JP4247359B2 - 遊技機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、所定数の遊技球を一単位として遊技可能な遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
パチンコ機とスロットマシンを同一の島設備に混在させるには、遊技媒体として共用可能なのはパチンコ球であることを考慮すると、当該パチンコ球を用いてスロットマシンを遊技可能に構成すればよい。よってスロットマシンは、一のメダル(コイン)と同等の価値として遊技可能にするために、例えば5個のパチンコ球を一単位として機内に取り込むための取込装置を備える必要がある。
【0003】
ここで、従来の取込装置に関する技術の一例が特公平7−55246号公報に開示されている。取込樋の途中に備えられた取込装置は、電気的駆動手段を作動させて5個のパチンコ球を取り込んでは開放する。取り込みと開放を繰り返すことによって、5個のパチンコ球を連続的に機内に取り込むことができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし従来の取込装置ではまとめて5個を取り込んで開放するので、パチンコ球に混入していた異物(例えば小片等)をパチンコ球と同様に取り込んでしまう可能性がある。この場合にはメダルと同等のパチンコ球を取り込まずにスロット遊技が行えることになり、遊技上適切でないという問題があった。本発明はこのような点に鑑みてなしたものであり、所定数のパチンコ球を正確に検出して機内に取り込む取込装置を備えた遊技機を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段1】
課題を解決するための手段1は、請求項1に記載した通りである。ここで請求項1に記載した用語の「遊技球を検出したことを条件として」は、検出とほぼ同時に限らず、検出してから一定期間(あるいは不定期間)を経過した後を含む。当該解釈は他の請求項および発明の詳細な説明についても同様である。
【0006】
当該手段1によれば、取込装置は、流入通路に連通する収容口から収容された遊技球を所定数に区切って収容可能な収容部を複数個備えると共に、該収容部に収容された所定数の遊技球を収容した状態で回転する回転体と、該回転体を回転駆動するモータと、前記収容口から前記収容部に収容した各遊技球の存在を検出可能な所定数の第1検出器と、前記収容口の直前位置の収容部に遊技球が存在するか否かを検出可能な第2検出器と、前記モータを回転制御する回転制御部と、を備え、前記回転制御部は、前記第2検出器による検出結果を受けて収容前に遊技球が存在しないこと及び前記所定数の第1検出器が各遊技球を検出したことを条件として前記回転体を回転させて一の収容部が前記流入通路と一致したときに前記収容口から当該一の収容部に所定個数の遊技球を収容し、収容した遊技球を前記一の収容部に保留したまま回転し、当該一の収容部が前記取込通路と一致したときに保留した遊技球を当該取込通路に排出する制御を行うことを特徴とする。収容部に収容した後に、個々の遊技球に対応して所定数の第1検出器が検出する。第1検出器は遊技球における所定部位(例えば縁や中心等)を検出するが、二以上の相異なる部位を検出可能に構成すると遊技球か否かの判別能力が向上する。異物が混入していた場合には第1検出器が遊技球として検出できないので、異物を発見し得る。一以上の第1検出器が遊技球を検出できない場合は、遊技球が収容部を移動する途中で固着して留まっている可能性がある。こうした場合に回転制御部は回転体を回転させないので、所定数の遊技球を正確に検出して機内に取り込むことができる。
【0007】
また、当該手段1において、請求項1に記載した用語の「前記収容口の直前位置の収容部」とは、排出位置から遊技球を排出した直後から収容位置で新たに遊技球を収容する直前までの期間内のうちで一定(または不定)の時期や期間を意味する。当該解釈は他の請求項および発明の詳細な説明についても同様である。
【0008】
当該手段1によれば、収容口の直前位置の収容部に遊技球が存在していたときは、遊技球の固着や不正行為による接着等が考えられるため、新たに収容可能な遊技球は所定数より少なくなる。回転制御部は収容前に遊技球が存在しないことを確認したうえで回転体を回転させるので、所定数の遊技球をより正確に検出して機内に取り込むことができる。
【0009】
【課題を解決するための手段2】
課題を解決するための手段2は、請求項2に記載した通りである。当該手段2によれば、所定数の第1検出器は、流入通路から収容部に収容する際に通過する遊技球をそれぞれ検出し、回転制御部は所定数の第1検出器についてそれぞれ検出した検出回数が異なることを条件として回転体を回転させる。所定数の第1検出器は収容後の遊技球に対応する位置に備えているので、収容する際に通過する遊技球を検出する検出回数は入口側から順番に少なくなり、異なる。言い換えれば、一番目に収容した遊技球は全部の第1検出器に検出され、二番目に収容した遊技球は(所定数−1)の第1検出器に検出され、…、最後に収容した遊技球は一の第1検出器にのみ検出されることになるので、順番に収容したことが分かる。したがって、所定数の遊技球をより正確に検出して機内に取り込むことができる。
【0010】
【課題を解決するための手段3】
課題を解決するための手段3は、請求項3に記載した通りである。当該手段3によれば、収容口を通過する遊技球を検出可能な第3検出器を備え、回転制御部は第3検出器が通過する所定数の遊技球を検出したことを条件として回転体を回転させる。所定数の第1検出器で所定数の遊技球を検出できたとしても、遊技球を収容する際に入口部を通過する通過数が所定数よりも少なければ、収容前に収容部に遊技球が存在していた可能性がある。第1検出器が誤って異物を遊技球と検出した場合でも、通過数が所定数よりも少なければ異物が混入したと判別可能になる。よって、所定数の遊技球をより正確に検出して機内に取り込むことができる。なお、第3検出器は結果として収容部の入口部を通過する遊技球を検出できれば設置位置を問わず、例えば収容部の入口近傍に備える。
【0011】
【課題を解決するための手段4】
課題を解決するための手段4は、請求項4に記載した通りである。当該手段4によれば、収容口から収容部に収容した後の静止状態にある遊技球が検出不能であって当該静止状態にある遊技球以外の位置に存在する物体を検出可能な第4検出器を備え、回転制御部は遊技球が静止状態のときに第4検出器が物体を検出しないことを条件として回転体を回転させる。遊技球が静止状態のときに第4検出器が検出した物体は、異物である可能性が極めて高い。回転制御部は遊技球が静止状態のときに物体を検出しないことを確認したうえで回転体を回転させるので、所定数の遊技球をより正確に検出して機内に取り込むことができる。
