JP4248610B2 - 液体回路 - Google Patents

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JP4248610B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、液体中に発生する気泡を除去することが可能な液体回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、単結晶シリコン基板、ガラス基板等の基板に液体の流路やチャンバーを形成してなる液体回路が提示されている。このような液体回路は、現在広く一般に用いられている半導体製造技術を利用して微小な回路を比較的容易に製造することが可能であり、特に微量試料の分析などへの応用が期待されている。そのような応用の例として、例えば特開平3−131750号公報には、単結晶シリコン基板上に泳動細管を形成してなる電気泳動分析装置が開示されている。
【0003】
このような微小な液体回路では、回路を形成する流路やチャンバー内に不要の気泡が発生すると精密な制御が困難になったり、測定結果に悪影響を及ぼす恐れがある。また、液体回路に通電して測定を行なうようなシステムでは、通電により気泡が発生した場合、気泡が絶縁性を示すために電気抵抗変化を生じて測定の再現性を損なう結果となる。さらに、気泡と水とは熱伝導性、比熱等が異なるため、加熱時に気泡が混入すると温度分布の不均一が生じる。このため、回路内に発生する気泡については十分考慮する必要がある。
【0004】
液体の流路に発生する気泡の対処法の例としては、ベックマン社の電解質分析装置 System E4A を挙げることができる。この装置の取扱い説明書には、同装置がデバブラー・フィルター(DEBUBBLER FILTER)と称するフィルターを備えていることが記載されている。一般に、テフロンフィルターのような疎水性のフィルターは気体は通すが水は通さないことが知られているが、このデバブラー・フィルターはこの性質を利用したものであり、疎水性のフィルターを保持するホルダーに液体を直接通過させ、液体中の気泡を除去するものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、基板上に形成された微小な回路内に発生する気泡の対処については、上記特開平3−131750号公報を含めて、従来何ら考慮はされていない。
【0006】
また、このような基板上に形成される回路は、通常、極微小な回路を形成することを目的として作製されるものであり、上記デバブラー・フィルターをそのまま組込むことは事実上不可能である。さらに、このデバブラー・フィルターに用いられる疎水性のフィルターから微小片を切り出し、基板上の微細な流路に貼着して気泡除去機能を持たせることも考えられるが、これは技術的に非常に困難である。
したがって、この発明は、気泡除去機構を一体的に備えた微小な液体回路を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明による液体回路は、複数の基板を積層してなる積層体内部に少なくとも1つの流路と、少なくとも1つの基板を貫通して該流路と外部とを連通する連通孔が形成され、前記流路の表面が親水性を有し、かつ前記連通孔の内周面が疎水性を有していることを特徴とする。
【0008】
この発明の液体回路を構成する基板としてはどのような基板を用いてもよく、特に限定されるものではないが、半導体製造の際に用いられる基板、例えば、単結晶シリコン基板およびガラス基板が、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術が確立されていて加工が容易である点で好ましい。また、複数の基板の組み合わせも特に限定されるものではなく、どのように組み合わせてもよい。
【0009】
この発明による液体回路の流路の断面形状は特に限定されるものではなく、どのような形状のものでもよい。また、流路の径も特に限定されるものではない。本願では流路の径は、フォトリソグラフィック工程で転写されるマスクパターンの線幅により決まり、好ましくは、10μm〜 500μmである。また、このマスクパターンを基に形成された流路の断面形状はエッチング方法に依存するが、エッチングされた最深部までの基板表面からの距離が流路の深さとなる。また、少なくとも1つの基板を貫通して前記流路と外部とを連通する連通孔の断面形状も特に限定されるものではなく、例えば、矩形でも円でもよい。この連通孔の径は、最も小さいところで 0.2〜 1.0μmであることが好ましい。
【0010】
