JP4247536B2 - 高力アルミニウム合金製品の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、高力アルミニウム合金製品の製造方法に関する。本発明は特に、高力アルミニウム合金製品を半凝固金属もしくは半溶融金属を用いて成形することにより製造する方法に関する。
現在、自動車部品や二輪自動車部品の重要保安部品としては、高い強度を示すなどの観点から一般に鉄製部品が用いられている。ただし、近年では、自動車部品や二輪自動車部品の軽量化を意図して、アルミニウム合金製品も使用されるようになっている。ただし、アルミニウム合金製品であっても、上記の目的で使用される場合には、高い強度が要求されるため、これまで使用されているアルミニウム合金製品は、鍛造加工した製品である。
しかしながら、鍛造加工によるアルミニウム合金製品の製造には、手間が係り、また鍛造加工用の金属素材が高価であるという欠点がある。このため、製造工程が短縮でき、コスト的にも有利な鋳造法によるアルミニウム合金製品の製造方法の開発が望まれるが、これまでに知られている鋳造法を利用してアルミニウム合金製品を製造した場合、その強度や靱性が充分高くならないという問題がある。
高強度を示すアルミニウム合金製品を製造するためにはアルミニウム合金材料としては、高強度製品の製造に適した展伸用合金として知られている7000系アルミニウム合金(Al−Zn−Mg−Cu)を用いることが考えられる。しかしながら、このようなアルミニウム合金材料を用いても、スクイズ鋳造法などの従来よりアルミニウム製品の鋳造用として一般的に知られている方法で鋳造する限り、製品表面の肉厚変動部には熱間割れが発生しやすく、また製品内部に粗大な成分偏析が発生する傾向があるため、充分な機械的特性を持つ製品になりにくい。
近年、アルミニウムもしくはその合金を半溶融成形法もしくは半凝固成形法により成形して成形体を得る技術が開発され、さまざまな用途での利用が広がりつつある。非特許文献1には、チキソキャスト成形法により代表される半溶融成形法、そしてレオキャスト成形法あるいはニューレオキャスト成形法によって代表される半凝固成形法が説明されている。また、これらの半溶融成形法もしくは半凝固成形法は共に、金属を一旦、固液共存状態にして、この固液共存状態にて加圧成形することが特徴であって、成形サイクルが短く、金属組織が均一の成形体が得られやすいなどの利点があることが記載されている。
非特許文献2には、各種のアルミニウム合金製品をニューレオキャスト法で成形する場合の利点について、従来の鋳造法であるスクイズ法で成形する場合と比較した記載がある。すなわち、7075系合金のスクイズ材においては偏析が発生し、伸びが低いのに対して、半凝固状態で成形するレオキャスト材においては高い伸びが見られた。ただし、このレオキャスト的性質は、最高の強度が得られるT6処理で得られたものであって、応力腐食特性には考慮されていない。
「最新のレオキャストマシン」、軽金属、第31巻、第10号(2001)、568−574頁 「宇部レオキャスト法の特徴」、(98日本ダイカスト会議論文集、社団法人 日本ダイカスト協会1998年10月31日発行)
本発明は、半凝固法あるいは半溶融法により得られた半凝固状態の金属を用いて、鋳造法、鍛造法、あるいは押出法のいずれかの加圧成形方法により得られた成形体に特殊な熱処理を加えることにより、高強度のアルミニウム合金製品、特に、高強度で、かつ応力腐食環境下での機械的特性の低下が少ないアルミニウム合金製品を得ることを可能になるとの本願発明の発明者の新規な知見に基づくものである。
本発明は、合金全体量に対して、Cuを0.005〜3.0質量%、Znを3.0〜9.0質量%そしてMgを0.5〜3.7質量%、及び不可避的に混入する微量の異種金属成分を含有し、残余はアルミニウムよりなるアルミニウム合金を半凝固成形法もしくは半溶融成形法により加圧成形して得た成形体を450〜500℃の範囲の温度で加熱することにより溶体化処理し、ただし加熱後の室温までの冷却処理を行なうことなく、次いで該溶体化処理品を150〜200℃の範囲の温度5分間以上、かつXを保持温度(単位:℃)そしてYを保持時間(単位:時間)とした場合に、Y=2×10 6 /e 0.0798X で表わされる時間以上で、かつ10Y以内とする処理時間にて保持することを特徴とする高力アルミニウム合金製品の製造方法にある。