【0012】
【課題を解決するための手段5】
課題を解決するための手段5は、請求項5に記載した通りである。当該手段5によれば、回転体の一の収容部が流入通路と一致した状態から取込通路に一致する状態までの間に、一の収容部に保留した各遊技球の存在を検出可能な所定数の第5検出器を備え、所定数の第5検出器が各遊技球を検出したことを条件として回転体を回転させる。保留は証拠球として遊技者の投入の証拠を残すために行うが、収容時の数と異なる場合には異物が混入した可能性がある。回転制御部は収容時と保留時で遊技球の数が一致することを確認したうえで回転体を回転させるので、所定数の遊技球をより正確に検出して機内に取り込むことができる。もし収容時と保留時で保留球の数が一致しないときは回転体を回転させないので、証拠球の保留部にその原因が証拠として残る。
【0013】
【課題を解決するための手段7】
課題を解決するための手段7によれば、一方の検出器(例えば第1検出器)と他方の検出器(例えば第3検出器,第4検出器,第5検出器等)とでは異なる物理的特性を検出する。検出に用いる物理的特性としては、例えば光(遮蔽や反射等)や磁性等が該当する。同じ物理的特性を検出する検出器を用いた場合には、双方の検出器で誤って異物を遊技球と検出する可能性が残る。しかし、例えば光特性を用いた第1検出器が誤って異物を遊技球と検出してしまった場合でも、磁性特性を用いた第3検出器には正確に異物と検出することができる。このように異なる物理的特性によって検出すれば、少なくとも一方の検出器で誤検出を防止できる。したがって、所定数の遊技球をより正確に検出して機内に取り込むことができる。
【0014】
【課題を解決するための手段8】
課題を解決するための手段8によれば、少なくとも一方の検出器は対象物が磁性体か否かを検出する。遊技球(特にパチンコ球)は鋼球が用いられる。磁性を帯び得ない材質の異物が混入した場合には、検出器によって容易に異物を検出できる。したがって、磁性を帯び得ない材質の異物を排除できるので、所定数の遊技球をより正確に検出して機内に取り込むことができる。
【0015】
【課題を解決するための手段9】
課題を解決するための手段9は、請求項6に記載した通りである。当該手段9によれば、前記回転制御部は、検出結果によって前記回転体を回転させない場合には、異常事態として報知手段で報知を行う。第1検出器,第3検出器,第4検出器,第5検出器のいずれかによって検出した検出結果が不適切(例えば収容前に収容部に遊技球が存在した場合や、二以上の第1検出器で検出した検出回数が一致した場合等)であれば、遊技球の取り込み時に異常事態が起きた可能性が高い。報知手段が異常事態を報知することによって、異物の除去,故障した部品や装置の修理または交換等を早急に行うことができ、遊技不能となる期間を短縮できる。この場合、どの検出器がどのような検出結果で不適切になったのかを詳細に報知すれば、不具合が発生した箇所や不正行為の内容を特定しやすくなる。
【0016】
【課題を解決するための手段10】
課題を解決するための手段10は、請求項1から9のいずれか一項に記載した遊技機において、排出する遊技球を検出可能な第6検出器を備え、回転制御部は第6検出器が排出する所定数の遊技球を検出したことを契機として回転体を回転させる。遊技球の「排出」は機内に取り込む場合と、返却する場合とを含む。当該手段10によれば、他の手段で収容部に存在する所定数の遊技球を検出できたとしても、遊技球の排出時に第6検出器が所定数の遊技球を検出できなかったときは、一以上の遊技球が収容部に残留している可能性がある。よって収容した遊技球を確実に排出することで、所定数の遊技球をより正確に検出して機内に取り込むことができる。なお、第6検出器は結果として収容部から排出する遊技球を検出できれば設置位置を問わず、例えば収容部の排出口近傍に備える。
【0017】
【課題を解決するための手段11】
課題を解決するための手段11は、請求項1から9または手段10のいずれか一項に記載した遊技機において、遊技球の直径よりも短い間隔で設けた二以上の第7検出器を備え、回転制御部は第7検出器の検出順によって遊技球が所定方向に移動することを条件として回転体を回転させる。
【0018】
当該手段11によれば、二以上の第7検出器は遊技球の直径よりも短い間隔で設けているので、同時に二以上の遊技球を検出することはありえない。また、所定方向に移動する一の遊技球に対しては、二以上の第7検出器の設置位置に従って順番に検出するので移動方向を判別できる。遊技球を収容するときや排出するときは通常一定方向に移動するので、逆方向に移動した場合は逆流等の異常事態が発生した可能性が高い。こうして遊技球の移動方向を監視することで、所定数の遊技球をより正確に検出して機内に取り込むことができる。
【0019】
【課題を解決するための手段12】
課題を解決するための手段12は、請求項1から9,手段10,手段11のいずれか一項に記載した遊技機において、一以上の検出器には光電式検出器を用い、回転制御部は光電式検出器が対象物に投射して反射した光の反射率が許容範囲内であることを条件として回転体を回転させる。なお光電式検出器は、例えば光を投射する投光部と、対象物で反射した光を受ける受光部とを有する。
【0020】
遊技球と異物とでは、光の反射率が異なることが多い。当該手段12では光の反射率の違いを利用して、遊技球に対応した許容範囲内の反射率になったときにのみ回転制御部が回転体を回転させる。したがって、形状や重量等が類似しても反射率が異なれば異物の混入を発見することができるので、所定数の遊技球をより正確に検出して機内に取り込むことができる。
【0021】
【課題を解決するための手段13】
課題を解決するための手段13は、請求項1から9,手段10から12のいずれか一項に記載した遊技機において、収容した遊技球の重量を計測可能な第8検出器を備え、回転制御部は第8検出器が計測した重量が許容範囲内であることを条件として回転体を回転させる。なお当該第8検出器には例えば金属の歪み量に応じて電気抵抗値が変わる原理を利用したロードセル等を用い、各遊技球の重量を計測してもよく、全遊技球の総重量を計測してもよい。
【0022】
遊技球と異物とでは、重量が異なることがある。当該手段13では重量の違いを利用して、遊技球に対応した許容範囲内の重量になったときにのみ回転制御部が回転体を回転させる。したがって、形状や反射率等が類似しても重量が異なれば異物の混入を発見することができるので、所定数の遊技球をより正確に検出して機内に取り込むことができる。
【0023】
【課題を解決するための手段14】