また、前記連通孔は、少なくともその内周面が疎水性を有していることが好ましく、さらにその開口部周縁も疎水性を有していることがより好ましい。連通孔の内周面およびその開口部周縁に疎水性を付与するには、例えば、シラン処理した皮膜のような疎水性の膜で所定の領域を被覆すればよい。また、連通孔が形成された基板が単結晶シリコン基板である場合には、純粋な単結晶シリコン自体が疎水性を有しているため、所定の領域で純粋な単結晶シリコン、すなわちベア単結晶シリコンを露出させればよい。なお、ここで言う「ベア単結晶シリコン」とは、純粋な単結晶シリコンの表面に疎水性を喪失しない程度の薄い自然酸化膜が形成されていることを排除するものではない。
さらに、前記連通孔の内周面は、前記流路から外部へ向けて開口面積が小さくなるテーパ状の内周面であることが好ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、この発明による液体回路の実施の形態を図面を用いて説明する。
図1は、この発明による液体回路の第1の実施の形態の一部断面を示す図である。この液体回路1は、一方の表面に予め溝や窪みが加工成形された単結晶シリコン基板2と両面平坦なガラス基板3とを、単結晶シリコン基板2の加工成形された面を中にして貼り合わせてなるものであり、単結晶シリコン基板2の表面に設けられた溝が液体の流路4を形成している。単結晶シリコン基板2には、さらに、この基板2を貫通して表面に連通する連通孔5が形成されている。連通孔5の開口部の形状は任意であり、その内周面には溝の側から裏面に向かって、開口部の平面形状が円である場合にはその内径が、矩形である場合にはその一辺がそれぞれ小さくなるようにテーパが付けられている。この連通孔5の内周面を含む単結晶シリコン基板2の表面は酸化膜6で覆われており、さらに連通孔5の内周面およびその開口部周縁には酸化膜6上に疎水性の皮膜7が形成されている。
【0012】
図1に示す液体回路は、以下の手順により作製することができる。まず、単結晶シリコン基板2上に液体回路を構成する溝および、必要に応じて、チャンバーを構成する窪みを形成する。これは、通常のフォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を用いることにより当業者に周知の方法によって行なうことができる。
【0013】
次に、溝が形成された単結晶シリコン基板2上に、常法により酸化膜や窒化膜を形成し、通常用いられるフォトリソグラフィ技術および酸化膜または窒化膜のエッチング技術を用いて単結晶シリコン基板2上に連通孔5のマスクパターンを形成する。この際、酸化膜のエッチングは、例えばフッ酸とフッ化アンモニウムとの混合液を用いるバッファーエッチによって、また窒化膜のエッチングは、例えばCF4 を用いるプラズマエッチングもしくはRIE(Reactive Ion Etching)によって、それぞれ容易に行なうことができる。
【0014】
その後、このマスクパターンを用いて単結晶シリコン基板2に異方性エッチングを施し、連通孔5を形成する。異方性エッチングは単結晶シリコンの結晶面<111>に沿ってエッチングが進行するため、<100>面の単結晶シリコン基板を用いることにより、図に示すようなテーパ状の内周面を有する連通孔5を形成することができる。異方性エッチングは、例えばマスクした単結晶シリコン基板2を80℃に加熱した32%KOH溶液に浸漬することにより行う。この場合、異方性エッチングは、<100>面に対して54.7°の角度で内部に向けて進行する。したがって、エッチング深さ(基板の厚み)を考慮してマスクの大きさを適度に設定することにより、連通孔5の開口部の大きさを制御することができる。例えば、10μm角の外部側開口部を形成するには、エッチング深さをdとして、一辺が(2d/tan(54.7°)+10)μmの長さの角形に抜いたマスクを用いればよい。
【0015】
連通孔5を形成した後、マスクパターンを除去し、単結晶シリコン基板2の全面に酸化膜6を形成する。ただし、マスクパターンを酸化膜で作製した場合には、マスクパターンをそのまま酸化膜6として用いることもできる。
【0016】
続いて、連通孔5の内周面とその開口部周縁を以下に記す通りにシラン処理して疎水化する。まず、疎水性を付与しようとする領域、すなわち連通孔5の内周面とその開口部周縁、以外の領域をフォトリソグラフィ技術によってレジストで被覆する。次いで、この単結晶シリコン基板を密封容器内に密封し、シランカップリング剤、例えばジクロロオクチルメチルシランを2%溶解したトルエンを乾燥窒素ガスでバブリングして上記密封容器内に導入する。これにより、レジストで被覆されていない領域に気相反応で疎水性のシラン処理皮膜7が形成される。皮膜が形成された後、シリコン基板からレジストを除去する。
【0017】
このようにして作製された単結晶シリコン基板2とガラス基板3とを、単結晶シリコン基板2の溝が形成された面を内側にして接着する。接着方法としては通常陽極接合法が用いられるが、シラン処理した皮膜7の劣化を防ぐためには低温で接着することが好ましい。このため、好ましくは、予めガラス基板3上にスパッタリングにより低融点ガラス膜を形成し、窒素雰囲気下、250℃、800Vで陽極接合を行なう。
【0018】
