JP4246808B2 - ビーム光走査装置および画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、たとえば、複数のレーザビーム光により単一の感光体ドラム上を同時に走査露光して上記感光体ドラム上に単一の静電潜像を形成するためのビーム光走査装置、および、このビーム光走査装置を用いたデジタル複写機やレーザプリンタなどの画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、たとえば、レーザビーム光(以降、単にビーム光と称す)による走査露光と電子写真プロセスとにより画像形成を行なうデジタル複写機が種々開発されている。
【0003】
そして、最近では、さらに画像形成速度の高速化を図るために、マルチビーム方式、つまり、複数のビーム光を発生させ、これら複数のビーム光により複数ラインずつの同時走査が行なわれるようにしたデジタル複写機が開発されている。
【0004】
このようなマルチビーム方式のデジタル複写機においては、ビーム光を発生する複数の半導体レーザ発振器、これら複数のレーザ発振器から出力される各ビーム光を感光体ドラムへ向けて反射し、各ビーム光により感光体ドラム上を走査するポリゴンミラーなどの多面回転ミラー、および、コリメータレンズやf−θレンズ、さらに、各ビーム光の感光体ドラム上での通過位置を変更制御するガルバノミラーなどの光路制御手段などを主体に構成される、ビーム光走査装置としての光学系ユニットを備えている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の光学系ユニットの構成では、感光体ドラム上(被走査面)で複数のビーム光相互の位置関係、つまり、複数のビーム光の通過位置を理想的な位置関係に制御するのは非常に困難であり、これを実現するためには、非常に高い部品精度や組立精度は勿論のこと、ビーム光の通過位置制御に高い精度が要求され、装置のコストアップの要因となっていた。
【0006】
また、理想の位置関係に制御したとしても、制御終了後にガルバノミラーなどのビーム光アクチュエータの駆動ラインにノイズが重畳して、ガルバノミラーが誤動作し、ビーム光の通過位置が目標位置から外れてしまう可能性がある。
【0007】
また、画像形成装置から発生する振動や外部から付加された振動などによって、ビーム光の通過位置が目標位置から外れてしまう可能性がある。
【0008】
また、ビーム光の通過位置を検知するためのセンサの出力にノイズが重畳し、そのため誤ったビーム光位置情報で制御を終了してしまう可能性もある。
【0009】
さらに、一般にガルバノミラーなどのビーム光アクチュエータには、ヒステリシスや感度のばらつきなどが存在する。このようなヒステリシスや感度のばらつきは、ビーム光の通過位置制御時に悪影響を与える。たとえば、制御が振動的となって、ビーム光が制御目標エリア内に収束しない可能性がある。
【0010】
そこで、本発明は、ノイズなどの影響を取り除き、ビーム光の通過位置を制御目標位置に正確に制御することができるビーム光走査装置および画像形成装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明のビーム光走査装置は、ビーム光を発生するビーム光発生手段と、このビーム光発生手段から発生されたビーム光を被走査面へ向けて反射し、前記ビーム光により前記被走査面を走査する走査手段と、この走査手段により前記被走査面を走査する前記ビーム光の通過位置を検知するビーム光検知手段と、このビーム光検知手段の検知結果に基づき、前記走査手段により走査されるビーム光の前記被走査面における通過位置が適正位置となるよう制御するための光路制御量を決定する光路制御量決定手段と、この光路制御量決定手段で決定された光路制御量に応じて、前記走査手段により走査されるビーム光の光路を変更することにより、前記被走査面におけるビーム光の通過位置を適正位置に制御する光路制御手段と、この光路制御手段によりビーム光の通過位置を適正位置に制御し、その後、前記ビーム光検知手段により前記ビーム光の通過位置を検知し、その検知結果が適正位置に対応するものとなることがあらかじめ設定される所定回数以上連続して得られるまで前記光路制御手段による制御を繰り返すように制御する制御手段とを具備している。
【0019】
また、本発明の画像形成装置は、像担持体と、請求項1または請求項2記載の光ビーム走査装置と、前記像担持体に前記ビーム光走査装置から出力されたビーム光により走査露光形成された画像に現像剤を供給する現像器とを具備している。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0030】
図1は、本実施の形態に係るビーム光走査装置が適用される画像形成装置としてのデジタル複写機の構成を示すものである。すなわち、このデジタル複写機は、たとえば、画像読取手段としてのスキャナ部1、および、画像形成手段としてのプリンタ部2から構成されている。スキャナ部1は、図示矢印方向に移動可能な第1キャリジ3と第2キャリジ4、結像レンズ5、および、光電変換素子6などから構成されている。
【0031】
図1において、原稿Oは透明ガラスからなる原稿台7上に下向きに置かれ、その原稿Oの載置基準は原稿台7の短手方向の正面右側がセンタ基準になっている。原稿Oは、開閉自在に設けられた原稿固定カバー8によって原稿台7上に押え付けられる。
【0032】
原稿Oは光源9によって照明され、その反射光はミラー10,11,12、および、結像レンズ5を介して光電変換素子6の受光面に集光されるように構成されている。ここで、上記光源9およびミラー10を搭載した第1キャリジ3と、ミラー11,12を搭載した第2キャリジ4は、光路長を一定にするように2:1の相対速度で移動するようになっている。第1キャリジ3および第2キャリジ4は、キャリジ駆動用モータ(図示せず)によって読取タイミング信号に同期して右から左方向に移動する。
【0033】
以上のようにして、原稿台7上に載置された原稿Oの画像は、スキャナ部1によって1ラインごとに順次読取られ、その読取り出力は、図示しない画像処理部において画像の濃淡を示す8ビットのデジタル画像信号に変換される。
【0034】
プリンタ部2は、光学系ユニット13、および、被画像形成媒体である用紙P上に画像形成が可能な電子写真方式を組合わせた画像形成部14から構成されている。すなわち、原稿Oからスキャナ部1で読取られた画像信号は、図示しない画像処理部で処理が行なわれた後、半導体レーザ発振器からのレーザビーム光に変換される。ここに、本実施の形態では、半導体レーザ発振器を複数個(2個以上)使用するマルチビーム光学系を採用している。
【0035】
光学系ユニット13の構成については後で詳細を説明するが、ユニット内に設けられた複数の半導体レーザ発振器は、図示しない画像処理部から出力されるレーザ変調信号にしたがって発光動作し、これらから出力される複数のビーム光は、ポリゴンミラーで反射されて走査光となり、ユニット外部へ出力されるようになっている。
【0036】
光学系ユニット13から出力される複数のビーム光は、像担持体としての感光体ドラム15上の露光位置Xの地点に必要な解像度を持つスポットの走査光として結像され、走査露光される。これによって、感光体ドラム15上には、画像信号に応じた静電潜像が形成される。
【0037】
感光体ドラム15の周辺には、その表面を帯電する帯電チャージャ16、現像器17、転写チャージャ18、剥離チャージャ19、および、クリーナ20などが配設されている。感光体ドラム17は、駆動モータ(図示せず)により所定の外周速度で回転駆動され、その表面に対向して設けられている帯電チャージャ16によって帯電される。帯電された感光体ドラム15上の露光位置Xの地点に複数のビーム光(走査光)がスポット結像される。
【0038】
感光体ドラム15上に形成された静電潜像は、現像器17からのトナー(現像剤)により現像される。現像によりトナー像を形成された感光体ドラム15は、転写位置の地点で給紙系によりタイミングをとって供給される用紙P上に転写チャージャ18によって転写される。
【0039】
上記給紙系は、底部に設けられた給紙カセット21内の用紙Pを、給紙ローラ22と分離ローラ23とにより1枚ずつ分離して供給する。そして、レジストローラ24まで送られ、所定のタイミングで転写位置まで供給される。転写チャージャ18の下流側には、用紙搬送機構25、定着器26、画像形成済みの用紙Pを排出する排紙ローラ27が配設されている。これにより、トナー像が転写された用紙Pは、定着器26でトナー像が定着され、その後、排紙ローラ27を経て外部の排紙トレイ28に排紙される。
【0040】
また、用紙Pへの転写が終了した感光体ドラム15は、その表面の残留トナーがクリーナ20によって取り除かれて、初期状態に復帰し、次の画像形成の待機状態となる。
【0041】
以上のプロセス動作を繰り返すことにより、画像形成動作が連続的に行なわれる。
【0042】
以上説明したように、原稿台7上に置かれた原稿Oは、スキャナ部1で読取られ、その読取り情報は、プリンタ部2で一連の処理を施された後、用紙P上にトナー画像として記録されるものである。
【0043】
次に、光学系ユニット13について説明する。
【0044】
図2は、光学系ユニット13の構成と感光体ドラム15の位置関係を示している。光学系ユニット13は、たとえば、4つのビーム光発生手段としての半導体レーザ発振器31a,31b,31c,31dを内蔵していて、それぞれのレーザ発振器31a〜31dが、同時に1走査ラインずつの画像形成を行なうことで、ポリゴンミラーの回転数を極端に上げることなく、高速の画像形成を可能としている。
【0045】
すなわち、レーザ発振器31aはレーザドライバ32aで駆動され、出力されるビーム光は、図示しないコリメータレンズを通過した後、光路制御手段としてのガルバノミラー33aに入射する。ガルバノミラー33aで反射されたビーム光は、ハーフミラー34aとハーフミラー34bを通過し、多面回転ミラーとしてのポリゴンミラー35に入射する。
【0046】
ポリゴンミラー35は、ポリゴンモータドライバ37で駆動されるポリゴンモータ36によって一定速度で回転されている。これにより、ポリゴンミラー35からの反射光は、ポリゴンモータ36の回転数で定まる角速度で、一定方向に走査することになる。ポリゴンミラー35によって走査されたビーム光は、図示しないf−θレンズのf−θ特性により、これを通過することによって、一定速度で、ビーム光検知手段およびビーム光パワー検知手段としてのビーム光検知装置38の受光面、および、感光体ドラム15上を走査することになる。
【0047】
レーザ発振器31bは、レーザドライバ32bで駆動され、出力されるビーム光は、図示しないコリメータレンズを通過した後、ガルバノミラー33bで反射し、さらにハーフミラー34aで反射する。ハーフミラー34aからの反射光は、ハーフミラー34bを通過し、ポリゴンミラー35に入射する。ポリゴンミラー35以降の経路は、上述したレーザ発振器31aの場合と同じで、図示しないf−θレンズを通過し、一定速度でビーム光検知装置38の受光面および感光体ドラム15上を走査する。
【0048】
レーザ発振器31cは、レーザドライバ32cで駆動され、出力されるビーム光は、図示しないコリメータレンズを通過した後、ガルバノミラー33cで反射し、さらにハーフミラー34cを通過し、ハーフミラー34bで反射し、ポリゴンミラー35に入射する。ポリゴンミラー35以降の経路は、上述したレーザ発振器31a,31bの場合と同じで、図示しないf−θレンズを通過し、一定速度でビーム光検知装置38の受光面および感光体ドラム15上を走査する。
【0049】
レーザ発振器31dは、レーザドライバ32dで駆動され、出力されるビーム光は、図示しないコリメータレンズを通過した後、ガルバノミラー33dで反射し、さらにハーフミラー34cで反射し、ハーフミラー34bで反射し、ポリゴンミラー35に入射する。ポリゴンミラー35以降の経路は、上述したレーザ発振器31a,31b,31cの場合と同じで、図示しないf−θレンズを通過し、一定速度でビーム光検知装置38の受光面および感光体ドラム15上を走査する。
【0050】
なお、レーザドライバ32a〜32dは、それぞれオートパワーコントロール(APC)回路を内蔵しており、後で説明する主制御部(CPU)51から設定される発光パワーレベルで常にレーザ発振器31a〜31dを発光動作させるようになっている。
【0051】
このようにして、別々のレーザ発振器31a,31b,31c,31dから出力された各ビーム光は、ハーフミラー34a,34b,34cで合成され、4つのビーム光がポリゴンミラー35の方向に進むことになる。
【0052】
したがって、4つのビーム光は、同時に感光体ドラム15上を走査することができ、従来のシングルビームの場合に比べ、ポリゴンミラー35の回転数が同じである場合、4倍の速度で画像を記録することが可能となる。