課題を解決するための手段14は、請求項1から9,手段10から13のいずれか一項に記載した遊技機において、物体の形状を計測可能な第9検出器を備え、回転制御部は第9検出器が計測した形状が許容範囲内であることを条件として回転体を回転させる。当該第9検出器は例えばCCDカメラ等を用い、撮影した物体の画像をメモリ等に記録する。回転制御部は、記録した画像の輪郭が正規の遊技球の輪郭と比較して許容範囲内にあるか否かを判別する。
【0024】
遊技球と異物とでは、形状が異なることが多い。当該手段14では形状の違いを利用して、遊技球に対応した許容範囲内の形状になったときにのみ回転制御部が回転体を回転させる。したがって、重量や反射率等が類似しても形状が異なれば異物の混入を発見することができるので、所定数の遊技球をより正確に検出して機内に取り込むことができる。
【0025】
【課題を解決するための手段15】
課題を解決するための手段15は、請求項1から9,手段10から14のいずれか一項に記載した遊技機において、物体の硬度を計測可能な第10検出器を備え、回転制御部は第10検出器が計測した硬度が許容範囲内であることを条件として回転体を回転させる。当該第10検出器は例えば圧子(ダイアフラムや圧電素子等)を利用した圧力センサ等を用い、一定荷重で圧子を物体(対象物)に当てることによって算出し得る圧力から硬度を決定する。
【0026】
遊技球と異物とでは、硬度(硬軟の程度)が異なることがある。例えば同じ球形状からなる物体であっても、金属で形成した場合とゴムで形成した場合とでは硬さが異なる。当該手段15では硬度の違いを利用して、遊技球に対応した許容範囲内の硬度であるときにのみ回転制御部が回転体を回転させる。したがって、形状や重量等が類似しても硬度が異なれば異物の混入を発見することができるので、所定数の遊技球をより正確に検出して機内に取り込むことができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明における実施の形態を図面に基づいて説明する。
〔実施の形態1〕
実施の形態1はパチンコ球(遊技媒体)を用いて遊技可能なスロットマシンに本発明を適用し、パチンコ球の直径とほぼ同じ間隔で検出器を配置した例である。当該実施の形態1は図1〜図11を参照しながら説明する。なお、1枚のメダルと同等の価値を有するパチンコ球の個数(所定数)を5個とし、ユニットで表す。例えば3ユニットはパチンコ球で15個(3枚分のメダル)に相当する。
【0028】
まず、スロットマシン10の構成例について図1を参照しながら説明する。スロットマシン10には、リール62,66,70が静止した状態で一以上の図柄をそれぞれ表示可能な表示窓60,64,68{第1表示部}、複数本(図1の例では5本)の有効ライン56に対応して入賞図柄等を報知可能な有効ランプ54、クレジット数を表示可能なクレジット表示器72、ボーナスゲームにおける消化ゲーム数を表示可能なゲーム数表示器74、払い出しを行うユニット数を表示可能なユニット数表示器76、1回の遊技で掛けるユニット数を設定するベットスイッチ48,50,52、リール62,66,70を回転させ始める始動スイッチ46{始動操作部}、回転しているリール62,66,70をそれぞれ個別に停止させる停止スイッチ24,22,20{停止操作部}などを備える。表示窓60からはリール62が見え、同様に表示窓64,68からはそれぞれリール66,70が見える。当該リール62,66,70の回転/停止を行う構成等については周知であるので図示と説明を省略する。
【0029】
ユニット数に応じて有効となる有効ライン56の数が異なる。例えば1ユニットを掛けるベットスイッチ50(1ベットスイッチ)は中段の1ラインのみ、2ユニットを掛けるベットスイッチ52(2ベットスイッチ)は上段・中段・下段の3ラインとし、3ユニットを掛けるベットスイッチ48(MAXベットスイッチ)は水平と斜めの5ライン全部となる。通常のベットスイッチ48にかかるユニット数は3であるが、特定のゲーム(例えばJACゲーム等)中ではユニット数を1にする構成としたスロットマシン10もある。
【0030】
またスロットマシン10には、図柄を用いる表示演出によってビッグボーナスゲームや期待度等を報知可能な液晶表示器12{第2表示部}、音(音声,音楽,効果音等)を出すスピーカ14{音響装置}、遊技状態に応じた表示演出を行う演出ランプ16、パチンコ球を一時的に貯留する上皿38と下皿36、上皿38内のパチンコ球を流入通路34およびパチンコ球取込装置(以下、単に「取込装置」と呼ぶ。)32を通じてスロットマシン10内に取り込むことを指示する取込スイッチ26、クレジットしているパチンコ球の返却を指示する貯留精算スイッチ28、流入通路34や取込装置32に残存するパチンコ球を下皿36に返却するための返却ボタン30、タバコの吸い殻等を入れる灰皿40などを備える。回転しているリール62,66,70が特定の表示態様(例えばボーナス図柄や小役図柄等)で停止すると、対応する個数のパチンコ球を払出口42から払い出して上皿に貯留する。球貸機によって貸し出されたパチンコ球はロート状の誘導通路44を経て、上皿に貯留する。開閉錠18に所定のキーを差し込んで回すと、上下二段からなるフロントドア58を個別に開閉できる。取込スイッチ26,貯留精算スイッチ28,誘導通路44等は、例えば上段側のフロントドア58に備える。なおスロットマシン10の機種等によっては、スイッチ,レバー,ボタン等の種類を変えて用いることがある。
【0031】
次に、流入通路34や取込装置32の構成等について、図2〜図8を参照しながら説明する。取込装置32の外観を左側面図で示す図2において、取込装置32は流入通路34を通じて上皿38からパチンコ球を収容する収容口102や、残存するパチンコ球を返却口104aから返却する返却通路104、パチンコ球を取り込む取込通路106などを有する。すなわち、収容口102から収容したパチンコ球は、取込通路106に取り込むか、返却口104aから返却するかのいずれかで措置することになる。
【0032】
パチンコ球の取り込み過程を示す図3において、モータ126の回転軸126a(図6を参照)に備えた回転体120には、中心部からそれぞれ放射状に伸びる六枚の羽根120aを有する。当該羽根120aの断面は所定形状(例えば「く」字状)に形成されており、羽根ごとに1ユニットのパチンコ球を収容する。図2に示す収容口102は、図3ではパチンコ球Baの位置(収容位置)に対応している。モータ126の駆動によって、回転体120は所定方向(図3の例では左回り;矢印D2方向)に回転する。そのため収容されたパチンコ球Bは羽根120aによって搬送され、正常状態では取込通路106上に示すパチンコ球Bbの位置に達する。一方、遊技者が図1に示す返却ボタン30を操作すると図2に示す返却レバー100が動き、収容口102から収容したパチンコ球Baは返却通路104を経て返却口104aから下皿36に返却する。
【0033】
