JP4247174B2 - アンテナ装置 - Google Patents

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この発明は例えば移動通信用システムにおいて6セクタ無線ゾーンを構成する基地局アンテナに利用され、水平面内指向性が60°ビームアンテナ装置、特に2種類の周波数帯で使用出来るようにしたアンテナ装置に関する。
従来、第3世代移動通信システムにおいては2GHz帯の周波数が用いられており、加入者数の増大に対応することを目的に水平面内指向性が60°の基地局アンテナによる6セクタ無線ゾーン構成を採用することが主流となっている。しかし、近い将来に更なる加入者の増大が予想され、新しい周波数帯、例えば800MHz帯や1.7GHz帯を使用することが検討されている。加入者の増加に合わせて既存の2GHz帯と新周波数帯の共用が望まれ、使用するアンテナも一つのアンテナ構成で対応出来ることが期待されている。
従来から一つのアンテナ装置で複数の使用周波数帯に対応する方法としては、それぞれの使用周波数帯に対応した励振素子を備えるのが一般的であった。その従来の多周波数共用アンテナの一例(特許文献1)を図17に示す。図17aが従来の多周波数共用アンテナの一例を示す斜視図、図17bがその平面図である。垂直平面状の反射板19の両端縁に垂直に前方に突出して側面反射板20,21が設けられ、反射板19の前方に配され反射板と平行に配列される上下に延長した第1ダイポールアンテナの組31a,31b,32a,32b,33a,33b,34a,34bが垂直方向に一定間隔を置いて順次配列され、第1ダイポールアンテナを含む平面内で距離Sずつ互いに内側で、反射板19から第1ダイポールアンテナと同一方向に向かって第1ダイポールアンテナからの距離Sの各2つの箇所に、無給電素子の組み61a,61b,62a,62b,63a,63b,64a,64bがそれぞれ上下方向に第1ダイポールアンテナと対になって配置されている。組をなす2つの第1ダイポールアンテナ31a,31bの中間において、反射板19から第1ダイポールアンテナと同一側に、第1ダイポールアンテナと反射板19との間隔よりも離れて上下に延長した第2ダイポールアンテナ41,42が配置されている。図17に示す従来例は、アンテナ利得を高めるためにアンテナ素子を複数上下に配列した例である。
図17において、組をなす第1ダイポールアンテナ31a,31bと、無給電素子61a,61bとが高い使用周波数帯を受け持ち、第2ダイポールアンテナ41,42が低い方の使用周波数帯を受け持っている。このように一つのアンテナ装置で複数の使用周波数帯に対応する方法としては、それぞれの使用周波数帯に対して専用の励振素子を用意するのが一般的である。
次に従来から良く使用される60°ビームアンテナについて説明する(非特許文献1に記載)。図18に従来の60°ビームアンテナを示す。図18aが従来の60°ビームアンテナの一例を示す正面図、図18bが平面図、図18cが側面図である。上下方向に配置される主反射板70と、主反射板70の両側縁より前方に折り曲げ延長された第1側面反射板71及び第2側面反射板72とからなる反射板80と、反射板80の前方に配され反射板と平行に配列され、上下に延長した第1ダイポールアンテナ74及び第2ダイポールアンテナ75と、第1及び第2ダイポールアンテナ74,75の反射板80と反対側前方にそれぞれ第1無給電素子76と第2無給電素子77が配置されている。第1ダイポールアンテナ74及び第2ダイポールアンテナ75にはその各給電点78から同相同周波数の高周波信号が給電される。
