JP4248052B2 - 新規アンヒドロデオキシイノシトールとグリコシダーゼ阻害剤 - Google Patents
新規アンヒドロデオキシイノシトールとグリコシダーゼ阻害剤 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、グリコシダーゼに酵素阻害活性をもつ新規な化合物としてアンヒドロデオキシイノシトール、特に新規な1,2-アンヒドロ-6-デオキシイノシトール、あるいは新規な1L-(1,2,4/3,5)-1,2-アンヒドロ-1,2,3,4,5-シクロヘキサンペントールに関する。また、本発明は、グリコシダーゼ、特に細胞内糖脂質の生合成や代謝に重要な役割を果たすβ-グルコセレブロシダーゼに対して酵素阻害活性 を有する前記の新規なアンヒドロデオキシイノシトールを有効成分とするグリコシダーゼ阻害剤に関するものである。
【0002】
さらに、本発明は、新規な化合物である1L-(1,2,4/3,5)-1,2-アンヒドロ-1,2,3,4,5-シクロヘキサンペントールの製造方法に関する。
【0003】
【従来の技術】
生体細胞膜に広く存在するスフィンゴ糖脂質は、近年その生理活性が注目されている化合物群である。たとえば、スフィンゴ糖脂質は、生理活性物質の受容体機能や細胞間相互認識、細胞間相互作用を介して細胞の発生、増殖、分化あるいは免疫反応などの重要な細胞機能と密接に関係していることが知られている。スフィンゴ糖脂質の生体内における上記機能を解明するため、コンドゥリトール Bエポキシドのごとき、スフィンゴ糖脂質の代謝に係わるグリコセレブロシダーゼに対して酵素阻害活性を有する物質を用いる研究が数多く報告されている。
【0004】
一方近年、グリコセレブロシダーゼに対して阻害活性を有する物質が、スフィンゴ糖脂質の生体内における上記の機能の解明に用いられるだけではなく、種々の病態の改善効果を有することが判明してきた。
【0005】
下記の式(A)あるいは(B)で表される化合物は、グリコセレブロシダーゼ阻害活性を有し、また抗HIV活性を有する(特開平8-48658号明細書参照)。
(式中Zはイミノ基を示し、X及びYは互いに異なり、各々が水素原子又はOH基 を示し、mは3〜12の整数を示し、nは4〜16の整数を示す)。
【0006】
また、下記の式(C)で表されるコンドゥリトール B エポキシドは、グリコセレブロシダーゼに対して酵素阻害活性を有し、そして人間の皮膚への局所適用によって皮膚中のβ-グルコシルセラミドを蓄積せしめ、結果として皮膚の保湿機能 を高める作用があるとの報告がされている(PCT出願国際公開WO96/14072号公報参照)。
(式中で立体の記号は相対立体配置を示す)。
【0007】
グリコセレブロシダーゼに酵素阻害活性を示す化合物として、上記の化合物の他に、N-n-アルキル-β-D-グルコシルアミン (「Biochim. Biophys. Acta」 1039 巻、12-20頁、1990) が強力な阻害効果を示すことが知られているが、本物質は 水溶液中での安定性が極めて低い (半減期10〜30分) ので実用上の有用性に乏しい。また、N-n-アルキルデオキシノジリマイシン (「Biochim. Biophys. Acta」 915巻、87-100頁、1987)はβ-グルコセレブロシダーゼを強く阻害するが、グル コシルセラミド合成酵素も同時に阻害することが報告されている(「J. Biol. Chem.」 269巻、11巻、8362-8365頁、1994) ので酵素に対する特異性が低いことが判明している。上記の式(A)〜(B)に示した擬似糖脂質の製造に実用される方法は、工業的規模で製造する方法としては必ずしも満足しうるものではない。 式 (C)に示したコンドゥリトール B エポキシドは既に市販されているが、市販品がラセミ化合物であるため、純粋な光学活性体が望まれる医薬、化粧品としては好ましいものではない。
【0008】
