以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではなく、また実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る画像出力処理装置及びトレーニング装置の処理系の構成を示すブロック図である。本実施形態では、トレーニング装置の一例としてのバイクマシンについて説明する。
トレーニング装置10は、運動者の運動状態を検出するためのセンサー部21と、画像(映像)の表示及び音声の出力を行うための表示・音声出力部16と、種々の設定を行うための設定・操作部22と、運動に対して負荷を与える負荷部13と、ICカードリーダ・ライタ25と、外部とのデータの送受信を行う通信装置26と、種々のプログラムやデータを格納する記憶部24、上記各部を制御するとともに種々のデータ処理を行うデータ制御部(中央処理部)27及びCD−ROMドライブ52を有する画像出力処理装置41とを備える。
ここで、運動者の運動状態とは、運動を行っている運動者についての状態のことをいう。
画像出力処理装置41としては、汎用のパーソナルコンピュータ(PC)や、ドリームキャスト(商標)等のゲーム用機械等を用いることもできる。
CD−ROMドライブ52は、記録媒体の一例としてのCD−ROM51からデータ又はプログラムを読み取ってデータ制御部27に供給する。ここで、記録媒体には、CD−ROM51及びDVD等の光記録媒体、MO等の光磁気記録媒体、フロッピー(登録商標)ディスク等の磁気記録媒体、ICカード等の半導体記録媒体、その他のプログラムを格納することのできる全ての媒体が含まれる。
センサー部21は、運動者の身体情報の一例としての心拍数(脈拍数)を検出して電気信号に変換する心拍数センサー21Aと、運動者の体脂肪を計測する体脂肪センサー21Bと、運動者による運動量を計測するための情報として、負荷部13の回転軸の回転速度に比例する電気信号を取り出す回転数センサー21Cと、各センサー21A、21B、21Cで検出された電気信号をアナログ信号からコンピュータに取り込みできるデジタル信号に変換するセンサー信号入力処理部21Dとを有している。ここで、身体情報とは、運動者の身体を測定して得られ、運動者が運動することにより変化する情報のことをいい、上記した心拍数の他に、例えば、心電図波形から得られる情報や、運動者の筋電位等の情報がある。
設定・操作部22は、操作部20と、設定部23とを有している。操作部20は、主に、運動者が運動に関する種々の設定を入力するための構成部であり、複数のボタン、例えば、画面のカーソルを左右上下に移動させるカーソルキーや、スタート、ストップ、切換え、又は、キャンセル等の操作を指示を入力するためのボタン等を備えている。本実施形態においては、操作部20により運動者が複数の運動モードから所望の運動モードを選択して設定するようになっている。運動モードとしては、心肺機能向上モードと、初心者又は脂肪燃焼モードと、マニュアルモードとがある。
心肺機能向上モードは、最大心拍数の60%から85%ほどの心拍数を保って所定の時間運動すると心肺系機能が強化されるという運動理論を考慮した運動モードである。すなわち、最大心拍数の60%から85%ほどの心拍数を保って所定の時間運動するための運動モードである。操作部20により心肺機能向上モードが選択されると、記憶部24に記憶された心肺機能向上モードにおける、所定の運動時間、負荷のレベル、運動における心拍数の基準範囲(例えば、上限値及び下限値)等が設定値として設定されることとなる。
初心者又は脂肪燃焼モードは、最大脈拍数の50%から65%ほどの心拍数を保って10分以上運動すると効率よく体の脂肪を燃焼することができるという運動理論を考慮した運動モードである。すなわち、最大脈拍数の50%から65%ほどの心拍数を保って所定の時間(10分以上)の運動をするための運動モードである。操作部20により初心者又は脂肪燃焼モードが選択されると、記憶部24に記憶された、初心者又は脂肪燃焼モードにおける、所定の運動時間、負荷のレベル、運動における心拍数の基準範囲(例えば、上限値及び下限値)等が設定値として設定されることとなる。
マニュアルモードは、運動時間、運動における負荷、基準範囲等を自由に設定できる運動モードである。マニュアルモードでは、操作部20により運動中にも設定を自由に変更することができる。操作部20によりマニュアルモードが選択されると、操作部20により入力された値が設定値として設定される。マニュアルモードでは、運動の負荷レベルについて、操作部20により負荷のレベルをそのまま入力して設定することもでき、また、操作部20により仕事量であるワット値、あるいは、体重を考慮した仕事量であるメッツ値等の入力することにより、それぞれの入力値に対応する運動の負荷レベルや総運動時間等を設定することもできる。また、操作部20により運動で消費したいカロリー量を入力することにより、カロリー量に対応する運動時間、運動の負荷、回転数等を設定値として設定することもできる。入力値に対応する運動の負荷や、カロリー量に対応する運動時間、運動の負荷、回転数等は、入力値或いはカロリーと対応付けられて記憶装置24に記憶されている。
以上のモードの他に、例えば、表示される映像の種類(本実施形態では、釣れる魚の種類)や、負荷の変動パターン等をデータ制御部27がランダム(無作為)に設定するランダムモード(ゲームモード)を選択できるようにしてもよい。なお、上記各モードにおいて、記憶部24に記憶されている設定値が設定される場合には、年齢、性別などを基準に得られた一般的な値が設定されることになるが、本実施形態では、上限値、下限値等の設定値を運動者自身が設定部20により変更して設定することができるようになっており、運動者の個人差に対応することができる。
設定部23は、主に、トレーニング装置の管理者が種々の設定を行うための構成であり、運動するために必要な種々の条件や、当該トレーニング装置のメンテナンスにおける指示入力を行うための構成である。設定部23としては、キーボード、タッチパネル或いはマウス等の入力装置を使用することができる。
表示・音声出力部16は、データ制御部27から入力される映像データに基いた映像を表示する表示装置17と、データ制御部27から入力される音声データに基いた運動者へのメッセージ、警報(アラーム)等を出力するスピーカ18とを有する。
記憶部24は、データ制御部27による処理に使用するプログラムやデータ等を格納するROM24Aと、データ制御部27による処理に使用される一時的なデータや出力データ等を格納するRAM24Bとを有している。記憶部24が記憶するデータには、例えば、運動モードに対応する設定の情報、データベース処理部27Eにより管理される情報、表示・音声出力部16により表示される複数の映像データ、表示・音声出力部16により出力されるメッセージ或いは警告等の音声データ等がある。プログラム等は、CD−ROM51等の記録媒体から、或いは通信装置26を介して外部から伝送されるプログラム等と入れ替えることができる。記憶部24のデータは、フロッピー(登録商標)ディスク等の記録媒体に取り出すことができる。
負荷部13は、後述するペダル12Aをこぐ運動により回転する部位の回転に対して所定の負荷(トルク)を発生する負荷装置13Aと、データ制御部27から出力される負荷データに基づいて負荷装置13により発生させる負荷を制御する負荷出力処理部13Bとを有する。負荷装置13Aは、例えば、与える電流によって回転トルクを変えることのできるパウダ・クラッチ、渦電流を利用して回転トルクを変えることのできる渦電流制動機、発電機、サーボモータ、回転する部位(ドラム)とドラムに接するベルトとの摩擦力を利用して回転トルクを変えることのできる任意の機構、或いは、磁石を有し、当該磁石と前記回転部位との間の距離を変えることにより、前記回転部位へ与える回転トルクを変えることのできる機構等を使用することができる。本実施形態では、負荷出力処理部13Bは、データ制御部27から入力される負荷データをアナログ信号に変換して負荷装置13Aに出力することにより、発生させる負荷を制御する。
データ制御部27は、コンピュータの中央処理部(CPU)に相当する部分であり、表示・音声出力処理部27Aと、センサー信号検出処理部27Bと、負荷処理部27Cと、計時処理部27Dと、データベース処理部27Eとを有する。
表示・音声出力処理部27Aは、表示装置17へ映像データを出力する表示出力処理と、スピーカ18へ音声データを出力する音声出力処理とを行う。
表示・音声出力処理部27Aによる表示出力処理においては、運動に関する種々の設定を行うための映像の映像データを表示・音声出力部16に出力する処理、運動中における映像の映像データを表示・音声出力部16に出力する処理、運動終了後における運動の結果(評価)を示す映像の映像データを表示・音声出力部16に出力する処理等が行われる。
