JP4250793B2 - 圧電アクチュエータ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は圧電アクチュエータの改良に関し、詳細には、圧電素子に励起される振動を接触部材を介して被駆動体に伝達することにより、前記接触部材と被駆動体を相対的に移動させる構造の圧電アクチュエータにおいて、駆動力伝達部となる接触部の摩擦力を高めて駆動力伝達効率の向上を図り、更には該接触部の耐摩耗性を高めると共にマイクロクラックや剥離の発生を抑え、耐久性と信頼性の高められた圧電アクチュエータに関するもので、この発明は特にトラス型圧電アクチュエータに有効に適用される。
【0002】
【従来の技術】
代表的な圧電アクチュエータとして、例えば図1に示す様な構造のトラス型圧電アクチュエータが知られている。即ち図1において、1a,1bは圧電素子、Va,Vbは交流電源、2は接触部材(チップ)、3はベース部材、4は付勢部材、5は固定部、6は被駆動体を夫々示している。トラス状に配置された2本の圧電素子1a,1bの先端には接触部材(チップ)2が固定されており、その他端はベース部材3に固定され、該ベース部材3はスプリング等の付勢部材4を介して固定部5に固設されている。
【0003】
そして、図示する如く2本の圧電素子1a,1bを例えば角度90°で配設し、交流電源Va,Vbから各圧電素子1a,1bに位相差90°の交流電圧を印加すると、各圧電素子1a,1bの位相差を有する振動によって接触部材(チップ)2の先端は円運動(真円もしくは楕円運動)を起こす。従って、図示する如くベース部材3を付勢部材4を介して固定部5に固定し、接触部材2を被駆動体6に摩擦接触させた状態で圧電素子1a,1bに位相差を有する交流電圧を印加すると、被駆動体6は、上記接触部材2先端の円運動に伴って両者の接触摩擦力により図面の矢印方向への駆動力が生じる。
【0004】
なお図示例では、被駆動体6が円盤状であるものを示したが、該被駆動体6の形状・構造は勿論これに限定されるわけではなく、円盤状以外にも、円弧状、平板状等があるが、作動機構は本質的に変わらない。
【0005】
このとき被駆動体6を安定して駆動させるには、接触部材2と被駆動体6の間の摩擦力を高めると共に安定した摩擦力を持続させることが必要であり、安定した摩擦力を確保するには、接触部材2および被駆動体6の表面が優れた耐摩耗性を備えていなければならない。
【0006】
該接触部の耐摩耗性を高めることによる他の利点は、摩耗粉の発生が抑えられることで、摩耗粉の発生量低減により誤動作の恐れがなくなる他、摩耗粉が研磨剤として作用し摩耗が更に加速されるといった問題も回避できる。
【0007】
一方、接触部材2先端部で生じる前記円運動の回転数は高周波数(100〜200kHz程度)であり、接触部材2と被駆動体6は非常に短い周期で接触・非接触を繰り返すが、このとき接触部材2と被駆動体6間には繰返し衝撃力が加わる。
【0008】
従って、圧電アクチュエータの駆動力を継続的に安定して発揮させるには、接触部を構成する接触部材2と被駆動体6の摩擦力と耐摩耗性を高めることが極めて重要となる。
【0009】
またこうした接触部に求められる耐摩耗性は、図示した様なトラス型圧電アクチュエータに限らず、要は圧電素子の伸縮振動を駆動源としてこれを被駆動体に伝達する全てのタイプの圧電アクチュエータに共通する重要な要求特性となる。
【0010】
そして上記接触部の耐摩耗性を高める方法としては、接触部材および被駆動体の表面硬度を高める方法が有効であり、表面硬度を高める具体的手段としては表面硬化処理法が挙げられる。そして、接触部材や被駆動体として比較的硬度の低い鉄基金属母材を使用する場合は、母材表面に高硬度セラミック質よりなる数〜十数μmの薄膜を形成する方法が例示される。
【0011】