本発明の好ましい態様は次の通りである。
)アルミニウム合金を半凝固状態もしくは半溶融状態にした時点での液相率が20〜90質量%(鋳造法の場合)、あるいは0.1〜90質量%(鍛造法あるいは押出法の場合)である。好ましくは、いずれの場合でも、40〜60質量%である。
)アルミニウム合金がさらに、合金全体量に対して、Mnを0.05〜0.70質量%含有する。
)アルミニウム合金がさらに、合金全体量に対して、Crを0.05〜0.30質量%含有する。
)アルミニウム合金がさらに、合金全体量に対して、Tiを0.05〜0.20質量%含有する。
)アルミニウム合金がさらに、合金全体量に対して、Zrを0.05〜0.20質量%含有する。
本発明のアルミニウム合金製品の製造方法を利用することにより、高強度のアルミニウム合金、特に、高強度で、かつ応力腐食環境下での機械的特性の低下が少ないアルミニウム合金を得ることを可能となる。
本発明のアルミニウム合金製品の製造方法で用いるアルミニウム合金材料は、通常7000系アルミニウム合金と呼ばれているAl−Zn−Mg−Cu系合金であり、具体的には、Cuを0.005〜3.0質量%、Znを3.0〜9.0質量%そしてMgを0.5〜3.7質量%を含有するアルミニウム合金である。このような合金材料の代表例としては、JISにて7075系アルミニウム合金して規定されている合金材料がある。
本発明で原料として用いるAl−Zn−Mg−Cu系合金材料は、その特性の障害とならない限り、少量の他の金属成分を含んでいてもよい。それらの金属成分の例としては、Mn(0.05〜0.70質量%)、Cr(.05〜0.30質量%)Ti(.05〜0.20質量%)、そしてZr(0.05〜0.20質量%)を挙げることができる。これらの補助的な金属成分は単独で、あるいは組合せてアルミニウム合金材料に添加できる。なお、アルミニウム合金材料としては、不可避的に混入する微量の鉄などの異種金属成分を含んでいてもよい。
本発明の高力アルミニウム合金製品の製造方法では、上記のAl−Zn−Mg−Cu系合金材料を、半凝固成形法もしくは半溶融成形法により加圧成形して得た成形体を用いる。この加圧成形に供する半凝固品あるいは半溶融品の液相含有率は、鋳造法に利用する場合では20〜90質量%であることが好ましく、また鍛造法あるいは押出法に用いる場合は、0.1〜90質量%であることが好ましい。いずれの場合でも、40〜60質量%であることが特に好ましい。
半凝固成形法もしくは半溶融成形法を利用するアルミニウム合金製品の製造方法は、前述のように、既に公知であるので、詳しい説明は省略する。
半凝固成形法もしくは半溶融成形法により成形して得た成形体は通常の鋳造品の処理と同様に、一旦、室温の水に接触させて瞬間的に室温近くの温度まで冷却している。本発明は、この室温までの冷却処理を行なうことなく、一旦、450〜500℃で溶体化処理し、この溶体化処理品を次いで、150〜200℃の温度範囲に下げて、その後5分間以上、その範囲の温度に保持する処理(時効処理)を行なうことを特徴とする。すなわち、溶体化処理品を室温あるいはその付近の温度にまで下げることなく、上記の時効処理を行なうことを特徴とする。なお、この時効処理の間、時効温度は、上記の所定の温度範囲内であれば変動させてもよい。また、この時効処理時間は、時効処理温度によって依存し、最適な時効処理時間は変動するが、5分以上である必要があり、10分以上であることが好ましく、さらに30分以上であることが好ましい。時効処理時間に特段の上限はないが、過度に長時間の時効処理は、本発明のアルミニウム合金製品の製造方法の工業的な実施に不利となるため、通常は、48時間以内で行なうことが好ましい。
また、上記のように、好ましい時効処理時間は時効処理温度に依存しており、その時効処理時間としては、Xを保持温度(単位:℃)、そしてYを保持時間(単位:時間)とした場合に、Y=2×106/e0.0798Xで表わされる時間以上であることが好ましい。この、Y=2×106/e0.0798Xで表わされる保持温度(時効温度)と保持時間(時効時間)との関係を図1にグラフとして示す。温度時効処理時間は、10Y以内とすることが好ましい。