通常、第1及び第2ダイポールアンテナ74,75は、主反射板70から使用周波数帯の波長λのλ/4の位置に、又、第1ダイポールアンテナ74と第2ダイポールアンテナ75の間隔はλ/2の位置に配置される。また、反射板80の両端縁で形成されるアンテナ開口幅Aは、通常0.67λに設定され、第1及び第2無給電素子77によって水平面内指向性が60°に設定されている。使用周波数が2GHzの場合、アンテナ開口幅Aは100mmに設定されている。新しい使用周波数に例えば1.7GHzを使用することを考えた場合、従来の設計手法では、この図18に示したアンテナ装置にその使用周波数2GHz以外の、つまり一つのダイポールアンテナで2GHz帯と1.7GHz帯とで使用することを考えた場合、アンテナ開口幅Aが118mmになり開口幅Aが18mm大きくなる。したがって、アンテナ内径も大きくなる。2GHz帯における第3世代移動通信サービスは開始されており、新周波数でのサービスを開始する際には既設アンテナと新周波数帯共用アンテナとの交換となるため、風圧荷重、鉄塔での搭載機能、取り付けスペースも変更する必要が生じることになる。当然、第1及び第2ダイポールアンテナ74,75のアンテナ有効長や第1及び第2無給電素子76,77のサイズも使用周波数帯に対応して変わってくる。
したがって、図18に示すような60°ビームアンテナ装置において、加入者の増大に合わせて新しい使用周波数を追加する場合は、新規に形状の異なるアンテナ装置を設置する必要がある。これは大変不経済なことであり、一つのアンテナ装置で対応出来ることが強く求められている。
特開2000−174549(段落0005、図3) 電子情報通信学会論文誌2003/6Vol.J86-BNo.6(952〜953項、956項)
複数の使用周波数に対応するために既存のアンテナ装置に新周波数帯の励振素子を設けなければならない、一つの励振素子に対し2周波数帯を共用すると、各周波数帯の水平面内指向性の周波数特性が異なり、周波数帯でのサービス領域が異なる問題が生じる。一方、同一サービス領域で新たな周波数帯にも使用可能にするためには、全体の形状を大きくする必要があり、風圧荷重、鉄塔での搭載機能、取り付けスペースなどを変更しなければならないという課題があった。
この発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、一つの60°ビームアンテナ装置において一つの励振素子を用いて2つの使用周波数帯で使用出来、しかも既存のものと同一の大きさとすることができるアンテナ装置を提供することを目的とするものである。
この発明では、反射板と、その反射板の前方で反射板と平行に配列される第1及び第2ダイポールアンテナと、その第1及び第2ダイポールアンテナの前方に第1及び第2無給電素子とを備え、反射板は方形平板状の主反射板とその主反射板の両側縁より前方に折り曲げ延長された第1及び第2側面反射板とを備え、
第1及び第2ダイポールアンテナは、主反射板と第1及び第2側面反射板の折り曲げ線とそれぞれ平行に、且つ主反射板と間隔d、更に第1ダイポールアンテナと第2ダイポールアンテナとの間隔はdを保って対向させ、第1及び第2無給電素子は、それぞれ第1及び第2ダイポールアンテナに対し、主反射板と平行に距離Sだけ内側で、且つ主反射板と反対方向に距離Sの位置に配置され、第1及び第2ダイポールアンテナは、第1使用周波数帯の高周波信号及び第1使用周波数帯より低い第2高周波信号に対する一つの給電点を備え、第1及び第2のダイポールアンテナの有効長を上記第2高周波信号の波長λの1/2の長さとし、且つ、上記間隔dは上記波長の1/4の距離より小であり、上記間隔dは上記波長λの1/2の距離よりも大であることとした。
以上のようにこの発明の場合、第1及び第2のダイポールアンテナのアンテナ有効長を低い使用周波数帯の波長λの1/2λとし、第1及び第2のダイポールアンテナの間隔を1/2λよりも大きく、また反射板とダイポールアンテナ間の間隔を1/4λよりも小さく、また無給電素子を高い使用周波数帯に共振させるようにし、その間隔を第1及び第2のダイポールアンテナの間隔よりも狭くすることで、一対のダイポールアンテナで、且つまた既存の60°ビームアンテナのアンテナ開口幅を変えることなく、2つの使用周波数帯における共用化が可能となる。
アンテナ開口幅を変えることなく新たな使用周波数帯の追加が可能になると、アンテナの風圧荷重への対応や鉄塔の強度の見直しを行う必要が無くなると共に、レドームの兼用化や取り付けスペースの兼用化などの効果が期待できる。