ところが、硬度の低い鉄基金属母材等の表面に高硬度の耐摩耗性薄膜を形成したものでは、母材と表面硬化層が言わば最中状(内部が軟質で、その周りを薄肉の硬質皮膜で被包した状態)の構造となっている。そして本発明者らが種々研究を行なったところでは、この様な構造の部材表面に前述の如き繰返し衝撃力が加わると、表面硬化層がマイクロクラックや剥離を起こし易く、一旦マイクロクラックや剥離が起こると接触部の摩耗が急速に進行し、安定した駆動伝達力が得られなくなる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記の様な従来技術の問題点に着目してなされたものであって、その目的は、圧電素子に励起される振動を接触部材を介して被駆動体に伝達することにより、接触部材と被駆動体を相対的に移動させるタイプの圧電アクチュエータを対象とし、駆動力伝達部となる前記接触部の摩擦力を高めて駆動力伝達効率の一層の向上を図ると共に、接触部の耐摩耗性を高めてマイクロクラックや剥離の発生を抑制し、圧電アクチュエータの耐久性と信頼性を一段と高めることのできる技術を確立することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決することのできた本発明の圧電アクチュエータとは、圧電素子の先端に設けられた接触部材を被駆動体に接触させ、前記圧電素子に励起される振動もしくは回転力を接触部材を介して被駆動体に伝達することにより、前記接触部材と被駆動体を相対的に移動させる圧電アクチュエータにおいて、前記接触部材及び/又は被駆動体の接触面(表面)が、クッション性を有する複合層によって構成され、前記接触部材および被駆動体は、鉄基金属母材で構成され、前記複合層は、該鉄基金属に炭素、酸素、硫黄、窒素、硼素、タングステン、バナジウム、チタン、ニオブおよびクロムよりなる群から選択される少なくとも1種の元素を含む多層構造または硬度傾斜構造の硬質層によって構成したところに要旨がある。
【0014】
上記課題を解決することのできた本発明の圧電アクチュエータとは、圧電素子の先端に設けられた接触部材を被駆動体に接触させ、前記圧電素子に励起される振動もしくは回転力を接触部材を介して被駆動体に伝達することにより、前記接触部材と被駆動体を相対的に移動させる圧電アクチュエータにおいて、前記接触部材及び/又は被駆動体の接触面が、クッション性を有する複合層によって構成され、前記複合層は、鉄基金属母材の表面に形成されたクロム炭化物含有層と、その上に形成されたバナジウム炭化物含有層によって構成されていることに要旨がある。そして、推奨される、より具体的な例としては、前記クロム炭化物含有層は、鉄基金属母材表面をクロマイジング処理または塩浴処理することによって容易に形成でき、また前記バナジウム炭化物含有層は、上記クロム炭化物含有層の表面を塩浴処理することによって容易に形成できる
【0015】
上記課題を解決することのできた本発明の圧電アクチュエータとは、圧電素子の先端に設けられた接触部材を被駆動体に接触させ、前記圧電素子に励起される振動もしくは回転力を接触部材を介して被駆動体に伝達することにより、前記接触部材と被駆動体を相対的に移動させる圧電アクチュエータにおいて、前記接触部材及び/又は被駆動体の接触面が、クッション性を有する複合層によって構成され、前記複合層は、鉄基金属母材の表面に形成されたTiCN含有層からなり、該TiCN含有層は、母材側からTiCリッチ層,TiCNリッチ層,TiNリッチ層によって構成されていることに要旨がある。そして、推奨される、より具体的な例としては、前記TiCN含有層は、母材側からTiCリッチ層、TiCNリッチ層、TiNリッチ層によって構成したもの等があり、このタイプの複合層は、各層構成素材をCVD法などによって順次形成することによって容易に形成できる
【0016】
【発明の実施の形態および実施例】
上記の様に本発明では、圧電アクチュエータにおける駆動力伝達部を構成する接触部材と被駆動体の接触部、言換えると接触部材と被駆動体が接触する表層部の構造を工夫し、少なくとも一方の表層部を多層構造とすると共にクッション性を与えたところに特徴を有しており、こうした工夫によって、アクチュエータ稼動時に最表層部にかかる衝撃力を吸収緩和し、最表層部の衝撃破壊(マイクロクラックや剥離など)を大幅に抑制することに成功したものである。
