JP4048343B2 - 遠心クラッチの潤滑機構 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、遠心クラッチの潤滑機構に関し、特に、クランクシャフトに固定されたクラッチハブとクラッチハブに回転自在に軸支されたクラッチドラムとの間を潤滑するための遠心クラッチの潤滑機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来よりスノーモビルなどの走行車両の原動機として用いられるエンジンのクランクシャフトに、駆動輪に対してエンジンの動力を伝達若しくは遮断するための遠心クラッチを設けたものがある。
【0003】
図6はスノーモビルに搭載される遠心クラッチを備えたエンジンを示す説明図である。エンジン本体1は、図6に示すように、クランクケース1aの側面からクランクシャフトの軸端部2が突出しており、軸端部2には遠心クラッチ9が固設されている。
【0004】
従来の遠心クラッチは、内部の潤滑を行うためには、外部から潤滑剤、例えばグリースを給脂するための給脂通路を備えておらず、遠心クラッチをクランクシャフトから取り外し、分解して給脂した後に、再度組み立ててクランクシャフトに取り付けるという作業を行う必要があり、その作業は煩雑であった。
【0005】
そこで、分解することなく外部から給脂を行うことができる給脂通路を設けた遠心クラッチが種々提案されている。図7は、従来の遠心クラッチを要部断面により示す説明図である。
【0006】
軸端部2は、図7に示すように、外周面3に軸方向に延在するキー溝60を有し、軸端部2の軸端面2aには軸心上にボルト穴5が穿設されている。キー溝60の溝底面60aの延在方向略中央位置には、軸端部2の軸心と直交する方向に穿孔されボルト穴5に貫通する軸端部貫通孔62が設けられている。
【0007】
遠心クラッチ9は、図7に示すように、軸端部2に嵌合されるクラッチハブ10と、クラッチハブ10に回転自在に軸支されるクラッチドラム20を備える。クラッチハブ10は、内端面11から外端面12まで貫通し軸端部2と嵌合する内径を有する軸穴部13と、クラッチドラム20のボス部21を回転自在に軸支する軸支部14、及び設定回転数以上の回転により図示しないクラッチシューが径方向外方に移動しクラッチドラム20と結合するクラッチ本体15を有する。
【0008】
軸穴部13は、軸端部2との嵌合により軸端部2の外周面3側を閉塞する内周面16を有し、内周面16上にキー溝60に嵌入されるキー61が突設されている。キー61は、図7に示すように、外端面側の端部61aが外端面12よりも軸穴部13の内方位置でかつ軸端面2aと対応する位置に配置され、内端面側の端部61bが軸端部貫通孔62と対応する位置よりも軸端面2a寄りの位置に配置される長さを有する。
【0009】
軸支部14には、ボス部21の回転軸穴22と摺接する滑り軸受用ブッシュ23が環装されており、またクラッチハブ10には軸支部貫通孔18がキー61の延長線上に開口されておりキー溝60と対向する。
【0010】
ボス部21は、クラッチハブ10の内端面11側にスプロケット25が一体形成され、外端面12側にドラム部26が固設されている。スプロケット25は、図6に示すように、駆動軸との間に架設されるチェーン8と係合される。ドラム部26は、図7に示すように、ボス部21から径方向に延在し、外端縁にて外端面11側に屈曲され、クラッチ本体15の外周囲を覆うように延在する断面コ字型形状をなす。
【0011】
符号27は軸止め輪であり、軸支部14に固定されボス部21の軸方向の移動を規制する。また、符号31はカラーであり、略円筒形状をなし、軸端部2に嵌合された状態で軸端部2とクラッチハブ10との間に設けられる。クラッチハブ10は、このカラー31により軸端部2に対する軸方向の位置決めがなされる。
【0012】
