JP4245237B2 - テンショナリフター - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、動力を伝達するチェーン等の伝動帯に常に一定の張力を付与するテンショナリフターに関し、特に所謂送りねじ式のテンショナリフターに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の送りねじ式のテンショナリフターは、内部構成部品を潤滑するためにテンショナリフター内部にオイルやグリスを封入したり、あるいは自然給油に頼っていた。
また特開平2−154847号公報に記載されたものは、テンショナリフター内に油溜まりを形成し、潤滑を確保しようとするものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
いずれにしても従来の送りねじ式のテンショナリフターにおける潤滑方式は、強制的に潤滑油を供給するものではない。
テンショナリフターは、チェーン等の伝動帯側から大きな力を受けており、その力に対向する反力は、伝動帯側に接する先端部、ねじ部、軸受部などで発生させている。
【0004】
しかし従来のように強制的に潤滑油を供給しない場合、反力発生部位の磨耗による経時変化が大きく、初期性能を維持することが困難で追従不安定などの不具合を生じていた。
そこで劣化を考慮して初期性能をできるだけ維持できるようにケースを大型化して封入オイル量を増やすなどの対策によりコストアップや開発工数が増大したりしていた。
【0005】
本発明は、斯かる点に鑑みなされたもので、その目的とする処は、送りねじ式のテンショナリフターに強制給油を行い初期性能を長期に維持できるテンショナリフタを安価に供する点にある。
【0006】
【課題を解決するための手段及び作用効果】
上記目的を達成するために、本発明は、筒状のケース内の収納孔に、ばねで回転付勢された回転シャフトと、回転を規制されて前記回転シャフトと螺合し軸方向に突出する押圧体とを挿入し、前記収納孔の先端側開口から突出した前記押圧体の端部がテンションスリッパーに接して押圧するエンジンに取り付けられるテンショナリフターにおいて、エンジン側からの潤滑油を前記ケース内の前記収納孔の先端側開口と反対側の基端側孔に導く潤滑油通路を前記ケースに設け、前記潤滑油通路から前記ケース内の基端側孔に供給された潤滑油が、前記収納孔に導入されて前記ばねの内外周および前記回転シャフトと前記押圧体の螺合部分を潤滑し、さらに前記収納孔の先端側開口から漏出してエンジンケース内に回収され、その際前記押圧体の外周面を伝わって端部に至り前記テンションスリッパーとの接触部を潤滑するテンショナリフターとした。
【0007】
筒状のケース内に、ばねで回転付勢された回転シャフトと、回転を規制されて回転シャフトと螺合し軸方向に突出する押圧体とを挿入した所謂送りねじ式のテンショナリフターにおいて、潤滑油通路をケースに設けエンジン側からの潤滑油をケース内に導いて、強制的に給油するようにしたので、十分な潤滑油により長期使用による摩耗を抑え、初期性能を長期に亘って維持することができる。
潤滑油通路をケースに設ける簡単な構造で、コストアップを抑えることができる。
押圧体が突出するケースのエンジン側に連通する開口をエンジンに潤滑油を回収する回収油路としたので、エンジンに潤滑済みオイルを速やかに回収することができる。
またテンショナリフターの押圧体が当接して伝動帯ガイドを押圧する当接部分に回収潤滑油を導くことにより、当接部分の振動を減衰させ、騒音レベルを低下させることができる。
【0008】
請求項2記載の発明は、請求項1記載のテンショナリフターにおいて、前記潤滑油通路を前記回転シャフトの中心軸線上に設けたことを特徴とする。
【0009】
ケースにおける回転シャフトの中心軸線上には、従来一般に押えボルトが螺入されるねじ孔が形成されているので、このねじ孔を潤滑油通路として利用することで、新たな取り付け部の加工を省略できる。
【0010】
請求項3記載の発明は、請求項1記載のテンショナリフターにおいて、前記潤滑油通路に連通する潤滑油配管を接続し、前記潤滑油配管がエンジンの潤滑油供給通路に連通していることを特徴とする。