上記の時効処理は、たとえば、溶体化処理品を、所定の温度に調整した加熱炉内もしくは油浴内に所定時間保持することにより行なうことができる。
[実施例1]
(1) Cu(1.60質量%)、Zn(5.60質量%)、Mg(2.60質量%)そしてTi(0.11質量%)を含有するアルミニウム合金材料を公知の方法に従って、半凝固成形法にて、低温注湯法により成形された液相率50質量%のアルミニウム合金半凝固体を加圧成形した。この成形体には、収縮巣の発生は見られず、また熱間割れも発生していなかった。
(2)上記の成形体について、450℃、14時間の溶体化処理行ない、次いで、この溶体化処理品を160℃に温度調製した油浴に投入し、その後、その温度にて24時間保持して時効処理を行なった。この時効処理を施したアルミニウム合金製品について、空気中および食塩水環境下(試料片が3.5質量%の食塩水が接触した状態)での機械的性質(引張強度と伸び)を測定した。その測定結果を表1に示す。なお、表1には、応力腐食感受性指数(=SCC感受性指数=[空気中での伸び−応力腐食環境下での伸び]/[空気中での伸び])も記載した。なお、応力腐食感受性指数(SCC感受性指数)は、0に近い方が好ましく、1もしくは1付近の数値を示す成形体は、実用上において問題が発生する。
[比較例1]
実施例1と同じ条件で、アルミニウム合金成形体(半凝固体の液相率:50質量%)を得た。この成形体には、収縮巣の発生は見られず、また熱間割れも発生していなかった。
このアルミニウム合金成形体について、実施例1と同じ条件で溶体化処理を行なった後、溶体化処理品を20℃の水に投入して冷却し、ついで120℃で24時間の時効処理を行なった。この時効処理を施したアルミニウム合金製品について、実施例1と同じ条件にて、空気中および食塩水環境下での機械的性質(引張強度と伸び)を測定した。その測定結果を表1に示す。表1には、応力腐食感受性指数も記載した。
[実施例2]
アルミニウム合金材料に含まれる異種金属成分の組成を、Cu(1.60質量%)、Zn(5.60質量%)、そしてMg(2.60質量%)とした以外は実施例1と同じ条件で、アルミニウム合金成形体(半凝固体の液相率50:質量%)を得た。この成形体には、収縮巣の発生は見られず、また熱間割れも発生していなかった。
このアルミニウム合金成形体について、実施例1と同じ条件で溶体化処理と時効処理を行なった。この時効処理を施したアルミニウム合金製品について、実施例1と同じ条件にて、空気中および食塩水環境下での機械的性質(引張強度と伸び)を測定した。その測定結果を表1に示す。表1には、応力腐食感受性指数も記載した。
[比較例2]
実施例2と同じ条件で、アルミニウム合金成形体(半凝固体の液相率:50質量%)を得た。この成形体には、収縮巣の発生は見られず、また熱間割れも発生していなかった。
このアルミニウム合金成形体について、実施例2と同じ条件で溶体化処理を行なった後、溶体化処理品を20℃の水に投入して冷却し、ついで120℃で24時間の時効処理を行なった。この時効処理を施したアルミニウム合金製品について、実施例1と同じ条件にて、空気中および食塩水環境下での機械的性質(引張強度と伸び)を測定した。その測定結果を表1に示す。表1には、応力腐食感受性指数も記載した。
[実施例3]
実施例2と同じ条件で、アルミニウム合金成形体(半凝固体の液相率:50質量%)を得た。この成形体には、収縮巣の発生は見られず、また熱間割れも発生していなかった。
このアルミニウム合金成形体について、実施例1と同じ条件で溶体化処理を行なった後、溶体化処理品を170℃の油浴に投入して冷却し、ついで170℃で6時間の時効処理を行なった。この時効処理を施したアルミニウム合金製品について、実施例1と同じ条件にて、空気中および食塩水環境下での機械的性質(引張強度と伸び)を測定した。その測定結果を表1に示す。表1には、応力腐食感受性指数も記載した。
[実施例4]
実施例2と同じ条件で、アルミニウム合金成形体(半凝固体の液相率:50質量%)を得た。この成形体には、収縮巣の発生は見られず、また熱間割れも発生していなかった。