クラッチハブ10の外端面12には軸穴部13を閉塞するスペーサ36が設けられる。スペーサ36は、軸穴部13内に嵌入される小径部37と、外端面12と当接する大径部38とを有し、その軸中心には取付ボルト40が挿通される開口穴39が穿設されている。
【0013】
取付ボルト40は、軸端部2のボルト穴5に螺入されるねじ部41とグリースニップル42が設けられたヘッド部43とを有し、ヘッド部43のグリースニップル42からねじ部41の先端にまで亘って一直線状に貫通する潤滑剤供給通路44が穿設されている。
【0014】
上記構成を有する遠心クラッチ9の滑り軸受用ブッシュ23への給脂は、グリースガン(図示せず)によるグリースニップル42からのグリースの圧送によって行われる。
【0015】
これにより、グリースは、取付ボルト40の潤滑剤供給通路44を通過してボルト穴5内に形成された下穴室5aに流れ込み、下穴室5aから軸端部貫通孔62を介してキー溝60内に流出し、キー溝60から軸支部貫通孔18に流入する。
【0016】
そして、軸支部貫通孔18を径方向に移動して滑り軸受用ブッシュ23に供給される。これにより、遠心クラッチ9を分解することなく軸支部14とボス部21との間を潤滑し、回転を滑らかなものとしている。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の実施例の場合、滑り軸受用ブッシュ23に給脂するためには軸端部2に軸端部貫通孔62を穿設する必要がある。このため、軸端部貫通孔62に応力が集中して軸端部2の強度が低下していた。また、軸端部貫通孔62から軸支部貫通孔18まではキー溝60内にグリースを通過させる必要があるため、キー61の全長を長く設定することができず、キー61とキー溝60との嵌合部分の強度が低かった。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上記不具合を解消する請求項1に記載の遠心クラッチの潤滑機構は、エンジンのクランクケースから突出したクランクシャフトの軸端部に固設される遠心クラッチの潤滑機構において、前記クランクシャフトは、前記軸端部の外周面に軸端面から軸方向に延在するキー溝を有し、前記遠心クラッチは、前記クランクシャフトの軸端部と嵌合可能な軸穴部を有するクラッチハブと、該クラッチハブの外周面に形成された軸支部にボス部が回転自在に軸支されたクラッチドラムとを備え、前記クラッチハブは、前記軸支部から前記軸穴部まで貫通して前記クランクシャフトのキー溝に連通する軸支部貫通孔を有するとともに、前記軸穴部の内周面における前記クラッチハブの外端面から前記軸支部貫通孔までの間に前記クランクシャフトのキー溝に嵌入されるキーを有し、潤滑剤が、前記クランクシャフトのキー溝と前記クラッチハブのキーとにより形成された給脂通路を通り抜け、前記クラッチハブの軸支部貫通孔を通過し、前記クラッチハブの軸支部と前記クラッチドラムのボス部との間に供給されることを特徴とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】
上記不具合を解決するために、請求項1に記載の発明による遠心クラッチの潤滑機構は、エンジンのクランクケースから突出した軸端部の外周面に軸端面から軸方向に延在するキー溝を有するクランクシャフトと、キー溝に嵌入されるキーを有し軸端部と嵌合可能な軸穴部を有する遠心クラッチのクラッチハブと、クラッチハブの外周面に形成された軸支部にボス部が回転自在に軸支された遠心クラッチのクラッチドラムと、キー溝とキーによって形成される第1給脂通路と、キー溝と軸穴部によって形成され第1給脂通路に連通する第2給脂通路と、クラッチハブに穿設された軸穴部から軸支部まで連通する軸支部貫通孔により形成され軸穴部において第2給脂通路に連通する第3給脂通路とを有し、潤滑剤が第1給脂通路、第2給脂通路、第3給脂通路通路を順に通過して軸支部とボス部との間に給脂されることを特徴とする。
【0020】