上述したパチンコ球Bの取り込み過程において、1ユニットごとに処理されているか否かを検査可能なセンサを取込装置32に備える。図3の例では、収容前にパチンコ球Bが羽根120aに存在するか否かを検査する近接センサ118や、収容位置で収容したパチンコ球Bが1ユニット分の個数だけ存在するか否かを検査する光センサ114(発光部と受光部)、収容後に保留した位置(保留位置)で証拠球としてのパチンコ球Bが1ユニット分の個数だけ存在するか否かを検査する近接センサ112、取り込んだパチンコ球Bが1ユニット分の個数だけ存在するか否かを検査する近接センサ122、返却したパチンコ球Bの個数が1ユニット分だけ存在するか否かを検査する近接センサ116などが該当する。
【0034】
近接センサ112,118と光センサ114は1ユニットに対応するパチンコ球Bの個数(すなわち5個)だけそれぞれ備えており、羽根120aに収容したパチンコ球Bがこぼれないように保護するカバー110にそれぞれ設ける。また近接センサ122は取込通路106の途中に備え、近接センサ116は返却通路104の途中に備えて、各通路を通過するパチンコ球Bを検出する。なお、近接センサ122はパチンコ球Bを排出する直前の位置に対応したカバー110に備えてもよい。また、光センサ114等の設置例については後述する。
【0035】
取込装置32の外観を正面図で示す図4と、同じく背面図で示す図5において、回転体120には六枚の羽根120aに加えて、ディスク状のフランジ部108を備える。このフランジ部108には、六枚の羽根120aごとに対応した周縁側に検出孔108aを設けている(図3を参照)。光センサ124はフランジ部108を挟むように備え、検出孔108aによって回転体120の回転角度(姿勢)を認識することが可能になる。
【0036】
次に、近接センサ128と光センサ114の設置例を示す図6を参照しながら説明する。図6の例では、収容口102の近傍にかかる流入通路34に近接センサ128を設置し、カバー110の内側に光センサ114を設置している。近接センサ128は、収容方向(図6の例では右方向;矢印D4方向)に下り傾斜させた流入通路34内を移動するパチンコ球Bを検出する。なお図示するように、流入通路34の傾斜は羽根120aの傾斜に合わせて形成しているので、収容するパチンコ球Bは奥側(フランジ部108側)から順に埋まってゆく。
【0037】
光センサ114は、1ユニット分(5個)の発光部130a,132a,134a,136a,138aと、当該発光部にそれぞれ対応する受光部130b,132b,134b,136b,138bとからなる。これらの発光部と受光部は1ユニットのパチンコ球Bを奥側から収容した場合において、収容方向に対してはパチンコ球Bのほぼ中心線上であって、パチンコ球Bの縁を検出可能に設置する。したがって、それぞれの発光部と受光部の組は、パチンコ球Bの直径とほぼ同じ間隔で配置することになる。なお、発光部130a,132a,134a,136a,138aと同様に、上述した近接センサ112,118も1ユニット分をカバー110に設置する。
【0038】
また発光部と受光部を結ぶ直線上の羽根120aには、発光部から受光部に光が到達できるようにスリット120bを備える。すなわち一の羽根120aには、1ユニット分のスリット120bがある。この構成によれば、図7(A)の斜視図で示すように発光部130aから光を発したとき、図7(B)の断面図で示すように収容したパチンコ球Bの縁で光が遮られると当該パチンコ球Bが存在していると判別する。しかし、三角形状の断面からなる物体Cが羽根120a上に存在する図7(C)の例では、発光部130aから発した光を受光部130bが受けるので、明らかにパチンコ球Bが存在していないことを検出できる。
【0039】
次に、近接センサ122の設置例を示す図8を参照しながら説明する。図8の例では、近接センサ122を取込通路106の途中に設置している。当該取込通路106は、フランジ部108とは反対方向に張り出した張出部106aと、回転体120の羽根120aから落下するパチンコ球Bを取込通路106内に誘導するガード106bとを備える。カバー110から露出したパチンコ球Bは、自由に移動(落下等)が可能になる(図3を参照)。羽根120aが回転体120の中心軸に対して傾斜していることを考慮すると、パチンコ球Bは張出部106aに向かって移動し、取込通路106内に入る。回転体120の回転速度によっては回転方向(図8の例では図面手前方向)に生じた慣性力の影響を受け、パチンコ球Bが羽根120aから落下する可能性がある。このような落下を防止するためにガード106bを備えており、取込通路106内に誘導する。近接センサ122は、取込通路106内に入ったパチンコ球Bを検出する。
【0040】
次に、スロットマシン10によるスロット遊技を実現するために構成した各種基板の概略構成例について図9を参照しながら説明する。CPU(プロセッサ)200aを中心に構成したメイン制御基板200は、遊技制御プログラムや所要のデータ等を格納するROM200bや、各種乱数,信号等の一時的データを格納するRAM200c等を備える。当該メイン制御基板200は周知の構成と同様であるので、具体的な構成にかかる図示および説明を省略する。CPU200aはROM200bに格納した遊技制御プログラムを実行してスロットマシン10による遊技を実現するが、遊技制御プログラムには後述する回転制御処理や収容球検査等の手続きを実現するためのプログラムを含む。ROM200bにはEPROMを用い、RAM200cにはDRAMを用いるが、他種のメモリ(例えばEEPROM,SRAM,フラッシュメモリ等)を任意に用いてもよい。
【0041】
メイン制御基板200から出力する信号は、リール中継端子板202,中継ランプ基板204,サブ制御基板206等を通じて各種装置に伝達する。メイン制御基板200から出力する信号を受けたサブ制御基板206は、さらにリール中継端子板202等を通じてランプに伝達し点灯・点滅する。リール中継端子板202に対しては、メイン制御基板200から信号を直接伝達する場合と、サブ制御基板206を経て伝達する場合とがある。サブ制御基板206や中継ランプ基板204は、メイン制御基板200と同様にCPUを中心に構成する。リール中継端子板202や中継端子板208は、単に信号を伝達する機能を果たす。
【0042】
リール中継端子板202には、リール62,当該リール62を回転させるモータ,ランプ等を備えた左リール装置210や、リール66,当該リール66を回転させるモータ,ランプ等を備えた中リール装置212、リール70,当該リール70を回転させるモータ,ランプ等を備えた右リール装置214、外部装置(例えば遊技場内のホールコンピュータや、島設備内の島コンピュータなど)に信号を伝達するための外部集中端子板216などを接続する。中継ランプ基板204には、停止スイッチ20,22,24や、ベットスイッチ48(MAXベットスイッチ)、ベットスイッチ50,52(1,2ベットスイッチ)、始動スイッチ46、取込スイッチ26、貯留精算スイッチ28、光センサ114,124、近接センサ112,116,118,122,128、モータ126などを接続する。