【0053】
ガルバノミラー33a,33b,33c,33dは、副走査方向のビーム光相互間の位置関係を調整(制御)するためのものであり、それぞれを駆動するガルバノミラー駆動回路39a,39b,39c,39dが接続されている。
【0054】
ビーム光検知装置38は、上記4つのビーム光の通過位置、通過タイミングおよびパワーをそれぞれ検知するためのものであり、その受光面が感光体ドラム15の表面と同等になるよう、感光体ドラム15の端部近傍に配設されている。このビーム光検知装置38からの検知信号を基に、それぞれのビーム光に対応するガルバノミラー33a,33b,33c,33dの制御(副走査方向の画像形成位置制御)、レーザ発振器31a,31b,31c,31dの発光パワー(強度)の制御、および、発光タイミングの制御(主走査方向の画像形成位置制御)が行なわれる(詳細は後述する)。これらの制御を行なうための信号を生成するために、ビーム光検知装置38には、ビーム光検知装置出力処理回路40が接続されている。
【0055】
次にビーム光検知装置38について説明する。
【0056】
図3は、ビーム光検知装置38の構成とビーム光の走査方向の関係を模式的に示している。4つの半導体レーザ発振器31a,31b,31c,31dからのビーム光a〜dは、左から右へとポリゴンミラー35の回転によって走査され、ビーム光検知装置38上を横切る。
【0057】
ビーム光検知装置38は、縦に長い2つのセンサパターンS1,S2、この2つのセンサパターンS1,S2に挟まれるように配設された7つのセンサパターンSA,SB,SC,SD,SE,SF,SG、センサパターンS1の隣接部位(図面に対し右隣り)に設けられた1つのセンサパターンSH、および、これら各センサパターンS1,S2,SA,SB,SC,SD,SE,SF,SG,SHを一体的に保持する保持基板38aから構成されている。なお、センサパターンS1,S2,SA〜SG,SHは、たとえば、フォトダイオードによって構成されている。
【0058】
ここに、センサパターンS1は、ビーム光の通過を検知して、後述する積分器のリセット信号(積分動作開始信号)を発生するパターン、センサパターンS2は、同じくビーム光の通過を検知して、後述するA/D変換器の変換開始信号を発生するパターンである。センサパターンSA〜SGは、ビーム光の通過位置を検知するパターンである。また、センサパターンSHは、ビーム光のパワーを検知するためのパターンである。
【0059】
センサパターンS1,S2は、図3に示すように、ガルバノミラー33a〜33dの位置に関係なく、ポリゴンミラー35によって走査されるビーム光a〜dが必ず横切るように、ビーム光の走査方向に対して直角方向に長く形成されている。たとえば、本例では、ビーム光の走査方向の幅W1,W3が200μmであるのに対し、ビーム光の走査方向に直角な方向の長さL1は2000μmである。
【0060】
センサパターンSA〜SGは、図3に示すように、センサパターンS1とS2の間で、ビーム光の走査方向と直角な方向に積み重なるように配設されていて、その配設長さはセンサパターンS1,S2の長さL1と同一となっている。なお、センサパターンSA〜SGのビーム光の走査方向の幅W2は、たとえば、600μmである。
【0061】
センサパターンSHは、図から明らかなように、副走査方向のサイズ(ビーム光の走査方向に直角な方向のサイズ)が、センサパターンS1,S2の長さL1と同じく、充分大きなサイズを有しており、このビーム光検知装置38をビーム光がよぎる際には、必ずこのセンサパターンSH上をビーム光が通過するようになっている。
【0062】
図4は、ビーム光検知装置38のセンサパターンSA〜SGのパターン形状を拡大して示したものである。
【0063】
センサパターンSB〜SFのパターン形状は、たとえば、32.3μm×600μmの長方形であり、ビーム光の走査方向と直角方向に約10μmの微少なギャップGが形成されている。したがって、ギャップ間の配設ピッチは42.3μmになっている。また、センサパターンSAとSB、センサパターンSFとSGのギャップも約10μmになるように配設されている。なお、センサパターンSA,SGのビーム光の走査方向と直角方向の幅は、センサパターンSB〜SFの幅よりも大きくしてある。
【0064】
このように構成されたビーム光検知装置38の出力を用いた制御の詳細は後述するが、42.3μmピッチに形成されたギャップが、ビーム光a,b,c,dの通過位置を所定のピッチ(本例では42.3μm)間隔に制御するための目標となる。すなわち、ビーム光aはセンサパターンSBとSCによって形成されたギャップG(B−C)が、ビーム光bはセンサパターンSCとSDによって形成されたギャップG(C−D)が、ビーム光cはセンサパターンSDとSEによって形成されたギャップG(D−E)が、ビーム光dはセンサパターンSEとSFによって形成されたギャップG(E−F)が、それぞれ通過位置の目標となる。
【0065】
次に、制御系について説明する。
【0066】
図5は、主にマルチビーム光学系の制御を主体にした制御系を示している。すなわち、51は全体的な制御を司る主制御部で、たとえば、CPUからなり、これには、メモリ52、コントロールパネル53、外部通信インタフェイス(I/F)54、レーザドライバ32a,32b,32c,32d、ポリゴンミラーモータドライバ37、ガルバノミラー駆動回路39a,39b,39c,39d、信号処理手段としてのビーム光検知装置出力処理回路40、同期回路55、および、画像データインタフェイス(I/F)56が接続されている。
【0067】
同期回路55には、画像データI/F56が接続されており、画像データI/F56には、画像処理部57およびページメモリ58が接続されている。画像処理部57にはスキャナ部1が接続され、ページメモリ58には外部インタフェイス(I/F)59が接続されている。
【0068】
ここで、画像を形成する際の画像データの流れを簡単に説明すると、以下のような流れとなる。
【0069】
まず、複写動作の場合は、先に説明したように、原稿台7上にセットされた原稿Oの画像は、スキャナ部1で読取られ、画像処理部57へ送られる。画像処理部57は、スキャナ部1からの画像信号に対し、たとえば、周知のシェーディング補正、各種フィルタリング処理、階調処理、ガンマ補正などを施こす。
【0070】
画像処理部57からの画像データは、画像データI/F56へと送られる。画像データI/F56は、4つのレーザドライバ32a,32b,32c,32dへ画像データを振り分ける役割を果たしている。
【0071】
同期回路55は、各ビーム光のビーム光検知装置38上を通過するタイミングに同期したクロックを発生し、このクロックに同期して、画像データI/F56から各レーザドライバ32a,32b,32c,32dへ、画像データをレーザ変調信号として送出する。
【0072】
このようにして、各ビーム光の走査と同期を取りながら画像データを転送することで、主走査方向に同期がとれた(正しい位置への)画像形成が行なわれるものである。
【0073】
また、同期回路55には、非画像領域で各レーザ発振器31a,31b,31c,31dを強制的に発光動作させ、各ビーム光のパワーを制御するためのサンプルタイマや、各ビーム光の画像形成タイミングを取るために、ビーム光の順にしたがってビーム光検知装置38上でそれぞれのレーザ発振器31a,31b,31c,31dを発光動作させる論理回路などが含まれている。
【0074】
ここで、ビーム光のパワーがばらついた場合の、主走査方向の画像形成精度に与える影響について説明する。
【0075】
本例では、センサパターンS1あるいはS2を各ビーム光が通過するタイミングを基に、各レーザ発振器の発光タイミングを制御している。すなわち、図5において、ビーム光検知装置38のセンサパターンS1あるいはS2の出力は、ビーム光検知装置出力処理回路40で波形整形され、主走査方向の同期信号として同期回路55に入力される。この同期信号を基に、画像データI/F56から各ビーム光の通過タイミングに合わせて、画像データが各レーザドライバ32a〜32dに送られ、正しい画像が形成されるようになっている。
【0076】
さて、ここで図6を用いて、マルチビーム光学系における各ビーム光間でパワーが異なった場合の同期精度について説明する。図6は、主走査方向の画像形成精度が、ビーム光のパワーに依存することを説明するための図である。
【0077】
図6に、ビーム光のパワーが3段階(A,B,C)に異なっている場合のセンサパターン出力、並びに、その出力を基に波形整形されて生成された同期信号を示した。センサパターン出力(アナログ信号)Aは、ビーム光のパワーが小さい場合を示したもので、3つの中で一番小さい山形となる。このセンサパターン出力Aを、図に示した閾値レベルTHで2値化(波形整形)すると、小さなパルス信号(Aの同期信号)となる。
【0078】
これに対して、センサパターン出力Cは、ビーム光のパワーが大きい場合を示したもので、3つの中で一番大きい山形となる。このセンサパターン出力Cを同様に、図に示した閾値レベルTHで2値化すると、最も大きなパルス信号(Cの同期信号)となる。
【0079】
センサパターン出力Bおよびその同期信号は、センサパターン出力AとCとの間のビーム光のパワーの場合を示している。
【0080】
このような、たとえばA,B,Cの3種の同期信号のエッジ(立上がりあるいは立下がり)を基に、画像形成のためのレーザ発光タイミングを制御すると、ビーム光のパワーが異なるライン間で主走査方向に画像がずれることになる。これは、図6に示すように、同期信号のエッジと中心の位相とが一致しないからである。
【0081】
以上説明したように、マルチビーム光学系を用いて、主走査方向に位置ずれのない画像を形成するには、同期信号を生成するためのセンサパターン(感光体ドラム)上を、各ビーム光が同一のパワーで走査する必要がある。
【0082】
図5の説明に戻って、コントロールパネル53は、複写動作の起動や、枚数設定などを行なうマンマシンインタフェースである。
【0083】
本デジタル複写機は、複写動作のみでなく、ページメモリ58に接続された外部I/F59を介して外部から入力される画像データをも形成出力できる構成となっている。なお、外部I/F59から入力される画像データは、一旦ページメモリ58に格納された後、画像データI/F56を介して同期回路55へ送られる。
【0084】
また、本デジタル複写機が、たとえば、ネットワークなどを介して外部から制御される場合には、外部通信I/F54がコントロールパネル53の役割を果たす。
【0085】
ガルバノミラー駆動回路39a,39b,39c,39dは、主制御部51からの指示値にしたがってガルバノミラー33a,33b,33c,33dを駆動する回路である。したがって、主制御部51は、ガルバノミラー駆動回路39a,39b,39c,39dを介して、ガルバノミラー33a,33b,33c,33dの各角度を自由に制御することができる。
【0086】
ポリゴンモータドライバ37は、先に述べた4つのビーム光を走査するポリゴンミラー35を回転させるためのポリゴンモータ36を駆動するドライバである。主制御部51は、このポリゴンモータドライバ37に対し、回転開始、停止と回転数の切換えを行なうことができる。回転数の切換えは、ビーム光検知装置38でビーム光の通過位置を確認する際に、必要に応じて、所定の回転速度よりも回転数を落すときに用いる。
【0087】
レーザドライバ32a,32b,32c,32dは、先に説明した同期回路55からのビーム光の走査に同期したレーザ変調信号にしたがってレーザ光を発光させる以外に、主制御部51からの強制発光信号により、画像データとは無関係に強制的にレーザ発振器31a,31b,31c,31dを発光動作させる機能を持っている。
【0088】
また、主制御部51は、それぞれのレーザ発振器31a,31b,31c,31dが発光動作するパワーを、各レーザドライバ32a,32b,32c,32dに対して設定する。発光パワーの設定は、プロセス条件の変化や、ビーム光の通過位置検知などに応じて変更される。
【0089】
メモリ52は、制御に必要な情報を記憶するためのものである。たとえば、各ガルバノミラー33a,33b,33c,33dの制御量、ビーム光の通過位置を検知するための回路特性(増幅器のオフセット値)、および、ビーム光の到来順序などを記憶しておくことで、電源立ち上げ後、即座に光学系ユニット13を画像形成が可能な状態にすることができる。
【0090】
次に、ビーム光の通過(走査)位置制御について詳細に説明する。
【0091】
図7は、図3のビーム光検知装置38を用いたときのビーム光の通過位置制御を説明するための図であり、図5のブロック図のうちのビーム光制御に着目し、その制御に関連する部分を抜き出して詳細に示したものである。
【0092】