この発明による液体回路の流路4に気泡8を含む液体を流すと、気泡8のみが連通孔5にトラップされ、連通孔5の孔内を通過して外部側の開口部から外部に放出される。図1に示す液体回路では、壁面を構成する単結晶シリコン基板2の酸化膜6とガラス基板3とはいずれも親水性であり、連通孔5の内周面およびその開口部周縁のみが疎水性である。このため、流路4を流れる親水性液体は、流れそのものは妨げられることはないが、連通孔5を通して外部に通り抜けるには大変大きな圧力を必要とする。一方、気泡8は疎水性を有するため、連通孔5の内周面に容易に付着し、孔内を通過して外部に抜ける。
【0019】
前述の通り、この発明が属する液体回路は通常微小な回路として用いられ、その場合、流路の径は10−500μm程度である。このため、コネクタ等を介して外部の装置と接続することが困難となり、気泡の除去を困難にする要因となっている。図1に示す液体回路では、気泡の除去機構と流路とが一体的に形成されており、例え微小な回路であっても比較的容易に作製することができ、回路全体をよりコンパクトにすることができる。また、外部との接続部分を少なくすることができるため、構造が簡単になる。さらに、流路の壁面は主として親水性であるため、水溶性液体を少ない抵抗で流すことができる。
【0020】
図1に示す液体回路においては、連通孔5を異方性エッチングで形成することにより連通孔のより精密な加工が可能である。
また、この液体回路は、外部の圧力を減じることにより連通孔を介する気泡の除去効率をより向上させることができる。加えて、このような場合であっても、外部との接続部分が少ないために液漏れ等の恐れがなく、回路の安定性が向上する。
【0021】
図1においては、気泡除去の機構、すなわち連通孔5を1つのみ有する液体回路を示したが、連通孔5は1つに限定されるものではなく、1つの液体回路に複数個形成してもよい。また、製造方法も前述したものに限定されるものではなく、当業者に周知の技術で同等の加工が行なえるものであれば、どのような方法でも利用することができる。例えば、シラン処理方法として気相での反応を説明したが、クロロホルム、トルエン等を用いて液相で処理することも可能である。また、シラン処理剤も疎水性の表面処理が可能であれば、様々なものが可能である。例えば、疎水性基として1つ以上のアルキル基やフェニル基を有するものやガラスへの反応基としてクロル基、メトキシ基、エトキシ基等を含む試薬を用いることができ、また、シランカップリング剤のSiをTiに換えたチタネートカップリング剤を用いることもできる。さらに、蒸着、スパッタリング等によって表面処理を行なうこともでき、例えば、連通孔の開口部以外をマスクしてパリレン等の疎水性材料を蒸着してもよいし、テフロン等の疎水性材料をスパッタリングにより所定の領域に付着させることも可能である。さらに、図1においては単結晶シリコン基板とガラス基板とを組み合わせて説明したが、単結晶シリコン基板同士を組み合わせることもできる。
【0022】
次に、この発明による液体回路の第2の実施の形態を説明する。
図2は、第2の実施の形態の一部断面を示す図である。この液体回路11は、一方の表面に予め溝や窪みが加工成形された単結晶シリコン基板12と両面平坦なガラス基板13とを、単結晶シリコン基板12の加工成形された面を中にして貼り合わせてなるものであり、単結晶シリコン基板12の表面に設けられた溝が液体の流路14を形成している。単結晶シリコン基板12には、さらに、この基板12を貫通して表面に連通する連通孔15が形成されている。連通孔15の開口部の形状は任意であり、その内周面には溝の側から裏面に向かって、開口部の平面形状が円である場合にはその内径が、矩形である場合にはその一辺がそれぞれ小さくなるようにテーパが付けられている。単結晶シリコン基板12の表面は酸化膜16で覆われているが、連通孔15の内周面およびその開口部周縁のみは酸化膜で覆われてはおらず、ベア単結晶シリコンが露出している。
【0023】
この図2に示す液体回路の作製方法は、単結晶シリコン基板12に連通孔15を形成するところまでは上記第1の実施の形態と同様である。第1の実施の形態においては、連通孔に疎水性を付与するために連通孔の内周面およびその開口部周縁に疎水性の皮膜を形成したが、図2に示す第2の実施の形態においては、純粋な単結晶シリコンが有する疎水性をそのまま利用するために、連通孔15の内周面およびその開口部周縁をベア単結晶シリコンで形成する。したがって、連通孔15を形成するための異方性エッチングに用いられるマスクを酸化膜で作製した場合には、連通孔15を形成した後直ちに次工程、すなわち陽極接合工程に進めばよい。一方、異方性エッチングの際のマスクを窒化膜で作製した場合には、マスクパターンを除去し、新たに基板12の全面に酸化膜16を形成した後、連通孔15の内周面およびその開口部周縁の酸化膜をエッチングによって除去する。窒化膜の除去、酸化膜の形成および酸化膜のエッチングは常法により行なうことができる。このように、工程数を減らしてコストを低減させる点では、異方性エッチングに用いられるマスクは酸化膜で作製したほうが有利である。しかしながら、窒化膜は酸化膜よりも耐久性があり、酸化膜では不可能な深いエッチングを行なうことができる。