このアルミニウム合金成形体について、実施例1と同じ条件で溶体化処理を行なった後、溶体化処理品を200℃の油浴に投入して冷却し、ついで200℃で0.2時間の時効処理を行なった。この時効処理を施したアルミニウム合金製品について、実施例1と同じ条件にて、空気中および食塩水環境下での機械的性質(引張強度と伸び)を測定した。その測定結果を表1に示す。表1には、応力腐食感受性指数も記載した。
[実施例5]
アルミニウム合金材料に含まれる異種金属成分の組成を、Cu(1.60質量%)、Zn(5.50質量%)、Mg(2.50質量%)、Ti(0.10質量%)、そしてCr(0.22質量%)とした以外は実施例1と同じ条件で、アルミニウム合金成形体(半凝固体の液相率:50質量%)を得た。この成形体には、収縮巣の発生は見られず、また熱間割れも発生していなかった。
このアルミニウム合金成形体について、実施例1と同じ条件で溶体化処理と時効処理を行なった。この時効処理を施したアルミニウム合金製品について、実施例1と同じ条件にて、空気中および食塩水環境下での機械的性質(引張強度と伸び)を測定した。その測定結果を表1に示す。表1には、応力腐食感受性指数も記載した。
[実施例6]
アルミニウム合金材料に含まれる異種金属成分の組成を、Cu(1.50質量%)、Zn(5.50質量%)、Mg(2.50質量%)、Ti(0.10質量%)、そしてZr(0.11質量%)とした以外は実施例1と同じ条件で、アルミニウム合金成形体(半凝固体の液相率:50質量%)を得た。この成形体には、収縮巣の発生は見られず、また熱間割れも発生していなかった。
このアルミニウム合金成形体について、実施例1と同じ条件で溶体化処理と時効処理を行なった。この時効処理を施したアルミニウム合金製品について、実施例1と同じ条件にて、空気中および食塩水環境下での機械的性質(引張強度と伸び)を測定した。その測定結果を表1に示す。表1には、応力腐食感受性指数も記載した。
[実施例7]
アルミニウム合金材料に含まれる異種金属成分の組成を、Cu(1.50質量%)、Zn(5.30質量%)、Mg(2.50質量%)、Ti(0.10質量%)、Zr(0.11質量%)、そしてCr(0.22質量%)とした以外は実施例1と同じ条件で、アルミニウム合金成形体(半凝固体の液相率:50質量%)を得た。この成形体には、収縮巣の発生は見られず、また熱間割れも発生していなかった。
このアルミニウム合金成形体について、実施例1と同じ条件で溶体化処理と時効処理を行なった。この時効処理を施したアルミニウム合金製品について、実施例1と同じ条件にて、空気中および食塩水環境下での機械的性質(引張強度と伸び)を測定した。その測定結果を表1に示す。表1には、応力腐食感受性指数も記載した。
[実施例8]
アルミニウム合金材料に含まれる異種金属成分の組成を、Cu(1.60質量%)、Zn(5.60質量%)、そしてMg(2.60質量%)とし、冷却振動法による半凝固成形法を利用した以外は実施例1と同じ条件で、アルミニウム合金成形体(半凝固体の液相率:50質量%)を得た。この成形体には、収縮巣の発生は見られず、また熱間割れも発生していなかった。
このアルミニウム合金成形体について、実施例1と同じ条件で溶体化処理と時効処理を行なった。この時効処理を施したアルミニウム合金製品について、実施例1と同じ条件にて、空気中および食塩水環境下での機械的性質(引張強度と伸び)を測定した。その測定結果を表1に示す。表1には、応力腐食感受性指数も記載した。
[実施例9]
アルミニウム合金材料に含まれる異種金属成分の組成を、Cu(1.60質量%)、Zn(5.60質量%)、Mg(2.60質量%)、そしてZr(0.11質量%)とし、冷却振動法による半凝固成形法を利用した以外は実施例1と同様の方法で、アルミニウム合金成形体(半凝固体の液相率:90質量%)を得た。この成形体には、収縮巣の発生は見られず、また熱間割れも発生していなかった。
このアルミニウム合金成形体について、実施例1と同じ条件で溶体化処理と時効処理を行なった。この時効処理を施したアルミニウム合金製品について、実施例1と同じ条件にて、空気中および食塩水環境下での機械的性質(引張強度と伸び)を測定した。その測定結果を表1に示す。表1には、応力腐食感受性指数も記載した。