従って、グリコセレブロシダーゼに対して特異的な酵素阻害作用を示し、安定性が高く、工業的規模での製造が可能であり、しかも光学純度の高い新規化合物であるグリコセレブロシダーゼ阻害剤が現在、望まれている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、新規化合物としてのアンヒドロデオキシイノシトールを提供することであり、しかも水溶液中での安定性に優れ、酵素阻害活性について特異性が高く、強力なグリコシダーゼ阻害活性を示し、製造コストが安く、かつ、抗ウイルス活性、皮膚の保湿効果等の生理活性を示す可能性のある新規なアンヒドロデオキシイノシトールを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の目的を達成するために鋭意検討を重ねてきた。その結果、本発明者は、後記の式 (Ia-1) で表される1,2- アンヒドロ -6-デオキシイノシトールが新規な化合物であり、しかもグリコシダーゼに対して酵素阻害活性を有することを知見した。この知見に基づいて、本発明の完成に至った。
【0011】
すなわち、第1の本発明においては、新規な化合物として、次式( Ia-1 )
で表される 1,2- アンヒドロ -6- デオキシイノシトールが提供される。
【0013】
第1の本発明による化合物である上記の式(Ia-1)の1,2-アンヒドロ-6-デオキシイノシトールは、それの光学活性異性体として、次式(Ia-2)
で表される1L-(1,2,4/3,5)-1,2-アンヒドロ-1,2,3,4,5-シクロヘキサンペントールであることができる。
【0014】
さらに、第2の本発明においては、第1の本発明による前記の式( Ia-1 )の 1,2- アンヒドロ -6-デオキシイノシトールを有効成分とするグリコシダーゼ阻害剤が提供される。
また、第2の本発明によるグリコシダーゼ阻害剤は、その一実施態様として、グリコセレブロシダーゼ阻害剤であることができる。
【0015】
さらにまた、第2の本発明によるグリコシダーゼ阻害剤は、その一つの好ましい実施態様として、次式( Ia-2 )
で表される1L-(1,2,4/3,5)-1,2-アンヒドロ-1,2,3,4,5-シクロヘキサンペントールを有効成分として含有するβ-グルコセレブロシダーゼ阻害剤であることができる。
【0016】
第1の本発明による新規な化合物としての式( Ia-1 )の 1,2- アンヒドロ -6-デオキシイノシトールは、任意のグリコシド結合を切断するグリコシダーゼ、好ましくはグリコセレブロシダーゼの酵素阻害剤として適用可能であるが、特にβ-グルコセレブロシダーゼ阻害剤として有用である。特に、前記の式(Ia-2)で表される光学活性なアンヒドロデオキシイノシトールは、β-グルコセレブロシダーゼを強力に阻害し、かつ安価に製造でき、水溶液中でも安定であり、有用性に優れている。更に、この式(Ia-2)の化合物は、グルコセレブロシド合成酵素やガラクトセレブロシド合成酵素等の糖転移酵素を全く阻害しないことが判明しており、更に、β-ガラクトセレブロシダーゼを全く阻害しないので、従来報告されているβ-グルコセレブロシダーゼ阻害剤に比較し、酵素阻害活性について高い特異性を有する阻害剤である。
【0017】
第1の本発明の新規アンヒドロデオキシイノシトールは、グリコシダーゼ阻害活性に関連する種々の生化学的相互作用に影響を及ぼすと考えられる系の研究に有用であり、そして新規薬剤、化粧料の開発、例えば抗ウイルス剤、神経機能改善剤(抗痴呆剤など)、糖尿病などの糖代謝関連の疾病治療剤、免疫アジュバント等の免疫系を制御する薬剤などに応用されうる。
【0018】
第2の本発明による阻害剤においては、有効成分としてのアンヒドロデオキシイノシトールは、担体、賦形剤、その他の添加物と共に混和されて、経口又は経皮的に又は非経口的に投与する組成物の形で製剤とすることができる。あるいは化粧料として使用できる。経口用製剤としては、散剤、顆粒剤、カプセル剤、錠剤などの固形製剤; シロップ剤、エリキシル剤、乳剤等の液状製剤をあげることができる。非経口用の製剤としては、注射剤、直腸投与剤、ペッサリー、皮膚外用剤、吸入剤、エアゾール剤、点眼剤などをあげることができる。化粧料としては、乳化化粧料、クリーム、化粧乳液、化粧水、油性化粧料、口紅、ファウンデーション、皮膚洗浄剤、ヘアートニック、整髪剤、養毛剤、育毛剤等をあげることができる。