先に説明したように、ビーム光検知装置38のセンサパターンS1,S2からは、ビーム光が通過したことを示すパルス状の信号が出力される。また、複数のセンサパターンSA〜SG,SHからは、ビーム光の通過位置に応じてそれぞれ独立した信号が出力される。
【0093】
この複数のセンサパターンSA〜SG,SHのうち、センサパターンSA,SG,SHの各出力信号は、増幅器61,62,99(以後、増幅器A,G,Hと言うこともある)にそれぞれ入力される。なお、増幅器61,62,99の各増幅率は、CPUからなる主制御部51によって設定されるようになっている。
【0094】
また、複数のセンサパターンSA〜SGのうち、センサパターンSB〜SFの各出力信号は、センサパターンSB〜SFのうち隣り合う出力信号の差を増幅する差動増幅器63〜66(以後、差動増幅器B−C,C−D,D−E,E−Fと言うこともある)にそれぞれ入力される。ここに、差動増幅器63は、センサパターンSB,SCの各出力信号の差を増幅し、差動増幅器64は、センサパターンSC,SDの各出力信号の差を増幅し、差動増幅器65は、センサパターンSD,SEの各出力信号の差を増幅し、差動増幅器66は、センサパターンSE,SFの各出力信号の差を増幅する。
【0095】
増幅器61〜66,99の各出力信号は、それぞれ選択回路(アナログスイッチ)41に入力される。選択回路41は、主制御部(CPU)51からのセンサ選択信号により、積分器42へ入力する信号を選択する。選択回路41にて選択された増幅器の出力信号は、積分器42に入力されて積分される。
【0096】
一方、センサパターンS1から出力されるパルス状の信号も、積分器42に入力されている。このセンサパターンS1からのパルス状の信号は、積分器42をリセットすると同時に新たな積分動作を開始させるリセット信号(積分動作開始信号)として用いられる。なお、積分器42の役割は、ノイズの除去作用と、ビーム光検知装置38の取付け傾きの影響除去などであるが、詳しくは後述する。
【0097】
積分器42の出力は、A/D変換器43へ入力される。また、センサパターンS2から出力されるパルス状の信号も、A/D変換器43へ入力されている。A/D変換器43のA/D変換動作は、センサパターンS2からの信号が変換開始信号として印加されることによって開始される。すなわち、ビーム光がセンサパターンS2を通過するタイミングでA/D変換が開始される。
【0098】
このように、センサパターンS1からのパルス信号により、ビーム光がセンサパターンSA〜SGを通過する直前に積分器42をリセットすると同時に積分動作を開始させ、ビーム光がセンサパターンSA〜SG上を通過している間は、積分器42はビーム光の通過位置を示す信号を積分する。
【0099】
そして、ビーム光がセンサパターンSA〜SG上を通過し終えた直後に、センサパターンS2からのパルス信号をトリガに、積分器42で積分した結果をA/D変換器43でA/D変換することにより、ノイズが少なく、ビーム光通過位置検知についてはビーム光検知装置38の取付け傾きの影響が除去された検知信号をデジタル信号に変換することができる。
【0100】
また、パワーを測定したいビーム光のレーザ発振器を強制的に発光させ、ポリゴンミラー35によってビーム光検知装置38上を所定の速度で走査させ、センサパターンSHから出力される電気信号を、増幅器99(H)で増幅し、センサパターンS1,S2から出力されるパルス信号のタイミングに基づき、積分器42で積分して、A/D変換器43でA/D変換し、主制御部51に取込むことにより、感光体ドラム15上でのビーム光のパワーを検知することができるようになっている。
【0101】
なお、A/D変換を終了したA/D変換器43は、主制御部51に対し、処理が終了したことを示す割込信号INTを出力するようになっている。
【0102】
ここに、増幅器61〜66,99、選択回路41、積分器42、および、A/D変換器43は、ビーム光検知装置出力処理回路40を構成している。
【0103】
このようにして、デジタル信号に変換されたビーム光検知装置38からのビーム光パワー検知信号およびビーム光位置検知信号は、感光体ドラム15上での相対的なビーム光パワー情報あるいはビーム光位置情報として主制御部51に入力され、それぞれのビーム光の感光体ドラム15上での光パワーやビーム光の通過位置などが判断される。
【0104】
さて、このようにして得られた感光体ドラム15上での相対的なビーム光パワー検知信号やビーム光位置検知信号に基づいて、主制御部51では、各レーザ発振器31a〜31dに対する発光パワーの設定や、各ガルバノミラー33a〜33dの制御量が演算される。それらの演算結果は、必要に応じてメモリ52に記憶される。主制御部51は、この演算結果をレーザドライバ32a〜32dおよびガルバノミラー駆動回路39a〜39dへ送出する。
【0105】
ガルバノミラー駆動回路39a〜39dには、図7に示したように、この演算結果のデータを保持するためのラッチ44a〜44dが設けられており、主制御部51が一旦データを書込むと、次にデータを更新するまでは、その値を保持するようになっている。
【0106】
ラッチ44a〜44dに保持されているデータは、D/A変換器45a〜45dによりアナログ信号(電圧)に変換され、ガルバノミラー33a〜33dを駆動するためのドライバ46a〜46dに入力される。ドライバ46a〜46dは、D/A変換器45a〜45dから入力されたアナログ信号(電圧)にしたがってガルバノミラー33a〜33dを駆動制御する。
【0107】
なお、本例では、センサパターンSA〜SGの増幅された出力信号は、選択回路41によりその1つのみが選択されて積分され、A/D変換されているため、一度にセンサパターンSA〜SGの出力信号を主制御部51に入力することはできない。
【0108】
したがって、ビーム光がどこを通過しているか分からない状態においては、選択回路41を順次切換え、センサパターンSA〜SGの全てのセンサパターンからの出力信号を主制御部51に入力して、ビーム光の通過位置を判定する必要がある。
【0109】
しかし、一旦、どのあたりをビーム光が通過しているかが認識できると、ガルバノミラー33a〜33dを極端に動かさない限り、ビーム光の通過する位置はほぼ予想でき、常に全てのセンサパターンの出力信号を主制御部51に入力する必要はない。なお、詳細な処理に関しては後で説明する。
【0110】
図8は、ビーム光検知装置出力処理回路40におけるセンサパターンSB,SCに対する積分器42までの構成例を詳細に示している。図8において、センサパターン(フォトダイオード)SB,SCを流れる電流は、それぞれ抵抗PR1,RL1,RP2,RL2によって電流・電圧変換された後、ボルテージフォロワ回路としてのオペアンプA1,A2でそれぞれ増幅され、差動増幅器63に送られる。差動増幅器63は、抵抗R1〜R4、および、オペアンプA3によって構成されている。
【0111】
差動増幅器63の出力は、選択回路41を構成するアナログスイッチSW1を介して積分器42に送られる。積分器42は、オペアンプA4、積分抵抗R5、積分コンデンサC、積分器リセット用アナログスイッチSW7、および、保護抵抗R6によって構成されている。積分器42の出力は、A/D変換器43に送られて、アナログ値からデジタル値に変換される。A/D変換器43は、A/D変換が終了すると、変換終了信号を主制御部51に送信する。主制御部51は、変換終了信号を受信すると、デジタル値に変換されたビーム光位置情報を読込むようになっている。
【0112】
なお、センサパターンSD,SE,SFに対する積分器42までの構成例も、基本的には上記センサパターンSB,SCに対する積分器42までの構成例と同様な構成になっており、よって説明は省略する。
【0113】
以下、図9を用いて、図7の回路動作におけるビーム光の通過位置とビーム光検知装置38の出力、差動増幅器63〜66の出力、積分器42の出力の関係を説明する。
【0114】
図9(a)は、ビーム光がセンサパターンSBとSCとのちょうど真ん中を通過している場合を示しており、図9(b)は、ビーム光が図9(a)の場合よりもセンサパターンSB寄りを通過している場合を示している。図9(c)は、ビーム光検知装置38がビーム光の通過方向に対して傾いて取付けられている場合を示している。
【0115】
以下、それぞれの場合のビーム光検知装置38の出力、差動増幅器63の出力、積分器42の出力について説明する。
【0116】
図9(a)の場合の回路動作
まず、ビーム光はセンサパターンS1をよぎり、センサパターンS1からパルス状の信号が出力される。このパルス状の信号は、図に示すように積分器42をリセットし、その出力を「0」にする。したがって、センサパターンS1をビーム光がよぎることにより、前回の検知結果をリセットし、新たな検知結果を積分することになる。
【0117】
ビーム光がセンサパターンSBとSCとの真ん中を通過している場合、センサパターンSBとSCの出力の大きさは、図9(a)に示すように等しいものとなる。ただし、センサパターンの出力は非常に微小であるため、図9(a)に示すように、多少のノイズ成分が重畳されていることがある。
【0118】
このような信号が差動増幅器63に入力され、その差が増幅される。センサパターンSBとSCの出力がほぼ等しい、この場合、差動増幅器63の出力は、図9(a)に示すように、ほぼ「0」となるが、若干のノイズ成分が重畳することがある。このようにして得られた差動増幅結果が、選択回路41を通して積分器42に入力される。
【0119】
ここで、注意を要するのは、差動増幅器63のオフセットである。ここで、オフセットとは、たとえば、差動増幅器63に等しい値が入力された場合にも、プラスかマイナスかどちらかに出力がシフトしてしまう現象である。このような現象は、多かれ少なかれ、どのような差動増幅器にも存在する。本例の場合、このオフセットはビーム光通過位置検知誤差として表われ、正しいビーム光通過位置制御の妨げとなる。したがって、何らかの方法で、このオフセットを除去する必要がある。以下、このオフセットについては無視して説明する。
【0120】
積分器42は、差動増幅器63の出力を積分し、その結果を次のA/D変換器43へと出力するが、積分器42の出力は、図9(a)に示すように、ノイズ成分が除去された信号となる。これは、積分によって、差動増幅結果に重畳している高周波成分のノイズが除去されるからである。このようにして、ビーム光の通過と同時に、センサパターンSBとSCとの出力差が増幅され、さらに、積分されてA/D変換器43に入力される。
【0121】
一方、A/D変換器43には、センサパターンS2の出力が入力されており、ビーム光がセンサパターンSB,SC部分を通過し終えたタイミングで、図9(a)に示すようなパルス状の信号がセンサパターンS2からA/D変換器43へ出力される。A/D変換器43は、このパルス状の信号をトリガに、積分器42の出力のA/D変換を開始する。したがって、A/D変換器43は、ノイズ成分の除去されたS/N比の良いアナログビーム通過位置情報をデジタル信号にタイムリに変換することができる。
【0122】
図9(b)の場合の回路動作
基本的な動作は図9(a)と同じであるが、ビーム光の通過位置がセンサパターンSB側に寄っている分だけ、センサパターンSBの出力が大きく、センサパターンSCの出力が小さくなる。したがって、差動増幅器63の出力は、その差分だけプラスになる。
【0123】
さて、積分器42は、図9(a)の場合と同様に、ビーム光がセンサパターンS1を通過するタイミングでリセットされており、その後に、このような差動増幅結果が積分器42に入力される。積分器42は入力(差動増幅器63の出力)がプラス側である間は、その出力を徐々にプラス側に大きくしていく。そして、入力が「0」に戻ると、その値を保つ。したがって、積分器42の出力には、ビーム光の通過位置の偏り具合が表れる。
【0124】
この積分結果を、図9(a)の場合と同じように、ビーム光のセンサパターンS2が通過するタイミングでA/D変換器43でA/D変換することにより、正確なビーム通過位置がタイムリにデジタル情報に変換される。
【0125】
図9(c)の場合の回路動作
基本的な動作は図9(a)、図9(b)の場合と同じであるが、ビーム光がビーム光検知装置38を斜めに通過する分、センサパターンSB,SCの出力、差動増幅器63の出力、積分器42の出力に特徴がある。
【0126】
図9(c)に示す通り、ビーム光はセンサパターンS1を通過した後、センサパターンSB,SC部分を、センサパターンSC側から斜めに入射し、センサパターンSBとSCとのほぼ中央を通過した後、センサパターンSB側を斜めに通過している。このようにビーム光が通過すると、センサパターンSBの出力は図9(c)に示すごとく、ビーム光が入射した直後は小さく、ビーム光の通過と共に大きくなる。一方、センサパターンSCの出力は、ビーム光が入射した直後は大きく、ビーム光の通過と共に徐々に小さくなる。
【0127】
