JP4246104B2 - 金属コロイド溶液の製造方法及び該金属コロイド溶液の製造方法により得られた金属コロイド溶液を用いた回路形成方法 - Google Patents

金属コロイド溶液の製造方法及び該金属コロイド溶液の製造方法により得られた金属コロイド溶液を用いた回路形成方法 Download PDF

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Description

本発明は、電子部品等の回路形成に好適な金属コロイド溶液に関する。また、金属コロイド溶液の製造方法に関する。
電気・電子部品の配線、回路パターン形成の方法としては、従来からめっき法等、周知の方法が種々あるが、最近、回路形成の手法として金属コロイドを適用することが検討されている。金属コロイドとは、溶媒に不溶な1〜100nmの金属の微小粒子が溶媒中に分散、懸濁した状態をいい、溶媒として液体を用いたものが一般に知られている。この金属コロイド中の金属微粒子は数nm〜数十nmの極めて微細な粒子であることから、超微細のパターン形成に対しても柔軟に対応可能である。また、金属コロイドはこれを溶媒に分散させた金属コロイド溶液とすることで複雑な形状の回路の形成に対応可能であり、更に、基板へ塗布後に焼成するという比較的容易な操作で金属微粒子の焼結が生じさせ回路形成が可能であり効率にも優れている。
金属コロイド溶液を適用する回路形成法の工程としては、まず、ガラス、シリコンウエハー等の基板へ金属コロイド溶液を塗布する。この塗布法としては、基板を回転させつつ基板上に金属コロイドを滴下する方法(スピンコーター法)や、金属コロイドを基板上に噴出する方法(インクジェット法)、スクリーン印刷法等が有効であるとされている。そして、金属コロイド塗布後は、基板を加熱・焼成して、基板上の金属微粒子を焼結して配線とすることができる。
ところで、金属コロイドは保護剤を含むものが一般的となっている。保護剤とは、金属コロイド中で金属微粒子の周囲に化学的又は物理的に結合、吸着する化合物であって、金属微粒子同士の凝集を抑制し粒径分布を適性範囲に制御し安定化させるものをいう。即ち、保護剤を添加することで、金属コロイドを溶媒に分散させる際に細かな粒径の微粒子が懸濁した状態を保持し、金属微粒子をそのままの状態で基板上に堆積することができる。本件出願人はこれまで、上記した各種用途に適用可能な金属コロイドについて検討を行なっており、種々の金属からなる金属微粒子と、保護剤としてポリビニルピロリドン(以下、PVPと称する)等のポリマーや4級アンモニウム塩を適用する金属コロイドにつき検討を行なっている(特許文献1〜3参照)。
特開平11−151436号公報 特開2000−279818号公報 特開2002−001095号公報
上記した金属コロイドは、その製造工程の関係から、含有する金属微粒子に対して過剰の保護剤が含まれているのが通常である。従って、金属コロイド中には、金属微粒子と結合せずに遊離する過剰の保護剤が含まれている。このような過剰の保護剤成分を含む金属コロイドを溶媒に分散させた際には、過剰な保護剤は溶媒中で遊離し、基板に塗布後は基板上に残留することとなるが、クリーンであることが要求される電子部品にとっては不純物に過ぎない。そこで、基板への塗布前に金属コロイドから余分な保護剤を除去することが好ましい。
しかしながら、金属コロイドから過剰の保護剤を除去する場合には、溶媒に分散させて金属コロイド溶液とした後、限外ろ過や透析といった分離技術が必要となるが、かかる分離方法は決して簡易なものではなく、金属コロイド溶液の塗布工程の効率を低下させる。
また、仮に塗布前の金属コロイド溶液から過剰な保護剤を除去しても、別の問題がある。即ち、貴金属微粒子と結合する保護剤は、限外ろ過等によって除去されることはなく、そのまま基板上に残留する。この基板上に残留する保護剤も不純物であることから、回路形成の前に除去することが好ましい。金属コロイド塗布後の保護剤成分除去の方法として、塗布後の焼成工程において保護剤成分を分解・気化することが考えられる。しかしながら、従来の金属コロイドの場合、保護剤として高分子材料を用いる場合、保護剤の沸点が高いため焼成時の温度を200℃以上の高温としなければならず、耐熱性のある基板に対してしか適用することができない。また、4級アンモニウム塩等の保護剤は、分子量は低いものの、そもそも塩であるため気化することがなく、焼成時にこれを取り除くことができない。