【0019】
本発明によるアンヒドロデオキシイノシトールの投与量は、患者の年齢、健康状態、体重等に応じて適宜決定でき、後述の酵素阻害活性に対するIC50値等から当業者が容易に決定できる。
【0020】
次に、第1の本発明による前記の式( Ia-1 )の 1,2- アンヒドロ -6- デオキシイノシトールの一例の製造法について説明する。式( Ia-1 )の 1,2- アンヒドロ -6-デオキシイノシトールのうち、前記の式 (Ia-2) で表される1L-(1,2,4/3,5)-1,2-アンヒドロ-1,2,3,4,5-シクロヘキサンペントールの製造用の出発化合物としての、既知の化合物である (-)-ピボ-クエルシトール、すなわち次式 (II)
で表される1L-(1,2,4/3,5)-1,2,3,4,5-シクロヘキサンペントールは、安価に入手できるミオ-イノシトールを出発原料として微生物による生物変換により製造できる(特願平9-169235号)。
【0021】
本発明者は、前記の式(II)の(-)-ピボ-クエルシトールから出発して式(Ia-2) の1L-(1,2,4/3,5)-1,2-アンヒドロ-1,2,3,4,5-シクロヘキサンペントールを製造できる方法について種々研究した。その結果、先づ、式 (II) の化合物を塩基性有機溶媒、好ましくはピリジン、α-ピコリン、γ-ピコリン、ピペリジンに溶解し、その溶液中で-20℃〜20℃の反応温度で式(II)の化合物の1当量あたり4〜 5当量のカルボン酸の反応性誘導体、例えば塩化アセチル、塩化ベンゾイル、塩化p-ニトロベンゾイルまたは塩化ナフトイルを1時間またはそれ以上反応させると、式(II)の化合物の1位水酸基をアシル化することなく、式(II)の化合物のエカトリアル配座の2位、3位、4位および5位の水酸基を選択的にアセチル基、ベンゾイル基またはナフチル基、等でアシル化することができ、かくして式(II)の化合物の5個のうちの4個の水酸基を前記のアシル基型のヒドロキシル保護基で保護できることが知見された。
【0022】
こうして得られた1L-(1,3/2,4,5)-1,2,3,4-テトラ-O-アシル-1,2,3,4,5-シクロヘキサンペントールを、次いで後述される一連の反応工程にかけることによって、所期の式(Ia-2)の化合物を好収率で製造することに成功した。
【0023】
従って、第3の本発明においては、 (-)-ピボ-クエルシトール、すなわち次式 (II)
で表される1L-(1,2,4/3,5)-1,2,3,4,5-シクロヘキサンペントールの2位、3位、4位および5位のエカトリアル配座の水酸基を、アセチル基、ベンゾイル基、p-ニトロベンゾイル基またはナフトイル基である水酸基のアシル基型保護基により選択的に保護して式 (III)
〔式中、Raはアセチル基、ベンゾイル基、p-ニトロベンゾイル基またはナフトイル基である水酸基のアシル基型保護基を示す〕で表される1L-(1,3/2,4,5)-1,2,3,4-テトラ-O-アシル保護-1,2,3,4,5-シクロヘキサンペントールを生成し、次いで式 (III) の化合物の5位水酸基を塩素または臭素原子で直接置換して次式 (IV)
〔式中、Raは前記の意味をもち、Rb は塩素又は臭素原子である〕で表される1L-(1,3,5/2,4)-1,2,3,4-テトラ-O-アシル保護-5-ハロ-1,2,3,4-シクロヘキサンテトロールを生成し、次いで式 (IV) の化合物から水酸基のアシル基型保護基Raを脱アシル化反応により脱離して次式 (V)
〔式中、Rbは前記の意味をもつ〕で表される1L-(1,3,5/2,4)-5-ハロ-1,2,3,4-シクロヘキサンテトロールを生成し、さらに式 (V) の化合物を、無水の有機溶媒中でアルカリ金属の低級アルコキシドあるいは強塩基性イオン交換樹脂で処理することにより分子内アンヒドロ化反応にかけることから成る、次式 (Ia-2)