【0011】
前記潤滑油通路に連通する潤滑油配管がエンジンの潤滑油供給通路に連通しているので、テンショナリフターへ強制的に給油するのにエンジンの潤滑系を利用でき、別途新たな潤滑系を設ける必要がない。
【0012】
請求項4記載の発明は、請求項3記載のテンショナリフターにおいて、前記潤滑油配管がエンジンと該テンショナリフターとの接合面に形成された潤滑油孔を介して形成される通路であることを特徴とする。
【0013】
潤滑油配管がエンジンとテンショナリフターとの接合面に形成された潤滑油孔を介して形成される通路であるので、エンジンへのテンショナリフターの取り付けにより潤滑油配管が構成され、組付工数が少なく作業が容易であるとともに、配管が外部に露出せず外観性が良い。
【0014】
請求項5記載の発明は、請求項3記載のテンショナリフターにおいて、前記潤滑油配管がエンジンと該テンショナリフターとを連結するパイプ部材であることを特徴とする。
【0015】
前記潤滑油配管がエンジンとテンショナリフターとを連結するパイプ部材であるので、配管が簡便である。
【0019】
請求項6記載の発明は、筒状のケース内の収納孔に、ばねで回転付勢された回転シャフトと、回転を規制されて前記回転シャフトと螺合し軸方向に突出する押圧体とを挿入し、前記収納孔の先端側開口から突出した前記押圧体の端部がテンションスリッパーに接して押圧するエンジンに取り付けられるテンショナリフターにおいて、エンジン側からの潤滑油を前記ケース内の前記収納孔の先端側開口と反対側の基端側孔に導く潤滑油通路を前記ケースに設け、エンジン側のチェーン室内面に形成された潤滑油捕集部と前記潤滑油通路とを連結する潤滑油配管を設け、前記潤滑油通路から前記ケース内の基端側孔に供給された潤滑油が、前記収納孔に導入されて前記ばねの内外周および前記回転シャフトと前記押圧体の螺合部分を潤滑し、さらに前記収納孔の先端側開口から漏出してエンジンケース内に回収され、その際前記押圧体の外周面を伝わって端部に至り前記テンションスリッパーとの接触部を潤滑するテンショナリフターである。
【0020】
チェーン室内で飛散した潤滑油等を潤滑油捕集部が捕集して潤滑油配管を介してケース内に供給することができ、長期使用による摩耗を抑え、初期性能を長期に亘って維持することができる。
【0021】
請求項7記載の発明は、請求項6記載のテンショナリフターにおいて、前記潤滑油配管が前記ケースに一体に形成されたことを特徴とする。
潤滑油通路をケースに設ける簡単な構造で、部品点数も少なくコストアップを抑えることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下本発明に係る一実施の形態について図1ないし図8に図示し説明する。
本実施の形態に係るテンショナリフター20を適用したDOHC型のエンジン1の動弁駆動系を図1に示す。
なお図1においてテンショナリフター20の一部断面はエンジン断面と同一断面ではない。
【0023】
該エンジン1は、上下半割りのエンジンケース2にシリンダヘッド3,シリンダヘッドカバー4が順に重ねられて合体されており、上側エンジンケース2は、シリンダブロックとクランクケースとミッションケースが一体に構成されている。
【0024】
クランクケースに回転自在に軸支されたクランク軸6に嵌着されたドライブスプロケット7と、シリンダヘッド3の上部に軸支された2本の動弁カム軸8,9にそれぞれ嵌着されたドリブンスプロケット10,11とに無端状の伝動帯であるカムチェーン12が架渡されている。
【0025】
一方のドリブンスプロケット10とドライブスプロケット7との間のカムチェーン12を僅かに湾曲して長尺に延びたチェーンガイド13がガイドしており、他方のドリブンスプロケット11とドライブスプロケット7との間のカムチェーン12を弓形に湾曲したテンションスリッパー14が押さえるようにしてカムチェーン12に適度な緊張を維持させている。
【0026】
テンションスリッパー14は、一端がシリンダヘッド3に支軸15を介して支承され、エンジンケース2に取り付けられたテンショナリフター20によって他端近傍が押圧されて揺動力でカムチェーン12を押え一定の張力を与えている。
【0027】