本発明は以上のような背景のもとになされたものであり、基板への塗布前に保護剤の除去工程を経ることなく使用可能であり、かつ、基板塗布後の保護剤の除去も容易な金属コロイドを含む金属コロイド溶液及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決すべく、鋭意検討を行い、基板への塗布前後の保護剤除去の可能性について、それぞれ検討した。まず、基板へ塗布前の過剰な保護剤除去のためには、そもそも、金属コロイドを製造しこれを金属コロイド溶液にする段階において過剰な保護剤を含まないようにすることで解決可能である。一方、基板塗布後の保護剤の除去については、目標とする焼成温度(200℃以下)で気化可能な化合物を適用すればよい。
そこで、本発明者は、比較的低温で気化可能な化合物として、低分子量の有機物の適用が好ましいと考え、そのような有機物としてアルキルアミン、カルボン酸アミド、脂肪酸といった化合物が好適であることを見出した。
そして、これらの有機物を保護剤として適用し、後述する方法により過剰の保護剤を含むことのない金属コロイドを製造し、基板塗布後の保護剤の除去の可否を検討したが、想定される保護剤の気化温度以上に加熱しても保護剤の気化が生じないという新たな問題に直面した。かかる現象につき本発明者が考察するに、基板上の保護剤は、焼成時においても金属微粒子と結合を保っているため、保護剤の気化に要するエネルギーのみを付与しても、金属粒子との結合を断ち切ってまで気化することができないことによると考察した。
そこで、本発明者は、金属微粒子の種類についても見直しが必要になると考え、更なる検討を行ったところ、金属微粒子として白金、パラジウム又はこれらの合金粒子については、低温でも保護剤の気化除去が可能となることを見出し本発明に想到した。
即ち、本発明は金属微粒子と、前記金属微粒子と結合して金属微粒を保護する保護剤と、からなる金属コロイドを含む金属コロイド溶液であって、前記金属コロイドを構成する保護剤は、アルキルアミン、カルボン酸アミド、脂肪酸の少なくともいずれかの有機物よりなり、前記金属コロイドを構成する金属微粒子は、白金及び/又はパラジウムからなり、かつ、金属コロイド中の保護剤と金属微粒子との存在比が6:4〜0.5:9.5であり、金属微粒子と結合することのない過剰な保護剤を含まない金属コロイド溶液である。
本発明において、金属微粒子を白金、パラジウム又はこれらの合金粒子とした際に限り、保護剤の気化を容易とする理由については、必ずしも明らかではない。本発明者は、白金及びパラジウムは高い触媒活性を有する金属であり、基板塗布後の焼成時においてその触媒活性により保護剤の気化を容易にするものと考える。この点、同様の貴金属である金、銀、或いは導電性金属である銅を金属微粒子としても、本発明のような触媒活性による保護剤の気化促進の効果はみられない。
また、金属コロイド中の保護剤と金属微粒子との存在比が6:4〜0.5:9.5(モル比)とするのは、かかる範囲で保護剤を含む金属コロイドでは、金属微粒子と結合することのない過剰な保護剤が含まれていないからである。
以下、本発明につきより詳細に説明する。上記のように、本発明は金属コロイドを含む導電性溶媒であって、保護剤及び金属微粒子の種類に特徴を有する。ここで、保護剤を構成する有機物は、アルキルアミン、カルボン酸アミド、脂肪酸であって、主鎖の炭素数が6〜20であるものが好ましい。200℃以下の加熱で気化除去させるためには、低分子量のものの適用が好ましいからである。好ましい有機物の具体例としては、へキシルアミン、ヘプチルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ドデシルアミン、トリデシルアミン、テトラデシルアミン、ヘキサデシルアミン、オクタデシルアミン、ココアミンが挙げられる。この保護剤としては、アルキルアミン、カルボン酸アミド、脂肪酸、脂肪酸アミドを1種のみで構成されていても良いが、これらが複数混合されて使用されても良い。
一方、金属コロイドを構成する金属微粒子については、白金、パラジウムである。これらが好ましい理由については、上述したが、この金属微粒子の粒径は0.5〜100nmの微粒のものが好ましい。金属微粒子は、保護剤を気化させるための触媒としての作用も有するが、かかる触媒作用を発揮するためには、ナノオーダーの細かな粒径の粒子が好ましいからである。そして、特に好ましい粒径は0.5〜20nmである。尚、金属微粒子は、白金、パラジウムの単一金属からなるものでも良いが、白金とパラジウムとが合金化したものも有用である。