の1L-(1,2,4/3,5)-1,2-アンヒドロ-1,2,3,4,5-シクロヘキサンペントールの製造法が提供される。
【0024】
第3の本発明による方法において、式(II)の出発化合物から式 (III) のテト ラ-O-保護化合物を生成する反応工程は次のように行う。すなわち、式(II)の化合物を、ピリジン、α-ピコリン、γ-ピコリン、ピペリジン等の塩基性有機溶媒に溶解し、得られた溶液中で-20℃〜20℃にてアシル基型のヒドロキシル保護基 Raを有するヒドロキシル保護基導入剤であるカルボン酸の反応性誘導体、例え ば、塩化アセチル、塩化ベンゾイル、塩化p-ニトロベンゾイルまたは塩化ナフトイルあるいはこれらに均等なカルボン酸ハロゲン化物を4当量またはそれ以上( 望ましくは4当量〜5当量、更に望ましくは4当量) の割合で加え、1時間〜4日間攪拌、反応させる。これによって、式(II)の化合物のエカトリアル配座の水酸基の水素原子がアシル基型のヒドロキシル保護基Raと置換される。得られた 式(III)の生成物をクロマトグラフィーで分離するか、あるいは反応液のまま次 の工程に進む。
【0025】
さらに、得られた式(III)の化合物から式(IV)の化合物を生成する反応工程を 行う。すなわち、式(III)の化合物を、ピリジン、α-ピコリン、γ-ピコリン、 ピペリジン等の塩基性有機溶媒に溶解し、その溶液中で式(III)の化合物の5位 水酸基をハロゲン原子(Rb)へ置換させる。このためには塩素化では、塩化スル フリル(SO2Cl2)を加え、室温で1時間〜3時間攪拌、反応させて、水酸基を塩 素原子に置換する。その他、5位の遊離の水酸基をスルホニルオキシル基に変換し、クロライドイオンで求核置換してクロロ基を導入する方法あるいはトリフェニルホスフィンと四塩化炭素を用いた直接置換法なども利用できる。得られた式(IV)の生成物は適当な有機溶媒で反応液から抽出後、クロマトグラフィーで分離するか、あるいはそのまま濃縮乾固すると式 (IV) の化合物を得る。
【0026】
なお、上記では、式(III)の化合物の5位水酸基を塩素化してクロロ基に置換 する場合の例を説明したが、ブロモ基、ヨード基またはフルオロ基に置換する場合には、それに適するハロゲン化剤を常法で反応させることができる。
【0027】
さらに、式(IV)の化合物から式(V)の化合物を生成する反応工程は次のように 行う。すなわち、式(IV)の化合物を適当な有機溶媒に溶解し、その溶液中でアルカリ金属アルコキシド、例えばナトリウムメトキシド等で脱アシル化して脱保護化反応にかける。
【0028】
具体的には、式(IV)の化合物をメタノール等の低級アルコールあるいはクロロフォルムあるいはそれらの混液等に溶解し、ナトリウムメトキシド等の脱保護化剤を触媒量(望ましくは1当量程度)で加え、1時間〜24時間(望ましくは6時間 〜12時間) 攪拌、反応させる。反応液を中和後に濃縮して残渣をクロマトグラフィーで精製し、式(V)の化合物を得る。
【0029】
さらに、最終の反応工程として、式(V)の化合物から目的の式(Ia-2)の化合物 を得るためには、式(V)の化合物をメタノール中でアルカリ金属アルコキシド、 例えば過剰のナトリウムメトキシドあるいは強塩基性イオン交換樹脂、例えばアンバーライトIRA400 (OH-型) 等を作用させ、化合物(V)を分子内アンヒドロ化にかけることにより、式(Ia-2)の化合物が得られる。
【0030】
【発明の実施の形態】
さらに、本発明を後記の試験例および実施例について具体的に説明する。
試験例1
本例は、前記の式(Ia-2)の 1L-(1,2,4/3,5)-1,2-アンヒドロ-1,2,3,4,5-シクロヘキサンペントールがβ-グルコセレブロシダーゼに対して酵素阻害活性を有 するがβ-ガラクトセレブロシダーゼに対する阻害効果がなくて、酵素阻害活性 についてすぐれた特異性を有することを例証する試験例を示すものである。
【0031】