このようなセンサパターンSB,SCの出力が入力される差動増幅器63の出力は、図9(c)に示すごとく、ビーム光の入射直後は、マイナス側に大きく、その後、徐々に出力は小さくなり、ビーム光がセンサパターンSBとSCとの中間を通過するところで、ほぼ「0」となる。そして、その後、徐々にプラス側に大きくなり、ビーム光が通過し終わる直前にプラス側の最大値となる。
【0128】
このような差動増幅器63の出力が入力される積分器42の出力は、ビーム光が入射した直後からマイナス側に大きくなって行く。そして、差動増幅器63の出力がほぼ「0」になる地点までマイナスの値は大きくなる。その後、差動増幅器63の出力がプラス側に転じると、徐々にマイナスの値は小さくなり、ビーム光が通過し終わる地点では、ほぼ「0」になる。
【0129】
これは、ビーム光がビーム光検知装置38を斜めによぎってはいるが、平均して見れば、センサパターンSBとSCとの真ん中を通過しているからである。したがって、ビーム光がセンサパターンS2を通過することによって、A/D変換器43のA/D変換動作が開始されるが、この場合、積分される値は「0」であり、ビーム通過位置を示すデジタル情報も「0」、すなわち、センサパターンSBとSCとの真ん中をビーム光が通過しているものとして処理される。
【0130】
以上、ビーム光の通過位置と、センサパターンS1,S2,SB,SCの出力、差動増幅器63の出力、積分器42の出力、A/D変換器43の動作について説明した。センサパターンSC,SD,SE,SF、差動増幅器64,65,66の動作は、基本的にセンサパターンSB,SCと差動増幅器63の動作と同じであるので、個々の動作説明は省略する。
【0131】
次に、図10を用いてビーム光の通過位置とA/D変換器43の出力との関係を説明する。
【0132】
図10のグラフの縦軸は、図7に対応するA/D変換器(12ビット)43の出力の大きさを示し、横軸はビーム光の通過位置を示している。横軸のビーム光通過位置は、左へ行くほどビーム光がセンサパターンSG側を通過していることを示し、右へ行くほどビーム光がセンサパターンSA側を通過していることを示している。
【0133】
差動増幅器(63,64,65,66)の出力は、プラスとマイナスの両方向に出る可能性があり、そのときのA/D変換器43の出力は以下のようになる。すなわち、差動増幅器(63,64,65,66)の出力がプラス側の場合、差動増幅器の出力が大きくなるにつれ、A/D変換器43の出力(A/D変換値)は000H(最小値)から7FFH(最大値)の値を出力する。
【0134】
一方、差動増幅器(63,64,65,66)の出力がマイナス側の場合、A/D変換器43の出力(A/D変換値)は800H(最小値)からFFFH(最大値)までの値を出力する。この場合、差動増幅器の出力の絶対値が大きい方が、800H(最小値)側に対応し、差動増幅器の出力が「0」に近い方が、FFFH(最大値)側に対応する。
【0135】
ここでは、センサパターンSBとSCの差動増幅器63の出力がA/D変換器43でA/D変換された場合について具体的に説明する。
【0136】
センサパターンSBの出力は差動増幅器63のプラス端子に接続されており、センサパターンSCの出力は差動増幅器63のマイナス端子に接続されている。したがって、差動増幅器63の出力は、図10に示すように、ビーム光がセンサパターンSBの中心付近を通過するときが最も大きくなり、A/D変換器43でのA/D変換値は7FFHとなる。これは、センサパターンSBの出力が、この付近で最も大きくなるからである。
【0137】
また、この位置からビーム光がセンサパターンSA側にずれても、あるいは、センサパターンSC側にずれても、A/D変換値(差動増幅器63の出力)は小さくなる。
【0138】
さらに、ビーム光の通過位置がセンサパターンSA側にずれた場合を考えると、センサパターンSBもSCもビーム光の通過を検知できなくなり、A/D変換値(差動増幅器63の出力)はほぼ「0」になる。
【0139】
また、反対に、ビーム光の通過位置がセンサパターンSC側にずれた場合を考えると、A/D変換値(差動増幅器63の出力)は徐々に減少し、ビーム光がセンサパターンSBとSCとのちょうど間を通過するとき、その値が「0」になる。これは、センサパターンSBとSCの出力が等しくなるからである。本例では、このポイントがビーム光aの通過目標点となる。
【0140】
また、ビーム光の通過ポイントがセンサパターンSC側にずれると、差動増幅器63の出力はマイナス出力となり、A/D変換値は000HからFFFHへと変化し、その後、A/D変換値は徐々に減っていく。さらに、ビーム光の通過位置がセンサパターンSCの中心付近になると、差動増幅器63の出力はマイナスの最大となり、このときのA/D変換値は800Hとなる。
【0141】
さらに、ビーム光の通過位置がセンサパターンSD側にずれると、今度は差動増幅器63の出力のマイナスの値が小さくなり、A/D変換値は800Hから増加していき、最終的には、FFFHから000Hに変化する。これは、ビーム光の通過位置がセンサパターンSD(SE)側にずれ過ぎて、センサパターンSB,SCともにビーム光の通過を検知できず、その出力が双方ともに「0」となり、両方の出力に差がでなくなるからである。
【0142】
次に、ガルバノミラー33の制御特性について説明する。
【0143】
図11、図12は、ガルバノミラー駆動回路39a〜39dに与えるデータと、ビーム光検知装置38上(つまり、感光体ドラム15上)でのビーム光通過位置との関係を示している。図7に示したように、ガルバノミラー駆動回路39a〜39dのD/A変換器45a〜45dの入力は16ビットである。
【0144】
図11は、この16ビットデータの上位8ビット入力に対するビーム光通過位置の変化の様子を示したものである。図に示すように、ビーム光の通過位置は、データ00H〜FFHに対し2000μm(2mm)移動する。また、00H付近とFFH付近の入力に対しては、ガルバノミラーの応答範囲を超えており、ビーム光の通過位置は変化しない。
【0145】
しかし、入力がおおよそ18HからE8Hの範囲では、ほぼ入力に対してビーム光の通過位置はリニアに変化しており、その割合は1LSB当たり約10μmの距離に相当する。
【0146】
図12は、ガルバノミラー駆動回路39a〜39dのD/A変換器45a〜45dの下位8ビット入力に対するビーム光通過位置の変化の様子を示したものである。ただし、この図12は、上位8ビットの入力として、上述したビーム光の通過位置がリニアに変化する範囲の値が入力されている場合の下位8ビットの入力に対するビーム光の通過位置の変化を表している。図から明らかなように、下位8ビットに対しては、00HからFFHまで約10μm、ビーム光の通過位置が変化し、1LSB当たりでは0.04μmの変化となる。
【0147】
このようにして、主制御部51は、ガルバノミラー駆動回路39a〜39dに対して、16ビットのデータを与えることで、ビーム光検知装置38上、すなわち、感光体ドラム15上のビーム光通過位置を分解能が約0.04μmで、約2000μm(2mm)の範囲で移動させることができる。
【0148】
次に、プリンタ部2の電源投入時における概略的な動作について、図13に示すフローチャートを参照して説明する。なお、スキャナ部1の動作については省略する。
【0149】
本複写機の電源が投入されると、主制御部51は、定着器26内の定着ローラを回転させるとともに、定着器26の加熱制御を開始する(S1,S2)。次に、ビーム光パワー制御ルーチンを実行し、各ビーム光の感光体ドラム15上でのパワーが同一になるよう制御する(S3)。
【0150】
各ビーム光の感光体ドラム15上でのパワーが同一になるよう制御されると、オフセット補正ルーチンを実行し、ビーム光検知装置出力処理回路40のオフセット値を検知して、その補正処理を行なう(S4)。次に、ビーム光通過位置制御ルーチンを実行する(S5)。
【0151】
次に、主走査方向の同期引込みを実行する(S6)。次に、感光体ドラム15を回転させ、感光体ドラム15の表面などの条件を一定にするなどのプロセス関連の初期化を実行する(S7)。
【0152】
このように、一連の初期化を実行した後は、定着器26の温度が所定の温度に上昇するまで、定着ローラを回転し続け、待機状態となる(S8)。定着器26の温度が所定の温度まで上昇すると、定着ローラの回転を停止し(S9)、複写指令待ち状態となる(S10)。
【0153】
複写指令待ちの状態(S10)で、コントロールパネル53から複写(プリント)指令を受信しない場合、ビーム光通過位置制御ルーチンを実行後、たとえば、30分が経過すると(S11)、自動的にビーム光パワー制御ルーチンを実行し(S12)、さらに、自動的にステップS4と同様なオフセット補正ルーチンを実行し(S13)、その後、再びビーム光通過位置制御ルーチンを実行する(S14)。これが終了すると、ステップS10に戻り、再び複写指令待ち状態になる。
【0154】
複写指令待ちの状態(S10)で、コントロールパネル53から複写指令を受信すると、ビーム光通過位置制御ルーチンを実行し(S15)、複写動作を実行する(S16)。複写動作が終了すると、ステップS10に戻り、前記動作を繰り返す。
【0155】
次に、図13のステップS5,S14,S15におけるビーム光通過位置制御ルーチンの基本的な動作について、図14に示すフローチャートを用いて説明する。
【0156】
まず、主制御部51は、ポリゴンモータ36をオンし、ポリゴンミラー35を所定の回転数で回転させる(S20)。次に、主制御部51は、メモリ52から最新のガルバノミラー33a〜33dの駆動値を読出し、その値に基づいて、それぞれのガルバノミラー33a〜33dを駆動する(S21)。
【0157】
次に、主制御部51は、ビーム光aの通過位置制御を行なう(S22)。ここでの制御内容は、ビーム光aの通過位置を検知し、その通過位置が規定値内に入っているかどうかをチェックし、規定値内に入っていなければ、ガルバノミラー33aの角度を変更し、規定値内に入っていれば、ビーム光aの通過位置が規定値内に入っていることを示すフラグを立てるという内容である。
【0158】
続いて、主制御部51は、ビーム光b、ビーム光c、ビーム光dについても、ビーム光aの場合と同様に、それぞれのビーム光b,c,dの通過位置を検知し、その通過位置が規定値内に入っているかどうかをチェックし、規定値内に入っていなければ、それぞれのガルバノミラー33b〜33dの角度を変更し、規定値内に入っていれば、それぞれのビーム光の通過位置が規定値内に入っていることを示すフラグを立てる(S23,S24,S25)。
【0159】
このようにして、各ビーム光a,b,c,dの通過位置制御を行なった上で、主制御部51は、それぞれのフラグをチェックし、ビーム光通過位置制御を終了するか否かを判定する(S26)。すなわち、全てのフラグが立っていれば、ビーム光通過位置制御を終了し、どれか1つのフラグでも立っていなければ、ステップS22に戻り、各ビーム光の通過位置制御を行なう。
【0160】
ここで、このような制御フローにおけるガルバノミラー33a〜33dの挙動について簡単に説明する。
【0161】
ガルバノミラー33a〜33dは、先に説明したように、主制御部51からの制御値にしたがってその角度を変え、走査されるビーム光の通過位置を変更するのであるが、主制御部51からの指示に対し、すぐに応答できるとは限らない。すなわち、主制御部51から制御データが出力され、そのデータがラッチ44a〜44dでラッチされ、さらに、D/A変換器45a〜45dでD/A変換されて、その大きさに比例した駆動信号がドライバ46a〜46dから出力されるまでの時間が、「ns」または「μs」単位のオーダであるのに対し、たとえば、本例に用いているガルバノミラー33a〜33dの応答時間は、4〜5msのオーダであるという問題がある。
【0162】
ここでの応答時間とは、新たな駆動信号に対し、ガルバノミラー33a〜33dの角度変化が始まり、ある時間移動(振動)した後、その移動(振動)が収まって、新たな角度に落ち着くまでの時間を指す。したがって、主制御部51は、ガルバノミラー33a〜33dに対し、新たな制御データを送出した後、その制御結果を確認するためには、少なくともこの応答時間が経過した後に、ビーム光の通過位置を確認する必要がある。
【0163】
図14から明らかなように、本例においては、あるガルバノミラーを制御したその効果の確認は、他のビーム光位置検知動作あるいはガルバノミラー制御動作を行なった後に行なうようになっており、充分にガルバノミラーが応答に要する時間が経過した後、効果を確認するようになっている。
【0164】
たとえば、ステップS21,S22,S23,S24において、少なくとも1つの増幅器あるいは差動増幅器の出力をポリゴンミラー35の面数分(たとえば、8面分)だけ取得するのに要する時間は、1走査に要する時間が330μsの場合、2.64msとなる。
【0165】