これによれば、クランクシャフトの軸端部外周面に軸端面から軸方向に延在するキー溝とクラッチハブキーとによって給脂通路が形成されクラッチハブに穿設された軸穴部から軸支部まで連通する軸支部貫通孔により軸支部とボス部との間に潤滑剤が給脂される。
【0021】
したがって、遠心クラッチを分解することなく、クラッチハブとクラッチドラムとの間の潤滑を図ることができる。そして、クランクシャフトの軸端部を貫通する給脂用の貫通孔を穿設する必要がないため、軸端部の強度低下を防止することができる。また、キーの全長をクラッチハブの軸端面から軸支部貫通孔までの長さに設定することができ、キーとキー溝との嵌合部分の強度を向上させることができる。
【0022】
請求項2に記載の発明による遠心クラッチの潤滑機構は、前記クランクシャフトの軸端部の軸端面と対向して配置され、前記軸端面との間に前記給脂通路に連通する端面通路を形成するスペーサと、該スペーサに設けられた開口穴に挿通することによって前記端面通路を通過し、先端が前記クランクシャフトの軸端面から前記クランクシャフトの軸端部に螺入されて、前記スペーサを前記クランクシャフトの軸端部に取り付ける取付ボルトとを備え、該取付ボルト内に記端面通路に一端が開口し、取付ボルトの基端に他端が開口する潤滑剤供給通路を穿設することを特徴とする。
【0023】
これによれば、スペーサにより軸端部の軸端面に給脂通路と連通する端面通路が形成され、取付ボルトとスペーサにより端面通路と外部とを連通する潤滑剤供給通路が形成される。したがって、潤滑剤供給通路を介して外部から端面通路に潤滑剤を供給し、端面通路から給脂通路に潤滑剤を流入させることができる。これにより、外部から給脂通路への潤滑剤の供給を容易なものとすることができる。
【0024】
請求項3に記載の発明による遠心クラッチの潤滑機構は、前記給脂通路は、前記クランクシャフトのキー溝の溝底面と、該溝底面と対向する前記クラッチハブのキーの対向面との間に形成されることを特徴とする。これによれば、キーとキー溝との嵌合部分の強度を低下させることなく、給脂通路を形成することができる。
【0025】
請求項4に記載の発明による遠心クラッチの潤滑機構は、前記クラッチハブのキーは、前記対向面において前記クラッチハブのキーの長手方向に亘って延在する凹部を備えることを特徴とする。これによれば、キーとキー溝の嵌合部分の強度を低下させることなく、給脂通路の流路面積を大きく確保することができる。したがって、より多くの潤滑剤を通過させることができ、給脂作業を更に容易なものとすることができる。また、凹部は容易に形成できるため、製造の容易化から製造コストの低減を図ることができる。
【0026】
請求項5に記載の発明による遠心クラッチの潤滑機構は、エンジンのクランクケースから突出したクランクシャフトの軸端部に、カラーを介して固設される遠心クラッチの潤滑機構において、前記クランクシャフトは、前記軸端部の外周面に軸端面から軸方向に延在するキー溝を有し、前記遠心クラッチは、前記クランクシャフトの軸端部と嵌合可能な軸穴部を有するクラッチハブと、該クラッチハブの外周面に形成された軸支部にボス部が回転自在に軸支されたクラッチドラムとを備え、前記クラッチハブは、前記軸支部から前記軸穴部まで貫通して前記クランクシャフトのキー溝に連通する軸支部貫通孔を有するとともに、前記軸穴部の内周面における前記クラッチハブの外端面から前記軸支部貫通孔までの間に前記クランクシャフトのキー溝に嵌入されるキーを有し、前記カラーは、前記クランクケースと前記クラッチハブとの間において前記クランクシャフトの軸端部に嵌挿された状態で介在し、前記カラーの内周面と外周面とを貫通し前記クランクシャフトのキー溝に連通する供給孔を有し、潤滑剤が、前記カラーの供給孔から流入し、前記クランクシャフトのキー溝と前記クラッチハブの軸穴部とにより形成された給脂通路を通り抜け、前記クラッチハブの軸支部貫通孔を通過し、前記クラッチハブの軸支部と前記クラッチドラムのボス部との間に供給されることを特徴とする。
【0027】