【0024】
このようにして作製した単結晶シリコン基板12を、第1の実施の形態と同様にガラス基板13と接着する。この第2の実施の形態においても、接着方法としては通常陽極接合法が用いられるが、第1の実施の形態とは異なりシラン処理した皮膜が存在しないため、接合の際の許容範囲が広がる。すなわち、通常の条件、例えば500℃、800Vで、不活性ガスの導入の必要もなく接合することができる。
【0025】
図2に示す液体回路の流路14に気泡を含む液体を流すと、気泡のみが連通孔15にトラップされ、連通孔15の孔内を通過して外部側の開口部から外部に放出される。この液体回路では、壁面を構成する単結晶シリコン基板12の酸化膜16とガラス基板13とはいずれも親水性であり、連通孔15の内周面およびその開口部周縁のみが疎水性である。このため、流路14を流れる親水性液体は、流れそのものは妨げられることはないが、連通孔15を通して外部に通り抜けるには大変大きな圧力を必要とする。一方、気泡は疎水性を有するため、連通孔15の内周面に容易に付着し、孔内を通過して外部に抜ける。
【0026】
図2に示す液体回路においても、図1に示した液体回路と同様に、気泡の除去機構と流路とが一体的に形成されており、例え微小な回路であっても比較的容易に作製することができ、回路全体をよりコンパクトにすることができる。また、外部との接続部分を少なくすることができるため、構造が簡単になる。さらに、流路の壁面は主として親水性であるため、水溶性液体を少ない抵抗で流すことができる。
【0027】
この液体回路においては、連通孔15を異方性エッチングで形成することにより連通孔のより精密な加工が可能である。また、基板表面に疎水性の皮膜を形成する必要がないことから、第1の実施の形態に比べて製造工程を短縮し、コストを削減する効果を期待することができるが、ベア単結晶シリコンはその表面に自然酸化膜が生じて表面の疎水性が低下することがあるため注意を要する。
【0028】
また、この液体回路は、外部の圧力を減じることにより連通孔を介する気泡の除去効率をより向上させることができる。加えて、このような場合であっても、外部との接続部分が少ないために液漏れ等の恐れがなく、回路の安定性が向上する。
【0029】
図2においては、気泡除去の機構、すなわち連通孔5を1つのみ有する液体回路を示したが、連通孔5は1つに限定されるものではなく、1つの液体回路に複数個形成してもよい。また、製造方法も前述したものに限定されるものではなく、当業者に周知の技術で同等の加工が行なえるものであれば、どのような方法でも利用することができる。さらに、図2においては単結晶シリコン基板とガラス基板とを組み合わせて説明したが、単結晶シリコン基板同士を組み合わせることも可能である。
【0030】
次に、この発明による液体回路の第3の実施の形態を説明する。
図3は、第3の実施の形態の一部断面を示す図である。この液体回路21は、一方の表面に予め溝や窪みが加工成形されたガラス基板23と両面平坦でかつ表面に酸化膜26が形成された単結晶シリコン基板22とを、ガラス基板23の加工成形された面を中にして貼り合わせてなるものであり、ガラス基板23の表面に設けられた溝が液体の流路24を形成している。ガラス基板23には、さらに、この基板23を貫通して表面に形成された溝とその裏面とを連通する連通孔25が形成されている。連通孔25の開口部の形状は任意であり、その内周面には溝の側から裏面に向かって、開口部の平面形状が円である場合にはその内径が、矩形である場合にはその一辺がそれぞれ小さくなるようにテーパが付けられている。また、連通孔25の内周面およびその周縁部には疎水性の皮膜27が形成されている。
【0031】
図3に示す液体回路は以下の方法により作製することができる。まず、ガラス基板23上に液体回路を構成する溝および、必要に応じて、チャンバーを構成する窪みを形成し、さらに所定の位置に連通孔15を形成する。これらのガラス基板に対する加工は当業者に周知の技術によって行なうことができ、その方法は特に限定されるものではないが、通常エキシマレーザが用いられる。エキシマレーザは紫外線領域の波長を有する強力なレーザであり、その照射により分子間の結合が切断され、10μm以下の分解能でエッチングを行なうことができる。ガラスのエッチングには、効率を考慮して、通常ArFガスレーザ(波長193nm)が用いられる。
【0032】