運動中における映像の映像データを表示・音声出力部16に出力する処理を具体的に説明する。本実施形態では、運動中における映像として、運動者の運動により変化する表示状態に対応する映像を出力するようにしており、運動者の運動をトローリングにおける動作に対応付け、運動者の表示状態に対応する映像として、当該表示状態に対応するトローリングにおける映像を出力する。なお、上記のトローリングに関する映像に関しては、魚を立体的にしておくことが好ましく、また、魚がリアルにジャンプ等するようにすることが好ましい。
表示・音声出力処理部27Aは、運動者による運動が開始された直後等といった運動者の表示状態(表示ステータス)を初期の表示状態である第1表示状態として管理している場合において、センサー信号検出処理部27Bから心拍数が設定された基準範囲内に属するとの検出結果が入力されると、計時処理部27Dにより当該時点から所定の時間を計測させ、当該時間内においてセンサー信号検出処理部27Bから心拍数が基準範囲内に属するとの検出結果が引き続き得られるか否かを検出する。この結果、心拍数が基準範囲内に属するとの検出結果が引き続き得られた場合には、表示・音声出力処理部27Aは、運動者が適切な運動状態(適状態)になったと判断して、運動者の表示状態を、第1表示状態の次の表示状態であり、且つ適状態を意味する第2表示状態に遷移させ、当該第2表示状態になったことを示す映像データを記憶部24から取り出して表示・音声出力部16に出力する。本実施形態では、第2表示状態に対応する映像データとして、魚が掛かった映像の映像データを用いている。
また、表示・音声出力処理部27Aは、運動者の表示状態を第2表示状態として管理している場合に、センサー信号検出処理部27Bから心拍数が設定された基準範囲から外れているとの検出結果が入力されると、計時処理部27Dにより当該時点から所定の時間を計測させ、当該時間内においてセンサー信号検出処理部27Bから心拍数が基準範囲内に属するとの検出結果が得られるか否かを検出する。この結果、心拍数が基準範囲内に属するとの検出結果が得られなかった場合には、表示・音声出力処理部27Aは、運動者の運動状態が、運動者に危険である運動状態、或いは適切な運動効果を得られない運動状態等といった運動者に不適切な運動状態(不適状態)であると判断して、運動者の表示状態を第2表示状態の次の表示状態であり、且つ不適状態を意味する第3表示状態又は第4表示状態に遷移させ、当該第3表示状態又は第4表示状態に対応する映像データを記憶部24から取り出して表示・音声出力部16に出力する。本実施形態では、表示・音声出力処理部27Aは心拍数が基準範囲以下である不適状態を判断した場合には運動者の表示状態を第3表示状態に遷移させ、心拍数が基準範囲以上である不適状態を判断した場合には、運動者の表示状態を第4表示状態に遷移させる。また、本実施の形態では、第3表示状態に対応する映像データとして、魚が針から外れて逃げた映像の映像データを用い、また、第4表示状態に対応する映像データとして、糸がきれて魚が逃げた映像の映像データを用いている。
また、表示・音声出力処理部27Aは、運動者の状態を第2表示状態として管理している場合には、第2表示状態に対応付けられている映像であり、且つセンサー信号検出処理部27Bから入力される第2表示状態になってからの総回転数に基づいた映像を記憶部24から取り出して表示・音声出力部16に出力する。本実施形態では、第2表示状態になってからの総回転数が多いほど、魚と接近していることを示す映像の映像データが出力される。そして、第2表示状態になってからの総回転数が所定の回転数に達したときには、表示・音声出力処理部27Aは運動者の表示状態を第2表示状態の次である第5表示状態に遷移させ、当該第5表示状態に対応する魚を釣り上げた際の映像の映像データを表示・音声出力部16に出力する。
なお、各状態の順序を示すシーケンスは記憶部24に記憶されている。本実施形態のシーケンスでは、上述のように第1表示状態の次は第2表示状態となっており、第2表示状態の次は第3表示状態、第4表示状態、及び第5表示状態となっている。
また、表示・音声出力処理部27Aは、負荷装置13Aによる負荷が変動している際において、センサー信号検出処理部27bにより検出された心拍数の変化が所定の最小の変化許容値より少ないことを検出した場合に、警告を表す画像、音声等を表示・音声出力部16に出力させる。また、表示・音声出力処理部27Aは、負荷装置13Aによる負荷が変動している際において、センサー信号検出処理部27bにより検出された心拍数の変化が所定の最大の変化許容値より大きいことを検出した場合に、警告を表す画像、音声等を表示・音声出力部16に出力させる。
また、表示・音声出力処理部27Aは、運動者の運動中における運動を評価するための情報を収集し、データベース処理部27Eに管理させる。本実施形態では、表示・音声出力処理部27Aは、評価するための情報(評価値)として、運動中において適状態である第2表示状態になってからの総回転数が所定の回転数に達して第5表示状態になった回数、すなわち、トローリングにおいて魚を釣り上げた回数や、運動中において適状態である第2表示状態から不適状態である第3表示状態又は第4表示状態になった回数、すなわち、トローリングにおいて魚を逃がした回数や、運動における消費カロリー、運動のワット数等を収集する。また、表示・音声出力処理部27Aは、運動者の運動中における運動量(例えば、回転数×負荷)に対応する画像等を表示装置17に表示させる。本実施形態では、表示・音声出力処理部27Aは、トローリングにおいて使用する竿を運動量と負荷の強さとに応じてしならせて表示させる。
また、表示・音声出力処理部27Aは、上記した映像データとともに、例えば、設定された基準範囲と現在の心拍数とを示す映像、適状態である第2表示状態になってからの総回転数を示す映像、運動者への注意や解説等の映像、注意や解説を行う所定のキャラクタ(登場人物)の映像等の映像データを表示・音声出力部16に出力する。また、表示・音声出力処理部27Aは、運動において評価が一定以上、例えば、魚を釣り上げた回数が一定以上の場合には、グラフィックや出現パターンが異なる映像データを表示・音声出力部16に出力するとともに、特別に行うことのできるボーナスステージに関する映像データを出力する。また特別なグラフィックを表示する映像や、得点を与える映像等の映像データを出力する。
表示・音声出力処理部27Aは、ゲームの映像と映像の間では、運動者に対する教育として、目標の心拍数、運動モード毎の運動の仕方等の運動理論を簡潔に分かりやすく説明する映像の映像データを表示・音声出力部16に出力する。なお、表示・音声出力処理部27Aを、上記教育と同時に、本トレーニング装置を設置しているフィットネスクラブの宣伝やスポーツ用品メーカ等からの広告の映像データを運動の開始時、運動中、又は、運動の終了時等に表示・音声出力部16に出力するようにしてもよい。
運動終了後には、表示・音声出力処理部27Aは、運動の評価の情報、運動者の評価のランキング、きれいな海の景色等の映像の映像データを出力すると共に、ゆっくり運動すること、言い換えれば、クールダウンを行わせることを示唆するメッセージの映像データを出力する。また、表示・音声出力処理部27Aは、達成感を味わうことができるとともに次回の利用を促す映像の映像データを出力する。
表示・音声出力処理部27Aによる音声出力処理においては、例えば、センサー信号検出処理部27Bによりセンサー部21から入力された心拍数が基準範囲の上限を超えたことが検出された場合、或いは負荷装置13Aに何らかの異常が発生したことを検出した場合に、対応するアラーム音の音声データを記憶部24から取り出してスピーカ18に出力する。
センサー信号検出処理部27Bは、センサー信号入力処理部21Dから入力
される信号から種々の値を取り出す。また、センサー信号検出処理部27Bは、取り出した値と設定・操作部22により設定される設定値とを比較する。
本実施形態では、センサー信号検出処理部27Bは、センサー信号入力処理部21Dから入力される心拍数のデータを過去数秒間の心拍数のデータと比較してノイズの除去等を行い、これにより得られた心拍数のデータが示す心拍数と、設定・操作部22により設定された基準範囲とを比較し、比較結果を表示・音声出力処理部27Aへ出力する。また、センサー信号検出処理部27Bは、センサー信号入力処理部21Dから入力される信号から体脂肪値を取り出し、表示・音声出力処理部27Aへ出力する。また、センサー信号検出処理部27Bは、センサー信号入力処理部21Dから入力される回転数と、所定の回転数とを比較し、比較結果を表示・音声出力処理部27Aへ出力する。
負荷処理部27Cは、負荷部13により発生させる負荷を示す負荷データを負荷部13に出力する処理を行う。本実施形態では、負荷処理部27Cは、設定・操作部22により設定された負荷レベルに対応する基準データ(負荷基準データ)を記憶部24から取得し、当該負荷基準データと、センサー信号検出処理部27Bで検出された心拍数の時間変化に基づいて負荷部13により発生させる負荷を示す負荷データを負荷部13に出力する。