【0017】
従って本発明に係る圧電アクチュエータの全体構造は、従来技術として示した図1等と本質的に異なるものではなく、また図1に示した様なトラス型以外の公知の圧電アクチュエータについても本発明の上記技術思想は有効に活かされる。
【0018】
ところで、従来の圧電アクチュエータにおける接触部材と被駆動体の表面は、前述した如く耐摩耗性向上の目的の下で、図2の概念図に示す如く母材Bの表面にセラミックス等からなる厚さ数〜数十μm程度の表面硬化層Hを形成して最中状構造としたものであり、こうした構造のものでは、母材Bが表面硬化層Hに比べて硬度不足であるため、稼動時にうける繰返し衝撃力によって表面硬化層Hが短期間の使用でマイクロクラックや剥離を起こし、また該剥離などによって生成する摩耗紛が研磨粉として作用し摩耗が更に加速されることもあって、高レベルの摩擦力(延いては駆動伝達力)が長期的に維持できなくなる。
【0019】
これに対し本発明では、例えば図3に示す如く、接触面を構成する表面硬化層Hと母材Bとの間に中間層Mを設けた複合層とし、該中間層Mのクッション作用によって表面硬化層Hの衝撃力を吸収し、表面硬化層Hへのマイクロクラックや剥離の発生を抑制する。
【0020】
こうした中間層のクッション作用を有効に発揮させるには、中間層Mの構成素材として、母材Bと表面硬化層Hと間の硬度を有し、衝撃力を最表層側から順次吸収緩和できる素材を選択すべきであり、またより好ましくは、母材Bと表面硬化層Hの双方に対して優れた密着性を有し、且つ母材Bよりも高靭性の素材を選択することが望ましい。この様な構成の複合層としては、鉄基金属母材B表面に中間層Mとしてクロム炭化物含有層を形成し、その表面に表面硬化層Hとしてバナジウム炭化物含有層を形成した複合相が例示される。
【0021】
次に図4は、中間層MをM1,M2の2層構造とし、これらを全体として複合構造のクッション層とすることにより衝撃力を吸収緩和する例を示している。この様に中間層Mを2層(或いは3層以上)形成して衝撃吸収効果を一層高めることは、より好ましい実施形態として推奨される。
【0022】
更に図4では、中間層Mを多層構造とし段階的に硬度差を設けた例を示したが、該中間層Mを単層構造とし、該中間層M内で表層側へいくにつれて順次硬質となる様な硬度傾斜を設けることによっても、衝撃吸収緩和効果は有効に発揮される。
【0023】
この様な中間層Mの好適素材は、母材Bや表面硬化層Hの素材によって変わってくるので一律に決めることができないが、接触部材や被駆動体として最も一般的な鉄基金属母材を使用する場合は、鉄基金属母材の表面に、炭素、酸素、硫黄、窒素、硼素、タングステン、バナジウム、チタン、ニオブ、クロム等の硬化性元素をイオン注入法等によって拡散侵入させ、また、侵入させる元素の種類や侵入量を変え、最表層側の硬さが最大となる様な硬度勾配を与える方法が好ましく採用されるが、それ以外にも、鉄基母材表面にCVD法やPVD法、スパッタリング法等を採用して順次硬質素材を付着させ、表面方向に硬度勾配を形成することも勿論可能である。
【0024】
鉄基金属母材からなる接触部材または被駆動体を改質する際の好ましい衝撃吸収緩和構造とその形成法を更に具体的に説明すると、次の通りである。
【0025】
その一つは、炭素鋼からなる母材Bの表面に中間層MとしてCrC(クロム炭化物)含有層を形成し、その上に表面硬化層HとしてVC(バナジウム炭化物)含有層を形成したもの(図3の具体例)である。Cr−C含有層は炭素鋼よりも硬度が高いがVC含有層よりも硬度が低いので、CrC含有層は最表層の表面硬化層Hを構成するVC含有層に対しクッションク材として作用し、高硬度のVC含有層にマイクロクラックや剥離が発生するのを抑える。即ちVC含有層は元々硬度が高くて耐摩耗性に優れているので、中間層Mとして存在するCrC含有層のクッション作用による衝撃吸収作用と相俟って、全体としての耐摩耗性が著しく高められるのである。
【0026】