これによれば、カラーに径方向に穿設され内周面側の開口部がキー溝と対向する位置に開口する供給孔が形成され、キー溝と軸穴部及び軸穴部から軸支部まで連通する軸支部貫通孔により軸支部とボス部との間に潤滑剤が給脂される。
【0028】
したがって、遠心クラッチを分解することなく、クラッチハブとクラッチドラムとの間の潤滑を図ることができる。そして、クランクシャフトの軸端部を貫通する給脂用の貫通孔を穿設する必要がないため、軸端部の強度低下を防止することができる。また、キーの全長をクラッチハブの軸端面から軸支部貫通孔までの長さに設定することができ、キーとキー溝との嵌合部分の強度を向上させることができる。
【0029】
そして、カラーに穿設された供給孔の穴径を拡大することにより、その流量面積を大きくすることができる。したがって、多量の潤滑剤を通過させることができ、給脂作業を短時間に行うことができる。
【0030】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について図に基づいて以下に説明する。
【0031】
図1は、本発明が適用される遠心クラッチの断面図、図2は、図1に示す遠心クラッチの分解説明図、図3は、図1中において矢印A方向から見た要部拡大図である。尚、従来の構成要素と同様の構成要素には、同一の符号を付することでその詳細な説明を省略する。
【0032】
クランクシャフトの軸端部2には、キー溝6が設けられている。キー溝6は、図1に示すように、軸端部2の軸端面2aからカラー31のカラー内周面35と対向する位置まで軸方向に延在し、図3に示すように、径方向と直交する溝底面6aと、該溝底面の両側縁から外周面3に向かって垂直に立ち上がり互いに対向する溝壁面6bを有する。
【0033】
カラー31は、カラー内周面35とカラー外周面34を有する円筒形状をなし、遠心クラッチ9とクランクケース1aとの間において軸端部2に嵌合された状態で介装され、軸端部2に対するクラッチハブ10の軸方向の位置決めを行う。
【0034】
軸端部2に固設される遠心クラッチ9は、軸端部2に嵌合されるクラッチハブ10と、クラッチハブ10に回転自在に軸支されるクラッチドラム20を備え、クラッチハブ10は、軸端部2と嵌合する軸穴部13と、クラッチドラム20のボス部21の回転軸穴22を軸支する軸支部14を有する。
【0035】
軸穴部13の内周面16上には、キー17が突設されている。キー17は、図1に示すように、外端面側の端部17aが軸端面2aと対応する位置に設けられ、内端面側の端部17bが軸支部貫通孔53付近まで延在する長さを有している。また、図3に示すように、キー溝6の溝壁面6b、6b間に嵌入され、キー溝6の深さよりも低い高さを有する角形断面の平行キー形状をなす。
【0036】
したがって、キー溝6の溝底面6aとこれに対向するキー17の対向面17cとの間には、図1に示すように、軸端面2aからキー17の長さに亘って連続する間隙通路(第1給脂通路)51が形成される。
【0037】
キー17の対向面17cには、図2に示すように、長手方向全長に亘って連続する凹部17dが設けられている。凹部17dは、図3に示すように、対向面17cの幅方向中央位置に設けられており、対向面17cから軸穴部13の内周面16側に移行するにしたがって漸次接近し互いに結合する略V字型の溝形状をなす。この凹部17dにより、間隙通路51の流路面積はより広く確保される。
【0038】
キー溝6のクランクケース1a側には、図1に示すように、キー溝6と軸穴部13の内周面16とによって溝穴通路(第2給脂通路)52が形成される。溝穴通路52は、間隙通路51と連通し、軸端部2とカラー31との嵌合部分まで延在する。
【0039】
軸支部14には、軸穴部13との間を連通する軸支部貫通孔(第3給脂通路)53の一端が開口形成されており、軸支部貫通孔53の他端は、軸穴部13の内周面16でキー溝6と対向する位置に開口形成されて、溝穴通路52と連通されている。