すなわち、後記の実施例1で合成した式(Ia-2)の 1L-(1,2,4/3,5)-1,2-アンヒドロ-1,2,3,4,5-シクロヘキサンペントールがβ-グルコセレブロシダーゼおよびβ-ガラクトセレブロシダーゼに対して有する阻害効果を、蛍光標識した天然基 質である12-[N-メチル-N-(7-ニトロ-2-オキサ-1,3-ジアキソール-4-イル)]アミ ノドデカン酸(NBD)-グルコセレブロシドまたは NBD-ガラクトセレブロシドを用 いて試験した。この試験に当って、β-グルコセレブロシダーゼ活性の測定は、 Grabowskiらの方法(「Clin. Chim. Acta」、1241巻、123〜135頁、1982)に従って、マウス肝のミクロゾームを酵素源として用いて行った。また、β-ガラクトセレ ブロシダーゼ活性の測定は、Raghavanらの方法(「Biochim. Biophys. Acta」、877巻、1〜8頁, 1986) に従い、マウス肝のミクロゾームを酵素源として用いて行った。
【0032】
基質は各々の活性阻害試験において、上記酵素に対して大過剰の一定量として用いた。式(Ia-2) の1L-(1,2,4/3,5)-1,2-アンヒドロ-1,2,3,4,5-シクロヘキサンペントールは10μMの濃度でβ-グルコセレブロシダーゼまたはβ-ガラクトセ レブロシダーゼに作用させた。
【0033】
酵素活性阻害率(%)は以下の計算式により求めた。
阻害率(%)=(1-阻害剤の存在下での酵素活性/阻害剤の非存在下での酵 素活性)×100
また、上記の試験と同じ条件下で、本発明による式(Ia-2)の 1,2-アンヒドロ-6-デオキシイノシトールに類似する構造をもつコンドゥリトール B エポキシド を比較薬剤として用い、これの阻害効果を調べて比較した。
【0034】
さらに、酵素阻害剤としての供試化合物の添加濃度を種々変化して上記の試験を行い、それによって、供試化合物が酵素活性を50%阻害するのに要する該化合物の濃度、すなわちIC50値を測定した。得られた試験結果を次の表1に示す。表 1では、式(Ia-2) の1L-(1,2,4/3,5)-1,2-アンヒドロ-1,2,3,4,5-シクロヘキサンペントールを「化合物(1)」として表示し、また比較薬剤のコンドゥリトール B エポキシドを「化合物(C)」と表示する。
【0035】
【0036】
表1の結果から明らかなように、本発明による式 (Ia-2) の化合物、すなわち表1の化合物(1) は10μMの濃度でβ-グルコセレブロシダーゼを強力かつ特異的に阻害でき、またそのIC50値が約1μMであった。他方、化合物(1) はβ-ガラクトセレブロシダーゼに対して酵素阻害活性を殆んど示さなかった。比較の化合物(C) はβ-グルコセレブロシダーゼに対する阻害活性が低い。表1から、本発明 による式(Ia-2) の1,2-アンヒドロ-6-デオキシイノシトールは、β-グルコセレブロシダーゼに対して化合物(C)すなわちコンドゥリトール B エポキシドの約10倍強い阻害効果を示すことが認められる。
【0037】
実施例1
本例は、本発明による式(Ia-2)の1L-(1,2,4/3,5)-1,2-アンヒドロ-1,2,3,4,5-シクロヘキサンペントールの合成例を示す。
(1-1): 式 (III-1) の1L-(1,3/2,4,5)-1,2,3,4-テトラ-O-ベンゾイル-1,2,3,4,5-シクロヘキサンペントールの合成
(式中、Bzはベンゾイル基を示す)。
【0038】
前記の式(II)の 1L-(1,2,4/3,5)-1,2,3,4,5-シクロヘキサンペントール (106 mg、0.646 mmol)をピリジン(3 ml)に溶解し、得られた溶液に0℃にて塩化ベンゾイル(0.3 ml、2.584 mmol) を加えた。そのまま反応混合物を1時間攪拌の後、室温にて1.5日間攪拌した。その後に更に塩化ベンゾイル(0.15 ml、1.292 mmol)を加え、室温に一晩攪拌した。反応液を減圧下に濃縮乾固した。残渣として得た生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(和光純薬Silca gel C-300、8 g; 溶出溶媒 ; 酢酸エチル-ヘキサン=1:3) にて精製し、上記の式(III-1)の 化合物(225 mg、収率60%)を得た。この化合物の物性は以下のとおりである。