以下、この発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
[第1実施形態]
図1は、この発明のアンテナ装置の基本構成を示す概略図である。図1aはその斜視図である。主反射板1の前方に配され主反射板1と平行に配列された第1ダイポールアンテナ5及び第2ダイポールアンテナ6と、これら第1及び第2ダイポールアンテナ5,6の前方に第1無給電素子7と第2無給電素子8とを備え、方形平板状の主反射板1とその主反射板1の両側縁より前方に一体に折り曲げ延長された第1側面反射板2と第2側面反射板3とで反射板4を構成している。第1及び第2ダイポールアンテナ5,6は、主反射板1と第1及び第2側面反射板2,3の折り曲げ線とそれぞれ平行し、主反射板1と間隔dを保って対向している。第1ダイポールアンテナ5と第2ダイポールアンテナ6との間隔は間隔dを保って対向し、第1及び第2無給電素子7,8は、それぞれ第1及び第2ダイポールアンテナ5,6に対し、第1及び第2側面反射板2,3との反対側に距離S、且つ主反射板1と反対側に距離Sの位置に配置され、第1及び第2ダイポールアンテナ5,6は、第1使用周波数の高周波信号及び第1使用周波数より低い第2高周波信号に対する一つの給電点9を備えている。
この実施例では垂直偏波アンテナ装置とした場合で、反射板4は垂直に設けられ、第1及び第2ダイポールアンテナ5,6も垂直に配されている。反射板4の先端のなすアンテナ開口幅Aを0.567λに、ダイポールアンテナ間隔dを0.53λ≦d≦0.56λの範囲内に、主反射板とダイポールアンテナとの間隔dを0.20λ≧d≧0.175λの範囲内に、無給電素子の長さLPを0.30λ≦LP≦0.345λの範囲内に、ダイポールアンテナと無給電素子との距離Sを0λ≦S≦0.066λの範囲内に、ダイポールアンテナと無給電素子との距離Sを0.04λ≦S≦0.056λの範囲内に、主反射板1の端部からダイポールアンテナの方向への垂線と第1及び第2側面反射板とのなす角度θが0°の前提で、側面放射板の折り曲げ延長方向の長さWを0.056λ≦W≦0.141λの範囲内とした。ここでλは第2高周波信号(低い方の高周波信号)の周波数、例えば1.7GHzの波長とする。第2高周波信号よりも高い第1の高周波信号の周波数は例えば2GHzである。
以下に上記の数値が最適であることを説明する。図2にアンテナ開口幅Aと水平面内指向性との関係を示す。横軸はアンテナ開口幅を1.7GHzの波長λの換算値で表し、縦軸は水平面内指向性をdeg.で表す。既存の2GHzの60°ビームアンテナのアンテナ開口幅Aは、0.67λ2Gで100mm(2GHzでの換算値)である。この100mmを1.7GHzの波長λで換算すると0.567λとなる。したがって、既存の2GHzの60°ビームアンテナと1.7GHz60°ビームアンテナを共用するためには、アンテナ開口幅Aが0.567λで水平面内指向性60°を実現する必要がある。そこでこの実施形態では、従来の設計手法と異なる手法を用いている。すなわち、第1及び第2ダイポールアンテナ5,6(以下ダイポールアンテナ5,6と略す)を1.7GHz帯で共振させ、第1及び第2無給電素子7,8(以下無給電素子7,8と略す)を2.0GHz帯で共振させるようにしている。
ダイポールアンテナ間隔dを0.4λ,0.5λ,0.51λ,0.52λ,0.53λ,0.54λ,0.55λ,0.56λとパラメータにして、ダイポールアンテナ開口幅A=0.567λで水平面内指向性が60°以下になるダイポールアンテナ間隔dを求めるとダイポールアンテナ間隔dが0.53λから0.56λの範囲になる。