テンショナリフター20は、図2乃至図5に示すように筒状をしたテンショナケース21内に、捩じりばね39により回転付勢された回転シャフト31と、規制部材36に回転を規制されて前記回転シャフト31と螺合し軸方向に突出する押圧体33とが挿入されている。
【0028】
概ね円筒形状をしたテンショナケース21には、先端側(押圧体33の突出側)から基端側へ順に、収納孔22,取付孔23,ねじ孔24が順次径を小さくして同軸に設けられており、外周面において先端寄りにフランジ25が張り出して、同フランジ25に一対のボルト孔25a,25aが形成され、同フランジ25をエンジンケース2に当接してボルト孔25a,25aを貫通したボルト40,40によりテンショナケース21はエンジンケース2に取り付けられる。
【0029】
そしてテンショナケース21には、フランジ25の接合面に開口を有し軸方向と若干角度をもって側壁に沿って穿孔された潤滑油孔26が形成されており、同潤滑油孔26の基端側端部と交叉して前記ねじ孔24に連通する横孔27が外側面から穿孔されている。
ねじ孔24にはフランジ付きのシールボルト28がシール材29を介して螺合され、横孔27の外側面開口は栓部材30で閉塞される。
【0030】
回転シャフト31は、先端側から順に全て円柱状をした雄ねじ部31a,連結部31b,段部31cを介して大径部31d,支持部31eが同軸に連続して形成されている。
回転シャフト31は、その基端部の支持部31eがテンショナケース21の取付孔23に軸受部材32を介して回転自在に挿入されてスラスト支持される。
【0031】
軸受部材32は、中空の底壁を有する円筒形状をしており、テンショナケース21の取付孔23に圧入されると、底壁中央の円孔がねじ孔24に連通する。
なお回転シャフト31の支持部31eには縦溝31fが形成されている。
【0032】
回転シャフト31の先端側雄ねじ部31aに螺合する押圧体33は、内部に雌ねじが刻設された筒体34とその先端にかしめ結合されるキャップ35とからなり、筒体34の基端側の部分を除く外周面が円周面の対応する面を平坦に欠損して平行な一対の平坦面34a,34aを形成して断面が変形長円形をなす。
【0033】
回転シャフト31の雄ねじ部31aに螺合した押圧体33の筒体34は、テンショナケース21の収納孔22に挿入され、先端部が規制部材36を貫通してキャップ35とともに突出している。
規制部材36は、皿状をなし、中央に前記筒体34の断面形状に一致する変形長円形の挿通孔36aを有しており、周縁部には十字放射方向にそれぞれ係合爪36bが突出している。
【0034】
テンショナケース21の先端部には規制部材36の4つの係合爪36bにそれぞれ対応する係合凹部22bが形成されていて、同係合凹部22bに係合爪36bを係合させて規制部材36が嵌合され、テンショナケース21の先端部外周に嵌着される止め輪37により抜け止めされて規制部材36が取り付けられる。
【0035】
押圧体33の断面が変形長円形の筒体34は、このテンショナケース21の先端部に取り付けられる規制部材36の変形長円形の挿通孔36aに挿通されるので、押圧体33は規制部材36により軸回りの回転を規制され、軸方向の移動を可能として支持される。
【0036】
回転シャフト31の大径部31dと規制部材36との間に押圧体33の筒体34を同軸に囲繞して円筒状のスペーサ38が介装されている。
なおこのスペーサ38の基端側の端縁には、図4及び図5に示すように対称位置に円弧状の切欠き38a,38aが形成されている。
【0037】
そして同スペーサ38の大部分と回転シャフト31の大径部31dを捩じりばね39が同軸に囲繞しており、捩じりばね39の一端39aが回転シャフト31の支持部31eの縦溝31fに係止され、他端39bがテンショナケース21の先端の1つの係合凹部22bに係止される。
【0038】
この捩じりばね39のばね力により回転シャフト31が回転付勢され、この回転シャフト31に作用する回転付勢力は回転シャフト31に螺合し回転を規制された押圧体33を突出させる方向に働く。
【0039】
したがって該テンショナリフター20をエンジンケース2に取り付けると、押圧体33の先端キャップ35がテンションスリッパー14に当接して押圧し、カムチェーン12に一定の張力を与えることができる。