図2は、本発明の第1の実施形態に係るトレーニング装置の負荷処理部27Cにより出力される負荷データを説明する図である。負荷処理部27Cは、図2(A)の左図に示すように、センサー信号検出処理部27Bで検出された心拍数の時間変化率(ΔHR/ΔT)が大きい場合には、運動者の体力レベルが低いと判断して図2(A)の右図に示すように負荷部13の負荷の振幅(同図中A1)が小さくなる負荷データを出力する一方、図2(B)の左図に示すように、センサー信号検出処理部27Bで検出された心拍数の時間変化率(ΔHR/ΔT)が小さい場合には、運動者の体力レベルが高いと判断して図2(B)の右図に示すように負荷部13の負荷の振幅(同図中A2)が大きくなる負荷データを出力する。これにより、運動者に無理のない適切な負荷を与えることができる。
図3は、本発明の第1の実施形態に係るトレーニング装置の負荷処理部27Cにより出力される負荷データを説明する他の図である。負荷処理部27Cは、図3(A)に示すように、負荷基準データが高い(B1)場合には、負荷部13の負荷の振幅の変化が大きくなり、且つ時間あたりの変動を大きくする負荷データを出力する一方、図3(B)に示すように負荷基準データが低い(B2)場合には、負荷部13の負荷の振幅の変化が小さくなり、且つ時間あたりの変動を小さくする負荷データを出力する。
図4は、本発明の第1の実施形態に係るトレーニング装置の負荷処理部27Cにより出力される負荷データの負荷パターンを説明する図である。図4は、高い負荷をベースとする負荷パターン(高負荷パターン)と、低い負荷をベースとする負荷パターン(低負荷パターン)とを示している。各負荷パターンは初期の時点から徐々に負荷値が増加し、ベースとなる負荷値に達した後に、負荷値がベースとなる負荷値近傍で変動するようになっている。本実施形態では、高負荷パターンと低負荷パターンとは同じ波形で推移するようになっている。
計時処理部27Dは、所定の時点からの時間を計時し、計時した時間が所定の基準の時間を超えたか否か(に達したか否か)、すなわち、タイムアップを判断する。計時処理部27Dは、例えば、運動開始時点からの運動時間を計時し、設定された予定の運動定時間を超えたか否かを判断する。
データベース処理部27Eは、記憶部24やICカード等を使って、運動者に与えられる識別番号(ID)と、当該運動者についての過去から現在に至る運動内容のデータとを対応付けて管理する。ここで、運動内容とは、運動者が行った運動についての内容をいい、運動者の運動内容のデータには、例えば、適状態である第2表示状態の時間、適状態である第2表示状態における運動量、運動中の心拍数の変化、総運動量等に基づいた情報等がある。また、データベース処理部27Eは、管理している情報に基づいて、種々の統計処理を行う。例えば、データベース処理部27Eは、同一の運動者の異なる時点の運動内容を比較表示するための映像の映像データや、異なる運動者の運動内容を比較表示するための映像、例えばランキング等の映像データを作成して表示・音声出力処理部27Aに出力する。なお、データベース処理部27Eの管理するデータを統計処理することで、商品開発や客層のマーケッテイングに利用することが可能である。
図5は、データ制御部27の上記各部27A〜27Eを実現する画像出力プログラムの構成の一例を示すブロック図である。画像出力プログラムは、CD−ROM51等の記録媒体から記憶部24のRAM24B等に読み出されてデータ制御部27により実行される。画像出力プログラムは、入力プログラム61と、シーケンス記憶プログラム62と、基準範囲記憶プログラム63と、状態検出プログラム64と、遷移検出プログラム65と、複数種類の画像66と、計時プログラム67と、出力プログラム68と、データベースプログラム69と、負荷プログラム70とを有する。
入力プログラム61は、センサー信号入力処理部21eからの信号、例えば、心拍数の信号を取得する。シーケンス記憶プログラム62は、表示状態のシーケンスを記憶する。複数種類の画像66は、運動状態及び表示状態に対応する画像である。
基準範囲記憶プログラム63は、主に、基準範囲を記憶する或いは設定・操作部22による運動者からの基準範囲の設定を受け付ける。状態検出プログラム64は、主に、入力プログラム61によって取得された心拍数及び基準範囲記憶プログラム63により保持された基準範囲に基づいて運動者の運動状態を検出する。遷移検出プログラム65は、主に、状態検出プログラム64によって検出された運動状態又は入力プログラム61によって取得された信号に基づいて表示状態を遷移させるか否かを検出する。計時プログラム67は、図示しないタイマーにより所定の時間を計時する。計時した時間は、他のプログラムによって利用される。
出力プログラム68は、表示状態に応じた画像を取り出して表示・音声出力部16に出力する。例えば、遷移検出プログラム65により表示状態を遷移させると検出されたことに基づいて、シーケンス記憶プログラム62により記憶されているシーケンスにおける次の表示状態に対応する画像を取り出して表示・音声出力部16に出力する。当該取り出す画像は、CD−ROM51等の記録媒体の画像66から直接取り出すようにしてもよく、予めCD−ROM51等の記録媒体からRAM24B等に読み出しておいたものから取り出すようにしてもよい。
データベースプログラム69は、運動者の運動の情報を記憶し、これら運動の情報についての統計処理等を行い、出力プログラム68に処理結果を表示させる。負荷プログラム70は、負荷データを生成して負荷部13に出力する。
ここで、各プログラムについて主な機能を簡単に説明したが、各プログラムの機能により上記した各処理部27A〜27Eが構成される。すなわち、表示・音声出力処理部27Aはシーケンス記憶プログラム62、基準範囲記憶プログラム63、状態検出プログラム64、遷移検出プログラム65及び出力プログラム68をデータ制御部27が実行することにより構成され、センサー信号検出処理部27Bは入力プログラム61及び状態検出プログラム64をデータ制御部27が実行することにより構成され、負荷制御部27Cは負荷プログラム70をデータ制御部27が実行することにより構成され、計時処理部27Dは計時プログラム67をデータ制御部27が実行することにより構成され、データベース処理部27Eはデータベースプログラム69をデータ制御部27が実行することにより構成される。
図1に戻り、ICカードリーダ・ライタ25は、ICカードに情報を記録すると共に、ICカードに記録された情報を読みとる。本実施形態では、ICカードは各運動者毎に与えられるものとなっている。ICカードには、例えば、当該ICカードの持ち主の運動者を識別する識別番号(ID)、運動者の年齢及び性別、運動者の過去の運動内容等が記録されるようになっている。
通信装置26は、他のトレーニング装置、ホストコンピュータ等の外部の装置と通信回線を介して通信する。通信装置26は、有線、無線或いは衛星通信等の任意の通信回線を用いるものであればよい。又、通信装置26は、モデム、ダイレクトバス、RS232C或いはPCカード等を介してデータを出力するようにしてもよい。なお、通信装置26による通信は、パスワードを用いたり、マシン番号、識別番号等の固体番号を使って安全を確認した上で行うことが好ましい。
図6は、本発明の第1の実施形態に係るトレーニング装置の外観の一例を示す図である。トレーニング装置10は、例えば、室内のフロア等の所定の設置面に設置される箱形に形成されたトレーニング機器本体11を有している。トレーニング機器本体11の前部側(図中右側)に自転車と同様なペダル12A及びペダル12Aを回転可能にする回転機構12Bが設けられている。トレーニング機器本体11の後部側の内部には、所定の回転を行う回転部材を有する負荷部13が収納されている。負荷部13は回転部材の回転運動に対して所定の負荷を与えることができるようになっている。負荷部13の回転部材近傍には回転数センサー21Cが設けられている。回転機構12Bと負荷部13の回転部材とは、ベルト31によって接続されており、負荷部13が回転部材に与える負荷がペダル12Aの回転に対して伝わるようになっている。
また、トレーニング機器本体11の前部側には、棒状の支持部15が上方に突設されている。支持部15のほぼ中央部分には、ICカードリーダ・ライタ25が設けられ、支持部15の端部には表示・音声出力部16を構成する表示装置17及びスピーカ18が設けられている。表示装置17の運動者側には、操作部20が配置され、操作部20の周囲にはパイプ枠等から形成されるハンドル19が設けられている。このような操作部20の配置により、運動者は種々の操作を容易に行うことができる。