図3に2GHzにおける図2と同一の特性を示す。ダイポールアンテナ間隔d=0.4λで水平面内指向性が60°以上であるが、ダイポールアンテナ間隔dが0.5λ以上において水平面内指向性が55°以下と狭くなっている。水平面内指向性が60°より小さくなることについては、60°より小さい方が隣接する他のセクタへの干渉が減り指向性が40°後半において通信容量が増大するという報告がなされている。(1999年電気通信情報学会総合大会B-5-157:W-CDMA方式におけるセクタアンテナのビーム幅最適化)したがって、指向性が45°以上であれば問題がなく、図2と図3からダイポールアンテナ間隔dが0.53λから0.56λの範囲にあれば良いことが分かる。この実施の形態で示したダイポールアンテナ間隔dHは、背景技術で述べた特許文献1で示されている値と大きく異なり、このように0.5λより大きな値に設定される。
次にダイポールアンテナ5,6と反射板4との垂直方向距離dの最適値を求める。図4にダイポールアンテナ5,6と反射板4との垂直方向距離dと水平面内指向性との関係を示す。横軸は垂直方向距離を波長λ換算で表し縦軸は水平面内指向性をdeg.で表す。垂直方向距離dに対して水平面内指向性は、大きく変化せず平坦な特性を示す。周波数1.7GHzでダイポールアンテナ間隔が指向性60°に対して余裕が無く、水平面内指向性を60°以内にするために、ダイポールアンテナ5,6と反射板4との垂直方向距離dは0.20λ≧d≧0.175λの範囲にする必要がある。周波数2.0GHzにおける水平面内指向性は、垂直方向距離dが0.175λから0.20λの範囲内においては、水平面内指向性が48°から51°と問題の無い範囲内にある。
次に無給電素子7,8の長さLPの最適値を求める。図5に無給電素子の長さLPと反射減衰量との関係を、図6に無給電素子の長さLPと水平面内指向性との関係を示す。図5の横軸は無給電素子の長さLPを波長λ換算で表し縦軸は反射減衰量をdBで表す。無給電素子7,8は、周波数2.0GHzに共振させるようにしているため、周波数1.7GHzにおける反射減衰量の変化は少ない。長さLPを0.345λより大きくすると反射減衰量が−10dBより大きくなってしまう。周波数2.0GHzに対しては、下に凸形状の特性を示し、無給電素子の長さLPが0.285λから0.358λの範囲内において、反射減衰量が−10dB以下となる。したがって、反射減衰量が−10dB以下とするためには、無給電素子7,8の長さLPを0.285λ≦LP≦0.345λの範囲内にする必要がある。図6の横軸は無給電素子の長さLPを波長λ換算で表し縦軸は水平面内指向性をdeg.で表す。無給電素子の長さLPに対して水平面内指向性は平坦な特性を示す。周波数1.7GHz、ダイポールアンテナ間隔d=0.53λの条件で水平面内指向性が60°に対して余裕が無く、図6から水平面内指向性を60°以下にするためには、無給電素子7,8の長さLPをLP≧0.3λにする必要がある。図5と図6から無給電素子7,8の長さLPを0.30λ≦LP≦0.345λの範囲内にする必要がある。
次にダイポールアンテナ5,6と無給電素子7,8との水平方向の距離S1の最適値を求める。水平方向の距離S1を決めるに当たって、使用する周波数帯間における水平面内指向性の差が問題になり、その差が小さいほど好ましい。すなわち、使用周波数帯が変化することで、水平面内指向性が大きく変化すると、周波数帯ごとにサービスエリアが異なるといった事象が発生し問題になる。そこで、上述した文献等の報告にあるように、使用周波数帯が変化しても水平面内指向性を45°程度から60°以内にする必要がある。この実施形態のように一つの反射板を2つ周波数帯で共用する場合は、低い使用周波数帯の水平面内指向性が広くなるので、低い使用周波数帯の水平面内指向性を60°以下に、高い周波数帯の水平面内指向性を45°以上に設定することになる。図7にダイポールアンテナと無給電素子との水平方向の距離S1と、使用周波数帯間の水平面内指向性の差を示す。横軸は水平方向の距離S1を波長λ換算で表し、縦軸はこの例の場合、1.7GHzと2.0GHzとの水平面内指向性の差(偏差)をdeg.で表す。