【0040】
テンショナリフター20が取り付けられる側のエンジンケース2には、図6及び図8に示すようにシリンダブロックの側壁所定箇所にテンショナケース21の先端部が挿入される円孔50と、テンショナケース21のフランジ25の接合面に対応する平坦な接合面51が円孔50の周りに形成されている。
【0041】
一方でエンジンケース2には、図7乃至図9に図示するように、動弁系に潤滑油を供給する潤滑油路52が形成されている。
すなわちクランク軸6の1軸受部からシリンダブロックを鉛直上方へ潤滑油路52aが形成され、その上端から側壁方向へ水平に潤滑油路52bが延び、その端部からシリンダヘッド3に向けて潤滑油路52cが延びている。
【0042】
この潤滑油路52のうちシリンダヘッド3に向かう潤滑油路52cが丁度テンショナリフター20との接合面51の下を通っており、潤滑油路52cから接合面51に向けて潤滑油孔53が形成されている。
潤滑油孔53の接合面51に開いた開口が、テンショナリフター20のテンショナケース21に形成された潤滑油孔26のフランジ25の接合面に開いた開口と対応している。
【0043】
したがってエンジンケース2の接合面51にテンショナリフター20のフランジ25の接合面を合わせてボルト40,40によりエンジンケース2にテンショナリフター20を固着して取り付けると、潤滑油孔53と潤滑油孔26が連通し、エンジン側の潤滑油をテンショナリフター20のテンショナケース21内に導入することができる。
【0044】
テンショナリフター20の潤滑油孔26に導入された潤滑油は、横穴27を経てねじ孔24に入り、軸受部材32の中央の開口から回転シャフト31の支持部31eの縦溝31f及び支持部31eの軸受部材32との間の摺動面に供給される。
【0045】
そして潤滑油は、さらに収納孔22内に導入されて捩じりばね39の内外周を潤滑し、スペーサ38の切欠き38a,38aよりスペーサ38の内側に入り回転シャフト31の雄ねじ部31eと押圧体33の筒体34の雌ねじとの螺合部分を潤滑する。
【0046】
スペーサ38の内外周を伝わった潤滑油は、収納孔22の先端側開口から漏出してエンジンケース2内に回収され、その際押圧体33の筒体34の外周面を伝わった潤滑油は先端のキャップ35の外面に至り、テンションスリッパー14との接触部を潤滑することができる。
【0047】
以上のように送りねじ式のテンショナリフター20において、エンジン1側からの潤滑油をテンショナケース21内に導いて、強制的に給油するようにしたので、十分な潤滑油により長期使用による摩耗、特に回転シャフト31の支持部31eと軸受部材32との間の摺動面,捩じりばね39の内外周,回転シャフト31と押圧体33との螺合部分,押圧体33とテンションスリッパー14との接触部における摩耗を抑え、初期性能を長期に亘って維持することができる。
【0048】
押圧体33とテンションスリッパー14との接触部に潤滑油が供給され、接触部に油膜が形成されることから、両者の接触部分の振動を減衰させることができ、騒音レベルを低下させることができる。
【0049】
潤滑油通路をテンショナケース21に設ける簡単な構造であり、それも従前のシールボルト28のねじ孔24を潤滑油路に利用できて加工も容易である。
さらにエンジンケース2側に新たに形成する潤滑油孔53もエンジン1の動弁系への潤滑油路52に連通させることで、短い直線状の孔でよく、加工が容易である。
【0050】
したがってコストを大幅に低減することができる。
エンジンケース2へテンショナリフター20を取り付けることにより潤滑油配管が構成されるので、組付工数が少なく作業が容易であるとともに、配管が外部に露出せず外観性が良い。
【0051】
次に別の実施の形態について、図9及び図10に図示し説明する。
本テンショナリフター60は、テンショナケース61内に潤滑油孔が形成されていないこと以外は前記テンショナリフター20と同じ構造をしており、よって従前のものを利用することができる。
エンジンケース70も略同じ構造であり、よって図9において同じ部材は同じ符号を用いる。
【0052】