本発明に係る金属コロイドを含む金属コロイド溶液は、適宜に溶媒を含むものが好ましい。この溶媒としては、主鎖の炭素数が6〜20の非極性炭化水素、炭素数5〜20のアルコール系溶媒が適用できる。具体的には、トルエン、ヘキサン、オクタン、デカン、ドデカン、ヘキサノール、オクタノール、デカノール、ドデカノールである。また、イソボルニルアセテート、イソボルネオールアセテート、ターピネオール、ブチルカルビトールアセテート、セロソルブ、ベンジルアセテート、メンタノール等も好ましい溶媒である。尚、これらの溶媒を混合して用いても良い。
本発明に係る金属コロイド溶液を回路形成に供する際には、熱硬化性樹脂、ガラスフリット、フラックス成分の少なくともいずれかを有機バインダーとして混合するものが好ましい。これらの添加剤は、金属コロイド溶液の粘性を確保しペースト塗布時の取り扱い性を良好なものとするためや、基板との密着性を向上させるため添加される。尚、熱硬化性樹脂を添加する場合、その熱硬化温度が250℃以下のものが好ましい。好ましい熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、オリゴエステルアクリレート樹脂、キシレン樹脂、ユリア樹脂、ビスマレイミドトリアジン樹脂、フラン樹脂、ポリウレタン樹脂、メラミン樹脂、シリコン樹脂である。
次に、本発明に係る金属コロイド溶液の製造方法について説明する。この製造方法においては、まず白金、パラジウムを金属微粒子とする金属コロイドを製造し、これに溶媒、有機バインダー等を適宜に添加するが、留意すべき点として、金属コロイドの製造工程で金属微粒子と結合していない過剰な保護剤を除去することである。これは金属コロイドを形成する段階では、後述のように、コロイド中に過剰の保護剤が残存することは不可避であることによる。
金属コロイドの製造工程は、基本的に一般的な金属コロイドの製造方法と同様であり、金属微粒子を構成する金属の金属塩の水溶液に、保護剤となる有機物を添加し、これを還元処理することで水溶液中の金属イオンを還元して金属粒子とすると共に金属粒子と保護剤とを結合させ金属コロイドとする。本発明は、この一般的方法に対し、金属イオン還元時の溶液系を水と有機溶媒との2相液相とすることにより有機相中に金属コロイドを移動させること、及び、有機相に金属コロイドと共に含まれる過剰の保護剤を分離除去する点において特徴を有する。
本発明に係る金属コロイドの製造工程について説明すると、本発明では、まず、白金塩水溶液及び/又はパラジウム塩水溶液と有機溶媒とを混合し、更に保護剤となる有機物を混合して2相液相の混合溶液とする。このような2相液相とする理由は、原料となる金属塩由来の不純物を水相に留まらせ、これらが金属コロイドへ混入するのを防止するためである。即ち、本発明は、電子部品等のクリーンな用途への適用を前提としていることから、金属塩由来の不純物(塩化物、硝酸塩等)の混入は好ましくはない。これらの不純物は水溶性であり、一般的な金属コロイドの製造法は、水溶液中(水相)で金属イオンの分散・還元を行なうため、不純物混入のおそれがある。そこで、金属コロイド形成過程で2相液相を用いることで、金属イオンと保護剤となる有機物とが錯体を形成しこの錯体が有機相へ移動する一方、水溶性の不純物は水相で留まるため、水相と有機相とを分離することで、金属コロイドへの不純物の混入を阻止することができる。
ここで、原料となる白金塩水溶液及び/又はパラジウム塩水溶液としては、特に限定されるものではないが、白金塩水溶液としては、ヘキサクロロ白金酸、ジニトロジアンミン白金、ジニトロジアンミン白金硝酸塩、塩化第1白金、塩化第2白金、塩化白金酸、塩化白金酸塩等の水溶液を適用できる。パラジウム水溶液としては、塩化パラジウム、硝酸バラジウム、ジニトロジアミンパラジウム等の水溶液が適用できる。尚、金属微粒子として合金粒子を形成させる場合には、これらの水溶液を混合すれば良い。