水平方向の距離S1を0から増やして行くと水平面内指向性の偏差は漸次的に減少し、距離S1が約0.06で最小になり、その後、S1の増加にしたがって微増する傾向を示す。図8に距離S1と反射減衰量との関係を示す。周波数帯1.7GHzの水平方向の距離S1と反射減衰量との関係は、S1の増加に伴い反射減衰量が徐々に減少する特性を示す。これは無給電素子7,8がダイポールアンテナ5,6の影響を受けるほど、反射減衰量が増加することを示している。周波数帯2.0GHzに対しては、S1が0で最も反射減衰量が少なく、ダイポールアンテナ5,6から無給電素子7,8が遠ざかるほど反射減衰量が増加する特性を示す。これは無給電素子7,8を2.0GHzに共振させているため、当然の結果で、ダイポールアンテナ5,6に無給電素子7,8が近いほど電力が効率良く伝達される関係にあるからである。このようにS1が0λ≦S1≦0.066λの範囲で反射減衰量が−10dB以下になることが分かる。
次にダイポールアンテナ5,6と無給電素子7,8の垂直方向の距離S2の最適値を求める。図9にダイポールアンテナ5,6と無給電素子7,8との垂直方向距離S2と反射減衰量との関係を示す。横軸は垂直方向距離S2を波長λ換算で表し、縦軸は反射減衰量をdBで表す。周波数帯1.7GHzでは、S2が約0.04λで反射減衰量が約−10dBと最も大きくなる特性を示す。周波数2.0GHzではS2が約0.04λで反射減衰量が最小になる下に凸の特性を示し、S2が0.056以上になると反射減衰量が−10dBより大きくなる。図10に垂直方向距離S2と水平面内指向性との関係を示す。水平面内指向性に対する垂直方向間隔S2の感度は低く、S2に対してほぼ平坦な特性を示す。垂直方向距離S2が0.04λ以下では周波数帯1.7GHzにおいて水平面内指向性が60°を超えてしまう。したがって、図9と図10からダイポールアンテナ5,6と無給電素子7,8との垂直方向距離S2は、0.04λ≦S2≦0.056λの範囲内にする必要がある。この実施の形態で示す距離Sは、背景技術で述べた特許文献1に示されている距離と大きく異なり小さな値に設定される。
次に側面反射板2,3の長さWと、側面反射板2,3と主反射板1の両端縁からダイポールアンテナの方向への垂線とが成す角度θの最適値を求める。表1に水平面内指向性が60°以内で且つ反射減衰量が−10dB以下になる、ダイポールアンテナ間隔dHをパラメータにした角度θと長さWの組み合わせを示す。
Figure 0004247174
ダイポールアンテナ5,6の間隔dがd=0.53λ、角度θが0°では、Wが0.141λから0.17λの範囲で水平面内指向性が60°以内で且つ反射減衰量が−10dB以下になる(以下、水平面内指向性が60°以内で且つ反射減衰量が−10dB以下をアンテナ仕様と略す)。角度θが5°ではWが0.113λの長さ、角度θが10°では同じくWが0.113λの長さでアンテナ仕様を満足する。
ダイポールアンテナ5,6の間隔dがd=0.54λ、角度θが0°では、Wが0.056λから0.141λの範囲で、角度θが5°ではWが0.056λから0.141λの範囲でアンテナ仕様を満足する。また、角度θが10°ではWが0.056λの長さでアンテナ仕様を満足する。
ダイポールアンテナ5,6の間隔dがd=0.55λ、角度θが0°では、Wが0.056λから0.17λの範囲内でアンテナ仕様を満足する。また、角度θが5°では、Wが0.056λでアンテナ仕様を満足する。
ダイポールアンテナ5,6の間隔dがd=0.56λ、角度θが0°では、Wが0.056λから0.17λの範囲内でのみアンテナ仕様を満足する。
以上の結果から水平面内指向性が60°以内で且つ反射減衰量が−10dB以下になるそれぞれの連続的な範囲を求めると、角度θが0°の条件でダイポールアンテナ間隔dが0.54λから0.56λの範囲で、且つ側面反射板2,3の長さWが0.056λから0.141λの範囲内になる。これ以外でも上述したように、ダイポールアンテナ間隔d=0.53λでは、角度θが5°で長さWが0.113λで、また、角度θが10°で長さWが0.113λの条件でアンテナ仕様を満足する。さらに、ダイポールアンテナ間隔d=0.54λでは、角度θ=5°で長さWが0.056λから0.141λの範囲でアンテナ仕様を満足する。また、角度θ=10°で長さW=0.056λでアンテナ仕様を満足する。さらに、ダイポールアンテナ間隔d=0.55λでは、角度θ=5°で長さWが0.056λの条件でアンテナ仕様を満足する。