ガラス基板に上記加工を施すには、レーザ光を光学系に導き、所望のパターンを有するマスクを通してガラス基板に照射すればよい。この際の位置決めは、精密な位置決めステージ上で行なう。溝や窪みの深さ、連通孔の開口部の大きさなどは、レーザの出力、照射時間、ガラス基板23の厚み等を考慮して決定することができる。例えば、ガラス基板23にエネルギー密度が3.1J/cm2 のエキシマパルスレーザを照射すると、100μm/600shotのエッチングレイトを得ることができる。したがって、厚さ0.5mmのガラス基板に100Hzでレーザパルスを照射すると、30秒で連通孔を形成することができる。このようにしてレーザの照射によって形成された連通孔の内周面は、レーザの入射口から出射口に向かって内径が徐々に小さくなるテーパ状となる。
【0033】
ガラス基板23に所定の溝、窪み、連通孔等を形成した後、連通孔25の内周面とその開口部周縁を以下に記す通りにシラン処理して疎水化する。まず、疎水性を付与しようとする領域、すなわち連通孔25の内周面とその開口部周縁、以外の領域をフォトリソグラフィ技術によってレジストで被覆する。次いで、このガラス基板を密封容器内に密封し、シランカップリング剤、例えばジクロロオクチルメチルシランを2%溶解したトルエンを乾燥窒素ガスでバブリングして上記密封容器内に導入する。これにより、レジストで被覆されていない領域に気相反応で疎水性のシラン処理皮膜27が形成される。皮膜が形成された後、ガラス基板からレジストを除去する。
【0034】
このようにして作製されたガラス基板23を、溝が形成された面を内側にし、全面に酸化膜を形成した単結晶シリコン基板22と接着する。接着方法としては通常陽極接合法が用いられるが、第1の実施の形態と同様に、シラン処理した皮膜27の劣化を防ぐためには低温で接着することが好ましい。このため、好ましくは、予めガラス基板23上にスパッタリングにより低融点ガラス膜を形成し、窒素雰囲気下、250℃、800Vで陽極接合を行なう。
【0035】
図3に示す液体回路の流路24に気泡28を含む液体を流すと、気泡28のみが連通孔25にトラップされ、連通孔25の孔内を通過して外部側の開口部から外部に放出される。図3に示す液体回路では、壁面を構成する単結晶シリコン基板22の酸化膜26とガラス基板23とはいずれも親水性であり、連通孔25の内周面およびその開口部周縁のみが疎水性である。このため、流路24を流れる親水性液体は、流れそのものは妨げられることはないが、連通孔25を通して外部に通り抜けるには大変大きな圧力を必要とする。一方、気泡28は疎水性を有するため、連通孔25の内周面に容易に付着し、孔内を通過して外部に抜ける。
【0036】
図3に示す液体回路では、気泡の除去機構と流路とが一体的に形成されており、例え微小な回路であっても比較的容易に作製することができ、回路全体をよりコンパクトにすることができる。また、外部との接続部分を少なくすることができるため、構造が簡単になる。さらに、流路の壁面は主として親水性であるため、水溶性液体を少ない抵抗で流すことができる。
【0037】
また、この液体回路は、外部の圧力を減じることにより連通孔を介する気泡の除去効率をより向上させることができる。加えて、このような場合であっても、外部との接続部分が少ないために液漏れ等の恐れがなく、回路の安定性が向上する。さらに、この液体回路は、前記第1および第2の実施の形態とは異なり、ガラス基板23に連通孔25が形成されていることを特徴とする。この連通孔25の形成はレーザを用いてガラス基板を直接加工することによって行なうため、第1および第2の実施の形態と比較して製造工程をさらに減少させることができる。加えて、ガラス基板を通して液の流れを観察することもできる。
【0038】
図3においては、気泡除去の機構、すなわち連通孔25を1つのみ有する液体回路を示したが、連通孔25は1つに限定されるものではなく、1つの液体回路に複数個形成してもよい。また、製造方法も前述したものに限定されるものではなく、当業者に周知の技術で同等の加工が行なえるものであれば、どのような方法でも利用することができる。例えば、シラン処理方法として気相での反応を説明したが、クロロホルム、トルエン等を用いて液相で処理することも可能である。また、シラン処理剤も疎水性の表面処理が可能であれば様々なものが可能である。例えば、疎水性基として1つ以上のアルキル基やフェニル基を有するものやガラスへの反応基としてクロル基、メトキシ基、エトキシ基等を含む試薬を用いることができ、また、シランカップリング剤のSiをTiに換えたチタネートカップリング剤を用いることもできる。さらに、蒸着、スパッタリング等によって表面処理を行なうこともでき、例えば、連通孔の開口部以外をマスクしてパリレン等の疎水性材料を蒸着してもよいし、テフロン等の疎水性材料をスパッタリングにより所定の領域に付着させることも可能である。
【0039】
さらに、図3においては単結晶シリコン基板とガラス基板とを組み合わせて説明したが、ガラス基板同士を組み合わせることもできる。また、セラミック基板もレーザによる表面加工が可能であることから、ガラス基板の代りにセラミック基板を用いることもできる。
【0040】
次にこの発明による液体回路の第4の実施の形態を説明する。