[実施例10]
アルミニウム合金材料に含まれる異種金属成分の組成を、Cu(1.60質量%)、Zn(5.60質量%)、そしてMg(2.60質量%)とした以外は実施例1と同様の方法で、アルミニウム合金成形体(半凝固体の液相率:40質量%)を得た。この成形体には、収縮巣の発生は見られず、また熱間割れも発生していなかった。
このアルミニウム合金成形体について、実施例1と同じ条件で溶体化処理と時効処理を行なった。この時効処理を施したアルミニウム合金製品について、実施例1と同じ条件にて、空気中および食塩水環境下での機械的性質(引張強度と伸び)を測定した。その測定結果を表1に示す。表1には、応力腐食感受性指数も記載した。
[実施例11]
アルミニウム合金材料に含まれる異種金属成分の組成を、Cu(0.01質量%)、Zn(4.50質量%)、Mg(1.50質量%)、そしてMn(0.50質量%)とした以外は実施例1と同じ条件で、アルミニウム合金成形体(半凝固体の液相率:50質量%)を得た。この成形体には、収縮巣の発生は見られず、また熱間割れも発生していなかった。
このアルミニウム合金成形体について、実施例1と同じ条件で溶体化処理と時効処理を行なった。この時効処理を施したアルミニウム合金製品について、実施例1と同じ条件にて、空気中および食塩水環境下での機械的性質(引張強度と伸び)を測定した。その測定結果を表1に示す。表1には、応力腐食感受性指数も記載した。
[実施例12]
アルミニウム合金材料に含まれる異種金属成分の組成を、Cu(0.10質量%)、Zn(6.00質量%)、Mg(0.75質量%)、そしてTi(0.07質量%)とし、冷却振動法による半凝固成形法を利用した以外は実施例1と同じ条件で、アルミニウム合金成形体(半凝固体の液相率:50質量%)を得た。この成形体には、収縮巣の発生は見られず、また熱間割れも発生していなかった。
このアルミニウム合金成形体について、実施例1と同じ条件で溶体化処理と時効処理を行なった。この時効処理を施したアルミニウム合金製品について、実施例1と同じ条件にて、空気中および食塩水環境下での機械的性質(引張強度と伸び)を測定した。その測定結果を表1に示す。表1には、応力腐食感受性指数も記載した。
[実施例13]
アルミニウム合金材料に含まれる異種金属成分の組成を、Cu(2.20質量%)、Zn(6.10質量%)、Mg(2.20質量%)、そしてZr(0.12質量%)とした以外は実施例1と同様の方法で、アルミニウム合金成形体(半凝固体の液相率:50質量%)を得た。この成形体には、収縮巣の発生は見られず、また熱間割れも発生していなかった。
このアルミニウム合金成形体について、実施例1と同じ条件で溶体化処理と時効処理を行なった。この時効処理を施したアルミニウム合金製品について、実施例1と同じ条件にて、空気中および食塩水環境下での機械的性質(引張強度と伸び)を測定した。その測定結果を表1に示す。表1には、応力腐食感受性指数も記載した。
[実施例14]
実施例1と同じ条件で、アルミニウム合金成形体(半凝固体の液相率:50質量%)を得た。この成形体には、収縮巣の発生は見られず、また熱間割れも発生していなかった。
このアルミニウム合金成形体について、実施例1と同じ条件で溶体化処理を行なった後、溶体化処理品を150℃の油浴に投入して冷却し、ついで150℃で24時間の時効処理を行なった。この時効処理を施したアルミニウム合金製品について、実施例1と同じ条件にて、空気中および食塩水環境下での機械的性質(引張強度と伸び)を測定した。その測定結果を表1に示す。表1には、応力腐食感受性指数も記載した。
[実施例15]
実施例1と同じ条件で、アルミニウム合金成形体(半凝固体の液相率:50質量%)を得た。この成形体には、収縮巣の発生は見られず、また熱間割れも発生していなかった。
このアルミニウム合金成形体について、実施例1と同じ条件で溶体化処理を行なった後、溶体化処理品を200℃の油浴に投入して冷却し、ついで200℃で12時間の時効処理を行なった。この時効処理を施したアルミニウム合金製品について、実施例1と同じ条件にて、空気中および食塩水環境下での機械的性質(引張強度と伸び)を測定した。その測定結果を表1に示す。表1には、応力腐食感受性指数も記載した。