しかもCrは、VよりもFe内へ拡散侵入し易くて鉄基金属母材内への拡散度合いが大きく、そのためCrC含有層の母材に対する密着性も良好であるので、該CrC含有層を中間層Mとして形成することによって、VC含有層よりなる表面硬化層Hの剥離強度も高められ、これらが相俟って、表面硬化層H形成材(接触部材及び/ 又は被駆動体)の耐摩耗性は飛躍的に高められることになる。更に接触摩擦面を構成する最表面部の硬質VC含有層は、それよりもやや高度の低いCrC含有層(中間層M)で支持されることによって摩擦係数もむしろ高められる傾向があり、摩擦による駆動伝達効率も高められる。
【0027】
上記CrC含有層とVC含有層よりなる複合層形成法は特に制限されないが、好ましい方法を例示すると次の通りである。
【0028】
母材としては、炭素含有量が0.8重量%以上の鉄基金属(通常はSKD11等に代表される炭素鋼)を用い、その表面に、まずクロマイジング処理もしくは塩溶処理(TD処理)を施して母材表面にCrC含有層を形成した後、更に塩浴処理(TD処理)を施してCrC含有層上にVC含有層を形成する。この時の処理条件は、一般的なクロマイジング処理および塩裕処理条件をそのまま若しくは適当に変更を加えて適用すれば良い。複合層の総厚は、適度の摩擦係数を維持しつつ十分な耐摩耗性を確保する意味から約5μm〜十数μmの範囲が適当であり、過度に厚くすることは経済的に無駄であるばかりでなく、却って摩擦係数を下げて動力伝達効率を低下する恐れも生じてくる。
【0029】
他の好ましい複合層は、前記図4として示した様な3層積層構造に属するもので、炭素鋼等からなる鉄基合金母材の表面に、該母材に対して比較的密着性の良好なTiC含有層を中間層M1として形成し、その表面にTiCN含有層、更にその上に最表面の硬化層を構成する硬質のTiN含有層を形成した3層構造の複合層としている。
【0030】
この複合層中に含まれるにおけるTiCとTiNを比較すると、硬度はTiCの方が大きく靭性はTiNの方が優れている。またTiNは母材(炭素鋼)よりもかなり硬度が高く、優れた耐摩耗性を有しているが、母材の炭素鋼(SKDllなど)との密着性はTiCよりも劣っている。従って、母材との密着性が良好で且つ高硬度のTiC含有層を母材表面に形成し、該TiC含有層の上に、TiC含有層とTiN含有層の双方に優れた密着性を示すTiCN含有層を形成してから、最表層部に高硬度で且つ高靭性のTiN含有層を形成している。この様な積層構造の複合層は、全体としての厚さで通常5〜15μm程度、より一般的には10μm程度が適当であり、この様な厚さの複合層は、全体としての硬度はTiC単独含有層に匹敵しTiN単独含有層よりも高硬度を示す。つまり、全体として非常に高い硬度を維持しながら高靭性を示す複合層となり、高レベルの摩擦係数と耐摩耗性を維持しつつ、圧電アクチュエータを駆動する際に繰返し受ける衝撃によるマイクロクラックや剥離の発生も可及的に抑え、ひいては高レベルの駆動伝達力を安定的に維持し得るものとなる。
【0031】
この様な3層構造の複合層は、例えば炭素鋼表面にCVD法等によりTiC含有層、TiCN含有層およびTiN含有層を順次形成する方法によって容易に得ることができるが、形成法自体は他の方法を採用しても構わない。またCVD法を採用すれば、上記3層構造の表面硬化皮膜を形成し得る他、必要によりC,N濃度を連続的に変化させた硬度傾斜構造のTiCN含有層よりなる複合層を形成することも容易である。
【0032】
なお本明細書では、鉄基金属母材の表面に耐摩耗性の改善された複合層を形成する場合を主体にして説明したが、接触部材や被駆動体の構成素材は勿論鉄基金属母材に特定されるわけではなく、用途により鉄基金属以外にもアルミニウム系合金の如き非鉄金属等を母材として選択することも可能であり、それに伴って複合膜を構成する中間層や表面硬化層の好適構成素材は変わってくるが、要は母材表面に硬質の耐摩耗性皮膜を形成する際に、該全体として母材との密着性に優れたクッション作用を示す複合構造の耐摩耗性皮膜を形成したものであれば、全て本発明の技術的範囲に包含される。
【0033】