図4は、第4の実施の形態の一部断面を示す図である。この液体回路31は、一方の表面に予め溝や窪みが加工成形された単結晶シリコン基板32と両面平坦なガラス基板33とを、単結晶シリコン基板32の加工成形された面を中にして張り合わせてなるものであり、単結晶シリコン基板32の表面に設けられた溝が流体の流路34を形成している。単結晶シリコン基板32には、さらに、この基板32を貫通して表面に連通する連通孔35が形成されている。連通孔35の開口部の形状は任意であり、その内周面には溝の側から裏面に向かって、開口部の平面形状が円である場合にはその内径が、矩形である場合にはその一辺がそれぞれ小さくなるようにテーパが付けられている。この連通孔35の外部側開口部には、この外部側開口部を塞ぐように多孔質層39が形成されている。連通孔35の内周面を含む単結晶シリコン基板32の表面は酸化膜36で覆われており、更に連通孔35の内周面およびその内部側開口部周縁の酸化膜36上並びに多孔質層39の内部側表面上には疎水性の皮膜37が形成されている。
【0041】
図4に示す液体回路は、以下の手順により作製することができる。まず、単結晶シリコン基板32上に液体回路を構成する溝および、必要に応じて、チャンバーを構成する窪みを形成する。これは、通常のフォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を用いることにより当業者に周知の方法によって行なうことができる。
【0042】
次に、溝が形成された単結晶シリコン基板32上に常法により酸化膜や窒化膜を形成し、溝が形成された面の裏面に通常用いられるフォトリソグラフィ技術および酸化膜または窒化膜のエッチング技術を用いて多孔質層39のマスクパターンを形成する。この際、酸化膜のエッチングは、例えばフッ酸とフッ化アンモニウムとの混合液を用いるバッファーエッチによって、また窒化膜のエッチングは、例えばCF4 を用いるプラズマエッチングもしくはRIE(Reactive Ion Etching)によって、それぞれ容易に行なうことができる。マスクパターンが形成された後、例えば電流密度15mA/cm2 、温度30℃で、陽極化成を行なう。これにより、単結晶シリコン基板32の裏面から内部に向かって多孔質層が形成される。多孔質層の厚みは特に限定されるものではないが、通常100μm以下で十分である。厚みは陽極化成の処理条件や処理時間により制御することができる。
【0043】
陽極化成終了後、単結晶シリコン基板32の溝を形成した面上に、前記第1および第2の実施の形態と同様に連通孔35のマスクパターンを形成し、単結晶シリコン基板32をエッチングして多孔質層39を露出させる。この際のエッチングには、前記第1および第2の実施の形態と同様に異方性エッチングを利用することができるが、ここでは基板32を貫通する必要はなく、多孔質層39が露出する深さまでエッチングすればよい。このため、連通孔35のマスクパターンのサイズは第1および第2の実施の形態ほど厳密である必要はない。
【0044】
連通孔35を形成した後、マスクパターンを除去し、多孔質層39の表面を含めて単結晶シリコン基板32の全面に酸化膜36を形成する。ただし、マスクパターンを酸化膜で作製した場合には、マスクパターンをそのまま酸化膜36として用いることもできる。
【0045】
続いて、連通孔35の内周面とその内部側開口部周縁、並びに多孔質層39の内部側表面を以下に記す通りにシラン処理して疎水化する。まず、疎水性を付与しようとする領域、すなわち連通孔35の内周面とその内部側開口部周縁並びに多孔質層39の内部側表面、以外の領域をフォトリソグラフィ技術によってレジストで被覆する。次いで、この単結晶シリコン基板を密封容器内に密封し、シランカップリング剤、例えばジクロロオクチルメチルシランを2%溶解したトルエンを乾燥窒素ガスでバブリングして上記密封容器内に導入する。これにより、レジストで被覆されていない領域に気相反応で疎水性のシラン処理皮膜37が形成される。皮膜が形成された後、シリコン基板32からレジストを除去する。
【0046】
このようにして作製された単結晶シリコン基板32とガラス基板33とを、単結晶シリコン基板32の溝が形成された面を内側にして接着する。接着方法としては通常陽極接合法が用いられるが、シラン処理した皮膜37の劣化を防ぐためには低温で接着することが好ましい。このため、好ましくは、予めガラス基板33上にスパッタリングにより低融点ガラス膜を形成し、窒素雰囲気下、250℃、800Vで陽極接合を行なう。
【0047】
図4に示す液体回路の流路34に気泡38を含む液体を流すと、気泡38のみが連通孔35にトラップされ、連通孔35の孔内を通過して外部側の開口部から外部に放出される。この液体回路では、壁面を構成する単結晶シリコン基板32の酸化膜36とガラス基板33とはいずれも親水性であり、連通孔35の内周面およびその内部側開口部周縁並びに多孔質層の内部側表面のみが疎水性である。このため、流路34を流れる親水性液体は、流れそのものは妨げられることはないが、連通孔35を通して外部に通り抜けるには大変大きな圧力を必要とする。一方、気泡38は疎水性を有するため、連通孔35の内周面に容易に付着し、孔内を通過して外部に抜ける。