エンジンケース70の所定箇所から外部へ延出した外管62が、テンショナリフター60のテンショナケース61に接続されて、エンジン側の潤滑油をテンショナケース61内に導入するようになっている。
【0053】
外管62のテンショナリフター60側の端部には、管接手63が一体に設けられており、図10に示すように管接手63はボルト孔に側方から外管62の通路が連通していて、同通路が連通するボルト孔の内周面に環状に溝63aが形成されている。
【0054】
この管接手63をテンショナケース61の基端面にワッシャ64を挟んで当てがい、さらにワッシャ65を介装してシールボルト66を管接手63のボルト孔に貫通してテンショナケース61のねじ孔に螺着する。
シールボルト66は、螺着したときに管接手63の溝63a部分に臨んで横孔66aが貫通して形成され、同横孔66aからボルト先端に縦孔66bが穿孔されている。
【0055】
したがってエンジン潤滑油は、一部外管62に導入され、管接手63およびシールボルト66の横孔66a,縦孔66bを経てテンショナリフター60のテンショナケース61の内部に強制的に供給される。
【0056】
テンショナケース61の内部構造は、前記テンショナリフター20と同じなので、十分な潤滑油により長期使用による摩耗を抑え、初期性能を長期に亘って維持することができる。
【0057】
テンショナリフター60への潤滑油の供給を外管62を使用して行っているので、配管は容易で、テンショナリフターの取付位置を自由に設計できる。
【0058】
以上の実施の形態におけるテンショナリフター20,60は、回転シャフト31を回転付勢する捩じりばね39がコイルばねであったが、図11に図示するようにステンレス板を巻回したゼンマイばね84で回転シャフト83を回転付勢し、押圧体85を送り出す送りねじ式のテンショナリフター80でも適用できる。
【0059】
すなわち本テンショナリフター80は、そのテンショナケース81に潤滑油孔82が形成されており、エンジンのシリンダブロック側に形成された潤滑油孔と連通してエンジン側の潤滑油がテンショナケース81内に強制的に供給される。
潤滑油孔82は、前記テンショナリフター20,60と同様にシールボルト86の螺合されるねじ孔に連通している。
【0060】
また本実施の形態では、動弁カム軸90が1本のエンジンに適用したものであり、動弁カム軸90のドリブンスプロケット91とクランク軸92のドライブスプロケット93との間にカムチェーン94が架渡され、カムチェーン94に沿って揺動自在に配設されたテンションスリッパー95を本テンショナリフター80の押圧体85が押圧し、カムチェーン94に一定の張力を与える。
【0061】
ゼンマイばね84を用いた送りねじ式のテンショナリフター80においても潤滑油を強制的に供給することにより、十分な潤滑油により長期使用による摩耗を抑え、初期性能を長期に亘って維持することができる。
【0062】
以上の実施の形態ではポンプにより圧送される潤滑油をテンショナリフターに導くものであったが、別の潤滑油供給方法による実施の形態を図12及び図13に図示する。
【0063】
本エンジン101の構造は前記エンジン1と基本的に同じであり、上側エンジンケース102の本テンショナリフター110の取付部102aの形状が異なる以外は同じであり、同じ部材は同じ符号を用いる。
【0064】
すなわちシリンダが前傾し、傾斜した上側エンジンケース102の上壁に取付部102aがあり、同取付部102aの内面は内側に膨出しており、その上端が図13に示すような潤滑油受部102bを形成している。
【0065】
潤滑油受部102bは、内側に突出して図12のXIII矢視図(図13)で逆三角形の上辺が下方へ湾曲して受面102cを形成している。
そして同受面102cの中央の最下点に臨んで開口103aを有した潤滑油通路103がテンショナリフター110との合わせ面に向けて若干下方へ傾斜して延びている。
【0066】
一方テンショナリフター110は、テンショナケース111を除いて基本的に前記テンショナリフター20(図2)と同じ構造をしており、テンショナケース111以外の同じ部材は同じ符号を用いる。
【0067】