【0040】
また、軸支部14には、ボス部21の回転軸穴22と摺接する滑り軸受用ブッシュ23が環装されている。したがって、軸支部貫通孔53は、軸穴部13側で溝穴通路52と連通し、軸支部14側で滑り軸受用ブッシュ23と連通する。
【0041】
クラッチハブ10の外端面には軸穴部13を閉塞するスペーサ36が取付ボルト40により取り付けられる。スペーサ36は、図2に示すように、軸穴部13内に嵌入される小径部37と、拡径された大径部38とを有し、取付ボルト40を挿通可能な開口穴39が設けられている。
【0042】
小径部37は、図1に示すように、軸端面2aに対して所定の間隙を介して対向する閉塞面37aを有する。これにより、軸穴部13の内周面16及び軸端面2aとの協働により軸穴部13内に間隙通路51に連通する端面通路54が形成される。
【0043】
取付ボルト40は、図2に示すように、グリースニップル42が設けられたヘッド部43と、軸端部2のボルト穴5に螺入されるねじ部41とを有し、潤滑剤であるグリースを送給可能な潤滑剤供給通路44が穿設されている。
【0044】
潤滑剤供給通路44は、図1に示すように、グリースニップル42から取付ボルト40の軸心上を軸方向に所定長さ延在した後、径方向に屈曲されてねじ周面41aに開口する略L字形状をなす。潤滑剤供給通路44のねじ周面41a側は、閉塞面37aと軸端面2aとの間に開口し、端面通路54に連通する。
【0045】
したがって、グリースニップル42から軸支部14の滑り軸受用ブッシュ23までは、取付ボルト40内の潤滑剤供給通路44、端面通路54、間隙通路(第1給脂通路)51、溝穴通路(第2給脂通路)52、軸支部貫通孔(第3給脂通路)53により連通される。したがって、グリースニップル42からグリースが圧送されることにより、滑り軸受用ブッシュ23に給脂がなされ、ボス部21との間が潤滑される。尚、太矢印は、グリースの流れを示したものである。
【0046】
本実施の形態によれば、従来のように軸端部2に潤滑剤を通過させるための貫通孔を設けることなく、滑り軸受用ブッシュ23に給脂し、軸支部14とボス部21との間を潤滑することができるため、軸端部2の強度低下を防止することができる。そして、キー17を軸支部貫通孔53まで延在させることができるため、キー17とキー溝6との嵌合部分の強度をより向上させることができる。
【0047】
図4は、本実施の形態における他の実施例を示す説明図である。ここでは、キーの対向面に凹設される凹部の代わりに、キー17の回転方向前方側の端部を全長に亘って切り欠いた切欠部17eが形成されている。図中、矢印は、軸端部2及びクラッチハブ10の回転方向を示す。これによれば、凹部17dと同様にキー17とキー溝6との間に形成される間隙通路51の流路面積を拡大することができるという効果に加えて、更に面取り部17eを形成するための加工が容易であるという効果を有する。したがって、製造コストの低減を図ることができる。
【0048】
図5は、第2の実施の形態を示す説明図である。尚、第1の実施の形態と同様の構成要素には同一の符号を付することでその詳細な説明を省略する。本実施の形態において特徴的なことは、第1の実施の形態における間隙通路の代わりに、カラー32に溝穴通路52と連通する供給孔(第1給脂通路)33を設けたことである。
【0049】
カラー32は、軸端部2と嵌合する内径及びクラッチハブ10の軸支部14と略同一径の外径を有する肉厚の円筒形状をなし、クランクケース1aとクラッチハブ10との間に設けられている。カラー32には、図5に示すように、カラー32の肉厚部32aを径方向に貫通してカラー外周面34とカラー内周面35との間を連通する供給孔33が穿設されている。
【0050】