【0043】
中継端子板208には、液晶表示器12に図柄や情報を表示する制御を行う液晶制御基板218や、演出ランプ16やLED等の発光体による装飾表示を行う装飾表示基板220、スピーカ14などを接続する。その他には、メイン制御基板200や球払出装置224等のような全ての電気装置にそれぞれ対応した電力を供給する電源装置222を備える。球払出装置224は、メイン制御基板200から送信される払出信号を受けて、遊技結果に対応する個数のパチンコ球Bを払出口42から払い出す機能を果たす。
【0044】
次に、上述したように構成したスロットマシン10で本発明を実現するための手続きについて、図10,図11に示すフローチャートを参照しながら説明する。当該図10には回転体120の回転を制御するための回転制御処理の手続きを、図11には羽根120aに収容したパチンコ球Bの個数を検査するための収容球検査処理の手続きをそれぞれフローチャートで示す。これらの図に示す手続きは、いずれも図9に示すメイン制御基板200のROM200bに格納されている遊技制御プログラムをCPU200aが実行することによって実現される。
【0045】
図10に示す回転制御処理では、以下の制御条件を満たしたときに限って回転体120を回転させ、パチンコ球Bを収容し、収容したパチンコ球Bを証拠球として保留し、保留したパチンコ球Bを排出する制御を行う〔ステップS26〕。すなわち第1の制御条件は、収容前に近接センサ118で検出したパチンコ球Bの個数(収容前数)が0となることである〔ステップS10のYES;図3を参照〕。第2の制御条件は、流入通路34から取込装置32に流入するパチンコ球Bを近接センサ128で検出した個数(流入数)が1ユニットになることである〔ステップS12のYES;図6を参照〕。第3の制御条件は、回転体120の羽根120aに収容したパチンコ球Bを検査し〔ステップS16〕、検査結果が適正になることである〔ステップS18のYES〕。ここで、収容したパチンコ球Bを検査について、図11を参照しながら説明する。
【0046】
図11に示す収容球検査処理では、以下の検査条件を満たしたときに限って検査結果を適正とする〔ステップS56〕。すなわち第1の検査条件は、光センサ114を構成する5組の発光部と受光部によって検出したパチンコ球Bの個数(通過数)が異なることである〔ステップS42のYES;図6を参照〕。具体的には、発光部130aと受光部130bによって5個のパチンコ球Bを検出し、発光部132aと受光部132bによって4個のパチンコ球Bを検出し、…、発光部138aと受光部138bによって1個のパチンコ球Bを検出することが条件となる。これは、最初に収容したパチンコ球Bは全ての発光部と受光部で検出されるが、最後に収容したパチンコ球Bは発光部130aと受光部130bでのみ検出されることに基づく。第2の検査条件は、光センサ114によって検出したパチンコ球Bの個数(収容数)が1ユニットになることである〔ステップS46のYES;図6を参照〕。これに対して上記検査条件のいずれかを満たさないときは、検査結果を不適とする〔ステップS58〕。
【0047】
図10に戻って第4の制御条件は、収容後に保留して証拠球としたパチンコ球Bを近接センサ112で検出した個数(保留数)が1ユニットになることである〔ステップS20のYES;図3を参照〕。第5の制御条件は、取込通路106に取り込んだパチンコ球Bを近接センサ122で検出した個数(取込数)が1ユニットになることである〔ステップS22のYES;図3を参照〕。
【0048】
これに対して上記制御条件のいずれかを満たさないときは異常事態が発生したものとして、回転体120の回転を停止するとともに〔ステップS28〕、当該異常事態を報知する〔ステップS30〕。異常事態としては偶然や故意にかかわらず、パチンコ球B以外の物体が混入したときや、パチンコ球Bを紛失したとき、1ユニット分を超えて予定外にパチンコ球Bが入ってきたとき等が該当する。回転体120の回転が停止することによって、異物等の取り込みが防止できる。報知は、液晶表示器12による表示演出(例えば「異常事態発生」の文字表示等)や、演出ランプ16による表示演出(例えば緊急用の点滅パターン表示等)、スピーカ14による音響演出(例えば遊技中に使用しないブザー音で鳴らしたり、「異常事態が発生しました」の音声を出す等)、外部集中端子板216を通じて異常信号を外部装置(ホールコンピュータ等)に伝達するなどが該当する。さらには、いずれの制御条件または検査条件を満たさなかったのかを具体的に報知するように構成すれば、正常状態に戻すための措置が取りやすくなる。
【0049】
上記実施の形態1によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(a1)取込装置32は、パチンコ球B(遊技球)を1ユニット(所定数)ごとに収容可能な羽根120a(収容部)を備えた回転体120と、羽根120aに収容したパチンコ球Bの存在を検出可能な光センサ114(第1検出器)とを備える。光センサ114は図6に示すように5組の発光部と受光部を備えているので、1ユニット分のパチンコ球Bが存在するか否かを検出できる。光センサ114が1ユニット分のパチンコ球Bを検出したことを契機として回転体120を回転させ、パチンコ球Bを収容し、収容したパチンコ球Bを証拠球として保留し、保留したパチンコ球Bを排出する制御を行なった{図11のステップS46,図10のステップS26;回転制御部}。もし異物が混入していた場合には1ユニット分のパチンコ球Bを検出できないので、当該異物を発見し得る。この場合は回転体120を回転させないので(図10のステップS28)、1ユニット分のパチンコ球Bを正確に検出して機内に取り込むことができる。さらに、異物を用いてパチンコ球Bを取り込ませようとする不正行為を防止することもできる。なお、本形態ではパチンコ球Bの縁を検出したが(図7を参照)、二以上の相異なる部位(例えば縁と中心等)を検出可能に発光部と受光部を構成すると、パチンコ球Bか異物かの判別能力が向上する。
【0050】