図7は、本発明の第1の実施形態に係るトレーニング装置の操作部20近傍の構成を説明する図である。図7に示すように操作部20は、ハンドル19の中央部に配置されており、画面上のカーソルを上下左右に移動させるボタンUP、DOWN、LEFT及びRIGHTと、スタート、ストップ、切換え、キャンセル等の操作の指示を入力するためのボタンSTART、STOP、SELECT、CANCEL等を備えている。
図6に戻り、トレーニング機器本体11の内部には、センサー信号入力処理部21D、操作部23、記憶部24、通信装置26、及びデータ制御部27が設けられている。
トレーニング機器本体11の後部側の上部には、シート14が設けられている。シート14は運動者が半後傾姿勢で座ることができ、且つ前後方向の位置をスライドレール32に沿って自在に調整できるようになっている。
図8は、本発明の第1の実施形態に係るトレーニング装置のシート14の着座面近傍の構成を説明する図である。シート14の運動者が腰掛ける着座面の周囲には、パイプ30が設けられている。運動者がシート14の着座面に座った際に、運動者の腰の左右に位置するパイプ30の部分には、運動者が手で握るためのグリップ部30Aが設けられている。左右のグリップ部30Aの内部には、脈拍センサー21A及び体脂肪センサー21Bが設けられている。脈拍センサー21Aは、グリップ部30Aを握った運動者の手を通して心拍数を検出する。体脂肪センサー21Bは、例えば、パイプ30の左右のグリップ部30Aに電極を有し、左右の電極に運動者が手をふれることにより流れる微弱電流から電気抵抗を測定して体脂肪を計測する。なお、これら脈拍センサー21A及び体脂肪センサー21Bを電気的に切り換えて使用することにより、心拍数と体脂肪との値の双方を検出できる。
本トレーニング装置では、運動者は半後傾姿勢でシート14に座り、体全体がペダル12Aより後方に位置することになるため、よりストレスの少ない姿勢で運動を行うことができる。本トレーニング装置では、運動者は表示・音声出力部16側に向かってシート14に腰掛け、グリップ部30A又はハンドル19を手で握り、ペダル12に足を掛けて自転車と同様なこぐ運動を行う。そして、この運動の最中において、運動者は、表示装置17に表示される映像を見たり、或いはスピーカ18から出力される音声を聞いたりすることができる。
ここで、上記実施形態においては、特許請求の範囲にいう運動部は、主に、負荷部13及びペダル12A等によって構成され、特許請求の範囲にいう基準範囲記憶部、画像記憶部、運動内容記憶部、シーケンス記憶部、及び表示ステータス画像記憶部は、主に、記憶部24によって構成され、特許請求の範囲にいう状態検出部は、主に、センサ信号検出処理部27B及び表示・音声出力処理部27Aによって構成され、特許請求の範囲にいう画像表示制御部、表示ステータス管理部、遷移検出部、及び表示ステータス画像表示制御部、は、主に、表示・音声出力処理部27Aによって構成され、特許請求の範囲にいう猶予時間設定部、基準範囲設定部、基準時間設定部、及び運動モード選択部は、主に、設定・操作部22によって構成される。
また、特許請求の範囲にいう評価値表示制御部、個人比較情報表示制御部、及び複数人比較表示制御部は、主に、データベース処理部27E及び表示・音声出力処理部27Aによって構成され、特許請求の範囲にいう負荷制御部は、主に、負荷処理部27C及び負荷出力処理部13Bによって構成され、特許請求の範囲にいう検出部は、主に、センサ信号検出処理部27Bによって構成され、特許請求の範囲にいう警告出力部は、主に、表示・音声出力処理部27A及びスピーカ18によって構成される。
図9は本発明の第1の実施形態に係るトレーニング装置のメインフローチャートである。トレーニング装置において、運動を開始する前に設定部23が種々の設定を受け付ける(ST1)。設定としては、設定部23のボタン、キーボード、タッチパネル或いはマウス装置等を用いて、例えば、運動者の年齢、性別或いは運動時間が設定される。なお、ICカードリーダ・ライタ25内に差し込まれたICカードに記憶されている年齢、性別等の情報を取り込んで上記設定を行うようにしてもよい。
次に、表示・音声出力処理部27Aが表示装置17に複数の運動モードを示すボタンを含む映像を出力させ、操作部20のカーソルキーやボタンにより各運動モードの選択を受け付ける(ST2)。本実施形態では、心肺機能向上モード、初心者又は脂肪燃焼モード、マニュアルモード、又はゲームモードの4つの運動モードのいずれかを選択することができる。
心肺機能向上モードが選択された場合(ST3)には、心肺機能向上モード用の設定処理が行われる(ST4)。この処理において、表示・音声出力処理部27Aが心肺機能向上モードに対応付けられた所定の運動時間、負荷レベル、運動における心拍数の基準範囲(例えば、上限値及び下限値)等を記憶部24から取り出して、表示・音声出力部16に表示させる。更に、操作部20が運動者から表示された設定でよいとの指示、又は表示された設定についての変更指示を受け付ける。次いで、上記のように設定された情報に基づいて、運動中の映像表示処理を行い(ST5)、運動終了後に、運動者の運動内容等を表示する処理を行う(ST6)。
また、初心者または脂肪燃焼モードが選択された場合(ST7)には、初心者又は脂肪燃焼モード用の設定処理が行われる(ST8)。この処理において、表示・音声出力処理部27Aが初心者又は脂肪燃焼モードに対応付けられた所定の運動時間、負荷レベル、運動における心拍数の基準範囲(例えば、上限値及び下限値)等を記憶部24から取り出して、表示・音声出力部16に表示させる。更に、操作部20が運動者から表示された設定でよいとの指示、又は表示された設定についての変更指示を受け付ける。次いで、上記のように設定された情報に基づいて、運動中の映像表示処理を行い(ST9)、運動終了後に、運動者の運動内容等を表示する処理を行う(ST10)。
また、マニュアルモードが選択された場合(ST11)には、マニュアルモード用の設定処理が行われる(ST12)。この処理においては、表示・音声出力処理部27Aが設定すべき種々の情報、例えば、運動時間、負荷レベル、運動における心拍数の基準範囲(例えば、上限値及び下限値)等の入力画面を表示・音声出力部16に表示させ、操作部20が運動者から設定を受け付ける。これら設定は、操作部20により運動中に自由に変更することができるようになっている。次いで、設定された情報に基づいて、運動中の映像表示処理を行い(ST13)、運動終了後に、運動者の運動内容等を表示する処理を行う(ST14)。
また、ゲームモードが選択された場合(ST15)には、当該ゲームモードにおける運動の目的の入力処理が行われる(ST16)。本実施形態では、操作部20が心肺機能向上モード、又は、初心者または脂肪燃焼モードのいずれを目的とするのかについての入力を受け付ける。心肺機能向上モードが入力された場合(A)には、心肺機能向上モードと同様な処理(ST4〜ST6)が行われる一方、初心者または脂肪燃焼モードが入力された場合(B)には、初心者または脂肪燃焼モードと同様な処理(ST8〜ST10)が行われる。なお、ゲームモードが選択された場合には、例えば、魚種など種々の設定に関してランダムの要素が取り入れられる。
図10は、本発明の第1の実施形態に係るトレーニング装置の主に運動中において表示・音声出力処理部27Aにより表示装置17に表示される画面の構成を示す図である。表示装置17の表示画面は、画面ほぼ中央に位置し、運動中におけるトローリングの映像や運動終了後のクールダウン時における海と雲等の映像を表示する映像表示領域17Aと、画面右端の細長い領域に位置し、トローリングにおける釣り上げる魚までの距離等を表すインジケータを表示する距離表示領域17Bと、画面左端の上部に位置し、運動者の運動内容に関する情報を表示する内容表示領域17Cと、画面左端の下部に位置し、所定の時点にトローリングにおける登場人物、例えば、船長等の表情を表示する画面表示領域17Dと、画面ほぼ中央の下部に位置し、運動者への種々のメッセージを表示する文字表示領域17Eと、運動者への警告メッセージを表示する警告表示領域17Fと、運動者の現在の心拍数、及び当該心拍数と基準範囲(例えば、上限、下限)との関係を示す心拍情報表示領域17Gとを有する。
内容表示領域17Cに表示させる運動内容に関する情報には、例えば、同図に示すように、心拍数、経過時間、残り時間、負荷レベル、回転数、ワット数、消費カロリー、釣った魚の数、逃がした魚の数、逃がした魚の総重量等があり、これらを内容表示領域17Cに表示させる形態には、数値を直接表示する等といったデジタルによる表示形態或いは棒グラフ等のアナログによる表示形態がある。なお、内容表示領域17Cに表示させる運動内容及び表示形態は操作部20のセレクトボタンにより運動中あるいは運動終了後に選択することができる。また、内容表示領域17Cを表示させるか否かについても操作部20により選択することができる。