【0039】
[α]D 29=−31.3°(c 0.89, CHCl3)
1H-NMR (300MHz、CDCl3):
δ:1.99(ddd, 1H, H-6eq)、2.73(dt, 1H, H-6ax)、4.56(m, 1H, H-5)、
5.43(dd, 1H, J4, 5=2.69Hz, J3, 4=10.01Hz, H-4)、
5.82-5.89(m、2H、H-1及びH-2)、
6.26(t, 1H, J2, 3=J3, 4=9.77Hz, H-3)、
7.25-7.99(m, 20H, 4Bz)
分子式:C34H28O9
元素分析(分子量の計算値580.591):
計算値:C, 70.34; H, 4.86; O, 24.80%
実験値:C, 71.45; H, 4.75; O, 23.80%
【0040】
(1-2): 式(IV-1) の1L-(1,3,5/2,4)-1,2,3,4-テトラ-O-ベンゾイル-5-クロロ-1,2,3,4-シクロヘキサンテトロールの合成
(式中、Bzはベンゾイル基を示す)。
【0041】
前記(1-1) で得た式(III-1) の化合物(45 mg、0.078 mmol) をピリジン (1.5 ml)に溶解し、得られた溶液に0℃にて塩化スルフリル (0.013 ml、0.156 mmol)を加え、室温にて1.5時間攪拌した。反応液から式 (IV-1) の生成物をクロロフ ォルムで抽出後、抽出液を減圧下に濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (片山化学Silica gel KO-60、2.2g; 溶出溶媒: 酢酸エチル-ヘキサン=1:4) にて精製し、式 (IV-1) の化合物 (44 mg、収率95%) を得た。この化合物の物性は以下のとおりである。
【0042】
[α]D 27=−90.2°(c 0.91, CHCl3)
1H-NMR (300MHz、CDCl3):
δ:2.28(q, 1H, J1, 6ax=J5, 6ax=11.96Hz, H-6ax)、
2.98(dt, 1H, J1, 6eq=J5, 6eq=4.64Hz, H-6eq)、4.30(m, 1H, H-5)、
5.39(ddd, 1H, J1, 6ax=11.47Hz, J1, 6=4.64Hz, H-1)、
5.75-6.08(m, 3H, H-2及びH-3及びH-4)、7.25-8.02(m, 20H, 4Bz)
分子式: C34H27O8Cl
元素分析(分子量の計算値599.036):
計算値: C, 68.17; H, 4.54; O, 21.37; Cl, 5.92%
実験値: C, 67.75; H, 4.65; O, 21.80; Cl, 5.80%
【0043】
(1-3): 式 (V-1) の1L-(1,3,5/2,4)-5-クロロ-1,2,3,4-シクロヘキサンテトロールの合成
前記(1-2)で得た式(IV-1)の化合物(62 mg、0.104 mmol)をメタノール-クロロ フォルム(1:1 混液(2 ml)に溶解し、得られた溶液にナトリウムメトキシド(5.6mg、0.104 mmol)を加え、室温にて一晩攪拌した。得られた反応液には、生成さ れた上記の式(V-1)の化合物が含有されることがHPLCにより確認できた。
【0044】
(1-4): 式 (Ia-2) の1L-(1,2,4/3,5)-1,2-アンヒドロ-1,2,3,4,5-シクロヘキサ ンペントールの生成
前記(1-3)で得られて式(V-1)の化合物を含有する反応液に対して、更にナトリウムメトキシド(11.2 mg、0.208 mmol)を加え、室温にて5時間攪拌した。反応終了後、反応液を1M塩酸にて中和後、濃縮乾固した。残渣として得られた式(Ia-2)の生成物を、強酸性陽イオン交換樹脂デュオライトC-20 (H+型、ローム・アンドハース社製)および強塩基性陰イオン交換樹脂デュオライトA-113 (OH-型、ローム・アンド・ハース社製)にて順次に精製し、式(Ia-2)の目的化合物(10.3 mg、収率68%) を得た。この化合物の物性は以下のとおりである。