上記金属塩水溶液と混合する有機溶媒としては、水と混和しないものであって、保護剤であるアルキルアミン、カルボン酸アミド、脂肪酸等を可溶なものであれば特に限定されるものではない。この有機溶媒としては、例えば、トルエン、クロロホルム、ヘキサン等が適用可能である。また、保護剤となる有機物については、上記した有機物となるが、この有機物は、金属コロイドを有機相へ移動させるため、金属イオンに配位して錯形成可能な有機物である。尚、金属塩溶液と有機溶媒との混合比は、特に限定されないが、ほぼ同量若しくは金属塩溶液が少なくなるように混合するのが好ましい。金属塩溶液が少ない方が好ましいのは、金属塩溶液は金属錯体を有機相へ移動させた後は廃液となるものであるから、少ない方がその処理上有利だからである。
保護剤の混合量は、金属イオン1molに対して10倍mol以上混合するのが好ましい。保護剤の混合量が少なすぎると、金属イオンを還元する際に好ましい粒径を保つことができず、2次粒子を形成し粒径が大きくなって有機溶媒に不溶となり沈殿を生じるからである。このように、金属コロイドを形成する際には過剰の保護剤は不可欠であり、そのため後述の保護剤の除去工程が必要となる。
そして、混合溶液を還元処理することで、有機相中の金属イオンは還元され金属コロイドとなる。この還元処理は、還元剤の添加によるものが好ましく、還元剤としては、化学還元法に適用可能なものであれば特に限定されるものではない。好ましい還元剤としては、エタノール等のアルコール、ギ酸、水素、ヒドラジン、アミン類、水素化ホウ素ナトリウム、ジメチルアミンボランである。
還元処理によって形成された金属コロイドについて、水相と有機相とを分離して金属塩由来の不純物を除去し、その後、有機相へ分子量極性溶媒を添加する。これにより、金属微粒子とこれに安定的に結合する保護剤とからなる金属コロイドは凝集する一方、過剰の保護剤は有機相に残留するため、両者の分離が可能となる。ここで、金属コロイドを凝集させる極性溶媒としては、分子量30〜120の低分子量のものが好ましく、メタノール、エタノール、プロパノール、アセトン等が好ましい。また、その添加量は、特に限定されるものではなく、コロイドが凝集するまで添加するのが良い。
金属コロイド凝集後、混合溶液をろ過することで金属コロイドを分離し、過剰の保護剤を除去することができる。このろ過については、限外ろ過、透析のような複雑なものである必要はなく、一般的なろ過法で十分である。
このようにして製造した金属コロイドに、溶媒、有機バインダー等を適宜に添加することで、回路形成用の金属コロイド溶液とすることができる。そして、本発明に係る金属コロイド溶液を用いて回路形成を行なう際には、金属コロイド溶液を基板に塗布し、基板を200℃以下に加熱することで、金属コロイド中の保護剤は気化除去され、同時に金属微粒子が焼結して配線・回路が形成される。尚、金属コロイド溶液の基板への塗布法としては、スピンコート法、インクジェット法の他、スクリーン印刷、一般的な塗布が適用できる
以上説明した、本発明に係る金属コロイド溶液によれば、基板への塗布後の焼成工程の温度を200℃以下の低温とすることができる。この際、基板上へ金属コロイドに含まれていた保護剤の残留もなく、また、その他の不純物も残留することはなく、クリーンな製品が要求される各種電気・電子部品の回路形成が可能となる。本発明に係る金属コロイド溶液は、特に、センサー等の電子部品の回路形成に好適である。
以下、本発明の好適な実施形態を説明する。
第1実施形態(白金コロイド含有金属コロイド溶液):0.1Mのジニトロアンミン白金塩水溶液10mLとトルエン200mLとを混合し、これに保護剤として40mmolのデシルアミンを添加し攪拌した。これにより、白金イオンとデシルアミンとが錯形成し、錯体のトルエン相へ移動する。そして、この混合溶液に還元剤として0.2Mの水素化ホウ素ナトリウムを10mL添加して、完全に還元するまで攪拌した。これによりトルエン相の白金イオンは白金粒子へ還元されると共に、保護剤が白金粒子と結合し、白金コロイドが形成される。
還元処理後の混合溶液について、水相とトルエン相とを分離し、トルエン相についてトルエンを除去した後にエタノール500mLを添加した。エタノール添加により白金コロイド(白金粒子と保護剤との結合したもの)の沈殿が生じた。そして、この沈殿をろ別し、沈殿物にトルエン10mLを加えて白金コロイドを含む金属コロイド溶液とした。この際の白金コロイド中の保護剤と白金との存在比率は、保護剤:白金=1.93:8.07(モル比)であった。