図11は本発明の第1の実施形態に係るトレーニング装置による運動中の映像表示処理(図8におけるST5、ST9、ST13)を説明するフローチャートである。トレーニング装置において、運動者がトレーニング前のウォーミングアップ(準備運動)を終了してトレーニングを開始すると(ST21)、計時処理部27Dがトレーニング開始時点からの時間の計時を開始する。なお、トレーニングの開始は、運動者による操作部20からの指示により、或いは、計時処理部27Dによりウォーミングアップに予め与えられている時間を計時することにより特定できる。
次いで、当該計時処理部27Dが当該トレーニング開始時点からの時間が予め設定した運動時間を超えた(タイムアップ)か否かを検出し(ST22)、設定した運動時間を超えていない場合には、センサー信号検出処理部27Bが心拍数センサー21Aにより検出された心拍数が基準範囲(値域)内に属するか否かを検出する(ST23)。この結果、心拍数センサー21Aにより検出された心拍数が基準範囲内に属すると検出された場合には、表示・音声出力処理部27Aは計時処理部27Dにより当該時点から所定の時間を計測させ、当該時間内においてセンサー信号検出処理部27Bから心拍数が基準範囲内に属するとの検出結果が引き続き得られるか否かを検出する。この結果、心拍数が基準範囲内に属するとの検出結果が引き続き得られた場合には、表示・音声出力処理部27Aは、運動者の運動が適状態になったと判断して、運動者の表示状態を、第1表示状態の次の表示状態であり、且つ適状態を意味する第2表示状態に遷移させ、当該第2表示状態に対応する映像データを記憶部24から取り出して表示・音声出力部16の表示装置17に出力し、表示装置17が当該第2表示状態に対応する映像を表示する(ST24)。
図12(A)は、心拍数センサー21Aにより検出される運動者の心拍数の変化の一例を示す図である。同図は、運動モードとして心肺機能向上モードが選択されている場合、すなわち、基準範囲が最大心拍数の60%〜85%に設定された場合を示している。上記した処理によると同図に示すように、心拍数が運動開始時点のA点から徐々に上がり、基準範囲の下限の最大心拍数の60%を越えて一定時間経過したB点において、適状態を意味する第2表示状態に対応する映像が表示装置17に表示される。
図13は、本発明の第1の実施形態に係るトレーニング装置の表示装置17における、適状態を意味する第2表示状態に対応する映像が表示されている表示画面の一例である。図13に示すように、表示装置17の表示画面の映像表示領域17Aには、第2表示状態に対応する映像である、ブルーマーリン(魚)が針に掛かって飛び上がったことを示す映像がリアルに立体映像で表示される。距離表示領域17Bには、魚までの距離を示す図形が、距離を示す数字(図中の25M(メートル))とともに表示される。また、心拍情報表示領域17Gには、心拍数(図中の150)及び心拍数であることを示すハートマークと、心拍数が取りうる範囲における基準範囲を示す棒グラフ状の図形及び当該図形上での現在の心拍数の位置を示す矢印とが表示される。
運動者は、心拍情報表示領域17Gを参照することにより、現在の自己の心拍数と、基準範囲との関係を把握することができる。また、映像表示領域17Aを参照することにより運動者は自己が適状態にいることが把握でき、映像によって運動に対する興味が駆り立てられることになる。また、運動者は、距離表示領域17Bを参照することにより、現在の調子でどれくらいペダル12をこぐと魚が釣れるのか、すなわち、比較的短期的な目標に到達するのかを把握でき、運動に対する興味をさらに駆り立てられることになる。
その後、センサー信号検出処理部27Bが心拍数センサー21Aにより検出された心拍数が基準範囲の上限を超えた(上がった)か(ST25)、或いは基準範囲の下限を超えた(下がった)か(ST27)を検出する。この結果、心拍数が基準範囲の上限を超えた又は下限を超えた場合には、計時処理部27Dにより当該時点から所定の時間を計測させ、当該時間内においてセンサー信号検出処理部27Bから心拍数が基準範囲内に属するとの検出結果が得られるか否かを検出する。この結果、一定時間内に心拍数が基準範囲内に属するとの検出結果が得られなかった場合には、表示・音声出力処理部27Aは、運動者の運動の状態が、運動者に危険である運動状態、適切な運動効果を得られない運動状態等といった運動者に不適切な運動状態(不適状態)であると判断して、運動者の表示状態を第2表示状態の次の表示状態であり、且つ不適状態を意味する第3表示状態又は第4表示状態に遷移させ、当該第3表示状態又は第4表示状態に対応する映像データを記憶部24から取り出して表示・音声出力部16に出力する(ST26)。
図12(B)、(C)は、心拍数センサー21Aにより検出される運動者の心拍数の変化の一例を示す図である。同図は、運動モードとして心肺機能向上モードが選択されている場合、すなわち、基準範囲が最大心拍数の60%〜85%に設定された場合を示している。上記した処理によると図12(B)に示すように、心拍数が基準範囲内のB点からさらに上がり、基準範囲の上限を越えたC点に達すると、第3表示状態に対応する映像が表示装置17に表示され、一方、図12(C)に示すように、心拍数が基準範囲内のB点からさらに上がり、基準範囲の上限を越えずに再び下がり、基準範囲の下限より下がったD点に達すると、第4表示状態に対応する映像が表示装置17に表示される。
図14は、本発明の第1の実施形態に係るトレーニング装置の表示装置17における、不適状態を意味する第3表示状態に対応する映像が表示されている表示画面の一例である。図14に示すように、表示装置17の表示画面の映像表示領域17Aには、第3表示状態に対応する映像である、釣り糸が切れて魚が逃げたことを示す映像が表示される。また、距離表示領域17Bには魚までの距離の表示が表示されなくなる。また、心拍情報表示領域17Gには、心拍数190が表示され、更に、基準範囲を示す棒グラフ状の図形の基準範囲の上限を超えている位置に、現在の心拍数を示す矢印が表示されている。また、画面表示領域17Dには、運動者に助言を行う船長が表示されている。また、表示領域17Eには、船長が話しかけている言葉「捲き過ぎだ!」が表示される。また、警告表示領域17Fには、「HRが上り過ぎています」とのメッセージが表示される。
運動者は、心拍情報表示領域17Gを参照することにより、現在の自己の心拍数と、現在の心拍数及び基準範囲の関係とを把握することができる。また、映像表示領域17Aを参照することにより運動者は自己が不適状態にいることが把握できる。また、表示領域17Eを参照することにより、現時点の自己の運動の状態を把握することができる。
図15は、本発明の第1の実施形態に係るトレーニング装置の表示装置17における、不適状態を意味する第4表示状態に対応する映像が表示されている表示画面の一例である。図15に示すように、表示装置17の表示画面の映像表示領域17Aには、第4表示状態に対応する映像である、魚が針から外れて逃げた状態の映像が表示される。また、距離表示領域17Bには魚までの距離の表示が表示されなくなる。また、心拍情報表示領域17Gには、心拍数98が表示され、更に、基準範囲を示す棒グラフ状の図形の基準範囲の下限を超えている位置に、現在の心拍数を示す矢印が表示されている。また、画面表示領域17Dには、運動者に助言を行う船長が表示されている。また、表示領域17Eには、船長が話しかけている言葉「あーあ!やる気があるか?」及び「魚が逃げましたぜ!」が表示される。また、警告表示領域17Fには、「HRが下がり過ぎています」とのメッセージが表示される。
運動者は、心拍情報表示領域17Gを参照することにより、現在の自己の心拍数と、現在の心拍数及び基準範囲の関係とを把握することができる。また、映像表示領域17Aを参照することにより運動者は自己が不適状態にいることが把握できる。また、表示領域17E又は警告表示領域17Fを参照することにより、現時点の自己の運動の状態を把握することができる。
一方、センサー信号検出処理部27Bが心拍数センサー21Aにより検出された心拍数が基準範囲内に属すると検出した場合には、センサー信号検出処理部27Bが回転数センサー21Cにより検出される回転数が規定回数に達したか否かを検出する(ST28)。この結果、規定回数に達していない場合には、表示・音声出力処理部27Aは、適状態を意味する第2表示状態を示す映像であり、且つセンサー信号検出処理部27Bから入力される第2表示状態になってからの総回転数に基づいた映像、すなわち、魚が接近したことを示す映像データを記憶部24から取り出して表示・音声出力部16に出力する。また、表示・音声出力処理部27Aは、表示装置17の映像表示領域17Aに運動者の運動量に応じてしなる図形(竿)を表示する。次いで、計時処理部27Dが当該トレーニング開始時点からの時間が予め設定した運動時間を超えたか否かを検出し(ST30)、予め設定した運動時間を超えていない場合には、上記処理(ST25〜28)を行う。