したがって、あるガルバノミラーを制御した後、他の3つのビーム光の通過位置を検知した後、その効果を確認するには、少なくとも7.92msの時間間隔があり、ガルバノミラーの移動(振動)は、すでに収まっている状態でのビーム光通過位置が確認できることになる。
【0166】
なお、増幅器あるいは差動増幅器の出力をポリゴンミラー35の面数だけ取得するのは、ポリゴンミラー35の面倒れ成分を除去するためである。
【0167】
図15、図16は、図14のステップS22におけるビーム光a通過位置制御の動作を詳細に説明するためのフローチャートである。先に説明したように、ビーム光の通過位置とA/D変換器43の出力との関係は図10のようになるので、図10も参照して説明する。
【0168】
まず、主制御部51は、レーザ発振器31aを強制発光させる(S31)。これにより、ビーム光aは、ポリゴンミラー35の回転により周期的にビーム光検知装置38上を走査することになる。
【0169】
次に、主制御部51は、A/D変換器43が出力する割込み信号INTにしたがい、各増幅器並びに差動増幅器の出力がA/D変換された値を読込む。なお、通常、ビーム光の走査位置は、ポリゴンミラー35の面倒れ成分により、面ごとに若干異なる場合が多く、その影響を除去するために、ポリゴンミラー35の面数と同等な回数、あるいは、その整数倍回連続してA/D変換された値を読込むことが望ましい。その場合、主制御部51は、それぞれの増幅器並びに差動増幅器に対応するA/D変換器43の出力値を平均し、その結果をそれぞれの増幅器並びに差動増幅器の出力とする(S32)。
【0170】
したがって、増幅器61,62(増幅器A,G)並びに差動増幅器63〜66(増幅器B−C,C−D,D−E,E−F)について、それぞれポリゴンミラー35の面数(8個)と同じ回数、A/D変換器43の値を読込んだとすれば、ビーム光を48回走査する必要がある。
【0171】
主制御部51は、まず、このようにして得た増幅器61(A)の出力(A/D変換値)を、メモリ52にあらかじめ記憶されている判定基準値100Hと比較することにより、増幅器61の出力が判定基準値100Hよりも大きいか否かを判定する(S33)。
【0172】
この判定の結果、増幅器61の出力が100Hよりも大であった場合には、ビーム光aの通過位置が、センサパターンSA上であるか、または、センサパターンSAの近傍であることを表している。すなわち、図10におけるエリアAをビーム光aが通過していることを表している。ビーム光aの目標通過位置は、センサパターンSBとSCとの中間であるので、ガルバノミラー33aをビーム光aがセンサパターンSG側を通過するように制御する(S34)。
【0173】
このときの制御量(ビーム光の移動量)は、120μm程度とする。制御量を120μmとしたのは、図3、図4のセンサパターンで説明したように、センサパターンSAおよびSGは、制御目標ポイントの領域から両脇に大きなパターンを有しており、このパターン上をビーム光が通過している場合には、目標ポイントに速くビーム光の通過位置を近づけるために、比較的大きくビーム光の通過位置を変更する必要があるからである。
【0174】
ただし、増幅器61の出力が100Hよりも大である場合においても、センサパターンSBに近い範囲をビーム光aが通過している場合には、過剰にビーム光の通過位置を変更してしまう可能性もある。しかし、トータルの効率を考慮すると、この程度の移動量は必要である。
【0175】
ステップS33の判定で、増幅器61の出力が100Hよりも大でなかった場合には、増幅器62(G)の出力(A/D変換値)をメモリ52にあらかじめ記憶されている判定基準値100Hと比較することにより、増幅器62の出力が判定基準値100Hよりも大であるかを判定する(S35)。
【0176】
この判定の結果、増幅器62の出力が100Hよりも大であった場合には、ビーム光aの通過位置が、センサパターンSG上であるか、または、センサパターンSGの近傍であることを表している。すなわち、図10におけるエリアGをビーム光aが通過していることを表している。
【0177】
したがって、このような場合には、ビーム光aの通過目標ポイントであるセンサパターンSBとSCとの中間に近づけるため、ビーム光aがセンサパターンSA側を通過するようガルバノミラー33aを制御する(S36)。なお、このときの制御量は、ステップS34の場合と同様、120μm程度の制御量(移動量)が必要である。
【0178】
ステップS35の判定で、増幅器62の出力が100Hよりも大でなかった場合には、差動増幅器66(E−F)の出力(A/D変換値)をメモリ52にあらかじめ記憶されている判定基準値800Hと比較することにより、差動増幅器66の出力が判定基準値800H以上であるかを判定する(S37)。
【0179】
この判定の結果、差動増幅器66の出力が800H以上であった場合には、ビーム光aの通過位置が、センサパターンSFの近傍であることを表している。すなわち、図10におけるエリアFをビーム光aが通過していることを表している。
【0180】
したがって、このような場合には、ビーム光aの通過目標ポイントであるセンサパターンSBとSCとの中間に近づけるため、ビーム光aがセンサパターンSA側を通過するようガルバノミラー33aを制御する(S38)。なお、このときの制御量は、目標ポイントとエリアFとの距離を考慮し、120μm程度の制御量(移動量)が必要である。
【0181】
ステップS37の判定で、差動増幅器66の出力が800H以上でなかった場合には、差動増幅器65(D−E)の出力(A/D変換値)をメモリ52にあらかじめ記憶されている判定基準値800Hと比較することにより、差動増幅器65の出力が判定基準値800H以上であるかを判定する(S39)。
【0182】
この判定の結果、差動増幅器65の出力が800H以上であった場合には、ビーム光aの通過位置が、センサパターンSEの近傍であることを表している。すなわち、図10におけるエリアEをビーム光aが通過していることを表している。
【0183】
したがって、このような場合には、ビーム光aの通過目標ポイントであるセンサパターンSBとSCとの中間に近づけるため、ビーム光aがセンサパターンSA側を通過するようガルバノミラー33aを制御する(S40)。なお、このときの制御量は、目標ポイントとエリアEとの距離を考慮し、80μm程度の制御量(移動量)が必要である。
【0184】
ステップS39の判定で、差動増幅器65の出力が800H以上でなかった場合には、差動増幅器64(C−D)の出力(A/D変換値)をメモリ52にあらかじめ記憶されている判定基準値800Hと比較することにより、差動増幅器64の出力が判定基準値800H以上であるかを判定する(S41)。
【0185】
この判定の結果、差動増幅器64の出力が800H以上であった場合には、ビーム光aの通過位置が、センサパターンSDの近傍であることを表している。すなわち、図10におけるエリアDをビーム光aが通過していることを表している。
【0186】
したがって、このような場合には、ビーム光aの通過目標ポイントであるセンサパターンSBとSCの中間に近づけるため、ビーム光aがセンサパターンSA側を通過するようガルバノミラー33aを制御する(S42)。なお、このときの制御量は、目標ポイントとエリアDとの距離を考慮し、40μm程度の制御量(移動量)が必要である。
【0187】
ステップS41の判定で、差動増幅器64の出力が800H以上でなかった場合には、差動増幅器63(B−C)の出力(A/D変換値)をメモリ52にあらかじめ記憶されている判定基準値400H,7FFHと比較することにより、差動増幅器63の出力が判定基準値400Hよりも大で、7FFH以下であるかを判定する(S43)。
【0188】
この判定の結果、差動増幅器63の出力が400Hよりも大で、7FFH以下であった場合には、ビーム光aの通過位置が、通過目標ポイントであるセンサパターンSBとSCとの中間近傍であるが、若干センサパターンSB寄りであることを表している。すなわち、図10におけるエリアBのエリアBAをビーム光aが通過していることを表している。
【0189】
したがって、このような場合には、ビーム光aの通過目標ポイントであるセンサパターンSBとSCとの中間に近づけるため、ビーム光aがセンサパターンSG側を通過するようガルバノミラー33aを制御する(S44)。なお、このときの制御量は、目標ポイントとエリアDとの距離を考慮し、10μm程度の制御量(移動量)が必要である。
【0190】
ステップS43の判定で、差動増幅器63の出力が400Hよりも大で、7FFH以下でなかった場合には、差動増幅器63の出力をメモリ52にあらかじめ記憶されている判定基準値60H,400Hと比較することにより、差動増幅器63の出力が判定基準値60Hよりも大で、400H以下であるかを判定する(S45)。
【0191】
この判定の結果、差動増幅器63の出力が60Hよりも大で、400H以下であった場合には、ビーム光aの通過位置が、通過目標ポイントであるセンサパターンSBとSCとの中間近傍であるが、若干センサパターンSB寄りであることを表している。すなわち、図10におけるエリアBのエリアBCをビーム光aが通過していることを表している。
【0192】
したがって、このような場合には、ビーム光aの通過目標ポイントであるセンサパターンSBとSCとの中間に近づけるため、ビーム光aがセンサパターンSG側を通過するようガルバノミラー33aを制御する(S46)。なお、このときの制御量は、目標ポイントとエリアDとの距離を考慮し、0.5μm程度の制御量(移動量)が必要である。
【0193】
ステップS45の判定で、差動増幅器63の出力が60Hよりも大で、400H以下でなかった場合には、差動増幅器63の出力をメモリ52にあらかじめ記憶されている判定基準値800H,A00Hと比較することにより、差動増幅器63の出力が判定基準値800H以上で、A00Hよりも小であるかを判定する(S47)。
【0194】
この判定の結果、差動増幅器63の出力が800H以上で、A00Hよりも小であった場合には、ビーム光aの通過位置が、通過目標ポイントであるセンサパターンSBとSCとの中間近傍であるが、若干センサパターンSC寄りであることを表している。すなわち、図10におけるエリアCのエリアCDをビーム光aが通過していることを表している。
【0195】
したがって、このような場合には、ビーム光aの通過目標ポイントであるセンサパターンSBとSCとの中間に近づけるため、ビーム光aがセンサパターンSA側を通過するようガルバノミラー33aを制御する(S48)。なお、このときの制御量は、目標ポイントとエリアCDとの距離を考慮し、10μm程度の制御量(移動量)が必要である。
【0196】
ステップS47の判定で、差動増幅器63の出力が800H以上で、A00Hよりも小でなかった場合には、差動増幅器63の出力をメモリ52にあらかじめ記憶されている判定基準値A00H,FA0Hと比較することにより、差動増幅器63の出力が判定基準値A00H以上で、FA0Hよりも小であるかを判定する(S49)。
【0197】
この判定の結果、差動増幅器63の出力がA00H以上で、FA0Hよりも小であった場合には、ビーム光aの通過位置が、通過目標ポイントであるセンサパターンSBとSCとの中間近傍であるが、若干センサパターンSC寄りであることを表している。すなわち、図10におけるエリアCのエリアCBをビーム光aが通過していることを表している。
【0198】
したがって、このような場合には、ビーム光aの通過目標ポイントであるセンサパターンSBとSCとの中間に近づけるため、ビーム光aがセンサパターンSA側を通過するようガルバノミラー33aを制御する(S50)。なお、このときの制御量は、目標ポイントとエリアCBとの距離を考慮し、0.5μm程度の制御量(移動量)が必要である。
【0199】
ステップS49の判定で、差動増幅器63の出力がA00H以上で、FA0Hよりも小でない場合には、ビーム光aの通過位置が所定の範囲内(目標ポイントの±1μmの範囲)に入っていることを示しているので、ガルバノミラー33aの制御終了フラグAを立てる(S51)。
【0200】
このようにして、理想の通過ポイントに対して±1μmの範囲内にビーム光aが通過していない場合(S34,S36,S38,S40,S42,S44,S46,S48,S50)には、ガルバノミラー33aを所定量制御し、そのときの値をメモリ52に書込む(S52)。
【0201】
以上のようにして主制御部51は、ビーム光aが理想の通過ポイントに対し、±1μmの範囲内を通過している場合にガルバノミラー33aの制御終了フラグAを立て、この範囲外を通過している場合には、その通過位置(エリア)に応じてガルバノミラー制御量を調整し、その値をメモリ52に書き込む。
【0202】
最後に主制御部51は、レーザ発振器31aの強制発光を解除し、一連のビーム光aの通過位置制御を終える(S53)。
【0203】