【発明の効果】
本発明は以上の様に構成されており、次の様な効果を得ることができる。
【0034】
▲1▼表面硬化層のクッション性を高めることで安定した摩擦力を得ることができ、アクチュエータの制御性が高まると共に寿命も延長される。
【0035】
▲2▼クッション性を有する複合膜とすることで衝撃力を吸収緩和することができ、表面硬化層のマイクロクラックや剥離が抑えられて摩耗粉の発生が減少し、誤動作の恐れがなくなり、耐久性と信頼性の高い圧電アクチュエータを提供できる。
【0036】
▲3▼表層は優れた耐摩耗性を有しているので潤滑油を用いる必要がなく、大きな摩擦力を得ることができる。よって、大きなアクチュエータ駆動力を得ることができる。
【0037】
▲4▼複合膜は、塩浴処理(クロム炭化物、バナジウム炭化物)、VC(バナジウム炭化物)、クロマイジング処理(クロム炭化物)、CVD処理(TiCNなど)等の安価な処理で形成できるため、コスト面の負担も少ない。
【図面の簡単な説明】
【図1】トラス型圧電アクチュエータの構造を例示する説明図である。
【図2】接触部材や被駆動体に適用される従来の表面構造を例示する断面概念図である。
【図3】本発明に係る圧電アクチュエータに適用される接触部材または被駆動体の表面構造を例示する断面概念図である。
【図4】本発明に係る他の圧電アクチュエータに適用される接触部材または被駆動体の表面構造を例示する断面概念図である。
【符号の説明】
1a,1b 圧電素子
2 接触部材(チップ)
3 ベース部材
4 付勢部材(ばね)
5 固定部
6 被駆動体

Claims (5)

  1. 圧電素子の先端に設けられた接触部材を被駆動体に接触させ、前記圧電素子に励起される振動もしくは回転力を接触部材を介して被駆動体に伝達することにより、前記接触部材と被駆動体を相対的に移動させる圧電アクチュエータにおいて、前記接触部材及び/又は被駆動体の接触面が、クッション性を有する複合層によって構成され、前記接触部材および被駆動体は、鉄基金属母材で構成され、前記複合層は、該鉄基金属に炭素、酸素、硫黄、窒素、硼素、タングステン、バナジウム、チタン、ニオブおよびクロムよりなる群から選択される少なくとも1種の元素を含む多層構造または硬度傾斜構造の硬質層によって構成されていることを特徴とする圧電アクチュエータ。
  2. 圧電素子の先端に設けられた接触部材を被駆動体に接触させ、前記圧電素子に励起される振動もしくは回転力を接触部材を介して被駆動体に伝達することにより、前記接触部材と被駆動体を相対的に移動させる圧電アクチュエータにおいて、前記接触部材及び/又は被駆動体の接触面が、クッション性を有する複合層によって構成され、前記複合層は、鉄基金属母材の表面に形成されたクロム炭化物含有層と、その上に形成されたバナジウム炭化物含有層によって構成されていることを特徴とする圧電アクチュエータ。
  3. 前記クロム炭化物含有層は、鉄基金属母材表面をクロマイジング処理または塩浴処理することによって形成され、前記バナジウム炭化物含有層は、上記クロム炭化物含有層の表面を塩浴処理することによって形成されたものである請求項に記載の圧電アクチュエータ。
  4. 圧電素子の先端に設けられた接触部材を被駆動体に接触させ、前記圧電素子に励起される振動もしくは回転力を接触部材を介して被駆動体に伝達することにより、前記接触部材と被駆動体を相対的に移動させる圧電アクチュエータにおいて、前記接触部材及び/又は被駆動体の接触面が、クッション性を有する複合層によって構成され、前記複合層は、鉄基金属母材の表面に形成されたTiCN含有層からなり、該TiCN含有層は、母材側からTiCリッチ層,TiCNリッチ層,TiNリッチ層によって構成されていることを特徴とする圧電アクチュエータ。
  5. 前記TiCN含有層は、鉄基金属母材表面にCVD法によってTiCリッチ層,TiCNリッチ層,TiNリッチ層を順次形成したものである請求項に記載の圧電アクチュエータ。
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