、ブラックトナーとした。このブラックトナーは
重量平均粒径が 5.85μm
4μm以下が 17.8個数%
5.04μm以下が 45.2個数%
8μm以上が 5.4体積%
10.08μm以上が 0.5体積% であった。
上記ブラックトナー5部に対し、各キャリアA〜Iを加え、総量100部になるように混合して二成分現像剤とした。
【0062】
上記二成分現像剤を使用して、市販のリコー製複写機IMAGIO MF-4550改造機を用いて、22℃/60%温湿度環境下で試験した(現像条件 現像バイアス−600v)。その結果を表1に記す。
【0063】
比較例7
実施例1において、コート剤1 588部の代わりにBR−85(三菱レーヨン製)100部のトルエン溶液を使用すること以外は実施例1と同様にした。その結果を表1に記す。
【0064】
【表1】
※細線再現性、IDムラ及び地肌汚れの結果はランク評価である。ランクが高いほど程度が良く、低いほど使用上の問題となる。
【0065】
【発明の効果】
本発明は、鮮明でかつ階調性に優れ、現像器内での搬送性の良好な二成分現像剤であり、又、画像形成装置である。さらにデジタル画像信号による画像形成装置においても、解像性、階調性、細線再現性に優れたトナー画像を形成し得る二成分現像剤および画像形成装置である。
【図面の簡単な説明】
【図1】比較例に用いた芯材種の表面性を示す顕微鏡写真である。
Claims (3)
- 少なくとも着色剤含有樹脂粒子と外添剤を有するトナーとキャリアとを含有する二成分現像剤において、該キャリアについて、重量平均粒径が35〜55μmであり、22μmより小さいキャリア粒子が0〜15%であり、88μm以上のキャリア粒子が0〜5%であり、該キャリアは樹脂被覆キャリアであって、被覆樹脂の主成分が
官能基(ただし、Si(OR1 )基(R1 は、水素原子、低級アルキル基またはアシル基を表す)を除く)を有する有機化合物(A)、該有機化合物(A)が有する官能基と反応し得る官能基およびSi(OR1)基(R1 は前記と同じ意味)を有する化合物(B)および/またはその加水分解縮合物、
下記一般式(I)で示される有機ケイ素化合物(C)および/またはその加水分解縮合物、
Si(OR2 )4 …(I)
(式中、R2 は同一または異なっていてもよく、水素原子、低級アルキル基またはアシル基を表す)
から生成される樹脂であり、芯材の流動度がt1(秒/50g)、該キャリアの流動度がt2(秒/50g)であるとき、−1.2≦t 1 −t 2 ≦3.5であり、20≦t 2 ≦40であることを特徴とする二成分現像剤。 - 該キャリアの1000エルステッドの印加磁場に対する飽和磁化が70〜120emu/gであることを特徴とする請求項1記載の二成分現像剤。
- 請求項1または2記載の二成分現像剤を使用した画像形成装置。
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