【0048】
図4に示す液体回路では、気泡の除去機構と流路とが一体的に形成されており、例え微小な回路であっても比較的容易に作製することができ、回路全体をよりコンパクトにすることができる。また、外部との接続部分を少なくすることができるため、構造が簡単になる。さらに、流路の壁面は主として親水性であるため、水溶性液体を少ない抵抗で流すことができる。
【0049】
また、この液体回路は、外部の圧力を減じることにより連通孔を介する気泡の除去効率をより向上させることができる。加えて、このような場合であっても、外部との接続部分が少ないために液漏れ等の恐れがなく、回路の安定性が向上する。
【0050】
さらに、図4に示す液体回路は、前述の通り、連通孔35を形成する際に前記第1および第2の実施の形態と比較してエッチング深さとマスクパターンのサイズを厳密に規定する必要がない。そのため、より容易に加工することができる。また、連通孔35の孔内に多孔質層39が設けられていることにより、連通孔35は常に多数の微小孔から構成されているものと見なすことができる。すなわち、連通孔35の内側開口部の大きさに関わりなく、常に液漏れを生じることなく気泡の除去機能を維持することが可能である。このため、前記第1および第2の実施の形態よりも内側開口部を大きくすることができ、気泡除去効率の増加が期待できる。
【0051】
図4においては、気泡除去の機構、すなわち連通孔35を1つのみ有する液体回路を示したが、連通孔35は1つに限定されるものではなく、1つの液体回路に複数個形成してもよい。また、製造方法も前述したものに限定されるものではなく、当業者に周知の技術で同等の加工が行なえるものであれば、どのような方法でも利用することができる。例えば、シラン処理方法として気相での反応を説明したが、クロロホルム、トルエン等を用いて液相で処理することも可能である。また、シラン処理剤も疎水性の表面処理が可能であれば様々なものが可能である。例えば、疎水性基として1つ以上のアルキル基やフェニル基を有するものやガラスへの反応基としてクロル基、メトキシ基、エトキシ基等を含む試薬を用いることができ、また、シランカップリング剤のSiをTiに換えたチタネートカップリング剤を用いることもできる。さらに、蒸着、スパッタリング等によって表面処理を行なうこともでき、例えば、連通孔の開口部以外をマスクしてパリレン等の疎水性材料を蒸着してもよいし、テフロン等の疎水性材料をスパッタリングにより所定の領域に付着させることも可能である。さらに、図4においては単結晶シリコン基板とガラス基板とを組み合わせて説明したが、単結晶シリコン基板同士を組み合わせることもできる。
【0052】
以上、図面に基づいてこの発明による液体回路の実施の形態を説明したが、この発明は上述の実施の形態に限定されるものではなく、この発明の要旨の範囲内で種々の変形や応用が可能である。ここで、この発明の要旨をまとめると以下のようになる。
(1)図1ないし4に対応:
複数の基板を積層してなる積層体内部に少なくとも1つの流路を有する液体回路において、少なくとも1つの基板を貫通して該流路と外部とを連通する連通孔が形成され、かつ少なくとも該連通孔の内周面が疎水性を有していることを特徴とする液体回路。
【0053】
この液体回路では、基板を貫通して外部に連通する連通孔の内周面が疎水性を有している。そのため、親水性を示す液体は弾かれてしまって孔内を通過し難く、一方、疎水性を示す気泡は内周面に馴染んで連通孔を容易に通過する。その結果、流路を流れる液体中の気泡のみが連通孔にトラップされ、連通孔内を通過して外部に排出される。
【0054】
この液体回路では、気泡の除去機構と流路とが一体的に形成されており、比較的容易に微小な液体回路を作製することができ、回路全体をよりコンパクトにすることができる。また、外部との接続部分を少なくすることができるため、構造が簡単になる。さらに、この液体回路は、外部の圧力を減じることにより連通孔を介する気泡の除去効率をより向上させることができる。加えて、このような場合であっても、外部との接続部分が少ないために液漏れ等の恐れがなく、回路の安定性が向上する。
(2)図1ないし3に対応:
前記連通孔が、前記流路から外部へ向けて開口面積が小さくなるテーパ状の内周面を有することを特徴とする(1)記載の液体回路。
【0055】
この液体回路では、流路を流れる液体中の気泡が、流路から外部へ向けて開口面積が小さくなるテーパ状の内周面に沿って連通孔内に導かれてゆく。このため、液体回路に発生した気泡を効果的にトラップし、外部に排出することができる。
【0056】
また、この発明は以下の態様をも含むものである。
(3)図1、2および4に対応:
前記連通孔が単結晶シリコン基板に形成されていることを特徴とする(1)および(2)のいずれか一方に記載の液体回路。
【0057】
この液体回路では、連通孔が単結晶シリコン基板に形成されるため、精密な加工が可能な半導体分野の加工技術を容易に適用することができる。また、異方性エッチングを用いることが可能であり、これによりマスクサイズで開口部の大きさを正確に規定することができる。
(4)図2に対応:
少なくとも前記連通孔の内周面がベア単結晶シリコンであることを特徴とする(3)記載の液体回路。
【0058】
この液体回路では、連通孔の内周面が疎水性のベア単結晶シリコンで構成されている。このため、親水性の液体は弾かれて連通孔を通過し難いのに対して疎水性である気泡は容易に通過して外部に排出される。ベア単結晶で構成される内周面は、単に単結晶シリコン基板を表面に露出することよって形成することができるため製造が容易であり、構造も簡単になる。
(5)図3に対応:
前記連通孔がガラス基板に形成されていることを特徴とする(1)および(2)のいずれか一方に記載の液体回路。
【0059】
この液体回路では連通孔がガラス基板に形成されている。このため、レーザによってガラス基板を直接加工して連通孔を形成することが可能であり、製造工程を減じて簡略化することができる。また、透明なガラス基板を通して液体の流れを外部から観察することができる。
(6)図4に対応:
前記連通孔内に多孔質層が配設されていることを特徴とする(1)、(2)および(3)のいずれか1つに記載の液体回路。
【0060】
この液体回路では、連通孔内に多孔質層が配設されていることにより、連通孔が常に多数の微小孔から構成されているものとみなすことができる。そのため、連通孔の内側開口部の大きさに関りなく常に液漏れを生じることなく気泡の除去機能を維持することが可能であり、多孔質層がない場合と比較して内側開口部を大きくとることができる。その結果、気泡除去効率の向上が期待できる。また、連通孔を形成する際にエッチング深さとマスクパターンのサイズを厳密に規定する必要がなく、より容易に加工することができる。
(7)図1、3および4に対応:
前記連通孔の内周面および開口部周縁が疎水性材料で被覆されていることを特徴とする(1)、(2)、(3)、(5)および(6)のいずれか1つに記載の液体回路。
【0061】
この液体回路では、連通孔の内周面および開口部周縁が疎水性を示すため、同じく疎水性を示す気泡が開口部に接近し、連通孔内部に進入し易くなる。その結果、気泡除去効率の向上が期待できる。
(8)図1ないし4に対応:
前記連通孔の内周面およびその開口部周縁を除く液体回路内面が親水性を示すことを特徴とする(1)、(2)、(3)、および(5)のいずれか1つに記載の液体回路。
【0062】
この液体回路では、回路内面が親水性を示すため、親水性の液体は淀みなく流れ疎水性の気泡は壁面に付着し難くなる。その結果、液体回路に発生した気泡を連通孔に集めることが容易になり、気泡の除去効率が向上する。
【0063】
【発明の効果】
以上のように、この発明によると、気泡除去機構を一体的に備え、かつ構造が簡単な微小な液体回路が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による液体回路の第1の実施の形態の一部断面を示す図。
【図2】この発明による液体回路の第2の実施の形態の一部断面を示す図。
【図3】この発明による液体回路の第3の実施の形態の一部断面を示す図。
【図4】この発明による液体回路の第4の実施の形態の一部断面を示す図。
【符号の説明】
2、12、22、32…単結晶シリコン基板、3、13、23、33…ガラス基板、4、14、24、34…流路、5、15、25、35…連通孔、6、16、26、36…酸化膜、7、27、37…疎水性皮膜、39…多孔質層

Claims (2)

  1. 複数の基板を積層してなる積層体内部に、フォトリソグラフィック技術および/またはエッチング技術による加工により形成される流路の経が10μm〜500μmの少なくとも1つの流路と、少なくとも1つの基板を貫通して該流路の径と外部とを連通しその径は最も小さいところで0.2〜1.0μmである連通孔が形成され、前記流路の表面が親水性を有し、かつ前記連通孔の内周面が疎水性を有していることを特徴とする液体回路。
  2. 複数の基板を積層してなる積層体内部に、フォトリソグラフィック技術および/またはエッチング技術による加工により形成される流路の経が10μm〜500μmの少なくとも1つの流路と、少なくとも1つの基板を貫通して該流路の径と外部とを連通する連通孔が形成され、前記連通孔は前記流路から外部へ向けて開口面積が小さくなるテーパ状の内周面を有し、前記流路の表面が親水性を有し、かつ前記連通孔の内周面が疎水性を有していることを特徴とする液体回路
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