キー溝6は、軸端部2の外周面3を軸端面2aから軸方向に延在し、その先端は供給孔33と対向する位置まで延在する。クラッチハブ10の軸穴部13には、キー溝6に嵌入されるキー19が設けられている。キー溝6のクランクケース1a側にはキー溝6と内周面16とによって溝穴通路(第2給脂通路)52が形成される。この溝穴通路52は、軸端部2に対するカラー32の回転方向の位置を合わせることによって、カラー内周面35に開口する供給孔33と連通する。
【0051】
クラッチハブ10は、軸穴部13と軸支部14との間を連通する軸支部貫通孔(第3給脂通路)53を有しており、軸支部貫通孔53の軸穴部13側は軸端部2のキー溝6と対応する位置に開口している。したがって、軸支部貫通孔53は、溝穴通路52と連通する。
【0052】
また、軸支部貫通孔53の軸支部14側は、軸支部14に環装された滑り軸受用ブッシュ23に連通する。
【0053】
これにより、カラー32から軸支部14の滑り軸受用ブッシュ23までは、供給孔(第1給脂通路)33、溝穴通路(第2給脂通路)52、軸支部貫通孔(第3給脂通路)53により連通される。
【0054】
したがって、供給孔33からのグリースの供給により、滑り軸受用ブッシュ23に給脂がなされ、回転軸穴22との間の潤滑が行われる。尚、符号49は取付ボルトであり、軸穴部13の外端面12側をスペーサ36により完全に閉鎖する。
【0055】
本実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様に、軸端部2の強度低下を防止することができ、キー19とキー溝6との嵌合部分の強度をより向上させることができる。また、第1の実施の形態のように取付ボルト46に潤滑剤供給通路44を設ける必要がなく、また、キー19に凹部を設けるなどの加工を必要としないため、製造コストを低減することができる。
【0056】
そして、第1の実施の形態における間隙通路(第1給脂通路)51と比較して、その流路面積をより大きく確保することができるため、より多くのグリースを容易に供給することができ、滑り軸受用ブッシュ23への給脂を迅速かつ簡単に行うことができる。
【0057】
尚、本発明は、上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨内にて種々の変更が可能である。例えば、第1の実施の形態におけるキーの形状は、上述した例に限定されるものではなく、キー溝6との間に第1給脂通路を構成できる間隙が形成される形状であればよい。
【0058】
また、端面通路54は、第1の実施の形態では軸端面2aとスペーサ36の閉塞面との間に形成される構成を採るが、他の例として軸端面2aに凹部を設け、この凹部により端面通路54を形成し取付ボルト46の潤滑剤供給通路44と間隙通路51との間を連通する構成としても良い。
【0059】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る遠心クラッチの潤滑構造によれば、第1給脂通路、第2給脂通路、第3給脂通路を介してクラッチハブの軸支部とクラッチドラムのボス部との間に給脂することができるため、クランクシャフトに給脂のための貫通孔を穿設する必要がなく、したがって、穿設による軸端部の強度低下を防止することができる。そして、キー溝に嵌入されるキーの全長を長く設定することができ、キーとキー溝との嵌合部分の強度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用される遠心クラッチの断面図である。
【図2】図1に示す遠心クラッチの分解説明図である。
【図3】図1中において矢印A方向から見た要部拡大図である。
【図4】本実施の形態における他の実施例を示す説明図である。
【図5】第2の実施の形態を示す説明図である。
【図6】遠心クラッチを備えたエンジンを示す説明図である。
【図7】従来の遠心クラッチを要部断面により示す説明図である。
【符号の説明】
1 エンジン本体
2 軸端部(クランクシャフト)
6 キー溝
9 遠心クラッチ
10 クラッチハブ
13 軸穴部
14 軸支部
17 キー
20 クラッチドラム