本テンショナケース111は、エンジンケース102の取付部102aに接合するフランジ112が上方にさらに延出しており、同延出部112aと円筒状本体の基端側端部とを直線的に連結する潤滑油連通管部113が一体に形成されている。
【0068】
潤滑油連通管部113内の連通路113aは、基端側で横孔114によりシールボルト28が螺合するねじ孔115に連通し、先端側接合面の開口が前記エンジンケース102の取付部102aの潤滑油通路103の開口と一致する。
【0069】
テンショナリフター110のフランジ112をエンジンケース102の取付部102aに当接し、ボルト120の螺合およびスタッドボルト121にナット122を螺合してテンショナケース111を取り付けると、エンジンケース102側の潤滑油通路103と潤滑油連通管部113内の連通路113aが同一直線上で連通する。
【0070】
エンジンケース102にテンショナケース111を取り付けると潤滑油連通管部113は若干傾斜して同一直線上に連通する連通路113aと潤滑油通路103は、エンジンケース102側が高くテンショナケース111の基端側が低い傾斜した通路を形成する。
【0071】
したがって動弁カム軸9からの戻り油やカムチェーン12の回動によりシリンダヘッド3及びエンジンケース102のチェーン室内面に飛散した潤滑油を、潤滑油受部102bが上側に開いた受面102cにより捕集して開口103aから潤滑油通路103に導き、傾斜した連通路113aを通って横孔114からテンショナケース111のねじ孔115に供給することができる。
【0072】
このようにポンプで圧送される潤滑油ではなくチェーン室内に飛散した潤滑油等を捕集してテンショナケース111内に供給することが可能であり、長期使用による摩耗を抑え、初期性能を長期に亘って維持することができる。
なお潤滑油連通管部113を別体の連通管とすることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係るテンショナリフターを適用したDOHC型のエンジンの動弁駆動系を示す図である。
【図2】同テンショナリフターの断面図(図3におけるII−II線で切断した断面図)である。
【図3】図2におけるIII−III線で切断した断面図である。
【図4】スペーサの側面図である。
【図5】同正面図である。
【図6】エンジンケースの側面図である。
【図7】図6におけるVII−VII線で切断した断面図である。
【図8】図6におけるVIII矢視図である。
【図9】別の実施の形態に係るDOHC型のエンジンの動弁駆動系を示す図である。
【図10】同実施の形態のテンショナリフターの断面図である。
【図11】また別の実施の形態に係るエンジンの動弁駆動系を示す図である。
【図12】さらに別の実施の形態に係るエンジンの動弁駆動系を示す図である。
【図13】図12におけるXIII矢視図である。
【符号の説明】
1…エンジン、2…エンジンケース、3…シリンダヘッド、4…シリンダヘッドカバー、6…クランク軸、7…ドライブスプロケット、8,9…動弁カム軸、10,11…ドリブンスプロケット、12…カムチェーン、13…チェーンガイド、14…テンションスリッパー、15…支軸、20…テンショナリフター、21…テンショナケース、22…収納孔、23…取付孔、24…ねじ孔、25…フランジ、26…潤滑油孔、27…横孔、28…シールボルト、29…シール材、30…栓部材、31…回転シャフト、32…軸受部材、33…押圧体、34…筒体、35…キャップ、36…規制部材、37…止め輪、38…スペーサ、39…捩りばね、40…ボルト、50…円孔、51…接合面、52…潤滑油路、53…潤滑油孔、
60…テンショナリフター、61…テンショナケース、62…外管、63…管接手、64,65…ワッシャ、66…シールボルト、70…エンジンケース、
80…テンショナリフター、81…テンショナケース、82…潤滑油孔、83…回転シャフト、84…センマイばね、85…押圧体、90…動弁カム軸、91…ドリブンスプロケット、92…クランク軸、93…ドライブスプロケット、94…カムチェーン、95…テンションスリッパー、
101…エンジン、102…エンジンケース、103…潤滑油通路、
110…テンショナリフター、111…テンショナケース、112…フランジ、113…潤滑油連通管部、114…横孔、115…ねじ孔。