一方、回転数センサー21Cにより検出される回転数が規定回数に達した場合には、表示・音声出力処理部27Aは運動者の運動状態が、適状態であり、且つ所定の目的を達成したと判断して、運動者の表示状態を第2表示状態の次の表示状態である第5表示状態に遷移させ、当該第5表示状態に対応する魚を釣り上げた際の映像の映像データを表示・音声出力部16に出力する(ST29)。
図16は、本発明の第1の実施形態に係るトレーニング装置の表示装置17における、適状態であり、且つ所定の目的を達成した表示状態である第5表示状態に対応する映像が表示されている表示画面の一例である。図16に示すように、表示装置17の表示画面の映像表示領域17Aには、第5表示状態に対応する映像である、魚が釣り上げられた状態の映像が表示される。また、距離表示領域17Bには魚までの距離の表示が表示されなくなる。また、心拍情報表示領域17Gには、心拍数が表示され、更に、基準範囲を示す棒グラフ状の図形の現在の心拍数を示す位置に矢印が表示されている。画面表示領域17Dには、運動者に助言等を行う船長が表示されている。また、表示領域17Eには、船長が話しかけている言葉「これはすごい、巨大ブルーマーリンだ!」が表示される。運動者は、映像表示領域17Aを参照することにより、運動における達成感を得ることができる。したがって、運動者の運動に対する興味が更に駆り立てられることになる。
そして、計時処理部27Dがタイムアップを検出した時(ST22、30)には、運動者にクールダウンを行わせる(ST31)。この時には、表示・音声出力処理部27Aが表示・音声出力部16にきれいな海の景色や次回の利用を促す映像等を表示させ、運動者にゆっくり運動することを促す。なお、この間又はこの後において、表示・音声出力処理部27Aが表示・音声出力部16に運動の評価結果、例えば、釣り上げた魚の数、運動量等を表示させる。
なお、上記処理中においては、表示・音声出力処理部27Aが、負荷装置13Aによる負荷が変動している際において、センサー信号検出処理部27Bにより検出された心拍数の変化が所定の下限の変化許容値より少ないことを検出した場合及びセンサー信号検出処理部27Bにより検出された心拍数の変化が所定の上限の変化許容値より大きいことを検出した場合には、運動者の状態が異常である可能性があるとの警告を表す画像、音声等を表示・音声出力部16に出力させる。本実施の形態では、図10に示す警告表示領域17Fに警告のメッセージを表示させる。
このように、運動者は、自己の心拍数と、現在の心拍数及び基準範囲の関係とを適切に把握することができる。また、運動者は自己の運動状態が適状態にあるのか不適状態にあるのかを容易に把握できる。また、運動者の身体情報に応じて映像が変わるので、運動者の運動に対する興味が駆り立てられることになる。
また、上記のように、予め設定された順序に従って表示状態が遷移し、表示状態に対応する映像が表示されるので、運動者に対して一連のストーリーを持たせた映像を提供することができ、運動者の興味を駆り立てることができる。更に、1つの表示状態が複数の表示状態に分岐する部分があるので、運動者に種々の展開を持つストーリーを提供することができ、更に運動者の興味を駆り立てることができる。
次に、本発明の第2の実施形態に係るトレーニング装置について説明する。第2の実施形態に係るトレーニング装置は、上記の図1及び図8に示す第1の実施形態に係るトレーニング装置とほぼ同様な構成となっており、以下には、異なる構成要素を中心に説明することとする。
記憶部24は、更に、心拍数の変化方向及び基準範囲の境界値との差と、そのときに出力すべきメッセージとを対応付けて記憶する。
図17は、第2の実施形態に係るトレーニング装置の記憶部24に記憶されたメッセージの一例を示す図である。図17に示すように、記憶部24には、心拍数が増加している際に、基準範囲の上限との差が所定の差になった場合に表示するメッセージとして、"ラインが限界に近いぞ!"が記憶されており、基準範囲の上限との差が更に少なくなった場合に表示するメッセージとして、"ラインが限界ぎりぎりだ!"が記憶されており、基準範囲の上限を超えた場合に表示するメッセージとして、"ラインが切れるぞ!"が記憶され、第4表示状態となった場合に表示するメッセージとして、"ラインが切れて、魚が逃げちまった!"が記憶されている。
また、記憶部24には、心拍数が増加している際に、基準範囲の下限との差が所定の差になった場合に表示するメッセージとして、"もっと巻かないと、魚がかからんぞ!"が記憶されており、基準範囲の下限との差が更に少なくなった場合に表示するメッセージとして、"どんどん巻け、魚がかかりそうだ!"が記憶されており、第2表示状態となった場合に表示するメッセージとして、"魚が掛かったぞ!"が記憶され、基準範囲内に入って下限との差が所定の差になった場合に表示するメッセージとして、"どんどん巻いて、速く釣り上げよう!"が記憶されている。
また、記憶部24には、心拍数が減少している際に、基準範囲の上限との差が所定の差になった場合に表示するメッセージとして、"魚が見えたぞ"が記憶されており、基準範囲の上限との差が更に少なくなった場合に表示するメッセージとして、"落ち着いて巻け、魚がかかるぞ"が記憶されており、第2表示状態となった場合に表示するメッセージとして、"魚が掛かったぞ!"が記憶されている。
また、記憶部24には、心拍数が減少している際に、基準範囲の下限との差が所定の差になった場合に表示するメッセージとして、"ラインが緩んできたぞ!"が記憶されており、基準範囲の下限との差が更に少なくなった場合に表示するメッセージとして、"もっと巻かないと、魚に逃げられるぞ!"が記憶されており、基準範囲の下限を超えた場合に表示するメッセージとして、"魚が逃げようとしているぞ!"が記憶され、第3表示状態となった場合に表示するメッセージとして、"へたくそ、魚が逃げちまった!"が記憶されている。
更に、記憶部24は、負荷装置13Aにより発生すべき負荷を示す負荷データを複数含む負荷テーブルを記憶している。負荷テーブルは、例えば、運動モードに対応付けて管理されている。負荷データは設定部23により設定することができる。なお、負荷テーブルを各運動モードに対して複数パターン用意しておくことが好ましい。更に、記憶部24は、運動時間の各時点における基準範囲を記憶する。
図18は、本発明の第2の実施形態に係るトレーニング装置の記憶部24に記憶される基準範囲の一例を説明する図である。記憶部24は、例えば、ウォーミングアップの時間、トレーニングの時間、及びクールダウンの時間の各時点における目標とする心拍数(ターゲット)、及びターゲットに対する猶予の幅(例えば、心拍数にして5〜10)を記憶することにより、図18に示すウォーミングアップの時間に徐々に心拍数の高い方向に移行し、トレーニングの時間に一定の心拍数の範囲を維持し、クールダウンの時間に徐々に心拍数の低い方向に移行する基準範囲を記憶する。
図19は、本発明の第2の実施形態に係るトレーニング装置の記憶部24に記憶される基準範囲の他の例を説明する図である。記憶部24は、例えば、ウォーミングアップの時間、トレーニングの時間、及びクールダウンの時間の各時点における上限となる心拍数を記憶することにより、図19に示すウォーミングアップの時間に徐々に上限が心拍数の高い方向に移行し、トレーニングの時間に上限が一定の心拍数を維持し、クールダウンの時間に徐々に上限が心拍数の低い方向に移行する基準範囲を記憶する。
図20は、本発明の第2の実施形態に係るトレーニング装置の記憶部24に記憶される基準範囲の更に他の例を説明する図である。記憶部24に記憶させる基準範囲は、図20(A)に示すように、上限をウォーミングアップの時間から徐々に増加させ、トレーニング時間に一定にさせ、クールダウン時間に徐々に減少させる一方、下限をトレーニング時間において変動させるようにしてもよい。また、記憶部24に記憶させる基準範囲は図20(B)に示すように、上限をトレーニング時間において変動させるようにしてもよい。また、記憶部24に記憶させる基準範囲は図20(C)に示すように、上限及び下限をウォーミングアップ終了時から変動させて、インターバルトレーニングが行えるようにしてもよい。このような基準範囲を特定する情報としては、各時点の上限値及び下限値を記憶させるようにしてもよく、また、上限又は下限の変動の周期(周波数)、変動の基準となる心拍数、変動の幅等を記憶させるようにしてもよい。
なお、記憶部24に記憶させる基準範囲としては、マフェトン理論にしたがって、ウォーミングアップの時間を10〜15分とし、クールダウンの時間を10〜15分とし、トレーニングの時間における基準範囲の上限を180から運動者の年齢を減算した値又はそれに近い値としておくことが好ましい。記憶部24に記憶させる基準範囲を設定する際に必要な情報、例えば、ウォーミングアップの時間、トレーニングの時間、クールダウンの時間、これらの時間の各時点における基準範囲等は、設定操作・設定部22により運動者又はトレーニング装置の管理者が設定することができる。