以上述べて来た検討の結果から、好ましい例としては、アンテナ開口幅Aを0.567λとしダイポールアンテナ5,6の間隔d=0.53λ、ダイポールアンテナと無給電素子の水平方向間隔S1=0.025λ、側面反射板2,3の長さW=0.11λ、角度θ=10°の条件がある。この条件におけるアンテナ装置の反射減衰量の周波数特性を図11に、使用周波数1.7GHzの指向性パターンを図12に、使用周波数2.0GHzの指向性パターンを図13に示す。
図11は横軸が周波数で縦軸が反射減衰量dBを表す。1.7GHz帯及び2.0GHz帯それぞれにおいて帯域が確保されている。図12、図13の放射レベルを表す同心円の間隔は、5dBである。使用周波数1.7GHz、アンテナ開口幅A=0.567λで水平面内指向性約60°を実現している。また、使用周波数2.0GHzにおいても水平面内指向性約52°を実現している。
以上のようにダイポールアンテナ5,6のアンテナ有効長を低い使用周波数帯の波長λの1/2λとし、ダイポールアンテナ5,6の間隔を1/2λよりも大きく、また反射板4とダイポールアンテナとの間隔を1/4λよりも小さく、また無給電素子を高い使用周波数に共振させるようにし、その間隔をダイポールアンテナ5,6の間隔よりも狭くすることで、一対のダイポールアンテナ5,6で、かつまたアンテナ開口幅を変えることなく、2つの使用周波数帯における共用化を可能としたアンテナ装置を提供することができた。
[変形例]
この発明の60°ビームアンテナのアンテナの指向方向を60°ずらせて6セクタ構成の無線ゾーンの2つを形成するようにしたアンテナ装置の例を図14に示す。正面図を図14aに図14bにその平面図を示す。図14は図1に示した実施形態のアンテナ装置101と201とを、前者の主反射板1及び側面反射板3の折り曲げ線と、後者の主反射板1と側面反射板2の折り曲げ線とを互いに接触させ、両主反射板1のなす角が120°になるように配され、つまりアンテナ指向方向を60°ずらせてアンテナ装置101と201とを配置したものである。図1と同じものは参照番号を同一として説明を省略する。
図15はこの発明の60°ビームアンテナの利得を高める目的で、ダイポールアンテナの長さ方向において複数配列してアレイ化したアンテナ装置である。図15は図1に示した実施形態のアンテナ装置101を、第1ダイポールアンテナ及び第2ダイポールアンテナ5,6の延長方向に複数個、N個配置した例である。通常、この種の60°ビームアンテナが基地局に用いられる移動通信システムには、垂直偏波が用いられるため、このようにダイポールアンテナの長さ方向に複数配列してアレイ化することは、その利得を高めるために有効である。この発明の説明で用いた図1と同じものは、その参照番号を同一とし、説明を省略する。
図16に図14に示したこの実施形態の60°ビームアンテナのアンテナの指向方向を60°ずらせて6セクタ構成の無線ゾーンの2つを形成するようにしたアンテナ装置のアンテナ利得を高める目的で、ダイポールアンテナの長さ方向に複数個配列してアレイ化した例を示す。図14に示したアンテナ装置101と201とを第1ダイポールアンテナ及び第2ダイポールアンテナ5,6の延長方向に複数個、N個配置した例である。この例ではこの発明によるアンテナ装置をアンテナ指向方向を60°ずらして2つ組み合わせたものであるが、2つ以上を組み合わせれば6セクタ構成の無線ゾーンのカバー範囲を広げることが可能である。