なお、既に図14で説明したように、ガルバノミラー33aの制御終了フラグAが立っていない場合には、再度、ビーム光aの通過位置制御ルーチンを実行することになる。すなわち、ビーム光aが理想の通過ポイントに対し、±1μmの範囲内を通過するまでこのルーチンは繰り返し実行される。
【0204】
したがって、ビーム光aの通過位置制御は、最終的にステップS49〜S52から構成される制御ルーチン、もしくは、ステップS45〜S52から構成される制御ルーチンに追い込まれる。すなわち、ビーム光aは、差動増幅器(B−C)63の出力が以下の範囲となる位置に制御される。
【0205】
FFFH≧B−C≧FA0H
60H≧B−C≧000H
ところが、制御終了後にガルバノミラーなどのビーム光アクチュエータの駆動ラインにノイズが重畳して、ガルバノミラーが誤動作し、ビーム光の通過位置が目標位置から外れてしまう可能性がある。また、ビーム光検知装置38の出力にノイズが重畳し、このため誤ったビーム光位置情報で制御を終了してしまう可能性もある。
【0206】
そこで、本発明の第1の実施の形態によれば、ビーム光の最終制御位置を確認し、その値があらかじめ設定した回数以上連続して得られるまで制御を継続することによって、ノイズなどの影響を取り除き、ビーム光の通過位置を制御目標位置に制御することができる。
【0207】
図17および図18は、第1の実施の形態に係るビーム光通過位置制御を説明するためのフローチャートである。基本的な動作(すなわち、ステップS20〜S25までの動作)は図14と同様で、ステップS27以降が異なる。
【0208】
すなわち、主制御部51は、ステップS25の処理が終了すると、ステップS27に進。ステップS27では、ビーム光a,b,c,dの各通過位置が全て規定値内に入っているか否かをチェックし、規定値内に入っていない場合はステップS22に戻り、前記同様な動作を繰り返す。
【0209】
ステップS27において、規定値内に入っている場合、主制御部51はステップS28に進み、ガルバノミラーへの指示値を保持し、ステップS29に進む。ステップS29では、作動増幅器63〜66の各出力を、それぞれポリゴンミラー35の面数の整数倍回計測し、そのそれぞれの平均値を演算する。
【0210】
次に、ステップS30では、ステップS29で演算した平均値が、あらかじめ設定された指定回数(たとえば、10回)以上連続して制御目標範囲に入っているか否かを判断し、入っていなければステップS22に戻って前記同様な動作を繰り返し、入っていればビーム光通過位置制御を終了する。
【0211】
なお、図15および図16の説明は、ビーム光aに対しての制御であるが、ビーム光b,c,dに対しての制御も、基本的にはビーム光aの場合と同様で、それぞれのレーザ発振器31b〜31dを強制発光させた上で、増幅器61,62並びに差動増幅器63〜66の出力を判定し、理想の制御ポイントに対して±1μmの範囲内を通過している場合には、それぞれのガルバノミラー33b〜33dの制御終了フラグB〜Dを立てる。また、この範囲を通過していない場合には、それぞれのビーム光b〜dがどのエリアを通過しているのかを判定した上で、その通過エリアに応じた制御をガルバノミラー33b〜33dに対して行ない、その制御値をメモリ52に書込む。
【0212】
ここで、以上で説明したビーム光通過位置制御における各ビーム光のパワーのばらつきが与える影響について説明する。
【0213】
図19は、感光体ドラム15(ビーム光検知装置38)上において、ビーム光のパワーが変化したときのビーム光通過位置と、差動増幅器の出力(積分してA/D変換した値)との関係を示したものである。
【0214】
図19のグラフにおいて、曲線Bは、図10において示した増幅器63,64,65,66の出力特性と同じものを示しており、ビーム光が目標とする通過ポイントから遠ざかるとともに、000Hから7FFH、あるいは、FFFHから800Hまで徐々に変化し、さらに、目標ポイントから遠ざかると、7FFHから000H、または、800HからFFFHへと徐々に変化する。この特性は、ビーム光の通過位置と差動増幅器の出力との対応が取りやすく、制御上、都合がよい。
【0215】
これに対して、たとえば、ビーム光のパワーが大きい場合の曲線Cの特性の場合には、ビーム光の通過位置が目標ポイントから僅かにずれただけで、差動増幅器の出力が大幅に変化してしまい、ある一定値以上ビーム光通過位置がずれると、差動増幅器の出力が7FFH、あるいは、800Hに固定となってしまう。そして、さらに、ビーム光の通過位置がかなり変化しない限り、差動増幅器の出力値は変化しない。
【0216】
逆に、ビーム光のパワーが小さい場合には、曲線Aの特性となり、ビーム光の通過位置の変化に対して差動増幅器の出力変化が小さく、S/N比が悪い。
【0217】
以上説明したように、感光体ドラム15上を通過するビーム光のパワーが変化すると、ビーム光の通過位置と差動増幅器の出力との関係が変化してしまう。
【0218】
したがって、このように各ビーム光のパワーがばらついた状態のままでビーム光の通過位置を制御すると、ビーム光のパワーが小さい場合には、ある一定の基準内にビーム光の通過位置を制御したつもりであっても、精度が不足していたりし、ビーム光のパワーが大きい場合には、ビーム光の通過位置変化に対する差動増幅器の出力変化が大きすぎたり、変化しないことが起るため、制御動作が不安定になることがある。
【0219】
したがって、ビーム光の通過位置制御を行なう際には、最低限、各ビーム光のパワーが揃っている必要がある。さらに、理想的には、図19の曲線Bのような特性になるビーム光のパワーが望ましいが、この図19に示すグラフについては、たとえば、差動増幅器の増幅率を適当な値にすることで、曲線Aの特性を曲線Bの特性に変えたり、曲線Cの特性を曲線Bの特性に変えたりすることも可能である。
【0220】
次に、図13のステップS3,S12におけるビーム光パワー制御ルーチンの第1の例について、図20、図21に示すフローチャートを用いて説明する。
【0221】
まず、主制御部51は、増幅器99(H)の増幅率を所定の値に設定する(S231)。ここでの所定の値とは、各ビーム光がセンサパターンSH上を通過した際に、増幅器99(H)の出力を積分器42で積分し、A/D変換器43でA/D変換した場合、その値が飽和せず、ビーム光のパワーに比例して変化するような増幅率の値である。
【0222】
次に、主制御部51は、ポリゴンモータ36をオンし、ポリゴンミラー35を所定の回転数で回転させる(S232)。次に、主制御部51は、レーザ発振器31aをメモリ52に記憶している所定の値で強制的に発光させる(S233)。この動作により、ビーム光aはポリゴンミラー35により走査を開始する。ここで、所定の値というのは、そのときの画像形成に適した値である。
【0223】
一般に、電子写真プロセスを用いた画像形成装置においては、その画像形成装置の置かれる環境や使用状況(経時変化)によってビーム光のパワーを変化させる必要がある。メモリ52には、このような諸条件下での適切なビーム光のパワー情報が記憶されている。
【0224】
次に、主制御部51は、ビーム光aがセンサパターンSH上を通過するようにガルバノミラー33aを制御する(S234)。ここで、ビーム光aは、センサパターンSHからはみ出さない程度に、充分にセンサパターンSHのほぼ中央部を通過することが必要である。もし、センサパターンSHからはみ出しているような場合は、検知するパワーの値が小さくなってしまう。しかし、ビーム光のパワー制御に用いるセンサパターンSHは、先に(図3で)説明したように、充分な大きさを持っており、通常このような問題は起こりえない。
【0225】
なお、たとえば、電源投入時などに初期設定として、ビーム光aがセンサパターンSHのほぼ中央部を通過するように設定される場合は、ステップS234の処理は省略できる。
【0226】
さて、ビーム光aがセンサパターンSH上を通過するようになると、A/D変換器43からは、ビーム光aのパワーに比例した値が主制御部51に入力されることになる。主制御部51は、この値(理想的にはポリゴンミラー35の面数の整数倍回の平均値)を、ビーム光aの感光体ドラム15上での光パワーPaとしてメモリ52に記憶し(S235)、レーザ発振器31aをオフにする(S236)。
【0227】
次に、主制御部51は、レーザ発振器31bを強制的に発光させ(S237)、ビーム光bを、ビーム光aの場合と同様にして、ガルバノミラー33bを制御することによって、センサパターンSH上を通過させる(S238)。この場合も、ビーム光bがセンサパターンSHのほぼ中央部を通過するよう初期設定される場合は、ステップS238の処理は省略できる。
【0228】
これにより、A/D変換器43からは、ビーム光bの感光体ドラム15上での光パワーに比例した値が主制御部51に入力されるので、この値を光パワーPbとして、先にメモリ52に記憶したビーム光aの感光体ドラム15上での光パワーPaと比較する(S239)。なお、このビーム光bの場合も、理想的にはポリゴンミラー35の面数の整数倍回、A/D変換器43の出力値を取込み、それを平均化した値をPbとするのが望ましい。
【0229】
さて、このようにして、ビーム光aとビーム光bの感光体ドラム15上での光パワーPa,Pbを比較した結果、その差がある値(ΔP)以下(理想的には「0」)であれば、画質上問題はない。しかし、それ以上の差がある場合には、画質上問題となるので補正が必要となる。
【0230】
たとえば、光パワーPbとPaを比較した結果、Pbの方がPaよりも大きく、その差がΔPよりも大きい場合(S240,S241)、レーザドライバ32bへの発光パワー設定値を下げることにより、ビーム光bの感光体ドラム15上での光パワーを下げることが可能である(S242)。
【0231】
逆に、光パワーPbとPaを比較した結果、Paの方がPbよりも大きく、その差がΔPよりも大きい場合(S240,S241)、レーザドライバ32bへの発光パワー設定値を上げることにより、ビーム光bの感光体ドラム15上での光パワーを上げることが可能である(S243)。
【0232】
このようにして、ビーム光bの感光体ドラム15上での光パワーを補正すると、このときの発光パワー設定値をレーザ発振器31bの値としてメモリ52に記憶して(S244)、再びステップS239に戻り、再度、ビーム光bの感光体ドラム15上での光パワーを検知して、Paと比較し、その差がΔP以下になるまで補正を繰り返す。
【0233】
このようにして、ビーム光aのパワーとビーム光bのパワーとの差を所定の値(ΔP)以下とすることが可能となる。
【0234】
以下、ステップS245〜S264によりビーム光c、ビーム光dについても同様の動作を行なうことで、ビーム光a、ビーム光b、ビーム光c、ビーム光dの感光体ドラム15上での光パワー差を所定の値(ΔP)以下とすることが可能である。
【0235】
なお、上記例では、ビーム光aを基準としているが、ビーム光bあるいはビーム光c、ビーム光dを基準として制御することも可能である。また、ここでの所定の値(ΔP)は、基準(Paの値)の1%以下とすることが望ましい。
【0236】
次に、図13のステップS3,S12におけるビーム光パワー制御ルーチンの第2の例について、図22、図23に示すフローチャートを用いて説明する。
【0237】
ビーム光パワー制御ルーチンの第2の例の前述した第1の例と異なる点は、ビーム光のパワーを制御するときの基準の取り方の違いであり、その他は第1の例と同じである。第1の例では、ビーム光パワーの制御基準を、ビーム光aとしていた。したがって、結果として、各ビーム光間の相対的な光パワーを一致させることになっていた。これに対し、第2の例では、あらかじめ決めておいた基準値Prefを基準に各ビーム光のパワー制御を行なっている。したがって、あらかじめセンサパターンSHの感度補正を行なっておけば、絶対的な基準を基に各ビーム光のパワーを制御することができる。
【0238】
たとえば、所定の走査速度で100μW相当の光パワーを持つビーム光がセンサパターンSH上を通過した際に、増幅器99(H)から出力される値が100H、200μW相当の光パワーを持つビーム光に対しては200H、300μW相当の光パワーを持つビーム光に対しては300H、というような値を出すように、あらかじめ調整(校正)されていれば、このセンサパターンSHを一種の測定器として用いることができる。このような構成にしておけば、機体間のばらつきもなく、像面上でのビーム光パワーの制御が可能となる。
【0239】
次に、第2の実施の形態に係るビーム光通過位置制御について説明する。
【0240】
一般に、ガルバノミラーなどのビーム光アクチュエータには、ヒステリシスが存在する。それについて図24を用いて説明する。図24において、ビーム光aは位置Aを通過している。このとき、主制御部51がガルバノミラーに対してビーム光aの通過位置を1μm、センサパターンSB側に移動させる指示を与えると、ビーム光aは位置Aから1μm、センサパターンSB側の位置Bを通過する。
【0241】