計時処理部27Dは、更に、センサー信号検出処理部27Bにより心拍数が基準範囲から外れていると検出された時点からの時間を計時するリミット外タイマーと、センサー信号検出処理部27Bにより心拍数が基準範囲に属すると検出された時点からの時間を計時するリミット内タイマーとを有している。
センサー信号検出処理部27Bは、更に、センサー部21により得られた心拍数の変化の方向、及び心拍数と基準範囲の境界値(本実施の形態では、上限及び下限)との差を検出して、表示・音声出力処理部27Aへ出力する。
表示・音声出力処理部27Aは、計時処理部27Dのリミット外タイマーにより計時された時間が所定の猶予時間以上になるまでの間に、センサー信号検出処理部27Bにより心拍数が基準範囲に属するとの検出結果が得られない場合に、運動者の運動の状態が不適状態であると判断する。上記猶予時間は、設定・操作部22により設定することができる。また、表示・音声出力処理部27Aは、計時処理部27Dのリミット内タイマーにより計時された時間が所定の猶予時間以上になるまでの間において、センサー信号検出処理部27Bにより心拍数が基準範囲に属するとの検出結果が得られ続けた場合に、運動者の運動の状態が適状態であると判断する。上記猶予時間は、設定・操作部22により設定することができる。
表示・音声出力処理部27Aは、センサー信号検出処理部27Bにより入力された心拍数の変化の方向、及び心拍数と境界との差に対応するメッセージが記憶部24にある場合には、当該メッセージを記憶部24から取り出して表示・音声出力部16に出力させる。
また、表示・音声出力処理部27Aは、センサー信号検出処理部27Bから入力された所定の時点(例えば、運動開始時点)から現在までの心拍数と、設定されている基準範囲との関係を示す映像を表示する。
図21は、本発明の第2の実施形態に係るトレーニング装置の表示装置17における運動開始時点から現在まで心拍数と、基準範囲との関係を表す映像の一例であり、図10に示す心拍情報表示領域17Gに表示される情報の時間的変化の推移をグラフ化したものである。当該映像において、運動時間における設定された基準範囲と、運動者の心拍数の変化とが重ね合わされて表示されている。これによって、運動者は自己の心拍数と基準範囲の関係を容易且つ適切に把握することができる。
ここで、第2の実施形態においては、特許請求の範囲にいう知覚情報出力部は、主に、表示・音声出力部16及び表示・音声出力処理部27Aによって構成され、特許請求の範囲にいう負荷基準値記憶部は、主に記憶部24によって構成される。
図22及び図23は、本発明の第2の実施形態に係るトレーニング装置の動作を説明するフローチャートである。まず、データ処理部27が通信回線の接続や、ハードウエアのリセット等の初期処理を行った後に、スタートメッセージを表示し(ST51)、表示・音声出力処理部27Aが記憶部24からオープニング音楽のデータを取り出して、スピーカ18からオープニング音楽を出力させる(ST52)。この後に、操作部20により運動者から運動の基準範囲等の設定を受け付ける。そして、計時処理部27Dがリミット内タイマー及びリミット外タイマーを初期化(クリアー)するとともに、負荷処理部27Cが負荷テーブル内の位置を示す負荷値インデックスをクリアーする(ST53)。
次いで、設定に基づいて負荷処理部27Cがベースとなる負荷を負荷部13に出力させる(ST54)。これにより運動者の運動が開始できるようになる。
運動者による運動が開始されると、センサー部21は種々の情報を検出するようになる。そして、センサー信号検出処理部27Bがセンサー部21から入力される運動者の心拍数を検出して表示・音声出力処理部27Aに出力する。表示・音声出力処理部27Aは、入力された運動者の心拍数と、設定されている基準範囲との関係を示す図21に示す映像を、表示装置17により図10に示す心拍情報表示領域17Gに表示させる。また、表示・音声出力処理部27Aは、記憶部24から魚が掛かるまでの映像の映像データを取り出して、表示装置17により図10に示す映像表示領域17Aに映像を表示させる(ST55)。
次いで、センサー信号検出処理部27Bは、センサー信号入力処理部21Dから得られた心拍数のデータが示す心拍数と、現時点における基準範囲とを比較する(ST56)。この結果、心拍数が基準範囲外の場合には、まだ、不適状態であると判断し、計時処理部27Dがリミット内タイマーをクリアーし(ST57)、上記処理ST55、ST56を行う。一方、心拍数が基準範囲に属する場合には、計時処理部27Dがリミット内タイマーによる計時を引き続き行い(ST58)、表示・音声出力処理部27Aがリミット内タイマーによる計時が所定の時間を超えたか否かを検出する(ST59)。
所定の時間を超えていない場合には、上記処理ST56〜ST58の処理を行う一方、所定の時間を超えた場合には、表示・音声出力処理部27Aは運動者の運動状態が適状態であると判断して、運動者の表示状態を、第1表示状態の次の表示状態であり、且つ適状態を意味する第2表示状態に遷移させ、当該第2表示状態に対応する映像データを記憶部24から取り出して表示・音声出力部16に出力し、第2表示状態に対応する映像、すなわち、図13に示すような、ブルーマーリン(魚)が針に掛かって飛び上がったことを示す映像を表示装置17により出力させるとともに、第2表示状態になったことを示すメッセージを記憶部24から取り出して、表示装置17により文字表示領域17Eに"魚が掛かったぞ!"を出力させる(ST60)。
次いで、センサー信号検出処理部27Bが回転数センサー21Cにより検出される回転数が規定回数に達したか否かを検出する(ST61)。この結果、回転数センサー21Cにより検出される回転数が規定回数に達した場合には、表示・音声出力処理部27Aは、運動者の運動状態が適状態であり、且つ所定の目的を達成したと判断して、運動者の表示状態を第2表示状態の次の表示状態である第5表示状態に遷移させ、当該第5表示状態に対応する図16に示す魚を釣り上げた際の映像の映像データを記憶部24から取り出して表示装置17に表示させ(ST62)、上記のST55からの処理を行う。
一方、規定回数に達していない場合には、負荷処理部27Cが記憶部24の負荷テーブルから負荷インデックスにより指示されている負荷データを取り出して負荷部13に出力する(ST63)。負荷部13は入力された負荷データに対応する負荷を負荷装置13Aから出力する。
次いで、負荷処理部27Cは負荷データが負荷テーブルの最後のデータであるか否かを検出し(ST64)、負荷テーブルが最後のデータである場合には、負荷インデックスをクリアーする(ST65)。
次いで、計時処理部27Dが予め設定した運動時間がタイムアップしたか否かを検出し(ST66)、タイムアップしたと検出した場合には、表示・音声出力処理部27Aがデータベース処理部27Eから種々の情報を得て、例えば、当該運動中の評価の映像や、運動者の過去と現在との運動内容を比較する映像や、複数の運動者の評価値のランキングの映像等を表示装置17に表示させて、処理を終了する。
一方、タイムアップしていないと検出した場合には、センサー信号検出処理部27Bがセンサー部21から入力される運動者の心拍数を検出して表示・音声出力処理部27Aに出力する。表示・音声出力処理部27Aは、入力された運動者の心拍数及び設定されている基準範囲の関係を示す、図21に示す映像の当該時点を含む部分を、表示装置17により図10に示す心拍情報表示領域17Gに表示させる。
また、表示・音声出力処理部27Aは、適状態を示す映像であり、且つセンサー信号検出処理部27Bから入力される第2表示状態になってからの総回転数に基づいた映像、すなわち、魚が接近したことを示す映像の映像データを記憶部24から取り出して表示装置17に表示させる。また、表示・音声出力処理部27Aは、センサー信号検出処理部27Bにより入力された心拍数の変化の方向、及び心拍数と境界との差に対応するメッセージが記憶部24にある場合には、当該メッセージを記憶部24から取り出して表示装置17により図10に示す文字表示領域17Eにメッセージを表示させる(ST67)。
例えば、センサー信号検出処理部27Bから心拍数の変化が心拍数の増加する方向にあり、且つ、基準範囲の上限の境界との差が所定の差以内になった場合には、表示・音声出力処理部27Aは、メッセージ"ラインが限界に近いぞ!"を表示装置17に表示させ、心拍数と基準範囲の上限の境界との差が前記差より更に少ない所定の差以内になった場合には、メッセージ"ラインが限界ぎりぎりだ!"を表示装置17に表示させる。これによって、運動者は自己の心拍数が所定の基準範囲に対してどのような状況にあるのかを適切に把握することができる。