21 ボス部
31 カラー(第1の実施の形態)
32 カラー(第2の実施の形態)
33 供給孔(第1給脂通路)
36 スペーサ
46 取付ボルト
47 潤滑剤供給通路
51 間隙通路(第1給脂通路)
52 溝穴通路(第2給脂通路)
53 軸支部貫通孔(第3給脂通路)
54 端面通路

Claims (5)

  1. エンジンのクランクケースから突出したクランクシャフトの軸端部に固設される遠心クラッチの潤滑機構において、
    前記クランクシャフトは、前記軸端部の外周面に軸端面から軸方向に延在するキー溝を有し、
    前記遠心クラッチは、前記クランクシャフトの軸端部と嵌合可能な軸穴部を有するクラッチハブと、該クラッチハブの外周面に形成された軸支部にボス部が回転自在に軸支されたクラッチドラムとを備え、
    前記クラッチハブは、前記軸支部から前記軸穴部まで貫通して前記クランクシャフトのキー溝に連通する軸支部貫通孔を有するとともに、前記軸穴部の内周面における前記クラッチハブの外端面から前記軸支部貫通孔までの間に前記クランクシャフトのキー溝に嵌入されるキーを有し、
    潤滑剤が、前記クランクシャフトのキー溝と前記クラッチハブのキーとにより形成された給脂通路を通り抜け、前記クラッチハブの軸支部貫通孔を通過し、前記クラッチハブの軸支部と前記クラッチドラムのボス部との間に供給されることを特徴とする遠心クラッチの潤滑機構。
  2. 前記クランクシャフトの軸端部の軸端面と対向して配置され、前記軸端面との間に前記給脂通路に連通する端面通路を形成するスペーサと、
    該スペーサに設けられた開口穴に挿通することによって前記端面通路を通過し、先端が前記クランクシャフトの軸端面から前記クランクシャフトの軸端部に螺入されて、前記スペーサを前記クランクシャフトの軸端部に取り付ける取付ボルトとを備え、
    該取付ボルト内に記端面通路に一端が開口し、取付ボルトの基端に他端が開口する潤滑剤供給通路を穿設することを特徴とする請求項1に記載の遠心クラッチの潤滑機構。
  3. 前記給脂通路は、前記クランクシャフトのキー溝の溝底面と、該溝底面と対向する前記クラッチハブのキーの対向面との間に形成されることを特徴とする請求項1又は2に記載の遠心クラッチの潤滑機構。
  4. 前記クラッチハブのキーは、前記対向面において前記クラッチハブのキーの長手方向に亘って延在する凹部を備えることを特徴とする請求項3に記載の遠心クラッチの潤滑機構。
  5. エンジンのクランクケースから突出したクランクシャフトの軸端部に、カラーを介して固設される遠心クラッチの潤滑機構において、
    前記クランクシャフトは、前記軸端部の外周面に軸端面から軸方向に延在するキー溝を有し、
    前記遠心クラッチは、前記クランクシャフトの軸端部と嵌合可能な軸穴部を有するクラッチハブと、該クラッチハブの外周面に形成された軸支部にボス部が回転自在に軸支されたクラッチドラムとを備え
    前記クラッチハブは、前記軸支部から前記軸穴部まで貫通して前記クランクシャフトのキー溝に連通する軸支部貫通孔を有するとともに、前記軸穴部の内周面における前記クラッチハブの外端面から前記軸支部貫通孔までの間に前記クランクシャフトのキー溝に嵌入されるキーを有し、
    前記カラーは、前記クランクケースと前記クラッチハブとの間において前記クランクシャフトの軸端部に嵌挿された状態で介在し、前記カラーの内周面と外周面とを貫通し前記クランクシャフトのキー溝に連通する供給孔を有し、
    潤滑剤が、前記カラーの供給孔から流入し、前記クランクシャフトのキー溝と前記クラ ッチハブの軸穴部とにより形成された給脂通路を通り抜け、前記クラッチハブの軸支部貫通孔を通過し、前記クラッチハブの軸支部と前記クラッチドラムのボス部との間に供給されることを特徴とする遠心クラッチの潤滑機構。
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