Claims (12)
- 筒状のケース内の収納孔に、ばねで回転付勢された回転シャフトと、回転を規制されて前記回転シャフトと螺合し軸方向に突出する押圧体とを挿入し、前記収納孔の先端側開口から突出した前記押圧体の端部がテンションスリッパーに接して押圧するエンジンに取り付けられるテンショナリフターにおいて、
エンジン側からの潤滑油を前記ケース内の前記収納孔の先端側開口と反対側の基端側孔に導く潤滑油通路を前記ケースに設け、
前記潤滑油通路から前記ケース内の基端側孔に供給された潤滑油が、前記収納孔に導入されて前記ばねの内外周および前記回転シャフトと前記押圧体の螺合部分を潤滑し、
さらに前記収納孔の先端側開口から漏出してエンジンケース内に回収され、その際前記押圧体の外周面を伝わって端部に至り前記テンションスリッパーとの接触部を潤滑することを特徴とするテンショナリフター。 - 前記潤滑油通路を前記回転シャフトの中心軸線上に設けたことを特徴とする請求項1記載のテンショナリフター。
- 前記潤滑油通路に連通する潤滑油配管を接続し、前記潤滑油配管はエンジンの潤滑油供給通路に連通していることを特徴とする請求項1記載のテンショナリフター。
- 前記潤滑油配管がエンジンと該テンショナリフターとの接合面に形成された潤滑油孔を介して形成される通路であることを特徴とする請求項3記載のテンショナリフター。
- 前記潤滑油配管がエンジンと該テンショナリフターとを連結するパイプ部材であることを特徴とする請求項3記載のテンショナリフター。
- 筒状のケース内の収納孔に、ばねで回転付勢された回転シャフトと、回転を規制されて前記回転シャフトと螺合し軸方向に突出する押圧体とを挿入し、前記収納孔の先端側開口から突出した前記押圧体の端部がテンションスリッパーに接して押圧するエンジンに取り付けられるテンショナリフターにおいて、
エンジン側からの潤滑油を前記ケース内の前記収納孔の先端側開口と反対側の基端側孔に導く潤滑油通路を前記ケースに設け、
エンジン側のチェーン室内面に形成された潤滑油捕集部と前記潤滑油通路とを連結する潤滑油配管を設け、
前記潤滑油通路から前記ケース内の基端側孔に供給された潤滑油が、前記収納孔に導入されて前記ばねの内外周および前記回転シャフトと前記押圧体の螺合部分を潤滑し、
さらに前記収納孔の先端側開口から漏出してエンジンケース内に回収され、その際前記押圧体の外周面を伝わって端部に至り前記テンションスリッパーとの接触部を潤滑することを特徴とするテンショナリフター。 - 前記潤滑油配管は前記ケースに一体に形成されたことを特徴とする請求項6記載のテンショナリフター。
- 前記潤滑油配管は前記潤滑油捕集部と前記潤滑油通路とを管形状をなして連結することを特徴とする請求項7記載のテンショナリフター。
- 前記ケース内の基端側孔に供給された潤滑油は、前記回転シャフトの支持部およびその軸受部材を潤滑して前記収納孔に導入されることを特徴とする請求項1から請求項8までのいずれか1項記載のテンショナリフター。
- 前記回転シャフトの大径部と前記収納孔の先端側開口に設けられる規制部材との間に前記押圧体を同軸に囲繞して円筒状のスペーサが介装され、
前記スペーサの端縁に切欠きが形成され、
前記収納孔に導入された潤滑油が前記切欠きより前記スペーサの内側に入り前記回転シャフトと前記押圧体の螺合部分を潤滑することを特徴とする請求項1から請求項9までのいずれか1項記載のテンショナリフター。 - 前記潤滑油通路が前記ケースのエンジンケースとの接合面に開口を有して前記収納孔と若干角度をもって穿孔され、
エンジンケースにおけるシリンダヘッドに向かう潤滑油路から前記ケースとの接合面の開口に向けて形成された潤滑油孔が、前記潤滑油通路と互いの開口を連結して連通することを特徴とする請求項1から請求項10までのいずれか1項記載のテンショナリフター。 - 前記エンジンは、シリンダが前傾しており、
前傾した前記シリンダの傾斜した上面に前記ケースが後上がりに突設されるように取り付けられることを特徴とする請求項1から請求項11までのいずれか1項記載のテンショナリフター。
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