ここで、主制御部51が、ガルバノミラーに対してビーム光aの通過位置を1μm、センサパターンSC側に移動させる指示を与えると、理想的には再び位置Aをビーム光aが通過するはずであるが、実際には、位置AよりもセンサパターンSB側の位置Aupであったり、また、位置AよりもセンサパターンSC側の位置Alow であったりする。これは、ガルバノミラーにヒステリシスが存在するためで、前者は1μmの指示に対して1μm未満しか動作していない場合で、後者は1μmの指示に対して1μmよりも大きく動作した場合である。
【0242】
このようなヒステリシスは、ビーム光の通過位置制御時に以下のような悪影響を与える。
【0243】
たとえば、図14、図15、図16で説明したビーム光通過位置制御では、±1μmの制御目標範囲内にビーム光の通過位置を制御するため、図15、図16の制御ルーチンを繰り返す。ところが、以下の問題が生じる可能性が大きい。
【0244】
たとえば、ビーム光aがエリアBA(図25参照)にある場合、主制御部51はガルバノミラー33aに指示を出して、ビーム光aを10μm程度、センサパターンSG側に移動させる。すなわち、エリアBC(図25参照)内もしくは目標エリア内をビーム光aが通過するように制御する。
【0245】
ところが、ガルバノミラー33aの感度ばらつきなどで所望の値よりも大きくガルバノミラー33aが動作してしまい、エリアCBあるいはCD(図25参照)までビーム光aが移動する場合がある(図25のポイントP1からP2までビーム光aが移動してしまった)。この場合、ステップS48,S50によって目標エリア内にビーム光aが入るよう制御されるはずであるが、前述のヒステリシスの影響で、再びエリアBCあるいはBA(図25参照)までビーム光aが移動してしまう可能性がある(図25のポイントP2からP3までビーム光aが移動してしまった)。
【0246】
すなわち、センサパターンSG方向、SA方向と全く逆の方向に移動させることで、制御が振動的となって、制御目標エリア内に収束しない可能性がある(図25参照)。
【0247】
また、図10の差動増幅器の出力は、実際のところ細かな振動成分が重畳しており、各エリアの境界近傍にビーム光があるとき、制御が振動的になりやすく、先のヒステリシスや感度ばらつきの影響時と同様に、制御目標エリア内に収束しない可能性がある。
【0248】
そこで、本発明の第2の実施の形態によれば、以上のようなガルバノミラーなどの感度ばらつき、ヒステリシスの影響を考慮して、ビーム光の通過位置制御が短時間で、確実に収束することができるものである。
【0249】
図26ないし図28は、第2の実施の形態に係るビーム光通過位置制御を説明するためのフローチャートであり、ビーム光aの通過位置制御を行なう場合を例に説明する。
【0250】
まず、主制御部51は、ガルバノミラー33aに対して所定の指示値を与える(S271)。次に、レーザ発振器31aを強制発光させ(S272)、各増幅器61,62および各差動増幅器63〜66の各出力をポリゴンミラー35の面数の整数倍回計測し、そのそれぞれの平均値を演算する(S273)。
【0251】
次に、ステップS274において、ステップS273の演算結果に基づいて、ポイントA1(図29参照)を探す(図29のエリアA近傍にビーム光aを追い込む)。ただし、ビーム光検知装置38の構造上、ポイントA1と同レベルのポイントA1′が存在するため、まずは、ポイントA1とA1′とに挾まれたエリアにビーム光aを追い込む。
【0252】
すなわち、ステップS273の演算結果≧A1(=A1′)になるまで、ビーム光aをセンサパターンSG個に移動させる。また、エリアAを探す場合には、10μmピッチでビーム光aを移動させる。ここでの移動ピッチは、ポイントA1とA1′との距離よりも小さいことが重要である。すなわち、1回の移動(1ピッチ)で、ポイントA1′からA1を飛び越えることがなく、確実にポイントA1とA1′とに挾まれたエリアを見つけ出せることが必要である。
【0253】
ところで、エリアA(図29参照)は、ビーム光aの通過位置の理想的な目標通過位置であるZ1を含んだエリアである(目標通過位置Z1は、差動増輻器の出力が0となる位置)。エリアA内にビーム光aを追い込む本動作は、目標通過位置Z1を確実に捕らえるためである。図10の差動増輻器63の出力に注目すると、その出力が0(あるいは、0近傍)となるのは、目標通過位置Z1の他、エリアA,D〜G(図I0の)に存在する。ビーム光通過位置制御を実行した場合、誤ってエリアA,D〜Gにビーム光aを制御してしまう場合がある。この問題を解決するために、本実施の形態では、図29のエリアA内にビーム光aを迫い込むようにする。
【0254】
ステップS273の演算結果≧A1の場合には、エリアA内をビーム光aが通過していないため、ビーム光aをセンサパターンSG側に10μm移動させるよう、ガルバノミラー33aに指示する(S275)。その後、再度、エリア内かどうか判定する。上記の動作をエリアA内をビーム光aが通過するまで継続する。
【0255】
ステップS273の演算結果≦A1の場合には、今度は、ポイントA2(図29参照)を探す。すなわち、ビーム光aがエリアA内を通過すると、ガルバノミラー33aの指示値GP1をメモリ52に書込むことにより(S276)、ビーム光aをセンサパターンSG側に10μm移動させる(S277)。そして、ステップS278に進み、ステップS273と同様な平均値の演算を行なう。
【0256】
次に、ステップS279において、ステップS278の演算結果に基づいて、ポイントA2を探す。ここで、ポイントA2についても、ビーム光検知装置38の構造上、前記ポイントA1とA1′との関係と同様なポイントA2′が存在するため、まずは、ポイントA2とA2′とに挾まれたエリアにビーム光aを追い込む。
【0257】
すなわち、ステップS278の演算結果≧A2(=A2′)になるまで、ビーム光aをセンサパターンSG個に移動させる。また、エリアAを探す場合には、10μmピッチでビーム光aを移動させる。ここでの移動ピッチは、ポイントA2とA2′との距離よりも小さいことが重要である。すなわち、1回の移動(1ピッチ)で、ポイントA2′からA2を飛び越えることがなく、確実にポイントA2とA2′とに挾まれたエリアを見つけ出せることが必要である。ステップS278の演算結果≧A2の場合には、ビーム光aの通過位置はエリアA内にある。
【0258】
一方、ステップS278の演算結果≦A2の場合には、ビーム光aはポイントA2よりもセンサパターンSG側にある。この時点で、ビーム光aはポイントA2よりも若干センサパターンSG側に寄った位置を通過している(エリアAにビーム光aを追い込むルーチン終了)。
【0259】
次に、ポイントB2(図29参照)を探す。エリアB(図29参照)の近傍にビーム光aを追い込む場合には、1μmピッチでビーム光aを移動させる。今、ビーム光aはポイントA2の近傍を通過しているので、ビーム光aをセンサパターンSA側に1μm移動させるよう、ガルバノミラー33aに指示する(S280)。そして、ステップS281に進み、ステップS273と同様な平均値の演算を行なう。
【0260】
次に、ステップS282において、ステップS281の演算結果に基づいて、ポイントB2を探す。ステップS281の演算結果≦B2の場合には、エリアB内をビーム光aが通過していないため、ビーム光aをセンサパターンSA側に10μm移動させるよう、ガルバノミラー33aに指示する(S283)。その後、再度、エリア内かどうか判定する。上記の動作をエリアB内をビーム光aが通過するまで継続する。
【0261】
ステップS281の演算結果≧B2の場合には、今度は、ポイントB1(図29参照)を探す。すなわち、ビーム光aがエリアB内を通過すると、ガルバノミラー33aの指示値GP2をメモリ52に書込むことにより(S284)、ビーム光aをセンサパターンSA側に1μm移動させる(S285)。そして、ステップS286に進み、ステップS273と同様な平均値の演算を行なう。
【0262】
次に、ステップS287において、ステップS286の演算結果に基づいて、ポイントB1を探す。ステップS286の演算結果≦B1の場合には、ビーム光aの通過位置はエリアB内にある。
【0263】
一方、ステップS287の演算結果≧B1の場合には、ビーム光aはポイントB1よりもセンサパターンSA側にある。この時点で、ビーム光aはポイントB1よりも若干センサパターンSG側に寄った位置を通過している(エリアBにビーム光aを追い込むルーチン終了)。
【0264】
次に、ポイントC1(図29参照)を探す。エリアC(図29参照)の近傍にビーム光aを追い込む場合には、ガルバノミラー33aの最小移動量である0.1μmピッチでビーム光aを移動させる。今、ビーム光aはポイントB1の近傍を通過しているので、ビーム光aをセンサパターンSG側に0.1μm移動させるよう、ガルバノミラー33aに指示する(S288)。そして、ステップS289に進み、ステップS273と同様な平均値の演算を行なう。
【0265】
次に、ステップS290において、ステップS289の演算結果に基づいて、ポイントC1を探す。ステップS289の演算結果≧C1の場合には、エリアC内をビーム光aが通過していないため、ビーム光aをセンサパターンSG側に10μm移動させるよう、ガルバノミラー33aに指示する(S291)。その後、再度、エリア内かどうか判定する。上記の動作をエリアC内をビーム光aが通過するまで継続する。
【0266】
ステップS289の演算結果≦C1の場合には、ビーム光aが最終制御目標範囲であるエリアD(図29参照)を通過しているか否かを判定する(S292)。ビーム光aがエリアD内に入っていない場合、以下に示したように0.1μmピッチで移動し、エリアD内をビーム光aが通過するまで制御を継続する(S293)。
【0267】
・エリアD1(図29参照)よりもセンサパターンSA側を通過している場合:0.1μmセンサパターンSG側に移動する。
【0268】
・エリアD2(図29参照)よりもセンサパターンSG側を通過している場合:0.1μmセンサパターンSA側に移動する。
【0269】
ビーム光aの通過位置がエリアD内であれば、ガルバノミラー33aの指示値GP3をメモリ52に書込むことにより(S294)、ガルバノミラー33aをその位置に保持し(S295)、さらに、ステップS289の演算結果の判定を行なって、エリアD内にビーム光aがあるかどうか判定する(S296)。これが指定回数以上連続した場合にビーム光aの通過位置制御を終了する。すなわち、ビーム光aの通過位置が指定回数以上連続してエリアD内にとどまっている場合に制御を終了する。
【0270】
図30は、以上の制御動作を実行したときの差動増幅器63の出力を積分器42で積分し、さらに、その積分結果をA/D変換器43でA/D変換した値を時系列で表わしたものであり、それぞれビーム光a,b,c,dを示している。
【0271】
なお、図30において、横軸は時間を、縦軸はA/D変換器43の出力を表わしている。また、(A1,A2)、(B1,B2)、(C1,C2)、(D1,D2)は、それぞれ図29のエリア(制御目標エリア)A,B,C,Dに相当する。
【0272】
次に、第3の実施の形態について説明する。
【0273】
一般に、マルチビーム方式の画像形成装置では、画像不良などの問題が生じた場合、その要因を究明することが甚だ困難である。それは、複数の光源とそれに対応したアクチュエータ、また、マルチビーム用のレンズ、あるいは、ビーム光検知装置など、シングルビーム方式と比較して光学系を構成する部品が非常に多いからである。これらの内の1つにでも不具合が生じると、画像不良が発生する。
【0274】
たとえば、不良画像の代表的な例として、画像上に横縞模様が表わわれるジッタ画像がある。これは、各横ライン間のピッチが所望のピッチでない場合に起こる現象である。従来のシングルビーム方式の光学系を有した画像形成装置であれば、その要因として、感光体ドラムなどの駆動系の異常であることから容易に想像できる。
【0275】
ところが、本実施の形態でとりあげているマルチビーム方式の光学系を有した画像形成装置の場合には、上記の駆動系の異常に加えて、レーザ発振器、ビーム光検知装置、アクチュエータなどのマルチビーム光学系を構成する部品の異常の可能性がある。
【0276】
すなわち、感光体ドラム上に画像を形成する以前に、各ビーム光間のピッチ(画像上では横ライン間のピッチに相当する)が所望のピッチでない場合である。これは、ビーム光の通過位置制御が正常に行なわれなかったからである。
【0277】
その要因として、まず第1に、アクチュエータの動作不良が考えられる。すなわち、ガルバノミラーの動作不良である。動作不良とは、簡単に言えば、主制御部からの指示通りにガルバノミラーが動かないことである。これは、ガルバノミラーのコイル断線などのアクチュエータそのものも不良と、アクチュエータドライバの故障が主な要因である。
【0278】