(a2)収容前の羽根120aにパチンコ球Bが存在しないことを検出する近接センサ118(第2検出器)を備えた{図3等を参照}。そして当該近接センサ118による検出結果を受けて、収容前にパチンコ球Bが存在しないことを条件として回転体120を回転させた{図10のステップS10,S26;回転制御部}。収容前の羽根120aにパチンコ球Bが存在していたときは、新たに収容可能なパチンコ球Bは所定数より少なくなる。収容前にパチンコ球Bが存在しないことを近接センサ118によって確認したうえで回転体120を回転させるので、1ユニット分のパチンコ球Bをより正確に検出して機内に取り込める。なお、近接センサ118に代えて光センサ114(第1検出器)を兼用して用いることもできる。この場合は、収容前の羽根120aが収容位置に停止し、パチンコ球Bを流入する前にチェックを行えばよい。また、開閉可能なシャッターを収容口102に備え、当該シャッターの開閉を回転体120の回転制御と同期させて行うのが望ましい。こうすれば収容前のチェックを確実に行える。
【0051】
(a3)光センサ114は収容する際に通過するパチンコ球Bをそれぞれ検出し、5組の発光部と受光部についてそれぞれ検出した検出数が異なることを条件として回転体120を回転させた{図11のステップS42,図10のステップS26;回転制御部}。発光部130aと受光部130bが5個のパチンコ球Bを検出し、発光部132aと受光部132bが4個のパチンコ球Bを検出し、…、発光部138aと受光部138bが1個のパチンコ球Bを検出するとき、1ユニットのパチンコ球Bが適切に収容されたことを意味する。したがって、1ユニット分のパチンコ球Bをより正確に検出して機内に取り込むことができる。
【0052】
(a4)取込装置32の収容口102(入口部)を通過するパチンコ球Bを検出可能な近接センサ128(第3検出器)を備えた{図6を参照}。そして当該近接センサ128が通過する1ユニット分のパチンコ球Bを検出したことを契機として、回転体120を回転させた{図10のステップS12,S26;回転制御部}。光センサ114で1ユニット分のパチンコ球Bを検出できたとしても、パチンコ球Bを収容する際に入口部を通過する通過数が1ユニットよりも少なければ、収容前に羽根120aにパチンコ球Bが存在していた可能性がある。第1検出器が誤って異物をパチンコ球Bと検出した場合でも、通過数が所定数よりも少なければ異物が混入したと判別できる。よって、1ユニット分のパチンコ球Bをより正確に検出して機内に取り込むことができる。
【0053】
(a5)保留した各パチンコ球Bの存在を検出可能な近接センサ112(所定数の第5検出器)を備えた{図3を参照}。そして当該近接センサ112が1ユニット分のパチンコ球Bを検出したことを契機として、回転体120を回転させた{図10のステップS20,S26;回転制御部}。保留は証拠球であることを確認するために行うが、収容時の数と異なる場合には異物が混入した可能性がある。収容時と保留時でパチンコ球Bの数が一致することを確認したうえで回転体120を回転させるので、1ユニット分のパチンコ球Bをより正確に検出して機内に取り込むことができる。
【0054】
(a6)1ユニット分のパチンコ球を検出する際に用いる光センサ114(一方の検出器)と近接センサ112,118(他方の検出器等)とでは異なる物理的特性を検出した{図3等を参照}。光センサ114は光を物理的特性として検出し、近接センサ112,118は磁性を物理的特性として検出する。例えば光センサ114が誤って異物をパチンコ球Bと検出してしまった場合でも、近接センサ112,118は異物と検出できる可能性があるので、少なくとも一方の検出器での誤検出を防止できる。したがって、1ユニット分のパチンコ球Bをより正確に検出して機内に取り込むことができる。
【0055】
(a7)近接センサ112,118(少なくとも一方の検出器)は検出対象が磁性体か否かを検出した。鋼球からなるパチンコ球Bを用いるので、磁性を帯び得ない材質の異物が混入した場合には、近接センサ112,118によって容易に異物を検出できる。したがって強磁性体でない材質の異物を排除できるので、1ユニット分のパチンコ球Bをより正確に検出して機内に取り込むことができる。
【0056】
(a8)検出結果によって回転体120を回転させない場合には、異常事態として報知を行なった{図10のステップS30;報知手段}。こうして異常事態を報知することによって、異物の除去,故障した部品や装置の修理または交換等を早急に行うことができ、遊技不能となる期間を短縮できる。
【0057】
(a9)機内に取り込むパチンコ球Bを検出可能な近接センサ122(第6検出器)とを備えた{図3等を参照}。そして、当該近接センサ122が排出する1ユニット分のパチンコ球Bを検出したことを契機として、回転体120を回転させた{図10のステップS22,S26;回転制御部}。排出時に近接センサ122が1ユニット分のパチンコ球Bを検出できなかったときは、一以上のパチンコ球Bが羽根120aに残留している可能性がある。よって収容したパチンコ球Bを確実に排出することで、1ユニット分のパチンコ球Bをより正確に検出して機内に取り込むことができる。なお下皿36に返却するパチンコ球Bを検出可能な近接センサ116(第6検出器)を備えたので、返却時の異常事態を報知することも可能になる{図10のステップS30}。
【0058】
〔実施の形態2〕
実施の形態2は実施の形態1と同様にスロットマシン10に本発明を適用した例であって、パチンコ球の直径よりも短い間隔で検出器を配置した例である。当該実施の形態2は図12,図13を参照しながら説明する。なおスロットマシン10の構成等は実施の形態1と同様であるので、図示および説明を簡単にするために実施の形態2では実施の形態1と異なる点について説明する。よって実施の形態1で用いた要素と同一の要素には同一の符号を付して説明を省略する。
【0059】
近接センサ128や光センサ114等の検出器について、図6に代わる設置例を図12に示す。図6との相違は、光センサ114に加えて光センサ150をカバー110に備えた点と、近接センサ128に代えてCCDカメラ140を流入通路34に備えた点である。光センサ150は、1ユニット分のパチンコ球Bよりも一つ少ない四つの発光部142a,144a,146a,148aと、当該発光部にそれぞれ対応する受光部142b,144b,146b,148bとからなる。これらの発光部と受光部は1ユニットのパチンコ球Bを奥側から収容した場合において、収容方向に対しては二個のパチンコ球Bが接触する位置に設置する。図示するように光センサ150(発光部142a,144a,146a,148a等)と光センサ114(発光部130a,132a,134a,136a,138a等)と交互に配置すると、センサ相互間の距離はパチンコ球Bの半径とほぼ同じ間隔になる。このようにパチンコ球Bの直径よりも短い間隔で発光部と受光部を配置した結果、近接する二つのセンサについて検出時期のずれにより、パチンコ球Bの移動方向を検出することが可能になる。なお光センサ150の追加に伴って、羽根120aに備えるスリット120bの数も増える。
