JP4248211B2 - ボタン・イージー掛外し機構 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ボタン・イージー掛外し機構に関し、更に詳しくは、布帛・皮革・シート等の生地をボタン留めする際に指先一つでも簡単に行うことができ、しかもそのようにしてボタン留めした箇所を解き外すことも非常に簡単に行えるように改良したボタンのイージー掛外し機構に関するものであり、特に指先の不器用な幼児や手作業の困難な高齢者・障害者には大いに役立つ提案である。
【0002】
【従来の技術】
周知のとおり、背広・学生服・コート・ズボン・シャツなど被服類では、その掛け合わせ部分の披(はだ)け止め手段として、ボタンやホック、ベルベット式面着ファスナー(ベルクロ社の商品名:マジック・テープ)、あるいはジッパー(zipper)の如き留め具が一般的に用いられているのであるが、取り分け、その中でもボタン留め方式が服飾デザイン的に外観性が良くて構造的に簡素であるところから最も頻用されている。
【0003】
ところが、ボタン留め方式は、手指の不自由な高齢者や障害者、あるいは幼児にとって、ボタンの掛外し作業に大変な苦痛が伴う。掛け合わされた生地の下側に位置して表からは見えないボタンを、一文字に切れたスリット状のボタン孔に沿うように横向きに寝かせて合わせ、そのまゝボタン孔に押し込んで表側へ繰り出して掛止する手作業が非常に難しいからである。
【0004】
従来、かゝるボタンの掛外し作業を簡単にしようとする提案としては、例えば特開平5−222602号公報に開示されるごときボタンホール(ボタン孔)を斜めに切り開けた“衣類等のボタンホール”が知られている。なるほど、斜め切り開きのボタンホールを衣服類の掛け合わせ部分に適用した場合、孔が斜めになった分だけボタン掛外しの際にボタンの捻り角度を小さくできるので、幾らかは、力が要らなくなろう。しかし、それでもボタンは掛け合わさった生地の下側に隠れて表から見えないので位置合せが難しく、しかもボタンホールにボタンを押し込む際の苦痛は殆ど解消されていない。
【0005】
また、次なる提案としては、ボタン一つ一つの表側に紐状のリングを取り付けておき、この紐状リングをボタン孔の表側に出しておき、この紐状リングを引き出すようにした“ボタン”も知られている(実用新案登録第 3083968号公報)。しかし、この提案もボタン一つ一つに紐状リングを取り付けておかねばならないことからコスト高になるし、また衣服着用時にも各ボタンの紐状リングを各々のボタン孔に紐状リングを挿通して置かねばならないため面倒で実用性に欠ける。
【0006】
さらに、他の提案としては、永久磁力を有する台盤状の雄ボタンと、この雄ボタンを受入れ磁着可能な有底筒状の雌ボタンとから成る“マグネチックボタン”(特開平7−169208号公報参照)を衣服の掛け合わせ部の生地対向面に向い合わせに取り付けるという方式のものもあった。なるほど、この提案を衣服に適用した場合には、雄ボタンと雌ボタンとを向い合わせた際に磁力で互いに吸着し合うので掛け合わせに力は要らないであろう。しかしながら、雄ボタンと雌ボタンとが正確に向き合った場合は雄ボタンはスッポリと雌ボタンの中に嵌込むけれども、正確に向い合っていない場合には雄ボタンが雌ボタンの筒口に引っ掛って斜めに磁着して外れ易い不安定な状態になり易いという難点がある。そして、この提案の最大の欠点は、雌ボタンの中に嵌り込んで磁着している雄ボタンを取り外すのが難しいことゝ、掛け合わせた生地の重なり部分に雄ボタンも雌ボタンも隠されてしまうため、ボタン自体に付加されたポイント的な装飾機能を服飾デザインの要素として活用できないことにある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、衣服などの如き布帛・皮革・シート等の生地をボタン留めする際の従来技術に前述のような問題があったことに鑑みて為されたものであって、その目的とするところは、極く単純な指先操作だけで外れ難くい安定な状態にボタン留めすることができ、しかも、そのようにボタン留めした箇所を解き外す際にも何ら困難な操作を伴うことなく迅速かつ的確に取り外すことができる実用的なボタン・イージー掛外し機構を提供するにある。