第2の要因としては、レーザ発振器(レーザダイオード)の動作不良である。すなわち、主制御部の指示通りにレーザ発振器が発光しないことで、レーザ発振器そのものの故障や、レーザドライバの故障が主な要因である。
【0279】
第3の要因としては、ビーム光検知装置の動作不良である。すなわち、ビーム光の通過位置や、通過タイミング、また、ビーム光のパワー(光量)といった情報が得られない場合で、センサやセンサ基板を構成するオペアンプなどの電子部品の故障や、センサ基板の光学系への取付け不良などがその主な要因である。
【0280】
特に、アクチュエータの動作不良とレーザ発振器の動作不良の場合、構成部品が複数(マルチ)であるため(4ビーム構成の場合、レーザ発振器、レーザドライバ、アクチュエータ、アクチュエータドライバは、それぞれ4個ずつある)、さらに要因の数は増大する。
【0281】
以上のように、マルチビーム光学系を有した画像形成装置の場合には、シングルビーム光学系と比較して、不良画像の要因の数が多く、要因を調査し、特定するのが非常に難しい。このため、サービスメンテナンスに非常に時間がかかり、ユーザに多大な迷惑をかけることになる。
【0282】
また、サービスマンで対応が困難な場合は、画像形成装置の修理点検となり、長期にわたってユーザに迷惑をかけることになる。
【0283】
そこで、本発明の第3の実施の形態によれば、マルチビーム光学系を有した画像形成装置において、サービスメンテナンスモードを選択すると、前述のビーム光の通過位置制御動作およびパワー検知動作を表示することができる。これによって、画像不良の要因の調査および特定を容易にすることが可能で、サービスメンテナンス性の向上が実現できる。
【0284】
第3の実施の形態によれば、サービスメンテナンスモードを選択すると、図5のコントロールパネル53上に図31や図32を表示することができる。これによって、サービスマンはビーム光の通過位置制御の制御状態やパワー検知制御の制御状態を簡単に目視で確認できる。
【0285】
以下、第3の実施の形態について説明する。
【0286】
たとえば、ユーザから画像不良(ここではジッタを例にする)の連絡がサービスセンタにあった場合、サービスマンはユーザの元へ要因の調査および調整に出向く。サービスマンは、コントロールパネル53から、サービスメンテナンスモードを選択する。すると、コントロールパネル53に設けられた表示部にビーム光通過位置制御状態を表示する画面が表示される。ここで、サービスマンはビーム光通過位置制御を実行する。すると、既に説明したビーム光通過位置制御が実行される。その際、コントロールパネル53の表示部には、図31に示す画面が表示される。
【0287】
図31は、ビーム光通過位置制御動作の状態を表わしたもので、ビーム光a,b,c,dの全てが制御目標範囲であるエリアD1〜D2内に制御されている様子がわかる。すなわち、ビーム光通過位置制御は正常に終了し、少なくともマルチビーム光学系ユニットを構成しているレーザ発振器、ビーム光検知装置、ガルバノミラー、レンズなどは正常に動作していることが予想される。したがって、画像不良(ジッタ)の要因としては、駆動系の動作不良である可能性が強い。サービスマンは、上記状態を簡単に判断でき、駆動系の調査を行なえばよい。
【0288】
一方、コントロールパネル53の表示部に、図32に示す画面が表示された場合は、マルチビーム光学系ユニットの構成部品がジッタの要因である可能性が大である。
【0289】
図32は、ビーム光aが制御目標範囲内に収束せずに、ビーム光通過位置制御が異常終了した場合である。この画面表示から、ビーム光aの関連にジッタの要因があることがわかる。すなわち、ビーム光aの挙動が振動的であることから、ビーム光a用のガルバノミラー33aか、その駆動回路39aが動作不良を起こしている公算が大きい。したがって、サービスマンは、図32から上記状態を判断し、調査を行なえばよい。
【0290】
このように、ビーム光通過位置制御の様子を表示できるため、サービスマンは画像不良の要因を目視で簡単に把握することができ、迅速な対応が可能となり、サービスメンテナンス性に優れたものとなる。
【0291】
図33は、パワー(光量)検知制御動作の状態を表示した図である。サービスマンがサービスメンテナンスモードを選択し、パワー検知制御を実行すれば、コントロールパネル53の表示部に図33の画面が表示される。図33は、パワー検知制御が正常に終了した例で、ビーム光a,b,c,dの各パワー(光量)が全て等しいパワーに制御されている様子がわかる。
【0292】
すなわち、レーザ発振器およびそのドライバは正常に動作していると判断できる。この画面表示で、ビーム光a,b,c,dのいずれか(もしくは全て)のパワーが異なれば、レーザ発振器およびそのドライバの動作不良の可能性が大きい。
【0293】
なお、図31、図32、図33の表示画面はカラーで表示されるもので、たとえば、ビーム光aの特性は赤色、ビーム光bの特性は青色、ビーム光cの特性は緑色、ビーム光dの特性は黄色でそれぞれ表示されるようになっている。
【0294】
このように、第3の実施の形態によれば、制御状態を目視で簡単に把握することができるため、サービスメンテナンス性に優れたものとなる。
【0295】
次に、第4の実施の形態について説明する。
【0296】
第4の実施の形態は、本画像形成装置にパーソナルコンピュータ(以降、単にパソコンと略称する)などの外部機器を接続することにより、そのディスプレイに前述のビーム光の制御状態を表示するようにしたものである。
【0297】
すなわち、昨今、パソコンのコンパクト化に伴って、サービスマンがノートブック形パソコンなどを持ち歩くことができるようになった。
【0298】
そこで、サービスメンテナンスの際に、図34に示すように、外部通信I/F54にノートブック形パソコン60を接続し、サービスメンテナンスモードを選択し、ビーム光通過位置制御を実行すると、パソコン60のディスプレイ60aにビーム光通過位置制御の状態が表示され、第3の実施の形態で既に説明したように、不具合箇所の有無が推測できる。
【0299】
たとえば、図32の画面がパソコン60のディスプレイ60aに表示された場合、サービスマンは、そのデータをパソコン60を介してフロッピーディスクなどの記録媒体に記録し、要因の調査と改修(調整)を行なった後に、サービスセンターに持ち帰ってデータを保存し、今後の対策に生かすことができる。また、仮に要因がわからず、改修、調整ができなかった場合でも、このデータをサービスセンタに持ち帰り、エンジニアなどを交えて原因究明を行なうことが可能である。
【0300】
このように、第4の実施の形態によれば、ビーム光の制御状態を目視で簡単に確認し、画像不良の要因の究明と対策を迅速に行なうことができるため、サービスメンテナンス性に優れたものとなる。
【0301】
なお、前記実施の形態では、マルチビーム光学系を用いたデジタル複写機に適用した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものでなく、シングルビーム光学系を用いたものでも同様に適用でき、さらに、デジタル複写機以外の画像形成装置にも同様に適用できる。
【0302】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明によれば、ノイズなどの影響を取り除き、ビーム光の通過位置を制御目標位置に正確に制御することができるビーム光走査装置および画像形成装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るデジタル複写機の構成を概略的に示す構成図。
【図2】光学系ユニットの構成と感光体ドラムの位置関係を示す図。
【図3】ビーム光検知装置の構成を概略的に示す構成図。
【図4】図3のビーム光検知装置の要部構成を概略的に示す構成図。
【図5】光学系の制御を主体にした制御系を示すブロック図。
【図6】主走査方向の画像形成精度がビーム光のパワーに依存することを説明するための図。
【図7】図3のビーム光検知装置を用いたビーム光の通過位置制御を説明するためのブロック図。
【図8】ビーム光検知装置出力処理回路の具体的な回路例を示す構成図。
【図9】ビーム光の通過位置とビーム光検知装置の受光パターンの出力、差動増幅器の出力、積分器の出力との関係を示す図。
【図10】ビーム光の通過位置とA/D変換器の出力との関係を示すグラフ。
【図11】ガルバノミラーの動作分解能を説明するグラフ。
【図12】ガルバノミラーの動作分解能を説明するグラフ。
【図13】図3のビーム光検知装置を用いた場合のプリンタ部の電源投入時における概略的な動作を説明するフローチャート。
【図14】ビーム光通過位置制御ルーチンの基本的な動作を説明するフローチャート。
【図15】1つのビーム光通過位置制御ルーチンの動作を説明するフローチャート。
【図16】1つのビーム光通過位置制御ルーチンの動作を説明するフローチャート。
【図17】第1の実施の形態に係るビーム光通過位置制御ルーチンの動作を説明するフローチャート。
【図18】第1の実施の形態に係るビーム光通過位置制御ルーチンの動作を説明するフローチャート。
【図19】ビーム光通過位置制御における各ビーム光のパワーのばらつきが与える影響について説明するための図。
【図20】ビーム光パワー制御ルーチンの第1の例を説明するフローチャート。
【図21】ビーム光パワー制御ルーチンの第1の例を説明するフローチャート。
【図22】ビーム光パワー制御ルーチンの第2の例を説明するフローチャート。
【図23】ビーム光パワー制御ルーチンの第2の例を説明するフローチャート。
【図24】ガルバノミラーのヒステリシスを説明するための図。
【図25】第2の実施の形態に係るビーム光通過位置制御を説明するための図。
【図26】第2の実施の形態に係るビーム光通過位置制御ルーチンの動作を説明するフローチャート。
【図27】第2の実施の形態に係るビーム光通過位置制御ルーチンの動作を説明するフローチャート。
【図28】第2の実施の形態に係るビーム光通過位置制御ルーチンの動作を説明するフローチャート。
【図29】第2の実施の形態に係るビーム光通過位置制御を説明するための図。
【図30】第2の実施の形態に係るビーム光通過位置制御を実行したときの差動増幅器の出力の一例を示す図。
【図31】第3の実施の形態における表示画面例を示す図。
【図32】第3の実施の形態における表示画面例を示す図。
【図33】第3の実施の形態における表示画面例を示す図。
【図34】第4の実施の形態を説明するための要部構成図。
【符号の説明】
1……スキャナ部、2……プリンタ部、6……光電変換素子、9……光源、13……光学系ユニット、14……画像形成部、15……感光体ドラム(像担持体)、31a〜31d……半導体レーザ発振器(ビーム光発生手段)、33a〜33d……ガルバノミラー(光路制御手段)、35……ポリゴンミラー(走査手段)、38……ビーム光検知装置(ビーム光検知手段)、40……ビーム光検知装置出力処理回路、42……積分器、43……A/D変換器、S1〜S6,SH,SA〜SG,SB1〜SF1,SB2〜SF2……センサパターン(光検知部)、51……主制御部、52……メモリ、53……コントロールパネル、54……外部通信I/F、60……パソコン、60a……ディスプレイ(画像表示手段)、61,62,99……増幅器、64〜66……差動増幅器。
Claims (3)
- ビーム光を発生するビーム光発生手段と、
このビーム光発生手段から発生されたビーム光を被走査面へ向けて反射し、前記ビーム光により前記被走査面を走査する走査手段と、
この走査手段により前記被走査面を走査する前記ビーム光の通過位置を検知するビーム光検知手段と、
このビーム光検知手段の検知結果に基づき、前記走査手段により走査されるビーム光の前記被走査面における通過位置が適正位置となるよう制御するための光路制御量を決定する光路制御量決定手段と、
この光路制御量決定手段で決定された光路制御量に応じて、前記走査手段により走査されるビーム光の光路を変更することにより、前記被走査面におけるビーム光の通過位置を適正位置に制御する光路制御手段と、
この光路制御手段によりビーム光の通過位置を適正位置に制御し、その後、前記ビーム光検知手段により前記ビーム光の通過位置を検知し、その検知結果が適正位置に対応するものとなることがあらかじめ設定される所定回数以上連続して得られるまで前記光路制御手段による制御を繰り返すように制御する制御手段と、
を具備したことを特徴とするビーム光走査装置。 - 前記ビーム光発生手段は複数であることを特徴とする請求項1記載のビーム光走査装置。
- 像担持体と、
請求項1または請求項2記載の光ビーム走査装置と、
前記像担持体に前記ビーム光走査装置から出力されたビーム光により走査露光形成された画像に現像剤を供給する現像器と、
を具備したことを特徴とする画像形成装置。
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