次いで、センサー信号検出処理部27Bは、センサー信号入力処理部21Dから得られた心拍数のデータが示す心拍数と、現時点における基準範囲とを比較する(ST68)。この結果、心拍数が基準範囲内であると検出された場合には、計時処理部27Dがリミット外タイマーをクリアーする(ST69)。
一方、心拍数が基準範囲外であると検出された場合には、計時処理部27Dがリミット外タイマーによる計時を引き続き行い(ST70)、リミット外タイマーが所定の猶予時間(例えば、6秒)を超えたか否かを検出し(ST71)、所定の猶予時間を超えたと検出された場合には、表示・音声出力処理部27Aは運動者の運動状態が不適状態であると判断して、運動者の表示状態を第2表示状態の次の表示状態であり、且つ不適状態を意味する第3表示状態又は第4表示状態に遷移させ、当該第3表示状態又は第4表示状態に対応する映像データを記憶部24から取り出して表示・音声出力部16の表示装置17により出力させるとともに、メッセージを記憶部24から取り出して、表示装置17により文字表示領域17Eにメッセージを出力させ(ST72)、その後、上記したST53からの処理を行う。
本実施形態では、表示・音声出力処理部27Aは、第4表示状態の場合には、図14に示すような釣り糸が切れて魚が逃げた状態の映像と、"ラインが切れて、魚が逃げちまった!"というメッセージを表示装置17に表示させ、第3表示状態の場合には、図15に示すような魚が針から外れて逃げた状態の映像と、"へたくそ!魚が逃げちまった!"というメッセージを表示装置17に表示させる。
次いで、計時処理部27Dがリミット外タイマーをクリアーした場合(ST69)又は猶予時間超えていないと検出された場合(ST71)には、負荷インデックスをカウントアップし(ST73)、上記したST61からの処理を行う。
このように、第2の実施形態に係るトレーニング装置によると、上記第1の実施形態に係るトレーニング装置の効果に加えて、運動者は、自己の心拍数と基準範囲との関係を容易且つより適切に把握することができる。
図24は、本発明に係るトレーニング装置の構成例を示す図である。本発明に係るトレーニング装置を、図24(A)に示すように、トレーニング機器本体11と、画像出力処理装置41の少なくとも一部の機能を有するPCとを一体型にした構成としてもよい。また、トレーニング装置を、図24(B)に示すように、画像出力処理装置41の少なくとも一部の機能を有するPC、ドリームキャスト等をケーブルを介してトレーニング機器本体11に外付けした構成としてもよい。
また、トレーニング装置を、図24(C)に示すように、トレーニング機器本体11とターミナルTとを一体型にした構成とし、或いはトレーニング機器本体11にケーブルを介してターミナルTを外付けした構成とし、更に、画像出力処理装置41の少なくとも一部の機能を有するサーバSとターミナルTとをネットワークNを介して接続した構成としてもよい。例えば、サーバSにプログラム及び画像(グラフィック)等を記憶させておき、サーバSにプログラムを実行させてトレーニング機器本体11の表示装置17に画像を表示させる処理を行わせるようにしてもよい。また、トレーニング機器本体11から運動者の運動の情報をサーバSに送信するようにして、サーバSに運動情報の統計処理を行わせるようにしてもよい。また、サーバSに、複数のトレーニング機器本体11に対して上記処理を行わせるようにしてもよい。
本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、通信装置26により他のトレーニング装置との間で種々のデータを交換することにより、レース等の競技を実現することができる。更に、運動の設定にハンディキャップを設けることにより、例えば、障害者や怪我人等が一緒に運動して、競技等できるようになり、リハビリテーションを楽しく行うことができる。
また、データベース処理部27Eによりデータを集計して特定のホストコンピュータに通信装置26を用いて転送するようにすると、ホストコンピュータにより複数のトレーニング装置での運動の成績等の集計や比較等ができるようになり、例えば、複数のトレーニング装置を用いたイベント(競技会)を開催することができる。また、通信装置26を用いて、ホストコンピュータとの間でトレーニング装置のメンテナンス情報の送受信を行うようにすることで、トレーニング装置に対してのリモートメンテナンス(遠隔整備)を行うようにすることができる。
また、トレーニング装置において、データベース処理部27E及び通信装置26により運動者のID及び運動者の運動内容をホストコンピュータに送信するようにし、ホストコンピュータに運動者のID及び運動内容を管理させるようにし、データベース処理部27EによりICカードリーダ・ライタ25に差し込まれたICカードから運動者のIDを取り出させるようにし、当該運動者のIDを通信装置26によりホストコンピュータに送信させるようにし、ホストコンピュータに送信された当該IDに対応する運動内容を当該トレーニング装置に送信させるようにしてもよい。このようにすると、ホストコンピュータと接続された上記同様なトレーニング装置であれば、いずれであっても、運動者がICカードリーダ・ライタ25にICカードを差し込むことにより、自己の運動内容を当該トレーニング装置に表示させる等することができる。
また、上記実施形態では、データ制御部27、記憶部24、通信装置26等はトレーニング機器本体11の内部に備えていたが、本発明に係るトレーニング装置の構成はこれに限らず、トレーニング機器本体11の外に備えるようにしてもよい。
また、上記実施形態では、記憶部24はROM24Aと、RAM24Bとを備えていたが、記憶部24は上記構成に限らず、例えば、磁気ディスク装置等の記憶装置を備えるようにしてもよい。また、上記実施形態では、脈拍数センサー21Aと体脂肪センサー21Bとパイプ30のみに備えていたが、これに限られず、例えば、ハンドル19に備えるようにしてもよく、また、パイプ30及びハンドル19の両方に備えるようにしてもよい。また、上記実施形態では、メッセージを映像として出力するようにしていたが、本発明はこれに限られず、メッセージを音(音声)として出力するようにしてもよい。
また、心拍数センサ21Aの構成は、上記構成に限られず、例えば、運動者の耳に接続するような構成であってもよく、また、運動者の身体、例えば、心臓近傍に接触させる構成であってもよく、要は運動者の心拍数を検出できる構成であればよい。
また、上記実施形態において、適状態になったことを示す映像データとして、記憶部24に複数の映像データを用意しておき、表示・音声出力処理部が適状態になったと判断した際に、これらの映像データの中から、例えば、ランダム(無作為)に選択して表示装置15に出力するようにしてもよい。このようにすると、適状態になった場合において常に同じ映像が表示されることを防ぐことができるので、運動者を飽きさせないようにすることができる。
また、上記実施形態において、映像データと、負荷部13により出力させる負荷を示す負荷データとを対応付けて記憶部24におき、映像データの映像が表示される際に、負荷部13が当該映像データに対応付けられた負荷データに基づいて負荷を発生させるようにしてもよい。このようにすると、表示される映像にあった負荷が運動者に与えられることとなり、運動者に強い臨場感を与えることができる。なお、複数の映像の内の一部の映像に対応付けられた負荷データに基づいて負荷を発生させるようにしてもよい。
また、上記実施の形態では、評価するための情報として、魚を釣り上げた回数や、運動状態が適状態から不適状態になった回数や、運動における消費カロリー、運動のワット数等を用いていたが、本発明はこれに限られず、例えば、適状態となっている時間、適状態に行った運動量等でもよく、要は、運動内容に応じた評価を行える評価値であればよい。
また、上記実施形態では、運動をトローリングに対応させ、トローリングの映像を表示するようにしていたが、本発明はこれに限られず、例えば、運動をドライブ、シューティング(射撃)、フライト等といった現実世界における人間の活動、或いは、創作されたゲームの世界における活動に対応させ、これらの映像を表示するようにしてもよい。また、上記実施形態のバイクマシンでは、運動量を計測するために回転数センサー21Cを使用していたが、光電センサー、フォト・マイクロセンサー、近接センサー、超音波センサー、ロータリーエンコーダー、圧力センサー、変位センサー、測長センサー等といった計測器を用いるようにしてもよく、要は、運動量の測定方法に必要な情報を計測することのできる計測器であればよい。
また、上記実施形態では、トレーニング装置の一例のバイクマシンについて本発明を適用した例を示したが、本発明はバイクマシンに限られず、他のトレッドミル、チェストプレス、ショルダープレス、ローイングマシン等の他のトレーニング装置にも適用することができる。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。