【0045】
[α]D 30=−10.6°(c 0.31, MeOH)
1H-NMR (300MHz、CD3OD):
δ:1.73(ddd,1H, J1, 6ax=1.47Hz, J5, 6ax=10.26Hz, H-6ax)、
2.45(ddd, 1H, J1, 6eq=2.20Hz, J5, 6eq=5.10Hz,H-6eq)、
2.98(d, 1H, J1, 2=3.66Hz, H-2)、
3.12(dd, 1H, J3, 4=8.06Hz, J4, 5=9.89Hz, H-4)、
3.25(m, 1H, H-1)、
3.38(ddd, 1H, J5, 6eq=5.13Hz, J5, 6ax=10.26Hz, H-5)、
3.36(d, 1H, J3, 4=8.06Hz, H-3)
分子式: C6H10O4
元素分析(分子量の計算値146.143):
計算値: C, 49.31 : H, 6.90 ; O, 43.79%
実験値: C, 49.56 ; H, 6.83 ; O, 43.61%
【0046】
【発明の効果】
本発明による新規なアンヒドロデオキシイノシトールは、グリコシダーゼ、特にβ-グルコセレブロシダーゼを強力に阻害し、かつ安価に製造でき、水溶液中 でも安定であり、有用性に優れている。更に、本化合物は、グルコセレブロシド合成酵素やガラクトセレブロシド合成酵素等の糖転移酵素を実質的に阻害しないことが判明しており、また、β-ガラクトセレブロシダーゼ活性を全く阻害しな いので、従来既知のβ-グルコセレブロシダーゼ阻害剤に比較し、高い特異性を 有するグリコシダーゼ阻害剤として有用である。
Claims (6)
- 請求項 1 に記載の式( Ia-1 )の 1,2- アンヒドロ -6- デオキシイノシトールを有効成分とするグリコシダーゼ阻害剤。
- 請求項3に記載のグリコシダーゼ阻害剤がグリコセレブロシダーゼ阻害剤である請求項3に記載のグリコシダーゼ阻害剤。
- (-)- ピボ - クエルシトール、すなわち次式 (II)
で表される 1L-(1,2,4/3,5)-1,2,3,4,5- シクロヘキサンペントールの 2 位、 3 位、 4 位および 5 位のエカトリアル配座の水酸基を、アセチル基、ベンゾイル基、 p- ニトロベンゾイル基 またはナフトイル基である水酸基のアシル基型保護基により選択的に保護して次式 (III)
〔式中、 R a はアセチル基、ベンゾイル基、 p- ニトロベンゾイル基またはナフトイル基である水酸基のアシル基型保護基を示す〕で表される 1L-(1,3/2,4,5)-1,2,3,4,- テトラ -O- アシル保護 -1,2,3,4,5- シクロヘキサンペントールを生成し、次いで式 (III) の化合物の 5 位水酸基を塩素または臭素原子で直接置換して次式 (IV)
〔式中、 R a は前記の意味をもち、 R b は塩素又は臭素原子を示す〕で表される 1L-(1,3,5/2,4)-1,2,3,4,- テトラ -O- アシル保護 -5- ハロ -1,2,3,4- シクロヘキサンテトロールを生成し、次いで式 (IV) の化合物から水酸基のアシル基型保護基 R a を脱アシル化反応により脱保護して次式 (V)
〔式中、 R b は前記の意味をもつ〕で表される 1L-(1,3,5/2,4)-5- ハロ -1,2,3,4- シクロヘキサンテトロールを生成し、さらに式 (V) の化合物を、無水の有機溶媒中でアルカリ金属の低級アルコキシドあるいは強塩基性イオン交換樹脂で処理することにより分子内アンヒドロ化反応にかけることから成る、次式 (Ia-2)
の 1L-(1,2,4/3,5)-1,2- アンヒドロ -1,2,3,4,5- シクロヘキサンペントールの製造法。
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