第2実施形態(パラジウムコロイド含有金属コロイド溶液):第1実施形態において、0.1Mのジニトロアンミン白金塩水溶液10mLに替えて、0.1Mのジニトロアンミンパラジウム塩水溶液10mLを用いた以外は、第1実施形態と同様の工程にてパラジウムコロイドを製造した。そして、その後のトルエン相の分離、エタノール添加による過剰の保護剤の分離も第1実施形態と同様にしてパラジウムコロイドを含む金属コロイド溶液とした。この際のパラジウムコロイド中の保護剤とパラジウムとの存在比率は、保護剤:パラジウム=2.38:7.62(モル比)であった。
以上製造した金属コロイド溶液について、まず、ICP−AESにて金属含有率を測定した。その結果、第1実施形態では80.73重量%、第2実施形態では76.16重量%であり、不純物を含まない高い金属濃度を有する金属コロイドであることが確認された。また、製造した金属コロイド溶液を放置してその安定性を確認したところ、いずれも1ヶ月経過後も沈殿・分離は見られず安定性は良好であることが確認された。
次に、各金属コロイド溶液の保護剤の分解温度を測定した。この検討は熱質量―示差熱分析(TG−DTA法)により行ない、示差熱曲線(DTA曲線)の測定により行った。DTA曲線の測定は、最終加熱温度を500℃とし、加熱開始から500℃までの所定時間における各金属コロイド溶液の質量変化を追跡すると共に、発生する熱流束を測定した。また、測定条件としては、昇温速度10℃/minとして試験を行なった。
図1は、第1実施形態の白金コロイドを含む金属コロイド溶液のTG−DTA曲線を示す。この図から、この金属コロイド溶液は、134℃で保護剤が分解し、それ以降の重量減がみられないことから、134℃で保護剤が完全に気化していることが確認できる。また、図2は、第2実施形態のパラジウムコロイドを含む金属コロイド溶液のTG−DTA曲線を示す。この実施形態では、163℃付近で保護剤の分解が始まり、その後の重量変化から196℃で保護剤の気化が確認できる。これは、それ以降の温度上昇に伴いパラジウムの酸化による重量増がみられることからも確認できる。
第1実施形態についてのTG−DTA曲線測定後の試料は、金属光沢を示していた(第2実施形態についてはパラジウムの酸化によりわずかに曇っていた)。また、各実施形態のTG−DTA曲線測定後の試料表面の形態をTEMにて観察したところ、いずれも緻密な金属薄膜となっていることが確認された。
第1実施形態のTG−DTA曲線。 第2実施形態のTG−DTA曲線。

Claims (6)

  1. 金属微粒子と、前記金属微粒子と結合して金属微粒子を保護する保護剤と、からなる金属コロイドを含む金属コロイド溶液の製造方法であって、
    白金塩水溶液及び/又はパラジウム塩水溶液と有機溶媒とを混合し、更に保護剤となる有機物を金属イオン1molに対して10倍mol以上混合することにより、水相と有機溶媒相とからなる混合溶液とする工程と、
    前記混合溶液を還元処理して混合溶液の有機溶媒相中の白金イオン及び/又はパラジウムイオンを還元することにより、金属微粒子と該金属粒子と結合する保護剤とからなる金属コロイドを形成する工程と、
    還元後の有機溶媒相に極性溶媒を添加して金属コロイドを凝集させる工程と、
    凝集した金属コロイド溶液を分離し、金属微粒子と結合していない過剰な保護剤を除去する工程と、を含み、
    前記保護剤は、アルキルアミン、カルボン酸アミド、脂肪酸の少なくともいずれかの有機物とする金属コロイド溶液の製造方法。
  2. 混合溶液の還元工程後、混合溶液の水相と有機溶媒相とを分離する工程を含む請求項記載の金属コロイド溶液の製造方法。
  3. 白金塩水溶液及び/又はパラジウム塩水溶液と混合する有機溶媒は、トルエン、クロロホルム、ヘキサンである請求項又は請求項記載の金属コロイド溶液の製造方法。
  4. 極性溶媒として、メタノール、エタノール、プロパノール、アセトンを添加する請求項〜請求項のいずれか1項に記載の金属コロイド溶液の製造方法。
  5. 請求項1〜請求項のいずれか1項に記載の方法により得られた金属コロイド溶液を用いる回路形成方法であって、
    前記金属コロイド溶液を基板に塗布し、該基板を200℃以下に加熱して金属コロイド中の保護剤を除去すると共に、金属微粒子を焼結して回路とする回路形成方法。
  6. 金属コロイド溶液の基板への塗布は、スピンコート法、インクジェット法、スクリーン印刷法によるものである請求項記載の回路形成方法。
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