【0008】
また、本発明の他の目的は、指先の不器用な幼児および手作業の困難な高齢者・障害者にとって好適な使い勝手の良いボタン・イージー掛外し機構を提供するにある。
【0009】
さらに、本発明の他の目的は、形態と機能とが調和して服飾デザインを大いに増進させることができる機能美に優れたボタン・イージー掛外し機構を提供するにある。
【0010】
【課題を解決するために採用した手段】
本発明者が上記技術的課題を解決するために採用した手段を、添附図面を参照して説明すれば、次のとおりである。
【0011】
即ち、本発明は、掛け合わされる生地面1の何れか一方側1aに繋ぎ部21で固着された複数のボタン2と;この複数のボタン2に対応して、もう一方の生地面1bに開設されている同数の小さな孔径の留め孔部3と;この各々の留め孔部3に対しガイドスリット4を介して同生地1bに連通して開設されており、それ自身は前記ボタン2よりも大きな口径の合せ孔部5とから構成されている一方、
前記生地1bにガイドスリット4を介して連通して開設された留め孔部3と合せ孔部5とは、ガイドスリット4の形成方向との関係により留め孔部3に対して合せ孔部5が上方、横一列、あるいは斜め下方に位置させて、各々の留め孔部3に嵌り込んだボタン2の移動を干渉規制するという手段を相互に連関させてボタン・イージー掛外し機構を構成した点に特徴がある。
【0012】
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を実際に適用した場合の具体的な内容を、好ましい実施の形態を添附図面に例示しながら、更に詳細に説明するものとする。
【0014】
〔第1実施形態〕
図1〜図4は、本発明を幼児服に適用した場合の第1実施形態を示したものである。図1〜図4において、符号1で指示するものは幼児服であり、この幼児服1には正面に右前に掛け合わされる打合わせ部を備える。そして、この打合せ部の下側に位置する身頃生地1aの表面にはボタン1が縫着されており、このボタン1を身頃生地1aに縫い付けている縫糸部が繋ぎ部21となっている(図3参照)。
【0015】
他方、この幼児服1における打合せ部の上側に位置する身頃生地1bには、上記ボタン1の径よりも小径の留め孔部3と同ボタン1の径よりも大きな口径の合せ孔部5とが狭隘なガイドスリット4にて連通状態に開設されている。なお、この第1実施形態において、前記留め孔部3、ガイドスリット4、および合せ孔部5の孔縁はステッチング(stitching)されて縫い固められている。
【0016】
ちなみに、図4は、上側の身頃生地1bに開設する留め孔部3、ガイドスリット4、および合せ孔部5の位置関係を例示したものである。図4に図示した配列例は、留め孔部3に対して合せ孔部5を上方に位置させたもの、横一列に並べたもの、斜め下方に位置させたものを組み合わせているが、このように留め孔部3と合せ孔部5との位置関係を取り合せておくと、留め孔部3に嵌り込んだボタン2がガイドスリット4の形成方向との関係で移動が干渉規制されるので、ボタン2は各々別々に操作しなければ外れないのであり、激しく動き回る幼児の服には好適である。
【0017】
〔第2実施形態〕
図5は、本発明をワイシャツに適用した場合の第2実施形態を示したものである。図5において、符号1で指示するものはワイシャツである。このワイシャツ1における正面に右前に掛け合わされる打合せ部のボタンの掛外し機構については、前述の第1実施形態における図4と同じ構成を採用している。
【0018】
【0019】
【0020】
【0021】
【0022】
【0023】
【0024】
【0025】
【0026】