この発明のアンテナ装置の基本構成を示す概略図である。 この発明のアンテナ開口幅と水平面内指向性との関係を示す図である。 この発明のアンテナ開口幅と水平面内指向性との関係を示す図である。 この発明のアンテナ装置のダイポールアンテナと反射板との垂直方向距離dと水平面内指向性との関係を示す図である。 この発明のアンテナ装置の無給電素子の長さLと反射減衰量との関係を示す図である。 この発明のアンテナ装置の無給電素子の長さLと水平面内指向性との関係を示す図である。 この発明のアンテナ装置のダイポールアンテナと無給電素子との水平方向間隔S1と使用周波数帯間の水平面内指向性の差を示す図である。 この発明のアンテナ装置のダイポールアンテナと無給電素子との水平方向間隔S1と反射減衰量との関係を示す図である。 この発明のアンテナ装置のダイポールアンテナと無給電素子との垂直方向間隔S2と反射減衰量との関係を示す図である。 この発明のアンテナ装置のダイポールアンテナと無給電素子との垂直方向間隔S2と水平面内指向性との関係を示す図である。 この発明のアンテナ装置の反射減衰量の周波数特性を示す図である。 この発明のアンテナ装置の使用周波数帯1.7GHzの指向性パターンを示す図である。 この発明のアンテナ装置の使用周波数帯2.0GHzの指向性パターンを示す図である。 この発明のアンテナ装置を6セクタ構成の無線ゾーンの2つを形成するようにした例を示す図である。 図1に示すこの発明のアンテナ装置をアレイ化した例を示す概略図である。 図14に示すこの発明のアンテナ装置をアレイ化した例を示す概略図である。 従来の多周波数共用アンテナの一例を示す図である。 従来の60°ビームアンテナの構成を示す概略図である。

Claims (7)

  1. 反射板と、
    その反射板の前方に配され反射板と平行に配列された第1及び第2ダイポールアンテナと、
    これら第1及び第2ダイポールアンテナの前方に第1及び第2無給電素子とを備え、
    上記反射板は方形平板状の主反射板とその主反射板の両側縁より前方に折り曲げ延長された第1及び第2側面反射板とを備え、
    上記第1及び第2ダイポールアンテナは、上記主反射板と第1及び第2側面反射板の折り曲げ線とそれぞれ平行し、主反射板と間隔dを保って対向し、第1ダイポールアンテナと第2ダイポールアンテナとの間隔dを保って対向し、
    上記第1及び第2無給電素子は、それぞれ第1及び第2ダイポールアンテナに対し、上記第1及び第2側面反射板と距離Sだけ反対側であり、且つ主反射板と距離Sだけ反対側にあり、
    第1及び第2ダイポールアンテナは、第1使用周波数の高周波信号及び第1使用周波数より低い第2高周波信号に対する一つの給電点を備え、
    上記第1及び第2のダイポールアンテナの有効長は上記第2高周波信号の波長λの1/2の長さで、且つ、上記間隔dは上記波長の1/4の距離より小であり、上記間隔dは上記波長λの1/2の距離よりも大であることを特徴とするアンテナ装置。
  2. 上記間隔dは0.20λ≧d≧0.175λの範囲内にあることを特徴とする請求項1に記載のアンテナ装置。
  3. 上記間隔dは0.53λ≦d≦0.56λの範囲内にあることを特徴とする請求項1および請求項2の内の何れかに記載のアンテナ装置。
  4. 上記距離S1は0λ≦S≦0.066λの範囲内に、上記距離Sは0.04λ≦S≦0.056λの範囲内に、第1及び第2無給電素子の長さLは0.30λ≦LP≦0.345λの範囲内であることを特徴とする請求項1および請求項3の内の何れかに記載のアンテナ装置。
  5. ダイポールアンテナと平行且つ垂直な面と上記第1及び第2側面反射板との成す角度θが0°で且つ、第1及び第2側面放射板の延長方向の長さWは0.056λ≦W≦0.141λの範囲内であることを特徴とする請求項1および請求項4の内の何れかに記載のアンテナ装置。
  6. 請求項1及び請求項5の内の何れかに記載のアンテナ装置を、上記アンテナ装置のアンテナ指向方向の成す角度を60°ずらせて隣接して2組以上一体化したことを特徴とするアンテナ装置。
  7. 請求項1及び請求項6の内の何れかに記載のアンテナ装置をダイポールアンテナの長さ方向において複数配列してアレイ化したことを特徴とするアンテナ装置。
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