【0060】
図13の例で示すように、収容時の羽根120a上に二個のパチンコ球Ba,Bbが隣接して存在すると仮定する。パチンコ球Ba,Bbはともに球状であるので、相互間には必然的に隙間が生ずる。上述した光センサ150はパチンコ球Ba,Bbを検出不能な位置に備えるので、当該隙間があるか否かを検出する。すなわち通常のパチンコ球Ba,Bbの場合には隙間が生ずるので、発光部142aから発した光は受光部142bで受けることができる。しかし、隙間に異物が存在していたときや、パチンコ球Ba,Bbのうちで少なくとも一方が異物であるときは、発光部142aから発した光は異物によって遮られるので、受光部142bで受けることができない。したがって、光センサ150を用いた検査によって、異物の存在を発見することが可能になる。
【0061】
図12に戻って、流入通路34に備えたCCDカメラ140は、流入通路34内を収容方向に向かって移動するパチンコ球Bを撮像し、画像データをメイン制御基板200に送る。パチンコ球Bは球形であるので画像は所定半径の円形になるが、異物を撮像した場合の画像は円形になるとは限らない。したがって、CCDカメラ140を用いた検査によって、取込装置32に収容する前に異物の存在を発見することが可能になる。
【0062】
次に、上述したように構成した場合における各処理の手続きについて、図11,図11に示すフローチャートを参照しながら説明する。まず図10に示す回転制御処理について、第7の制御条件はCCDカメラ140で撮像したパチンコ球Bの画像が球形であることである〔ステップS14のYES;図12を参照〕。また図11に示す収容球検査処理について、第3の検査条件は図12に示す光センサ114,150のうち近接する二つのセンサ(例えば発光部132aおよび受光部132bの組と、発光部142aおよび受光部142bの組)を用いて検出したパチンコ球Bの移動方向が所定方向(収容方向)となることである〔ステップS40のYES;図6を参照〕。第4の検査条件は、光センサ150で検出した物体の数(物体数)が0になることである〔ステップS48のYES;図12を参照〕。
【0063】
上記実施の形態2によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(b1)羽根120aに収容した後の静止状態にあるパチンコ球Bが検出不能であって当該静止状態にあるパチンコ球B以外の位置に存在する異物(物体)を検出可能な光センサ150(第4検出器)を備えた{図12,図13を参照}。そしてパチンコ球Bが静止状態のときに光センサ150が異物を検出しないことを条件として回転体120を回転させた{図11のステップS48,図10のステップS26;回転制御部}。パチンコ球Bが静止状態のときに光センサ150が検出した物体は異物である可能性が極めて高く、パチンコ球Bが静止状態のときに異物を検出しないことを確認したうえで回転体120を回転させるので、1ユニット分のパチンコ球Bをより正確に検出して機内に取り込むことができる。
【0064】
(b2)パチンコ球Bの直径よりも短い間隔で設けた光センサ114,150(二以上の第7検出器)を備えた{図12を参照}。そして光センサ114,150の検出順によってパチンコ球Bが収容方向に移動することを条件として回転体を回転させた{図11のステップS40,図10のステップS26;回転制御部}。近接する二つの発光部と受光部は、同時に二以上のパチンコ球Bを検出することはありえず、パチンコ球Bを収容するときや排出するときは通常一定方向に移動する。よって、逆方向に移動した場合は逆流等の異常事態が発生した可能性が高い。こうしてパチンコ球Bの移動方向を監視することで、所定数のパチンコ球Bをより正確に検出して機内に取り込むことができる。
【0065】
(b3)流入通路34内を移動する物体(パチンコ球B等)の形状を計測可能なCCDカメラ140(第9検出器)を流入通路34に備えた{図12を参照}。そしてCCDカメラ140が計測した形状が許容範囲内であることを条件として回転体120を回転させた{図10のステップS14,S26;回転制御部}。パチンコ球Bと異物とでは形状が異なることが多く、パチンコ球Bに対応した許容範囲内の形状になったときにのみ回転体120を回転させる。形状が異なれば異物の混入を発見することができるので、1ユニットのパチンコ球Bをより正確に検出して機内に取り込むことができる。なお、CCDカメラ140は近接センサ128と同様にパチンコ球Bの通過を検出する機能も果たし得る。
【0066】
(b4)その他の要件,構成,作用,作動結果等については実施の形態1と同様であるので、当該実施の形態1と同様の効果を得ることができる{上述した(a1)〜(a9)を参照}。
【0067】
〔他の実施の形態〕
上述したスロットマシン10(遊技機)において、他の部分の構造,形状,大きさ,配置および動作条件等については、上記実施の形態に限定されるものでない。例えば、上記実施の形態を応用した次の各形態を実施することもできる。
(c1)実施の形態1,2では、スロットマシン10に本発明を適用した。この形態に代えて、スロットマシン以外の他の遊技機(テレビゲーム機等)であって所定数の遊技球を一単位として遊技を行うように構成したものにも同様に本発明を適用することができる。当該他の遊技機であっても、検出結果が不適切な場合には回転制御部が回転体120を回転させない。よって、1ユニット(所定数)のパチンコ球B(遊技球)を正確に検出して機内に取り込むことができる。
【0068】
(c2)実施の形態1,2では、ほぼ対向する位置に発光部と受光部を備えた光センサ114,150(光電式検出器)を用いたが{図6,図12を参照}、少なくとも一方の光センサはほぼ並行する位置に発光部と受光部を備えてもよい。図14の例に示すように、発光部130aと受光部130bをカバー110に備えるとともに、発光部130aから発した光がパチンコ球Bを反射し、反射光を受光部130bが受光するように構成する。そして、光センサ114,150で計測した光の反射率が許容範囲内であることを条件として回転体120を回転させると{図11のステップS50,図10のステップS26;回転制御部}、1ユニットのパチンコ球Bをより正確に検出して機内に取り込むことができる。パチンコ球Bと異物とでは光の反射率が異なることが多いので、形状等が類似しても反射率が異なれば異物の混入を発見することができる。
【0069】
(c3)図15の例に示すように、収容したパチンコ球Bの重量を計測可能な重量センサ80(第8検出器)を羽根120aに備えてもよい。当該重量センサ80は、1個のパチンコ球Bごとに計測する場合と、1ユニット全体のパチンコ球Bとを計測する場合とがある。重量センサ80が計測したパチンコ球Bの重量が許容範囲内であることを条件として回転体120を回転させると{図11のステップS52,図10のステップS26;回転制御部}、1ユニットのパチンコ球Bをより正確に検出して機内に取り込むことができる。パチンコ球Bと異物とでは重量が異なることがあるので、形状や反射率等が類似しても重量が異なれば異物の混入を発見することができる。