表1
────────────────────────────────────
空気中 食塩水環境下 SCC感受性
引張強度 伸び 引張強度 伸び 指数
(MPa) (%) (MPa) (%)
────────────────────────────────────
実施例1 461 12.0 445 10.6 0.11
────────────────────────────────────
比較例1 520 5.9 379 0 1
────────────────────────────────────
実施例2 465 11.0 440 10.0 0.09
────────────────────────────────────
比較例2 520 5.0 360 0 1
────────────────────────────────────
実施例3 450 12.0 430 11.0 0.08
実施例4 430 14.0 435 12.0 0.14
実施例5 439 15.0 437 16.6 0
実施例6 449 11.3 432 10.3 0.09
実施例7 439 15.3 428 15.6 0
実施例8 450 12.5 440 11.5 0.10
実施例9 465 11.7 450 11.8 0
実施例10 455 12.5 440 12.0 0.04
実施例11 395 16.0 390 16.6 0
実施例12 389 15.0 380 14.5 0.03
実施例13 448 14.0 440 13.3 0.06
実施例14 478 8.5 420 6.0 0.29
実施例15 410 16.6 406 16.0 0.04
────────────────────────────────────
注:空気中での引張強度と伸びは、試料片(ダンベル)を、大気中にて、8.3×10-5/秒の歪速度で測定し、食塩水環境下(応力腐食環境)での引張強度と伸びは、試料片(ダンベル)を3.5質量%濃度の食塩水に接触させながら、8.3×10-7/秒の歪速度で測定することにより得た。
表1に示した結果から、本発明の製造方法により製造したアルミニウム合金製品は、応力腐食環境においても、通常の大気雰囲気下と余り変わらない優れた機械的物性を示すことがわかる。
本発明における溶体化処理後の好ましい保持温度(時効温度)と保持時間(時効時間)との関係の下限を示すY=2×106/e0.0798Xのグラフである。

Claims (5)

  1. 合金全体量に対して、Cuを0.005〜3.0質量%、Znを3.0〜9.0質量%そしてMgを0.5〜3.7質量%、及び不可避的に混入する微量の異種金属成分を含有し、残余はアルミニウムよりなるアルミニウム合金を半凝固成形法もしくは半溶融成形法により加圧成形して得た成形体を450〜500℃の範囲の温度で加熱することにより溶体化処理し、ただし加熱後の室温までの冷却処理を行なうことなく、次いで該溶体化処理品を150〜200℃の範囲の温度5分間以上、かつXを保持温度(単位:℃)そしてYを保持時間(単位:時間)とした場合に、Y=2×10 6 /e 0.0798X で表わされる時間以上で、かつ10Y以内とする処理時間にて保持することを特徴とする高力アルミニウム合金製品の製造方法。
  2. アルミニウム合金がさらに、合金全体量に対して、Mnを0.05〜0.70質量%含有する請求項1に記載の高力アルミニウム合金製品の製造方法。
  3. アルミニウム合金がさらに、合金全体量に対して、Crを0.05〜0.30質量%含有する請求項1もしくは2に記載の高力アルミニウム合金製品の製造方法。
  4. アルミニウム合金がさらに、合金全体量に対して、Tiを0.05〜0.20質量%含有する請求項1乃至3のうちのいずれかの項に記載の高力アルミニウム合金製品の製造方法。
  5. アルミニウム合金がさらに、合金全体量に対して、Zrを0.05〜0.20質量%含有する請求項1乃至4のうちのいずれかの項に記載の高力アルミニウム合金製品の製造方法。
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