【0027】
【0028】
【0029】
なお、念のために附言しておくと、前述の第1実施形態にあっては、互いに連通する留め孔部3・ガイドスリット4および合せ孔部5の孔縁をステッチングにより縫い固めることによりボタンを滑易く、しかも外れ難い構成にしてあったが、これらの連通する孔縁にプラスチック製や金属製の鳩目(eyelet)を嵌めておくという構成に置換することも本発明の技術的範囲に属することはいうまでもない。
【0030】
【発明の効果】
以上説明したとおり、本発明のボタン・掛外し機構を被服類などに適用した場合には、指先の不器用な幼児や手作業の困難な高齢者・障害者でもボタンの掛外しが容易になるから、老幼弱者の生活改善にも役立つのであり、福祉面における効用も大きい。
【0031】
【0032】
また、本発明のボタン・掛外機構は、ボタンの形状・デザインと留め孔部、ガイドスリット、合せ孔部の形態・デザインを樣々に変化させることによって、形態と機能とが調和した新しい様式の服飾デザインを掘り起こす可能性も大きいのであり、服飾界の発展にも寄与し得るものである。
【0033】
このように本発明によれば、ボタンの掛け外しに伴う従来技術の欠点を大幅に改善することができうえ、その構成は頗るシンプルにして直截であることから、コスト的にも有利であり、実用と経済の両面でメリットが大きく、その産業上の利用価値は極めて大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明を幼児服に適用した第1実施形態を示したものであって、ボタンを掛ける前の状態を表わす外観説明図である。
【図2】 図2は、第1実施形態の幼児服のボタンを掛け合わせた状態を表わす外観説明図である。
【図3】 図3は、第1実施形態におけるボタン固着状態を表わした要部断面図である。
【図4】 図4は、上側の身頃生地1bに開設する留め孔部3、ガイドスリット4、および合せ孔部5の位置関係の配列例を示した正面図である。
【図5】 図5は、本発明をワイシャツに適用した第2実施形態の外観説明図である。
【符号の説明】
1 生地
1a 下側の生地
1b 上側の生地
2 ボタン
21 繋ぎ部
3 留め孔部
4 ガイドスリット
41 分岐ガイドスリット
5 合せ孔部
Claims (4)
- 掛け合わされる生地面1の何れか一方側1aに繋ぎ部21で固着された複数のボタン2と;この複数のボタン2に対応して、もう一方の生地面1bに開設されている同数の小さな孔径の留め孔部3と;この各々の留め孔部3に対しガイドスリット4を介して同生地1bに連通して開設されており、それ自身は前記ボタン2よりも大きな口径の合せ孔部5とから構成されている一方、
前記生地1bにガイドスリット4を介して連通して開設された留め孔部3と合せ孔部5とは、ガイドスリット4の形成方向との関係により留め孔部3に対して合せ孔部5が上方、横一列、あるいは斜め下方に位置したものを組み合わせて、各々の留め孔部3に嵌り込んだボタン2の移動が干渉規制されることを特徴としたボタン・イージー掛外し機構。 - 掛け合わされる生地面1a・1bが被服類の打合せ部を構成しており、
一方の身頃側1aにはボタン2が固着されている一方、反対側の身頃側1bには留め孔部3、ガイドスリット4、および合せ孔部5が形成されていることを特徴とした請求項1記載のボタン・イージー掛外し機構。 - ガイドスリット4が、留め孔部3と合せ孔部5との間にネック形状を成すごとく短いスベリ行程に形成されていることを特徴とした請求項1又は2記載のボタン・イージー掛外し機構。
- ガイドスリット4のスベリ行程が比較的長く形成されており、この長いガイドスリット4の少なくとも終端部に合せ孔部5と少なくとも一つの留め孔部3とが開設されていることを特徴とした請求項1〜3の何れか一つに記載のボタン・イージー掛外し機構。
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