【0070】
(c4)図16の例に示すように、収容したパチンコ球B(物体)の硬度を計測可能な硬度センサ82(第10検出器)をカバー110に備えてもよい。この硬度センサ82は圧力センサを備え、一定荷重で圧子84をパチンコ球Bに当てることによって圧力を得る。メイン制御基板200では得られた圧力からパチンコ球Bの硬度を算出する。パチンコ球Bと異物とでは硬度が異なることがある。硬度センサ82で計測した硬度が許容範囲内であるときにのみ回転体120を回転させると{図11のステップS54,図10のステップS26;回転制御部}、1ユニットのパチンコ球Bをより正確に検出して機内に取り込むことができる。パチンコ球Bと異物とでは硬度が異なることがあるので、形状や重量等が類似しても硬度が異なれば異物の混入を発見することができる。
【0071】
(c5)返却ボタン30の操作中は、既に羽根120aに収容されたパチンコ球Bと、上皿38や流入通路34に存在するパチンコ球Bとを、返却通路104を通じて下皿36に返却する。よって収容口102を通過する通過数および収容数の和(以下「残留数」と呼ぶ。)と、返却通路104から返却するパチンコ球Bを近接センサ116で検出した個数(返却数)とが一致するか否かを確認する構成としてもよい。もし残留数と返却数とが一致しないときは、取込装置32内にパチンコ球Bが残留している可能性があるので、異常事態として報知するのが望ましい。
【0072】
【発明の効果】
本発明によれば、検出結果が不適切な場合には回転制御部が回転体を回転させない。よって、所定数の遊技球を正確に検出して機内に取り込むことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】スロットマシンの外観を示す正面図である。
【図2】取込装置の外観を示す左側面図である。
【図3】パチンコ球の取り込み過程を説明する図である。
【図4】取込装置の外観を示す正面図である。
【図5】取込装置の外観を示す背面図である。
【図6】光センサ等の設置例を示す図である。
【図7】収容時におけるパチンコ球の検出を示す図である。
【図8】近接センサ等の設置例を示す図である。
【図9】制御基板等の接続構成を模式的に示すブロック図である。
【図10】回転制御処理の手続きを示すフローチャートである。
【図11】収容球検査処理の手続きを示すフローチャートである。
【図12】パチンコ球の収容と返却を説明する図である。
【図13】パチンコ球収容時における物体の検出を示す図である。
【図14】反射率を計測する構成例を示す図である。
【図15】重量を計測する構成例を示す図である。
【図16】硬度を計測する構成例を示す図である。
【符号の説明】
10 スロットマシン(遊技機)
12 液晶表示器(報知手段,第2表示部)
14 スピーカ(報知手段)
16 演出ランプ(報知手段)
20,22,24 停止スイッチ
26 取込スイッチ
28 貯留精算スイッチ
30 返却ボタン
32 取込装置
34 流入通路
46 始動スイッチ
48,50,52 ベットスイッチ
60,64,68 表示窓(第1表示部)
62,66,70 リール
200 メイン制御基板(回転制御部)
200a CPU
200b ROM
200c RAM
204 中継ランプ基板
206 サブ制御基板
218 液晶制御基板
220 装飾表示基板
222 電源装置
224 球払出装置
Claims (6)
- 所定数の遊技球を一単位として遊技を行い、遊技結果に応じた数の遊技球を払い出すように構成した遊技機において、
前記遊技結果に応じて払い出された遊技球を貯留する上皿と、該上皿に貯留された遊技球を流入通路を介して収容し且つその収容した遊技球を取込通路を介して取り込む取込装置と、を備え、
前記取込装置は、
前記流入通路に連通する収容口から収容された遊技球を前記所定数に区切って収容可能な収容部を複数個備えると共に、該収容部に収容された所定数の遊技球を収容した状態で回転する回転体と、
該回転体を回転駆動するモータと、
前記収容口から前記収容部に収容した各遊技球の存在を検出可能な所定数の第1検出器と、
前記収容口の直前位置の収容部に遊技球が存在するか否かを検出可能な第2検出器と、
前記モータを回転制御する回転制御部と、を備え、
前記回転制御部は、前記第2検出器による検出結果を受けて収容前に遊技球が存在しないこと及び前記所定数の第1検出器が各遊技球を検出したことを条件として前記回転体を回転させて一の収容部が前記流入通路と一致したときに前記収容口から当該一の収容部に所定個数の遊技球を収容し、収容した遊技球を前記一の収容部に保留したまま回転し、当該一の収容部が前記取込通路と一致したときに保留した遊技球を当該取込通路に排出する制御を行うことを特徴とする遊技機。 - 請求項1に記載した遊技機において、
前記所定数の第1検出器は、前記流入通路から前記収容部に収容する際に通過する遊技球をそれぞれ検出し、
前記回転制御部は、さらに前記所定数の第1検出器についてそれぞれ検出した検出数が異なることを条件として前記回転体を回転させることを特徴とする遊技機。 - 請求項1または請求項2に記載した遊技機において、
前記収容口を通過する遊技球を検出可能な第3検出器を備え、
前記回転制御部は、さらに前記第3検出器が通過する所定数の遊技球を検出したことを条件として前記回転体を回転させることを特徴とする遊技機。 - 請求項1から3のいずれか一項に記載した遊技機において、
前記収容口から前記収容部に収容した後の静止状態にある遊技球が検出不能であって、当該静止状態にある遊技球以外の位置に存在する物体を検出可能な第4検出器を備え、
前記回転制御部は、さらに遊技球が静止状態のときに前記第4検出器が物体を検出しないことを条件として前記回転体を回転させることを特徴とする遊技機。 - 請求項1から4のいずれか一項に記載した遊技機において、
前記回転体の一の収容部が前記流入通路と一致した状態から前記取込通路に一致する状態までの間に、前記一の収容部に保留した各遊技球の存在を検出可能な所定数の第5検出器を備え、
前記所定数の第5検出器が各遊技球を検出したことを条件として前記回転体を回転させることを特徴とする遊技機。 - 請求項1から5のいずれか一項に記載した遊技機において、
前記回転制御部は、検出結果によって前記回転体を回転させない場合には、異常事態として報知手段で報知を行うことを特徴とする遊技機。
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